特許第5936217号(P5936217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5936217
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】ダブルベルト式加圧装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 5/06 20060101AFI20160609BHJP
   B29C 43/48 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   B30B5/06 A
   B29C43/48
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-226868(P2015-226868)
(22)【出願日】2015年11月19日
【審査請求日】2015年12月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599124426
【氏名又は名称】株式会社ディムコ
(74)【代理人】
【識別番号】100119275
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 信明
(72)【発明者】
【氏名】木曽川 一三
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 秀雄
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−179638(JP,A)
【文献】 実開平05−060688(JP,U)
【文献】 特開平03−264316(JP,A)
【文献】 特開昭62−270299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 5/06
B29C 43/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリ間に掛架されてワークを挟持しながら対向して走行する一対のエンドレスベルトと、該一対のエンドレスベルトを介して該ワークを加圧する加圧手段と、からなり、
前記一対のエンドレスベルトはそれぞれが金属ベルトまたは金属ベルトを基材としその表面に耐熱性および非粘着性を具える樹脂皮膜層で形成される積層ベルトであり、
前記加圧手段は前記一対のエンドレスベルトのそれぞれの裏面に配置される一対のブロック状の押圧体であって、内部に加熱手段を具え平滑な摺動面には低摩擦摩耗性、耐熱性および強靱性を有するシート状の滑りシートが着脱可能に張着され、
前記押圧体は熱伝導率100W/mK以上かつビッカーズ硬度40〜200Hvの金属であって、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金の内の一つあるいはこれらの組み合わせで形成されている、ことを特徴とするダブルベルト式加圧装置。
【請求項2】
前記滑りシートはフッ素系樹脂を含浸させまたは被覆させたガラス繊維の織布で形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のダブルベルト式加圧装置。
【請求項3】
前記積層ベルトにおいてはその基材は厚さ0.05mm〜1.0mmのステンレススチールベルトであり、樹脂皮膜層はフッ素樹脂粉末を含むポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂またはポリイミドアミド樹脂の内のいずれかである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダブルベルト式加圧装置。
【請求項4】
前記押圧体内の下流側には断熱用隔壁を隔てて冷却手段が具設される、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のダブルベルト式加圧装置。
【請求項5】
前記一対のエンドレスベルトのそれぞれの裏面には前記押圧体の上流側に一対の押圧ロールが配置されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のダブルベルト式加圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドレスベルト上でワークを加圧するダブルベルト式加圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対向する一対のエンドレスベルト間でワークを加圧しながら加熱し、部材同士を貼り合わせ、接着、刻印、成形等を行うダブルベルト式加圧装置に関しては、例えば、特開2002−001748号公報、特開2005−187982号公報、特開2010−155263号公報および特開2014−237235号公報に開示の技術がある。
【0003】
特開2002−001748号公報に開示の技術は、発明の名称を「化粧ボードの製造方法」と称し、「表面保護層に電離放射線硬化性樹脂皮膜層を設けた化粧シートを木質板に積層した化粧板は、メラミン化粧板に比較して、低コストで製造できるが、衝撃による耐陥没性、耐擦傷性、耐シガレット性が劣っている。」ことを課題としていて、その解決手段を「半硬化の架橋型樹脂を含浸した紙等の繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂からなる透明な保護層を設けた化粧シートの裏面を、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスできる装置を用いて、MDF(中密度繊維板)、パーチクルボード等の木質板の表面(又は両面)に連続的に加熱プレスして接着することにより、化粧シートの半硬化の架橋型樹脂を架橋、硬化せしめて、表面に耐陥没性、耐擦傷性、耐シガレット性等に優れた物性を付与する化粧ボードを製造する。」こととしている。また、特開2005−187982号公報に開示の技術は、発明の名称を「画像記録材料用支持体及びその製造方法、並びに、画像記録材料」と称し、「小さなうねりに起因する光沢性に優れると共に、大きなうねりに起因する平面性にも極めて優れ、更に剛性にも優れる画像記録材料用支持体及びその製造方法、並びに、該画像記録材料用支持体を用いた画像記録材料の提供。」を課題としていて、その解決手段を「基紙が、ダブルベルト式加熱加圧装置を用いて加熱加圧処理されてなる画像記録材料用支持体、及び、該画像記録材料用支持体と、該支持体上に画像記録層とを有する画像記録材料である。また、基紙が、ダブルベルト式加熱加圧装置を用いて加熱加圧処理される加熱加圧処理工程を含むことを特徴とする画像記録材料用支持体の製造方法である。前記ダブルベルト式加熱加圧装置は、基紙を介して互いに当接可能に対向配置された第一のベルト部材及び第二のベルト部材と、該第一のベルト部材及び該第二のベルト部材と前記画像記録材料用支持体とが当接する当接部を加圧可能に配置された加圧手段とを有するものが好ましい。」としている。
【0004】
また、特開2010−155263号公報に開示の技術は、発明の名称を「ダブルベルトプレス装置」と称し、「互いに貼り付け合わされるラミネート材間に潜在するエアをスムーズに外部に排出して気泡が作られるのを防止し、かつ、圧着性にも優れたダブルベルトプレス装置を提供する。」ことを課題としていて、その解決手段を「一対のエンドレスベルト同士で形成している入口側における第1圧着ロール間のクリアランスを排出側における圧着ロール間のクリアランスより大きく形成して成る。また、第1圧着ロールの少なくとも一方は、幅方向の中央部から両端部にかけて外径が徐々に小さくなる紡錘形状に形成され、かつ、それ以外の圧着ロールは両端部間に亘って外径がほぼ等しい円柱形状に形成され、かつ、エンドレスベルトは第1圧着ロールからラミネート材が排出されて行く側に配設された圧着ロールとに掛装して成る。」こととしている。また、特開2014−237235号公報に開示の技術は、発明の名称を「繊維質成形体の製造方法」と称し、「繊維マットを押圧しながら、加熱・冷却して繊維質成形体を製造しても、熱可塑性樹脂繊維や繊維マットが装置に付着することを抑制できる繊維質成形体の製造方法を提供する。」ことを課題としていて、その解決手段を「植物性繊維が結着された構造を有する繊維質成形体の製造方法であって、植物性繊維と芯鞘構造をなす熱可塑性樹脂繊維とを含む繊維マットを、表裏両面から押圧しながら、熱可塑性樹脂繊維の鞘部を溶融させたのち固化する第1の溶融固化工程を備え、熱可塑性樹脂繊維は、芯部が第1の熱可塑性樹脂から形成され、且つ、鞘部が第2の熱可塑性樹脂から形成されており、第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含み、第2の熱可塑性樹脂は、前記第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低く、且つ、非変性熱可塑性樹脂である。」としている。
【0005】
ところで、ダブルベルト式加圧装置においてはベルトの裏側から強い力で加圧する必要があるため、同時に加熱する場合には摩擦の少ない液状媒体を用いたり(特開2005−187982号公報に開示の技術)、ロールを用いたりして(特開2002−001748号公報、特開2010−155263号公報および特開2014−237235号公報に開示の技術)、ベルトと加圧手段の摩擦摩耗をできる限り少なくする工夫がされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−001748号公報
【特許文献2】特開2005−187982号公報
【特許文献3】特開2010−155263号公報
【特許文献4】特開2014−237235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、「液状媒体」を用いる装置は、液状媒体が漏出しないように精度のあるシールが不可欠であり、このため、シールに関する装置が大掛かりとなるとともに高度の精密性が要求されることから高コストに成らざるを得なかった。また、長期間の使用によるシール部の劣化という保守管理上の問題もあった。
【0008】
一方、「ロール」を用いる装置では、ベルトをロールで押圧するため、どうしても線接触となり、一定範囲のベルト全体を均一に加圧、加熱することが難しかった。また、ベルトを局部的に裏側から押圧するため、ベルトの変形も無視できず、複数個のロールでベルトを押圧する場合は、ベルトが波打ってベルト寿命にも悪い影響を与えていた。
【0009】
そこで、本願発明は、単純な仕組みで加熱加圧することができ保守管理も容易に行えるダブルベルト式加圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係るダブルベルト式加圧装置は、プーリ間に掛架されてワークを挟持しながら対向して走行する一対のエンドレスベルトと、該一対のエンドレスベルトを介して該ワークを加圧する加圧手段と、からなり、前記一対のエンドレスベルトはそれぞれが金属ベルトまたは金属ベルトを基材としその表面に耐熱性および非粘着性を具える樹脂皮膜層で形成される積層ベルトであり、前記加圧手段は前記一対のエンドレスベルトのそれぞれの裏面に配置される一対のブロック状の押圧体であって、内部に加熱手段を具え平滑な摺動面には低摩擦摩耗性、耐熱性および強靱性を有するシート状の滑りシートが着脱可能に張着され、前記押圧体は熱伝導率100W/mK以上かつビッカーズ硬度40〜200Hvの金属であって、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金の内の一つあるいはこれらの組み合わせで形成されている、ことを特徴としている。
なお、「それぞれが」とは、一対のエンドレスベルトの一方を金属ベルトまたは積層ベルトとしたときに、他方はそれに影響されることなく金属ベルトまたは積層ベルトとすることができる、ことを意味している。
また、本願請求項2に係るダブルベルト式加圧装置は、請求項1に記載のダブルベルト式加圧装置であって、前記滑りシートはフッ素系樹脂を含浸させまたは被覆させたガラス繊維の織布で形成されている、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係るダブルベルト式加圧装置は、請求項1または請求項2に記載のダブルベルト式加圧装置であって、前記積層ベルトにおいてはその基材は厚さ0.05mm〜1.0mmのステンレススチールベルトであり、樹脂皮膜層はフッ素樹脂粉末を含むポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂またはポリイミドアミド樹脂の内のいずれかである、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4に係るダブルベルト式加圧装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のダブルベルト式加圧装置であって、前記押圧体内の下流側には断熱用隔壁を隔てて冷却手段が具設される、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係るダブルベルト式加圧装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のダブルベルト式加圧装置であって、前記一対のエンドレスベルトのそれぞれの裏面には前記押圧体の上流側に一対の押圧ロールが配置されている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により本願発明は以下の効果を奏する。
(1)エンドレスベルトの裏面に配置する加圧手段としてブロック状の押圧体を使用し、その内部に加熱手段を具えているため、エンドレスベルトとは面接触となって一定範囲(押圧範囲)のエンドレスベルト全体を均一に加圧、加熱することでき、エンドレスベルトが波打つこともない。また、押圧体の摺動面には低摩擦摩耗性、耐熱性および強靱性を有する滑りシートが着脱可能に張着されているため、押圧体とエンドレスベルトとは直接接することがなく、押圧体およびエンドレスベルト共に摩耗や擦傷を防止することができ、滑りシートのみの交換で済ませることができて保守管理が容易である。なお、低摩擦摩耗性、耐熱性および強靱性を有する滑りシートには、フッ素系樹脂を含浸させまたは被覆させたガラス繊維の織布が適している。
(2)押圧体にはベルトに速やかに熱を伝達するための高熱伝導率を有し、高温高圧で変形することのない性能が要求される。出願人の実験を通した知見からこれらの性能を満たすのは熱伝導率100W/mK以上かつビッカーズ硬度40〜200Hvの金属である必要があることが判明した。具体的にはアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金などが適している。
(3)エンドレスベルトに積層ベルトを使用した場合には、積層ベルトは金属ベルトを基材としその表面を耐熱性および非粘着性を具える樹脂皮膜層としているため、高温で加圧されるワークの一部溶解によるベルト自身の汚染を防止することができるとともに、性能の劣化を防止することができる。なお、エンドレスベルトの基材を厚さ0.05mm〜1.0mmのステンレススチールベルトとすることにより、上記金属ベルトに要求される性能を満たすばかりでなく、加工性に優れるとともに耐久性にも優れたものとなる。また、エンドレスベルトの樹脂皮膜層に使用する樹脂には耐熱性および非粘着性を具え金属と相性の良いことが要求されるが、該当する樹脂としては、いずれも非粘着性かつ耐熱性のあるフッ素樹脂粉末を含むポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂またはポリイミドアミド樹脂が挙げられる。
(4)押圧体の下流側に断熱用隔壁を隔てて冷却手段を具えることにより、加熱されたワークを1つの工程で短時間に常温に戻すことができる。
(5)ワークを押圧する際にベルトや押圧体に最も負荷が掛るのは押圧開始部分であるので、押圧体の上流側にあって一対のエンドレスベルトのそれぞれの裏面に一対の押圧ロールを配置することにより、ベルトおよび押圧体の摩耗や損傷を軽減することができる。また、フィルムのラミネートなどをワークとした場合には、押圧ロールの設置により、フィルム間の空気を効率よく逃がすことができ、優れた品質のラミネート積層物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、ダブルベルト式加圧装置の側面模式図である。
図2図2は、図1におけるII部分の断面模式図である。
【0013】
以下、本願発明を実施するための形態に係るダブルベルト式加圧装置について、図1および図2に基づいて説明する。なお、図1および図2において、符号1は実施例に係るダブルベルト式加圧装置、符号10aおよび10bはエンドレスベルト(積層ベルト)、符号11は基材、符号12は樹脂皮膜層、符号13aおよび13bはプーリ、符号14aおよび14bは押圧体、符号141は加熱手段、符号142は冷却手段、符号143は隔壁、符号15は滑りシート、符号16aおよび16bは押圧ロール、符号20はワーク、である。
【0014】
ダブルベルト式加圧装置1は、主に、一対のプーリ13a、13aに掛架されるエンドレスベルト10aと、エンドレスベルト10aの上方に対向して一対のプーリ13b、13bに掛架されるエンドレスベルト10bと、エンドレスベルト10aの裏面に配置される押圧ロール16aおよび押圧体14aと、押圧体14aに対向してエンドレスベルト10bの裏面に配置される押圧ロール16bおよび押圧体14bと、から構成されていて、エンドレスベルト10aおよびエンドレスベルト10bの走行方向から見て押圧ロール16aおよび押圧ロール16bはそれぞれ押圧体14aおよび押圧体14bの上流側に配置されている。
【0015】
エンドレスベルト10aおよびエンドレスベルト10bは、対向する面が同一方向に同一速度で走行するようになっていて、一対のプーリ13a、13aの離間距離および一対のプーリ13b、13bの離間距離は調整可能となっているとともに、一対の押圧ロール16a、16bおよび一対の押圧体14a、14bの離間距離も調整可能となっている。
【0016】
そして、エンドレスベルト10aおよびエンドレスベルト10bは共に積層ベルトであって、基材11と樹脂皮膜層12の積層構造となっていて、実施例では、基材11にはステンレススチールのSUS304H材を使用し、樹脂皮膜層12にはフッ素系樹脂の微粉末を使用しバインダー(接合剤)としてポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂のいずれかを使用している。なお、エンドレスベルトには積層ベルトに代えて、単層の金属ベルトを使用することもできることは勿論である。
【0017】
押圧体14aは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金のうちのいずれかから成る金属製ブロックであって、エンドレスベルト10aの走行方向に直交する方向に設置された隔壁143に区切られて直列に並んだ2つのブロックが形成され、上流側のブロックには加熱手段141が内設され下流側のブロックには冷却手段142が内設されている。実施例では、加熱手段141としては加熱用ヒータが埋設され、冷却手段142としては冷却用冷媒パイプが埋設されている。なお、押圧体14bも押圧体14aと同様の構成となっていて、押圧体14aおよび押圧体14bの離間距離は調整可能であり、かつ、押圧体14aおよび押圧体14bの相対的な加圧力も調整可能となっている。
【0018】
押圧体14aおよび押圧体14bの平滑な摺動面には、滑りシート15が着脱可能に張着されている。この滑りシート15はガラス繊維から成る織布にフッ素系樹脂を含浸させたシート状のものであり、薄いと摺動時に切れやすくなり厚いと熱伝導が悪くなることから、概ね0.05mmないし3.0mm程度のものが適している。
【0019】
つぎに、ダブルベルト式加圧装置1の使用例について説明する。
ワーク20の物性や加工条件等を考慮して、押圧ロール16a、16bの離間距離、押圧体14aおよび押圧体14bの離間距離、加圧力、加熱温度、冷却温度等を設定する。さらに、プーリ13a、13a、およびプーリ13b、13bの間隔を調整して、エンドレスベルト10aおよびエンドレスベルト10bの張力を調整するとともに、走行速度を調整する。なお、押圧ロール16a、16bの離間距離は押圧体14aおよび押圧体14bの離間距離以上となるようにセットされる。
【0020】
走行するエンドレスベルト10a上にワーク20を載置すると、ワーク20はエンドレスベルト10aやエンドレスベルト10bを介して押圧ロール16a、16bおよび押圧体14a、14bに挟持されながら加圧されると同時に加熱されて所定の目的物に加工され、さらに冷却されてエンドレスベルト10a上に送出されてくる。なお、ダブルベルト式加圧装置1の所定の稼働時間経過後には滑りシート15を交換するようにする。
【0021】
ここで、ダブルベルト式加圧装置1を用いた加熱加圧試験について説明する。
本試験の仕様は以下の通りである。
エンドレスベルト:厚さ0.3mmのステンレススチールを基材にしてその表面にフッ素系樹脂の微粉末とポリアミド樹脂ポリイミド樹脂の混合物を塗布
押圧体:アルミニウム製の筐体
エンドレスベルトの走行速度:0.5m/min
エンドレスベルトの最少間隙:2mm
ワーク:5mm(幅)×5mm(長さ)×4mm(厚さ)のポリプロピレンの樹脂片
加圧温度:160℃
【0022】
試験結果では、ワークは上下二つのエンドレスベルトに挟まれて加圧、加熱され、2mmの厚さに成形されて送出された。半溶解したワークはエンドレスベルトに粘着することなく回収することができ、エンドレスベルト自体の汚染も皆無であった。
【符号の説明】
【0023】
1 実施例に係るダブルベルト式加圧装置
10a、10b エンドレスベルト
11 基材
12は樹脂皮膜層
13a、13b プーリ
14a、14b 押圧体
141 加熱手段
142 冷却手段
15 滑りシート
16a、16b 押圧ロール
20 ワーク
【要約】
【課題】単純な仕組みで加熱加圧することができ保守管理も容易に行えるダブルベルト式加圧装置を提供する。
【解決手段】プーリ間に掛架されてワークを挟持しながら走行する一対のエンドレスベルトと該一対のエンドレスベルト間で該ワークを加圧するとともに加熱する加圧・加熱手段とからなり、前記一対のエンドレスベルトは金属ベルトまたは金属ベルトを基材としその表面に耐熱性および非粘着性を具える樹脂皮膜層で形成される積層ベルトであり、前記加圧・加熱手段は前記一対のエンドレスベルトのそれぞれの裏面に配置される一対のブロック状の押圧体であって内部に加熱手段を具え、平滑な摺動面には低摩擦摩耗性、耐熱性および強靱性を有するシート状の滑りシートが着脱可能に張着されている、構成とした。
【選択図】図1
図1
図2