【文献】
JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY,1997年,Vol.35, No.6,p.1477-1483
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受容器を前記第1の位置から前記増幅インキュベータの中に移動させる前に、前記受容器を安定化増幅インキュベータの中に移動させ、そして、前記受容器を所定の時間の間、前記安定化インキュベータ内で保持し、その間に、前記安定化インキュベータを安定化温度に維持する自動化されたステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
(分析器概要)
本発明に従った自動化診断分析器は、
図1および2において一般に参照番号50により示される。分析器50は、好適には鋼で作製された内部フレーム構造62上に構築されたハウジング60を含む。分析器50は、好ましくは分析器を可動にさせるようにフレーム構造62に構造的に取りつけられたキャスタホイール64により支持される。
【0024】
自動化アッセイを行うことに伴う多様なステーションおよびアッセイ標本は、ハウジング60内に収容される。加えて、多様な溶液、試薬およびその他のアッセイを行うのに使用される材料が、好ましくはハウジング60内に格納され、アッセイが分析器50を用いて行われるときに生成する廃物も同様である。
【0025】
ハウジング60は、
図1に示される、試験受容器充填開口68を含み、これはハウジング60の前面に面するパネルに配置されるが、ハウジング60の他のパネルにも配置され得る。観察窓72を有するピペットドア70および観察窓76を有するカルーセルドア74が、ほぼ水平の作業表面66の上方に配置される。前面に突出するアーチ状パネル78は、以下に詳細を記載する標本カルーセルを収容する。はじき上げアーチ状標本ドア80がハウジングに旋回的に装着され、アーチ状パネル78に対して垂直に旋回するようにし、パネル78の後ろの標本カルーセルの前部へのアクセスを提供するようにする。ドアが閉められるときセンサが表示し、そして標本ドア80、カルーセルドア74およびピペットドア70が、分析操作中ロックされる。各ドアについてのロック機構は好ましくは、バネ戻りを有する(連続使用のための仕様の)DCロータリーソレノイドに装着されたフックを有する。好ましいロータリーソレノイドは、Lucas Control Systems,of Vandalia, Ohioから入手可能であり、型番L−2670−034とL−1094−34である。
【0026】
拡張部102は、好ましくは透明または半透明材料から作成され、ハウジング60内で構成要素を動かすための垂直隙間を提供するようにする。
【0027】
アッセイは、以下に述べる分析器50の多様なアッセイステーションの一般的な位置である、処理デッキ200上で主に行われる。例示の簡単のために、処理デッキ200は、その上にアッセイステーションが1つも取り付けられることなく
図2に示される。処理デッキ200は、多様なステーションが直接にまたは間接に取り付けられるデータプレート82を備える。データプレート82は好ましくは機械加工されたアルミプレートから構成される。処理デッキ200は、また化学デッキとしてもまた公知であり、ハウジングの内部をデータプレート82の上方の化学領域または上部シャーシ、およびデータプレート82の下方に配置される格納領域または低部シャーシ1100に分離する。
【0028】
多数のファンおよびルーバは好ましくはハウジング60の上部シャーシ部に提供され、上部シャーシ中へ空気循環を生成し、上部シャーシ内の過剰温度を回避する。
【0029】
本発明の分析器50はコンピュータ制御されるため、この分析器50はコンピュータコントローラを含み、
図2のボックス1000として概略的に示され、「アッセイマネージャプログラム」として公知の高レベル分析器制御ソフトウェアを作動させる。アッセイマネージャプログラムは、化学デッキ200を通じて試験標本動作を監視しおよび制御するスケジューラルーチンを含む。
【0030】
分析器50を制御するコンピュータシステム1000は、CPU、キーボード、モニタ、および必要に応じて含まれ得るプリンタ装置を含む単独型コンピュータシステムを含み得る。ポータブルカートもまた多様なコンピュータ構成要素を格納して支持するために提供され得る。あるいは、分析器制御ソフトウェアを作動させるためのコンピュータハードウェアは、分析器50のハウジング60内に一体的に収容され得る。
【0031】
分析器50の全体を通じて使用される電気モータおよびヒータの制御、およびバルク流体および廃棄流体コンテナ内の流体レベルのモニタリングなどの、低レベル分析器制御は、好ましくはMotorola 68332マイクロプロセッサを備える埋め込みコントローラにより行われる。分析器全体を通じて使用されるステッパモータもまた、E−M Technologies,Bala Cynwyd,Pennsylvaniaから入手可能な、予めプログラムされた既製のマイクロプロセッサチップにより好ましくは制御される。
【0032】
処理デッキ200が
図3および4に概略的に示される。
図3は、処理デッキ200の一部の概略平面図を示し、そして
図4は、処理デッキの概略斜視図を示す。データプレート82は、その上に全てのステーションが直接にまたは間接に装着される処理デッキ200の基礎を形成する。
【0033】
処理デッキ200はハウジング60の前面の開口68から延びる、反応受容器入力列150を含む。複数の反応受容器が入力列150において積み重なる様式で充填される。入力列の目的は、処方された複数の反応受容器を保持し、そして順次に取り出し位置においてそれらを提供し、運搬機構により回収される(以下に述べる)。取り出し位置における反射センサにより、その位置における受容器の存在を確認する。入力列はまた、所与の時間においてその中に存在する受容器の数を数えるための装置も含む。
【0034】
この列内の反応受容器シャトルアセンブリ(図示せず)は、受容器を、取り出し位置に向って受容器前進経路に沿って動かす。シャトルアセンブリがそのホーム位置および充分に伸張した位置にあるとき、光センサが表示する。この列は、その中に受容器を充填するために引き出し得る、引き出しを含む。しかし、引き出しが開けられる前には、ロックが解除され、そしてシャトルが受容器前進経路から外れなければならない。引き出しが再び閉められるとき、ロックされそしてシャトルは受容器と係合し、そしてそれらを取り出し位置に向って動かす。引き出しが閉められそしてシャトルが受容器と係合したとき、光センサが表示する。各受容器が運搬機構により取り出し位置から除去されるとき、受容器シャトルは、受容器を1受容器幅だけ移動させ、次の受容器が取り出し位置にくるようにする。
【0035】
反応受容器は、好ましくは試験管の直線状アレイを一体的に形成され、そして多試験管ユニットとしてまたはMTUとして公知である。この好ましい反応受容器(MTU)は、以下により詳細に記載される。
【0036】
第一リングアセンブリは、好ましい実施形態においては標本リング250を備え、データプレート82の上方の遠位にて旋回ジグプレート130上に取り付けられる。標本リング250はほぼ円状であり、好ましくはその環状流体コンテナキャリア部内で9つまでの標本トレイ300を保持する。そして各標本トレイは好ましくは20個の標本含有コンテナまたは試験管320を保持する。標本リング250は、第一の回転のほぼ垂直軸の周りに回転可能であるように構成および配置され、標本管320を、好ましくは自動化ロボットピペットシステムである、標本ピペットアセンブリ450に送達する。標本リング250の前面部はハウジング60に備わるはじき上げカルーセルドア80を通じてアクセス可能であり、試験管320のトレイ300が容易に標本リング250に充填され得、そして標本リングから容易に充填を取り出され得る。標本リング250は、モータにより駆動され、以下により詳細に記載される。
【0037】
第二リングアセンブリは、好ましい実施形態においてはピペットチップホイール350を備え、標本リング250の内側部に配置され、少なくともピペットチップホイール350の外側周辺の部分がリング250の内側周辺に半径方向内向きに配置されるようにする。ピペットチップホイール350は、その上に複数の市販のピペットチップのパッケージを備える。ピペットチップホイール350は、モータ駆動され、標本リング250の第一の回転軸にほぼ平行である、第二の回転軸の周りで、標本リング250と独立して回転させる。
【0038】
複数の流体コンテナを有するように構成および配置された内側回転可能アセンブリは、ピペットチップホイール350の内側部分に提供される。好適な実施形態においては、内側回転可能アセンブリは、ピペットチップホイール350(すなわち第二リングアセンブリ)および標本リング250(すなわち第一リングアセンブリ)内の半径方向内側に配置される、多軸ミキサ400を備える。多軸ミキサ400は、第一の回転軸および第二の回転軸にほぼ平行な第三の回転軸の周りに回転可能である、回転ターンテーブル414を含み、そしてその上に4つの独立して偏心的に回転するコンテナホルダ406が取りつけられる。コンテナホルダ406のそれぞれはコンテナを、好ましくは固定化したポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチド捕捉プローブとともに磁性粒子のフルイドサスペンションを含む、プラスチックボトルの形態で受容する。各コンテナホルダ406は、形状がほぼ円筒状でありそして対称の軸または回転の軸を含む。多軸ミキサ400は、ホルダ406の中心に対して偏心的に各コンテナを回転させ、一方同時にターンテーブル414をその中心のまわりに回転させ、コンテナの実質的に一定な揺動を提供するようにし、流体中で磁性粒子を懸濁液に維持する。
【0039】
標本ピペットアセンブリ、またはロボット、450は、標本リング250およびピペットチップホイール350の上方の位置にあるフレーム構造62(
図2参照)に取り付けられる。標本ピペットアセンブリ450は、ガントリーアセンブリに取りつけられた管状プローブ457を有するピペットユニット456を含み、X,Y,Z運動を提供する。特に、ピペットユニット456は、横レール454に形成されたトラック458に沿ってY方向に直線的に可動であり、そして横レール454は長手トラック452に沿ってX方向に長手に移動可能である。ピペットユニット456は、プローブ457の垂直のすなわちZ軸運動を提供する。標本ピペットアセンブリ450内の駆動メカニズムは、ピペットユニット456を分析器50内のピペット流体への正しいX,Y,Z座標へ配置させ、ピペットユニット456のプローブ457を洗浄し、ピペットユニット456のプローブ457の端部から保護チップを廃棄し、または不使用時の間(例えば「ホーム」ポジションにおいて)ピペットユニット456を収容する。標本ピペットアセンブリ450の各軸は、公知のそして通常の様式によってステッパモータにより駆動される。
【0040】
ピペットアセンブリは、好ましくは既製品である。現在好ましいのは、Cavro Inc.of Sunnyvale,Californiaから入手できるRobotic
Sample Processor、型番RSP9000である。このモデルは単一ガントリーアームを備える。
【0041】
標本ピペットアセンブリ450は、好ましくはシリンジポンプ(図示されず)(the
Cavro XP 3000が使用された)およびDC駆動ダイアフラムシステム流体洗浄ポンプ(図示されず)に結合される。標本ピペットアセンブリ450のシリンジポンプは好ましくは、化学デッキ200の左手側の上方の置において、分析器50のハウジング60内の内部フレーム構造62に取りつけられ、そして好適なチュービング(図示されず)または他の導管構造によりピペットユニット456に接続される。
【0042】
標本調製開口252は、ジグプレート130内に提供され、標本ピペットアセンブリ450が、ジグプレート130の下方に配置される入力列150内の反応受容器160にアクセスし得るようにされる。
【0043】
分析器50の標本ピペットアセンブリ450は、嵩上げカバープレート138の開口140、142を通じた標本リング250上に保持される標本管320に係合し、標本リング250およびピペットチップホイール350の後部の近くのピペットチップホイール350上に保持されるピペットチップに、それぞれ係合する。従って、操作者は、標本リング250および、ピペットチップホイール350の前部に、分析器の操作中にカルーセルドア開口80を通じて、ピペット手順を妨害することなくアクセスを有し得る。
【0044】
チップ洗浄/処分ステーション340はジグプレート130上の標本リング250に隣接して配置される。ステーション340は、チップ処分チューブ342及び洗浄ステーションベイスン346を含む。標本調製の間、標本ピペットアセンブリ450のピペットユニット456は、洗浄ステーションベイスン346の上方の位置に動き得、この洗浄ステーションベイスン346において管状プローブ457が、プローブ457を通って蒸留水をポンピングすることにより、洗浄され得る。洗浄ステーションのベイスン346は好ましくは可撓性ホース(図示されず)により低部シャーシ1100中の液体廃棄コンテナに接続される。
【0045】
チップ処分チューブ342は直立管状部材を備える。標本管320からの反応受容器160への標本移動の間、細長ピペットチップは摩擦的にピペットユニット456の管状プローブ457の端部へ固定され、材料が標本管320から引かれ細長ピペットチップへ至るときまで、標本材料は、ピペットユニット456の管状プローブ457に接触しないようにされる。標本が標本管320から移された後、その標本を移すのに使用されたピペットチップが他の関係ない標本のために再び使用されないことが重要である。それゆえ、標本移動の後、ピペットユニット456をチップ処分チューブ342の上方に移動させ、そして使用された使い捨て可能ピペットチップを、チップ処分チューブ342の中に排出する。このチップ処分チューブ342は低部シャーシ1100に保有される固形廃物コンテナの1つに接続される。
【0046】
細長ピペットチップは好ましくはまた、標的捕捉試薬を多軸ミキサ400に保持されるコンテナから、反応受容器160へ移動させるためのプローブ457に摩擦的に固定される。試薬移動に次いで、ピペットチップは廃棄される。
【0047】
記載したように、標本リング250、ピペットチップホイール350、および多軸ミキサ400は、好ましくはデータプレート82の上方に支持されたヒンジ付きジグプレート130(
図5および6を参照)に装着される。ジグプレート130は、その後端132においてヒンジが付けられ(
図6参照)、プレートならびにそこに装着されたリング250、ホイール350およびミキサ400は、上方で旋回してジグプレートの下の化学デッキの領域へのアクセスを可能にする。
【0048】
第一の右側の運搬機構500は、入力列150とほぼ同じ平面上のジグプレート130および標本リング250の下のデータプレート82上に装着される。運搬機構500は、受容器キャリアアセンブリを規定する回転本体部504および、本体504内に装着され、そして動力フック部材駆動アセンブリにより、そこに対して伸張および後退する伸張操作フック506を備える。各反応受容器160は好ましくは、伸張操作フック506により係合され得る操作構造を含み、運搬機構500は反応受容器160に係合し得、反応受容器160を操作し得、そして、反応受容器160内でアッセイを行う間、反応受容器が1つのステーションから他のステーションへ順次に移動されるにつれ、反応受容器160を処理デッキ200上の1つの位置から他へ移動させる。
【0049】
第二の、または左側運搬機構502(第一分配アーム500と実質的に同じ構造)もまた処理デッキ200上に含まれる。
【0050】
複数の受容器定置ステーション210はまたジグプレート130の下方に配置される。定置ステーション210は、名前が意味するとおり、分析器50の処理デッキ200のアッセイ実施ステーションが反応受容器の受容を準備するまで、標本含有反応受容器を保持するための構造である。反応受容器は必要に応じて運搬機構500により、定置ステーション210から回収され、そして定置ステーション210へ挿入される。
【0051】
右側軌道ミキサ550は、データプレート82に装着され、そして右側運搬機構500によりそこに挿入された反応受容器160を受容する。軌道ミキサが反応受容器160の内容物を混合するために提供される。混合が完結した後、右側運搬機構500は、反応受容器を右側軌道ミキサ550から除去し、そして処理デッキの他の位置に移動させる。
【0052】
実質的に同一の構造の多数のインキュベータ600、602、604、606が提供される。インキュベータ600、602、604および606は好ましくは、ロータリーインキュベータである。実施されるべき特定のアッセイおよび所望のスループットが、必要なインキュベータの所望の数を決定するが、4つのインキュベータが分析器50に好ましくは提供される。
【0053】
以下により詳細に記載するように、各インキュベータ(600、602、604、606)は、第一受容器アクセス開口を有し、そして第二受容器アクセス開口もまた有し得、そこを通して運搬機構500または502が反応受容器160をインキュベータへ挿入し得るか、またはインキュベータから反応受容器160を回収し得る。受容器がインキュベートされている間に、各インキュベータ(600、602、604、606)内には、個別の反応ステーション内に複数の反応受容器160を保持する回転受容器キャリアカルーセルがある。本発明の分析器50で好ましくは実施される、核酸に基づく診断アッセイのために、第一ロータリーインキュベータ600は標的捕捉およびアニーリングインキュベータであり、第二ロータリーインキュベータ602は、活性温度および事前読み込み冷却インキュベータ(「ATインキュベータ」としても公知である)であり、第三ロータリーインキュベータ604は増幅インキュベータであり、そして第四ロータリーインキュベータ606はハイブリダイゼーション保護アッセイインキュベータである。アッセイの全体の実施の中でのインキュベータの構造、機能、および役割は、以下により詳細に記載される。
【0054】
処理デッキ200はまた、好ましくは、複数の温度ランピング(temperature ramping)ステーション700を含む。このような2つのステーション700
図3において示され、これらのステーションはインキュベータ602および604の間のデータプレート82に装着されている。追加のランピングステーションが処理デッキ200上で、運搬機構500,502のうちの1つによりアクセス可能な他の位置に配置され得る。
【0055】
反応受容器160は、運搬機構500または502のいずれかにより、温度ランピングステーション700に配置され得、または温度ランピングステーション700から取り除かれ得る。各ランピングステーション700は、反応受容器およびその内容物の温度を、所望の温度まで上昇させるかまたは低下させるかのいずれかであり、その後受容器がインキュベータまたは他の温度感受性ステーション内に配置される。インキュベータ(600、602、604、606)のうちの1つに反応受容器を挿入する前に、反応受容器およびその内容を所望の温度に持っていくことにより、インキュベータ内の温度変動が最小化される。
【0056】
処理デッキ200はまた磁気分離洗浄手順を実施するための、磁気分離洗浄ステーション800を含む。各磁気分離洗浄ステーション800は、一度に1つの反応受容器160で洗浄手順を収容しそして実施し得る。それゆえ、所望のスループットを達成するため、平行して作動する5つの磁気分離洗浄ステーション800が好ましい。受容器160は、左側運搬機構502により、磁気分離洗浄ステーション800に挿入されそして、磁気分離洗浄ステーション800から除去される。
【0057】
試薬冷却ベイ900が、およそインキュベータ604および606の間のデータプレート82に装着される。試薬冷却ベイ900は、温度感受性試薬のボトルを保持するための複数のコンテナ受容器を有するカルーセル構造を備える。このカルーセルは、その中に形成されるピペットアクセス孔を備える蓋を有する冷却ハウジング構造内にある。
【0058】
第二のまたは左側の軌道ミキサ552は、実質的に右側軌道ミキサ550に同一であり、インキュベータ606および604の間に配置される。左側軌道ミキサ552は、左側軌道ミキサ552内にある反応受容器内に流体を分配するための分配ノズル、およびラインを含む。
【0059】
試薬ピペットアセンブリ、またはロボット、470はフレーム構造62(
図2参照)に装着された二重ガントリー構造を含み、そして処理デッキ200の左手側上のインキュベータ604および606のほぼ上方に配置される。特に、試薬ピペットアセンブリ470はピペットユニット480および482を含む。ピペットユニット480は、管状プローブ481を含み、そして横レール476のトラック474に沿って、ほぼX方向に、直線移動のために装着され、そしてピペットユニット482もまた、管状プローブ483を含み、横レール478のトラック484に沿って、ほぼX方向に、直線移動のために装着される。横レール476および478は、長手トラック472に沿って、ほぼY方向に並進し得る。各ピペットユニット480、482は、それぞれプローブ481、483の独立の垂直な、またはZ軸運動を提供する。アセンブリ470内の駆動機構は、ピペットユニット480、482を、分析器50内でピペット流体に対して正確なX,Y,Z座標に配置させ、各ピペットユニット480、482の管状プローブ481、483を洗浄するか、または不使用(例えば「ホーム」位置にある)の期間の間のピペットユニット480、482を収容する。ピペットアセンブリ470の各軸は、ステッパモータにより駆動される。
【0060】
この試薬ピペットアセンブリ470は、好ましくは既製品である。現在好ましいユニットは、2つのガントリーアームを備えた、Cavro Robotic Sample Processor、モデルRSP9000である。
【0061】
試薬ピペットアセンブリ470のピペットユニット480、482はそれぞれ好ましくは、各シリンジポンプ(図示されず)(Cavro XP 3000 が使用された)およびDC駆動ダイアフラムシステム流体洗浄ポンプに結合される。試薬ピペットアセンブリ470のシリンジポンプは、好ましくは化学デッキ200の左手側の上方の位置において分析器50のハウジング60内の内部フレーム構造62に装着され、そして好適な配管(図示されず)または他の導管構造により、各ピペットユニット480、482に接続される。
【0062】
各ピペットユニット480、482は好ましくは、容量性レベル感知能力を含む。容量性レベル感知は、医療器具分野において一般に公知であり、キャパシタの誘電性がキャパシタの1つのプレートとしてのピペットユニット、および対向するプレートとしてのピペットユニットにより係合されたコンテナの周囲の構造およびハードウェア、により形成された場合のキャパシタンスの変化ならびに、ピペットユニットのプローブがコンテナ内の流体を貫入した場合に感知する空気から流体への変化を利用する。ピペットユニットの垂直方向の動きを駆動するステッパモータをモニタすることにより知られ得る、ピペットユニットのプローブの垂直位置を確認することにより、ピペットユニットにより係合されるコンテナ内の流体のレベルが決定され得る。
【0063】
ピペットユニット480は、試薬を、試薬冷却ベイ900から、インキュベータ606または軌道ミキサ552内に配置される反応受容器へ、移動させ、そしてピペットユニット482は試薬物質を、試薬冷却ベイ900から、増幅インキュベータ604または軌道ミキサ552内に配置される反応受容器に、移動させる。
【0064】
ピペットユニット480、482は、容量性レベル感知を使用し、コンテナ内の流体レベルを確認し、そしてピペットユニットのプローブの端部のほんの小部分を、コンテナからのピペット流体へ浸す。ピペットユニット480、482は好ましくは、それぞれ管状プローブ481、483内に流体がピペットされるとき下降し、プローブの端部を一定の深さまで浸して維持する。ピペットユニット480または482の管状プローブの中に試薬を引き込んだ後、ピペットユニットは、各プローブ481または483の端部に10μlの最小移動空気ギャップを形成し、ピペットユニットが化学デッキ200の上方の他の位置へ動かされるとき、プローブの端部からの滴りが無いことを確実にする。
【0065】
本発明の分析器50において実施されるアッセイの結果は、好ましくは、好適な調製工程の終了における容器162から発せられる、化学ルミネッセンスまたは光の量により確認される。特に、アッセイの結果は、アッセイの終了におけるハイブリダイズされたポリヌクレオチドプローブに関連する標識により発せられる光の量から、決定される。従って、処理デッキ200は、照度計950を含み、反応受容器の内容により発せられる光の量の検出および/または定量化をする。要するに、照度計950は、ハウジングを備え、そのハウジングを通って反応受容器が、運搬機構、光電子増倍管、および関連する電子品の影響のもとで、移動する。多様な照度計の実施形態が以下により詳細に記載される。
【0066】
処理デッキ200はまた、好ましくは不活化列750を含む。分析器50の中で実施されるアッセイは、少なくとも1つの対象の生物または細胞に属する核酸の単離および増幅を含む。従って、反応受容器160の内容物を不活化させることが望ましく、典型的には、漂白剤ベースの試薬を、アッセイの終了において反応受容器160に分配することにより、不活化させる。この不活化は、不活化列750内において生じる。
【0067】
不活化に次いで、反応受容器160の不活化された内容物は低部シャーシ1100の液体廃物コンテナの1つに格納され、そして使用された反応受容器は、低部シャーシ1100内の専用固形廃棄物コンテナに廃棄される。この反応受容器は好ましくは再使用されない。
【0068】
(分析器操作)
上記に記載の、分析器50の操作、ならびにステーション、構成要素、およびモジュールの構成、協同作用、および相互作用は、分析器50を用いて実施され得る1つのタイプのアッセイの実施における単一の試験標本について、分析器50の操作を記載することにより、説明される。本明細書中に記載される1つ以上のステーション、構成要素、およびモジュールの使用を要求する他の診断アッセイもまた、分析器50を用いて実施され得る。本明細書中の特定のアッセイ手順の記載は、単に、分析器50の多様なステーション、構成要素、およびモジュールの、操作および相互作用を例示する目的のためであり、限定の意図はない。診断試験の当業者は、多様な化学的および生物的アッセイが、本発明の分析器50を使用して自動化された様式で、実施され得ることを理解する。
【0069】
分析器50は初期的には、バルク流体を、低部シャーシ1100のバルク流体格納ベイに充填すること、およびバルク流体コンテナを適切なホース(図示されず)に接続することにより、アッセイの実行のために構成される。
【0070】
分析器は、好ましくは順次プロセスにおいて起動(powered up)され、最初にプロセスの初期において必要とされるステーション、またはモジュールに電源投を入れ、そして次いでプロセスの後の方まで必要とされないステーションに、電源を入れる。これはエネルギーを節約し、そしてまた全分析器の起動に伴う大きな電源サージ(そしてこれはサーキットブレーカをトリップさせ得る)を回避するのに役立つ。この分析器はまた不使用期間中の「スリープ」モードを採用する。スリープモードの間、最小量の電力が分析器に供給され、さらに、完全なシャットダウンからの分析器の起動に必要な大きなサージを避ける。
【0071】
多数の反応受容器160は、好ましくはプラスチックの形態であり、多試験管ユニット(MTU)を一体的に形成し、このことは以下により詳細に述べるが、開口68を通じて、入力列150に充填される。これ以後は、反応受容器160は、MTUとし、分析器50を使用する好ましい様式と一致する。
【0072】
入力列150内の反応受容器シャトルアセンブリ(図示されず)は、MTU160を充填開口68から列150の端部における取りだし位置へ、移動させる。右側運搬機構500はMTU160を、列150の端から取り、そしてMTUをバーコードリーダ253へ動かし、そのMTUを確認するMTU上の独自のバーコードラベルを読む。バーコードリーダ253から、MTUを、開口252の下方の利用可能な標本移動ステーション255へ移動させる。
【0073】
(多試験管ユニット)
図58に示されるように、MTU160は、複数の、好ましくは5個の個別の容器162を備える。容器162は、好ましくは開放頂部端と閉鎖底部端を備える円筒形管の形態であり、互いに接続リブ構造164により接続される。この接続リブ構造164は、MTU160のいずれかの側に沿った長手に延びる下向きに面するショルダを規定する。
【0074】
このMTU160は、好ましくは射出成型ポリプロピレンから形成される。最も好ましいポリプロピレンはWilmington,DelawareのMontell Polyolefinsにより販売され、商品番号PD701NWである。Montell材料が使用されるのは、成型しやすく、分析器50の操作の好適なモードで化学的に融和性があり、そして化学ルミネッセンスの正確な検出または定量を妨害し得る静電放電現象の数が限られるからである。
【0075】
アーチ状シールド構造169は、MTU160の一端に提供される。運搬機構500、502の1つにより係合されるMTU操作構造166は、このシールド構造169から延びる。MTU操作構造166は、プレート168の対向端上に垂直に伸びる片167とともにシールド構造169から延びる、横伸張プレート168を備える。ガセット壁165は、シールド構造169と垂直片167との間で横プレート168から下向きに延びる。
【0076】
図60に示されるように、シールド構造169および垂直片167は、互いに面する凸面を有する。MTU160は、運搬機構500、502およびその他の構成要素により、以下に記載されるように、係合部材を横方向に(「A」方向に)、シールド構造169と垂直片167との間の空間へ移動させることにより、係合される。シールド構造169と垂直片167の凸面は、空間へ横方向運動を経る係合部材のためのより広いエントリーのポイントを提供する。垂直片167とシールド構造169の凸面は、それぞれ隆起部分171、172を含み、その中央部分で形成される。部分171、172の目的は以下に述べる。
【0077】
平坦ラベル受容面175を有する、ラベル受容構造174は、シールド構造169およびMTU操作構造166の反対のMTU160の端部上に提供される。スキャン可能バーコードなどのラベルは、表面175上に配置され得、MTU160上の確認および指示情報を提供する。
【0078】
MTU160は好ましくは、各それぞれの容器162の開口に隣接して、チップレット(tiplet)保持構造176を含む。各チップレット保持構造176は、接触制限チップレット170を受容する円筒状オリフィスを提供する。チップレット170の構造および機能は、以下に記載される。各保持構造176は、チップレット170を、MTU160が逆にされたときチップレット170が保持構造176から外れることを防ぐような様式で、摩擦的に受容するように構成され配置される。しかしチップレット170は、ピペットにより係合するされるとき保持構造176から除去されることを可能にする。
【0079】
図59に示されるように、チップレット170は、周囲リムフランジ177およびチップレット170の下部179よりほぼ大きい直径の上部カラー178を有するほぼ円筒構造を備える。チップレット170は、好ましくは導電性ポリプロピレンから形成される。チップレット170が保持構造176のオリフィスに挿入されると、フランジ177は構造176の頂部に接触し、そしてカラー178はチップレット170と保持構造176との間でぴったりとした、しかし開放可能な締まり嵌めを提供する。
【0080】
軸方向に伸張する貫通孔180はチップレットを通る。孔180はチップレット170の頂部において外側に広がった端部181を含み、ピペット管状プローブ(図示されず)のチップレット170への挿入を容易にする。2つの環状のリッジ183を孔180の内壁に並べる。リッジ183は、チップレット170とチップレット170へ挿入される管状プローブとの間の締まり摩擦嵌めを提供する。
【0081】
チップレット170の低部端は好ましくは、傾斜部182を含む。チップレット170がMTU160の容器162などの反応受容器の底部に挿入される吸引器の端部で使用されるとき、傾斜部182は、真空がチップレット170の端部と反応容器の底部との間で形成されるのを防ぐ。
【0082】
(低部シャーシ)
本発明の低部シャーシの実施形態は、
図52から54に示される。低部シャーシ1110はブラックポリウレタンパウダーコートを有する鋼フレーム1101、シャーシの下方に配置された引き出しドリップトレイ1102、右側引出し1104、および左側引出し1106を含む。左側引出し1106は実際には低部シャーシ1100内の中央に配置される。低部シャーシ1100のさらに左側には多様な電力供給システム構成装置および他の分析器装置(例えば取りつけプラットフォーム1154に装着された7つのシリンジポンプ1152、振動分離器(示されず)上の低部シャーシ1100のフロアに好ましくは装着された真空ポンプ1162、電力供給ユニット1156、電源フィルタ1158およびファン1160など)を収容する。
【0083】
異なるシリンジポンプ1152が各5つの磁気分離洗浄ステーション800のために指定され、1つは左側軌道ミキサ552のために指定され、そして1つは不活化列750のために指定される。シリンジポンプが好ましいが、蠕動ポンプが代替として使用され得る。
【0084】
真空ポンプ1162は各磁気分離洗浄ステーション800および不活化列750に作用する。好ましい真空ポンプの定格は、0”Hgで5.3〜6.5cfmおよび5”Hgで4.2〜5.2cfmである。好ましい真空ポンプは、Sheboygan,WisconsinのThomas Industries,Inc.から型番2750CGHI60として入手可能である。キャパシタ1172はポンプ1162に付随して販売される。
【0085】
電力供給ユニット1156は好ましくは、ASTEC型番VSI−B5−B7−03であり、Carlsbad,CaliforniaのASTEC America,Inc.から入手可能である。電力供給ユニット1156は50〜60Hzの範囲の220ボルト、すなわち典型的な220ボルト壁コンセントからの電力を受ける。電源フィルタ1158は、好ましくはCorcomモデル20MVIフィルタであり、Libertyville,IllinoisのCorcom,Inc.から入手可能である。ファン1160は好ましくは、San Ysidro CaliforniaのComair Rotronから入手可能である、Whisper XLDCファンである。各ファンは24VDCモータで駆動されそして75cfm出力を有する。
図52に示されるように、ファン1160は好ましくは低部シャーシ1100の左側外壁に近接して配置される。ファン1160は好ましくは外側に方向付けられ、その右側からその左側へ低部シャーシから空気が引かれ、そして低部シャーシから過剰な熱を引く。
【0086】
他の電源供給システム構成要素は低部シャーシ1100の背面左手側に収容され、電源スイッチ1174および電源入力モジュール1176を含む。電源スイッチ1174は、好ましくは、Cleveland, OhioのCutler−Hammer Division of Eaton Corporation から入手可能である、Eatonサーキットブレーカスイッチ2極シリーズJA/Sである。電源入力モジュール1176は、外部電源に分析器50が接続されるための電源コード(図示されず)が接続される。分析器50の電源供給システムはまた、そこに複数の電気ターミナルを装着するためのターミナルブロック(図示されず)、半導体スイッチ(図示されず)、およびRS232
9ピンコネクタポートを含む。この半導体スイッチは、好ましくはCal Switch,Carson City,Californiaから入手可能である、Crydom
Series1、型番D2425であり、異なる回路の間でスイッチングするためにある。そしてRS232 9ピンコネクタポートは、分析器50を外部コンピュータコントローラ1000へ接続するためにある。
【0087】
右側引出しおよび左側引出しベイは好ましくは、分析器の前の1つまたは2つのドア(図示されず)の後ろで閉じられ、これ/これらは好ましくは、分析器の操作の間、アッセイマネージャプログラムによりロックされる。マイクロスイッチが、好ましくはドア閉状態を確認するために提供される。さらに左のベイは、正面パネルによりカバーされる。端部パネルはシャーシを包囲するために低部シャーシの対向端上に提供される。
【0088】
4つのレバー脚1180は、シャーシ1100の4つのコーナから下に延びる。レバー脚1180は、その低部端にてパッドを有するネジ切りシャフトを含む。分析器が所望の位置にあるとき、脚1180は、パッドが床に係合して分析器を水平出しして安定化させるまで、低められ得る。脚はまた、分析器がそのキャスタで移動されることを可能にするために上昇され得る。
【0089】
典型的に低部シャーシ1100のコンテナに含まれるバルク流体は、(固定化された標的を洗浄するための)洗浄緩衝液、(固定ピペットチップを洗浄するための)蒸留水、診断試験試薬、(試験試薬および標本の上に重ねるための浮遊流体として使用する)シリコンオイル、および(サンプル不活化のために使用される)漂白剤ベース試薬を含み得る。
【0090】
右側引出し1104は、
図53に詳細に示され、右側引出し1104は、正面引出しハンドル1105を有する箱状引出し構造を含む。引き出しハンドル1105は、通常の引き型引出しハンドルとして示され、分析器50の好適な実施形態においては、ハンドル1105は、Tハンドルラッチであり、これらはSouthco,Inc.of Concordville,Pennsylvaniaから入手可能である。引き出し1104はスライドブラケット(図示されず)上の低部シャーシに取り付けられ、引き出し1104は低部シャーシへ引き入れられ得、および低部シャーシから引き出され得るようにする。センサ(図示されず)が好ましくは引き出し1104が閉じられたことを確認するために提供される。引き出しの正面部は、ボトル1128(
図52に示される)およびボトル1130(また
図52に示される)を保持するためのボトル受容器1122を含む。ボトル1128は、専用のピペット洗浄廃物含有ボトルであり、ボトル1130は、磁気洗浄、標的捕捉手順からの含有廃物のための専用廃物ボトルである。ボトル1130は好ましくは排出(evacuated)される。
【0091】
低部シャーシ1100において要求されるいずれかのボトルがないとき、分析器50は処理アッセイを始めない。ボトル受容器1122は、好ましくはボトル存在センサ(図示されず)を含み、各受容器1122内のボトルの存在を確認する。ボトル存在センサは好ましくは、West Des Moines,IowaのSUNX/Ramco Electric,Inc.から入手可能である、拡散反射型光センサ、モデルEX−14Aである。
【0092】
右側引出し1104はさらにその中に、使用されたMTUおよび標本チップを保持するための廃物箱(bin)1108を含む。廃物箱1108は、その頂部にセンサを取りつけるためのセンサマウント1112を有する開放ボックス構造である。このセンサは好適には、廃物箱1108が満ちているかどうかを検出するための、24VDC光拡散反射スイッチ(図示されず)である。もう1つの拡散反射型光センサ(図示されず)が、右側引出し1104内に位置し、廃物箱1108が適所にあることを確認する。再び、拡散反射型光センサは、West Des Moines,IowaのSUNX/Ramco Electric,Inc.から入手可能である、モデルEX−14Aが好適である。
【0093】
デフレクタ1110は、廃物箱1108の側部から斜めに延びる。デフレクタ1110は、シュートの直接下に配置され、シュートを通って使用されたMTUが廃物箱1108に落とされ、そして落とされたMTUを廃物箱1108の真中に向け、廃物箱1108のコーナにおけるMTUの山積みを回避する。デフレクタ1110は、好ましくは旋回的に取りつけられ、実質的に垂直な位置まで上方に旋回し得、そのため廃物箱1108と整列しそしてデフレクタ1110を覆う廃物袋が廃物箱1108から除去されるとき、デフレクタ1110は、袋が引き出されるときともに上向きに旋回し、そして従って袋を破らないようにさせる。
【0094】
プリント回路基板(図示されず)およびカバー1114は廃物箱1108の正面に装着され得る。センサマウント1116および1117もまた廃物箱1108の正面に装着される。センサ1118および1119はセンサマウント1116に装着され、そしてセンサ1120および1121はセンサマウント1117上に装着される。センサ1118、1119、1120および1121は好ましくはDC容量性近接センサである。上方センサ1118、1119は、ボトル1128および1130が満ちたとき表示し、そして底部センサ1120,1121は、ボトルが空のとき表示する。センサ1118〜1121は好ましくはReno,NevadaのStedham Electronics Corporationの型番C2D45AN1−Pから入手可能である。これらのセンサは、低部シャーシ1100の緊密な領域内で少ない空間しか必要としない、その比較的フラットな物理的プロフィールのため、およびStedhamセンサが3〜20mmの範囲の所望の感知距離を提供するので選択された。
【0095】
アッセイマネージャプログラムが、右側引出し1104内の廃物流体コンテナのいずれかが初期に空でないことを検出すれば、分析器50は好ましくはいずれのアッセイも実行しない。
【0096】
容量性近接センサ1118〜1121およびボトル存在、廃物箱存在、および右側引出し1104の廃物箱満杯光センサは、カバー1114の後ろのプリント回路基板(図示されず)上に接続され、そしてこのプリント回路基板は分析器50の埋め込みコントローラに接続される。
【0097】
右側引出し1104が低部シャーシ1100から完全には引くことができないため、廃物袋ライナーを設置しおよび除去するために廃物箱にアクセスすることを可能とするために、廃物箱1108を前方に引くことを可能にすることが必要である。この目的のため、ハンドル1126が廃物箱1108の正面に取り付けられ、そしてテフロン(登録商標)ストリップ1124が、右側引出し1104の底部フロアに配置され、ボトル1128および1130が除去されるとき、引き出し1104内の廃物箱1108の前方および後方への滑りを容易にする。
【0098】
左側引出し1106の詳細は
図54に示される。左側引出し1106は、正面取付けハンドル1107を有する箱状構造を含み、低部シャーシ1100内でスライドブラケット(図示されず)上に取りつけられる。ハンドル1107は、通常の引き型引出しハンドルとして示されるが、分析器50の好ましい実施形態では、ハンドル1107はTハンドルラッチであり、Concordville,PennsylvaniaのSouthco,Inc.から入手できるものなどである。センサが、左側引出し1106が閉められていることを確認するために提供される。
【0099】
左側引出し1106は、その上にチップレット廃物箱満杯センサ(図示されず)を装着するための取りつけ構造1135を備える、チップレット廃物箱1134を含む。チップレット廃物箱存在センサは好ましくは、左側引出し1106に提供され、チップレット廃物箱1134が正しく設置されることを確認する。拡散反射型光センサはWest Des Moines,IowaのSUNX/Ramco Electric,Inc.,から入手でき、モデルEX−14Aがチップレット廃物箱満杯センサおよびチップレット廃物箱存在センサの両方に好適である。
【0100】
束ね構造1132が低部シャーシ1100内の多様な配管および/またはワイヤ(図示されず)を固定するために、および束ねるために提供される。使用される好ましい束ね構造は、East Providence,Rhode IslandのIgus,Inc.により製造され販売されるEnergy Chain Systemsである。
【0101】
プリント回路基板1182は、チップレット廃物箱1134の後ろに配置されるパネル1184の後ろに装着される。ソレノイドバルブ取りつけパネル1186は、チップレット廃物箱1134の下方に配置される。
【0102】
左側引出し1106は、その中に6つの類似のサイズのボトルを保持するための前方コンテナ保持構造を含む。コンテナ構造は、分割壁1153、1155、1157および1159および湾曲ボトル適合正面エッジを有するコンテナブロック1151を含み、これらが合わせて6つのコンテナ保持領域を規定する。低部センサ1148および上部センサ1150(各6つ)が分割壁1155、1157および1159に装着される。上部センサ1148および下部センサ1150は好ましくは、DC容量性近接センサ(好ましくは,そのフラットなプロフィールと感知範囲のために選ばれた、Reno,NevadaのStedham Electronics Corporationから入手可能であるセンサ、型番C2D45AN1−P)である。上部センサ1150は、コンテナ構造に保持されるボトルが満杯になるときに表示し、そして低部センサ1148は、ボトルが空のとき表示する。好ましい装置においては、左2つのボトル1146は検出剤(「Detect I」)、真中の2つのボトル1168は、シリコンオイル、そして右の2つのボトル1170は、他の検出剤(「Detect II」)を含む。
【0103】
ボトル存在センサ(図示されず)は、コンテナブロック1151および分割壁1153、1155、1157、および1159により規定されるコンテナ保持領域のそれぞれにおいて好ましくは提供され、各コンテナ保持領域におけるボトルの存在を確認する。ボトル存在センサは好ましくは、West Des Moines,IowaのSUNX/Ramco Electric,Inc.,から入手できる、モデルEX−14Aである、拡散反射型光センサである。
【0104】
中央に配置された大型のコンテナ受容器1164は、好ましくは脱イオン水を含有するボトル1140(
図52に示される)を保持する。コンテナ受容器1166(
図54において1つのみが見られる)は、好ましくは洗浄緩衝溶液を含有するボトル1142および1144(
図52においても示される)を保有する。受容器1164および1166の間の分割壁1143はその上に、ボトル1140、1142および1144の中の流体レベルをモニタするための、センサ1141などのセンサを取りつける。センサ1141などのセンサは、好ましくはDC容量性近接センサ(好ましくはReno,NevadaのStedham Electronics Corporationから入手可能の型番C2D45AN1−Pのセンサ)である。
【0105】
コンテナ受容器1164および1166は好ましくは、ボトルが正しくそれらのそれぞれの受容器に配置されることを確認する、ボトル存在センサ(図示されず)を含む。このボトル存在センサは好ましくは拡散反射型光センサであり、West Des Moines,IowaのSUNX/Ramco Electric,Inc.,から入手できる、モデルEX−14Aである。
【0106】
アッセイマネージャプログラムが、左側引出し1106におけるバルク流体受容器のいずれかが初期的に空であると決定すると、分析器50はいずれのアッセイの実行も開始しない。
【0107】
容量性近接流体レベルセンサ、多様なボトル存在センサ、チップレット廃物箱満杯センサおよびチップレット廃物存在センサは全て、プリント回路基板1182に接続され、そしてプリント回路基板1182は、分析器50の埋め込まれたコントローラに接続される。
【0108】
4つのソレノイドバルブ(図示されず)が、ソレノイドバルブ取りつけパネル1186の下方に装着される。ソレノイドバルブはバルク流体ボトルを接続し、ここで流体は対のボトルに貯蔵され、すなわち、ボトル1140,1142は洗浄緩衝溶液を含み、2つのボトル1146は「Detect I」試薬を含み、2つのボトル1168はオイルを含み、そして2つのボトル1170は「Detect II」試薬を含む。ソレノイドバルブは、各容量性近接センサからの信号に応答して、同じ流体を含む2つのボトルの1つが空のとき、流体が引かれるボトルを切り替える。加えて、ソレノイドバルブは所定の数の試験が実施された後、ボトルを切換え得る。好ましいソレノイドバルブはLaguna Hills,CaliforniaのBeco Manufacturing Co.,Inc.から入手可能のテフロン(登録商標)ソレノイドバルブ、型番S313W2DFRTおよびM223W2DFRLTである。2つの異なる型番は、2つの異なる管サイズで使用するために適合されたソレノイドバルブに対応する。テフロン(登録商標)ソレノイドバルブが好ましく、これは、バルブを通る流体を汚染する可能性が低く、そしてバルブがそれを通る腐食性流体により損傷されることがないためである。
【0109】
ボトル1136(
図52参照)は、真空トラップブラケット1137に保持される真空トラップであり、そしてボトル1138は漂白含有試薬などの不活化剤を含む。再び、ボトル存在センサは、好ましくはボトル1136および1138の存在を確認するために提供される。
【0110】
携帯バーコードスキャナ1190が、低部シャーシ1100に提供され得、スキャン可能コンテナラベルに提供される情報をスキャンしアッセイマネージャプログラムに入れる。スキャナ1190は、コードにより左側引出し1106のプリント回路基板1182に接続され、そして好ましくは分割壁1143に装着されたブラケット(図示されず)に収
容される。Holtsville,New YorkのSymbol Technolo
gies,Inc.,から入手可能なスキャナ、シリーズLS2100が好ましい。
【0111】
(標本リングおよび標本管トレイ)
標本は標本管320に含まれ、そして管320は分析器50の外側の管トレイ300に充填される。標本管320を有するトレイ300は、はじき上げカルーセルドア80を開くことにより提供されるアクセス開口を通じて、標本リング250上に配置される。
【0112】
図5および6を参照して、第一リングアセンブリまたは標本リング250は、ミリングした、非硬性アルミウムから形成され、そしてリング250の外周のまわりに環状トラフ251を規定する隆起リング構造を含み、それとともに複数の隆起した半径方向に伸び、トラフ251を通って延びる分割器254を含む。好ましくは9個の分割器254が、トラフ251を9個のアーチ状標本管トレイ受容ウェル256に分割する。トラフ251およびウェル256は、以下に記載されるように複数のコンテナを運ぶために構成され配置された、環状流体コンテナキャリア部を規定する。
【0113】
標本リング250は好ましくは、3つの120°間隔のV溝ローラ257、258,260により回転的に支持され、これらのV溝ローラは
図5および6に示されるように、リング250の内周に形成される連続Vリッジ262に係合し、リング250が回転の第一中央軸の周りに回転可能であるようにする。ローラは好ましくは、Pittsburg,CaliforniaのBishop−Wisecarver Corp.により作製された型番W1SSXである。ローラ257および260は、固定シャフト上に回転的に取りつけられ、そしてローラ258は、垂直軸のまわりで旋回するブラケット上に取り付けられ、そしてローラ258をリング250の内周に対して半径方向外側に付勢するようにバネ付勢される。2つの固定されたローラおよび1つの半径方向に可動のローラを有するので、3つのローラがリング250の円から外れた内周に適合させることを可能にする。加えて、リング250は容易に取りつけられ得、そして単に旋回ローラ258を半径内側に押すことにより容易に除去され得、標本リング250が横に移動し連続Vリッジ262を固定V溝ローラ257,260から係合を外すことを可能にする。
【0114】
標本リング250は、ステッパモータ264(Tokyo,JapanのOriental Motor Co.,Ltd.から型番PK266−01Aとして入手可能な、VEXTAステッパモータが好適である)により、ガイドローラ266、268上を、そしてリング250の外周のまわりに延びる連続ベルト270(好ましくはNew Hyde
Park,New YorkのSDP/SIから型番A6R3M444080として入手可能である)を介して駆動される。ホームセンサおよびセクタセンサ(図示されず)は、好ましくは溝付きの光センサであり、リング250に隣接して、回転ホーム位置および、標本管トレイ受容ウェル256の1つに対応する位置において提供される。リング250は、ホイール上のホーム位置に配置されるホームフラグ(図示されず)および9個の標本管トレイ受容ウェル256のそれぞれの位置に対応する、9個の均等間隔のセクタフラグ(図示されず)を含む。ホームフラグおよびセクタフラグは、ホームセンサおよびセクタセンサと協同して、リング位置情報をアッセイマネージャプログラムへ提供し、そして使用者の再ロードおよびピペットユニット450によるアクセスのための確立された組み合わせに対応する9個の分離された位置において停止させるように制御する。ホームセンサおよびセクタセンサのための好ましいセンサは、Optek溝付き光センサ、型番OPB857であり、Carrollton,TexasのOptekから入手可能である。
【0115】
標本カバーは、環状流体コンテナキャリア部の一部、すなわちトラフ251の上に配置され、ホイール250に対して上昇した位置に、3つの取り付けポスト136上に固定されたアーチ状カバープレート138を備える。プレート138は、アーチ状であり、ほぼトラフ251の曲線に一致する。第一の開口142は、プレート138に形成され、そして第二の開口140は、プレート138に形成され、リング250の回転の軸から、開口142より大きい半径距離において、開口142から円周方向に間隔を空けた配置にて、形成される。
【0116】
図55〜57を参照すると、各標本管トレイ300はリング250の曲率に従ってカーブした試験管ラック構造を備える。各トレイ300は、中央壁構造304を備え、壁構造304のいずれかの端部に配置される横端部壁303および305を伴う。フロア312は、トレイ300の底を渡って延びる。標本管トレイ300の主な目的は、標本リング250上の標本管を、標本ピペットアセンブリ450によるアクセスのために保持すること、ならびに多標本管を分析器へ充填すること、および分析器から取り出すことを促進することである。
【0117】
複数のY型分割器302は、トレイ300の対向エッジに沿って等距離に間隔を空けられる。各2つの隣接する分割器302は試験管受容領域330を規定する。端部壁303は、内向きに曲げたフランジ316と318を含み、そして端部壁305は、内向きに曲げたフランジ326と328を含む。分割器302の最端部に沿ったそれぞれ内向きに曲げた端部壁303および305のフランジは、最端部管受領領域332を規定する。受領領域330、332は、中央壁構造304の対向側の2つのアーチ状列に沿ってアーチ状に整列する。
【0118】
図57を参照して、各管受領領域330,332内において板バネ要素310が中央壁304に装着される。板バネ要素310は、好ましくはステンレスバネ鋼で形成され、試験管320が管受容領域330または332に挿入されるとき、弾性的に偏向し、そして管320を分割器302に対して外側に付勢する。従って管320は直立方向に固定される。分割器302の形状および板バネ要素310の弾性は、管320と324などの多様な形状とサイズの標本管をトレイ300が収容するこを可能にする。各トレイ300は好ましくは、各エッジに沿って9個の分割器302を含み、端部壁303および305とともに、中央壁構造304の各側に10個の管受容領域330、332を、合計して1つのトレイにつき20の管受容領域を形成する。隆起数字306などの管受容領域330および332を指示するための刻印が、トレイ上(中央壁304上など)に提供され得る。
【0119】
各トレイ300もまたボス構造308を含み得、例示された実施形態において、最端部の分割器302と一体に形成される。直立逆U形状ハンドル(図示されず)がボス構造308またはいくつかの他の好適な場所において、トレイに装着され得る。直立ハンドルは、アーチ状カルーセルドア80を通してトレイ300を充填するときおよび取り出すときのトレイ300のハンドリングを容易にし得るが、必ずしも好適ではない。
【0120】
ギャップが隣接する分割器302の間に提供され、管320上のバーコードラベル334、または他の読み取り可能またはスキャン可能情報は、管がトレイ320中に配置されるときアクセス可能である。ホイール250上で運ばれるトレー300が標本カバーのプレート138の下を通過するとき、壁構造304に対して半径方向内向きの位置の曲線の列における1つの管320が、第一開口142と整列し、そして壁304に対して半径外向きの位置の曲線の列における他の管320が、第二開口140と整列する。リング250は、インデックスが付けられ、開口140、142の下の各管320を順次動かし、管へのアクセスを可能にする。
【0121】
図5を再び参照すると、バーコードスキャナー272および274はリング250に隣接して配置される。Orangeburg, New YorkのOpticon,Inc.から入手可能のOpticon, Inc.scanner型番LHA2126RR1S−032が好ましい。スキャナ272は、外側リング250に配置され、そしてスキャナ274はリング250の内側に配置される。リング250が標本管320のトレイ300をスキャナ272、274を通過して回転させるとき、スキャナ272および274は、標本管トレイ300に備わる各標本管320上のバーコードデータラベルをスキャンするために配置される。加えて、トレイ300が標本調製領域に来たとき、スキャナ272、274は、各トレイ300の端部壁303の曲げフランジ316および318の外側部上のバーコードラベル337(
図55参照)をスキャンする。標本およびアッセイ同定などの多様な情報が、管および/または、各トレイ300に配置され得、そしてこの情報がスキャナ272,274によりスキャンされ得、そして中央処理コンピュータ内に格納される。もし、標本管が存在しないとき、トレイ300は、スキャナ272、274により読まれる、特別コード335(
図55参照)を提供する。
【0122】
(ピペットチップホイール)
図5および6で主に示すように、好ましい実施形態の第二リングアセンブリは、ピペットチップホイール350であり、これは、その下部にある円形リング352、上部パネル374(これは、円形内周および5個の円周に沿って間隔を置いて配置された放射状に突出している部分370を規定している)、および複数のほぼ長方形のライザ354(これは、上部パネル374をリング352から分離しており、好ましくは、上部パネル374およびリング352を通ってライザ354へと延びている機械的ファスナー356により、適切な位置で保持されている)を含む。上部パネル374には、部分370の各々に近接して、5個の長方形開口部358が形成されており、パネル374の下には、各開口部358で1個ずつ、長方形ボックス376が配置されている。上部パネル374、リング352およびライザ354は、好ましくは機械加工されたアルミニウムから形成され、そしてボックス376は好ましくは、ステンレス鋼シートストックから形成されている。
【0123】
開口部358および付随したボックス376は、複数の使い捨てピペットチップを保持するトレイ372を受容するように、構成され配置されている。ピペットチップトレイ372は、好ましくは、「Disposable Tips for GENESIS Series」の商品名で、TECAN(TECAN U.S.Inc.,Reseach
Triangle Park,North Carolina)により製造、販売されている。各チップは、1000μlの容量を有し、そして導電性である。各トレイは、96個の細長い使い捨てチップを保持する。
【0124】
上部パネル374には、各開口部358の側方縁部および縦方向縁部に沿って、それぞれ、側方スロット378および縦方向スロット380が形成されている。スロット378、380は、下方に延びているフランジ(図示せず)(これは、トレイ372の側方縁部および縦方向縁部に沿って配置されている)を受容する。トレイ372のスロット378、380および付随したフランジは、開口部358に対してトレイ372を正しく合わせてトレイ372をパネル374上の適切な位置で保持するのに、役立つ。
【0125】
ピペットチップホイール350は、好ましくは、120°で間隔を置いて配置された3個のV溝ローラー357、360、361(これらは、
図5、6および6Aで示すように、リング352の内周上で形成された連続Vリッジ362と係合する)により回転的に支持されており、その結果、ピペットチップホイール350は、標本リング250の第一回転軸とほぼ平行な第二中心回転軸の周りで、回転可能となる。これらのローラーは、好ましくは、Pittsburg,CaliforniaのBishop−Wisecarverにより、製造されている(モデル番号W1SSX)。ローラー357および360は、固定シャフトに回転的に取付されており、ローラー361は、垂直軸の周りで旋回するブラケットに取り付けられ、そしてローラー361をリング352の内周に放射状に外向きに押し付けるように、バネでバイアスされる。2個の固定ローラーおよび1個の放射状に移動可能なローラーを有することにより、これらの3個のローラーは、リング352の完全な円ではない(out−of−round)内周に適応できるようになる。それに加えて、ホイール350は、単に、旋回ローラー361を放射状に内向きに押してリング352を側方に移動させ固定V溝ローラー357、360から連続Vリッジ362を外すことにより、容易に設置および取り外しできる。
【0126】
ピペットチップホイール350は、シャフトを取り付けた平歯車(これは、リング352の外周上に形成された、合わせギア歯(mating gear theeth)と噛み合う)を有するモーター364により、駆動される。モーター364は、好ましくは、VEXTAギアヘッドステッパーモーター(モデル番号PK243−A1−SG7.2)であり、これは、7.2:1のギアリダクション(gear reduction)を有し、そしてTokyo,JapanのOriental Motor Co.Ltd.から入手できる。7.2:1のギア減率を備えたギアヘッドステッパーモーターは、ピペットチップホイール350の滑らかな運動を与えるので、好ましく、この場合、モーター364の平歯車は、リング352と直接係合する。
【0127】
ホームセンサおよびセクターセンサ(図示せず)(好ましくは、スロット付き光学センサ)は、回転ホーム位置およびボックス376の1個の位置で、ピペットチップホイール350に隣接して設けられている。ピペットチップホイール350は、このホイール上のホーム位置で位置しているホームフラッグ(図示せず)および5個の等間隔に配置したセクターフラッグ(図示せず)(これらは、5個のボックス376の各々の位置に対応している)を含む。これらのホームフラッグおよびセクターフラッグは、ホームセンサおよびセクターセンサと協同して、このアッセイマネージャプログラムにホイールの位置情報を提供し、そして使用者の再充填用に確立した座標に対応する5個の別個の位置で停止してピペットユニット450によってアクセスするように、ピペットチップホイール350を制御する。このホームセンサおよびセクターセンサに好ましいセンサは、Optek Technology,Inc.のスロット付き光学センサ(モデル番号OPB980)であり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0128】
(多軸ミキサ)
図7〜12を参照すると、多軸ミキサ400は、回転しているターンテーブル414(
図10を参照)を含み、これは、中心ベアリング430で支持された中心シャフト428で、固定ベース402(これは、固定ベース402の外周の周りで形成された開口部419を通って延びている機械的ファスナー(図示せず)によって、ジグプレート130に取り付けられている)に回転可能に取り付けられている。カバー部材404がターンテーブル414に取り付けられ、共に回転する。
【0129】
ターンテーブル414は、好ましくは、直角十字形状であり、これは、90°で間隔を置いて配置された3個の等長の長方形アーム444(これは、ターンテーブル414の中心から外向きに放射状に延びている)および第四アーム445(これは、アーム445をアーム444よりも僅かに長くする拡張部417を有する)を含む。
図10〜12で示すように、ターンテーブル414の中心部は、ネジ429により、中心シャフト428に接続されている。
【0130】
4個のコンテナホルダー406は、ターンテーブルフレーム414のアーム444および445の末端に配置されている。各コンテナホルダー406は、4個の垂直シャフト423(これらは、コンテナホルダーベアリング415で、回転可能に支持される)のうちの1個に装着されている。コンテナホルダーベアリング415は、ターンテーブル414のアーム444、445に押し付けられ、そしてシャフト428から等しい半径方向距離で、配置されている。
【0131】
カバー部材404は、上方に屈曲した周囲フランジ401を備える4個の円形開口部を含み、これらを通って、シャフト423が延びている。上方フランジ401は、有利なことに、こぼれた液体がこれらの開口部に流入するのを防止できる。
【0132】
コンテナホルダー406は、標的捕捉試薬のコンテナ440(好ましくは、プラスチックボトル)を受容し保持するための、ほぼ円筒形部材(これは、開放下部および開放上部を有する)を含む。
【0133】
好ましいアッセイで使用される標的捕捉試薬は、ポリヌクレオチドを固定化した磁気応答性粒子、ポリヌクレオチド捕捉プローブ、および標的核酸を含む細胞を溶解するのに充分な試薬を含有する。細胞溶解後、標的核酸は、第一組の所定ハイブリダイゼーション条件下にて、1個またはそれ以上の捕捉プローブを用いて、ハイブリダイゼーションに利用可能であり、各捕捉プローブは、ヌクレオチド塩基配列領域を有し、これは、標的核酸の少なくとも1個に含有されたヌクレオチド塩基配列領域にハイブリダイズできる。第二組の所定ハイブリダイゼーション条件下では、固定化ポリヌクレオチドのホモポリマー末端(例えば、オリゴ(dT))は、この捕捉プローブに含有された相補的なホモポリマー末端(例えば、オリゴ(dA))とハイブリダイズでき、それにより、標的核酸を固定化する。標的捕捉方法および溶解手順は、当該分野において周知であり、背景の節(上記)で、さらに詳細に記述されている。
【0134】
コンテナ保持具バネ408は、各コンテナホルダー406の壁で形成された側方スロットに架かり、バネ408と反対のホルダー406内部周壁の部分に向かってコンテナ440を押し付けることにより、コンテナホルダー406内でコンテナ440を保持するのを助ける。
【0135】
各コンテナホルダー406は、シャフトブロック構造体432により、付随する垂直シャフト423に固定されている。シャフトブロック構造体432は、曲線末端部を含み、これは、円筒形コンテナホルダー406の内側に適合し、コンテナホルダー406は、ファスナー434により、ブロック432に固定されている。ほぼ円形の開口部449は、シャフト423を受容する。スロット438は、開口部449からブロック432の末端(これは、コンテナホルダー406の内側まで広がらない)へと広がり、そして、第二スロット436は、片持ちアーム435を規定するために、スロット438にほぼ垂直に、ブロック432の縁部から広がる。小ネジ437は、ブロック432を通って側方に形成された貫通穴441を通って、アーム435を通って側方に形成されたネジ付き穴447へと延びている。ネジ437を締めるにつれて、アーム435は反り、それにより、開口部449をシャフト423の回りで締める。
【0136】
シャフトブロック構造体432、シャフト423およびコンテナホルダーベアリング415(これは、各コンテナホルダー406に付随している)は、各コンテナホルダー406に付随した好ましいコンテナホルダー取付構造体を規定し、これは、コンテナホルダー406をターンテーブル414に取り付けてコンテナホルダー406をシャフト423の回転軸412の周りで回転させるように、構成され配置されている。
【0137】
コンテナホルダー遊星歯車422は、シャフト423の対向末端に装着されている。遊星歯車422は、静止太陽歯車416と操作可能に係合する。駆動プーリ418は、中心シャフト428に装着され、そして駆動ベルト(図示せず)により、駆動モーター420に連結されている。駆動モーター420は、好ましくは、ベース402の下のジグプレート130にある開口部(図示せず)を通って延びるように、取り付けられる。駆動モーター420は、好ましくは、ステッパーモーターであり、最も好ましくは、VEXTAステッパーモーターのモデル番号PK264−01A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motor Co.Ltd.から入手できる)である。駆動モーター420は、駆動ベルトおよび駆動プーリ418を介して、中心シャフト428およびそれに装着されたターンテーブル414を回転させる。ターンテーブルフレーム414が中心シャフト428の中心線の周りに回転するにつれて、太陽歯車416と係合した遊星歯車422は、シャフト423およびそれに装着されたコンテナホルダー406を、ターンテーブルフレーム414のアーム444の末端で回転させる。各コンテナホルダー406は、好ましくは、その回転軸410が付随シャフト423の回転軸412からずれる(offset)ように、取り付けられる。それゆえ、各コンテナホルダー406は、付随シャフト423の軸412の周りで、偏心的に回転する。従って、遊星歯車422および太陽歯車416は、回転運動連結要素を構成し、これは、ターンテーブル414がシャフト428の回転軸の周りで回転するにつれて、コンテナホルダー406をシャフト423の各個の回転軸の周りで回転させるように、構成され配置されている。
【0138】
バーコードスキャナー装置405は、好ましくは、ブラケット403に取り付けられ、各コンテナホルダー406に形成されたスキャナースロット407を通し、コンテナ440のバーコード情報を読み取る。好ましいスキャナーは、モデル番号NFT1125/002RLスキャナーであり、これは、Orangeburg,New YorkのOpticon,Inc.から入手できる。
【0139】
多軸ミキサ400は、通常、分析器50の操作中に回転して、コンテナ440の流体内容物を攪拌し、それにより、その標的捕捉試薬を懸濁液として保持し、ピペットユニット456がこれらのコンテナの1個から一定量の混合物を引き出すために、ほんの短い間だけ停止する。ピペットユニット456は、そのたびに、同じ位置で、ボルトから混合物を引き出す。従って、混合物が引き出されるボトルがそのたびに特定できるように、これらのボトルの位置をモニターするのが望ましい。
【0140】
4個のスロット付き光学センサ426(この各々は、光学エミッタおよび検出器を含む)は、90°の間隔をあけて、固定ベース402の円周の回りで配置されている。Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる光学センサ(モデル番号OPB490P11)が、好ましい。センサタブ424は、ターンテーブル414のアーム445の末端で、拡張部417から下に延びている。センサタブ424がセンサ426を通るとき、このエミッタと検出器との間の連絡が断たれ、それにより、「コンテナ存在」信号を与える。タブ424は、1位置(例えば、第一容器位置)のみに設けられる。この第一容器の位置を知ることにより、残りの容器(これらは、第一容器に対して、固定されている)の位置もまた分かる。
【0141】
多軸ミキサ400には、出力およびデータコネクタを介して、出力信号および制御信号が与えられる。多軸ミキサ400が回転および偏心回転により混合をもたらす間、他の混合方法(例えば、振動、反転など)が、使用され得る。
【0142】
(標本調製手順)
標本調製を開始するために、ピペットユニット456は、多軸ミキサ400に備えられたコンテナ440から、MTU160の容器(receptacle vessel)162の各々へと、標的捕捉試薬(好ましくは、マグ−オリゴ(mag−oligo)試薬)を運搬するように、移動する。この標的捕捉試薬は、標的分析物に結合して固定化できる支持材料を含有する。この支持材料は、好ましくは、磁気応答性粒子を含む。この標本調製手順の開始時にて、右側ピペットアセンブリ450のピペットユニット456は、プローブ457がトレイ372の1個でピペットチップ上に操作可能に配置された位置へと、側方および長手軸方向に移動する。
【0143】
チップトレイ372は、このピペットチップとピペットユニット456の管状プローブ457との間で正しい位置決めを達成するために、正しく位置づけられるように、ピペットチップホイール350上に備えられる。ピペットユニット456は、下に移動して、管状プローブ457の自由端をピペットチップの開放末端に挿入し、このピペットチップと摩擦によって噛み合う。ピペットユニット456に好ましく使用されるCavroプロセッサは、カラー(図示せず)を含み、これは、Cavroプロセッサに特有である。このカラーは、ピペットチップが管状プローブ457の末端と摩擦により噛み合うとき、僅かに上方へ移動し、位置ずれしたカラーは、ピペットユニット456上の電気スイッチを作動させて、ピペットチップが存在していることを立証する。もし、(例えば、トレイ372でチップが欠けていることまたは誤整列のために)チップの取り上げがうまくいかないなら、存在しないチップの信号が発生し、ピペットユニット456は、異なるチップ位置で、再試行チップ噛み合いへと移動し得る。
【0144】
このアッセイマネージャプログラムにより、多軸ミキサ400は、簡単に回転を停止し、その結果、ピペットユニット456は、一定位置まで移動でき、管状プローブ457と、ピペットユニット456の装着したピペットチップは、固定コンテナ440のうちの1個の上で、整列される。ピペットユニット456は、管状プローブ457に装着されたピペットチップをコンテナ440まで下げ、そして所望量の標的捕捉試薬をこのピペットチップへと引き入れる。ピペットユニット456は、次いで、コンテナ440からプローブ457を移動させ、多軸ミキサ400が回転を再開し、ピペットユニット456は、開口部252および標本移動ステーション255の上の位置まで移動する。次に、ピペットユニット456は下降し、開口部252を通して、このピペットチップおよび管状プローブ457を移動させて、必要量の標的捕捉物(典型的には、100〜500μl)を、1つ以上のMTU160の容器162へと分配する。この標的捕捉試薬は、このピペットチップへのみ入れられ、プローブ457それ自体へは引き入れられないのが好ましい。さらに、このピペットチップは、MTU160の全5個の導管162に対して充分な試薬を保持するのに充分な容積であるのが好ましい。
【0145】
標的捕捉試薬が移動した後、ピペットユニット456は、次いで、チップ処分チューブ342上の「チップ廃棄」位置に移動し、この場所で、この使い捨てピペットチップは、ピペットユニット456の管状プローブ457の末端から離れて押されるかまたは排出されて、チューブ342を通って、固形廃棄物コンテナの方へと落ちる。光学センサ(図示せず)は、チューブ342に隣接して配置され、チップを廃棄する前に、標本ピペットアセンブリ450は、ピペットユニット456を、このセンサの感知位置へと移動させる。このセンサは、チップが管状プローブ457の末端と噛み合っているか否かを検出して、このチップが、依然として、ピペットユニット456の管状プローブ457で保持されていることを立証し、それにより、このチップが標本調製を通じて管状プローブ457にあったことを確認する。好ましいセンサは、広間隔のスロット付きセンサ、モデルOPB900W(これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる)である。
【0146】
好ましくは、このピペットチップは、ピペットユニット456の管状プローブ457上のカラー(図示せず)により、排出される。このカラーは、管状プローブ457が上げられた場合、ハードストップと噛み合い、その結果、プローブ457は、上昇し続け、このカラーは、固定されたままになり、このピペットチップの上端と噛み合って、それにより、それを強制的に管状プローブ457から離す。
【0147】
この標的捕捉試薬をピペットで取り出してこのピペットチップを廃棄した後、ピペットユニット456のプローブ457は、チップ洗浄ステーションベースン346にて、管状プローブ457を通って蒸留水を流すことにより、洗浄され得る。このチップ洗浄水は、集められて、液体廃棄物コンテナへと下に排出される。
【0148】
この試薬分配手順に続いて、右ピペットアセンブリ450上のピペットユニット456は、ピペットユニット456の管状プローブ457がチップトレイ372のうちの1個の上の新しいピペットチップの上で中心に置かれる位置まで、側方および長手軸方向に移動する。チップをうまく噛み合わせた後、ピペットユニット456は、標本調製開口部252に隣接した標本リング250に戻り、カバープレート138の開口部140、142の1個と整列した標本チューブ320から、試験標本(約25〜900μl)を引き出す。両方の開口部140、142は、プレート138上へこぼれた任意の流体が開口部140、142へと流れないように、上方に延びている周囲フランジを含む。ピペットユニット456は、次いで、標本運搬ステーション255にて、MTU160の上を移動し、開口部252を通って下に移動し、試験標本を、MTU160(標的捕捉試薬を含む)の容器162の1個へと分配する。ピペットユニット456は、次いで、チップ処分チューブ342上の「チップ廃棄」位置に移動し、この使い捨てピペットチップは、チューブ342へと排出される。ピペットユニット456は、次いで、ピペットチップホイール350から、新しい使い捨てピペットチップを取り上げ、標本リング250は、新しい標本チューブがピペットユニット456によってアクセス可能であるように、位置合わせされ、ユニット456は、この標本チューブへと移動して、そこから、この使い捨てピペットチップへと標本流体を引き入れ、ピペットユニット456は、次いで、標本運搬ステーション255上の位置へと移動し、標本流体を異なる容器162(これは、標的捕捉試薬を含む)へと分配する。このプロセスは、好ましくは、全ての5個の容器162が流体標本試料および標的捕捉試薬の組合せを含むまで、繰り返される。
【0149】
あるいは、分析器50により行われるアッセイプロトコル(単数または複数)に依存して、ピペットユニット456は、同じ試験標本物質を2個またはそれ以上の容器162へと分配し、この分析器は、これらのアリコートの各々に対して、同じかまたは異なるアッセイを実行し得る。
【0150】
ピペットユニット480、482に関して上で記述したように、ピペットユニット456はまた、容量レベル感知性能も備える。管状プローブ457の末端で使用されるピペットは、好ましくは、導電性材料から作製され、その結果、容量レベル感知は、たとえ管状プローブ457の末端にチップが備えられている場合でも、ピペットユニット456を使って実行され得る。このピペットユニットが試験標本分配手順を完結した後、ピペットユニット456は、その流体レベルの頂部が静電容量の変化により検出されるまで、管状プローブ457を容器162へと下に移動し戻す。管状プローブ457の垂直位置は、容器162に適切な量の流体材料が含有されているかどうかを決定するために、記される。容器162での充分な材料の欠乏は、試験標本(これは、管状プローブ457の末端でこのチップを凝固し得、そして試験標本材料のチップの適切な吸引を妨げ得、そして/またはチップからの試験標本の適切な分配を妨げ得る)での凝固により、起こり得る。
【0151】
標本移動後、このピペットチップは、上記のように、チップ廃棄チューブ342へと捨てられる。再度、このピペットユニットの管状プローブ457は、所望ならば、蒸留水で洗浄できるが、このプローブの洗浄は、典型的には、不要である。何故なら、好ましい操作方法では、標本材料は、この使い捨てピペットチップと接触するにすぎないからである。
【0152】
このアッセイマネージャプログラムは、ピペットユニット制御ロジックを包含し、これは、ピペットユニット456、480、482の運動を制御し、好ましくは、ピペットユニット456を、ピペットユニット456が管状プローブ457を標本チューブ320上に配置して試験標本を引き出すとき、または標本チューブ320が標本カバーのプレート138の下にあるときを除いて、標本リング250上の標本チューブ320を決して通り過ぎないような様式で、移動させる。このようにして、ピペットユニット450の管状プローブ457から別の標本チューブの意図しない流体滴(これは、相互汚染を生じる)は、回避される。
【0153】
以下の標本調製に従って、MTU160は、右側運搬機構500により、その標本運搬ステーションから、右軌道ミキサ550(ここで、この標本/試薬混合物は、混合される)まで移動される。軌道ミキサ550、552の構造および操作は、以下でさらに詳細に記述する。
【0154】
MTU160を、右側運搬機構500により、この標本運搬ステーションから引き出した後、入力列(input queue)150内の反応受容器シャトルアセンブリは、次のMTUを、右側運搬機構500(これは、次のMTUを、この標本運搬ステーションへと移動する)により回収される位置へと前進させる。次いで、次のMTUに対して、標本調製手順が繰り返される。
【0155】
(運搬機構)
右側および左側運搬機構500、502を、今ここで、詳細に記述する。
図13〜16を参照すると、右側運搬機構500は、(左側運搬機構502と同様に)、操作フック部材を有し、これは、図示した実施形態では、プレート512上のスロット510に放射状にスライドして移動可能なフック取付構造体508から延びている伸長可能分配器フック506を含む。プレート512の上部にあるハウジング504は、開口部505を有し、これは、MTU160の上部を受容するように、構成されている。プレート512に取り付けられたステッパーモーター514は、ネジ付きシャフト516を回転させ、これは、リードネジ機構と共に、
図13および15で示した伸長位置から、
図14で示した後退位置まで、分配器フック506を移動し、モーター514およびネジ付きシャフト516は、好ましいフック部材駆動アセンブリの要素を構成する。ステッパーモーター514は、好ましくは、改良型HSIシリーズ46000である。HSIステッパーモーターは、Waterbury,ConnecticutのHaydon Switch and Instrument,Inc.から入手できる。このHISモーターは、ネジ付きシャフト516の一端からネジを機械切削することにより、改良されており、その結果、シャフト516は、フック取付構造体508を受容できる。
【0156】
ハウジング504、モーター514およびプレート512は、好ましくは、合致したシュラウド507により、覆われる。
【0157】
図16で示すように、ステッパーモーター518は、ベルト519を介して、プーリ520を回転する。(VEXTAステッパーモーター、モデル番号PK264−01A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motor Co.Ltd.から入手できる)およびSDPタイミングベルト、モデル番号A6R51M200060(これは、New Hyde Park,New YorkのSDP/SIから入手でき、好ましい))。プーリ520は、好ましくは、特注プーリであり、その周囲には、162個の軸溝が配置されている。主要シャフト522は、独特の形状の取付ブロック523によってプレート512に固定的に装着され、ベース524を通って下に延び、そしてプーリ520に固定される。ベース524は、ベース524の外周の周りに形成された開口部525を通って延びている機械的ファスナーによって、データプレート(datum plate)82に取り付けられている。フレックス回路526は、フック取付構造体508およびモーター514に出力信号および制御信号を提供し、この間、プレート512(およびこのプレートに備えられた要素)を、ベース524に関して340°程度に回転するのに充分に旋回させる。運搬機構アセンブリ500、502は、好ましくは、このユニットの回転移動経路のいずれかの末端にて、ハードストップ(図示せず)を含む。
【0158】
アーム位置エンコーダ531は、好ましくは、主要シャフト522の末端に取り付けられている。このアーム位置エンコーダは、好ましくは、絶対エンコーダである。Seattle,WashingtonのU.S.Digital製のA2シリーズエンコーダ(モデル番号、A2−S−K−315−H)が好ましい。
【0159】
このアッセイマネージャプログラムは、モーター518および514およびフック取付構造体508に制御信号を提供して、分配器フック506がMTU160上のMTU操作構造体166と噛み合うように命令する。フック506が噛み合うと、モーター514は、シャフト516を回転するように、電圧を加えられ得、それにより、フック506およびMTU160をハウジング504へと引き戻す。MTU160は、MTU160の接続リブ構造体164がスロット510に隣接するプレート512の対向縁部511と滑り噛み合いすることによって、運搬機構500、502により、確実に保持される。プレート512は、それにより、好ましい受容器キャリアアセンブリの1要素を構成し、これは、回転軸(例えば、シャフト522の軸)の周りに回転可能であるように、そして反応受容器(例えば、MTU160)を受容し運ぶように、構成され配置されている。モーター518は、ベルト519を介して、プーリ520およびシャフト522を回転でき、それにより、ベース524に対してプレート512およびハウジング504を回転する。それゆえ、ハウジング504を回転することにより、噛み合ったMTUの配向が変化し、それにより、このMTUを、処理デッキ上の異なるステーションと整列させる。
【0160】
ハウジング504内の分配器フック506の位置を表示するために、ハウジング504の対向側面には、センサ528、532が設けられる。センサ528は、移動終端(end−of−travel)センサであり、そしてセンサ532は、ホームセンサである。センサ528、532は、好ましくは、スロット付き光学センサであり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる(モデル番号、OPB980T11)。ホームセンサ532については、そのセンサビームは、フック506がその完全に後退した位置にあるとき、フック取付構造体508から延びているホームフラッグ536により、断絶される。移動終端センサ528のビームは、フック506が完全に伸長したとき、フック取付構造体508の反対側から伸長している移動終端フラッグ534により、断絶される。
【0161】
ハウジング504の側面に取り付けられたMTU存在センサ530は、ハウジング504内のMTU160の存在を感知する。センサ530は、好ましくは、SUNX赤外線センサであり、これは、West Des Moines,IowaのSUNX/Ramco Electric,Inc.から入手できる。
【0162】
(温度ランピングステーション)
1個またはそれ以上の温度ランピングステーション700は、好ましくは、ジグプレート130および標本リング250の下に配置される(標本リング250の下に位置している温度ランピングステーションは、図面では、示されていない)。MTU160の内容物を軌道ミキサ550内で混合した後、右側運搬機構500は、そのアッセイプロトコルに依存して、右軌道ミキサー550から、温度ランピングステーション700へと、MTU160を移動し得る。
【0163】
各ランピングステーション700の目的は、MTU160およびその内容物の温度を、望ましいように、上下に調節することにある。このMTUおよびその内容物の温度は、このインキュベータ内での大きな温度変動を回避するために、このMTUをインキュベータに挿入する前に、インキュベータ温度に近づくように調節され得る。
【0164】
図17〜18で示すように、温度ランピングステーション700は、MTU160が挿入され得るハウジング702を含む。ハウジング702は、ランピングステーション700をデータプレート82に取り付けるための取付フランジ712、714を含む。熱電モジュール704(これはまた、ペルティエ装置として、知られている)は、吸熱構造体706と熱接触しているが、好ましくは、底部710にて、ハウジング702に装着される。好ましい熱電モジュールには、Trenton,New JerseyのMelcor,Inc.から入手できるもの(モデル番号、CP1.4−127−06L)がある。
図17では、1個の熱電性モジュール704が示されているものの、ランピングステーション700は、好ましくは、2個のこのような熱電モジュールを含む。あるいは、ハウジング702の外面は、このランピングステーションを加熱するためのマイラーフィルム耐熱箔材料(図示せず)で覆うことができる。適当なマイラーフィルム加熱箔は、Minneapolis,MinnesotaのMinco ProductsおよびLeavenworth,KansasのHeatron,Inc.から入手できる食刻箔である。ランプアップ(ramp−up)ステーション(すなわち、ヒーター)については、好ましくは、耐熱要素が使用され、また、ランプダウン(ramp−down)ステーション(すなわち、冷却機)については、好ましくは、熱電モジュール704が使用される。ハウジング702は、好ましくは、断熱ジャケット構造体(図示せず)で覆われる。
【0165】
熱電モジュール704と共に使用される吸熱構造体は、好ましくは、アルミニウムブロック(そこから、熱発散フィン708が延びている)を含む。
【0166】
温度をモニターするために、好ましくは、ハウジング702上または内の位置で、2個の熱センサ(図示せず)(好ましくは、25℃で10KOhmと見積もられるサーミスタ)が設けられる。Yellow Springs,OhioのYSI,Inc.から入手できるYSI44036シリーズサーミスタが好ましい。YSIサーミスタは、その高い精度および一方のサーミスタから他方のサーミスタへとYSIサーミスタが与える±0.1℃の相互互換性のために、好ましい。これらの熱センサの一方は、一次温度制御のためにあり、すなわち、このランピングステーション内の温度を制御するための埋込み制御装置に信号を送り、そして他方の熱センサは、この一次温度制御熱センサの予備検査(back−up check)として、ランピングステーションの温度をモニターするためにある。埋込み制御装置は、これらの熱センサをモニターし、このランピングステーションの加熱箔または熱電モジュールを制御して、ランピングステーション700内にて、ほぼ均一な所望温度を維持する。
【0167】
MTU160は、ハウジングに挿入され得、MTU支持フランジ718(これは、MTU160の接続リブ構造体164と噛み合う)上で支持される。ハウジング702の側面パネルの前端では、切り欠き720が形成されている。切り欠き720により、運搬機構500または502の分配器フック506は、MTU160のMTU操作構造体166(これは、それに対する側方運動により、温度ランピングステーション700に全面的に挿入される)を噛み合わせまたは外すことが可能になる。
【0168】
(回転インキュベータ)
このアッセイ手順の一般的な記述と連続して、ランピングステーション700での充分な温度ランプアップに続いて、右側運搬機構500は、ランプステーション700から、MTUを回収し、そしてMTU160を標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600に置く。分析器50の好ましい操作モードでは、標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600は、約60℃で、MTU160の内容物をインキュベートする。ある種の試験のためには、このアニーリングインキュベーション温度は±0.5℃よりも大きく変わらないこと、および増幅インキュベーション(以下で記述する)温度は±0.1℃よりも大きく変わらないことが重要である。結果的に、これらのインキュベータは、一貫した均一な温度を与えるように、設計されている。
【0169】
今ここで、回転インキュベータ600、602、604および606の2つの実施形態の構造および操作の詳細を記述する。
図19〜23を参照すると、これらのインキュベータの各々は、略円筒形部分610を備えたハウジングを有し、これは、断熱ジャケット612および断熱カバー611内で、データプレート82に適当に取り付けられている。
【0170】
円筒形部分610は、好ましくは、ニッケルメッキした鋳造アルミニウムから構成されており、また、カバー611の金属部分は、好ましくは、機械切削したアルミニウムである。円筒形部分610は、好ましくは、3個またはそれ以上の樹脂「フィート」609の頂上のデータプレート82に取り付けられている。フィート609は、好ましくは、General Electric Plasticsから供給されたUltemU−1000から形成される。この材料は、熱伝導性に乏しい材料であり、従って、フィート609は、このインキュベータをこのデータプレートから隔離するように機能する。断熱材612およびカバー611用断熱材は、好ましくは、Pleasantown,CaliforniaのBoyd Corporationから供給される1/2インチ厚のポリエチレンから構成される。
【0171】
円筒形部分610では、受容器アクセス開口部614、616が形成されており、ジャケット612では、協同受容器アクセス開口部618、620が形成されている。インキュベータ600および602に対して、アクセス開口部セットの一方は、右側運搬機構500によりアクセス可能であるように、位置づけられており、そしてアクセス開口部の他方のセットは、左側運搬機構502によりアクセス可能であるように、位置づけられている。インキュベータ604および606は、左側運搬機構502によってのみアクセス可能である必要があり、従って、単一の受容器アクセス開口部だけを有する。
【0172】
回転ドア622、624を含む閉鎖機構は、開口部614および616内に、回転可能に配置される。各回転ドア622、624は、中実円筒体を通って延びているMTUスロット626を有する。MTUスロット626は、その下部と比較して上部が広くなっており、MTU160の外形にかなり一致するように構成される。ドアローラー628、630は、それぞれドア622、624の各々の頂部に取り付けられている。回転ドア622、624は、ソレノイド(図示せず)(これは、このアッセイマネージャプログラムからの命令により制御される)により作動されて、適切な時点で、ドア622,624を開閉する。ドア622または624は、そのMTUスロット626が各個のアクセス開口部614、616と整列するようにドア622、624を回転することにより、開かれ、また、そのMTUスロット626が各個の受容器アクセス開口部614、616に対して横に延びるようにドア622、624を回転することにより、閉じられる。円筒形部分610、カバー611、ドア622、624、および床パネル(図示せず)は、このインキュベーションチャンバを規定する囲壁を構成する。
【0173】
ドア622、624は、MTUのインキュベータへの挿入、またはそこからのMTUの回収を可能にするために開かれ、また、このインキュベータからアクセス開口部614、616を通る熱損失を最小にするために、他の全ての時点で、閉じられる。
【0174】
中心に配置された放射状ファン632は、内部ファンモーター(図示せず)により、駆動される。Papst(モデル番号RER 100−25/14)遠心ファン(これは、Farmington,Connecticutのebm/Papstから入手できる)は、24VDCモーターを有していて、32cfmで評価されるのが、その形状がこのインキュベータ内での用途にうまく合うので、好ましい。
【0175】
今ここで、
図22を参照すると、MTUカルーセルアセンブリ671は、好ましい受容器キャリアであり、これは、このインキュベータ内にある複数の放射状に配向され周囲に配置されたMTU160を運ぶ。MTUカルーセルアセンブリ671は、上板642で運ばれ、これは、このハウジングの円筒形部分610により、支持されており、そして好ましくは、上板642の周縁で支持された回転モーター640(好ましくは、ステッパーモーター)により、作動される。回転モーター640は、好ましくは、VEXTAステッパーモーターのモデル番号PK246−01A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motor Co.Ltd.から入手できる)である。
【0176】
MTUカルーセル671は、ハブ646を含み、これは、上板642の下に配置され、そして上板642を通って延びているシャフト649を経由して、プーリ644に連結されている。プーリ644は、好ましくは、特注プーリであり、その周囲に配置された162個の軸溝を備え、そしてベルト643によって、モーター640に連結されて、その結果、モーター640は、ハブ646を回転し得る。ベルト643は、好ましくは、New
Hyde Park,New YorkのSDP/SIから入手できるGT(登録商標)シリーズタイミングベルトである。プーリ644とモーター640との間に、好ましくは、9:1の比が設けられる。ハブ646は、複数の等間隔を置いて配置された内部空気流スロット645を有し、これは、必要に応じて、放射状に配向され周囲に配置された仕切り壁647により、分離されている。説明図では、仕切り壁647が3個だけ示されているが、仕切り壁647は、ハブ646の全周囲の周りに仕切り壁を設けられ得ることが理解される。好ましい実施形態では、仕切り壁647は、省略される。支持ディスク670は、ハブ646に装着され、上板642の下で、それとほぼ平行関係で配置されている。支持ディスク670の下部には、複数の放射状に延び周囲に配置されたMTU保持部材672が装着されている(明瞭にするために、3個のMTU保持部材672のみが示されている)。MTU保持部材672は、その対向面に沿って延びている支持リッジ674を有する。放射状に配向されたMTUは、周囲で隣接しているMTU保持部材672により規定されるステーション676内で、MTUカルーセルアセンブリ671に備えられ、支持リッジ674は、MTUカルーセルアセンブリ671で運ばれる各MTU160の接続リブ構造体164を支持している。
【0177】
このMTUカルーセルアセンブリは、駆動プーリ(図示した実施形態では、644)が装着されたカルーセル駆動シャフトにて、回転する。このカルーセル駆動シャフトの外部末端には、好ましくは、カルーセル位置エンコーダが取り付けられている。このカルーセル位置エンコーダーは、好ましくは、スロット付きホイールおよび光学スロットスイッチの組合せ(図示せず)を含む。このスロット付きホイールは、カルーセルアセンブリ671と連結され得、それと共に回転し、そして、光学スロットスイッチは、静止状態にするために、このハウジングの円筒形部分610または上板642に固定され得る。スロット付きホイール/スロットスイッチの組合せは、カルーセルアセンブリ671の回転位置を表示するのに使用され得、そして「ホーム」位置(例えば、#1ステーションと命名されたMTUステーション676がアクセス開口部614の前にある位置)を表示し得る。Seattle,WAのU.S.Digital製のA2シリーズエンコーダ(モデル番号A2−S−K−315−H)が好ましい。
【0178】
円筒形部分610およびカバー611を含むインキュベータハウジング内で規定されたインキュベータチャンバと熱連絡して、熱源が設けられている。好ましい実施形態では、マイラーフィルムを入れた電気抵抗性の加熱箔660がハウジング610を取り囲んでおり、同様に、カバー611に装着され得る。好ましいマイラーフィルム加熱箔には、Minneapolis,MinnesotaのMinco ProductsおよびLeavenworth,KansasのHeatron,Inc.から入手できる食刻箔がある。代替の熱源は、内部に取り付けた抵抗性加熱要素、熱電加熱チップ(Peltiers)、または遠隔熱発生機構(これは、導管などにより、このハウジングに熱的に接続されている)を含み得る。
【0179】
図19および22で示すように、ピペットスロット662は、インキュベータカバー611を通って延びており、放射状に整列されたピペット穴663は、上板642を通って延びており、そしてピペットスロット664は、各MTUステーション676の上の支持ディスク670にて形成され、ピペットで試薬をインキュベータ内に配置されたMTUに入れることが可能となる。好ましい操作モード用の分析器50の好ましい実施形態では、これらのインキュベータの2個だけ、すなわち、増幅インキュベータ604およびハイブリダイゼーション保護アッセイインキュベータ606が、ピペット穴663ならびにピペットスロット662および664を含む。何故なら、好ましい操作モードでは、流体がこのインキュベータ内にある間にMTU160へと分配される場所は、これら2個のインキュベータだけであるからである。
【0180】
上板642には、2個の温度センサ666(好ましくは、サーミスタ(25℃で10KOhm))が位置づけられている。Yellow Springs,OhioのYSI,Inc.から入手できるYSI44036シリーズサーミスタが好ましい。YSIサーミスタは、その高い精度および一方のサーミスタから他方のサーミスタへとYSIサーミスタにより与えられる±0.1℃の相互互換性のために、好ましい。センサ666の一方は、一次温度制御のためにあり、すなわち、このインキュベータ内の温度を制御するための埋込み制御装置に信号を送り、そして他方のセンサは、この一次温度制御熱センサの予備検査として、このインキュベータの温度をモニターするためにある。埋込み制御装置は、センサ666をモニターし、加熱箔660およびファン632を制御して、インキュベータハウジング610内にて、均一な所望温度を維持する。
【0181】
運搬機構500、502がMTU160をインキュベータ600、602、604または606に装填する準備ができるにつれて、モーター640はハブ646を回転して、空のMTUステーション676を、受容器アクセス開口部614(または616)と整列させる。これが起こるにつれて、そのドア作動ソレノイドは、それに対応して、回転ドア622(または624)を1/4回転だけ回転して、このドアのMTUスロット626をMTUステーション676と整列させる。アクセス開口部614は、それにより、露出されて、MTU160の配置または取り外しを可能にする。運搬機構500または502は、次いで、分配器フック506を、その後退位置から伸長位置へと前進させて、MTU160を、ハウジング504から、アクセス開口部614を通って、このインキュベータ内のMTUステーション676へと押す。分配器フック506が引き出された後、モーター640は、ハブ646を回転して、先に挿入したMTU160をアクセス開口部614から離れてシフトして、回転ドア622は、再度、閉じる。この手順は、この回転インキュベータに挿入される次のMTUに対して、繰り返される。装填した各MTUのインキュベーションは、そのMTUがこのインキュベータの回りで(反時計方向)出口スロット618の方へと前進するにつれて、継続する。
【0182】
MTUステーション676の各々にあるMTUセンサ(好ましくは、赤外光反射センサ)は、このステーション内のMTU160の存在を検出する。Optek Technology,Inc.のセンサ(モデル番号OPB770T、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる)は、これらのセンサがインキュベータの高温環境に耐える性能があるため、そして、これらのセンサがMTU160のラベル受容構造体174のラベル受容面175に固定されたバーコードデータを読み取る性能があるために、好ましい。それに加えて、各ドアアセンブリ(回転ドア622、624またはドアアセンブリ650)は、好ましくは、ドアの開閉位置を表示するスロット付き光学センサ(図示せず)を含む。Carrollton,texasのOptek Technology,Inc.から入手できるセンサ(モデル番号OPB980T11)は、比較的微細な解像度によりドア位置の正確なモニタリングが可能なため、好ましい。MTUカルーセルアセンブリ671に隣接するハウジング610内には、斜めデッスク線形ミキサ(これはまた、揺れ動く(wobbler)プレートとしても、公知である)634が設けられ、受容器混合機構として、作動する。ミキサ634は、モーター636のシャフトに斜めに取り付けたディスクを含み、これは、開口部635を通って、ハウジング610へと延びている。このモーターは、好ましくは、VEXTAステッパーモーターのモデル番号PK264−01A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motors Ltd.から入手できる)であり、MTUカルーセルアセンブリ671用に好ましく使用されるモーターと同じモーターである。このモーターの高調波(これは、このモーターを失速し得る)を減衰するために、モーター636には、好ましくは、粘性高調波減衰器(viscous harmonic damper)638が装着される。好ましい高調波減衰器には、Oriental Motors
Ltd.から入手できるVEXTA高調波減衰器がある。この斜めディスク線形ミキサ634の操作は、以下で記述する。
【0183】
これらのインキュベータのうちの2個だけ、すなわち、増幅インキュベータ604およびハイブリダイゼーション保護アッセイインキュベータ606が、斜めディスク線形ミキサ634を含む。何故なら、好ましい操作モードでは、流体がこのインキュベータ内にある間にMTU160へと分配される場所は、これらの2個のインキュベータだけであるからである。それゆえ、増幅インキュベータ604およびハイブリダイゼーション保護アッセイインキュベータ606において、斜めディスク線形ミキサ634によるMTU160の線形混合を提供する必要があるに過ぎない。
【0184】
このインキュベータにおいて、線形ミキサ634でMTU160の線形混合を行うためには、MTUカルーセルアセンブリ671は、MTU160を移動して、斜めディスク線形ミキサ634と整列させ、斜めディスク線形ミキサ634の斜めディスクは、MTU160のMTU操作構造体166と噛み合う。モーター636が斜めディスク線形ミキサ634の斜めディスクを回転させるにつれて、この斜めディスク構造体のうちMTU160と噛み合った部分は、ハウジング610の壁に対して内外に半径方向に移動して、それにより、MTU操作構造体166の垂直片167およびシールド構造体169と交互に噛み合う。従って、斜めディスク線形ミキサ634と噛み合ったMTU160は、好ましくは、高い振動数で、内外に半径方向に移動して、MTU160の内容物を線形混合する。好ましい操作モードの増幅インキュベーション工程(これは、増幅インキュベータ604内で起こる)には、10Hzの混合振動数が好ましい。好ましい操作モードのプローブインキュベーション工程(これは、ハイブリダイゼーション保護アッセイインキュベータ606内で起こる)には、14Hzの混合振動数が好ましい。最後に、この好ましい操作モードの選択されたインキュベーション工程(これもまた、ハイブリダイゼーション保護アッセイインキュベータ606内で起こる)には、13Hzの混合振動数が好ましい。
【0185】
MTU160と斜めディスク線形ミキサ634との間の摩擦を最小にするために、斜めディスク線形ミキサ634とMTU160との間の表面接触を最小にするように、MTU160の垂直片167およびシールド構造体169の凸面の中間部には、それぞれ、盛り上がったアーチ形部分171、172が設けられている(
図47を参照)。
【0186】
好ましい実施形態では、斜めディスク線形ミキサ634が
図21で示す「ホーム」位置で回転を停止するのを保証するために、斜めディスク線形ミキサ634には、センサが設けられており、その結果、MTU操作構造体166は、MTUカルーセルアセンブリ671が回転するにつれて、斜めディスク線形ミキサ634と噛み合ったりそこから外れたりできる。好ましい「ホーム」センサには、この斜めディスク線形ミキサ構造体から側方に延びているピン、およびスロット付き光学スイッチ(これは、このピンがこの光学スイッチのビームを遮断するとき、この斜めディスク線形ミキサアセンブリの配向を検証する)がある。磁性を基準にしたホール効果(hall effect)センサもまた、使用され得る。
【0187】
代替のMTUカルーセルアセンブリおよびカルーセル駆動機構は、
図23Aおよび23Cで示されている。
図23Aで示すように、この代替のインキュベータは、ハウジングアセンブリ1650(これは、一般に、ニッケルメッキした鋳造アルミニウムから構成された円筒形部分1610を含む)、カバー1676(これは、好ましくは、機械切削したアルミニウムから形成されている)、カバー1676用断熱材1678、および断熱ジャケット1651(これは、円筒形部分1610を取り囲んでいる)を含む。先に記述したインキュベータ実施形態と同様に、このインキュベータは、線形ミキサ機構を含み得、これは、高調波減衰器638付きの線形ミキサモーター636を含む。閉鎖機構1600(下記)は、受容器アクセス開口部1614に仕切りをするかまたはそこを通るアクセスを可能にすめように、作動する。先に記述した実施形態と同様に、このインキュベータは、分析器50内でのインキュベータの位置およびその機能に依存して、1個または2個のアクセス開口部1614を含み得る。
【0188】
ハウジング1650の下部には、遠心ファン632が取り付けられ、モーター(図示せず)で駆動される。ファンカバー652は、このファンの上に配置されるが、ファン632により発生する空気を流すのを可能にするのに充分な開口部を含む。カルーセル支持シャフト1654は、下部シャフト1692および上部シャフト1690を含み、これらは、支持ディスク1694により、分離されている。支持シャフト1654は、ファンカバー1652へと下に延びている下部シャフト1692によって支持されており、この場所で、それは、ベアリング(図示せず)により、回転可能に支持され確保されている。
【0189】
MTUカルーセル1656は、中心部1696を有する上部ディスク1658を含む。支持ディスク1694の上面は、カルーセル1656の重量が下から支持されるように、上部ディスク1658の中心部1696の下面と噛み合って装着されている。
図23Cで示すように、上部ディスク1658の下には、複数の放射状に延びて円周方向で間隔を置いて配置されたステーション仕切板1660が装着されている。下部ディスク1662は、複数の放射フランジ1682を含み、これらは、環状内部1688から発出している。放射状フランジ1682は、数および間隔において、カルーセルステーション仕切板1660に対応しており、下部ディスク1662は、各フランジ1682が仕切板1660の付随した1個に確保されて、カルーセルステーション仕切板1660の下面に確保されている。
【0190】
放射状フランジ1682は、隣接対のフランジ1682間にて、複数の放射状スロット1680を規定している。
図23Cから分かり得るように、その内部末端1686での各フランジ1682の円周方向の幅は、その外部末端1684でのフランジ1682の円周方向の幅よりも小さい。フランジ1682のテーパ付き形状は、スロット1680の対向側面が互いにほぼ平行になることを保証する。
【0191】
下部ディスク1662をカルーセルステーション仕切板1660の下に装着するとき、その各長さの少なくとも一部に沿ったこれらのフランジの幅は、各仕切板1660(これもまた、その外部末端から、その内部末端の方へと、テーパを付けられ得る)の幅よりも大きい。フランジ1684は、隣接対の仕切板1660の側面に沿って、隣接対の仕切板1660間で規定された各MTUステーション1663へと挿入されたMTU160の接続リブ構造体164を支持するための側方棚を規定する。
【0192】
上部ディスク1658の中心部1696の頂部には、プーリ1664が確保され、モーター1672は、ハウジング1650の直径に架かる取付ブラケット1670に備えられ、その対向末端で、このハウジングの円筒形部分1610に確保されている。このモーターは、好ましくは、Vexta PK264−01Aステッパーモーターであり、そしてベルト1666(好ましくは、Gates Rubber Companyにより供給されたもの)により、このプーリ(これは、このモーターに対して、9:1の比を有する)に連結されている。取付ブラケットの上部中心部1672には、位置エンコーダ1674が確保され、そしてカルーセル支持シャフト1654の上部シャフト1690と連結されている。エンコーダ1674(好ましくは、Vancouver,WashingtonのU.S.Digital CorporationによるA2シリーズの絶対エンコーダ)は、カルーセル1656の回転位置を表示する。
【0193】
インキュベータプレート1676(これは、好ましくは、機械切削したアルミニウムから形成されている)および適合しているカバー断熱要素1678により、インキュベータカバーが規定されている。カバープレート1676および断熱要素1678は、エンコーダ1674およびモーター1672を収容する適当な開口部を含み、また、その中に形成された放射状スロット(これは、上記実施形態に関して記述したように、このインキュベータ内で備えられたMTUに流体を分配するためにある)を含み得る。
【0194】
代替の好ましい閉鎖機構1600は、
図23Bで示されている。このインキュベータハウジングの円筒形部分1610は、少なくとも1個の受容器アクセス開口部1614を含み、アクセス開口部1614の対向側面に沿って、円筒形部分1610から、一体的に、外向きに突出している壁部分1616、1618が延びている。
【0195】
回転ドア1620は、このハウジングのうちアクセス開口部1614の上の円筒形部分1610に装着されたドア取付ブラケット1636によって、アクセス開口部1614に対して操作可能に取り付けられている。ドア1620は、アーチ形閉鎖パネル1622および横に延びているヒンジプレート部分1628(これは、ドア取付ブラケット1636の取付ポスト(図示せず)を受容するための穴1634を有する)を含む。ドア1622は、第一位置(この位置では、アーチ形閉鎖パネル1622は、突出している壁部分1616、1618と協同して、アクセス開口部1614を閉じる)と第二部分(これは、アクセス開口部1614に対して外向きに回転されて、アクセス開口部1614を通る受容器の移動を可能にする)との間で、アクセス開口部1614に対して、開口部1634の周りで回転可能である。アーチ形パネル1622の内部アーチ形面は、ドア取付ブラケット1636のアーチ形面1638、および受容器アクセス開口部1614の下に配置されたアーチ形面1619と適合して、表面1638および1619に対するアーチ形パネル1622の運動を可能にし、この間、その間の熱損失を最小にするために、各個の表面間では最小の間隙を設けている。
【0196】
ドア1620は、このハウジングのうち受容器アクセス開口部1614の下の円筒形部分1610に確保されたモーター取付ブラケット1640によって、このインキュベータハウジングに取り付けられたモーター1642により、作動される。モーターシャフト1644は、シャフト1644の回転が回転ドア1620の回転へと伝達されるように、回転ドア1620の下部作動プレート1626に連結されている。モーター1642は、最も好ましくは、HSI 7.5°パーステップ(per step)モーターであり、これは、Waterbury,ConnecticutのHaydon Switch and Instrument,Inc.から入手できる。このHSIモーターは、比較的に低価格であるために、また、閉鎖アセンブリ1600が高トルクの頑丈なモーターを必要としないために、選択される。
【0197】
ドア取付ブラケット1636の対向側面には、ドア位置センサ1646および1648(好ましくは、スロット付き光学センサ)が操作可能に取り付けられている。センサ1646および1648は、回転しているドア1620の相対位置を指示するために、ドア1620のヒンジプレート1628にあるセンサタブ1632および1630と協同しており、例えば、ドア開放およびドア閉鎖状態を指示するように構成できる。
【0198】
ドア取付ブラケット1636と回転ドア1620の一部とを覆うために、このハウジングの円筒形部分1610の外側には、ドアカバー要素1612が確保されている。カバー要素1612は、アクセス開口部1613(これは、このインキュベータハウジングのアクセス開口部1614と整列している)を含み、さらに、受容器ブリッジ1615(これは、アクセス開口部1613の底端から側方に延びている)を含む。受容器ブリッジ1615は、このインキュベータへの受容器(例えば、MTU160)の挿入およびそこからの受容器の引き出しを容易にする。
【0199】
MTU160および試験標本は、標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600にある間、好ましくは、捕捉プローブと標的核酸との間でのハイブリダイゼーションを可能にするのに充分な時間にわたって、約60℃±0.5℃の温度で保たれる。これらの条件下では、この捕捉プローブは、好ましくは、その磁気粒子に直接固定化されたポリヌクレオチドとハイブリダイズしない。
【0200】
標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600での標的捕捉インキュベーションに続いて、MTU160は、このインキュベータカルーセルにより、入口ドア622(これはまた、右側分配器ドアまたは第一分配器ドアとしても知られている)まで回転される。MTU160は、インキュベータ600内にて、そのMTUステーション676から回収され、次いで、右側運搬機構500により、標本リング250の下の温度ランプダウンステーション(図示せず)へと運搬される。このランプダウンステーションでは、このMTUの温度は、次のインキュベータのレベルへと低下される。このランプダウンステーションは、活性温度および先行読み取りクールダウン(active temperature and pre−read cool−down)インキュベータ602に先行しており、技術的には、冷却機ではなく、ヒーターである。何故なら、このMTUが下降した温度(約40℃)は、依然として、周囲の分析器の温度(約30℃)よりも高いからである。従って、このランプダウンステーションは、好ましくは、熱電モジュールではなく、抵抗性加熱要素を使用する。
【0201】
このランプダウンステーションから、MTU160は、右側運搬機構500により、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602へと運搬される。活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602の設計および操作は、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602が40±1.0℃でインキュベートすること以外は、上記のような標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600の設計および操作と類似している。
【0202】
ATインキュベータ602では、そのハイブリダイゼーション条件は、固定化したポリヌクレオチドのポリチミジン尾部がその捕捉プローブのポリアミン尾部へとハイブリダイズできるようなものである。標的核酸が、アニーリングインキュベータ600にて、この捕捉プローブとハイブリダイズされるという条件で、ハイブリダイゼーション複合体は、ATインキュベータ602にて、この固定化ポリヌクレオチド、捕捉プローブおよび標的核酸の間で形成され得、それにより、この標的核酸を固定化する。
【0203】
活性温度結合インキュベーションの間、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602のカルーセルアセンブリ1656(または671)は、このMTUを出口ドア624(これはまた、第二分配器ドアまたは左側分配器ドアとしても、知られている)へと回転し、そこから、MTU160は、左側運搬機構502により、取り除くことができる。左側運搬機構502は、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602からMTU160を取り除き、それを、利用可能な磁気分離洗浄ステーション800へと配置する。
【0204】
温度ランピングステーション700は、多数のMTUを化学デッキ200によって処理する際の隘路であり得る。温度感受性がそれ程重要ではない1個またはそれ以上のインキュベータにおいて、充分に利用されていないMTUステーション676を使用することは、可能であり得る。例えば、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602内で約60℃で起こる活性温度結合工程は、他のインキュベータ程には温度感受性ではなく、このインキュベータの30個のMTUステーション676のうちの15個までは、任意の一定時点にて、未使用であり得る。現在考慮されているように、この化学デッキは、約8個のランプアップステーション(すなわち、ヒーター)だけを有する。従って、それよりも相当に多いMTUは、ランプアップステーション700内よりもむしろ、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602の未使用のスロット内にて、予備加熱できる。さらに、ヒーターの代わりに未使用のインキュベータスロットを使用すると、これらのヒーターの全部または一部を省くことができ、それにより、この化学デッキにて空間を解放する。
【0205】
(磁気分離洗浄ステーション)
図24〜25に目を向けると、各磁気分離洗浄ステーション800は、上部801および下部803を有するモジュールハウジング802を含む。適当な機械的ファスナーによって磁気分離洗浄ステーション800をデータプレート82に取り付けるために、下部803から、取付フランジ805、806が延びている。ロケータピン807および811は、ハウジング802の下部803の底部から延びている。ハウジング802をファスナーで確保する前に、磁気分離洗浄ステーション800をデータプレート82に位置づけるのを助けるために、データプレート82に形成された開口部(図示せず)と、ピン807および811とが正しく合わせられている。
【0206】
装填スロット804は、下部803の前壁を通って延びて、運搬機構(例えば、502)は、MTU160を磁気分離洗浄ステーション800へと配置し、そしてMTU160をそこから取り除くことができるようになる。装填スロット804を通るMTUの挿入を容易にするために、充填スロット804の一部を、テーパ付きスロット拡張部821が取り囲んでいる。仕切板808は、下部803から上部801を分離する。
【0207】
下部803の内側には、旋回軸812にて、点812の周りで旋回可能になるように、旋回磁石移動構造体810が装着されている。磁石移動構造体810は、永久磁石814を備え、これは、磁石移動構造体810で形成されたMTUスロット815のいずれかの側面に位置づけられている。好ましくは、磁石移動構造体810の各側面には、整列した配置で、5個の磁石(MTU160の各個々の容器162に対応して、1個ずつ)が保持されている。これらの磁石は、好ましくは、ネオジム−鉄−ホウ素(NdFeB)から製造されており、最小等級(minimum grade)n−35であり、0.5インチ幅、0.3インチ高さおよび0.3インチ深さの好ましい寸法を有する。電気アクチュエータ(一般に、816で表わされる)は、磁石移動構造体810を上下に旋回して、それにより、磁石814を移動する。
図25で示すように、アクチュエータ816は、好ましくは、回転ステッパーモーター819を含み、これは、磁石移動構造体810に連結された駆動ネジ機構を回転して、磁石移動構造体810を選択的に上げ下げする。モーター819は、好ましくは、HSI線形ステッパーアクチュエータ(モデル番号26841−05)であり、これは、Waterbury,ConnecticutのHaydon Switch and Instrument,Inc.から入手できる。
【0208】
磁石移動構造体810の下降位置、すなわち、「ホーム」位置を表示するために、ハウジングの下部803の内側には、センサ818(好ましくは、スロット付き光学センサ)が配置される。センサ818は、好ましくは、Optek Technology,Inc.のモデル番号OPB980T11であり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。他のセンサ(図示せず)(これもまた、好ましくは、Optek Technology,Inc.のモデル番号OPB980T11スロット付き光学センサ)は、好ましくは、磁石移動構造体810の上昇位置、すなわち、噛み合い位置を表示するために、設けられる。
【0209】
磁気分離洗浄ステーション800内で配置されたMTU160を操作可能に支持するために、装填スロット804に隣接して、仕切板808の下には、MTUキャリアユニット820が配置される。
図26に目を向けると、MTUキャリアユニット820は、MTU160の上端を受容するためのスロット822を有する。キャリアユニット820の底部には、下部フォークプレート824が付着しており、MTU160の接続リブ構造体164の裏面がキャリアユニット820へと滑るとき、それを支持する(
図28および29を参照)。キャリアユニット820には、バネクリップ826が装着されており、その対向プロング831、833は、スロット822へと伸長していて、このMTUをキャリアユニット820内で解除可能に保持する。
【0210】
MTUキャリアユニット820により保持されたMTUの内容物を軌道に沿って混合するために、キャリアユニット820には、軌道ミキサアセンブリ828が連結されている。軌道ミキサアセンブリ828は、ステッパーモーター830(これは、モーター取付プレート832に取り付けられている)、駆動プーリ834(これは、偏心ピン836を有する)、遊びプーリ838(これは、偏心ピン840を有する)、およびベルト835(これは、駆動プーリ834を遊びプーリ838に接続している)を含む。ステッパーモーター830は、好ましくは、VEXTA、モデル番号PK245−02A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motors Ltd.から入手できる)であり、また、ベルト835は、タイミングベルト、モデル番号A 6G16−170012(これは、New Hyde Park,New YorkのSDP/SIから入手できる)である。
図25および26で示すように、偏心ピン836は、MTUキャリアユニット820で縦方向に形成されたスロット842内に嵌る。偏心ピン840は、MTUキャリアユニット820の反対末端で形成された円形開口部844内に嵌る。モーター830が駆動プーリ834を回転するにつれて、遊びプーリ838もまた、ベルト835を経由して回転し、MTUキャリアユニット820は、開口部842、844(これらは、キャリアユニット820に形成されている)にそれぞれ噛み合わされた偏心ピン836、840により、水平軌道経路で移動される。遊びプーリ838の回転シャフト839は、好ましくは、上方へ延び、その間に形成された横スロット841を有する。スロット841と同じレベルで、スロット付き光学センサ843が配置されており、これは、シャフト839が回転するにつれてスロット841を通って断続的に向けられるセンサビームによって、遊びプーリ838の振動数を測定する。センサ839は、好ましくは、Optek Technology,Inc.のモデル番号OPB980T11センサであり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0211】
駆動プーリ834はまた、ロケータプレート846も含む。ロケータプレート846は、モーター取付プレート832から延びているセンサ取付ブラケット845に取り付けられたスロット付き光学センサ847、848を通る。センサ847、848は、好ましくは、Optek Technology,Inc.のモデル番号OPB980T11センサであり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。ロケータプレート846は、その中に、複数の円周方向に間隔を置いて配置された軸開口部が形成されており、これらは、センサ847、848の1つまたは両方と正しく合って、軌道ミキサアセンブリ828の位置を表示し、それにより、MTUキャリアユニット820の位置を表示する。
【0212】
図24および25を参照すると、洗浄バッファ分配チューブ854は、取付具856に接続し、そしてモジュールハウジング802の上面を通って延びている。洗浄バッファ分配チューブ854は、取付具856を経由して、仕切板808を通って延びており、洗浄バッファ分配ネットワークを形成する。
【0213】
図28および29で示すように、取付具856から延びている洗浄バッファ調合器ノズル858は、仕切板808内で配置されている。各ノズルは、容器162に対して側方オフセンタ位置で、MTU160の各容器162の上に位置している。各ノズルは、この洗浄バッファをこのオフセンタ位置から各個の容器へと向けるための側方に向いた下部859を含む。側方要素を有する方向で流体を容器162へと分配すると、この流体が各容器162の側面を下に流れるにつれた跳ねかけを制限できる。それに加えて、側方に向いた流体は、各容器162の側面にくっついている物質を洗い流すことができる。
【0214】
図24および25で示すように、吸引器チューブ860は、チューブホルダー862(それに、チューブ860が固定的に確保されている)を通って延びており、そして仕切板808の開口部861を通って延びている。開口部861の下で、仕切板808の側面には、機械的ファスナーにより、チューブガイドヨーク809(
図26を参照)が装着されている。吸引器チューブ860に接続された吸引器ホース864は、分析器50内の真空ポンプ1162(
図52を参照)まで延びており、吸引された流体は、低部シャーシ1100に備えられた流体廃棄物コンテナへと引き出される。吸引チューブ860の各々は、0.041インチの内径で、12インチの好ましい長さを有する。
【0215】
チューブホルダー862は、リフトモーター868により作動される駆動ネジ866に装着される。リフトモーター868は、好ましくは、VEXTAのモデル番号PK245−02A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motors Ltd.から入手できる)であり、そして駆動ネジ866は、好ましくは、ZBXシリーズのネジ付き抗跳ね返り親ネジ(これは、Hollis,New HampshireのKerk Motion Products,Inc.から入手できる)である。チューブホルダー862は、駆動ネジ866のネジ付きスリーブ863に装着されている。ロッド865およびスライドレール867は、チューブホルダー862用のガイドとして、機能する。Z軸センサ829、827(スロット付き光学センサ)は、ネジ付きスリーブ863から延びているタブと協同して、吸引器チューブ860のストローク位置の上部および下部を表示する。このZ軸センサは、好ましくは、Optek Technology,Inc.のモデル番号OPB980T11センサであり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0216】
ケーブルは、コネクタ870を経由して、出力信号および制御信号を磁気分離洗浄ステーション800へと運ぶ。
【0217】
磁石移動構造体810は、最初は、センサ818で検証されるように、下降位置(
図25で幻影線で示されている)にあり、このとき、MTU160は、挿入開口部804を通って、磁気分離洗浄ステーション800へと挿入され、そしてMTUキャリアユニット820へと挿入される。磁石移動構造体810が下降位置にあるとき、磁石814の磁場は、MTU160に含有された磁気的に応答性の粒子に対して、実質的に効果を有しない。本文脈において、「実質的に効果を有しない」とは、これらの磁気的に応答性の粒子が、磁石814の磁場の引力によって懸濁液から引き出されないことを意味する。軌道ミキサアセンブリ828は、MTUキャリアユニット820およびMTU160を側方に移動するために、キャリアユニット820を完全軌道の一部へと移動して、その結果、MTU160のチップレット保持構造体176により運ばれるチップレット170の各々は、
図28で示すように、吸引器チューブ860の各々と整列される。MTUキャリアユニット820の位置は、ロケータプレート846およびセンサ847、848のうちの1個で検証できる。あるいは、ステッパーモーター830は、既知の多数のステップを移動でき、MTUキャリアユニット820を所望位置に置き、センサ847、848のうちの1個は、省略できる。
【0218】
チューブホルダー862および吸引器チューブ860は、各々の吸引器チューブ860がMTU160の付随した運搬構造体176で保持されたチップレット170と摩擦で噛み合うまで、リフトモーター868および駆動ネジ866により、下降される。
【0219】
図25Aで示すように、各吸引器チューブ860の下端は、テーパーを付けた段差構成に特徴があり、それにより、チューブ860は、このチューブの範囲の殆どに沿った第一部分851、第一部分851の直径よりも小さい直径を有する第二部分853、および第二部分853の直径よりも小さい直径を有する第三部分855を有する。第三部分855の直径は、チューブ860の末端がチップレット170の貫通穴180の張り出し部分181へと挿入できかつ第三部分855の外面と2個の環状リッジ183(
図46を参照)(これは、チップレット170の穴180の内壁を裏打ちする)との間で締まり摩擦ばめ(interference friction fit)を作ることができるような値である。第二部分853と第三部分855との間の移行部分では、環状肩部857が規定される。肩部857は、チューブ860がチップレット170に挿入できる範囲を限定し、その結果、このチップレットは、下記のように、使用後に剥ぎ取ることができる。
【0220】
チップレット170は、少なくとも部分的に導電性であり、その結果、吸引器チューブ860にチップレット170が存在していることは、コンデンサ(これは、このコンデンサの半分として、吸引器チューブ860を含み、また、このコンデンサの他の半分として、磁気分離洗浄ステーション800の周囲機械設備を含む)の静電容量により、検証できる。この静電容量は、チップレット170が吸引器チューブ860の末端と噛み合うとき、変化する。
【0221】
それに加えて、各吸引器チューブ860の末端にあるチップレット170の存在を検証するために、仕切板808の上には、5個のスロット付き光学センサ(図示せず)を戦略的に位置できる。好ましい「チップレット存在」センサは、Optek Technology,Inc.のモデル番号OPB930W51センサであり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。吸引器チューブ860の末端にあるチップレット170は、付随したセンサのビームを断絶して、チップレット170の存在を検証する。もし、チップレット取り出し運動に続いて、チップレットの噛み合いが、全5個の吸引器チューブ860用のチップレット存在センサで検証されないなら、MTU160は、中断しなければならない。中断したMTUは、磁気分離洗浄ステーション800から回収され、そして不活化列750へと送られ、最終的に、捨てられる。
【0222】
チップレットがうまく噛み合った後、軌道ミキサアセンブリ828は、ロケータプレート846およびセンサ847、848の両方または一方で検証されるにつれて、MTUキャリアユニット820を、
図27で示した流体運搬位置へと戻す。
【0223】
磁石移動構造体810は、次いで、磁石814がMTU160の対向側面に隣接して配置されるように、
図24で示した上昇位置まで上げられる。このMTUの内容物が磁石814の磁場を受けつつ、標的核酸に間接結合した磁気応答性粒子は、磁石814に隣接した個々の容器162の側面へと引き出される。容器162内の残りの物質は、実質的に影響を受けないはずであり、それにより、標的核酸を単離する。磁石移動構造体810は、そのアッセイプロトコルにより規定されアッセイマネージャプログラムにより制御されるように、適当な滞留時間にわたって、上昇位置でとどまり、これらの磁気粒子は、各容器162の側面に付着する。
【0224】
次いで、これらの吸引器チューブは、MTU160の容器162へと下降されて、個々の容器162の流体内容物を吸引し、この間、これらの磁気粒子は、容器162にとどまり、磁石814に隣接して、その側面に付着する。吸引器チューブ860の末端にあるチップレット170は、各容器162の内容物が、この吸引操作中にて、吸引器チューブ860の側面と接触しないことを保証する。チップレット170は、次のMTUが磁気分離洗浄ステーション800で処理される前に捨てられるので、吸引器チューブ860による相互汚染の機会は、最低限にとどまる。
【0225】
導電性チップレット170は、MTUの容器162内で容量性流体レベルを感知するための公知様式で、使用できる。吸引器チューブ860および導電性チップレット170は、コンデンサの半分を占め、この磁気分離洗浄ステーション内の周囲の導電性構造体は、このコンデンサの第二の半分を占め、このコンデンサの二等分間の流体媒体は、誘電体を構成する。この誘電性の性質の変化による静電容量の変化は、検出できる。
【0226】
吸引器チューブ860の容量性回路は、5個の全ての吸引器チューブ860が単一の連動(gang)レベル感知機構として作動するように、配置できる。連動レベル感知機構として、この回路は、容器162のいずれかで流体レベルが高いかどうかを決定するにすぎず、これらの容器の1個での流体レベルが低いかどうかを決定できない。言い換えれば、吸引器チューブ860およびそれに付随したチップレット170のいずれかが容器内の流体物質と接触するとき、このシステムの静電容量は、その誘電性に変化があるために、変化する。もし、吸引器チューブ860のZ位置(この位置で、この静電容量の変化が起こる)が高すぎるなら、少なくとも1個の容器での高い流体レベルが表示され、それにより、吸引器の故障を暗示する。他方、これらの吸引器チューブのZ位置(この位置で、この静電容量の変化が起こる)が正しいなら、この回路は、吸引器チューブ間で区別できず、従って、もし、他のチューブの1個またはそれ以上が、低い流体レベルのために、この流体の頂部と未だに接触していないなら、この低い流体レベルは、未検出となる。
【0227】
あるいは、この吸引器チューブの容量性回路は、5個の吸引器チューブ860の各々が個々のレベル感知機構として作動するように、配置できる。
【0228】
5個の個々のレベル感知機構と共に、この容量性レベル感知回路は、もし、これらの容器の1個またはそれ以上での流体レベルが高いなら、容器162の1個またはそれ以上での流体吸引が失敗したことを検出できる。個々の容量性レベル感知回路は、もし、これらの容器162の1個またはそれ以上での流体レベルが低いなら、これらの容器162の1個またはそれ以上への流体の分配が失敗したことを検出できる。さらに、この容量性レベル感知回路は、各容器162での容量が所定範囲内にあるかどうかを決定するための容量検証に使用できる。容量検証は、予想流体レベルよりも上(例えば、予想流体レベルの110%)の位置での吸引器チューブ860の下降を停止して、これらの容器のいずれもその高さのレベルを有しないことを確認することにより、次いで、予想流体レベルよりも下(例えば、予想流体レベルの90%)の位置での吸引器チューブ860の下降を停止して、これらの容器の各々が少なくともその高さの流体レベルを有することを確認することにより、実行できる。
【0229】
吸引に続いて、吸引器チューブ860が上げられ、磁石移動構造体810が下げられ、所定容量の洗浄バッファが、洗浄バッファ調合器ノズル858を通って、MTU160の各容器162へと分配される。洗浄バッファ調合器ノズル858上で洗浄バッファの水滴が垂れ下がるのを防止するために、短時間の分配後空気吸引が好ましい。
【0230】
軌道ミキサアセンブリ828は、次いで、高振動数で、水平軌道経路にて、MTUキャリア820を移動して、MTU160の内容物を混合する。このMTUの流体内容物の跳ねかけを回避するために、また、エアロゾルの発生を回避するために、このMTUを水平面で移動することにより混合すること(すなわち、攪拌すること)が好ましい。混合に続いて、軌道ミキサアセンブリ828は、その流体運搬位置で、MTUキャリアユニット820を停止する。
【0231】
その標的核酸をさらに精製するために、磁石移動構造体810は、再度、上げられ、所定滞留時間にわたって、その上昇位置で維持される。磁気滞留後、噛み合ったチップレット170を有する吸引器チューブ860は、MTU160の容器162の底部まで低くされて、上記と事実上同じ吸引手順で、その試験標本流体および洗浄バッファを吸引する。
【0232】
このアッセイプロトコルにより規定されるように、1つまたはそれ以上の追加洗浄サイクル(各々は、分配シーケンス、混合シーケンス、磁気滞留シーケンスおよび吸引シーケンスを包含する)が実行され得る。核酸ベースの診断試験の当業者は、所望の標的捕捉手順に対して、適切な磁気滞留時間、洗浄サイクル数、洗浄バッファなどを決定できる。
【0233】
磁気分離洗浄ステーション800の数は、所望の処理能力に依存して、変えることができるものの、分析器50は、好ましくは、5個の磁気分離洗浄ステーション800を含み、その結果、5個の異なるMTUに対して、並行して、磁気分離洗浄手順が実行できる。
【0234】
その最終洗浄段階後、磁石移動構造体810は、その下降位置へと移動され、そしてMTU160は、左側運搬機構502により、磁気分離洗浄ステーション800から取り除かれ、次いで、左軌道ミキサ552へと配置される。
【0235】
MTU160をこの洗浄ステーションから取り除いた後、チップレット170は、ハウジング802の下部803の底部に位置しているストリッパープレート872により、吸引器チューブ860から剥ぎ取られる。
【0236】
ストリッパープレート872は、吸引器チューブ860の数(好ましい実施形態では、5個である)に対応する数の整列ストリッピング穴871を有する。
図29A〜29Dで示すように、各ストリッピング穴871は、第一位置873、第一位置873よりも小さい第二位置875、および位置873および875を取り囲む斜角877を含む。各ストリッピング穴871の小部分875が、
図29Aで示すように、一般に、各付随した吸引器チューブ860と整列するように、ストリッパープレート872は、ハウジング802の底部で配向されている。吸引器チューブ860は、各吸引器チューブ860の末端にあるチップレット170がストリッピング穴871と噛み合うように、下げられる。小部分875は、チップレット170の直径を収容するには小さすぎるので、斜角877は、
図29Bで示すように、チップレット170および吸引器チューブ860を大部分873の方へと向ける。吸引器チューブ860は、弾性的で可撓性の材料(好ましくは、ステンレス鋼)から製造されており、その結果、吸引器チューブ860が下降し続けるにつれて、斜角部分877は、吸引器チューブ860の各々を側方に反らせる。ストリッピング穴871の小部分875は、吸引器チューブ860の直径を収容でき、その結果、チップレット170のリム177がストリッピング穴871を通り抜けた後、吸引器チューブ860の各々は、その自体の弾力性のために、
図29Cで示すように、ストリッピング穴871の小部分875を閉める。吸引器チューブ860は、次いで、上げられ、各チップレット170のリム177は、ストリッピング穴871の小部分875の底部周縁と噛み合う。吸引器チューブ860がさらに上昇するにつれて、チップレット170は、ストリッピング穴871により、吸引器チューブ860から引き離される(
図29Dを参照)。ストリッピングチップレット170は、シュートにより、固体廃棄物コンテナ(例えば、チップレット廃棄物ビン1134)へと向けられる。
【0237】
吸引器チューブ860のキャパシタンスは、全てのチップレット170がストリップされ捨てられたことを検証するために、サンプリングされる。このストリッピング工程は、もし、必要なら、繰り返すことができる。
【0238】
代替のストリッパープレート882は、
図31A〜31Cで示されている。ストリッパープレート882は、吸引器チューブ860の数(好ましい実施形態では、5個である)に対応する数の整列ストリッピング穴881を備える。各ストリッピング穴881は、斜角皿穴887により取り囲まれた貫通穴883を含む。貫通穴883の下の直径方向に対向した位置から、一対のタング885が側方に延びている。タング885は、好ましくは、バネ鋼から製造されており、それらの末端にて、V形ノッチ886を含む。
【0239】
チップレット170をその末端に配置した吸引器チューブ860がストリッピング穴881の方へと下がるにつれて、斜角部分887は、任意の誤整列チューブが貫通穴883へと向けられることを保証する。対向タング885の末端間の間隔は、チップレット170の直径よりも小さいので、吸引器チューブ860およびチップレット170が下がるにつれて、このチップレットはタング885と噛み合い、チップレット170がタング885間に押し入るにつれて、それらを下方へ反らす。吸引器チューブ860が上がるにつれて、タング885のノッチ886は、チップレット170の比較的に柔軟な材料を握り、それにより、タング885に対するチップレット170の上方相対運動を防止する。これらのチューブが下降し続けるにつれて、タング885は、チップレット170をチューブ860から引き離す。吸引器チューブ860が、引き続いて下がって、チップレットの次のセットをストリップするとき、先のストリッピングに由来のこれらのタング間で保持されたチップレットは、次のチップレットにより、これらのタングに押し通され、そして廃棄物ビン1134(
図52を参照)(これは、5個の磁気分離洗浄ステーション800のほぼ下の低部シャーシ1100に位置している)の方へと向けられる。
【0240】
さらに他の代替の現在好ましいストリッパープレート1400は、
図30A〜30Dで示されている。ストリッパープレート1400は、5個のストリッパー空洞1402を含み、各々は、初期円錐台(frusto−conical)部分1404を含む。円錐台部分1404は、拡大直線状部分1408に連絡するネック部分1406へと下にテーパを付けられている。直線状部分1408は、ネック部分1406の中心に関して片寄っており、その結果、直線状部分1408の一側面は、ネック部分1406の一側面と同一平面上にあり、そして直線状部分1408の反対側面は、ネック部分1406の側面から段を付けられ、切り取られて、それにより、棚1414を形成する。直線状部分1408に続いて、棚1414と反対側のストリッパー空洞1402の側面には、傾斜部1410が設けられている。傾斜部1410は、底部開口部1412の方へと内向きにテーパを付けられている。
【0241】
その末端にチップレット170を付けた吸引器チューブ860がストリッパー空洞1402の方へと移動するにつれて、円錐台部分1404は、チップレット170およびチューブ860をネック部分1406の方へと向ける。吸引器チューブ860は、下降し続け、チップレット170は、チップレット170のリム177が円錐台部分1404の底部を通り抜けてネック部分1406を通過するにつれて、直線状部分1408に入る。
【0242】
もし、吸引器チューブ860およびステッパー空洞1402が正しく好ましい配置にあるなら、チップレット170のリム177の一部は、チップレット170がネック部分1406を通って直線状部分1408へと移動する場合、ステッパー空洞1402の棚1414の下に配置される。リム177の一部が棚1414の下に配置されるのを保証するために、チップレット170は、吸引器チューブ860がさらに下降して吸引器チューブを側方に押し付けてチップレット170を棚1414の下に向けるにつれて、下部傾斜部1410と噛み合う。
【0243】
吸引器チューブ860の下部で形成された環状肩部857(
図25Aを参照)は、チューブ860がストリッパー空洞1402へと下がるにつれて、チューブ860がチップレット170の貫通穴180へとそれ以上押し入らないことを保証する。吸引器チューブ860は、次いで、下降し、棚1414は、リム177を捕獲して、チップレット170をチューブ860からストリップする。ストリップされたチップレット170は、底部開口部1412を通って、低部シャーシ1100(
図52を参照)にある廃棄物ビン1134へと落ちる。
【0244】
上記ストリッパープレートの各々と共に、これらのチップレット−ストリッピング要素の位置は、全て同じとは限らない。例えば、ストリッパープレート1400のストリッパー空洞1402の棚1414は、全ての空洞を通じて、同じ高さではない。好ましくは、3個のチップレット−ストリッピング要素は、1つの高さであり、2個のチップレット−ストリッピング要素は、他の3個の要素の上また下で僅かに異なる高さである。これらのオフセットチップレット−ストリッピング要素の結果、吸引器チューブ860の末端上のチップレット170の静止摩擦は、全ての5個のチューブ860について、一度に克服または崩壊する必要はない。吸引器チューブ860が下降し始めるにつれて、チップレット170の静止摩擦は、まず、吸引器チューブ860の1セット(2個または3個)に対して崩壊し、チューブ860が下降し続けるにつれて、チップレット170の静止摩擦は、残りのチューブ860に対して崩壊する。全ての5個の吸引器チューブ860のチップレット170の静止摩擦を一度に崩壊しないことにより、チューブホルダー862、駆動ネジ866、ネジ付きスリーブ863およびリフトモーター868が受ける負荷は、低いレベルに保たれる。
【0245】
(軌道ミキサ)
図32〜34で示すような左軌道ミキサ552(および右軌道ミキサ550)は、上記磁気分離洗浄ステーション800の下部ハウジング部分803および軌道ミキサアセンブリ828と同じ様式で、構成され操作される。具体的には、軌道ミキサ550(552)は、ハウジング554を含み、これは、前部プレート551、後部プレート、および軌道ミキサ550(552)をデータプレート82に取り付けるための取付フランジ555、556を含む。ハウジング554の前端では、挿入開口部557が形成されている。MTUキャリア558は、フォークプレート560(これは、その下部に装着されている)およびMTU保持クリップ562(これは、このMTUを収容するキャリア558の内部空洞へと延びているクリップ562の対向プロングを備えたキャリア558の後部に装着されている)を有する。軌道ミキサアセンブリ564は、駆動モーター566(これは、モーター取付板567に取り付けられている)、駆動ホイール568(これは、偏心ピン570を有する)、遊びホイール572(これは、偏心ピン573を有する)、およびベルト574を含む。駆動モーター566は、好ましくは、ステッパーモーターであり、最も好ましくは、VEXTAのモデル番号PK245−02A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motors Ltd.から入手できる)である。ベルト574は、好ましくは、タイミングベルト、モデル番号A 6G16−170012(これは、New Hyde Park,New YorkのSDP/SIから入手できる)である。軌道ミキサアセンブリ564は、偏心ピン570、573を通って、MTUキャリア558に連結されて、MTUキャリア558をその軌道経路で移動し、このMTUの内容物をかき混ぜる。駆動ホイール568は、ロケータプレート576を含み、これは、センサ取付ブラケット579に取り付けられたセンサ578と共に、MTU160を軌道ミキサ552(550)に挿入してMTU160をこの軌道ミキサから回収するためのMTUキャリア558の正しい位置決めを検証する。センサ578は、好ましくは、Optek
Technology,Inc.のモデル番号OPB980T11センサであり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0246】
上部プレート580は、ハウジング554の頂上に装着されている。左軌道ミキサ552の上部プレート580は、多数(好ましくは、5個)のチューブ取付具582を含み、これらには、バルク流体容器から調合器ノズル583を経由してMTU160(これは、このミキサ内に配置されている)へと流体を送達するための同程度数の可撓性送達チューブ(図示せず)に連結されている。上部プレート580もまた、複数のピペット開口部581を含み、これらは、単一のMTU160を含む個々の容器162の数(好ましくは、5個)に対応している。
【0247】
MTU160が左軌道ミキサ552で静止状態で保持されて、左ピペットアセンブリ470のピペットユニット480は、試薬冷却ベイ900内のコンテナから、ピペット開口部581を通って、MTU160の各容器162へと、所定容量の増幅試薬を運搬する。使用される増幅試薬は、それに続く増幅手順に依存している。種々の増幅手順は、核酸ベース診断試験の当業者に周知であり、その多数は、上記の背景部分で述べている。
【0248】
次に、このMTUの内容物は、軌道ミキサ552の軌道ミキサアセンブリ564により混合されて、この標的核酸の増幅試薬への曝露を保証する。望ましい増幅手順のためには、核酸ベース診断試験の当業者は、増幅試薬の適切な成分および量、ならびに混合振動数および持続時間を決定できる。
【0249】
増幅試薬をMTU160にピペットで入れた後、ピペットユニット480は、処理デッキ200上のリンス台(下記)に移動され、そしてピペットユニット480は、プローブ481を通って蒸留水を流すことにより、洗浄される。この蒸留水は、低部シャーシ1100のボトル1140からポンプ上げされ、そのパージ水は、低部シャーシ1100にある液体廃棄物コンテナ1128で集められる。
【0250】
MTU160の内容物を混合した後、調合器ノズル583を通って、各容器には、シリコンオイル層が分配される。このオイル層は、低部シャーシ1100にあるボトル1148からポンプ上げされ、MTU160およびその内容物の引き続く操作およびインキュベーション中にて、MTU160の流体内容物のエバポレーションおよび跳ねかけを防止するのを助ける。
【0251】
(試薬冷却ベイ)
今ここで、試薬冷却ベイ900を記述する。
【0252】
図35〜39を参照すると、試薬冷却ベイ900は、円筒形ハウジング904の回りに取り付けられた断熱ジャケット902(これは、好ましくは、アルミニウムから製造されている)を含む。カバー906(これは、好ましくは、デルリンから製造されている)は、カバー906の正しい配向を保証するためにハウジング904のスロット907内に適合するカバー906の位置合わせタブ905と共に、ハウジング904の頂上に位置している。タブ905がスロット907内に据え付けられていることを確認するために、スロット907内またはそれに近接して、光学センサが設けられ得る。あるいは、カバー配置を検証するために、ハウジング904の上部リムの縁部には、光学センサアセンブリ909が確保できる。光学センサアセンブリ909は、カバー906上でセンサトリッピング(sensor−tripping)構造体(図示せず)と協同し、カバーがプレートにあることを検証する。光学センサアセンブリ909は、好ましくは、Optek Technology,Inc.のスロット付き光学センサ(モデル番号OPB980T11)を備え、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。カバー906はまた、ピペット開口部908を含み、そこを通って、ピペットユニット480、482は、冷却ベイ900内の試薬コンテナにアクセスできる。
【0253】
ハウジング904は、床プレート910に装着されており、床プレート910は、取付フランジ911(これは、床プレート910の周囲で、間隔を置いて配置されている)で形成された開口部を通って延びている適切な機械的ファスナーによって、データプレート82に装着されている。床プレート910には、冷却ユニット912(好ましくは、2個)が装着されている。各冷却ユニット912は、熱電モジュール914を含み、これは、床プレート910の下面に、冷却側を上にして、装着されている。Trenton,New JerseyのMelcor,Inc.から入手できる熱電モジュール(モデル番号、CP1.4−127−06L)は、所望の冷却能力を与える。熱電モジュール914の直下にて、床プレート910の下面には、吸熱器916(これは、複数の熱消散フィン915を含む)が装着されるか、またはそれと一体化され得る。熱シンク916から熱を排出する位置では、ファンユニット918が装着されている。ファンユニット918は、好ましくは、Orixファン(モデル番号MD825B−24、これは、Tokyo,JapanのOriental Motors Ltd.から入手できる)である。それと共に、冷却ユニット912は、ハウジング904の内部を、ベイ900内に保存された温度感受性試薬(例えば、酵素)のために、所定温度まで冷却する。
【0254】
冷却ベイ900のハウジング904内では、その内部温度をモニターし制御するために、2個の温度センサ(図示せず)が配置されている。これらの温度センサは、好ましくは、サーミスタ(25℃で10KOhm)であり、そしてYellow Springs,OhioのYSI,Inc.から入手できるYSI 44036シリーズサーミスタが最も好ましい。YSIサーミスタは、その高精度、および一方のサーミスタから他方のサーミスタへとYSIサーミスタにより提供される±0.1℃相互転換可能性のために、好ましい。これらのセンサの一方は、主要温度制御センサであり、また、他方は、温度モニターセンサである。この主要制御センサからの温度表示に基づいて、包埋された制御装置は、熱電モジュール914への出力および/またはファンユニット918への出力を調整して、冷却ベイ温度を制御する。この温度モニタリングセンサは、この主要温度制御センサの確認検査を行う。
【0255】
図37で示すように、コンテナトレイ922は、ボトル保持空洞924付きの一体型ターンテーブル構造体であり、これは、特定の試薬ボトル925を受容し保持するサイズおよび形状にされる。コンテナトレイ922用の駆動システムは、モーター926、モーター926のシャフト上の小プーリ931、ベルト928、プーリ930、およびシャフト932を含む。(VEXTAステッパーモーター、モデル番号PK265−02A(これは、Tokyo,JapanのOriental Motor Co.Ltd.から入手できる)およびSDPタイミングベルト、GT(登録商標)シリーズ(これは、New Hyde Park,New YorkのSDP/SIから入手でき、好ましい))。モーター926および冷却ユニット912は、データプレート82で形成された開口部(図示せず)を通って延び、そして床プレート910の下に延びている。
【0256】
コンテナトレイ922は、中心直立ハンドル923を含有し得、ハウジング904へのトレイ922の設置およびそこからのトレイ922の取り外しを容易にする。シャフト932の上部933は、床プレート910を通って延び、そしてトレイ922の底部で形成された接合開口部(図示せず)により、受容されている。床プレート910を通ってハウジング904へと上方へ延びているセンサ940は、トレイ922がハウジング904内で適切な位置にあることを検証する。センサ904は、好ましくは、Bradenton,FloridaのAdvanced Controls,Inc.から入手できる容量近接センサ(capacitive proximity sensor)(モデル番号FCP2)である。
【0257】
位置エンコーダ934(好ましくは、スロット付きディスク)は、光学センサ935と共に、コンテナトレイ922の位置を検出するのに使用され得、その結果、特定の試薬ボトル925は、カバー906にあるピペット開口部908の下に整列され得る。
【0258】
図36で示すように、位置エンコーダ934および光学センサ935に対する好ましい代替物は、4個のスロット付き光学センサ937(2個のセンサだけが、
図36で見える)を含み、これらは、コンテナトレイ922の底部から延びているフラッグピン(図示せず)と共に、ハウジング904の内側で設けられている。1個のセンサは、コンテナトレイ922の各四分円に設けられており、このフラッグは、これらの4個のセンサのうちの1個を作動させて、コンテナトレイ922のどの四分円がピペット開口部908と整列しているかを表示する。センサ937は、好ましくは、Optek Technology,Inc.のセンサ(モデル番号OPB980T11)であり、これは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0259】
図37で示した一体型トレイ922の好ましい代替物は、
図35および39で示したモジュラートレイ1922である。トレイ1922は、円形ベースプレート1926、およびその中心部に装着された直立ハンドルポスト1923を含む。ボトル保持空洞1924を有するモジュラー断片1930は、好ましくは、ピン1928およびネジ(図示せず)により互いにおよびベースプレート1926により接続されて、円形トレイ1922を形成する。モジュラー断片1930を固定する他の手段は、ピン1928およびネジに対する代替物で使用され得る。これらの図で示したモジュラー断片1930は、円の四分円であり、それゆえ、もちろん、トレイ1922を完成するためには、4個のこのような断片1930が必要である。四分円が好ましいものの、これらのモジュラー断片は、しかしながら、種々のサイズの扇形(例えば、円の1/2または円の1/8)であり得る。
【0260】
試薬コンテナ用のトレイ1922内の位置を確認するために、ベースプレート1926上には、英数字のボトル位置ラベル1940が好ましくは設けられる。好ましいラベル図式は、円で囲んだ文字−数字対(最初の文字A、E、PまたはSに続いて、番号1、2、3または4を含む)を含む。文字A、E、PおよびSは、それぞれ、増幅試薬、酵素試薬、プローブ試薬および選択試薬を表わし、これらは、分析器50の好ましい使用モードに対応しており、また、番号1〜4は、トレイ1922の四分円を表わしている。各モジュラー断片1930は、各ボトル保持空洞1924の底部にて、円形穴1934を含む。穴1934は、ボトル位置ラベル1940と整列して、その結果、ラベル1940は、モジュラー断片1930がベースプレート1926で適切な位置にあるとき、見られ得る。
【0261】
コンテナトレイ1922のモジュラー断片1930は、250回のアッセイを実行するのに充分な試薬量または500回のアッセイを実行するのに充分な試薬量に対応する異なるサイズの試薬コンテナを収容するように、構成されている。4個の250回アッセイモジュラー四分円により、この試薬冷却ベイは、1000回のアッセイに備えることが可能となり、また、4個の500回アッセイモジュラー四分円により、この試薬冷却ベイは、2000回のアッセイに備えることが可能となる。250回または500回アッセイ試薬キット用のモジュラー四分円は、種々の数の単一アッセイ型または種々の数の複数の異なるアッセイ型に適合するためのコンテナトレイを構成するように、混合され合致され得る。
【0262】
コンテナトレイ922と床プレート910との間には、断熱パッド938が配置される。出力信号、制御信号、温度信号および位置信号は、試薬冷却ベイ900からまたはそこへ、分析器50の包埋制御装置に連結されたコネクタ936およびケーブル(図示せず)により、供給される。
【0263】
冷却ベイ900の側壁で形成された開口部942の前で、床プレート910に装着された直立スキャナー取付プレート939には、バーコードスキャナー941が取り付けられる。バーコードスキャナー941は、コンテナトレイ922に備えられた試薬コンテナの各々からのバーコード情報を走査できる。
図39で示すように、ボトル保持空洞1924に沿って、縦スロット1932が形成され、ボトル保持空洞1924中に保持される試薬コンテナの側面に配置されたバーコード情報は、スロット1932と整列でき、バーコードスキャナー941がこのバーコード情報を走査できる。好ましいバーコードスキャナーは、モデル番号FTS−0710−0001で、Newbury Park,CaliforniaのMicroscanから入手できる。
【0264】
ハウジング904の側面には、ピペットリンス台1942、1944が装着される。各リンス台1942、1944は、それぞれ、プローブ受容開口部1941、1945(これらは、その上部パネルにおいて形成されている)、およびそれぞれ、廃棄物排出チューブ1946、1948(これらは、その下部に接続されている)を備えた囲壁構造体を提供する。ピペットユニットのプローブは、プローブ受容開口部1941、1945を通って、リンス台1942、1944へと挿入でき、そして洗浄および/またはリンス流体は、このプローブを通って、このリンス台へと入ることができる。リンス台1942、1944中の流体は、各個の廃棄物排出チューブ1946、1948により、低部シャーシ1100にある適切な廃棄物流体容器に伝導される。分析器50の好ましい配置および操作モードでは、ピペットユニット480のプローブ481は、リンス台1942でリンスされ、そしてピペットユニット482のプローブ483は、リンス台1944でリンスされる。
【0265】
この増幅試薬およびオイルが、左軌道ミキサ552にあるMTU160の容器162に添加された後、左側運搬機構502は、左軌道ミキサ552からMTU160を回収し、そしてMTU160を、利用可能な温度ランプアップステーション700(これは、左側運搬機構502にアクセスできる、すなわち、化学デッキ200の左側にある)へと移動して、MTU160およびその内容物の温度を約60℃まで高める。
【0266】
ランプアップステーション700での充分なランプアップ時間後、左側運搬機構502は、次いで、MTU160を標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600に移動する。標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600の左側分配器ドアが開いて、インキュベータ600内のMTUカルーセルアセンブリ671は、空のMTUステーション676を提示して、この左側運搬機構が、このMTUをインキュベータ600へと挿入できる。MTU160およびその内容物は、次いで、約60℃で、所定インキュベーション期間にわたって、インキュベートされる。インキュベーション中にて、MTUカルーセルアセンブリ671は、他のMTU600がインキュベータ600から取り除かれおよびそこへ挿入されるにつれて、インキュベータ600内で連続的に回転し得る。
【0267】
アニーリングインキュベータ600での60℃でのインキュベーションにより、そのアッセイ溶液中に存在している固定化ポリヌクレオチドからの捕捉プローブ/標的核酸ハイブリダイゼーション複合体の解離が可能となる。この温度で、試薬冷却ベイ900から導入されたオリゴヌクレオチドプライマーは、この標的核酸にハイブリダイズでき、引き続いて、この標的ヌクレオチド塩基配列の増幅を容易にできる。
【0268】
インキュベーションに続いて、インキュベータ600内のMTUカルーセルアセンブリ671は、MTU160を左側分配器ドア624へと回転し、左側分配器ドア624が開き、左側運搬機構502は、標的捕捉およびアニーリングインキュベータ600のMTUカルーセルアセンブリ671から、MTU160を回収する。左側運搬機構502は、次いで、MTU160を移動して、MTU160を、利用可能な温度ランプダウンステーション700(これは、左側運搬機構502にアクセスできる)へと挿入する。MTU160およびその内容物の温度は、このランプダウンステーションにて、約40℃まで低下する。MTU160は、次いで、左側運搬機構502により、このランプダウンステーションから回収され、そして活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602へと移動される。ATインキュベータ602の左側分配器ドアが開き、インキュベータ602内のMTUカルーセルアセンブリ671は、空のMTUステーション676を提示して、その結果、左側運搬機構502は、このMTUをインキュベータ602へと挿入できる。活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602内では、このMTUは、MTUの温度を安定化するのに必要な時間にわたって、約41℃で、インキュベートされる。
【0269】
活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602から、このMTUは、運搬機構502により、増幅インキュベータ604へと移動され、ここで、このMTUの温度は、約41.5℃で安定化される。増幅インキュベータ604内のMTUカルーセルアセンブリ671は、回転して、このMTUを、カバー611で形成されたピペット開口部662の下のピペット取出ステーションに配置する(例えば、
図19を参照)。試薬冷却ベイ900内のコンテナトレイ922は、回転して、この酵素試薬コンテナをピペット開口部908の下に配置し、ピペットアセンブリ470のピペットユニット482は、酵素試薬を、試薬冷却ベイ900から、MTU160の容器162の各々へと運搬する。
【0270】
上で説明したように、ピペットユニット480、482は、容量レベル感知を使用して、容器内の流体レベルを確認し、ピペットユニット480、482のプローブ481、483の末端の小部分だけを浸して、この容器から流体をピペットで取り出す。ピペットユニット480、482は、好ましくは、流体が各プローブ481、483へと引き出されるにつれて、下降して、このプローブの末端を一定深さに浸して保持する。試薬をピペットユニット480または482へとピペットで取り出した後、このピペットユニットは、各プローブ481または483の末端にて、10μlの最小移動空気間隙を作り、液滴がこのプローブの末端から落ちないことを保証する。
【0271】
各容器162に酵素試薬を添加した後、増幅インキュベータ604のMTUカルーセルアセンブリ671は、MTU160を、増幅インキュベータ604内の斜めディスク線形ミキサ634へと回転し、MTU160およびその内容物は、約10Hzで、上記のように混合されて、この標的核酸の添加酵素試薬への曝露を容易にする。ピペットユニット482は、リンス台1942に移動され、プローブ483は、それに蒸留水を通すことにより、リンスされる。
【0272】
MTU160は、次いで、所定インキュベーション期間にわたって、約41.5℃で、増幅インキュベータ604内にて、インキュベートされる。このインキュベーション期間は、1個またはそれ以上の標的核酸(これは、受容器チューブ162で存在し得る)上に含有された少なくとも1個の標的ヌクレオチド塩基配列の適切な増幅を可能にするのに充分に長くすべきである。その好ましい実施形態は、転写媒介増幅(TMA)手順(これは、背景部分(前出)で述べられている)を用いる増幅を容易にするように、設計されているものの、専門家は、分析器50を使用する他の増幅手順を実行するのに必要な改変を容易に理解する。それに加えて、このアッセイの初期にて、これらの増幅条件および試薬が増幅に適切であったかどうかの確認を行うために、好ましくは、内部コントロール配列が添加される。内部コントロールは、当該技術分野で周知であり、本明細書中でさらに述べる必要はない。
【0273】
増幅インキュベーションに続いて、MTU160は、左側運搬機構502により、増幅インキュベータ604から、利用可能なランプアップステーション700(これは、左側運搬機構502にアクセスできる)へと移動されて、MTU160およびその内容物の温度を約60℃にする。MTU160は、次いで、左側運搬機構502により、ハイブリダイゼーションインキュベータ606へと移動される。MTU160は、ハイブリダイゼーションインキュベータ606にあるピペット取出ステーションへと回転されて、試薬冷却ベイ900からのプローブ試薬は、ピペットユニット480により、ハイブリダイゼーションインキュベータ606のカバー611にある開口部662を通って、各容器へとピペットで取り出される。このプローブ試薬は、化学発光検出プローブ(好ましくは、アクリジニウムエステル(AE)標識プローブ(これは、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)を用いて検出できる))を含有する。アクリジニウムエステル標識プローブおよびHPAアッセイは、当該技術分野で周知であり、また、背景部分(前出)でさらに詳細に記述されている。AE標識プローブおよびHPAアッセイが好ましいものの、分析器50は、好都合には、種々の検出方法および付随のプローブ(標識したものおよび未標識のものの両方)に適応するように、適合できる。検出プローブが容器162に添加されたことの確認は、ハイブリダイゼーションインキュベータ606にある容器162に現存しているHPAアッセイ条件下にて、この検出プローブ以外で、このプローブ試薬中のプローブをハイブリダイズできる内部コントロール(またはそのアンプリコン(amplicon))を使用して、達成できる。このプローブの標識は、この検出プローブの標識から区別しなければならない。
【0274】
MTU160の容器162の各々にプローブ試薬を分配した後、ピペットユニット480は、ピペットリンス台1944へと移動し、このピペットユニットのプローブ481は、蒸留水でリンスされる。
【0275】
MTUカルーセルアセンブリ671は、MTU160を斜めディスク線形ミキサ634へと回転して、この場所で、MTU160およびその内容物は、上記のように、約14Hzで回転されて、添加した検出プローブの標的アンプリコンの曝露を容易にする。MTU160は、次いで、この標的アンプリコンへの検出プローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに充分な時間にわたって、インキュベートされる。
【0276】
ハイブリダイゼーションインキュベーション後、MTU160は、再度、インキュベータ606内で、MTUカルーセルアセンブリ671により、ピペット開口部662の下のピペット取出位置まで回転される。試薬冷却ベイ900にある容器内に保存された選択試薬は、ピペットユニット480により、各容器162へとピペットで取り出される。このHPAアッセイでは、選択試薬が使用され、これは、アルカリ試薬を含み、これは、未ハイブリダイズプローブに付随したアクリジニウムエステル標識を特異的に加水分解して、化学発光に対するその性能を破壊または阻害し、その間、標的アンプリコン(または内部標準のアンプリコン)へとハイブリダイズされたプローブを付随しているアクリジニウムエステル標識は、加水分解されず、適切な検出条件下にて、掲出可能な様式で、化学発光できる。
【0277】
MTU160の容器162の各々に選択プローブを添加することに続いて、ピペットユニット480のピペットプローブ481は、ピペットリンス台1944にて、蒸留水でリンスされる。MTU160は、インキュベータ606内にて、MTUカルーセルアセンブリ671により、斜めディスク線形ミキサ634へと回転され、そして上記のようにして、約13Hzで混合されて、この標的アンプリコンの添加選択試薬への曝露を容易にする。このMTUは、次いで、インキュベータ606にて、この選択プロセセスを完結するのに充分な時間にわたって、インキュベートされる。
【0278】
選択インキュベーションが完結した後、左側運搬機構502は、MTU160を、利用可能ランプダウンステーション700(これは、左側運搬機構502にアクセスできる)へと運搬して、MTU160を冷却する。MTU160を冷却した後、それは、左側運搬機構502により、このランプダウンステーションから回収され、そして運搬機構502により、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602へと移動されて、MTU160の温度を約40℃で安定化する。
【0279】
MTU160の温度を安定化するのに充分な時間が過ぎると、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602内のMTUカルーセルアセンブリ671は、回転して、インキュベータ602の右側分配器ドアにて、MTU160を提示する。この右側分配器ドアは、開かれて、MTU160は、右側運搬機構500により、活性温度および先行読み取りクールダウンインキュベータ602から取り除かれる。
【0280】
右側運搬機構500は、このMTUをバーコードスキャナー(図示せず)へと移動し、これは、MTU160のラベル受容構造体174のラベル受容面175上で書き込まれたMTUバーコード情報を走査する。このバーコードスキャナーは、好ましくは、照度計950のハウジングの外壁に装着されている。好ましいバーコードスキャナーは、部品番号LHA1127RR1S−032として、Orangeburg,New YorkのOpticon,Inc.から入手できる。このスキャナーは、正しいアッセイ時間での正しいMTUを確認することにより、照度計950に入る前の全アッセイ時間を検証する。このバーコード読み取り装置から、右側運搬機構500は、MTU160を照度計950に移動する。
【0281】
好ましい操作モードでは、右側運搬機構500がMTU160を照度計950に移動する前に、MTU160は、右側運搬機構500により、利用可能なMTUランプダウンステーション(すなわち、冷却機)へと配置されて、MTU160の温度を24±3℃まで低下させる。このMTUの内容物は、この冷却した温度で、さらに一貫した化学発光「ライトオフ(light−off)」を示すことが確定された。
【0282】
(照度計)
図40〜42Cを参照すると、照度計950の第一実施形態は、ハウジング954内にて、電子機器ユニット952を含む。電子機器ユニット952に連結された光電子増倍管チューブ(PMT)956は、PMTプレート955を通って、ハウジング954内から延びているが、PMTプレート956の前端は、開口部953と整列している。好ましいPMTは、モデルHC135として、Bridgewater,New JerseyのHamamatsu Corp.から入手できる。好ましいPMTを用いた信号測定は、周知の光子計数システムに基づいている。
【0283】
開口部953は、PMTプレート955の前で、開口部ボックス958の中心に置かれる。開口部953および開口部ボックス958は、ハウジングにより、完全に囲まれ、これは、床プレート964、上部プレート966、PMTプレート955、および後部フレーム965および後部プレート967(これは、迷光が開口部953に入るのを防止し、そしてデータプレート82に装着されている)により、規定される。MTU運搬経路は、開口部953の前で、この開口部の光軸をほぼ横断して、このハウジングを通って延びている。MTU160は、このMTU運搬経路を経由して、照度計950を通る。このMTU運搬経路の対向側面には、後部レール991および前部レール995が配置されており、平行水平フランジを提供し、これは、照度計950内で配置されたMTU160の接続リブ構造体164を支持する。このMTU運搬経路の対向末端で配置された付随ドアハウジング961内での回転に対して、回転ドア960が支持されており、これは、ドアモーター962(これは、ステッパーモーターまたはDCギアモーターを含み得る)により、回転される。
【0284】
ドアハウジング961は、そこを通ってMTU160が照度計950に出入できる開口部を提供する。MTU160は、ドアハウジング961の1個を通ってMTU160を挿入する右側運搬機構500によって、照度計950に入る。MTU160は、MTU運搬アセンブリ(その種々の実施形態は、以下で記述するが、これは、このMTU運搬経路を通り、最終的に、この照度計から、他のドアハウジング961を通って、MTUを移動する)の影響下にて、この照度計を出ていく。
【0285】
回転ドア960は、一般に、円筒形であり、切り欠き部分963を含む。各回転ドア960は、開放位置(この位置では、切り欠き部分963は、付随したドアハウジング961の開口部とほぼ整列しており、その結果、MTU160は、この開口部を通過できる)と閉鎖位置(この位置では、切り欠き部分963とは反対側のこの回転ドアの側は、MTU160および光のいずれもこの開口部を通過できないように、付随したドアハウジング961の開口部を横切って、延びている)との間で、回転できる。MTU160が照度計950に入るかまたはそこから出ていくときを除いて、回転ドア960は、好ましくは、それらの各閉鎖位置にあり、迷光がこの照度計に入るのを防止する。試験結果は、PMT956で検出された光の量により確認されるので、標本抽出された受容器160以外の光源からの迷光は、誤った結果を引き起こし得る。
【0286】
図39〜41で示すように、このMTU運搬アセンブリは、MTU前進モーター972を含み得、これは、タイミングベルト(図示せず)または斜角ギア975を通って、親ネジ974を駆動する。親ネジ974と噛み合わされたネジ従動節976は、親ネジ974から離れて延びているMTUブラケットに連結されて、MTU160と噛み合う。MTUブラケット977は、ガイドフランジ978を有し、その中には、僅かにアーチ形の細長いガイド穴979が形成されている。照度計950を通って、親ネジ974に隣接してそれと平行に、ガイドロッド980が延びている。ガイドロッド980は、ガイド穴979を通って、延びている。
【0287】
MTUブラケット977を前進させる(
図42Cでは、下から上へ)ためには、親ネジ974は、
図42Bで見えるように、反時計方向に回転する。系の摩擦があるために、ネジ従動節976およびMTUブラケット977もまた、ガイドロッド980がガイド穴979の左側面と接触するまで、親ネジ974と共に、反時計方向に回転する。ガイドロッド980がガイド穴979の側面と接触すると、MTUブラケット974およびネジ従動節976は、もはや、親ネジ974と共には回転できず、親ネジ974をそれ以上に回転すると、MTUブラケット974およびネジ従動節976は、親ネジ974に沿って前進するようになる。MTUブラケット977から延びているアーム981もまた、親ネジ974が回転するにつれて、限られた円弧で、反時計方向に回転して、MTU160と噛み合い、照度計950を通って、それを前進させる。
【0288】
MTU160がPMT956を通過した後、そのMTUは、照度計950から排出され、そして次のMTUは、照度計950を通って、引くことができる。MTUブラケット977は、親ネジ974を時計方向に回転することにより、このMTU運搬経路のMTU入口末端の方へと移動する。系の摩擦により、ネジ従動節976およびMTUブラケット977は、ガイドロッド980がガイド開口部979の右側と接触するまで、時計方向に回転されて、その後、親ネジ974を引き続いて回転することにより、ネジ従動節976およびMTUブラケット977は、親ネジ974に沿って、後退される。MTUブラケット977の時計方向運動により、アーム981は、限られた円弧で、時計方向に回転されて、このMTUから外れ、その結果、MTUブラケット977は、このMTUと接触することなく、後退できる。すなわち、アーム981は、MTUブラケット977が後退するにつれて、このMTUの上部を通り過ぎる。
【0289】
図39で示すように、ブラインダ982(これは、ブラインダアクチュエータ993で駆動される)は、開口部953と整列して、垂直に上下に移動する。ブラインダ982は、前部パネル983を含み、これは、開口部ブロック958に対する滑り運動のために取り付けられ、その中に、開口部953と整列できる略長方形開口部(図示せず)が形成されている。前部パネル983の上部は、パネル983で形成された開口部が開口部953と整列しないとき、開口部953を遮断し、それにより、開口部953に対するシャッターとして、作動する。ブラインダ982は、2個の側壁987(これらは、この開口部の対向側面て平行に配置されており、前部パネル983とほぼ垂直である)、および後壁988(これは、側壁987のうち、前壁983とは反対側の後縁部に及び、前壁983とほぼ垂直である)を含む。ブラインダ982が、ブラインダアクチュエータ993により、MTU160の1個の容器162に下に上昇するとき、側壁987および後壁988は、MTU160の1個の容器162に適合するサイズにした部分長方形囲壁を規定している。ブラインダアクチュエータ993は、ステッパーモーター992および親ネジ994を含む線形ステッパーアクチュエータであり得る。Waterbury,ConnecticutのHaydon Switch and Instrument,Inc.から入手できるHSI線形ステッパーアクチュエータが、使用されている。
【0290】
MTU160を右側運搬機構500により照度計950に配置した後、モーター972には、電圧が加えられて、このMTUの第一容器を引き込み、開口部953と整列させる。ブラインダ982は、通常、このMTU運搬経路から詰め込まれるが、ブラインダ982の側壁987および後壁988が容器162を取り囲むまで、ブラインダアクチュエータ993により上昇され、そしてブラインダ982の前部パネル983に形成された開口部は、開口部953と整列される。ブラインダ982は、実質的には、開口部953の前にある容器162以外の光源からの光が開口部953に達するのを防止し、その結果、PMT556は、開口部953の前で、この容器からの光放射だけを直接的に検出する。
【0291】
このPMTシャッターが開くと、低部シャーシ1100のコンテナ1148、1170から引き出された異なる検出試薬(Detect IおよびDetect II)は、照度計950の頂部にある試薬ポート984へと延びている専用送達ライン(図示せず)を通って、整列した容器162へと連続的に送達される。Detect IおよびDetect II試薬は、それぞれ、過酸化水素含有試薬および水酸化ナトリウム含有試薬であり、そして、配合して普通の過酸化水素溶液を形成し、これは、加水分解されていないアクリジニウムエステル標識の化学発光を高める。普通の過酸化水素は不安定であるので、Detect I試薬およびDetect II試薬は、好ましくは、照度計950での検出の直前に、容器162で配合される。
【0292】
Detect IIの添加後、容器162の内容物から放射された光は、PMT956を用いて検出され、このPMTシャッターは、次いで、閉じられる。PMT956は、化学発光標識により放射された光を、電子機器ユニット952により処理された電気信号へと変換し、その後、コネクタ986に連結されたケーブル(図示せず)を経由して、制御装置1000または他の周辺ユニットへと送られる。
【0293】
低い感度しか必要としない場合には、光電子増倍管に代えて、光学センサを使用することが可能であり得る。ダイオードは、照度計950と共に使用できる受容可能な光学センサの一例である。MTU160の材料が、好ましいポリプロピレン材料の半透明な外観というよりもむしろ、比較的に透明であるとき、光学センサもまた、適切であり得る。MTU160用の材料を選択するとき、自然な発光をするかまたは静電蓄積を受けやすくした(そのいずれかは、定量測定の誤ったポジティブ(false positive)または妨害の機会を高め得る)材料を回避するには、注意を払うべきである。
【0294】
上記工程は、MTU160の各容器162に対して、繰り返される。MTU160の各容器162からの化学発光信号を測定した後、モーター972が前進して、出口ドア961を通って、照度計950から、アンプリコン不活性化ステーション750へと、MTU160を移動する。
【0295】
代替の現在好ましい照度計は、一般に、
図43にて、参照番号1360で指定されている。照度計1360は、ハウジング1372を含み、これは、底壁1370、底壁1370の対向側面にあるドアアセンブリ1200(これは、ハウジング1372の末端部を規定する)、光学センサシャッターアセンブリ1250(これは、ハウジング1370の前壁を規定する)、頂壁(図示せず)、および後壁(図示せず)を有し、これらは、ハウジング1370を完成し、その中で囲壁を規定する。右側ドアアセンブリ1200は、受容器入口開口部1374を規定し、そして左側ドアアセンブリ1200は、受容器出口開口部1376を規定し、そこを通って、MTU160は、ハウジング1370からおよびそこへと通過できる。各ドアアセンブリ1200は、各開口部1374または1376を通るアクセスを制御し、そして端壁1202、カバープレート1232、および回転ドア1220(これは、端壁1202とカバープレート1232との間で、回転可能に配置されている)を含む。光学センサ開口部シャッターアセンブリ1250は、光学センサ(
図43では、図示さず)(例えば、光電子増倍管)に入る光を制御する。アセンブリ1250は、光レシーバ取付壁1250およびその中に形成された開口部1292を有するカバープレート1290を含む。
【0296】
ハウジング1372の前部には、照度計1360に入る前にMTUを走査するためのバーコードスキャナー1368が装着されている。
【0297】
受容器運搬アセンブリ1332は、受容器(例えば、MTU160)を、入口開口部1374から、照度計1360を通って、出口開口部1376へと移動する。アセンブリ1332は、ネジ付き親ネジ1340に移動可能に備えられた運搬装置1342を含み、これは、ベルト(図示せず)で、親ネジ1340に連結されたモーター1336により、回転される。
【0298】
その頂壁(図示せず)には、分配ノズル1362が装着され、そして導管チューブ1362および1364により、ポンプに接続され、最終的には、低部シャーシ1100にあるボトル1146および1170に接続されている。ノズル1362は、「Detect
I」試薬および「Detect II」試薬を、ハウジング1372内のMTU160の受容器162へと分配する。
【0299】
ハウジング1372内には、容器ポジショナーアセンブリ1300が配置されており、そしてMTU160の各チューブ162を開口部1292の前に位置づけるように、そして位置づけた各チューブを隣接チューブから光学的に隔離するように、構成され配置されていて、その結果、1個のチューブからの光だけが同時に開口部1292に入るようにされる。ポジショナーアセンブリ1300は、受容器ポジショナー1304を含み、これは、ハウジング1372の床1370に確保されたポジショナーフレーム1302内で、回転可能に取り付けられている。
【0300】
照度計1360のMTU入口開口部1374および出口開口部1376用のドアアセンブリ1200は、
図44で示されている。ドアアセンブリ1200は、照度計端壁1202を含み、これは、照度計ハウジング1372の端壁を形成する。端壁1202は、第一凹部領域1206を含み、第一陥凹部領域1206には、第二の円形凹部領域1208が重ね合わされている。円形凹部領域1208周囲の周りには、円形溝部1207が延びている。スロット1204は、MTU160の縦方向プロフィールとほぼ一致する形状を有しているが、円形凹部領域1208にて、その中心の一側面まで形成されている。円形凹部領域1208の中心からは、短中心ポスト1209が延びている。
【0301】
回転ドア1220は、円形形状であり、そして回転ドア1220の周囲の周りに延びている軸壁1222を含む。軸壁1222は、回転ドア1220の外周縁から短い半径方向距離で配置されており、それにより、軸壁1222の外側の最外周縁の周りで、環状肩部1230を規定している。スロット1226は、MTUの縦方向プロフィールとほぼ一致する形状を有するが、回転ドア1220にて、中心を外れた位置で、形成されている。
【0302】
回転ドア1220は、端壁1202の円形凹部領域1208に設置されている。中心開口部1224は、端壁1202の中心ポスト1209を受容し、そして円形溝部1207は、軸壁1222を受容する。環状肩部1230は、円形凹部領域1208を取り囲んでいる凹部領域1206の平坦面に載っている。
【0303】
端壁1202は、駆動ギア凹部1210を含み、これは、その中で、モーター1213の駆動シャフトに装着された駆動ギア1212を受容する(
図43(ここで、右側ドアアセンブリ1200用のモーター1213だけが示されている)を参照せよ)。モーター1213は、好ましくは、DCギアモーターである。好ましいDCギアモーターは、モデル番号1524T024SR 16/7 66:1で、Clearwater,FloridaのMicro Mo Electronicsから入手できる。回転ドア1220の軸壁1222の外周は、その上にギア歯が形成されており、これらは、このシャッターが円形凹部1208に設置されるとき、駆動ギア1212と噛み合う。
【0304】
カバープレート1232は、一般に、長方形の形状であり、そして端壁1202の凹部領域1206とほぼ一致するサイズおよび形状を有する隆起領域1234を含む。カバープレート1232は、その中に、開口部1236が形成されており、これは、MTUの縦方向プロフィールとほぼ一致する形状を有し、カバープレート1232を端壁1202に設置したとき、隆起長方形領域1234は、長方形凹部領域1206内で受容され、そして開口部1236は、開口部1204とほぼ整列している。それゆえ、回転ドア1220は、カバープレート1232と端壁1202との間で挟まれており、そして開口部1236および1204は、共に、入口開口部1374および出口開口部1376を規定している。
【0305】
駆動ギア1212がモーター1213で回転されるとき、回転ドア1220は、駆動ギア1212と絡んで、中心ポスト1209の周りで回転される。開口部1226が開口部1204および1236と整列するとき、MTU160は、ドアアセンブリ1200の開口部1374(1376)を通過できる。回転ドア1220が円形凹部領域1208内に配置され、そしてカバープレート1232の隆起領域1234が端壁1202の凹部領域1206内に配置されて、実質的に光密(light−tight)構造体が得られ、それにより、開口部1226が開口部1204および1236と整列されていないとき、このドアを通って入る光は、殆どまたは全くない。
【0306】
円形凹部領域1208の外縁に配置されたスロット1214および1216内では、直径方向に対向した位置で、スロット付き光学センサが配置されている。好ましいセンサは、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる(モデル番号OPB857)。スロット1214および1216内で配置されたスロット付きセンサは、軸壁1222に形成されたノッチ1228の存在を検出して、ドアの開閉状態の信号を送る。
【0307】
光学センサ開口部シャッターアセンブリ1250は、
図45で示されている。光レシーバ(例えば、光電子増倍管956)は、光レシーバ取付壁1252に形成された光レシーバ開口部1254と連結されている。光レシーバ取付壁1252は、略長方形の2段になった隆起領域1256を含み、これは、長方形隆起領域1256で重ね合わせられた略長方形肩部1257および円形凹部領域1258を規定している。円形凹部領域1258の周囲の周りには、円形溝部1261が延びている。円形凹部領域1258の中心では、円形ポスト1259が位置づけられている。円形凹部領域1258では、光レシーバ開口部1254が形成されている。図示した実施形態では、光レシーバ開口部1254は、中心ポスト1259の下に配置されているが、光レシーバ開口部1254は、円形凹部領域1258の任意の位置に置くことができる。
【0308】
開口部シャッターアセンブリ1250は、回転シャッター1270を含み、これは、軸壁1274を有し、その外周には、ギア歯が形成されている。軸壁1274は、シャッター1270の外周の近くに形成されているが外周には形成されておらず、それにより、環状肩部1276を規定する。円形凹部領域1258では、回転シャッター1270が設置されており、中心ポスト1259は、回転シャッター1270に形成された中心開口部1272内で受容され、そして軸壁1274は、円形溝部1261内で受容されている。ギア凹部1260内で配置され、駆動モーター1263に連結された駆動ギア1262は、回転シャッター1270の軸壁1274で形成された外部ギア歯と噛み合って、回転シャッター1270を中心ポスト1259の周りで回転する。好ましい駆動モーター1263は、モデル番号1524T024SR 16/7 66:1として、Clearwater,FloridaのMicro Mo Electronicsから入手できるDCギアモーターである。Micro Moのギアモーターは、高品質で低バックラッシュのモーターなので、好ましい。回転シャッター1270には、開口部1280が形成されているが、これは、回転シャッター1270が回転するにつれて、動いて光レシーバ開口部1254と整列したり整列から外すことができる。
【0309】
シャッター1270を円形凹部領域1258に設置して、カバープレート(またはセンサ開口部壁)1290は、センサマウント1252上へと設置される。
図45Aで示すように、センサ開口部壁1290は、略長方形の2段になった凹部領域1296を含み、これは、略長方形の肩部1297を規定しており、その中で、センサマウント1252の長方形隆起領域1256を受容するサイズおよび形状にされている。センサ開口部1292は、開口部壁1290を通って形成されており、そしてセンサマウント1252に形成された光レシーバ開口部1254とほぼ整列している。センサ開口部1292は、一般に、細長い卵形の形状であり、これは、MTU160の個々の容器162の幅にほぼ一致している幅、および意図した視覚領域の高さに一致している高さを有する。シャッター1270の開口部1280は、図示した実施形態では、円形で示されているものの、開口部1280は、他の形状(例えば、長方形)であり得、容器162の幅に一致する幅またはセンサ開口部1292と類似した細長い卵形を備えている。回転シャッター1270を、開口部1280が光レシーバ開口部1254およびセンサ開口部1292と整列している位置まで回転することにより、光は、センサ956に達することが可能となり、また、回転シャッター1270を、開口部1280が光レシーバ開口部1254およびセンサ開口部1292と整列していない位置まで回転することにより、光が、センサ956に到達するのを防止できるようになる。
【0310】
スロット付き光学センサは、スロット1264および1266に配置されており、そしてシャッター1270の軸壁1274で形成されたノッチ1278を検出して、シャッター1270の開放位置および閉鎖位置を検出する。好ましいスロット付き光学センサは、モデル番号OPB857として、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0311】
開口部壁1290は、その幅に沿って延びている上方に面した肩部1294を含む。MTU160の下方に面した肩部は、MTU160の接続リブ構造体164により規定されるが(
図45を参照)、MTU160がこの照度計を通って滑るにつれて、肩部1294により、支持される。
【0312】
容器ポジショナーアセンブリ1300は、
図46および
図48〜49に示される。容器ポジショナー1304は、容器ポジショナーフレーム1302内で、操作可能に配置されている。容器ポジショナー1304は、シャフト1308の周りで回転するために、容器ポジショナーフレーム1302に取り付けられている。シャフト1308は、回転ソレノイド(または、さらに好ましくは、ギアモーター1306)に操作可能に連結されて、
図46で示す後退位置と、
図48で示す完全伸長位置との間で、容器ポジショナー1304を選択的に回転する。好ましいギアモーター駆動装置は、モデル番号1724T024S+16/7 134:1+X0520で、Clearwater,FloridaのMicro Mo Electronicsから入手できる。
【0313】
図47で示すように、容器ポジショナー1304は、2枚の平行壁1312を規定するVブロック構造体1310を含む。容器ポジショナー1304は、さらに、その下端にて、容器ポジショナー1304の厚さの一部が取り除かれた領域を含み、それにより、比較的に薄いアーチ形フランジ1314を規定している。
【0314】
MTU160を照度計1360へと挿入するとき、容器ポジショナー1304は、
図46で示した後退位置にある。個々の容器162をセンサ開口部1292(
図45Aを参照)の前に配置して、その結果、容器162の内容物の化学発光のセンサ読み取りがなされ、容器ポジショナー1304は、
図49で示した噛み合い位置へと、前方へ回転する。
図49で示した噛み合い位置では、Vブロック1310は、容器162と噛み合い、それにより、この容器を、この照度計の光レシーバ開口部1292と整列して、適当な位置で保持する。
図45で示すように、開口部壁1290は、壁1290の後部からこの照度計のMTU通路へと延びている突出部1298を含む。突出部1298は、容器ポジショナー1304が容器162と噛み合ったとき、この容器が側方に押されて硬いストップとして突出部1298と遭遇し、それにより、容器ポジショナー1304がこのMTU通路内で容器162を著しく傾けるのを防止するように、開口部1292と整列している。Vブロック1310の平行側壁1312は、開口部1292のすぐ前に配置された容器162の読み取りを行いつつ、MTU160の隣接容器162からの迷光が、この光レシーバに到達するのを防止する。
【0315】
フレーム1302の下部には、スロット付き光学センサ1318が取り付けられ、アーチ形フランジ1314は、センサ1318に対して、操作可能に位置づけられている。好ましいスロット付き光学センサは、モデル番号OPB930W51として、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。フランジ1314には、開口部1316が形成されている。開口部1316は、容器ポジショナー1304が容器162と噛み合って容器162および突出部1298が容器ポジショナー1304のそれ以上の回転を防止するとき、センサ1318と正しく整列されている。もし、容器162が容器ポジショナー1304の前で正しく位置づけられていないなら、容器ポジショナー1304は、
図48で示した位置まで、前方に回転し、この場合、開口部1316は、センサ1318と整列しておらず、誤信号が発生する。
【0316】
ギアモーター1306が容器ポジショナー1304を回転するのに使用されるなら、
図46で示すように、容器ポジショナー1304が完全に後退したとき、このギアモーターを遮断するポジショナー後退(すなわち、「ホーム」)信号を発生させるために、第二センサ(図示せず)を設ける必要がある。好ましいセンサは、モデル番号OPB900Wとして、Carrollton,TexasのOptek Technology,Inc.から入手できる。
【0317】
MTU運搬機構アセンブリ1332は、
図50で示されている。MTU運搬機構アセンブリ1332は、照度計1360の中間壁1330(
図43では示していない)の頂縁に隣接して、操作可能に配置されている。中間壁1330は、照度計ハウジング1372を通るMTU運搬経路の一面を規定しているが、長方形開口部1334を含む。中間壁1330には、開口部1334に隣接して、容器ポジショナーフレーム1302(例えば、
図57を参照)が取り付けられており、容器ポジショナー1304は、回転して、開口部1334を通って、MTU160と噛み合う。
【0318】
MTU運搬装置1342は、ネジ付き親ネジ1340に備えられ、そしてネジ従動節1344と一体的に形成された親ネジ1340およびMTUヨーク1346のネジ筋と噛み合うネジ筋を有するネジ従動節1344を含む。
図51で示すように、MTUヨーク1346は、縦方向に延びている部分1356および2つの側方に延びているアーム1348および1350を含み、縦拡張部1352は、アーム1350から延びている。親ネジ1340は、ステッパーモーター1336により、駆動ベルト1338を経由して、駆動される。好ましいステッパーモーターは、VEXTAモーター(モデルPK266−01A、これは、Tokyo,JapanのOriental Motor Ltd.から入手できる)であり、そして好ましい駆動ベルトは、New Hyde Park,New YorkのSDP/SIから入手できる。
【0319】
MTU160を、右側運搬機構500により、照度計950のMTU運搬経路へと挿入するとき、MTU160の第一容器162は、好ましくは、センサ開口部1292のすぐ前に配置され、それにより、第一読み取りのために正しく配置される。側方アーム1348および1350間のヨーク1346の幅は、単一のMTU160の長さに対応している。運搬装置1342は、
図50で幻影で示した第一位置と、第二位置との間で親ネジ1340の回転により移動される。スロット付き光学センサ1341および1343は、それぞれ、運搬装置1342が第一位置および第二位置のいずれにあるかを表示する。親ネジ1340とネジ従動節1344との間の摩擦のために、MTU運搬装置1342は、親ネジ1340と共に回転する傾向を有する。親ネジ1340と一緒のMTU運搬装置1342の回転は、好ましくは、しかしながら、ヨーク1346の下部と中間壁1330の頂部との噛み合いにより、また、照度計ハウジング1372の上部ストップ1354と上部カバー(図示せず)との噛み合いのために、制限される。
【0320】
照度計1360に挿入されたMTUを噛み合わせるために、親ネジ1340は、第一方向で回転され、ネジ従動節1344および親ネジ1340のネジ筋内での摩擦により、運搬装置1342は、上部スリップ1354が照度計1360の上部カバー(図示せず)と遭遇するまで、親ネジ1340と共に、上向きに回転される。その時点で、親ネジ1340の連続回転により、運搬装置1342は、
図50で幻影で示した位置まで、後方へ移動される。側方アーム1348、1350は、運搬装置1342が後方へ移動するにつれて、このMTUの上部を通り過ぎる。親ネジ1340の逆回転により、まず、運搬装置1342は、ヨーク1346の下部が壁1330の上縁と遭遇するまで、親ネジ1340と共に、下方へ回転されて、その時点で、ヨーク1346の側方アーム1348および1350は、照度計1360内で配置されたMTU160を跨ぐ。
【0321】
次いで、MTU160の容器162の各々が光学センサ開口部1292の前にくる位置まで、MTU160を漸次前向きに移動させるために、MTU運搬機構1332が使用される。最後の容器162をこの照度計内の光レシーバで測定した後、運搬装置1342は、MTU160を、その出口ドアに隣接した位置まで移動して、その時点で、親ネジ1340は、方向を逆にし、それにより、上記のように、運搬装置1342を初期位置(今ここでは、MTU160の後ろ)へと戻して後退させる。親ネジ1340の回転は、再度、逆にされ、運搬装置1342は、次いで、上記のように、前進される。出口ドアアセンブリ1200が開かれ、ヨーク1346の縦拡張部1352は、MTU160のMTU操作構造体166と噛み合って、MTU160を、この照度計の出口ドアから、不活性化列750へと押し出す。
【0322】
(不活性化ステーション)
アンプリコン不活化ステーション750では、専用送達ライン(図示せず)は、不活化溶液(例えば、緩衝化漂白剤)をMTU160の容器162へと添加して、MTU160内に残留している流体を不活化する。これらの容器の流体内容物は、専用吸引ラインに接続された管状要素(図示せず)により吸引され、そして低部シャーシ1100にある専用液体廃棄物コンテナに集められる。これらの管状要素は、好ましくは、4.7インチの長さおよび0.041インチの内径を有する。
【0323】
MTUシャトル(図示せず)は、照度計950から不活化ステーション750へと引き続いて各MTU160を送達すると共に、MTU160を(
図3の右側へと)漸次移動する。MTUが、照度計950により、不活化列750へと送達され得る前に、このMTUシャトルは、戦略的に配置した光学スロットスイッチにより感知されるように、ホーム位置へと後退しなければならない。この照度計からMTU160を回収した後、このシャトルは、MTU160を不活化ステーションへと移動し、この場所で、専用注入器に接続された専用送達ラインは、この不活化溶液を、MTU160の各容器162へと分配する。この不活化列での先のMTUは、もしあれば、このMTUシャトルで移動した距離だけ、前向きに押される。この不活化ステーションにあるセンサは、このMTUおよびMTUシャトルの両方の存在を検証し、それにより、実在しないMTUへの不活化流体の注入の発生および同じMTUへと二重の注入の発生を防止する。
【0324】
吸引器ステーション(図示せず)は、5個の機械的に連結された吸引器チューブを含み、これらは、吸引器チューブラックでの垂直運動のために取り付けられ、この吸引器チューブを上げ下げするために、アクチュエータに連結されている。この吸引器ステーションは、これらのMTUがデータプレート82にある穴を通って廃棄物ビン1108へと落ちる前に、この不活化列に沿った最後の位置にある。MTUが不活化ステーションに移動するときはいつでも、これらの吸引器チューブは、この吸引器ステーションにMTUが存在しようとしまいと、同時に、上下に循環する。もし、MTUが存在すると、これらの吸引器チューブは、このMTUからの流体内容物を吸引する。次のMTUが、このMTUシャトルにより、この不活化ステーションへと移動するとき、最後に吸引したMTUは、この不活化列の末端から押し離されて、廃棄物ビン1108へと落ちる。
【0325】
好ましい操作モードにて、分析器50で実行される上記アッセイ操作の工程および手順は、Gen−Probe TIGRIS Storyboard v.1.0(1997年6月23日)の文献で、図式的かつ簡潔に記述されており、そのコピーは、本明細書に対して優先権を主張している仮出願の開示で出願されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0326】
理想的には、分析器50は、8時間で、約500回の好ましいアッセイを作動でき、あるいは、12時間で、約1,000回の好ましいアッセイを作動できる。一旦、分析器50が始動され開始すると、それは、通常、操作者の補助または介入を殆どまたは全く必要としない。各試料は、所定のアッセイに対して等しく取り扱われるが、この分析器は、複数のアッセイ型を同時に実行でき、ここで、異なるMTUは、等しく取り扱われても良いし、そうでなくても良い。結果的に、手動のピペット取出、インキュベーションタイミング、温度制御、および手動で行われる複数アッセイに関連した他の限界は、回避され、それにより、信頼性、効率および出力が高まる。操作者が試料に触れるのは、一般に試料の装填に限られているので、潜在的な感染の危険性は、大きく低下する。
【0327】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態と現在考えられているものに関連して、記述されているものの、本発明は、開示した実施形態には限定されないが、添付の特許請求の範囲の意図および範囲内に入る種々の変更および等価物の配置を含むことが理解されるべきである。
【0328】
さらに、添付の特許請求の範囲のうち、35U.S.C.§112(¶6)で許容されている「特定の機能を実行するための手段」の形式の語句を含まないものは、35U.S.C.§112(¶6)の下では、本明細書で記述された構造、材料または作用およびそれらの等価物に限定されるとしては、解釈されない。