(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
(テーピングユニット)
本発明の実施形態に係るテーピングユニットについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、
図1及び2に示すテーピングユニット2は、収容体を保持して収容箇所に電子部品Dを収容する収容ユニットの一例である。このテーピングユニット2は、キャリアテープTを保持し、キャリアテープTに形成された各ポケットT1に電子部品Dを収容する。
【0026】
キャリアテープT上の一箇所には、電子部品Dの搬送経路と重複する収容ポジションP1を有する。テーピングユニット2は、収容ポジションP1に各ポケットT1を位置させ、搬送経路に沿って収容ポジションP1に運搬された電子部品DをポケットT1に収容する。電子部品Dは、保持手段11によって保持されながら搬送経路に沿って運搬される。保持手段11は、収容ポジションP1で停止し、電子部品DをポケットT1に向けて離脱させる。
【0027】
また、キャリアテープT上の他の箇所には、収容検査ポジションP3を有する。収容検査ポジションP3では、ポケットT1に収容された電子部品Dの誤収容を検出する。すなわち、収容検査ポジションP3には、収容検査ポジションP3に位置するポケットT1の内部を撮像する第1の撮像部26を備えている。
【0028】
ポケットT1に収容される電子部品Dは、電気製品に使用される部品である。電子部品Dとしては、半導体素子、及び半導体素子以外の抵抗やコンデンサ等を挙げることができる。半導体素子としては、トランジスタ、ダイオード、LED、及びサイリスタ等のディスクリート半導体、ICやLSI等の集積回路等を挙げることができる。さらに半導体以外の電子部品Dとして、チップコンデンサ、チップ抵抗、インダクタ、フィルタ、アイソレータ等も含まれる。
【0029】
テーピングユニット2が保持するキャリアテープTは、紙やポリスチレン樹脂等の化成品から成る長い帯状体であり、巻出し及び巻取り可能に可撓性を有する。このキャリアテープTには、長手方向に沿ってポケットT1の列が形成されている。ポケットT1は、設計上、電子部品Dを収納する大きさ及び深さを有し、長手方向に沿って等間隔である。また、ポケットT1は、設計上、テープの幅中心に位置し、キャリアテープTの幅方向及び長手方向と各辺が平行になるように向きを揃えている。
【0030】
このテーピングユニット2は、目的の異なる2つの移動手段によってキャリアテープTを移動させる。第1の移動手段は、キャリアテープTを長手方向に水平移動させて各ポケットT1を後述するズレ確認ポジションP2と収容ポジションP1と収容検査ポジションP3に順に移動させる2機のスプロケット21、22である。第2の移動手段は、収容ポジションP1にポケットT1が位置したときに、そのポケットT1が基準の位置及び向きとなるように事前にキャリアテープTを移動させる補正部25である。基準位置とは、保持手段11が収容ポジションP1に到達した際の保持手段11の真下とポケットT1の中心とが合致する位置である。また基準向きとは、補正前のキャリアテープTの幅方向又は長手方向とポケットT1の一辺とが合致する向きである。
【0031】
2機のスプロケット21、22は、キャリアテープTの長手方向に沿って等間隔に穿設されたスプロケット孔に嵌合しつつ間欠回転することで、キャリアテープTを間欠的に走行させ、各ポケットT1を収容ポジションP1に順に位置させる。この2機のスプロケット21、22は、周面に沿って突起が突設される同径の円盤であり、同一垂直面上に並び、回転軸が平行且つ同一高さである。キャリアテープTは、両スプロケット21、22に架橋され、突起がスプロケット孔に噛合する。スプロケット孔を介して突起から外力を受け、スプロケット21、22の回転に連動して長手方向に走行する。
【0032】
このスプロケット21、22は、それぞれ対応のモータ23、24で軸支され、同一周方向に回転する。両モータ23、24は、1ピッチずつ間欠回転する。そのピッチは、ポケットT1の設計上の配置間隔に同一である。つまり、ポケットT1は、共通の停止位置で停止する。そして、テーピングユニット2は、ポケットT1の停止位置の1つを搬送経路上の収容ポジションP1に原則的に合致させ、保持手段11が離脱する電子部品DをキャリアテープTのポケットT1で受ける。また、テーピングユニット2は、ポケットT1の停止位置の他の1つを搬送経路上の収容検査ポジションP3に原則的に合致させ、ポケットT1内部の電子部品Dの収容態様を検査する。
【0033】
補正部25は、テーピングユニット2のユニット本体29をZ軸周りに回転させるZ軸回転駆動部251と、ユニット本体29をZ軸と直交するX軸方向に移動させるX軸移動駆動部252と、ユニット本体29をZ軸とX軸に直交するY軸方向に移動させるY軸移動駆動部253を備える。テーピングユニット2のユニット本体29は、キャリアテープTの支持体であり、スプロケット21、22と、そのスプロケット21、22を軸支するケースである。Z軸は、収容ポジションP1を通り、ポケットT1の開口面と直交する。X軸は、収容ポジションP1を通り、ポケットT1の開口面と平行であり、望ましくはキャリアテープTの長手方向に沿う。Y軸は、収容ポジションP1を通り、ポケットT1の開口面と平行であり、望ましくはキャリアテープTの幅方向に沿う。
【0034】
Z軸回転駆動部251は、回転軸251bを有するモータ251aであり、ユニット本体29の底面に配置される。Z軸回転駆動部251の回転軸251bは、Z軸と同軸であり、ユニット本体29の底面に固定されている。X軸移動駆動部252は、Z軸回転駆動部251のモータ251aが載置されるスライダ252aと、スライダ252aが嵌合するネジ軸252bと、X軸方向に延びるネジ軸252bを回転させるモータ252cにより構成される。Y軸移動駆動部253は、X軸移動駆動部252が載置されるスライダ253aと、スライダ253aと嵌合するネジ軸253bと、Y軸方向に延びるネジ軸253bを回転させるモータ253cにより構成される。
【0035】
この補正部25は、収容ポジションP1でポケットT1が基準の位置及び向きとなるように事前にキャリアテープTを移動させる。そのため、このテーピングユニット2は、収容ポジションP1の前にズレ確認ポジションP2を有する。収容ポジションP1は、キャリアテープTの走行方向においてズレ確認ポジションP2よりも走行方向下流側に位置し、ズレ確認ポジションP2は、収容ポジションP1よりも走行方向上流側に位置する。ズレ確認ポジションP2と収容ポジションP1は隣同士に並ぶのが望ましい。尚、収容検査ポジションP3は、収容ポジションP1よりも更に走行方向下流側に位置する。
【0036】
ズレ確認ポジションP2には、ポケットT1の位置を確認する第2の撮像部27が備えられる。また、テーピングユニット2は、第2の撮像部27により得られた情報を基にポケットT1の位置及び向きのズレを検出するポケットズレ検出部28を有する。補正部25は、このポケットズレ検出部28が検出したポケットT1の位置及び向きのズレを補正するようにユニット本体29を移動させる。第2の撮像部27は、例えばカメラであり、ズレ確認ポジションP2を撮像エリア内に収めるように、ズレ確認ポジションP2の近傍に配置される。ポケットズレ検出部28は、所謂コンピュータによりなる画像解析装置である。このポケットズレ検出部28は、第2の撮像部27が撮像した画像を解析し、ポケットT1の基準位置及び基準向きに対するズレ量を算出する。
【0037】
図3は、ポケットズレ検出部28によるポケットT1のズレ量算出を示す模式図である。
図3に示すように、ポケットズレ検出部28は、予め画像内の一点を原点として原点情報281を予め記憶する。この原点情報281は、ポケットT1の基準位置を示し、例えばポケットT1が基準位置に存在する場合の一隅の座標情報である。また、ポケットズレ検出部28は、基準方向ベクトル282を予め記憶している。この基準方向ベクトル282は、ポケットT1の基準向きを示し、例えばポケットT1が基準向きに沿う場合の一辺の延び方向である。尚、画像の座標系は、望ましくはキャリアテープTの長手方向と幅方向に沿うのがよく、第2の撮像部27の設置位置及び設置向きを調整し、または画像の回転処理により調整すればよい。
【0038】
ポケットズレ検出部28は、第2の撮像部27が撮像した画像からポケットT1の一隅を検出し、原点からその一隅までの位置ベクトル283を算出する。位置ベクトル283は、ポケットT1の基準位置からのズレを示すズレ量ΔX、ΔYである。また、ポケットズレ検出部28は、第2の撮像部27が撮像した画像からポケットT1の一辺を検出し、その一辺が延びる方向ベクトル284を算出する。そして、ポケットズレ検出部28は、基準方向ベクトル282と方向ベクトル284の内積を求め、両方向ベクトルのスカラーを乗算した結果で除算して、その除算結果の逆余弦を算出する。この逆余弦の算出結果ΔθがポケットT1の基準向きからのズレを示すズレ量である。
【0039】
補正部25は、ポケットズレ検出部28が検出した基準位置及び基準向きに対するズレ量を解消するようにキャリアテープTを移動及び回転させる。すなわち、Z軸回転駆動部251は、ポケットズレ検出部28が方向ベクトル284より求めた基準向きからのズレと同角度Δθだけ、ズレとは反対方向に回転する。X軸移動駆動部252は、ポケットズレ検出部28が求めた位置ベクトル283のX軸方向のスカラー量ΔXと同量だけ、位置ベクトルの反対方向に移動する。Y軸移動駆動部253は、ポケットズレ検出部28が求めた位置ベクトル283のY軸方向のスカラー量ΔYと同量だけ、位置ベクトルの反対方向に移動する。尚、補正部25によるポケットT1のズレ補正は、ズレ確認ポジションP2でポケットT1のズレが確認されてから、収容ポジションP1に移動した其のポケットT1に電子部品Dが離脱されるまでの間の何れのタイミングでもよい。
【0040】
図4乃至7は、このテーピングユニット2のズレ補正を示す模式図である。尚、
図4乃至7においては、キャリアテープTの1ピッチ分の走行と、X軸方向のズレ量ΔXの補正と、Y軸方向のズレ量ΔYの補正と、Z軸周りのズレ量Δθの補正を順番に時間をずらしておこなっているが、これに限られず、ズレ確認ポジションP2から収容ポジションP1まで移動してポケットT1に電子部品Dが離脱されるまでの間に全ての補正が達成されればよく、全て同時でもよい。
【0041】
図4の(a)に示すように、キャリアテープT上のポケットT1の位置は、エンボス加工等の製造上の誤差により、個々のポケットT1の位置や向きが一律でなく固有の程度でズレ得る。ここで、収容ポジションP1からテープ走行方向2つ手前に位置するポケットT1がスプロケット21、22によるキャリアテープTの間欠走行を経て、ズレ確認ポジションP2で停止したものとする。このとき、
図4の(a)に示すように、ズレ確認ポジションP2のポケットT1を第2の撮像部27が撮像し、ポケットズレ検出部28は、ポケットT1のX軸方向の位置ズレ量ΔXとY軸方向の位置ズレ量ΔYとZ軸周りの向きズレ量Δθとを算出する。
【0042】
位置ズレと向きズレが算出されると、
図4の(b)に示すように、スプロケット21、22は1ピッチ回転し、ポケットT1の配置間隔EdだけキャリアテープTを走行させる。これにより、ズレが確認されたポケットT1は、収容ポジションP1に到達する。
【0043】
次に、
図5乃至7の遷移に示すように、補正部25は、このズレをズレ確認ポジションP2から収容ポジションP1までの等間隔Edを移動したポケットT1に電子部品Dが離脱されるまでの間に補正する。まず、補正部25には、ポケットズレ検出部28からX軸方向の位置ズレ量ΔXとY軸方向の位置ズレ量ΔYと向きズレ量Δθが入力される。
【0044】
そして、
図5の(b)から(c)への遷移に示すように、Y軸移動駆動部253は、ユニット本体29を位置ズレ量ΔYに相当する距離だけ移動させる。次に、
図6の(c)から(d)への遷移に示すように、X軸移動駆動部252は、ユニット本体29を位置ズレ量ΔXに相当する距離だけ移動させる。そして、
図7の(d)から(e)の遷移に示すように、Z軸回転駆動部251は、ユニット本体29を向きズレ量Δθに相当する角度だけ、収容ポジションP1を中心に回転させる。これにより、ポケットT1が収容ポジションに到達し、電子部品DがポケットT1に向けて離脱するときには、ポケットT1は基準の位置及び向きに揃うこととなる。
【0045】
尚、ズレ確認ポジションP2は、収容ポジションP1よりも走行方向上流であれば、直前位置でなくともよい。但し、ズレ確認ポジションP2と収容ポジションP1とが隣接していれば、キャリアテープTの歪みや撓みにより収容ポジションP1に対するポケットT1の位置ズレや向きズレの影響を排除することができる。
【0046】
また、ポケットT1を開口面と平行に2次元移動できればよく、X軸とY軸とは、ポケットT1の開口面と平行であり、互いに直交していればよい。但し、ユニット本体29の一方の移動方向とポケットズレ検出部28の座標系における1軸とキャリアテープTの長手方向とを一致させ、ユニット本体29の他方の移動方向とポケットズレ検出部28の座標系における他軸とキャリアテープTの幅方向とを一致させれば、移動量算出のための演算を簡略化できるのでよい。
【0047】
このように、テーピングユニット2は、収容ポジションP1とは異なる位置のズレ確認ポジションP2を有し、スプロケット21、22でキャリアテープTを走行させることで、各ポケットT1をズレ確認ポジションP2経由で収容ポジションP1に位置させるようにした。ズレ確認ポジションP2では、ポケットT1を第2の撮像部27で撮像し、第2の撮像部27が撮像した画像を解析してポケットTの基準位置及び基準向きに対するズレを検出する。そして、X軸移動駆動部252、Y軸移動駆動部253及びZ軸回転駆動部251を備える補正部25によって、ズレが検出されたポケットT1が収容ポジションP1で電子部品Dを収容する前に、当該ポケットT1のズレを解消するようにキャリアテープTを平面移動及び回転させるようにした。
【0048】
これにより、ポケットT1が製造上の誤差によりキャリアテープTの幅方向にシフトし、長手方向にシフトし、又は向きが変わっていても、収容ポジションP1では基準位置及び基準向きを保ち、電子部品Dを精度よく収容することができる。すなわち、電子部品DのポケットTを画成する壁への接触や挿入ミスが発生しにくくなる。
【0049】
尚、ズレ確認ポジションP2でのポケットT1の観察を利用して、ポケットT1の寸法不正や底面穴無し等の形状異常や、ポケットT1内へのゴミの混入等の混入物異常を検出するようにし、これら形状異常や混入物異常が発生していると、テーピングユニット2、或いはテーピングユニット2を備える電子部品搬送装置全体を停止するようにしてもよい。すなわち、第2の撮像部27で撮像した画像からポケットT1の寸法や底面の穴を計測する。また、第2の撮像部27で撮像した画像からポケットT1内部のゴミ画像を検出する。そして、寸法や穴を規定値と比較し、規定値と所定以上のズレが生じていると、形状異常とする。また、ゴミ画像を検出すると、混入物異常とする。この形状異常及び混入物異常を示す信号を制御機器に出力し、制御機器は、テーピングユニット2や電子部品搬送装置を停止させる。
【0050】
また、この実施形態において補正部25は、収容ポジションP1でポケットT1が基準の位置及び向きとなるように事前にキャリアテープTを移動させる。ここで事前とは、保持手段11の離脱処理によるポケットT1への電子部品Dの収納開始前である。従って、収容ポジションP1とズレ確認ポジションP2とを一致させるようにしてもよい。すなわち、電子部品Dの搬送経路とキャリアテープTとが交差する箇所が収容ポジションP1であるとともにズレ確認ポジションP2となり、この交差箇所に向けて第2の撮像部27が配置される。
【0051】
この場合、第1番目に、スプロケット21、22によるキャリアテープTの移動によるポケットT1の収容ポジションP1への移動、第2番目に、収容ポジションP1にて第2の撮像部27によるポケットT1の撮像、第3番目に、ポケットズレ検出部28による位置ズレと向きズレの算出、第4番目に、補正部25による補正を行い、最後に、保持手段11の電子部品Dの離脱によるポケットT1への電子部品Dの収納が行われることになる。
【0052】
(電子部品搬送装置)
図8は、このテーピングユニット2を備える電子部品搬送装置の構成を示す。
図8に示すように、電子部品搬送装置10は、架台上に電子部品Dの搬送経路を配設し、搬送経路に沿って複数の電子部品Dを同時に整列搬送し、搬送経路上で各電子部品Dを処理する。架台は、直方体の台であり、内部にコンピュータやコントローラ等の制御機器、電源、ケーブル類、コンプレッサや空気管を収容している。テーピングユニット2のポケットズレ検出部28は、この架台内に内蔵される制御機器であってもよいし、テーピングユニット2が別に制御機器を備えるようにしてもよい。テーピングユニット2の補正部25に対する制御は、この架台内に内蔵される制御機器によりなされてもよいし、テーピングユニット2が別に制御機器を備えるようにしてもよい。
【0053】
電子部品Dの搬送経路は、架台上の搬送テーブル12により形成される。保持手段11は、搬送テーブル12の外周に取り付けられる。保持手段11の回転軌跡が搬送経路であり、搬送テーブル12と保持手段11が電子部品Dを搬送する搬送手段である。搬送テーブル12は、一点を中心にして放射状に拡がる円盤又は星形等の形状を有する。この搬送テーブル12は、周方向に間欠的に所定角度ずつ回転する。搬送テーブル12の動力源は、ダイレクトドライブモータ13である。搬送テーブル12は、ダイレクトドライブモータ13を介して架台に設置される。
【0054】
保持手段11は、搬送テーブル12の水平盤外周に円周等配位置で、且つ水平盤の中心から同一距離に複数取り付けられる。搬送テーブル12が星形の場合、アームの先端に取り付けられる。保持手段11は、例えば吸着ノズルであり、内部が中空で一端が開口し、開口端を下向きにして水平盤に設置される。保持手段11の内部は真空ポンプやエジェクタ等の負圧発生装置の空気圧回路と連通している。空気圧回路に負圧を発生させることにより、保持手段11は開口端で電子部品Dを吸着し、真空破壊や大気解放によって電子部品Dを離脱させる。
【0055】
ダイレクトドライブモータ13は、1ピッチずつ間欠回転するように制御される。そのピッチは、保持手段11の配置間隔に等しくなるように調整されている。つまり、保持手段11は、搬送テーブル12の間欠回転に伴って共通の移動軌跡を辿り、共通の停止位置で停止する。この停止位置にテーピングユニット2の収容ポジションP1を重ねることで、電子部品DをキャリアテープTに収容することができる。
【0056】
尚、テーピングユニット2が設けられる停止位置以外には他の処理ユニットを配置することができる。他の処理ユニットとしては、電子部品Dを搬送経路に供給する供給ユニット15、電気テストユニット16、外観検査ユニット17、分類ユニット18、位置補正ユニット19等を挙げることができる。位置補正ユニット19は、テーピングユニット2の直前に設けられ、電子部品Dの位置及び向きを基準位置及び基準向きに揃える。
【0057】
位置補正ユニット19は、隣接する2箇所の停止位置に第3の撮像部191とXYθステージ192とを備え、第3の撮像部191で確認した電子部品Dの位置ズレ及び向きのズレをXYθステージ192に載せて補正する。第3の撮像部191は、例えばカメラであり、保持手段11の停止位置の真下から電子部品Dを撮像する。XYθステージ192は、X軸及びY軸方向に移動し、Z軸周りに回転する。
【0058】
各停止位置には、保持手段11を処理ユニットに向けて進退させる進退駆動装置14が固定されている。収容ポジションP1の直上にも進退駆動装置14が固定されている。この進退駆動装置14は、保持手段11の頭部に向けて延びるロッドを有する。進退駆動装置14は、このロッドに対して回転モータ及びカム機構により軸線方向の推力を与える。進退駆動装置14は、回転モータにより推力を発生させ、その推力をカム機構及びロッドにより保持手段11の軸線に沿った直線推力に変換し、ロッドで保持手段11を押し込む。保持手段11が保持した電子部品Dは、保持手段11の下降によってテーピングユニット2のポケットT1に入り込み、又は処理ユニットの各ステージに載置され、ポケットT1に離脱され、又は処理ユニットに応じた処理を受ける。
【0059】
このような電子部品搬送装置10に対するテーピングユニット2の第1の配置方法を
図9に示す。
図9に示すように、テーピングユニット2は、キャリアテープTの延び方向が搬送テーブル12の中心に向き、キャリアテープTが搬送テーブル12の外方へ走行するように配置される。収容ポジションP1は、搬送テーブル12の外縁に取り付けられる保持手段11に対応させて、搬送テーブル12の外縁直下に位置する。そのため、ズレ確認ポジションP2は、搬送テーブル12の下に潜り込む。また、キャリアテープTが延びる方向からは、保持手段11によってズレ確認ポジションP2が隠されている。
【0060】
そのため、第2の撮像部27は、搬送テーブル12と衝突しないように斜め向きに設置し、ズレ確認ポジションP2を観察させるようにする。但し、搬送テーブル12の大きさによっては、第2の撮像部27が搬送テーブル12と衝突せずにズレ確認ポジションP2を観察できる位置に設置できない場合がある。この場合、搬送テーブル12は、円盤形状とし、収容ポジションP1の直上に通し穴121が貫設される。第2の撮像部27は、搬送テーブル12の上方に通し穴121に向けて固定される。これにより、搬送テーブル12の大きさに拠らず、第2の撮像部27は通し穴121を通してズレ確認ポジションP2を観察できる。
【0061】
図10は、電子部品搬送装置10に対するテーピングユニット2の第2の配置方法を示す模式図である。
図10に示すように、テーピングユニット2は、収容ポジションP1を通る搬送テーブル12の半径方向とキャリアテープTの延び方向とが直交或いは斜交するように配置される。この配置方法では、ズレ確認ポジションP2が第1の配置方法よりも搬送テーブル12の外周側若しくは外部に位置する。そのため、第2の撮像部27は、搬送テーブル12の半径方向外部に配置しつつ、ズレ確認ポジションP2を観察できる。この第2の配置方法によれば、搬送テーブル12の重量が第1の配置方法と比べて軽くなり、ダイレクトドライブモータ13の出力を低減できる。
【0062】
図11は、電子部品搬送装置10に対するテーピングユニット2の第3の配置方法を示す側面図である。テーピングユニット2は、キャリアテープTの延び方向が搬送テーブル12の中心に向き、キャリアテープTが搬送テーブル12の外方へ走行するように配置される。保持手段11は、搬送テーブル12の外縁の更に外側に位置するように搬送テーブル12に取り付けられている。すなわち、この保持手段11の外形は、搬送テーブル12の外周から半径方向外側に一旦延びてから真下へ屈曲する。
【0063】
詳細には、搬送テーブル12の外縁には下方へ延びたレール122が設けられる。保持手段11は、このレール122を摺動するスライダ111を有する。スライダ111からは延長ロッド112が搬送テーブル12の外方へ向けて延びる。延長ロッド112の先端には、下方へ延びる吸着ノズル113が固定される。進退駆動装置14は、このスライダ111に向けて延びるロッド141を有し、スライダ111を押し込むように作用する。進退駆動装置14から推力を付与されるスライダ111と昇降する吸着ノズル113とが延長ロッド112を介することにより離間しているが、レール122が摺動方向をガイドしているため、偏荷重の発生による保持手段11の向き変化を阻止している。
【0064】
この第3の配置方法では、テーピングユニット2は、この保持手段11を有する電子部品搬送装置10に対して、搬送テーブル12の外方に収容ポジションP1が位置するように配置できる。そのため、ズレ確認ポジションP2は、保持手段11よりも搬送テーブル12の中心よりであるが、第1の配置方法と比べて搬送テーブル12の外周側若しくは外部に位置させることができる。そのため、第2の撮像部27は、搬送テーブル12の半径方向外部に配置しつつ、ズレ確認ポジションP2を観察できる。この第3の配置方法では、第1の配置方法と比べて搬送テーブル12を軽量化できる。そのため、第1の配置方法に比べて、ダイレクトドライブモータ13の出力低減を図ることができる。また、この第3の配置方法では、第2の配置方法に比べて、搬送テーブル12の周りを占拠するテーピングユニット2の範囲を狭くすることができる。そのため、第2の配置方法に比べて、搬送テーブル12に多くの処理ユニットを配置でき、電子部品搬送装置10の多機能化を図ることができる。
【0065】
尚、第2の配置方法及び第3の配置方法において、ズレ確認ポジションP2が搬送テーブル12の外部に露出しない場合には、第2の撮像部27をテーピングユニット2の脇に設け、ズレ確認ポジションP2を斜めから撮像することになる。この場合、ポケットズレ検出部28は、斜投影された画像を第2の撮像部27の角度をパラメータとして正斜投影に変換してから基準の位置及び向きからのズレ量を算出すればよい。
【0066】
また、第1の配置方法乃至第3の配置方法において、ズレ確認ポジションP2を収容ポジションP1と一致させるようにすることで、更に第2の撮像部27の配置及びポケットT1の撮影が容易となる。
【0068】
図12に示すように、第2の実施形態に係る電子部品搬送装置10は、テーピングユニット2よりも搬送経路前段に第3の撮像部191が備えるが、電子部品Dの位置及び向きを補正するXYθステージ192は存在しない。XYθステージ192の代わりに他の処理ユニットを配置して多機能化してもよいし、XYθステージ192の設置箇所は処理ユニットの未設置箇所としてもよい。
【0069】
また、
図13に示すように、第2の実施形態に係るテーピングユニット2は、ポケットズレ検出部28に加えて、第3の撮像部191の画像を解析して基準位置及び向きからの電子部品Dの位置及び向きを検出する部品位置検出部28aを備えている。この部品位置検出部28aは、電子部品搬送装置10全体を統括制御する架台内の制御機器に備えるようにしてもよいし、テーピングユニット2が独自に制御機器を備える場合には、その制御機器に備えるようにしてもよい。
【0070】
この部品位置検出部28aは、検出対象が電子部品Dである他、機能及び動作は第1の実施形態に係るポケットズレ検出部28と同じである。すなわち、
図14に示すように、部品位置検出部28aは、予め原点情報281を記憶し、第3の撮像部191が撮像した電子部品Dの画像を解析して、電子部品Dの基準位置からのズレを示す位置ベクトル285を算出する。部品位置検出部28aは、予め基準方向ベクトル282を記憶し、第3の撮像部191が撮像した電子部品Dの画像を解析して、電子部品Dの基準向きからのズレを示す方向ベクトル286を算出する。尚、ポケットT1の基準位置及び向きと電子部品Dの基準位置及び向きは、合致するように予め設定される。
【0071】
部品位置検出部28aが算出した電子部品Dに関する位置ベクトル285と方向ベクトル286は、ポケットT1の位置及び向きのズレを算出するポケットズレ検出部28に入力される。
図15に示すように、ポケットズレ検出部28は、電子部品Dに関する位置ベクトル285を原点情報281として保持し、電子部品Dに関する方向ベクトル286を基準方向ベクトル282として保持する。そして、ポケットズレ検出部28は、位置ベクトル285で示される原点情報281によってポケットDの位置ベクトル283を算出し、方向ベクトル286で示される基準ベクトル282とポケットDの方向ベクトル284とがなす角度Δθを算出する。
【0072】
この位置ベクトル283は、電子部品Dに対するポケットT1のX軸方向の位置ズレ量ΔXとY軸方向の位置ズレ量ΔYを示す。電子部品Dの方向ベクトル286とポケットT1の方向ベクトル284がなす角度は、電子部品Dに対するポケットT1の向きズレ量Δθを示す。
図16に示すように、補正部25には、これら位置ズレ量ΔXと位置ズレ量ΔYと向きズレ量Δθが入力され、収容ポジションP1にポケットT1が到達すると、位置ズレ量ΔX、位置ズレ量ΔY、及び向きズレ量Δθを解消するように、ユニット本体29を移動及び回転させる。
【0073】
すなわち、第1の実施形態では、電子部品DとポケットT1の位置及び向きを合致させるために、基準位置及び向きという絶対位置及び向きに電子部品DとポケットT1の双方を合わせた。具体的には、電子部品Dの位置や向きは、テーピングユニット2よりも搬送経路前段に設けられる位置補正ユニット19で補正し、ポケットT1の位置及び向きは、テーピングユニット2の補正部25により基準位置及び基準向きに合わせた。一方、第2の実施形態では、電子部品の位置及び向きのズレとポケットT1の位置及び向きのズレとを合成し、電子部品Dの位置及び向きにポケットT1の位置及び向きを合わせるように、ポケットT1を電子部品Dの位置及び向きを加味して移動及び回転させる。
【0074】
これにより、ポケットT1に設計上の位置ズレや向きズレが生じていても電子部品Dを精度良く収容することが可能となるとともに、電子部品Dを補正するXYθステージ192を排除できるため、テーピングユニット2又は電子部品搬送装置10の製造コストを低減することができ、XYθステージ192の代わりに他の処理ユニットを配置することができるため、電子部品搬送装置10を多機能化することが可能となる。
【0075】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る電子部品搬送装置10は、電気テストユニット16や外観検査ユニット17等の電子部品の品質を判定する処理結果を基に、電子部品Dの良品の程度をランク分けし、同一ランクの電子部品Dを同一のキャリアテープTに収容させる。この電子部品搬送装置10は、
図17に示すように、2以上の整数であるN機のテーピングユニット2a、2b・・・を搬送経路上に備える。N機のテーピングユニットは搬送経路に連続して並べてもよいし、他の種類の処理ユニットが介在したり、テーピングユニット2a、b・・・の間に処理ユニットが配置されない箇所を有していたりする等のように不連続であってもよい。
【0076】
この電子部品搬送装置10は、各電子部品Dにランクを紐付けしておき、保持手段11によりランクに応じたテーピングユニット2a、2b・・・の直上まで搬送させて離脱させる。例えば、テーピングユニット2aは、最上級の電子部品DをキャリアテープTに収容し、テーピングユニット2bは、最上級よりもランクの低い上級の電子部品DをキャリアテープTに収容するものとする。また、テーピングユニット2aがテーピングユニット2bよりも搬送経路上流に位置するものとする。
【0077】
図18の(a)に示すように、最上級Sの電子部品D
Sがテーピングユニット2aの収容ポジションP1に位置すると、電子部品搬送装置10は、その電子部品D
Sを保持している保持手段11に対して電子部品D
Sを離脱させるように制御する。具体的には、保持手段11をポケットT1に対して下降させた後、真空破壊又は大気破壊させて吸着力を喪失させる。
【0078】
一方、
図18の(b)に示すように、上級Aの電子部品D
Aがテーピングユニット2aの収容ポジションP1に位置すると、電子部品搬送装置10は、保持手段11に対して其の電子部品D
Aを保持させたままとする。具体的には、保持手段11に対して真空破壊又は大気破壊等の吸着力喪失の制御はしない。これにより、上級Aの電子部品D
Aは、テーピングユニット2aの上方を単に通過する。そして、
図18の(b)に示すように、上級Aの電子部品D
Aが搬送経路を更に間欠移動し、テーピングユニット2bの収容ポジションP1に位置すると、電子部品搬送装置10は、その電子部品D
Aを保持している保持手段11に対して電子部品D
Aを離脱させるように制御する。具体的には、保持手段11に対して真空破壊又は大気破壊させて吸着力を喪失させる。
【0079】
この電子部品搬送装置10において、各テーピングユニット2a、2b・・・は、それぞれ収容ポジションP1よりも走行方向前段にズレ確認ポジションP2を有し、第1の撮像部26、ポケットズレ検出部28、部品位置検出部28a及び補正部25を備え、収容ポジションP1に移動するポケットT1の位置及び向きのズレを補正可能となっている。
【0080】
この各テーピングユニット2a、2b・・・は、収容予定の電子部品Dが収容ポジションP1に位置して離脱させられるまでの間に、ポケットT1の位置及び向きを補正するようにユニット本体29を移動及び回転させておく。
【0081】
すなわち、電子部品Dが第3の撮像部191で撮像されて、基準位置からのズレを示す位置ベクトル285と基準向きからのズレを示す方向ベクトル286が算出されると、電子部品搬送装置10の制御機器は、
図19の(a)及び(b)に示すように、そのズレを有する電子部品Dのランクに対応するテーピングユニット2a又は2bに位置ベクトル285と方向ベクトル286を入力する。位置ベクトル285と方向ベクトル286が入力されたテーピングユニット2a又は2bは、これらを原点情報281及び基準方向ベクトル282とする。そして、収容ポジションP1で離脱させられる電子部品Dに合わせてポケットT1の位置及び向きのズレを補正しておく。
【0082】
尚、この電子部品搬送装置10では、XYθステージ192を有する位置補正ユニット19を備え、各テーピングユニット2a、2b・・・は、第1の撮像部26、ポケットズレ検出部28及び補正部25を備えるようにし、基準位置及び向きという絶対位置及び向きに電子部品DとポケットT1の双方を合わせることもできる。
【0083】
このように、電子部品DをランクごとにキャリアテープTに収容する場合、電子部品Dを収容するキャリアテープTを保持するテーピングユニット2が其の電子部品Dの位置及び向きのズレを加味して、ポケットT1を電子部品Dの位置及び向きに合わせるように、ユニット本体29を移動及び回転させればよい。
【0084】
(第4の実施形態)
(構成)
図20は、第4の実施形態に係る補正部25の制御構成を示すブロック図である。
図20に示すように、テーピングユニット2は、判定部41と駆動制御部42を備える。この判定部41と駆動制御部42は、所謂コンピュータにより構成され、CPU、メモリ及び補正部25を駆動させるドライバインターフェースにより成る。コンピュータは、電子部品搬送装置10が備える制御機器を兼用としてもよい。すなわち、判定部41及び駆動制御部42として機能してテーピングユニット2を制御すると共に、搬送テーブル12を制御し、保持手段11への真空供給を制御し、他のユニット15〜19を制御するようにしてもよい。
【0085】
判定部41は、ポケットT1の補正が無いと仮定した場合、ポケットT1を画成する内壁と電子部品Dとの近さを検出し、当該近さに応じて補正部25による補正要否を決定する。この判定部41は、ポケットT1のX軸方向の位置ズレ量ΔXの閾値Xtと、ポケットT1のY軸方向の位置ズレ量ΔYの閾値Ytを記憶している。判定部41は、ポケットズレ検出部28が検出した位置ズレ量ΔXと閾値Xtを比較し、位置ズレ量ΔYと閾値Ytを比較する。
【0086】
駆動制御部42は、補正要否に従って補正部25を駆動する。補正要否は、判定部41の判定結果であり、位置ズレ量ΔXと位置ズレ量ΔYの一方又は両方が閾値Xt、Ytを上回ると補正要とする。一方、駆動制御部42は、位置ズレ量ΔXと位置ズレ量ΔYの両方が閾値Xt、Ytを下回ると補正不要とする。駆動制御部42は、補正要の場合には、補正部25に駆動信号を出力する。駆動信号は、例えばポケットズレ検出部28が算出した位置ズレ量ΔXと位置ズレ量ΔYで足りる。
【0087】
補正部25は、駆動信号に応答して電子部品Dの位置ズレを補正する。駆動制御部42は、補正不要の場合には、補正部25に駆動信号を出力しない。補正部25は、駆動信号の未入力のために駆動せず、電子部品Dの位置ズレを補正しない。すなわち、補正部25は、ポケットT1を画成する内壁と電子部品Dとの近さが一定以内であれば、ポケットT1を補正し、一定以上であれば、ポケットT1の補正を見送る。
【0088】
図21は、この判定部41と駆動制御部42の動作を示すフローチャートである。
図21に示すように、位置ズレ量ΔXと位置ズレ量ΔYが算出されると(ステップS01)、判定部41は、位置ズレ量ΔXと閾値Xtを比較する(ステップS02)。また判定部41は、位置ズレ量ΔYと閾値Ytを比較する(ステップS03)。
【0089】
比較の結果、位置ズレ量ΔXが閾値Xtを下回り(ステップS02,Yes)、且つ位置ズレ量ΔYが閾値Ytを下回っていると(ステップS03,Yes)、駆動制御部42は、補正部25に駆動信号を入力せずに処理を終了し、保持手段11は電子部品Dをポケット1に離脱させる(ステップS07)。
【0090】
一方、比較の結果、位置ズレ量ΔXが閾値Xtを上回っていると(ステップS02,Yes)、又は位置ズレ量ΔYが閾値Ytを上回っていると(ステップS03,Yes)、駆動制御部42は、補正部25に駆動信号を入力する(ステップS04)。補正部25は、駆動信号を受けて、その駆動信号に含まれる位置ズレ量ΔX、位置ズレ量ΔY、向きズレ量Δθを解消するように駆動する(ステップS05)。そして、保持手段11は、このポケットT1の補正が終了するのを待って(ステップS06,Yes)、電子部品Dをポケット1に離脱させる(ステップS07)。
【0091】
(作用)
図22は、閾値Xtと閾値Ytを示す模式図である。
図22に示すように、電子部品DがポケットT1の壁際まで危険距離dd以内に近づいている場合、機械の作動誤差等によって電子部品DがポケットT1に衝突する危険性が増す。電子部品Dの中心とポケットT1の中心が合致した場合、電子部品Dの縁からポケットT1の壁際までの距離をdrとする。閾値Xt及び閾値Ytは、Xt=dr−dd及びYt=dr−ddである。この閾値Xtと閾値Ytは、電子部品Dの寸法とポケットT1の寸法と危険距離dの設定に応じて調整される。
【0092】
この閾値Xtと閾値Ytによれば、電子部品Dが閾値Xtを上回ってX軸方向に位置ズレしていると、電子部品DがポケットT1の壁際まで危険距離dd以内に近づいていることを示す。また、電子部品DのY軸方向に閾値Ytを上回って位置ズレしていると、ポケットT1の壁際に対して電子部品Dが危険距離d以内に近づいていることを示す。従って、テーピングユニット1は、電子部品DがポケットT1の壁際まで危険距離dd以内に近づかないように、ポケットT1を補正する。
【0093】
一方、電子部品DのX軸方向の位置ズレが閾値Xtを下回っていると、ポケットT1の壁際から電子部品Dが危険距離dd以上に離れていることを示す。また、電子部品DのY軸方向の位置ズレが閾値Ytを下回っていると、ポケットT1の壁際から電子部品Dが危険距離d以上に離れていることを示す。電子部品DがポケットT1の壁際まで危険距離dd以上に離れている場合、電子部品D及びポケットT1の寸法公差を考慮しても電子部品DがポケットT1に衝突する危険性は少ない。従って、テーピングユニット1は、ポケットT1の補正を見送る。
【0094】
この結果、
図23に示すように、位置ズレが閾値を上回っている一部の電子部品DとポケットT1との関係についてのみ、補正部25による補正が実行され、その後の電子部品Dを収納する処理に移ることになる。一方、位置ズレが閾値を下回っている他の電子部品DとポケットT1との関係については、補正部25による補正を飛ばして速やかに電子部品Dを収納する処理に移ることになる。
【0095】
ここで、実際に、長さが0.65±0.04mmで幅が0.50±0.04mmの電子部品Dを、長さが0.81±0.03mmで幅が0.63±0.03mmのポケットT1に収納させた。電子部品DとポケットT1の両側に空く合計の最小クリアランスは、長さ方向で0.09mmであり、幅方向で0.06mmである。そこで、閾値Xtと閾値Ytを±0.02mmとして、500個の電子部品DをポケットT1に収容する試験を実施した。その結果を
図24の表に示す。
図24に示すように、500回の電子部品DとポケットT1の収容動作のうち、補正部25による補正が実行されたのは計47回であった。
【0096】
図24の表に示すように、実際の電子部品搬送装置10では、ポケットT1の補正が無い場合、電子部品DとポケットT1の収容動作は、平均121msecのタクトタイムを必要とした。また、ポケットTの補正が含まれる場合、電子部品DとポケットT1の収容動作は、平均121msecのタクトタイムを必要とした。そのため、全ての電子部品DとポケットT1との関係において補正を実行する場合と比べて、補正動作が計47回に止まった本実施形態では、電子部品DとポケットT1の収容動作が平均123msecのタクトタイムに縮まった。
【0097】
(効果)
以上のように、第4の実施形態では、補正部25は、ポケットT1の内壁と電子部品Dが危険距離dd以内に近づく場合にのみ、ポケットT1のズレを解消するようにした。これにより、衝突の危険性の少ないポケットT1と電子部品Dとの位置関係においても、衝突の危険性を回避する補正を行うといった事態を回避できる。そのため、ポケットT1の補正は一部の状況に限られ、ポケットT1の補正を一律に行うことはなくなり、電子部品DのポケットT1への収納動作の平均タクトタイムは向上する。すなわち、電子部品Dの搬送が高速化され、電子部品Dの生産効率が向上する。
【0098】
(変形例1)
第4の実施形態に対し、ポケットT1の位置のみならず、ポケットT1の向きも考慮して、ポケットT1の内壁と電子部品Dとの近さを正確に算出するようにしてもよい。判定部41は、
図25に示すように、電子部品DとポケットT1の内壁との近さにおいて、電子部品Dの最もポケットT1に近い箇所、すなわち電子部品Dの四隅とポケットT1の内壁との間の距離dk1〜dk4を算出する。
【0099】
具体的には、判定部41は、ポケットズレ検出部28が検出した位置ベクトル283と方向ベクトル284とポケットT1の寸法から、ポケットT1の各辺の位置を算出する。また、判定部41は、予め位置及び向きが補正された電子部品Dの四隅の位置座標を記憶し、或いは電子部品Dの位置及び向きが補正されない場合に部品位置検出部28aが算出した位置ベクトル285と方向ベクトル286と電子部品Dの寸法から、電子部品Dの四隅の位置を算出する。
【0100】
そして、判定部41は、ポケットT1の各辺と電子部品Dの四隅との距離を算出し、各距離dk1〜dk4のうち、閾値Th以下の値がないか比較する。閾値Th以下の値が1つでもあれば、駆動制御部42は、補正部25を駆動させ、ポケットT1を補正する。
【0101】
第4の実施形態では、補正部25は、ポケットズレ検出部28により検出されたポケットT1のズレが閾値Xt、閾値Ytで示される所定以上の場合にのみ、ポケットT1のズレを解消するようにした。このような補正部25の駆動は、ポケットT1の内壁と電子部品Dとの近さを判定する判定部41と、判定部41に従って補正部25によるズレ解消の駆動又は非駆動を制御する駆動制御部42によって実現した。
【0102】
これによって、ポケットT1の内壁と電子部品Dとの近さを比較処理のみで決定でき、演算を回避できるため、コンピュータの負荷がかからず、電子部品Dの搬送が高速化され、電子部品Dの生産効率が向上する。
【0103】
一方、変形例1によれば、ポケットT1の内壁と電子部品Dとの近さを正確に算出するため、極めて高い確率でポケットT1と電子部品Dとの衝突を回避でき、電子部品Dの信頼性向上及び歩留まり向上を実現できる。
【0104】
(変形例2)
また、第4の実施形態及び変形例1に対し、ポケットT1の向きに対する考慮は、
図26に示すように、向きズレ量Δθと閾値θtとの比較によって達成するようにしてもよい。すなわち、判定部41は、位置ズレ量ΔXに対する閾値Xtと、位置ズレ量ΔYに対する閾値Ytと、向きズレ量Δθに対する閾値θtとを予め記憶し、位置ズレ量ΔXと閾値Xt、位置ズレ量ΔYと閾値Yt、及び向きズレ量Δθと閾値θtを比較する。
【0105】
そして、駆動制御部42は、位置ズレ量ΔXが閾値Xtを上回り、位置ズレ量ΔYが閾値Ytが上回り、又は向きズレ量Δθが閾値θtを上回れば、補正部25を制御してポケットT1を補正し、全てが下回れば、補正部25を非駆動とする。
【0106】
これにより、ポケットT1の内壁と電子部品Dとの近さを比較処理のみで決定でき、且つポケットT1の内壁と電子部品Dとの近さ検出において正確性が向上するため、電子部品Dの生産効率向上と電子部品Dの信頼性向上及び歩留まり向上を高いバランスで両立できる。
【0107】
(他の実施形態)
以上のように本発明の各実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば、保持手段11として吸着ノズルを例に採り説明したが、静電吸着方式、ベルヌーイチャック方式、又は電子部品Dを機械的に挟持するチャック機構を配してもよい。
【0108】
また、テーピングユニット2は収容ユニットの一例である。収容ユニットは、多数の収容箇所が並ぶ収容体を保持し、その収容箇所を収容ポジションP1へ順次移動させる態様のものであれば、テーピングユニット2に限定されることなく、本発明の目的を達成することができる。例えば、
図27及び28に示すように、収容体はキャリアテープTの他に、トレイポケット32を2次元アレイ状に並べたトレイ31であってもよい。このトレイ31は、成型の際にトレイポケット32を区切る壁等に歪みが生じ、トレイポケット32に位置ズレや向きズレが発生する場合があり得る。
【0109】
そのため、
図27及び28に示すように、トレイ31を保持するトレイ移動ユニット3であっても、収容ポジションP1への移動前に位置する箇所をズレ確認ポジションP2に設定し、そのズレ確認ポジションP2のトレイポケット32を撮像する第2の撮像部27を設ける。そして、ズレ確認ポジションP2で得られたトレイポケット32のズレを収容ポジションP1で電子部品Dを収容する前に補正する。その他、収容体をウェハリングとするリングホルダも収容ユニットの一例である。
【0110】
このトレイ移動ユニット3とリングホルダのX軸移動駆動部252及びY軸移動駆動部253は、トレイ31やウェハシートを平行面に沿って2次元移動させてトレイポケット32や貼着箇所を順次ズレ確認ポジションP2及び収容ポジションP1へ位置させる機能と、トレイポケット32や貼着箇所のX軸及びY軸方向の位置ズレ量を解消する機能を兼ねる。