(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧縮機を含む室外機に冷媒配管を介して複数台の室内機が接続されているとともに、上記室外機の制御部と上記各室内機の制御部とがそれぞれ通信配線を介して双方向通信可能に接続されており、
上記室外機の制御部には、上記圧縮機に対して起動時からの最低運転時間が設定されており、上記最低運転時間の間はサーモオン状態の上記室内機を少なくとも1台確保する空気調和機であって、
上記各室内機は、運転状態の変化時に、上記各室内機の制御部から、それぞれ自機の運転状態を示すサーモオン,サーモオフ信号を出力し、上記圧縮機の最低運転時間中において、サーモオン状態にある上記室内機の制御部は、サーモオフとする条件が満たされた際に、他の上記室内機のうち少なくとも1台がサーモオン状態であるときサーモオフ可能と判断し、他の上記室内機すべてがサーモオフ状態のときにはサーモオフ不可と判断することを特徴とする空気調和機。
圧縮機を含む室外機に冷媒配管を介して複数台の室内機が接続されているとともに、上記室外機の制御部と上記各室内機の制御部とが通信配線を介して双方向通信可能に接続されており、
上記室外機の制御部には、上記圧縮機に対して起動時からの最低運転時間が設定されており、上記最低運転時間の間はサーモオン状態の上記室内機を少なくとも1台確保する空気調和機であって、
上記各室内機は、運転状態の変化時に、上記各室内機の制御部から、それぞれ自機の運転状態を示すサーモオン,サーモオフ信号を出力し、上記室外機の制御部は、上記サーモオン,サーモオフ信号に基づいてサーモオン状態にある上記室内機の台数を計数し、
上記圧縮機の最低運転時間中において、サーモオン状態にある上記室内機の制御部は、サーモオフとする条件が満たされた際に、上記室外機の制御部からサーモオン状態にある上記室内機の台数を取得し、その台数が2台以上のときサーモオフ可能と判断し、1台であるときにはサーモオフ不可と判断することを特徴とする空気調和機。
圧縮機を含む室外機に冷媒配管を介して複数台の室内機が接続されているとともに、上記室外機の制御部と上記各室内機の制御部とが通信配線を介して双方向通信可能に接続されており、
上記室外機の制御部には、上記圧縮機に対して起動時からの最低運転時間が設定されており、上記最低運転時間の間はサーモオン状態の上記室内機を少なくとも1台確保する空気調和機であって、
上記各室内機は、運転状態の変化時に、上記各室内機の制御部から、それぞれ自機の運転状態を示すサーモオン,サーモオフ信号を出力し、上記室外機の制御部は、上記サーモオン,サーモオフ信号に基づいてサーモオン状態にある上記室内機の台数を計数し、
上記圧縮機の最低運転時間中において、サーモオン状態にある上記室内機の制御部は、サーモオフとする条件が満たされた際に、上記室外機の制御部にサーモオフ判定信号を送信し、
上記室外機の制御部は、サーモオン状態にある上記室内機の台数が2台以上であるときには上記室内機の制御部にサーモオフ許可信号を返信し、1台のときにはサーモオフ不可信号を返信することを特徴とする空気調和機。
上記各室内機の制御部または上記室外機の制御部は、上記サーモオン信号を受信するごとにカウント値を+1し、上記サーモオフ信号を受信するごとにカウント値を−1するサーモオンカウンタを備え、上記サーモオンカウンタの計数値が2以上であればサーモオフ可能と判断し、上記サーモオンカウンタの計数値が1であればサーモオフ不可と判断することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気調和機。
圧縮機を含む室外機に冷媒配管を介して複数台の室内機が接続されているとともに、上記室外機の制御部と上記各室内機の制御部とが通信配線を介して双方向通信可能に接続されており、
上記室外機の制御部には、上記圧縮機に対して起動時からの最低運転時間が設定されており、上記最低運転時間の間はサーモオン状態の上記室内機を少なくとも1台確保する空気調和機であって、
上記各室内機は、運転状態の変化時に、上記各室内機の制御部から、それぞれ自機の運転状態を示すサーモオン,サーモオフ信号を出力し、
上記圧縮機の最低運転時間中において、サーモオン状態にある上記室内機の制御部は、サーモオフとする条件が満たされた際に、上記室外機の制御部にサーモオン状態にある上記室内機の台数の計数値を要求し、
上記室外機の制御部は、上記計数値の要求を受けて、上記サーモオン信号に基づいてサーモオン状態にある上記室内機の台数を計数して返信し、
上記室内機の制御部は、返信された台数の計数値が2以上のときサーモオフ可能と判断し、1であるときにはサーモオフ不可と判断することを特徴とする空気調和機。
圧縮機を含む室外機に冷媒配管を介して複数台の室内機が接続されているとともに、上記室外機の制御部と上記各室内機の制御部とが通信配線を介して双方向通信可能に接続されており、
上記室外機の制御部には、上記圧縮機に対して起動時からの最低運転時間が設定されており、上記最低運転時間の間はサーモオン状態の上記室内機を少なくとも1台確保する空気調和機であって、
上記各室内機は、運転状態の変化時に、上記各室内機の制御部から、それぞれ自機の運転状態を示すサーモオン,サーモオフ信号を出力し、
上記圧縮機の最低運転時間中において、サーモオン状態にある上記室内機の制御部は、サーモオフとする条件が満たされた際に、上記室外機の制御部にサーモオフ判定信号を送信し、
上記室外機の制御部は、上記サーモオフ判定信号を受けて、上記サーモオン信号に基づいてサーモオン状態にある上記室内機の台数を計数するとともに、その計数値が2以上であるときには上記室内機の制御部にサーモオフ許可信号を返信し、1のときにはサーモオフ不可信号を返信することを特徴とする空気調和機。
圧縮機を含む室外機に冷媒配管を介して複数台の室内機が接続されているとともに、上記室外機の制御部と上記各室内機の制御部とが通信配線を介して双方向通信可能に接続されており、
上記室外機の制御部には、上記圧縮機に対して起動時からの最低運転時間が設定されており、上記最低運転時間の間はサーモオン状態の上記室内機を少なくとも1台確保する空気調和機であって、
上記圧縮機の最低運転時間中において、サーモオン状態にある上記室内機の制御部は、サーモオフとする条件が満たされた際に、上記室外機の制御部にサーモオフ判定信号を送信し、
上記室外機の制御部は、上記サーモオフ判定信号を受けて、全室内機の合計能力要求量をB,上記サーモオフすべき室内機の個別能力要求量をCとして、B−Cなる減算を行って、サーモオフ後の合計能力要求量Aを算出し、A>0であるときには上記室内機の制御部にサーモオフ許可信号を返信し、A=0のときにはサーモオフ不可信号を返信することを特徴とする空気調和機。
【背景技術】
【0002】
冷房運転,暖房運転のいずれの場合においても、室温がリモコン等により設定された設定温度に達するまで室内機の空調運転が行われ、室温が設定温度に達すると室内機の空調運転が停止となる。通常、前者の室内機の空調運転が行われている状態を「サーモオン(ON)」、後者の設定温度に達しての室内機の空調運転の停止状態を「サーモオフ(OFF)」と称しており、本明細書においても、この用語を使用する。
【0003】
すべての室内機が停止状態もしくはサーモオフ状態から、いずれかの室内機がサーモオン状態に移行すると、室外機の圧縮機が起動するが、その起動当初時には、冷凍サイクル内の冷媒循環が不完全であるため、冷媒とともに圧縮機外に排出される冷凍機油の量が圧縮機内に回収される量に比べて多く、圧縮機内の冷凍機油が減少する傾向を示す。
【0004】
これに対して、冷凍サイクル内の冷媒循環が安定すると、圧縮機外に排出される冷凍機油の量よりも圧縮機内に回収される量の方が多くなり、圧縮機内の冷凍機油が増加する傾向を示し、一定量を保つようになる。そのため、冷凍サイクル内の冷媒循環が安定する前に、圧縮機の起動が繰り返されると、圧縮機内の冷凍機油が減少し、圧縮機の故障(かじり付きや焼き付き等)に至ることがある。
【0005】
そこで、起動当初時の圧縮機を保護するため、起動時から所定時間経過するまでの期間は、圧縮機を連続的に運転させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。この起動当初時の運転時間は圧縮機ごとに決められており、本明細書では、この運転時間を圧縮機の最低運転時間と称している。
【0006】
また、従来では、圧縮機の保護対策として、圧縮機の最低運転時間中における冷媒の循環を確保するため、室内機側においてサーモオン状態の室内機が設定温度に達してサーモオフすべき状態になったとしても、サーモオフできないようにしている。
【0007】
しかしながら、圧縮機の最低運転時間中に、サーモオフすべき状態となった室内機をサーモオフできないようにすると、次のような問題が生ずる。
【0008】
これについて、
図9により説明すると、例えば室内機がA,Bの2台で、時刻Tsで室内機Aがサーモオンすると、これとほぼ同時に室外機の圧縮機が起動し、時刻Tsから計時して、圧縮機はあらかじめ設定されている最低運転時間の終了時刻Teまで運転を継続する。
【0009】
この圧縮機の最低運転時間(Ts〜Te)中に、室内機Aが時刻Ta時点でサーモオフすべき状態になったとしても、従来では、室内機Aは終了時刻Teまでサーモオン状態を維持する。
【0010】
また、室内機Aに遅れて、室内機Bが時刻Tb1でサーモオンし、時刻Tb2でサーモオフすべき状態になったとしても、室内機Bは、同様に終了時刻Teまでサーモオン状態を維持し、室内機A,Bともに、最低運転時間の終了時刻Te後にサーモオフとなる。
【0011】
このように、圧縮機の最低運転時間中に、一度サーモオンすると、最低運転時間が経過するまでサーモオフすることができず、上記の例では、室内機Aは時刻Taから終了時刻Teまでの間、室内機Bは時刻Tb2から終了時刻Teまでの間、それぞれサーモオン状態が強制的に維持されることから、部屋が設定温度に対して冷え過ぎ、または、暖まり過ぎという問題が生ずる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、
図1〜
図8により、本発明のいくつかの実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
図1に示すように、この空気調和機は、室外機10と、冷媒配管を介して室外機10に並列に接続される複数台の室内機20(20A,20B,20C,…20N)とを備える多室型の空気調和機である。なお、各室内機20A,20B,20C,…20Nを区別する必要がない場合には、その総称として室内機20とする。この実施形態において、室外機10は1台であるが、室外機10は複数台であってもよい。
【0025】
室外機10は、基本的な構成として、圧縮機110と、四方弁120と、室外熱交換器130と、膨張弁140と、アキュムレータ150と、制御部160とを備えている。室外熱交換器130には、例えば軸流ファンからなる室外送風機131が付設されている。
【0026】
制御部160は、圧縮機110の起動,停止や回転数、四方弁120の弁切換および膨張弁140の弁開度等を制御するが、このほか、制御部160には、起動当初時の圧縮機110を保護するため、起動時から所定時間経過するまでの期間は、圧縮機110を連続的に運転させる「最低運転時間」が設定されている。
【0027】
室内機20は、基本的な構成として、室内熱交換器210と、膨張弁220と、制御部230とを備えている。室内熱交換器210には、例えばクロスフローファンからなる室内送風機211が付設されている。
【0028】
圧縮機110の冷媒吐出側は、四方弁120を介して、冷房運転時には室外熱交換器130に接続され、暖房運転時には室内熱交換器210に接続されるが、冷房専用機,暖房専用機の場合には四方弁120は省略されてよい。
【0029】
この実施形態において、室外機10の制御部160および各室内機20の制御部230(230A,230B,230C,…230N)には、メモリおよびサーモオン状態にある室内機20の台数を計数するサーモオンカウンタを有するマイクロコンピュータが用いられる。なお、各室内機20が備える制御部230A,230B,230C,…230Nについても、特に区別する必要がない場合には、その総称として制御部230とする。
【0030】
室外機10の制御部160と各室内機20の制御部230は、それぞれ通信配線30を介して双方向通信可能に接続されている。
【0031】
各室内機20の制御部230は、自機の運転状態がサーモオフからサーモオンに転じた場合には「サーモオン信号」を発信し、サーモオンからサーモオフに転じた場合には「サーモオフ信号」を発信し、他の室内機20の制御部230および室外機10の制御部160は、そのサーモオン信号,サーモオフ信号を受信する。
【0032】
本発明では、圧縮機110の最低運転時間内において、各室内機20の制御部230から発信されるサーモオン信号に基づいて、サーモオン状態にある室内機20の台数を計数し、サーモオン状態にある室内機20が2台以上である場合には、自機以外にも運転している室内機があることから、圧縮機110の最低運転時間内であっても自機がサーモオフ可能と判断する。これに対して、計数した台数が1台である場合には、運転している室内機は自機のみであるから、サーモオフ不可と判断する。
【0033】
具体的に
図2により、室内機が20A,20Bの2台であるとして説明すると、室内機20A,20Bがともにサーモオフの状態から、時刻Tsで一方の室内機20Aがサーモオン状態になると、これとほぼ同時に圧縮機110が起動し、時刻Tsから計時して、圧縮機110は、あらかじめ設定されている最低運転時間の終了時刻Teまで運転を継続する。
【0034】
この圧縮機110の最低運転時間(Ts〜Te)中に、室内機20Aが時刻T1時点でサーモオフすべき状態なったとしても、室内機20Bがサーモオフ状態(運転停止状態を含む)であるから、室内機20Aはサーモオン状態を維持するが、その後の時刻T2で、室内機20Bがサーモオン状態になると、室内機20Aは、最低運転時間の終了時刻Teまで待つことなく、時刻T2でサーモオフ状態に転ずる。
【0035】
時間が経過して、室内機20Bが時刻T3でサーモオフすべき状態なったとしても、室内機20Aがサーモオフ状態であるから、室内機20Bはサーモオン状態を維持するが、その後の時刻T4で、室内機20Aが再びサーモオン状態になると、室内機20Bは、最低運転時間の終了時刻Teまで待つことなく、時刻T4でサーモオフ状態に転ずる。
【0036】
この例において、室内機20Aは、時刻T5で再度サーモオフすべき状態になるが、室内機20Bがサーモオフ状態であるため、サーモオン状態を維持し、最低運転時間の終了時刻Teが到来した時点で、室内機20Aがサーモオフに転ずることが可能になり、室内機20Aのサーモオフにともなって圧縮機110が停止する。
【0037】
このように、本発明では、圧縮機110の最低運転時間(Ts〜Te)中、各々の室内機20が、他の室内機20の運転状況を見てサーモオフ可能かどうかを判断するようにしているため、圧縮機の最低運転時間を確実に確保しながら、各室内機の運転時間の最適化をはかることができる。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態を
図3に示すフローチャートに沿って説明する。この第1実施形態では、各室内機20が、自機を含めてサーモオン状態にある室内機の台数を計数し、サーモオフ可能かどうかを判断する。
【0039】
まず、ステップST10で、各室内機20の制御部230は、他の室内機20から発信されたサーモオン信号,サーモオフ信号を受信したかどうかを判断する。
【0040】
その結果がYesで、他の室内機20からのサーモオン信号,サーモオフ信号を受信していれば、次段のステップST11で、他の室内機20のうちでサーモオンしている室内機があるかどうかを判断する。その結果、サーモオンしている室内機があれば、ステップST12で、サーモオンカウンタを+1して、ステップST16で、その計数値をメモリに格納する。
【0041】
ステップST11で、サーモオンしている室内機がなければ、ステップST13で、他の室内機20がサーモオフしたかどうかを判断する。サーモオフした室内機があれば、ステップST14で、サーモオンカウンタを−1して、ステップST16で、その計数値をメモリに格納する。サーモオフした室内機がなければ、ステップST15で、サーモオンカウンタをそのままとして、ステップST16で、その計数値をメモリに格納する。
【0042】
ステップST17以降は室内機20がサーモオン状態からサーモオフ状態に転ずるときのステップで、室内機20Aを例にして説明する。まず、ステップST17で、室内機20Aの制御部230Aは、自機がサーモオン中であるかどうかを判断する。
【0043】
その結果がNoで、自機(室内機20A)がサーモオフ中であれば、ステップST18で、サーモオンすべきかどうかを判断する。
【0044】
その結果がYesで、サーモオンすべきである場合には、ステップST19で、自機(室内機20A)のサーモオンカウンタを+1するとともに、サーモオン信号を他の室内機にも送信し、ステップST20に移行する。なお、ステップST18での結果がNoで、サーモオンする必要がない場合には、ステップST10に戻る。
【0045】
ステップST17で、自機(室内機20A)がサーモオン中であれば、ステップST20に移行する。ステップST20では、サーモオフすべきかどうか、すなわち室温が設定温度に達しているかどうかを判断する。ステップST20での結果がNoで、サーモオフしない場合には、ステップST10に戻る。
【0046】
ステップST20での結果がYesで、サーモオフすべき場合には、ステップST21で、自機(室内機20A)のサーモオンカウンタの計数値をメモリから読み出し、次段のステップST22で、その計数値が2以上かどうかを判断する。
【0047】
その結果がYesで、計数値が2以上であれば、他にサーモオン状態の室内機20があるとして、ステップST24で、自機(室内機20A)をサーモオフする。
【0048】
ステップST22での結果がNoで、自機(室内機20A)のサーモオンカウンタの計数値が1の場合には、ステップST23で、圧縮機110の最低運転時間が経過したかを判断し、その結果がYesで、最低運転時間が経過していれば、ステップST24で、自機(室内機20A)をサーモオフとし、最低運転時間が経過していなければ、ステップST10に戻る。
【0049】
次に、
図4のフローチャートに沿って、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、サーモオン状態にある室内機20の台数を室外機10の制御部160で管理し、室内機20がサーモオフすべき状態になったときに、室外機10の制御部160にアクセスして、現在サーモオンしている室内機の台数を取得して、その状況からサーモオフ可能かどうかを判断するようにしている。
【0050】
室外機10の制御部160の動作について説明すると、まず、制御部160は、ステップST101で、各室内機20から発信されたサーモオン信号,サーモオフ信号を受信したかどうかを判断する。
【0051】
その結果がYesで、各室内機20から発信されたサーモオン信号,サーモオフ信号を受信していれば、次段のステップST102で、室内機20がサーモオンしたかどうかを判断する。その結果がYesで、サーモオンした室内機があれば、ステップST103で、制御部160のサーモオンカウンタを+1して、ステップST107で、その計数値をメモリに格納する。
【0052】
ステップST102の結果がNoで、サーモオンした室内機がなければ、ステップST104で、室内機20がサーモオフしたかどうかを判断する。サーモオフした室内機があれば、ステップST105で、サーモオンカウンタを−1して、ステップST107で、その計数値をメモリに格納する。サーモオフした室内機がなければ、ステップST106で、サーモオンカウンタをそのままとして、ステップST107で、その計数値をメモリに格納する。
【0053】
そして、次段のステップST107aで、室内機20からサーモオンカウントのメモリの呼び出し要求があったかどうかを判断し、その結果がYes(呼び出し要求あり)であれば、ステップST107bで、室内機20にサーモオンカウントのメモリを送信する。ステップST107aでの結果がNo(呼び出し要求なし)であれば、ステップST101に戻る。
【0054】
一方、室内機20側では、例えば室内機20Aがサーモオンしているとして説明すると、室内機20Aの制御部230Aは、ステップST201で、自機(室内機20A)がサーモオフすべきかどうか、すなわち室温が設定温度に達しているかどうかを判断する。
【0055】
その結果がNoであれば、室温が設定温度に達するまでサーモオン状態を維持するが、Yesで室温が設定温度に達してサーモオフすべき状態になった場合には、次段のステップST202で、室外機10の制御部160にサーモオンカウントのメモリの呼び出し要求を行う。
【0056】
そして、ステップST202aで、室外機10からステップST107bで送信されたサーモオンカウントのメモリを受信すると、続くステップST203で、制御部160のサーモオンカウンタの計数値が2以上かどうかを判断し、その結果がYesで、計数値が2以上であれば、他にサーモオン状態の室内機20があるとして、ステップST205で、自機(室内機20A)をサーモオフする。そして、ステップST206で、自機(室内機20A)が、その後サーモオンしたかどうかを判断し、サーモオンしたときにはステップST201に戻る。
【0057】
なお、ステップST203での結果がNoで、制御部160のサーモオンカウンタの計数値が1の場合には、ステップST204で、圧縮機110の最低運転時間が経過したかを判断し、最低運転時間が経過していれば、ステップST205で、自機(室内機20A)をサーモオフとし、最低運転時間が経過していなければ、ステップST201に戻る。
【0058】
次に、
図5のフローチャートに沿って、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第2実施形態と同じく、サーモオン状態にある室内機20の台数を室外機10の制御部160で管理するが、室内機20がサーモオフすべき状態になったときに、サーモオフしてよいかどうかの判断を室内機20側ではなく、室外機10側で判断するようにしている。
【0059】
室外機10の制御部160は、上記第2実施形態と同じく、まず、ステップST101〜ST107までを実行する。
【0060】
すなわち、制御部160は、ステップST101で、各室内機20から発信されたサーモオン,サーモオフ信号を受信したかどうかを判断する。
【0061】
その結果がYesで、各室内機20から発信されたサーモオン,サーモオフ信号を受信していれば、次段のステップST102で、室内機20がサーモオンしたかどうかを判断する。その結果、サーモオンした室内機があれば、ステップST103で、制御部160のサーモオンカウンタを+1して、ステップST107で、その計数値をメモリに格納する。
【0062】
ステップST102で、サーモオンした室内機がなければ(ST102でNo)、ステップST104で、室内機20がサーモオフしたかどうかを判断する。サーモオフした室内機があれば、ステップST105で、サーモオンカウンタを−1して、ステップST107で、その計数値をメモリに格納する。サーモオフした室内機がなければ、ステップST106で、サーモオンカウンタをそのままとして、ステップST107で、その計数値をメモリに格納する。
【0063】
一方、室内機20側では、例えば室内機20Aがサーモオンしているとして説明すると、室内機20Aの制御部230Aは、ステップST210で、自機(室内機20A)がサーモオフすべき状態になったかどうか、すなわち室温が設定温度に達しているかどうかを判断する。
【0064】
その結果がNoであれば、室温が設定温度に達するまでサーモオン状態を維持するが、Yesで室温が設定温度に達してサーモオフすべき状態になった場合には、次段のステップST211で、室外機10の制御部160に対して、サーモオフしてよいかどうかの判定を求める。
【0065】
この第3実施形態において、室外機10の制御部160には、上記ステップST107の次段ステップとして、室内機20側からのサーモオフ可否の判定要求信号を受信したかどうかを判定するステップST108が用意されている。
【0066】
室外機10の制御部160は、ステップST108で、上記室内機20Aからのサーモオフ可否の判定要求信号を受信したことを確認すると、次段のステップST109で、制御部160のサーモオンカウンタの計数値が2以上かどうかを判断し、その結果がYesで、計数値が2以上であれば、他にサーモオン状態の室内機20があるとして、ステップST110で、サーモオフを許可し、送信ステップST113で、室内機20Aに対してサーモオフ許可信号を返信する。
【0067】
また、ステップST109での結果がNoで、制御部160のサーモオンカウンタの計数値が1の場合であっても、ステップST111で、圧縮機110の最低運転時間が経過していると判断した場合には、ステップST110で、サーモオフを許可し、送信ステップST113で、室内機20Aに対してサーモオフ許可信号を返信する。
【0068】
これに対して、ステップST111での判断がNoで、制御部160のサーモオンカウンタの計数値が1で、かつ、圧縮機110の最低運転時間が経過していなければ、ステップST112で、サーモオフを拒否し、送信ステップST113で、室内機20Aに対してサーモオフ拒否信号を返信する。
【0069】
室内機20Aの制御部230Aは、ステップST212で、室外機10の制御部160からの返信信号を受信し、次段のステップST213で、その返信信号がサーモオフ許可信号であれば、ステップST214で、自機(室内機20A)をサーモオフする。そして、ステップST215で、自機(室内機20A)が、その後サーモオンしたかどうかを判断し、サーモオンしたときにはステップST210に戻る。
【0070】
なお、ステップST213で、室外機10からの返信信号がサーモオフ拒否信号であれば、ステップST210に戻り、室外機10の制御部160からサーモオフ許可信号が出されるまで、サーモオン状態を維持する。
【0071】
次に、
図6のフローチャートに沿って、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、サーモオン状態にある室内機20がサーモオフすべき状態になったときに、室外機10に対してサーモオン状態になっている室内機の台数の情報を要求し、室外機10は、この要求を受けてから現在サーモオン状態になっている室内機の台数の情報を収集して、要求のあった室内機に返信し、これにより、室内機20側でサーモオフ可能かどうかを判断する。
【0072】
室内機20側の動作は、
図4の上記第2実施形態と基本的には同じで、例えば室内機20Aがサーモオンしているとして説明すると、室内機20Aの制御部230Aは、ステップST201で、自機(室内機20A)がサーモオフすべきかどうか、すなわち室温が設定温度に達しているかどうかを判断する。
【0073】
その結果がNoであれば、室温が設定温度に達するまでサーモオン状態を維持するが、Yesで室温が設定温度に達してサーモオフすべき状態になった場合には、次段のステップST202で、室外機10に対してサーモオンカウントの呼び出し(サーモオン状態になっている室内機の台数)を要求する。
【0074】
室外機10側には、室内機20からサーモオンカウントの呼び出しがあったかどうかを判断するステップST120が用意されており、サーモオンカウントの呼び出し要求があったときには、次段のステップST121で、その時点でサーモオン状態になっている室内機の台数を、サーモオン室内機から送信されているサーモオン信号によりカウントし、ステップST121aで、その計数値を室内機20Aに返信する。
【0075】
室内機20Aは、ステップST202aで、室外機10からのサーモオンカウントの計数値(サーモオン状態になっている室内機の台数)を受信すると、次段のステップST203で、その計数値が2以上かどうかを判断する。
【0076】
その結果がYesで、計数値が2以上であれば、他にサーモオン状態の室内機20があるとして、ステップST205で、自機(室内機20A)をサーモオフする。そして、ステップST206で、自機(室内機20A)が、その後サーモオンしたかどうかを判断し、サーモオンしたときにはステップST201に戻る。
【0077】
なお、ステップST203での結果がNoで、制御部160のサーモオンカウンタの計数値が1の場合には、ステップST205で、圧縮機110の最低運転時間が経過したかを判断し、最低運転時間が経過していれば、ステップST205で、自機(室内機20A)をサーモオフとし、最低運転時間が経過していなければ、ステップST201に戻る。
【0078】
次に、
図7のフローチャートに沿って、本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、サーモオン状態にある室内機20がサーモオフすべきときに、室外機10に対してサーモオフの許可を要求し、室外機10は、この要求を受けてから現在サーモオン状態になっている室内機の台数をカウントするとともに、サーモオフの可否を判断し、その結果を室内機に返信する。
【0079】
この第5実施形態において、室内機20の動作は、上記第3実施形態と同じで、
図5に示されているステップST210〜215を実行する。
【0080】
例えば、室内機20Aがサーモオンしているとして説明すると、室内機20Aの制御部230Aは、ステップST210で、自機(室内機20A)がサーモオフすべき状態になったかどうか、すなわち室温が設定温度に達しているかどうかを判断する。
【0081】
その結果がNoであれば、室温が設定温度に達するまでサーモオン状態を維持するが、Yesで室温が設定温度に達してサーモオフすべき状態になった場合には、次段のステップST211で、室外機10に対して、サーモオフしてよいかどうかの許可要求を送信する。
【0082】
この第5実施形態において、室外機10側には、室内機20からサーモオフ許可要求があったかどうかを判断するステップST120Aが用意されており、サーモオフ許可要求があったときには、上記第4実施形態と同じく、次段のステップST121で、その時点でサーモオン状態になっている室内機の台数を、サーモオン室内機から送信されているサーモオン信号によりカウントする。
【0083】
そして、ステップST122で、サーモオンの計数値が2以上かどうかを判断し、その結果がYesで、計数値が2以上であれば、他にサーモオン状態の室内機20があるとして、ステップST123で、サーモオフを許可し、送信ステップST126で、室内機20Aに対してサーモオフ許可信号を返信する。
【0084】
また、ステップST122での結果がNoで、サーモオンの計数値が1の場合であっても、ステップST124で、圧縮機110の最低運転時間が経過していると判断した場合には、ステップST123で、サーモオフを許可し、送信ステップST126で、室内機20Aに対してサーモオフ許可信号を返信する。
【0085】
これに対して、ステップST124での判断がNoで、サーモオンの計数値が1で、かつ、圧縮機110の最低運転時間が経過していなければ、ステップST125で、サーモオフを拒否し、送信ステップST126で、室内機20Aに対してサーモオフ拒否信号を返信する。
【0086】
室内機20Aは、ステップST212で、室外機10からの返信信号を受信し、次段のステップST213で、その返信信号がサーモオフ許可信号であれば、ステップST214で、自機(室内機20A)をサーモオフする。そして、ステップST215で、自機(室内機20A)が、その後サーモオンしたかどうかを判断し、サーモオンしたときにはステップST210に戻る。
【0087】
なお、ステップST213で、室外機10からの返信信号がサーモオフ拒否信号であれば、ステップST210に戻り、室外機10の制御部160からサーモオフ許可信号が出されるまで、サーモオン状態を維持する。
【0088】
次に、
図8のフローチャートに沿って、本発明の第6実施形態について説明する。この第6実施形態では、サーモオン状態にある室内機20がサーモオフすべき状態になったときに、室外機10に対してサーモオフ可否の判断を要求し、室外機10は、この要求を受けて、運転中の全室内機の合計能力要求量からサーモオフすべき状態になった室内機の能力要求量を減算し、その減算値からサーモオフの可否を判断し、その結果を室内機に返信する。
【0089】
この第6実施形態においても、室内機20の動作は、上記第3実施形態と同じで、
図5に示されているステップST210〜215を実行する。
【0090】
例えば、室内機20Aがサーモオンしているとして説明すると、室内機20Aの制御部230Aは、ステップST210で、自機(室内機20A)がサーモオフすべき状態になったかどうか、すなわち室温が設定温度に達しているかどうかを判断する。
【0091】
その結果がNoであれば、室温が設定温度に達するまでサーモオン状態を維持するが、Yesで室温が設定温度に達してサーモオフすべき状態になった場合には、次段のステップST211で、室外機10に対して、サーモオフしてよいかどうかの許可要求を送信する。
【0092】
この第6実施形態においても、室外機10側には、室内機20からサーモオフ許可要求があったかどうかを判断するステップST130が用意されており、サーモオフ許可要求があったときには、次段のステップST131を実行する。
【0093】
すなわち、ステップST131において、運転中の全室内機20A〜20Nの合計能力要求量をB,サーモオフすべき室内機20Aの個別能力要求量をCとして、室外機10の制御部160は、あらかじめ把握している各室内機20の個別能力に基づいて運転中の全室内機20A〜20Nの合計能力要求量Bを算出したのち、B−Cなる減算を行って、合計能力要求量Bから室内機20Aの個別能力要求量Cを除いたサーモオフ後の合計能力要求量Aを算出する。
【0094】
そして、ステップST132で、サーモオフ後の合計能力要求量AがA>0かどうかを判断し、その結果がYesで、サーモオフ後の合計能力要求量AがA>0であれば、他の室内機20の少なくとも1台がサーモオン中であり、室内機20Aをサーモオフとしても支障がないとして、ステップST133で、サーモオフを許可し、送信ステップST136で、室内機20Aに対してサーモオフ許可信号を返信する。なお、A=0は、室内機20Aのみがサーモオン中で、室内機20Aをサーモオフとすると全室内機20がサーモオフ状態になることを意味している。
【0095】
また、ステップST132での結果がNoで、サーモオフ後の合計能力要求量AがA=0の場合であっても、ステップST134で、圧縮機110の最低運転時間が経過していると判断した場合には、ステップST133で、サーモオフを許可し、送信ステップST136で、室内機20Aに対してサーモオフ許可信号を返信する。
【0096】
これに対して、ステップST132およびステップST134での判断がともにNoで、室内機20のサーモオフ後の合計能力要求量AがA=0で、かつ、圧縮機110の最低運転時間が経過していなければ、ステップST135で、サーモオフを拒否し、送信ステップST136で、室内機20Aに対してサーモオフ拒否信号を返信する。
【0097】
室内機20Aは、ステップST212で、室外機10からの返信信号を受信し、次段のステップST213で、その返信信号がサーモオフ許可信号であれば、ステップST214で、自機(室内機20A)をサーモオフする。そして、ステップST215で、自機(室内機20A)が、その後サーモオンしたかどうかを判断し、サーモオンしたときにはステップST210に戻る。
【0098】
なお、ステップST213で、室外機10からの返信信号がサーモオフ拒否信号であれば、ステップST210に戻り、室外機10の制御部160からサーモオフ許可信号が出されるまで、サーモオン状態を維持する。
【0099】
上記第1ないし第6実施形態の説明から分かるように、本発明によれば、多室型の空気調和機において、圧縮機の最低運転時間中に、サーモオフすべき状態になった室内機が複数台出現した場合、サーモオン状態の室内機を少なくとも1台確保して、その他の室内機は逐次サーモオフし得るようにしたことにより、圧縮機の最低運転時間中においても、被空調空間である各室内を設定温度どおりの環境に近づけることができる。