(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936193
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】紡績方法
(51)【国際特許分類】
D06M 13/224 20060101AFI20160602BHJP
D06M 15/643 20060101ALI20160602BHJP
D06M 13/02 20060101ALI20160602BHJP
D01H 4/02 20060101ALI20160602BHJP
D01H 1/115 20060101ALI20160602BHJP
D01H 13/30 20060101ALI20160602BHJP
D01H 4/22 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
D06M13/224
D06M15/643
D06M13/02
D01H4/02
D01H1/115 Z
D01H13/30
D01H4/22
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-247049(P2012-247049)
(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公開番号】特開2014-95166(P2014-95166A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年9月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000210654
【氏名又は名称】竹本油脂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081798
【弁理士】
【氏名又は名称】入山 宏正
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 邦保
(72)【発明者】
【氏名】竹内 浩純
(72)【発明者】
【氏名】市川 敏己
(72)【発明者】
【氏名】太田 成利
【審査官】
細井 龍史
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−133181(JP,A)
【文献】
特開昭55−034228(JP,A)
【文献】
特開2008−095208(JP,A)
【文献】
特開2012−097391(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02450478(EP,A1)
【文献】
特開2011−084854(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02302114(EP,A1)
【文献】
特開昭52−012838(JP,A)
【文献】
特開平03−000871(JP,A)
【文献】
特開平04−241169(JP,A)
【文献】
特開平09−059856(JP,A)
【文献】
特開平04−210195(JP,A)
【文献】
特開2014−095165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 13/00−15/715
D01H 1/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦流空気精紡機を用いた紡績方法において、下記の繊維用処理剤を渦流空気精紡機の圧縮空気に混入させて繊維に噴霧することを特徴とする紡績方法。
繊維用処理剤:下記の潤滑剤(A)、下記の潤滑剤(B)及び下記の潤滑剤(C)から選ばれる一つ又は二つ以上から成り、30℃における動粘度が1×10−6〜100×10−6m2/sである繊維用処理剤
潤滑剤(A):炭素数5〜70の脂肪族エステル化合物
潤滑剤(B):30℃における動粘度が5×10−6〜100×10−6m2/sである線状ポリオルガノシロキサン
潤滑剤(C):30℃における動粘度が5×10−6〜100×10−6m2/sである鉱物油
【請求項2】
繊維用処理剤が、潤滑剤(A)から選ばれるものを含有するものである請求項1記載の紡績方法。
【請求項3】
繊維用処理剤が、30℃における動粘度が5×10−6〜50×10−6m2/sであるものである請求項1又は2記載の紡績方法。
【請求項4】
繊維用処理剤を非水系の状態で圧縮空気に混入させる請求項1〜3のいずれか一つの項記載の紡績方法。
【請求項5】
繊維用処理剤を混入させた圧縮空気を、0.40〜0.70MPaの圧力で繊維に噴霧する請求項1〜4のいずれか一つの項記載の紡績方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紡績方法に関する。近年の紡績工程は、生産コストの低減や生産性の向上を図るため、高速リング精紡機を用いた紡績、高速ローター式オープンエンド精紡機を用いた紡績、渦流空気精紡機を用いた紡績等の高速紡績への転換が進んでいる。しかし、このように紡績速度が高速化すると、単位時間に紡績機械を通過する繊維量が速度に比例して多くなるため、スカムの堆積が増大して清掃周期が短くなり、操業性を低下させるようになっている。本発明は特に渦流空気精紡機を用いた紡績方法に関し、渦流空気精紡機を用いて繊維を紡績するときにスカムの発生を抑え、良好な高速紡績性の下に操業することができる紡績方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維の紡績では、良好な紡績性を得るため、アルキルリン酸エステルカリウム塩を用いた各種の繊維用処理剤が使用されている。かかる繊維用処理剤には、1)アルキルリン酸エステルカリウム塩と、アルキルアミノエーテル型ノニオンのリン酸中和物との2成分系(例えば特許文献1参照)、2)アルキルリン酸エステルカリウム塩と、アルキルアミノエーテル型ノニオンのリン酸中和物と、高分子量のポリオキシエチレン化合物との3成分系(例えば特許文献2参照)、3)アルキルリン酸エステルカリウム塩と、高分子量のポリオキシエチレン化合物との2成分系(例えば特許文献3参照)、4)アルキルリン酸エステルカリウム塩と、パラフィンワックス乳化物と、カチオン型界面活性剤との3成分系(例えば特許文献4参照)等が知られている。ところが、これら従来の繊維用処理剤を使用すると、高速リング精紡機を用いた紡績の場合にはアンチノードリングに、また高速ローター式オープンエンド精紡機を用いた紡績の場合にはローター内に、更に渦流空気精紡機を用いた紡績の場合にはスピンドルにスカムが堆積するという問題がある。なかでも渦流空気精紡機を用いた紡績での糸紡出速度は、高速リング精紡機や高速ローター式オープンエンド精紡機を用いた紡績での糸紡出速度に比べてはるかに速いため、スカムが堆積するという問題が大きい。このようにスカムが堆積すると、それだけ清掃周期が短くなって操業性を低下させるだけでなく、繊維が大きな損傷を受けて糸強力が低下したり、白粉や糸切れが著しく増加する。渦流空気精紡機を用いた紡績において、スカムの堆積を防止するため、界面活性剤を供給することも提案されているが(例えば特許文献5)、かかる界面活性剤として従来から繊維用処理剤に用いられてきたアルキルリン酸エステルカリウム塩のようなものを用いると、スカムの堆積を充分に抑えることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−224867号公報
【特許文献2】特開昭57−158297号公報
【特許文献3】特開平3−174067号公報
【特許文献4】特開平6−108361号公報
【特許文献5】特開2008−95208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、渦流空気精紡機を用いた紡績においてスカムの堆積を充分に抑え、良好な高速紡績性の下に操業することができる紡績方法を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、渦流空気精紡機を用いた紡績では特定の繊維用処理剤を特定の手段で用いることが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、渦流空気精紡機を用いた紡績方法において、下記の繊維用処理剤を渦流空気精紡機の圧縮空気に混入させて繊維に噴霧することを特徴とする紡績方法に係る。
【0007】
繊維用処理剤:下記の潤滑剤(A)、下記の潤滑剤(B)及び下記の潤滑剤(C)から選ばれる一つ又は二つ以上から成り、30℃における動粘度が1×10
−6〜100×10
−6m
2/sである繊維用処理剤
【0008】
潤滑剤(A):炭素数5〜70の脂肪族エステル化合物
【0009】
潤滑剤(B):30℃における動粘度が5×10
−6〜100×10
−6m
2/sである線状ポリオルガノシロキサン
【0010】
潤滑剤(C):30℃における動粘度が5×10
−6〜100×10
−6m
2/sである鉱物油
【0011】
本発明に係る紡績方法では、渦流空気精紡機を用いる。渦流空気精紡機は圧縮空気の旋回流(渦流)により糸を紡ぐようになっているもので、それ自体は公知であり(例えば特開2001−73235号公報、特開2007−284813号公報及び特開2011−38210号公報参照)、これには例えば村田機械株式会社製の商品名ボルテックス(登録商標)が挙げられる。
【0012】
また本発明に係る紡績方法では、前記した潤滑剤(A)、前記した潤滑剤(B)及び前記した潤滑剤(C)から選ばれる一つ又は二つ以上から成る繊維用処理剤を用いる。用いる繊維用処理剤としては、潤滑剤(A)から選ばれるものを含有して成るものが好ましく、潤滑剤(A)を50〜100質量%、潤滑剤(B)を0〜20質量%及び潤滑剤(C)を0〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有して成るものがより好ましい。
【0013】
潤滑剤(A)は、炭素数5〜70の脂肪族エステル化合物である。かかる脂肪族エステル化合物には、1)メチルオレアート、ブチルステアラート、オクチルステアラート、オレイルラウラート、イソトリデシルステアラート等の、脂肪族1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、2)1,6−ヘキサンジオールジオレアート、トリメチロールプロパンモノオレアートモノラウラート等の、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、3)ジラウリルアジパート、ジオレイルアジパート等の、脂肪族1価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステルが挙げられる。なかでも潤滑剤(A)としては、炭素数15〜60の脂肪族エステル化合物が好ましい。
【0014】
潤滑剤(B)は、30℃における動粘度が5×10
−6〜100×10
−6m
2/sである線状ポリオルガノシロキサンである。かかる線状ポリオルガノシロキサンには、線状ポリジメチルシロキサン、変性基を有する線状ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。この場合の変性基としては、エチル基、フェニル基、フロロプロピル基、アミノプロピル基、カルボキシオクチル基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基、ω―メトキシポリエトキシ・ポリプロポキシプロピル基等が挙げられる。
【0015】
潤滑剤(C)は、30℃における動粘度が5×10
−6〜100×10
−6m
2/s(5cst〜100cst)である鉱物油である。
【0016】
本発明に係る紡績方法に用いる繊維用処理剤は30℃における動粘度が1×10
−6〜100×10
−6m
2/sのものとするが、5×10
−6〜50×10
−6m
2/sのものとするのが好ましい。本発明に係る紡績方法では、渦流空気精紡機を用いた紡績方法において、前記したような繊維用処理剤を、渦流空気精紡に用いる圧縮空気に混入させて繊維に噴霧し、付着させるが、この場合に繊維用処理剤の30℃における動粘度を前記のように5×10
−6〜50×10
−6m
2/sのものとすると、かかる繊維用処理剤は繊維に対しより均一に噴霧することができ、結果として繊維に対しより均一に付着させることができる。また渦流空気精紡に用いる圧縮空気の圧力は、通常0.40〜0.70MPaとするが、0.45〜0.65MPaとするのが好ましい。
【0017】
本発明の繊維用処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲内で目的に応じて適宜、消泡剤、外観調節剤、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤等の他の成分を併用することができるが、これらは可及的に少量とするのが好ましい。
【0018】
前記したように、繊維用処理剤を、渦流空気精紡に用いる圧縮空気に混入させて繊維に噴霧する場合、かかる繊維用処理剤はそのまま使用することもできるし、水や低粘度の鉱物油等で希釈して使用することもできるが、良好な噴霧性を得るためには、希釈する場合でも鉱物油等の油性の希釈剤を用いて希釈した非水系の状態で使用するのが好ましく、繊維用処理剤をそのまま非水系の状態で使用するのがより好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明した本発明によると、渦流空気精紡機を用いた紡績において、スピンドル先端やホルダー部分におけるスカムの堆積を充分に抑え、良好な高速紡績性の下に操業することができるという効果がある。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
【0021】
試験区分1(繊維用処理剤の調製)
潤滑剤(A)として表1に記載の脂肪族エステル化合物を用い、また潤滑剤(B)又は(C)として表2に記載の線状ポリオルガノシロキサン又は鉱物油を用いて、これらを必要に応じて表3に記載の比率で混合し、表3に記載した繊維用処理剤P−1〜P−13及びR−1〜R−14を調製した。尚、比較例15は繊維用処理剤を調製せず、したがって使用しなかった例である。
【0022】
試験区分2(練条スライバーの調製)
ポリエステルステープル製造工程において、オクタデシルリン酸エステルカリウム塩70部、α−ノニルフェニル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)(n=10)15部及びα−ドデシルアミノ−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)(n=10)15部の割合からなる油剤を、ポリエステルステープル繊維に対し0.15%となるよう付着した繊度1.3×10
−4g/mで繊維長38mmのセミダルのポリエステルステープル繊維を用いた。このポリエステルステープル繊維をフラットカード(豊和工業社製)に供してカードスライバーとし、更にこのカードスライバーをPDF型練条機(石川製作所製)に供して太さ3.2g/mの練条スライバーを調製した。
【0023】
試験区分3(渦流空気精紡及び評価)
渦流空気精紡機として村田機械株式会社製の商品名ボルテックス(登録商標)を用い、この渦流空気精紡機の圧縮空気に試験区分1で調製した各繊維用処理剤を混入させて繊維に噴霧した。このときの噴霧性及びスカム堆積性を以下の方法で評価し、結果を表3にまとめて示した。
【0024】
用いた渦流空気精紡機は複数の精紡ユニットを備え、各精紡ユニットは、ドラフト装置と、渦流空気精紡装置と、巻取装置とを備えている。ドラフト装置は、繊維束をドラフトし、渦流空気精紡装置へ供給する。また渦流空気精紡装置は、渦流空気流を内部に発生させて、前記繊維束を紡績し、紡績糸を生成させる。そして巻取装置は、渦流空気精紡装置から紡出され、適宜の糸送り手段で送られてきた紡績糸をパッケージに巻き取る。
【0025】
前記の渦流空気精紡装置は、紡績室、繊維案内部、渦流発生ノズルが形成されたノズルホルダー部分及びスピンドル(中空ガイド軸体)を備えている。繊維案内部は、ドラフト装置によって形成された繊維束を紡績室内に案内する。紡績室は、繊維案内部、ホルダー部分及びスピンドルにより囲まれて形成された空間である。渦流発生ノズルは、紡績室内に圧縮空気を噴射して渦流を発生させることで、紡績室内に案内された繊維束の繊維端をスピンドル先端の領域で反転させつつ旋回させる。スピンドルは、紡績された糸を紡績室内から渦流精紡装置の外部へ案内する。スピンドルは、その先端部とは反対側の基端部がスピンドルホルダー部分により保持されている。
【0026】
また用いた渦流空気精紡機は繊維用処理剤をミスト化させて混入させる噴霧装置(村田機械株式会社製の商品名ポリマスター)を備えている。この噴霧装置は、渦流発生ノズルの上流側の位置において、紡績室内に案内される圧縮空気に繊維用処理剤をミスト状に混入する。噴霧装置は、各渦流空気精紡装置に繊維用処理剤を直接供給するように構成されていてもよいし、複数の渦流空気精紡装置に空気を供給する共通の供給管に繊維用処理剤を供給するように構成されていてもよい。これらの詳細は、例えば特開2008−95208号公報や特開2011−84854号公報に記載されている。
【0027】
・噴霧性の評価
前記の渦流空気精紡機の精紡に用いる圧縮空気に、前記の噴霧装置により繊維用処理剤をミスト化させて混入させつつ、温度25℃、相対湿度65%、圧縮空気の圧力0.55MPaの条件下にて5時間噴霧した。繊維用処理剤の噴霧状態を目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
【0028】
噴霧性の判定基準
◎:噴霧性良好
○:若干、配管部に液溜まりがみられるが、全体として噴霧性良好
△:配管部に液溜まりがみられるが、短時間であれば噴霧可能
×:噴霧不可能
【0029】
・スカム堆積性の評価
試験区分2で調製した練条スライバーを前記の渦流空気精紡機に供し、紡出速度360m/分にて30番手の糸を紡出する際、その精紡に用いる圧縮空気に噴霧性良好又は噴霧可能な繊維用処理剤を、温度25℃、相対湿度65%、圧縮空気の圧力0.55MPaの条件下にて、練条スライバーの通過量に対して0.03%となる量をミスト化により混入させ、噴霧した。5時間後、スピンドル先端部へのスカムの堆積及びスピンドルホルダー部へのスカムの堆積を目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
【0030】
スピンドル先端部及びスピンドルホルダー部へのスカム堆積性の評価基準
◎:堆積物なし
○:僅かに堆積物はあるが、清掃の必要なし
△:堆積物はあるが、定期的な清掃までは必要なし
×:堆積物があり、定期的な清掃が必要
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
表3において、
D−1:α−オクチル−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=4)
D−2:α−ドデシル−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=6)ポリオキシプロピレン(n=2)
D−3:α−ノニル−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=6)ポリオキシプロピレン(n=2)
D−4:α−ブチル−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=10)ポリオキシプロピレン(n=10)
D−5:α−ブチル−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=20)ポリオキシプロピレン(n=20)
D−6:α−ヒドロキシ−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=5)ポリオキシプロピレン(n=45)
D−7:α−ココイル−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(n=10)
D−8:オクタデシルリン酸エステルカリウム塩
D−9:オクチルリン酸エステルカリウム塩
D−10:ブチルリン酸エステルカリウム塩
*1:噴霧性が不良のため、スカム堆積の評価ができなかった。
【0035】
表3の結果からも明らかなように、本発明によれば、渦流空気精紡機を用いた紡績においてスピンドル先端やホルダー部分におけるスカムの堆積を充分に抑え、良好な高速紡績性の下に操業することができる。