(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
投写型画像表示装置は、パーソナルシアターや業務用プレゼンテーションまで幅広く利用されている。投写型画像表示装置の一例が特許第4900736号公報(以下、「特許文献1」と称す)に開示されている。
【0003】
図1Aないし1Dを用いて、特許文献1に開示の投写型画像表示装置について説明する。
【0004】
図1Aは、特許文献1に開示されている投写型画像表示装置の内部の概略を示す平面図である。
図1Aに示すように、特許文献1に開示の投写型画像表示装置1は、光を発する光源ユニット2と、光源ユニット2から発せられた光を用いて画像を形成し該画像を投写する画像投写ユニット3と、を備える。光源ユニット2および画像投写ユニット3はベース部材4に取り付けられている。
【0005】
図1Bは
図1Aに示される光源ユニット2の拡大平面図である。
図1Bに示されるように光源ユニット2は、青色のレーザ光を発するレーザ光源5と、レーザ光源5から発せられた青色のレーザ光を赤色光および緑色光に変換する蛍光ホイールユニット6と、を備える。
図1Cは
図1Bに示される蛍光ホイールユニット6の正面図であり、
図1Dは
図1Bに示される蛍光ホイールユニット6の断面模式図である。
【0006】
図1B、1Cおよび1Dに示されるように、蛍光ホイールユニット6は、円形基板7に蛍光体8および9が塗布されてなる蛍光ホイール10と、蛍光ホイール10を回転させるモータ11と、を含む。蛍光体8はレーザ光の照射に応じて赤色光を発し、蛍光体9はレーザ光の照射に応じて緑色光を発する。また、蛍光ホイール10はレーザ光を透過する透過領域12を有する。
【0007】
回転している蛍光ホイール10の蛍光体8および9並びに透過領域12にレーザ光源5から発せられたレーザ光を照射することによって、赤色および緑色の蛍光と、青色のレーザ光が得られる。画像投写ユニット3(
図1A参照)は、蛍光ホイールユニット6を用いて得られた赤色光、緑色光および青色光を用いて画像を形成し、当該画像を投写する。
【0008】
特開2010−86815号公報(以下、「特許文献2」と称す)では、特許文献1に開示の光源ユニット2とは異なる光源ユニットを備えた投写型画像表示装置が開示されている。
図2Aおよび
図2Bを用いて、特許文献2に開示の投写型画像表示装置について説明する。なお、
図1Aに示されるものと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0009】
図2Aは特許文献2に開示されている投写型画像表示装置の内部の概略を示す平面図である。
図2Aに示すように、特許文献2に開示の投写型画像表示装置13は、ベース部材4に取り付けられた光源ユニット14および画像投写ユニット3を備える。
図2Bは光源ユニット14の拡大平面図である。
【0010】
図2Bに示されるように、光源ユニット14は、レーザ光源15a,15bおよび15cと、蛍光ホイールユニット16a,16bおよび16cと、を含む。
【0011】
蛍光ホイールユニット16aは、レーザ光の照射に応じて青色光を発する蛍光体17aが円形基板18aに塗布されてなる蛍光ホイール19aと、蛍光ホイール19aを回転させるモータ20aと、を含む。回転している蛍光ホイール19aの蛍光体17aにレーザ光源15aから発せられたレーザ光を照射することによって青色光が得られる。
【0012】
同様に、蛍光ホイールユニット16bは、レーザ光の照射に応じて緑色光を発する蛍光体17bが円形基板18bに塗布されてなる蛍光ホイール19bと、蛍光ホイール19bを回転させるモータ20bと、を含む。蛍光ホイールユニット16cは、レーザ光の照射に応じて赤色光を発する蛍光体17cが円形基板18cに塗布されてなる蛍光ホイール19cと、蛍光ホイール19cを回転させるモータ20cと、を含む。回転している蛍光ホイール19bおよび19cの蛍光体17bおよび17cにレーザ光源15bおよび15cからのレーザ光を照射することによって、緑色光および赤色光が得られる。
【0013】
光源ユニット14は、青色光を透過し緑色光を反射するダイクロイックミラー21aと、青色光および緑色光を透過し赤色光を反射するダイクロイックミラー21bと、をさらに備える。
【0014】
ダイクロイックミラー21aは、蛍光ホイールユニット16aを用いて得られた青色光と、蛍光ホイールユニット16bを用いて得られた緑色光と、が交わる位置に配されている。蛍光ホイールユニット16bからの緑色光はダイクロイックミラー21aによって反射され、当該緑色光の進行方向は蛍光ホイールユニット16aからの青色光の進行方向へ変えられる。
【0015】
ダイクロイックミラー21bは、蛍光ホイールユニット16aを用いて得られた青色光と、蛍光ホイールユニット16cを用いて得られた赤色光と、が交わる位置に配されている。蛍光ホイールユニット16cからの赤色光はダイクロイックミラー21bによって反射され、当該赤色光の進行方向は蛍光ホイールユニット16aからの青色光の進行方向へ変えられる。
【0016】
画像投写ユニット3(
図2A参照)は、蛍光ホイールユニット16a,16bおよび16cを用いて得られた青色光、緑色光および赤色光を用いて画像を形成し、当該画像を投写する。
【0017】
ここで、
図1Bおよび2Bに示される蛍光ホイール10,19a,19bおよび19cを回転させている理由は、蛍光体8,9,17a,17bおよび17cの蛍光変換効率の低下や熱的な損傷を抑制するためである。
【0018】
例えば、レーザ光源15aからのレーザ光が蛍光体17aの一部に長時間照射されると、当該一部の温度が上昇する。温度が所定の値を超えると、熱飽和と呼ばれる、蛍光体17aから発せられる蛍光の量が低下する現象が発生する。また、蛍光体17aの一部の温度がさらに上がると、当該部分が焦げ付いてしまう。蛍光ホイール19aを回転させることによってレーザ光のエネルギが蛍光体17aの全体に分散され、蛍光体17aの部分的な蛍光変換効率の低下や焦げ付きが抑制される。
【0019】
熱飽和が発生する温度は、青色光を発する蛍光体17a、緑色光を発する蛍光体17bおよび赤色光を発する蛍光体17cでそれぞれ異なる。そこで、特開2011−145681号公報(以下、「特許文献3」と称す)では、各蛍光体17a,17bおよび17cの熱飽和特性に応じて蛍光ホイール19a,19bおよび19cの回転数を制御する投写型画像表示装置が開示されている。
【0020】
また、近年では、レーザ光を黄色光に変換する蛍光ホイールユニットと、黄色光を赤色光、緑色光、青色光および黄色光に分けるカラーホイールユニットと、を備えた光源ユニットが提案されている。カラーホイールユニットは、所定の色光を透過する複数のカラーフィルタが円形基板に配列されてなるカラーホイールと、カラーホイールを回転させるモータと、を含む。
【0021】
回転しているカラーホイールに黄色光が照射されることによって赤色光、緑色光、青色光および黄色光が得られる。黄色光を発する発光体は高い蛍光変換効率と優れた熱飽和特性を有する。黄色光を発する蛍光体を用いることによって、光源ユニットの輝度をより高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態例について、図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施形態例)
まず、本発明の第1の実施形態例に係る振動源実装構造を備えた投写型画像表示装置について、
図3Aないし3Cを用いて説明する。本実施形態例は、レーザ光を黄色光に変換する蛍光ホイールユニットと、黄色光を赤色光、緑色光、青色光および黄色光に分けるカラーホイールユニットと、を含んでいるが、本発明はこのような投写型画像表示装置に限定されるものではない。
【0034】
図3Aは、本実施形態例に係る投写型画像表示装置の概略を示す平面図である。なお、
図3Aでは、後述する連結ダンパは省略されている。本実施形態例に係る投写型画像表示装置22は、レーザ光源23と、蛍光ホイールユニット24と、カラーホイールユニット25と、ライトトンネル26と、DMD(Digital Mirror Device)27と、投写レンズ28と、を備える。
【0035】
レーザ光源23と蛍光ホイールユニット24との間には、コリメータレンズ29とダイクロイックミラー30と集光レンズ31とが配置されている。カラーホイールユニット25とライトトンネル26の前後には、一対の反射ミラー32aおよび32bと、一対の集光レンズ33aおよび33bが配されている。また、DMD27と投写レンズ28との間には内部全反射(Total Internal Reflection)プリズム34が配されている。
【0036】
図3Bは蛍光ホイールユニット24の周辺を示す図であり、
図3Cはカラーホイールユニット25の周辺を示す図である。
【0037】
図3Bに示すように、蛍光ホイールユニット24は、蛍光体35が円形基板36に塗布されてなる蛍光ホイール37と、蛍光ホイール37を回転させるモータ38と、を含む。また、蛍光ホイールユニット24は第1の保持部材39を用いて投写型画像表示装置22のベース部材40に保持されている。
【0038】
図3Cに示すように、カラーホイールユニット25は、複数のカラーフィルタ41r,41g,41bおよび41yが円形基板42に同心の扇形に配列されてなるカラーホイール43と、カラーホイール43を回転させるモータ44と、を含む。カラーフィルタ41r,41g,41bおよび41yは、所定の色光を透過するフィルタであり、誘電多層膜を蒸着することによって形成される。
【0039】
また、カラーホイールユニット25は、第2の保持部材45を用いて投写型画像表示装置22のベース部材40に保持されている。
【0040】
投写型画像表示装置22の動作について、
図3Aないし3Cを用いて説明する。
【0041】
レーザ光源23から発せられたレーザ光46は、コリメータレンズ29とダイクロイックミラー30を通過し、集光レンズ31を介して蛍光ホイール37に照射される。蛍光ホイール37の蛍光体35はレーザ光46によって励起し、レーザ光46とは異なる波長の蛍光(例えば黄色の蛍光)47を発する。
【0042】
蛍光47は、集光レンズ31を通過し、ダイクロイックミラー30を介して反射ミラー32aへ到達する。その後、蛍光47は、反射ミラー32aによって反射され、集光レンズ33aを介してカラーホイール43に照射される。蛍光47は、カラーフィルタ41r,41g,41bおよび41yに応じて、赤色光、緑色光、青色光および黄色光に分けられる。これらの色光は、ライトトンネル26によって照度が均一の矩形状の光束に変換される。
【0043】
矩形状の光束は集光レンズ33b、反射ミラー32bおよび内部全反射プリズム34を経由してDMD27に照射される。そして、矩形状の光束は画像信号に応じて変調されて画像光となる。画像光は内部全反射プリズム34を経由して投写レンズ28に入射し、スクリーン(不図示)へ向けて拡大投写される。
【0044】
なお、ここでは、空間光変調素子としてDMD27を用い、光インテグレータとしてライトトンネル26を用い、ビーム分離素子として内部全反射プリズム34を用いた投写型画像表示装置を説明しているが、本発明はこの例に限られない。例えば、空間光変調素子として液晶パネルが用いられ、光インテグレータとしてフライアイレンズが用いられ、ビーム分離素子としてフィールドレンズやミラーが用いられていてもよい。
【0045】
また
図3Aでは、レーザ光46を全て蛍光体35に照射し、発生した蛍光47をカラーホイール43で赤色光、緑色光、青色光および黄色光に分ける例について示したが、本発明はこの例に限られない。
【0046】
例えば、レーザ光源23を青色のレーザ光を発する光源とし、蛍光ホイール37の一部を扇形の反射ミラーとした例が挙げられる。この例によれば、蛍光ホイール37に照射された青色のレーザ光46の一部が反射ミラーで反射されてカラーホイール43を通過する。そして、ライトトンネル26が、赤色、緑色および黄色の蛍光と、青色のレーザ光とが合わせられたハイブリッド光を形成する。ハイブリッド光がDMD27によって変調されて画像光となる。
【0047】
図4は、本実施形態例に係る振動体実装構造の斜視図である。なお、
図4ではベース部材40は省略されている。
図4に示すように、本実施形態例に係る振動体実装構造48は、第1の保持部材39と第2の保持部材45とを連結する連結ダンパ49をさらに備えている。
【0048】
より詳細には、第1の保持部材39は、ベース部材40に固定された第1の部位39aと、第1の部位39aに隣接し、蛍光ホイールユニット24を保持する第2の部位39bと、を含む。第2の保持部材45は、ベース部材40に固定された第1の部位45aと、第1の部位45aに隣接し、カラーホイールユニット25を保持する第2の部位45bと、を含む。そして、連結ダンパ49は第2の部位39bと第2の部位45bとを連結している。
【0049】
図5は、
図3Aに示される平面図に、模式的に表された連結ダンパ49を追加した図である。連結ダンパ49は、
図5に示されるように、バネ要素と減衰要素とを有する部材である。
【0050】
ここで、第1および第2の保持部材39および45の例を
図6A,6B,7A,7B,8A,8Bを用いて説明する。なお、第2の保持部材45は第1の保持部材39と同じ構造とすることができるため、ここでは第1の保持部材39のみを例示する。
【0051】
図6Aは第1の保持部材39の一例を示す斜視図であり、
図6Bは
図6Aに示される第1の保持部材39の側面図である。
図6Aおよび6Bに示される例では、第1の保持部材39は、厚さt0を有する1枚の板状の部材である。
【0052】
図7Aは第1の保持部材39の他の例を示す斜視図であり、
図7Bは
図7Aに示される第1の保持部材39の側面図である。
図7Aおよび7Bに示される例では、第1の保持部材39は、厚さt0よりも厚い厚さt1を有する1枚の板状の部材である。
【0053】
図8Aは第1の保持部材39の他の例を示す斜視図であり、
図8Bは
図8Aに示される第1の保持部材39の側面図である。
図8Aおよび8Bに示される例では、第1の保持部材39は、厚さt0を有する1枚の板状に開口50が形成されてなる部材である。
【0054】
なお、
図6A,6B,7A,7B,8A,8Bに示される例において、第1の保持部材39は同じ素材で形成されているものとする。
【0055】
第2の保持部材45は、
図6A,6B,7A,7B,8A,8Bで示したような部材から採用される。ただし、第2の保持部材45は、蛍光ホイールユニット24および第1の保持部材39を含む第1の組み立て体51(
図4参照)と、カラーホイールユニット25および第2の保持部材45を含む第2の組み立て体52と、の固有振動数が異なるように設計される。
【0056】
第1および第2の保持部材39および45の設計例について、
図4,6A,6B,7Aおよび7Bを用いて説明する。
【0057】
蛍光ホイールユニット24の質量とカラーホイールユニット25の質量とが同じであり、かつ蛍光ホイール37の回転数とカラーホイール43の回転数とが同じ場合を考える。このような場合、例えば、第1の保持部材39に
図6Aおよび6Bに示されるような厚さt0を有する板部材が採用され、第2の保持部材45に
図7Aおよび7Bに示されるような厚さt1を有する板部材が採用される。
【0058】
第1の保持部材39に
図6Aおよび6Bに示される板部材が採用され、第2の保持部材45に
図7Aおよび7Bに示される板部材が採用されることによって、第2の保持部材45の剛性は第1の保持部材39よりも大きくなる。そのため、第2の組み立て体52の固有振動数は、第1の組み立て体51よりも大きくなる。その結果、蛍光ホイールユニット24およびカラーホイールユニット25が作動して振動が発生しても、共振は起こりにくい。
【0059】
なお、第2の組み立て体52の固有振動数を第1の組み立て体51よりも小さくなるように第1および第2の保持部材39および45を設計してもよい。
【0060】
言い換えれば、蛍光ホイールユニット24を含む第1の組み立て体51の固有振動数と、カラーホイールユニット25を含む第2の組み立て体52の固有振動数とが一致しないように第1および第2の保持部材39および45が決定される。したがって、第1および第2の保持部材39および45は、
図6A,6B,7A,7B,8A,8Bで示した例に限定されるものではない。
【0061】
なお、蛍光ホイールユニット24の質量とカラーホイールユニット25の質量とが大きく異なる場合や、蛍光ホイール37の回転数とカラーホイール43の回転数とが大きく異なる場合には、第1および第2の保持部材39および45を同じ構造としてもよい。第1および第2の保持部材39および45が同じ構造であっても、蛍光ホイールユニット24を含む第1の組み立て体51の固有振動数と、カラーホイールユニット25を含む第2の組み立て体52の固有振動数とが一致しないためである。
【0062】
続いて、連結ダンパ49の例を、
図9ないし12を用いて説明する。
図9ないし12は連結ダンパ49の一例を示す斜視図である。
【0063】
図9に示される連結ダンパ49は、板バネ53と、板バネ53に固定された粘弾性部材54と、を含む。板バネ53は、2つの平板部53aおよび53bと、2つの平板部53aおよび53bの間に位置する屈曲部53cを有する。粘弾性部材54は屈曲部53cに配されている。
【0064】
粘弾性部材54を形成する粘弾性材料(Visco−Elasticity Materials:VEM)は、弾性率が比較的大きく、また分子レベルでの内部粘性に起因する減衰力を有する。そのため、比較的低い振動数から比較的高い振動数までの範囲で、連結ダンパ49に加えられた振動を減衰することができる。
【0065】
板バネ53の最も変形量の大きな部位、すなわち屈曲部53cに粘弾性部材54を固定することで、板バネ53の変形に追従して粘弾性部材54が引っ張り/圧縮/せん断変形する。粘弾性部材54の粘性によって板バネ53の振動エネルギは熱エネルギに変化する。その結果、板バネ53の振動が減衰する。
【0066】
図10に示す連結ダンパ49は、2つの平板部55aおよび55bと、2つの平板部55aおよび55bの間に位置するリング状のたわみ部55cと、を有する板バネ55を含む。平板部55aおよび55bに粘弾性部材56aおよび56bが固定されている。板バネ55に衝撃(例えば、モータ38および44の回転過渡期における一時的な共振)が加えられても、リング状のたわみ部55c並びに粘弾性部材56aおよび56bによりその衝撃は和らげられる。
【0067】
図11に示す連結ダンパ49は、2つの平板部57aおよび57bと、2つの平板部57aおよび57bの間に配置され、S字を形作る2つの湾曲部57cおよび57dと、を有する板バネ57を含む。湾曲部57cおよび57dの内側に粘弾性部材58aおよび58bが固定されている。2つの平板部57aおよび57bには、板バネ保持部材59aおよび59bが固定されている。
【0068】
板バネ57は、湾曲部57cおよび57dが湾曲している方向の振動に対して追従し易い。また、その振動による引っ張り/圧縮/せん断変形が集中する箇所に粘弾性部材58aおよび58bが配されている。したがって、板バネ57に加えられた振動を減衰させることができる。
【0069】
また部品点数は増えてしまうが、別の剛体部材(図示せず)を用いて粘弾性部材58aおよび58bを板バネ57で挟み込んでもよい。この場合、板バネ57と剛体部材との間の相対的な変形に粘弾性部材58aおよび58bが追従して圧縮・引っ張り変形するため、板バネ57に加えられた振動がさらに減衰する。
【0070】
図12に示す連結ダンパ49は、それぞれ大きさの異なる板バネ60a,60b,60cおよび60dを含む。板バネ60a,60b,60cおよび60dはその厚さ方向に重ねられ、さらに固定ネジ61を用いて1つに束ねられている。
【0071】
各板バネ60a,60b,60cおよび60dの接触面の摩擦により板バネ60aに加えられた振動が減衰する(滑り摩擦減衰)。
図12に示される連結ダンパ49は、粘弾性部材を含まないため比較的大きい負荷荷重にも耐えられる。したがって、
図12に示される連結ダンパ49は、連結ダンパ49に加えられる力が大きい場合に適している。
【0072】
このように、連結ダンパ49で求められる性能は、第1および第2の保持部材39および45を連結するための高い剛性と、第1および第2の保持部材39および45から加えられる振動を減衰するための高い減衰性能である。これらの性能を備えていれば、連結ダンパ49は、
図9ないし12に示される例に限定されるものではない。
【0073】
連結ダンパ49を接続する箇所は制振対象となる構造体のうち最も振幅が大きくなる位置が望ましい。
【0074】
本実施形態例の動作について、
図13および14を用いて説明する。
【0075】
まず、関連する振動体実装構造の動作について
図13を用いて説明する。
図13は、関連する振動体実装構造の動作を説明するための図である。
図13に示されているように、関連する振動体実装構造62は、第1の保持部材39および第2の保持部材45を連結する連結ダンパを備えていない。
【0076】
第1の保持部材39は、第2の部位39bにおいて蛍光ホイールユニット24を保持している。また、第1の保持部材39の第1の部位39aはベース部材40に固定されている。したがって、蛍光ホイールユニット24の振動によって、第2の部位39bは、第1の部位39aに隣接する位置を中心に振動する。
【0077】
第2の保持部材45は、第2の部位45bにおいてカラーホイールユニット25を保持している。また、第2の保持部材45の第1の部位45aはベース部材40に固定されている。したがって、カラーホイールユニット25の振動によって、第2の部位45bは、第1の部位45aに隣接する位置を中心に振動する。
【0078】
蛍光ホイールユニット24の動作をカラーホイールユニット25の動作と合わせるために蛍光ホイール37の回転数とカラーホイール43の回転数を一致させる場合が多い。この場合、蛍光ホイールユニット24を含む第1の組み立て体51の固有振動数が、カラーホイールユニット25を含む第2の組み立て体52の固有振動数と同じになるかもしれない。
【0079】
第1の組み立て体51の固有振動数と第2の組み立て体52の固有振動数が同じ場合、蛍光ホイールユニット24による振動とカラーホイールユニット25による振動とが共振し、振幅が増幅してしまう。
【0080】
蛍光ホイールユニット24やカラーホイールユニット25が比較的大きな振幅で振動することによって、より大きな騒音が発生するかもしれない。また、増幅された振動によって蛍光ホイール37、カラーホイール43並びにモータ38および44が損傷し、投写型画像表示装置の寿命が短くなる虞もある。
【0081】
特に、蛍光ホイールユニット24が共振により大きな振幅で振動すると、蛍光体35(
図3B参照)の、レーザ光46(
図3A参照)が照射される位置がレーザ光46の進行方向に大きく変動する。その結果、集光レンズ31(
図3A参照)によって調整されたレーザ光46の照射スポット径が時間の経過に伴って大きく変動する。
【0082】
意図しない振動により、投写型画像表示装置22の設計時に想定した照射スポット径とは異なる照射スポット径でレーザ光46が蛍光体35に照射されると、振動に伴って蛍光変換効率が悪化し、スクリーン照度が低下したり、輝度が不安定になったりする。
【0083】
また、蛍光ホイールユニット24の振動によってレーザ光46の照射スポット径が小さくなると、レーザ光46のエネルギ密度が上昇する。エネルギ密度の上昇の程度によっては、蛍光体35の熱的損傷(焦げ)を引き起こし、その蛍光体に応じた色の画像が投写されなくなる虞もある。
【0084】
そこで、本実施形態例の第1の保持部材39は、連結ダンパ49を介して第2の保持部材45と連結されている。
図14は、本実施形態例に係る振動体実装構造48の動作を説明するための図である。
【0085】
図14に示されているように、第1の保持部材39と第2の保持部材45とが連結ダンパ49を介して互いに連結されているため、蛍光ホイールユニット24およびカラーホイールユニット25の振動は連結ダンパ49に伝わる。そして、連結ダンパ49に伝わったエネルギは連結ダンパ49において熱エネルギに変換される。その結果、蛍光ホイールユニット24およびカラーホイールユニット25の振動が抑制される。
【0086】
第1の保持部材39の剛性が第2の保持部材45の剛性と異なるように第1および第2の保持部材39および45の構造を決定することがより望ましい。
【0087】
このように第1および第2の保持部材39および45の構造を決定することによって、第1の組み立て体51の固有振動数が第2の組み立て体52の固有振動数と異なる値となる。その結果、蛍光ホイールユニット24の振動とカラーホイールユニット25の振動とが共振しにくくなる。また、異なる固有振動数を有する第1および第2の組み立て体51および52が連結ダンパ49で連結されているため、一方の振動が他方の振動を制限する力として作用し、互いの振動がより抑制される。
【0088】
なお、蛍光ホイール37の回転数がカラーホイール43の回転数と比較的大きく異なる場合には、第1および第2の保持部材39および45が同じ構造であっても、第1の組み立て体51の固有振動数は第2の組み立て体52の固有振動数と同じにならない。したがって、この場合には、第1および第2の保持部材39および45を同じ構造としてもよい。
【0089】
同様に、蛍光ホイールユニット24の質量がカラーホイールユニット25の質量と比較的大きく異なる場合には、第1および第2の保持部材39および45を同じ構造としてもよい。第1および第2の保持部材39および45を同じ構造であっても、第1の組み立て体51の固有振動数は第2の組み立て体52の固有振動数と同じにならないためである。
【0090】
また、
図14に示される例では、
図9に示される連結ダンパ49が用いられているが、
図10ないし12に示される連結ダンパ49が用いられていてもよい。言い換えれば、連結ダンパ49は、必要な減衰性能を持つ部材であれば良い。
【0091】
ここで、動吸振器を用いた振動制御方法と、連結型吸振器を用いた振動抑制方法について、
図15および16を用いて説明する。
【0092】
一般に、
図15に示されるように、単一構造体63の振動を抑制する方法としては、動吸振器64を用いた方法が広く使われている。動吸振器64は、質量mを有する部材65と、バネ定数kを有するバネ66と、減衰係数cを有するダンパ67と、を含む。
【0093】
質量m、バネ定数kおよび減衰係数cは、動吸振器64の固有振動数が質量Mおよび剛性Kを有する単一構造体63の固有振動数と同じになるように決定される。動吸振器64が単一構造体63に取り付けられていることで、単一構造体63が振動すると動吸振器64が共振し、単一構造体63の振動エネルギがダンパ67に吸収される。
【0094】
しかしながら、動吸振器64を用いた方法では、単一構造体63の固有振動数が動吸振器64の固有振動数から少しでも外れると十分な制振効果が得られないといった欠点がある。
【0095】
蛍光ホイールユニット24やカラーホイールユニット25の固有振動数は、蛍光ホイール37やカラーホイール43(
図14参照)の回転数が変化することで変化する。したがって、第1および第2の保持部材39および45(
図14参照)に動吸振器64を取り付けても、蛍光ホイールユニット24やカラーホイールユニット25の振動を十分に抑制することができない。
【0096】
図16に示されるような、連結型吸振器68を用いて振動を抑制する方法では、複数の構造体69および70は連結型吸振器68で連結される。2つの構造体69および70の固有振動数が異なっており、かつ2つの構造体69および70が連結型吸振器68で連結されている場合、構造体69の振動が構造体70の振動を制限する力として作用する。また、構造体70の振動が構造体69の振動を制限する力として作用する。
【0097】
言い換えれば、異なる固有振動数を有する2つの構造体69および70が自身の振動を利用して他方の振動を抑制する。複数の構造体69および70の固有振動数の差をより大きくすることによって、より広い振動数帯域において十分な制振効果を得られる。
【0098】
なお、ここで言う連結型吸振器68とは、本発明の連結ダンパ49(
図14参照)に対応する。
【0099】
一般に、油圧アクチュエータやモータ駆動のボールねじ機構を用いた連結ダンパを用いる場合、
図15で示した動吸振器64の設計に用いられる定点理論を用いて連結型吸振器68のバネ定数や減衰係数が決定される。
【0100】
図9ないし
図12で示した連結ダンパ49のように、VEMの弾性率や板バネの滑り摩擦係数に応じて減衰力が変化する場合には、減衰力を調整することが比較的難しい。このような場合には、対象となる構造体(
図14に示される、蛍光ホイールユニット24およびカラーホイールユニット25)に応じた弾性率やすべり摩擦係数をカット&トライで求めても良い。
【0101】
なお、本実施形態例では、1つの蛍光ホイールユニット24と1つのカラーホイールユニット25を備えた投写型画像表示装置について説明したが、この例に限られない。例えば、2つの蛍光ホイールを備える投写型画像表示装置、または2つのカラーホイールを備える投写型画像表示装置にも適用することができることは自明である。
【0102】
また、投写型画像表示装置22の光源としてレーザ光源23(
図3A参照)が用いられているが、超高圧水銀ランプが用いられてもよい。
【0103】
ただし、超高圧水銀ランプの寿命は比較的短く、光源を比較的高い頻度で交換しなければならないという問題がある。また、近年の自然環境に対する意識の高まりに伴い、水銀を含まない光源を用いることが求められている。
【0104】
このような理由から、光源としてのレーザ光源を用いることがより好ましい。レーザ光源の寿命は超高圧水銀ランプよりも長いため、光源の交換頻度を減らすことができる。また、レーザ光源は水銀を含んでいないため、自然環境への負荷が少なくなる。
【0105】
(第2の実施形態例)
次に本発明の第2の実施形態例に係る振動体実装構造について、
図17A、17Bおよび18を参照しながら説明する。説明を簡単にするために、ここでは、第1の実施形態例と相違する要素についてのみ説明する。
【0106】
図17Aは本実施形態例に係る振動体実装構造の側面図であり、
図17Bは
図17Aに示される振動体実装構造の平面図である。本実施形態例は、振動を発生する3つの振動体を備える。
【0107】
3つの振動体を備える構造としては、例えば、2つの蛍光ホイールユニットと1つのカラーホイールユニットとを備えた投写型画像表示装置が挙げられる。また、3原色(赤色、緑色および青色)に対応して、それぞれ異なる波長帯域の光を発光する3つの蛍光ホイールユニットを備える投写型画像表示装置が挙げられる。ここでは、3つの蛍光ホイールユニットを備える投写型画像表示装置について説明する。
【0108】
図17Aおよび17Bに示されるように、本実施形態例に係る振動体実装構造71は、3つの蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24cを備える。
【0109】
蛍光ホイールユニット24aは、蛍光ホイール37aと、蛍光ホイール37aを回転させるモータ38aと、を含む。また、蛍光ホイールユニット24aは、第1の保持部材39を用いてベース部材40に保持されている。
【0110】
同様に、蛍光ホイール37bと、蛍光ホイール37bを回転させるモータ38bと、を含む蛍光ホイールユニット24bは、第2の保持部材45を用いてベース部材40に保持されている。蛍光ホイール37cと、蛍光ホイール37cを回転させるモータ38cと、を含む蛍光ホイールユニット24cは、第3の保持部材72を用いてベース部材40に保持されている。
【0111】
蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24cは、それぞれ、蛍光ホイール37a,37bおよび37cの回転によって振動を発生する振動体である。
【0112】
第1および第2の保持部材39および45は、連結ダンパ49aを介して連結されている。また、第2および第3の保持部材45および72は、連結ダンパ49bを介して連結されている。連結ダンパ49aおよび連結ダンパ49bは、振動の振幅が最も大きくなる位置、すなわち第1、第2および第3の保持部材39,45および72の、ベース部材40から最も離れた位置に固定されていることが望ましい。
【0113】
第1、第2および第3の保持部材39,45および72の振動エネルギは、連結ダンパ49aおよび49bに伝わり、熱エネルギに変換される。その結果、蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24cの振動が抑制される。
【0114】
第1、第2および第3の保持部材39,45および72の剛性がそれぞれ異なるように第1、第2および第3の保持部材39,45および72の構造を決定することがより望ましい。このようにすることによって、3つの蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24cのそれぞれの振動が共振しにくくなる。
【0115】
また、蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24cが連結ダンパ49aおよび49bで連結されているため、1つの蛍光ホイールユニットの振動が他の蛍光ホイールユニットの振動を制限する力として作用し、互いの振動がより抑制される。
【0116】
なお、3つの蛍光ホイール37a,37bおよび37cの回転数がそれぞれ異なる場合には、第1、第2および第3の保持部材39、45および72が同じ構造であっても、3つの蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24cの振動は共振しない。したがって、この場合には第1、第2および第3の保持部材39、45および72を同じ構造としてもよい。
【0117】
蛍光ホイールユニット24aの質量と、蛍光ホイールユニット24bの質量と、蛍光体ホイールユニット24cの質量とが、互いに比較的大きく異なる場合には、第1、第2および第3の保持部材39、45および72を各々同じ構造としてもよい。第1、第2および第3の保持部材39、45および72が同じ構造であっても、3つの蛍光ホイールユニット24a、24bおよび24cの振動は互いに共振しにくいためである。
【0118】
また、
図17Aおよび17bに示される例では、
図9に示される連結ダンパ49が用いられているが、
図10ないし12に示される連結ダンパ49が用いられていてもよい。連結ダンパ49aおよび49bの種類が異なっていてもよい。言い換えれば、連結ダンパ49aおよび49bは、必要な減衰性能を持つ部材であれば良い。
【0119】
第1、第2および第3の保持部材39,45および72の配置によっては、
図18に示されるように、第1および第3の保持部材39および72が連結ダンパ49cを用いて連結されていてもよい。第1および第3の保持部材39および72を連結ダンパ49cで連結することによって、蛍光ホイールユニット24aおよび24cの振動をより抑制することができる。
【0120】
本実施形態例では、3つの振動体(3つの蛍光ホイールユニット24a,24bおよび24c)を実装するための構造について説明したが、4つ以上の振動体を実装するための構造にも本発明を適用可能であることは自明である。
【0121】
(第3の実施形態例)
次に、本発明の第3の実施形態例に係る振動体実装構造について、
図19を参照しながら説明する。ここでは、第1および第2の実施形態例と相違する要素についてのみ説明する。
【0122】
図19は、本実施形態例に係る振動体実装構造の側面図である。振動体実装構造に設けられた振動体は、風を送るファンである。ファンとしては、軸流ファンやシロッコファンが挙げられる。
【0123】
投写型画像表示装置は、一般に、投写型画像表示装置の内部へ空気を吸い込んだり投写型画像表示装置の内部から空気を排出したりするファンを備えている。ファンは、ランプやLED、レーザ光源といった光源、DMDや液晶パネルといった空間変調素子、蛍光ホイールやカラーホイールといったホイールを冷却するために用いられる。投写型画像表示装置が複数のファンを備えることもある。
【0124】
複数のファンを備える投写型画像表示装置では、空力騒音だけでなく、ファンの振動に起因する騒音が問題となることもある。特に複数のファンの振動が共振する場合には、より大きな騒音が発生してしまう。本実施形態例は、複数のファンの振動に起因する騒音の低減を目的としている。
【0125】
図19に示されるように、ファン73aは第1の保持部材39に保持されており、ファン73bは第2の保持部材45に保持されている。第1および第2の保持部材39および45の一端はベース部材40に固定されており、第1および第2の保持部材39および45の他端は連結ダンパ49を用いて連結されている。
【0126】
連結ダンパ49は、第1および第2の保持部材39および45の振動の振幅が最大となる位置でそれぞれ固定されていることが望ましい。
【0127】
ファン73aおよび73bの作動によって発生する振動エネルギは、連結ダンパ49に伝わり、熱エネルギに変換される。その結果、ファン73aおよび73bの振動が抑制され、騒音が減る。
【0128】
第1および第2の保持部材39および45は、それぞれ異なる剛性を有することが好ましい。このようにすることによって、ファン73aおよび73bの振動が共振しにくくなる。
【0129】
また、第1および第2の保持部材39および45が連結ダンパ49を用いて連結されている。そのため、ファン73aの振動がファン73bの振動を制限する力として作用するとともに、ファン73bの振動がファン73aの振動を制限する力として作用し、互いの振動がより抑制される。
【0130】
なお、ファン73aおよび73bの回転数がそれぞれ異なる場合には、第1および第2の保持部材39および45が同じ剛性を有していても、2つのファン73aおよび73bの振動は共振しにくい。したがって、この場合には、第1および第2の保持部材39および45を同じ構造としてもよい。
【0131】
ファン73aの質量とファン73bの質量が比較的大きく異なる場合には、第1および第2の保持部材39および45を同じ構造としてもよい。第1および第2の保持部材39および45を同じ構造としても、2つのファン73aおよび73bの振動は共振しにくいためである。
【0132】
また、
図19に示される例では、
図9に示される連結ダンパ49が用いられているが、
図10ないし12に示される連結ダンパ49が用いられていてもよい。言い換えれば、連結ダンパ49は、必要な減衰性能を持つ部材であれば良い。
【0133】
なお、3つ以上のファンの振動を抑制したい場合は、第2の実施形態例と同様に、複数のファンを複数の連結ダンパで連結すればよい。また冷却に水冷システムを採用した場合のポンプや、レーザ光源のスペックル低減装置など、振動を発生するその他の構造体との組み合わせにおいても、同様の効果が期待できることも自明である。
【0134】
このように、本発明に係る振動体実装構造によれば、蛍光ホイールユニットやカラーホイールユニット、ファンといった複数の振動体が連結ダンパで連結されているため振動体の振動が軽減される。振動体実装構造を備える投写型画像表示装置によれば、振動体の振動が軽減されるため、投写される画像の品質の向上、騒音の抑制および振動体の長寿命化を実現することが可能になる。
【0135】
また、複数の振動体の固有振動数をそれぞれ異なる値とすることによって、互いの振動体の振動が相互に作用してそれぞれの振動体の振動がより効果的に低減される。
【0136】
以上、実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施例に限定されるものではない。本願発明の形や細部には、本願発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。