(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の幾つかの実施形態においては、複数の照射波動場は、複数のスライスにおいて測定されるものとする。対象物の推定値は、これらのスライスの各々において測定される。これらのスライスの各々からの出射波は、当該スライスでの照射の対象物との相互作用の結果として測定される。これらの出射波は、総和平面に伝播されるが、この平面は、対象物の推定値が測定されるところの面である場合と、そうでない場合があり、ここにおいて、伝播された複数の波動場からの寄与の効果として、複合波が測定され、または、(総和場が、出射波が測定される面でもある場合には)その平面で測定される。この複合波は、検出器の平面に伝播され、この検出器において、回折パターンの推定値が測定される。この推定に係る回折パターンは、対象物の複数の推定値が測定されるところの複数のスライスの各々に逆に伝播される前に、検出器によって測定された回折パターンに基づいて補正される。対象物のこれらの推定値は、逆に伝播された波に基づいて更新される。この方法は反復して実行されるが、この方法においては、対象物の複数の推定値が、各反復と共に段階的に更新される。換言すれば、これらの複数の推定値は、この方法の各反復中に連続して更新される。有利なことに、これによって、検討すべき様々な平面の間における反復が可能になる。
【0009】
他の実施形態においては、対象物の推定値が測定されるところの第1のスライスにおいて、照射波動場が測定される。このスライスからの出射波が測定され、そして、対象物の推定値が測定されるべき他のスライスに伝播される。換言すれば、以前のスライスからの伝播された出射波は、次のスライスにおける照射波動場として利用される。出射波は、この次のスライスと、着目したすべての所望のスライスに関して繰り返されたプロセスとから決定される。最終スライスにおいて、この出射波は、検出器の平面に伝播される。この検出器の平面において記録されたデータを用いて、検出器において計算された波の係数を調節した後、この波は、対象物の出口又は最終スライスに逆伝播される。対象物と、この対象物内を伝播する波との推定値は、複数の散乱を含む連続的な伝播が対象物中を辿るように、逆に伝播された波に基づいて更新される。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る装置100を示している。この装置100は、対象物30の三次元画像データを提供するのに適しており、このデータは、これに限定されるものではないが、対象物の少なくとも1つの領域の三次元画像を生成するために使用される。三次元画像データとは、対象物30を横切るスライス31、32等の、対象物30の複数のスライスに関する画像データを意味するものとする。2つのスライス31、32が示されているが、画像データは、2つ以上のスライスに関するものである場合があることが想定される。特に、これらのスライスは、光軸50の方向に沿って離れて配置される場合がある。これらのスライス32、32は、平面として示されているが、これらのスライスは、必ずしも平面、即ち、平坦である必要はないと理解すべきである。これらのスライス31、32は、他の異なる形、例えば、曲面などにされることもある。
【0011】
図1には示されていないが、放射線源は、1又は複数のレンズ等の集光装置20に入る放射線10の源であり、目標対象物30の領域に光を当てさせる。このような照射をレンズによって形成する必要はないが、対象物に衝突する、結果として生じた波が実質的に局部的であり、その局部内で、入射ビームのある角度分布、場合によっては任意の分布を有することを条件として、この照射を、一種の光学デバイス、アパーチャ又は源によって生成することも可能である。
【0012】
理解されているように、放射という用語は、広義に解釈すべきである。放射というこの用語は、様々な波面のことを含むものである。放射とは、放射線源からのエネルギーを含むものである。これは、電子等のX線放射粒子を含む電磁放射を含むものである。他のタイプの放射とは、音波等の音響放射を含む。このような放射は、波面関数Ψ(x,y)によって表わされる。この波面関数は、当業者であれば理解されるように、実部と虚部とを含んでいる。これは、波動関数の係数と位相とによって表わされる。Ψ
*(x,y)は、Ψ(x,y)とΨ(x,y)Ψ
*(x,y)=|Ψ(x,y)|
2との複素共役であり、ここにおいて、|Ψ(x,y)|
2は、波動関数に関して測定される強度である。
【0013】
この集光装置、即ち、レンズ20は、調査対象である目標対象物30の領域を選択するために用意されたプローブ関数P(x,y)を形成する。P(x,y)は、スライス31等の平面において計算されたこの波動場の複素停留値である。複数のスライス31、32の各々について、それぞれのプローブ関数を計算により求めてもよい。
【0014】
従って、入射放射線10は、目標対象物30の上流側に当り、これが伝達されるように、目標対象物30によって散乱される。目標対象物30は、入射放射線に対して少なくとも部分的に透明であってもよい。目標対象物30は、ある種の反復構造を有していても、また、有していなくてもよい。その代わりに、目標対象物30は、全体的に又は部分的に反射するものであってもよく、その場合、反射された放射線に基づいて、散乱パターンが測定される。
【0015】
従って、出射波Ψ(x,y)は、放射線の対象物30との相互作用の後に形成され、これは、以下に説明するように、一連の伝達関数として近似される。本発明の実施形態においては、複数の二次元複素伝達関数O
n(x,y)が用いられており、その各々は、
図1において例えば31及び32として示されているように、光軸50に沿って、異なる距離z
nにおける対象物内のスライスに対応する。
【0016】
対象物30を2つのスライスとして近似する場合には、当然のことながら、第1のスライス31は、関連する伝達関数O
1(x,y)を有しており、これは、例えば、対象物30の前面と一致する平面33と、例えば、z方向において、V(x,y,z)の途中の平面34との間における光学ポテンシャルV(x,y,z)の積分値に関連するものである。当然のことながら、この積分値は、曲面等の、平坦でない複数の表面間で求めたものでもよい。第2のスライス32は、関連する伝達関数O
2(x,y)を有しており、これは、例えば、平面34から、例えば、対象物30の後(下流)面と一致する平面35までのV(x,y,z)のz方向の積分値に同様に関連するものである。当然のことながら、対象物30を一連のスライス31、32として近似する場合において、これらのスライス31、32の位置、及び、積分を行うzの範囲は任意に選択すればよい。
【0017】
O
n(x,y)を形成すれば、このような二次元伝達関数は、その複数の前面33、34上の入射波の係数及び位相を変化させる効果、即ち、Ψ
i(x,y)を具現化して、Ψ
e(x,y)=Ψ
i(x,y)となるように、簡単な乗算により、その後面34、35でのΨ
e(x,y)を出射波に与えるといえる。
【0018】
出射波関数Ψ
e(x,y)は、出射波が、スライス31又はスライス32等の対象物30の対応するスライスを出るときの放射線の出射波関数である。この出射波Ψ
e(x,y)は、少なくとも部分的に連続して対象物30中を伝播し、1又は複数の下流のスライスに関するプローブ関数を形成するものでもよい。従って、第1のスライス31に関してでは、当然のことながら、Ψ
i(x,y)=P(x,y)であり、第2のスライス32に関して、ある実施形態においては、Ψ
i2(x,y)は、第2のスライス32に伝播されたP(x,y)であり、また、ある実施形態においては、第1のスライス31からの出射波Ψ
e1(x,y)は、第2のスライスに伝播されたものであり、ここにおいて、下付き文字は、適切なスライスを示している。最終的に、最後又は最終スライスからの出射波は検出器40に伝播36されて、回折面における回折パターンΨ(u,v)を形成し、ここにおいて、u,vは検出器40の平面における二次元座標の値である。
【0019】
当然のことながら、散乱された放射線が検出された回折面を試料に近付けるように移動させれば、後述するように、フーリエ回折パターンよりもむしろフレネル回折パターンが検出される。この場合、出射波Ψ
e(x,y)から回折パターンΨ(u,v)への伝達関数は、フーリエ変換ではなく、フレネル変換である。当然のことながら、出射波Ψ
e(x,y)から回折パターンΨ(u,v)への伝達関数は、他の変換を用いてモデル化される他の物理的な手段を含んでいてもよい。
【0020】
照射される目標対象物30、即ち、調べられる目標対象物30の領域を選択するために、レンズ(複数のレンズ)又はアパーチャを、対象物30に対するプローブ関数の移動を可能にするx/y移動台上に設けてもよい。当然のことながら、対象物30を、レンズ(複数のレンズ)又はアパーチャに対して移動させてもよい。プローブ関数20を、複数の位置を有する手段上で、この移動台によって移動させることも可能である。
【0021】
他の複数の位置を用いてもよいが、この手段は、例えば、20x20の位置を有するグリッドであってもよく、更に、このグリッドは、x及びy方向の双方に等間隔の複数の位置を有していなくてもよい。また、明らかなように、この手段は、円形又は他の形状を有していてもよく、そして、この手段の各位置は、それぞれのオフセットを有していてもよい。
【0022】
検出器40は、回折パターンの記録を可能にするCCDカメラ等の適宜の記録デバイスである。検出器40は、回折面における回折パターンの検出を可能にするものである。検出器40は、CCDにおけるような多数の検出素子を備えていてもよい。
【0023】
本発明の第1の実施形態に係る方法200を
図2に示し、
図3を参照して説明する。この実施形態においては、複数のスライスからの出射波の連続する推定値を、この方法200の各反復中に決定し、即ち、段階的に更新し、検出器に伝播される前に、平面において結合する。
【0024】
着目した対象物30を、n=1、2、3・・・NであるN個のスライスに分解し、その各々は、第1のスライスが参照番号340で示され、第2のスライスが参照番号350で示されているところのN=2の場合の
図3に示されたz=z
nに位置している。各スライスは、下記の形式:
【数1】
の関連複素数値伝達関数を有しており、但し、sは散乱断面積であり、V(x,y,z)の虚部は、対象物30による放射線の吸収に関するものであり、その実部は、当該伝達関数を通過する波に生ずる位相変化に関するものである。
【0025】
z方向、即ち、光軸に沿ったスライス340、350間の距離は、等しい必要はない。積分の項の区間の上下端は、対象物30の各ボクセルが1つの伝達関数のみに寄与している限り、以前のスライスと次のスライスとの間の途中における複数の平面からであってもよく、又は、他の複数の範囲に亘っていてもよい。この例では、第1のスライス340は、説明の便宜上、対象物310の前面と一致しているが、当然のことながら、このことは必須要件ではない。下付き文字「actual」は、この伝達関数は、物理的な対象物310の構造が具体的に明らかな場合に得られるであろうものであることを示している。
【0026】
以下の記述においては、O
n(x,y)は、n番目の伝達関数の連続する推定値を表している。本発明の実施形態に係る再構成アルゴリズムは、反復するために、即ち、少なくとも幾つかのN、又は、すべてのNに関するO
n(x,y)≒O
n,actual(x,y)の正確な推定値を見出すように設計されている。電子散乱の場合には、V(x,y,z)は、原子ポテンシャルに対応するものであってもよく、又は、電磁放射の場合には、V(x,y,z)は、光散乱のスカラー理論において使用される光学ポテンシャルに対応するものであってもよく、又は、V(x,y,z)は、これは、他のある種の放射線、例えば、ある種の偏向波に当てはまるが、積分されるときに、式1によって特徴付けられた同様の伝達関数を生ぜしめる、対象物30の他のある特性に対応するものであってもよい。
【0027】
照射関数は、対象物310の前面、即ち、照射源に向かう面に衝突する、二次元複素数値停留波動場P
actual(x,y)によって特徴付けられる。以下の記述においては、P(x,y)は、照射関数の推定値を表しており、当然のことながら、本発明の実施形態に係る再構成方法は、P(x,y)≒P
actual(x,y)の正確な推定値について反復するように設計されている。
【0028】
回折パターンの複数のJの強度は、検出器320によって記録されており、ここにおいて、各回折パターンは、I
j(u,v)と表示されるj=1、2・・・Jによって示されており、このJ個の回折パターンの各々は、プローブが対応する位置P
actual(x−X
j,y−Y
j)にあるときに収集され、但し、X
j及びY
jは、x、y平面における対象物310に対するプローブの変位量である。プローブがある位置にあるときに照射される対象物30の領域が、プローブが隣接する位置にあったときと部分的に同一であるように、即ち、PIEの二次元実行において通常行われるように、プローブの複数の位置が少なくとも部分的に重複するように、プローブの変位量を整えることが望ましい。また、当然のことながら、回折パターンデータもまた、z方向に沿ってシフトされた照射、即ち、対象物310によって収集されるが、このように収集されたデータは、伝達関数の推定値O
n(x,y)を精選するために、以下にその概略を述べる方法の実施形態の第2回目又は第3回目以上の繰返しのために使用される。ある実施形態においては、回折パターン測定値の更なるこのようなデータセットを、以下に説明するように、別の方向に回転し、又は、傾斜させた対象物310によって収集してもよい。
【0029】
本発明のある実施形態は、ループの4段階の反復を利用している。最も下の(最も内側の)ループは、単一のj番目のプローブの位置から収集されたデータを調べて、「前進」計算及び逆「後退」計算に従って、P(x,y)及びO
n(x,y)の推定値を更新する。この「前進」計算及び逆「後退」計算の変数について以下に述べる。この最も内側のループの外側で、J番目のプローブの複数の位置の各々について最も内側のループを繰り返しながら、この方法をj回反復するが、これは、「視野」ループとして認識される。この視野ループの外側で、全体の視野ループを複数回繰り返すが、これは、「単一配向ループ」として認識される。この視野ループ及び単一配向ループは、上述したPIE法及びePIE法と同一である。本願出願人による複数の先願は、J番目の複数の位置からのデータが視野ループに並べる順序を変更することによって、又は、選ばれた変位X
j及びY
jを最適化して、再構成アーチファクトを最小にすること等によって、このような方法の性能を改善する方法について論評している。これらの方法を、本発明の実施形態に組み入れる。最終的に、最も外側のループが、後述するように、1又は複数の新たな配向に傾き、又は、回転した後に、この最も外側のループは、対象物30から収集されたデータを用いて、下方段階ループを任意に繰り返す。
【0030】
本発明の実施形態は、前進計算及び後退計算の双方について、各伝達関数O
n(x,y)に入射し、そこから出射する波動関数の連続する推定値の記録を維持し、そして/又は、この連続する推定値を更新しながら、伝達関数O
n(x,y)のN個の連続する推定値を更新する。
【0031】
この前進計算は、P(x,y)の現在の推定値、すべてのz
nについての、各O
n(x,y)の現在の推定値、プローブX
j及びY
jの分かっている位置、及び、対象物310から検出器320に放射される出射波を伝播するプロパゲータのタイプ、を前提として、回折パターンに至ると期待される散乱放射、Ψ
f(u,v)の係数及び位相をモデル化するが、このプロパゲータのタイプをT(以下、筆記体で表わす)といい、これは、フレネルプロパゲータ、フラウンホーファープロパゲータ、又は、他のプロパゲータのタイプであってもよい。
【0032】
回折面には、強度拘束が適用されており:そこにおいて、Ψ
f(u,v)の係数は、
【数2】
で置き換えられるが、その位相は、PIE又はePIEに関する説明に述べたように、Ψ
b(u,v)を付与するために維持される。
【0033】
後退計算は、散乱プロセスを逆にするためのΨ
b(u,v)を用いて、放射線を対象物310に逆に伝播し、伝達関数O
n(x,y)の推定値を更新する。
【0034】
対象物310の各スライス340、350は、二次元複素数値波動関数Ψ
if,n(x,y)に関連しており、これは、スライス340、350の(放射線源に向かう)前面に入射する。各スライスは、関連する波動関数をも有しており、それぞれのスライスの下流における出射波は、スライスΨ
ef,n(x,y)の特性によって変更される。この命名において、下付き文字i及びeは、入射波及び出射波をそれぞれ示す。下付き文字fは、その推定値が前進計算から導き出されたものであることを示し、また、下付き文字nはこの入射又は出射波がn番目のスライスに関するものであることを示している。同様に、Ψ
ib,n(x,y)及びΨ
eb,n(x,y)は、後退計算中に算出されたn番目のスライスに入射し、そして、そこから出射した推定波動関数を示す。
【0035】
フレネルタイプ又は角スペクトルタイプ、又は、同様のプロパゲータのタイプの波動プロパゲータ
PΔz及びその逆数
P-1Δzを用いて、様々なΨ(x,y)を、対象物30の体積内で所定距離Dzに亘って前後に伝播させる。
対象物のスライスの更新演算子を下記の通り式2に決定する:
【数3】
但し、αは、アルゴリズムの集光速度を決定する、0から2の間の定数であり、
*は複素共役を示す。式2をO
n(x,y)=Uo[O
n(x,y)]というコンパクト形に書くことができ、当然のことながら、ここでは、更新に係る推定値O
nnext(x,y)は、現在の推定値O
n(x,y)となり、即ち、O
n(x,y)=O
nnext(x,y)となる。
【0036】
照射更新関数は、下記の通り、式3に決定され:
【数4】
これは、同様に、下記の通り表わされる:
【数5】
【0037】
方法200を、
図2及び3を参照してより詳細に説明する。この方法は、対象物30が弱散乱の場合に特に適しているが、本発明の実施形態はこの特徴に限定されるものではない。この方法200は、以下の通り実施される:
【0038】
ステップ205において、第1の、即ち、初期のプローブ位置が選択される。この第1のプローブ位置は、j=1である必要はなく、複数のJ番目の位置のうち、場合によっては無作為に選択された他のものであってもよい。
【0039】
ステップ210において、シフトされたプローブの現在の自由空間推定値が、z
nですべての平面に下記:
Ψ
if,n(x,y)=
PΔZn[P(x−X
j,y−Y
j)]
として伝播される。
【0040】
P(x−X
j,y−Y
j)を、
図3におけるように、それ自身が、対象物310の第1のスライス340と一致する、z
0=0にあるものと決定した場合には、Δz
1=0、Δz
2=z
2、Δz
3=z
3、等となる。2つのこれらのスライス340、350を用いたこのプロセスを
図3に示す。
【0041】
ステップ215において、各スライスでの出射波は、下記の通り決定される:
Ψ
ef,n(x,y)=Ψ
if,n(x,y).O
n(x,y)。
【0042】
ステップ220において、各出射波は次いで、対象物310の下流の総和平面360に伝播されるが、これは、対象物310の出口面、即ち、矢印361で示された、対象物310の下流側の面であってもよい。
【0043】
ステップ225において、この総和平面360に伝播されたすべての波が合計される。この総和平面360における合計を:
Ψ
f,s(x,y)=
PZs−Z1[Ψ
ef,1(x,y)]+
PZs−Z2[Ψ
ef,2(x,y)]+
PZs−Z3[Ψ
ef,3(x,y)]+・・・+
PZs−ZN[Ψ
ef,N(x,y)]
として決定することができる。
【0044】
ステップ230において、合計に係る出射波Ψ
f,s(x,y)は、検出器320に伝播370されて、
【数6】
を与え、ここにおいて、この位相は維持されるが、その係数は、
【数7】
に設定されて、ステップ235において、Ψ
b(u,v)を与える。
【0045】
ステップ240において、総和平面360における波(「逆計算に係る」波)の異なる推定値
【数8】
を与えながら、Ψ
b(u,v)が総和平面360に逆に伝播380される。
【0046】
ステップ246において、再構成O
n(x,y)のスライスが選択される。このスライスを、対象物の最後のスライス350として、即ち、総和平面360の直前のスライスとして選択してもよい。しかしながら、以下に示すように、他のスライスも選ばれるかもしれない。
【0047】
ステップ247において、前方に計算されたすべての他のスライス(選択されたスライスnを除く)の伝播された複数の出射波が、逆伝播に係る総和平面Ψ
b,s(x,y)から除算されて、Ψ
b,sn(x,y)を与える。従って、例えば、ステップ246で選択されたスライスがO
1(x,y)である場合には、ステップ247において下記の計算を行う:
Ψ
b,s1(x,y)=
Ψ
b,s(x,y)−
PZs−Z2[Ψ
ef,2(x,y)]−
PZs−Z3[Ψ
ef,3(x,y)]・・・−
PZs−ZN[Ψ
ef,N(x,y)]。
【0048】
同様に、ステップ246で選択されたスライスがO
2(x,y)である場合には、ステップ247において下記の計算を行う:
Ψ
b,s2(x,y)=
Ψ
b,s(x,y)−
PZs−Z1[Ψ
ef,1(x,y)]−
PZs−Z3[Ψ
ef,3(x,y)]・・・−
PZs−ZN[Ψ
ef,N(x,y)]。
【0049】
ステップ248において、残りの出射波、即ち、減算後の出射波Ψ
b,Sn(x,y)は、選択されたn番目のスライス等に逆に伝播される。例えば、ステップ246で、O
2(x,y)が選択された場合には、これが逆に伝播されて、下記を与える:
Ψ
eb,2(x,y)=
P−1Zs−Z1[Ψ
b,S2(x,y)]
一般的には、
Ψ
eb,n(x,y)=
P−1Zs−Z1[Ψ
b,Sn(x,、y)]。
【0050】
ステップ249においては、出射波が逆に伝播された、選択に係るスライスに関して、対象物の伝達関数O
n(x,y)の更新を行って、O
n(x,y)=U
o[O
n(x,y)]を与える。従って、例えば、第1のスライス340では、関連する伝達関数が下記の通り更新され:
【数9】
その後、O
1(x,y)=O
next1(x,y)という代入を行って、この更新に係る伝達関数が今や伝達関数の現在の推定値となる。
【0051】
ステップ250において、すべてのスライスについて調べたか否か、即ち、各スライスに関連する伝達関数を更新したか否かを決定する。すべてのスライスを未だ調べていない場合には、この方法は、ステップ246に戻り、すべてのスライスを調べるまで、ステップ246−249を、次に選択されたスライスに関して繰り返す。
【0052】
ステップ255において、プローブ関数の現在の推定値P(x−X
j,y−Y
j)を、スライス340、350のうちの1つ、即ち、総和平面360で更新する。このプローブ関数は、第1のスライス340で、例えば、下記の通り更新される:
【数10】
【0053】
このプローブの更新を、他の平面で行う場合には、前進計算において用いた入射プローブの、伝播に係る推定値が更新される。(本発明のこの実施形態におけるように、)自由空間を伝播するプローブに関して言えば、何れかの単一のスライスでプローブを決定することは、入射面及び総和平面におけるもののすべての他のものについて決定するものである。
【0054】
一般的には、J番目のプローブの複数の位置のすべてを調べたか否かを決定することにより、ステップ260−265において新たなプローブ位置jをその時点で選択し、そして、各位置に関するそれぞれの回折パターンを用いて、すべての次のプローブ位置に関するステップ210−255を通過しながら、視野反復を継続することが好ましいが、ステップ210−255によって形成された最も内側のループをステップ210から繰り返してもよい。
【0055】
J番目のプローブのすべての位置を、視野ループにおいて処理した場合には、ステップ270において決められているように、条件を満たし、又は、ある所定回数の視野反復が実施されるまで、更なる視野ループを行ってもよい。最も外側のループの更なる反復を行う場合には、プローブの位置を、ステップ275において、例えば、ステップ205で用いた初期プローブの位置にリセットしてもよい。
【0056】
対象物30が強散乱である場合に特に適している、本発明の第2実施形態について以下に説明するが、本発明の実施形態はこの特徴に限定されるものではない。「強散乱」とは、第1ボルン近似が満たされないことを意味する。換言すれば、対象物30内のある点における照射は、この点の上流側の試料の複数の層内で起こる散乱による実質的な影響を受ける。本発明の第2実施形態は、複数のステップを、アルゴリズムの最も内側のループで行うことにおいて、第1実施形態と異なるものである。
【0057】
本発明の第2実施形態においては、後退計算によってこの処理を逆に行いながら、1つのスライスからの伝播に係る出射波を用いて、次のスライス上で入射波として作用させ、各スライスでのプローブ関数及び伝達関数の双方を更新し、そして、入射照射関数の新たな推定値が最終的に得られるまで、更新に係るプローブ関数を以前のスライス等に逆に伝播させること等によって、前進伝播における散乱を実施するものである。対象物510、入射放射線530、検出器520及び2つのスライス540、550を含む実施例に準拠して、
図4及び5を参照しながら、第2実施形態を以下に説明するが、更なるスライスを調べてもよいことは明らかである。
【0058】
図2を参照して以前に説明した実施態様におけるように、ステップ405においては、初期のプローブ位置が、以前に説明した方法のステップ205におけるように選択される。ステップ405において、対象物510の第一の平面540も選択され、これは、最も前方側の面、即ち、放射線源530を向いている面である。
【0059】
ステップ410において、対象物の現在のスライスに入射する入射波530が、Ψ
if,n(x,y)=P(x−X
j,y−Y
j)として決定され、これは、ステップ410の第1回目の反復に関して、j番目の位置でのプローブについて、対象物の第1のスライス540に入射する照射波の現在の推定値であり、このプローブに関しては、回折データI
j(u,v)が記録又は測定されている。
【0060】
ステップ415において、現在のスライスからの出射波、Ψ
ef,n(x,y)=Ψ
if,n(x,y).O
1(x,y)が決定される。
【0061】
ステップ420において、現在のスライスが対象物の最後のスライスではない場合には、この方法は、ステップ425に移る。換言すれば、対象物の次のスライスが存在する場合には、この方法は、ステップ425に移る。次のスライス550は、下流方向において、次の隣接するスライスであってもよい。ステップ420の第1回目の反復において、例えば、
図5の例では、次のスライスは、第2のスライス550である。
【0062】
ステップ425において、スライス540からの出射波は、次のスライス550に伝播されて、次の入射波、Ψ
if,n+1(x,y)=
PΔZ1[Ψ
ef,n(x,y)]、但し、Δz
1=z
2−z
1である、を形成する。
【0063】
ステップ415に戻って、次のスライス550からの出射波、Ψ
ef,n+1(x,、y)=Ψ
if,n+1(x,y).O
n+1(x,y)が決定される。
【0064】
ステップ420において、更なる次のスライスがある場合には、出射波は、次のスライスに伝播されて、次の出射波、Ψ
if,n+2(x,y)=
PΔZ2[Ψ
ef,n+1(x,y)]、但し、Δz
n+1=z
n+2−z
n+1である、を形成する。最後の出射波、Ψ
ef,N(x,y)の推定値が得られるまで、対象物510の各々の継続するスライス540、550について、このプロセスを同様に繰り返す。
図5に関して、最後の出射波の推定値は、スライス550から出射されたものであり、ステップ420では、このスライス550を、対象物の最後のスライスであると決定し、そして、この方法は、ステップ430に移る。
【0065】
ステップ430において、最後の出射波Ψ
ef,N(x,y)は、
【数11】
を与えながら、検出器40に伝播され、ここにおいて、その位相は維持されるが、その係数は
【数12】
に設定されて、Ψ
b(u,v)を与え、即ち、ステップ435において強度拘束を適用する。
【0066】
ステップ440においては、検出器での更新に係る波Ψ
b(u,v)が、
【数13】
を与えながら、出口スライス、即ち、
図5の例における最後のスライス550に逆に伝播される。
【0067】
ステップ445において、スライスでの伝達関数及びプローブ関数が更新される。伝達関数及び照射関数を、ePIEの記載において説明したように、下記に従って更新してもよい:
【数14】
【0068】
同様に、ePIEの記載において説明したような照射関数の更新をも行って、このスライスに入射する波、即ち:
【数15】
の新たな逆方向の推定値を演算してもよい。
【0069】
ステップ450において、現在のスライスが、第1のスライスであるか否か、即ち、対象物の最も先頭側のスライスであるか否かを決定する。現在のスライスが第1のスライスではない場合には、この方法は、ステップ455に移る。
【0070】
ステップ455において、現在のスライスでの波動関数の更新に係る推定値が、下記に従って、以前のスライスに逆に伝播される:
Ψ
eb,n−1(x,y)=
P−1ΔZn−1[Ψ
ib,n(x,y)]
但し、Δz
n−1は、スライスnと、以前のスライスn−1との間の距離である。
【0071】
ステップ445において、関連する伝達関数、O
nー1(x,y)=U
0[O
nー1(x,y)]と、そのスライスに入射する照射関数、Ψ
ib,n−1(x,y)=U
illum[Ψ
if,n−1(x,y)]との双方について、ステップ445の以前の反復と同様に、更新を行う。
【0072】
ステップ450において、更に以前の複数のスライスが残っている場合には、新たに推定された関数Ψ
ib,n−1(x,y)が、次の以前のスライスに逆に伝播され、そこにおいて、最終的に、対象物510の前面の照射の新たな推定値、P(x−X
j,y−Y
j)=Ψ
ib,1(x,y
)が決定されるまで、式2及び3において、一般化された更新値の関数を用いながら、更なる一対の更新等を、すべてのスライス540、550について行う。
【0073】
ステップ460において、すべてのプローブ位置を調べていない場合には、一般的には、新たなプローブ位置jをその時点で選択することが好ましいが、第2の実施形態に関する最も内側の反復は、ステップ405から繰り返される。この新たなプローブ位置は、ステップ465において選択される。ステップ445において計算された第1の面P(x,y)での照射の更新に係る推定値を、ステップ470において、現在の面として再選択された、ステップ410における第1の面での照射として用いる。各位置に関するそれぞれの回折パターンデータを用いて、すべての次のプローブ位置に関して、ステップ410−455を繰り返す。
【0074】
ステップ460において、すべてのプローブ位置を視野反復で処理した場合には、この方法は、ステップ475に移り、そこで、条件が満たされるまで、即ち、引用した先行技術に論評されているように、所定回数の視野反復が終了するまで、更なる視野反復を行う。この方法を繰り返す場合には、プローブ位置はリセットされ、第1の面は、ステップ480において再選択される。
【0075】
上述において導入したように、本発明の実施形態を利用して、対象物を横切る複数のスライスであって、その各々がそれぞれの角度をなしているところのスライスに関する伝達関数を決定することができる。即ち、複数のスライスのうちの少なくとも幾つかは、以下に説明するように、相互に交差しており、それぞれの角度をなしている。
【0076】
本発明の実施形態によれば、例えば、
図1に示されたように、光軸に沿って離れて配置された複数のスライスにおける伝達関数が決定される。各スライスに関連する伝達関数は、上述した複数の方法の何れかによって決定される。最初は、対象物30を、光軸に関して何れかの方向に配置してもよく、即ち、対象物の最初の物理的方向は、所望に選択してよいが、
図1に示された複数のスライスの最初の方向を、対象物30に対して0°という。上述した、即ち、
図2又は4に示された方法の何れかを利用することによって、それぞれの伝達関数が、各スライス31、32に関連して決定される。
【0077】
図6は、第1及び第2のスライス31、32が対象物30を横切っているが、対象物30を、
図6(a)における第1の角度、及び、
図6(b)における第2の角度に回転させた状態の本発明の実施形態に係る、
図1に示された装置を示している。そして、本発明の実施形態を用いて、各スライスに関連し、各々が対象物30のそれぞれの回転に関連する1又は複数の伝達関数を決定することができる。
【0078】
第1のステップにおいては、本発明の実施形態を利用して、対象物30に対して0°のスライス31、32に関連する伝達関数が決定される。
図1を参照すれば、2つの伝達関数が、0°のスライス31、32に関連して決定される。第1の複数の伝達関数が決定された後、対象物30を、
図6(a)に示すように、他の角度に回転させる。対象物30の位置は、光軸50に対して一定に維持される。本発明の実施形態、好ましくは、既に用いたものと同一の実施形態を準備し、第2回目の反復を実行して、対象物30が15°等の角度の状態におかれた、複数のスライス31、32の各々の第2の複数の伝達関数を決定する。
【0079】
図8に関連して、式1を反転させることによって、本発明によれば、2又は3以上の二次元伝達関数801及び802が導き出されて、対象物30の部分深さにより、光学ポテンシャル803及び804をそれぞれ逆投影する。
図9において、本発明に係る、異なる複数の方向において対象物30に関して収集された複数の二次元伝達関数を用いて、対象物30の様々なボリューム全体に亘る逆投影を構成することができる。例えば、ボリューム901は、スライス902及び903から導き出された2つの逆投影を有しており;ボリューム904は、スライス905及び906から導き出された2つの逆投影を有している、等である。対象物30の全体のボリュームを占めるボクセル全体に亘って、複数のフィルター逆投影を加えることによって、三次元対象物の推定値が得られる。フィルター逆投影は、当業者に明らかなように、従来の断層撮影法に関するものであり、ここで、901、904等の複数のボリュームが処理される一方、対象物の全体のボリュームを通して、単一の逆投影のみが得られる。再構成処理を実施する前に、データが、対象物の数多くの方向から収集され、データが異なる複数の方向から処理されるところの順序は、任意に選択される。
【0080】
ある実施形態においては、第2の反復に入力されるものは、第1の反復からの逆投影に係るポテンシャルから導き出された伝達関数である。例えば、スライス31に関して、0°で決定された逆投影に係る伝達関数を用いた式1から導き出される伝達関数を、対象物が異なる角度に置かれた状態で、第2の反復においてスライスを横切る当該スライス31に関する第1の伝達関数として用いる。有利なことに、これによって、第2の反復における伝達関数の迅速な決定が可能になる。対象物の第2の回転角度での第2の複数の伝達関数を決定した後、この方法の更なる複数回の反復を、第6(b)に示すように、対象物30のそれぞれの角度回転で実行して、スライス31、32のうちの1つと各々関連する第3の、又は、第4以上の複数の伝達関数を決定してもよい。更に、各々の方向からのデータに関する各々の更新反復を、複数の他の方向からのデータを用いた更新反復でインターリーブしてもよい。
【0081】
既存の断層撮影技術と異なり、本発明は、コヒーレント三次元散乱積分の効果、照射ビームが対象物中を伝播するときの、当該照射ビームの変化、及び、複数の分散効果を有利に考慮している。当業者であれば、正確な従来のフィルター逆投影による断層撮影再構成に必要な、対象物の傾転回数は、対象物の厚さに比例して増加することを理解する筈である。本発明においては、対象物を、その対象物の部分的な厚さに該当する複数のスライスに分解しているので、この対象物の正確な断層撮影再構成に必要なこのような傾転回数は、有利なことに、現在の技術水準におけるよりも小さい。
【0082】
本発明の実施形態を、少なくとも部分的に透明な対象物と共に用いることも可能である。
図7は、少なくとも部分的に透明な対象物と共に用いて、その対象物に関連する対象物関数を決定するための、本発明の実施形態に係る装置を示している。
【0083】
入射放射線710は、ビームスプリッター730に向かう放射線を集光する、上述したレンズ等の集光装置720に向けられる。このビームスプリッターは、入射放射線の方向を90°だけ変えて、対象物740に向けることによって、レンズ720から出た入射放射線を対象物740に向けるように配置されている。その後、放射線は、少なくとも部分的に透明な対象物を通過し、対象物740の下流側の鏡面750に当たる。この対象物740を、例えば、鏡面750の上に配置してもよい。放射線は、鏡面750で反射して、ビームスプリッターに向かって戻される。反射した放射線は必ずしもビームスプリッターに当たる必要はなく、即ち、反射した放射線は、所定の角度で反射されて、これがビームスプリッター730を通過するようにしてもよい。しかしながら、このビームスプリッターは、この技術分野で周知のように、反射した放射線の方向を変えるものではない。反射された放射線は、このビームスプリッターを通過して、検出器760によって測定される。ある実施形態においては、検出器760を対象物740及びビームスプリッター730の上方に配置した状態で、反射面750を対象物740の下方に配置してもよい。この構造は、上述した伝達の場合と光学的に同等であるが、今回においては、試料が2回出現し、1つのバージョンが、最初のバージョンの下流のz方向に反射される。
【0084】
当然のことながら、本発明の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せの形で実現可能である。何れかのこの種のソフトウェアを、例えば、消去可能な若しくは書換可能な、又は、そうではない、ROMのような記憶手段等の揮発性又は不揮発性記憶装置の形で記録し、又は、例えば、RAM、メモリチップ、デバイス又は集積回路等のメモリの形で記録し、又は、例えば、CD、DVD、磁気ディスク若しくは磁気テープ等の、光学的に又は磁気的に読取り可能な媒体上に記録してもよい。当然のことながら、この記憶デバイスや記憶媒体は、単一又は複数のプログラムが実行されるときに、本発明を実施するところの当該プログラムを記憶するのに適した、コンピュータにより読取り可能な記憶装置の実施形態である。従って、実施形態は、何れかの先行請求項に記載したシステム又は方法を実行するためのコードを含むプログラムと、このようなプログラムを記憶する、コンピュータにより読取り可能な記憶装置とを提供するものである。更に、本発明の実施形態は、有線又は無線接続によって搬送される通信信号等の何らかの手段を介して、電子的に伝送可能であり、実施態様はこれを適切に包含するものである。
【0085】
(添付した何れかの請求項、要約及び図面を含む)この明細書に開示された特徴のすべて、及び/又は、開示された何からの方法又はプロセスのステップのすべてを、このような特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが相互に独占的である場合を除き、何らかの結合において組み合わせてもよい。
【0086】
(添付した何れかの請求項、要約及び図面を含む)この明細書に開示された各々の特徴を、特別に明記されていない限り、同一に作用し、均等物として作用し、又は、同様の目的を達成する代替の特徴で置き換えてもよい。従って、特別に明記されていない限り、開示された各々の特徴は、包括的な一連の均等物又は類似する特徴のうちの単なる一例に過ぎない。
【0087】
本発明は、上述した何れかの実施形態の詳細な説明に限定されるものではない。本発明は、(添付した何れかの請求項、要約及び図面を含む)この明細書に開示された特徴のうちの、何らかの新規な1つ、又は、何らかの新規な組合せにまで及び、また、開示された何らかの方法又はプロセスの複数のステップのうちの、何らかの新規な1つ、又は、何らかの新規な組合せにまで及ぶものとする。請求項を、単に上述した実施形態をカバーするものと解釈すべきではなく、請求項の範囲内に属する何れかの実施形態をもカバーするものと解釈すべきである。