(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ジイソシアナートは、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、および前述のものの何れかの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
請求項7に記載の組成物であって、ここで、前記式(10)の硫黄含有ポリホルマールポリオールが、チオジグリコールおよびパラホルムアルデヒドを含む反応物質の反応生成物を含む、組成物。
請求項7に記載の組成物であって、ここで、前記式(10’)の硫黄含有ポリホルマールポリオールが、チオジグリコール、パラホルムアルデヒドおよび1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを含む反応物質の反応生成物を含む、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
2個の文字またはシンボル間にないダッシュ(「−」)は、置換基に対するかまたは2個の原子間の結合点を示すために使用される。例えば、−CONH
2は炭素原子を介して別の化学的部分に結合される。
【0015】
「活性化エチレン性不飽和イソシアナート」は、マイケル付加に対して活性化されるように、すなわち二重結合がマイケルアクセプターであるように、二重結合が電子不足であるエチレン性不飽和基およびイソシアナート基を含む化合物を指す。
【0016】
「アルデヒド」は、式CH(O)Rの化合物を指す(式中、Rは、本明細書中で定義されるとおり、水素または、アルキル基などの炭化水素基である)。ある特定の実施形態において、アルデヒドは、C
1−10アルデヒド、C
1−6アルデヒド、C
1−4アルデヒド、C
1−3アルデヒドであり、ある特定の実施形態において、C
1−2アルデヒドである。ある特定の実施形態において、アルデヒドはホルムアルデヒドである。アルデヒドのある特定の実施形態において、Rは、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから選択される。
【0017】
「アルカンジイル」は、例えば、1から18個の炭素原子(C
1−18)、1から14個の炭素原子(C
1−14)、1から6個の炭素原子(C
1−6)、1から4個の炭素原子(C
1−4)または1から3個の炭化水素原子(C
1−3)を有する、分枝状または直鎖状の非環式飽和炭化水素基のジラジカルを指す。ある特定の実施形態において、アルカンジイルは、C
2−14アルカンジイル、C
2−10アルカンジイル、C
2−8アルカンジイル、C
2−6アルカンジイル、C
2−4アルカンジイルであり、ある特定の実施形態において、C
2−3アルカンジイルである。アルカンジイル基の例としては、メタン−ジイル(−CH
2−)、エタン−1,2−ジイル(−CH
2CH
2−)、プロパン−1,3−ジイルおよびイソプロパン−1,2−ジイル(例えば、−CH
2CH
2CH
2−および−CH(CH
3)CH
2−)、ブタン−1,4−ジイル(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)、ペンタン−1,5−ジイル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、ヘキサン−1,6−ジイル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、ヘプタン−1,7−ジイル、オクタン−1,8−ジイル、ノナン−1,9−ジイル、デカン−1,10−ジイル、ドデカン−1,12−ジイルなどが挙げられる。
【0018】
「アルカンシクロアルカン」は、1以上のシクロアルキルおよび/またはシクロアルカンジイル基および1以上のアルキルおよび/またはアルカンジイル基を有する飽和炭化水素基を指し、シクロアルキル、シクロアルカンジイル、アルキルおよびアルカンジイルは本明細書中で定義される。ある特定の実施形態において、各シクロアルキルおよび/またはシクロアルカンジイル基は、C
3−6、C
5−6であり、ある特定の実施形態において、シクロへキシルまたはシクロヘキサンジイルである。ある特定の実施形態において、各アルキルおよび/またはアルカンジイル基は、C
1−6、C
1−4、C
1−3であり、ある特定の実施形態において、メチル、メタンジイル、エチルまたはエタン−1,2−ジイルである。ある特定の実施形態において、アルカンシクロアルカン基は、C
4−18アルカンシクロアルカン、C
4−16アルカンシクロアルカン、C
4−12アルカンシクロアルカン、C
4−8アルカンシクロアルカン、C
6−12アルカンシクロアルカン、C
6−10アルカンシクロアルカンであり、ある特定の実施形態において、C
6−9アルカンシクロアルカンである。アルカンシクロアルカン基の例としては、1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルメタンが挙げられる。
【0019】
「アルカンシクロアルカンジイル」は、アルカンシクロアルカン基のジラジカルを指す。ある特定の実施形態において、アルカンシクロアルカンジイル基は、C
4−18アルカンシクロアルカンジイル、C
4−16アルカンシクロアルカンジイル、C
4−12アルカンシクロアルカンジイル、C
4−8アルカンシクロアルカンジイル、C
6−12アルカンシクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイルであり、ある特定の実施形態において、C
6−9アルカンシクロアルカンジイルである。アルカンシクロアルカンジイル基の例としては、1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサン−1,5−ジイルおよびシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイルが挙げられる。
【0020】
「アルカンアレーン」は、1以上のアリールおよび/またはアレーンジイル基ならびに1以上のアルキルおよび/またはアルカンジイル基を有する炭化水素基を指し、アリール、アレーンジイル、アルキルおよびアルカンジイルは本明細書中で定義される。ある特定の実施形態において、各アリールおよび/またはアレーンジイル基は、C
6−12、C
6−10であり、ある特定の実施形態において、フェニルまたはベンゼンジイルである。ある特定の実施形態において、各アルキルおよび/またはアルカンジイル基は、C
1−6、C
1−4、C
1−3であり、ある特定の実施形態において、メチル、メタンジイル、エチルまたはエタン−1,2−ジイルである。ある特定の実施形態において、アルカンアレーン基は、C
4−18アルカンアレーン、C
4−16アルカンアレーン、C
4−12アルカンアレーン、C
4−8アルカンアレーン、C
6−12アルカンアレーン、C
6−10アルカンアレーンであり、ある特定の実施形態において、C
6−9アルカンアレーンである。アルカンアレーン基の例としてはジフェニルメタンが挙げられる。
【0021】
「アルカンアレーンジイル」は、アルカンアレーン基のジラジカルを指す。ある特定の実施形態において、アルカンアレーンジイル基は、C
4−18アルカンアレーンジイル、C
4−16アルカンアレーンジイル、C
4−12アルカンアレーンジイル、C
4−8アルカンアレーンジイル、C
6−12アルカンアレーンジイル、C
6−10アルカンアレーンジイルであり、ある特定の実施形態において、C
6−9アルカンアレーンジイルである。アルカンアレーンジイル基の例としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイルが挙げられる。
【0022】
「アルカンシクロアルカン」は、1以上のシクロアルキルおよび/またはシクロアルカンジイル基ならびに1以上のアルキルおよび/またはアルカンジイル基を有する飽和炭化水素基を指し、シクロアルキル、シクロアルカンジイル、アルキルおよびアルカンジイルは本明細書中で定義される。ある特定の実施形態において、各シクロアルキルおよび/またはシクロアルカンジイル基は、C
3−6、C
5−6であり、ある特定の実施形態において、シクロへキシルまたはシクロヘキサンジイルである。ある特定の実施形態において、各アルキルおよび/またはアルカンジイル基は、C
1−6、C
1−4、C
1−3であり、ある特定の実施形態において、メチル、メタンジイル、エチルまたはエタン−1,2−ジイルである。ある特定の実施形態において、アルカンシクロアルカン基は、C
4−18アルカンシクロアルカン、C
4−16アルカンシクロアルカン、C
4−12アルカンシクロアルカン、C
4−8アルカンシクロアルカン、C
6−12アルカンシクロアルカン、C
6−10アルカンシクロアルカンであり、ある特定の実施形態において、C
6−9アルカンシクロアルカンである。アルカンシクロアルカン基の例としては、1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルメタンが挙げられる。
【0023】
「アルカンシクロアルカンジイル」は、アルカンシクロアルカン基のジラジカルを指す。ある特定の実施形態において、アルカンシクロアルカンジイル基は、C
4−18アルカンシクロアルカンジイル、C
4−16アルカンシクロアルカンジイル、C
4−12アルカンシクロアルカンジイル、C
4−8アルカンシクロアルカンジイル、C
6−12アルカンシクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイルであり、ある特定の実施形態において、C
6−9アルカンシクロアルカンジイルである。アルカンシクロアルカンジイル基の例としては、1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサン−1,5−ジイルおよびシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイルが挙げられる。
【0024】
「アルコキシ」は、Rが本明細書中で定義されるとおりのアルキルである−OR基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。ある特定の実施形態において、アルコキシ基は、C
1−8アルコキシ、C
1−6アルコキシ、C
1−4アルコキシであり、ある特定の実施形態において、C
1−3アルコキシである。
【0025】
「アルキル」は、例えば、1から20個の炭素原子、1から10個の炭素原子、1から6個の炭素原子、1から4個の炭素原子または1から3個の炭素原子を有する、分枝状または直鎖状の非環式飽和炭化水素基のモノラジカルを指す。ある特定の実施形態において、アルキル基は、C
2−6アルキル、C
2−4アルキルであり、特定の実施形態において、C
2−3アルキルアルキルである。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなどが挙げられる。ある特定の実施形態において、アルキル基は、C
2−6アルキル、C
2−4アルキルであり、ある特定の実施形態において、C
2−3アルキルである。
【0026】
「アレーンジイル」は、ジラジカル単環式または多環式芳香族基を指す。アレーンジイル基の例としては、ベンゼン−ジイルおよびナフタレン−ジイルが挙げられる。ある特定の実施形態において、アレーンジイル基は、C
6−12アレーンジイル、C
6−10アレーンジイル、C
6−9アレーンジイルであり、ある特定の実施形態において、ベンゼン−ジイルである。
【0027】
「アリール」は、親芳香環系の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより得られる一価芳香族炭化水素ラジカルを指す。アリールは、5および6員炭素環式芳香環、例えばベンゼン;少なくとも1個の環が炭素環および芳香環である二環式環系、例えばナフタレン、インダンおよびテトラリン;および少なくとも1個の環が炭素環および芳香環である三環式環系、例えばフルオレンを包含する。アリールは、少なくとも1個の炭素環式芳香環、シクロアルキル環またはヘテロシクロアルキル環に縮合された少なくとも1個の炭素環式芳香環を有する複数の環系を包含する。例えば、アリールは、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5から7員のヘテロシクロアルキル環に縮合された5および6員炭素環式芳香環を含む。1個の環のみが炭素環式芳香環である、このような縮合二環式環系の場合、結合点は炭素環式芳香環またはヘテロシクロアルキル環にあり得る。アリール基の例としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなど由来の基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、アリール基は6から20個の炭素原子を有し得、ある特定の実施形態において6から12個の炭素原子を有し得る。しかし、アリールは、本明細書中で個別に定義されるヘテロアリールを何ら包含しないか、またはこれらと重複しない。ゆえに、1以上の炭素環式芳香環がヘテロシクロアルキル芳香環と縮合されている多重環系は、本明細書中で定義されるとおり、ヘテロアリールであり、アリールではない。ある特定の実施形態において、アリール基はフェニルである。
【0028】
「シクロアルカンジイル」は、ジラジカル飽和単環式または多環式炭化水素基を指す。ある特定の実施形態において、シクロアルカンジイル基は、C
3−12シクロアルカンジイル、C
3−8シクロアルカンジイル、C
3−6シクロアルカンジイルであり、ある特定の実施形態においてC
5−6シクロアルカンジイルである。シクロアルカンジイル基の例としては、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイルおよびシクロヘキサン−1,2−ジイルが挙げられる。
【0029】
「シクロアルキル」は、飽和単環式または多環式炭化水素モノラジカル基を指す。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、C
3−12シクロアルキル、C
3−8シクロアルキル、C
3−6シクロアルキルであり、ある特定の実施形態において、C
5−6シクロアルキルである。
【0030】
「シクロアルキルアルキル」は、水素原子のうち1個がシクロアルキル基で置き換えられているアルキル基を指す。シクロアルキルアルキル基のある特定の実施形態において、アルキル基の末端炭素原子上の水素原子は、シクロアルキル基で置き換えられている。シクロアルキルアルキルのある特定の実施形態において、シクロアルキル基はC
3−6シクロアルキル基であり、ある特定の実施形態において、C
5−6シクロアルキル基であり、ある特定の実施形態において、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロへキシル基である。ある特定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基のアルカンジイル部は、例えば、C
1−10アルカンジイル、C
1−6アルカンジイル、C
1−4アルカンジイル、C
1−3アルカンジイル、プロパン−1,3−ジイル、エタン−1,2−ジイルまたはメタン−ジイルであり得る。ある特定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、C
4−16シクロアルキルアルキル、C
4−12シクロアルキルアルキル、C
4−10シクロアルキルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキルまたはC
6−9シクロアルキルアルキルである。例えば、C
6−9シクロアルキルアルキルは、シクロペンチルまたはシクロへキシル基に結合されたC
1−3アルキル基を含む。
【0031】
「シクロアルキルアルカン」基は、水素原子のうち1個がシクロアルカン基で置き換えられている、分枝状または直鎖状の非環式飽和炭化水素基を指す。シクロアルキルアルカン基のある特定の実施形態において、直鎖アルカン基の末端炭素原子上の水素原子がシクロアルキル基で置き換えられている。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基は、C
3−6シクロアルキル基であり、ある特定の実施形態において、C
5−6シクロアルキル基であり、ある特定の実施形態において、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロへキシル基である。シクロアルキルアルカン基のアルカン部は、例えば、C
1−10アルカン、C
1−6アルカン、C
1−4アルカン、C
1−3アルカン、プロパン、エタンまたはメタンであり得る。ある特定の実施形態において、シクロアルキルアルカン基は、C
4−16シクロアルキルアルカン、C
4−12シクロアルキルアルカン、C
4−10シクロアルキルアルカン、C
6−12シクロアルキルアルカンまたはC
6−9シクロアルキルアルカンである。例えば、C
6−9シクロアルキルアルカンは、シクロペンチルまたはシクロへキシル基に結合されたC
1−3アルキル基を含む。
【0032】
「ジイソシアナート由来の基」は、親ジイソシアナートの末端イソシアナート基の一方または両方がウレタン(−O−C(O)−N(R)−)、チオウレタン(−S−C(O)−N(R)−)または尿素(−N(R)−C(O)−N(R)−)結合(式中、Rは、水素または炭化水素基である)を形成する基を指す。ジイソシアナート由来の基としては、脂肪族ジイソシアナート由来の基および芳香族ジイソシアナート由来の基が挙げられる。ある特定の実施形態において、ジイソシアナート由来の基は脂肪族ジイソシアナート由来の基であり、ある特定の実施形態において、ジイソシアナート由来の基は芳香族ジイソシアナート由来の基である。例えば、2,6−ジイソシアナトトルエン由来の基は、以下の構造:
【0033】
【化1】
(式中、上記基は、−O−、−S−、または−NR−基に結合しており、イソシアナート基とヒドロキシル基、チオール基、またはアミン基との反応の結果生じる)を有する。
【0034】
脂肪族ジイソシアナートの例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノアート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアナート、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)シクロ[2.2.1.]ヘプタン、1,3,3−トリメチル−1−(イソシアナトメチル)−5−イソシアナトシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジメチルオクタン、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンジメチルジイソシアナートおよび1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)および4,4−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(H
12MDI)が挙げられる。芳香族ジイソシアナートの例としては、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート(2,6−TDI)、2,4−トルエンジイソシアナート(2,4−TDI)、2,4−TDIおよび2,6−TDIのブレンド物、1,5−ジイソシアナトナフタレン、ジフェニルオキシド4,4’−ジイソシアナート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(4,4−MDI)、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(2,4−MDI)、2,2’−ジイソシアナトジフェニルメタン(2,2−MDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、1−[(2,4−ジイソシアナトフェニル)メチル]−3−イソシアナト−2−メチルベンゼンおよび2,4,6−トリイソプロピル−m−フェニレンジイソシアナートが挙げられる。
【0035】
イソシアナート基が芳香環と直接結合していない芳香族ジイソシアナートの例としては、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、α、α、α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアナート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタラートおよび2,5−ジ(イソシアナトメチル)フランが挙げられる。芳香環に直接結合しているイソシアナート基を有する芳香族ジイソシアナートとしては、フェニレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、メチルナフタレンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ビス(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシ−ビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)エチレングリコール、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)−1,3−プロピレングリコール、ベンゾフェノンジイソシアナート、カルバゾールジイソシアナート、エチルカルバゾールジイソシアナート、ジクロロカルバゾールジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナートおよび2,6−トルエンジイソシアナートが挙げられる。
【0036】
脂環式ジイソシアナートの例としては、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−1,2−エタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンおよび2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンが挙げられる。
【0037】
「活性化エチレン性不飽和モノイソシアナート由来の基」は、親活性化エチレン性不飽和モノイソシアナートのイソシアナート基がウレタン、チオウレタンまたは尿素結合を形成し、活性化エチレン性不飽和基が別の部分に結合しているかまたは別の部分に結合していない基を指す。ある特定の実施形態において、活性化エチレン性不飽和イソシアナート由来の基は、親活性化エチレン性不飽和モノイソシアナートのイソシアナート基がウレタン、チオウレタンまたは尿素結合を形成し、活性化エチレン性不飽和基が別の部分に結合していない基を指す。例えば、活性化エチレン性不飽和モノイソシアナート2−イソシアナトエチルメタクリラート由来の基は、構造:
【0038】
【化2】
(式中、カルボニルは、−O−、−S−または−NR−と結合して、それぞれウレタン、チオウレタンまたは尿素基を形成する)を有し得る。ある特定の実施形態において、エチレン性不飽和イソシアナート由来の基は、親エチレン性不飽和モノイソシアナートのイソシアナート基がウレタン、チオウレタンまたは尿素結合を形成し、エチレン性不飽和基が別の部分に結合している基を指す。例えば、このような実施形態において、活性化エチレン性不飽和モノイソシアナート2−イソシアナトエチルメタクリラート由来の基は、構造:
【0039】
【化3】
(式中、カルボニルは、−O−、−S−または−NR−と結合して、ウレタン、チオウレタンまたは尿素基を形成し、元のビニル基が別の部分に結合している)を有する。
【0040】
エポキシ基との反応性がある基としては、アミン基が挙げられる。このような実施形態において、エポキシ基との反応性がある基を含むV基は式−V−NH
2を有し得、Vとエポキシ基との反応の結果生じる部分は式−V−NH−CH
2−CH(OH)−を有し得る。
【0041】
「ヘテロアルカンジイル」は、1以上の炭素原子がN、O、SまたはPなどのヘテロ原子で置き換えられているアルカンジイル基を指す。ヘテロアルカンジイルのある特定の実施形態において、ヘテロ原子はNおよびOから選択される。
【0042】
「ヘテロアレーンジイル」は、1以上の炭素原子がN、O、SまたはPなどのヘテロ原子で置き換えられているアレーンジイル基を指す。ヘテロアレーンジイルのある特定の実施形態において、ヘテロ原子はNおよびOから選択される。
【0043】
「ヘテロシクロアルカンジイル」は、1以上の炭素原子がN、O、SまたはPなどのヘテロ原子で置き換えられているシクロアルカンジイル基を指す。ヘテロシクロアルカンジイルのある特定の実施形態において、ヘテロ原子はNおよびOから選択される。
【0044】
「ヘテロアルカンアレーンジイル」は、1以上の炭素原子がN、O、SまたはPなどのヘテロ原子で置き換えられているアルカンアレーンジイル基を指す。ヘテロアルカンアレーンジイルのある特定の実施形態において、ヘテロ原子はNおよびOから選択される。
【0045】
「ヘテロシクロアルカンジイル」は、1以上の炭素原子がN、O、SまたはPなどのヘテロ原子で置き換えられているシクロアルカンジイル基を指す。ヘテロシクロアルカンジイルのある特定の実施形態において、ヘテロ原子はNおよびOから選択される。
【0046】
「ケトン」は、式CO(R)
2(式中、各Rは炭化水素基である)の化合物を指す。ケトンのある特定の実施形態において、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキルおよび置換C
6−12シクロアルキルアルキルから独立に選択される。ケトンのある特定の実施形態において、各Rは、メチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。ある特定の実施形態において、ケトンは、プロパン−2−オン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オンおよびペンタン−3−オンから選択される。
【0047】
「オキシアルカンジイル」は、1以上の炭素原子および1以上の炭素原子に結合したある特定の原子または基が酸素原子で置き換えられているアルカンジイル基を指す。オキシアルカンジイルのある特定の実施形態において、酸素原子(oxyen atom)は、他の酸素原子に隣接しないであろう。ある特定の実施形態において、オキシアルカンジイルは、C
2−10オキシアルカンジイル、C
2−8オキシアルカンジイル、C
2−6オキシアルカンジイルであり、ある特定の実施形態において、C
2−4オキシアルカンジイルである。
【0048】
「フェニルアルキル」は、水素原子のうち1個がフェニル基で置き換えられているアルキル基を指す。フェニルアルキルのある特定の実施形態において、直鎖アルキル基の末端炭素原子の水素原子の1個がフェニル基で置き換えられている。ある特定の実施形態において、フェニルアルキル基は、C
7−12フェニルアルキル、C
7−10フェニルアルキル、C
7−9フェニルアルキルであり、ある特定の実施形態においてベンジルである。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「ポリマー」は、オリゴマー、ホモポリマーおよびコポリマーを指す。別段の断りがない限り、分子量は、例えば当技術分野で認識される方式のポリスチレン標準物質を用いたゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した場合の、「Mn」として示されるポリマー性材料に対する数平均分子量である。
【0050】
示されるように、本開示により提供されるある特定の実施形態は、可撓性のアミンが末端にある硫黄含有付加物に関する。硫黄含有ポリマーとしては、ポリチオエーテル、ポリジスルフィドならびに、チオエーテルおよびジスルフィド基の両方を含有するポリマーが挙げられる。ポリチオエーテルは一般的に、少なくとも2個のチオエーテル基、例えば2個の−C−S−C−基を含有するポリマーを指す。ポリジスルフィドは、少なくとも2個のジスルフィド基、例えば2個の−C−S−S−C−基を含有するポリマーを指す。少なくとも2個のチオエーテルおよび/またはジスルフィド基に加えて、本開示により提供される硫黄含有ポリマーは、少なくとも2個のホルマール、アセタールおよび/またはケタール基、例えば、少なくとも2個の−O−C(R)
2−O−基(式中、各Rは、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される)を含むことができる。
【0051】
「置換(substituted)」とは、1以上の水素原子がそれぞれ独立に同じまたは異なる置換基で置き換えられている基を指す。ある特定の実施形態において、置換基は、ハロゲン、−S(O)
2OH、−S(O)
2、−SH、−SR(式中、RはC
1−6アルキルである)、−COOH、−NO
2、−NR
2(式中、各Rは、水素およびC
1−3アルキルから独立に選択される)、−CN、=O、C
1−6アルキル、−CF
3、−OH、フェニル、C
2−6ヘテロアルキル、C
5−6ヘテロアリール、C
1−6アルコキシおよび−COR(式中、RはC
1−6アルキルである)から選択される。ある特定の実施形態において、置換基は、−OH、−NH
2およびC
1−3アルキルから選択される。
【0052】
以下の詳細な説明の目的のため、明らかにそうではないと示されない限り、本開示により提供される実施形態は、様々な代替的変形および工程順序を想定し得ると理解されたい。さらに、実施例以外、または別段の指示がない場合は、本明細書および特許請求の範囲において使用される、例えば成分量を表す数は全て、全ての場合において「約」という語で修飾されるものとして理解されたい。従って、そうでないことが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲で挙げられる数値パラメータは、得ようとする所望の特性によって変化し得る近似値である。少なくとも、そして特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数値を考慮し、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0053】
本発明の幅広い範囲を示す数の範囲およびパラメータは近似値であるものの、具体的な実施例で示される数値は、可能な限り正確に報告する。しかし、何れの数値も、それらの個々の試験測定値で見られる標準偏差の結果必然的に生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0054】
また、本明細書中で列挙される何れの数の範囲も、その中に包含される全ての下位範囲を含むものとすることを理解されたい。例えば、「1から10」の範囲は、挙げられる約1という最小値と挙げられる約10という最大値との間の(これらを含む)全ての下位範囲を含むものとし、すなわち、約1以上の最小値および約10以下の最大値を有する。
【0055】
ここで、ポリマー、組成物および方法のある特定の実施形態を参照する。開示される実施形態は、特許請求の範囲を限定するものではない。それどころか、特許請求の範囲は、全ての代替物、変更および同等物を包含するものとする。
【0056】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、(a)ポリイソシアナートプレポリマーであって、(i)第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナートであって、第一のイソシアナート基のチオール基との反応性が第二のイソシアナート基のチオール基との反応性より高い、ジイソシアナート;および(ii)チオールが末端にある硫黄含有ポリマーを含む反応物質の反応生成物を含み、ここで、イソシアナート基対チオール基のモル比が約2.1:1〜約2.5:1である、ポリイソシアナートプレポリマー;および(b)芳香族ポリアミン、芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル付加物、およびその組み合わせから選択されるポリアミンを含む。
【0057】
ある特定の実施形態において、イソシアナート基対チオール基のモル比は、約2.1:1〜約2.4:1;約2.1:1〜約2.3:1であり、ある特定の実施形態において、約2.1:1〜約2.2:1である。ある特定の実施形態において、イソシアナート基対チオール基のモル比は、約2.1:1;約2.2:1;約2.3:1;約2.4:1であり、ある特定の実施形態において、約2.5:1である。
【0058】
ある特定の実施形態において、ポリイソシアナートプレポリマーは、イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルプレポリマー、イソシアナートが末端にあるポリホルマールプレポリマー、およびその組み合わせから選択される。
【0059】
ある特定の実施形態において、ポリイソシアナートプレポリマーは、イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルプレポリマーを含む。
【0060】
ある特定の実施形態において、イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルプレポリマーは、式(1)の二官能性のイソシアナートが末端にあるポリチオエーテル、式(1’)の多官能性のイソシアナートが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【0061】
【化4】
(式中、
各R
1は、C
2−10アルカンジイル、置換C
2−10アルカンジイル(ここで、置換基はC
1−3アルキル、C
1−3アルコキシ、C
6−8シクロアルキル、C
6−10アルキルシクロアルキル、およびC
5−8ヘテロシクロアルキルから選択される)、および−[(−CHR
3−)
s−X’−]
q−(−CHR
3−)
r−から独立に選択され、ここで:
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’は−O−、−S−、および−NHR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各R
2はC
1−10アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−14アルキルシクロアルカンジイル、および−[(−CHR
3−)
s−X’−]
q−(−CHR
3−)
r−から独立に選択され、ここで、s、q、r、R
3、およびX’は上記定義のとおりであり;
mは0から50の整数であり;
nは1から60の整数であり;
pは2から6の整数であり;
各XはSであり;
Bはz価多官能化剤B(V)
zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
各Vは末端ビニル基を含む基であり;
各−S−(CH
2)
2−V−は、Vとチオールとの反応に由来する部分であり;
各Y−NH−C(O)−は第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナート由来の基であり、第一のイソシアナート基のチオール基との反応性は第二のイソシアナート基のチオール基との反応性より高い)から選択される。
【0062】
式(1)および式(1’)のイソシアナートが末端にあるポリチオエーテルは、米国特許第7,879,955および同第7,622,548号で開示され、これらとしては、チオールが末端にあるポリチオエーテルが第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナートで末端化される前記米国特許に開示のイソシアナートが末端にあるポリチオエーテルの何れかが挙げられ、ここで、第一のイソシアナート基のチオール基との反応性が第二のイソシアナート基のチオール基との反応性より高い。
【0063】
ある特定の実施形態において、ポリイソシアナートプレポリマーは、イソシアナートが末端にあるポリホルマールプレポリマーを含む。
【0064】
ある特定の実施形態において、イソシアナートが末端にあるポリホルマールプレポリマーは、式(2)の二官能性のイソシアナートが末端にあるポリホルマール、式(2’)の多官能性のイソシアナートが末端にあるポリホルマール、およびその組み合わせ:
【0065】
【化5】
(式中、
tは1〜50から選択される整数であり;
各uは1および2から独立に選択され;
各R
4はC
2−6アルカンジイルから独立に選択され;
各R
5は、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリール、および置換C
6−12アリールから独立に選択され;
各−R
6’−は末端チオール基を含む基由来の基であり;
Bはz価ポリオールB(OH)
zのコアを表し、ここで、zは3から6の整数であり;
各Y−NH−C(O)−は、第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナートY−NCO由来の部分であり、ここで、第一のイソシアナート基のチオール基との反応性は第二のイソシアナート基のチオール基との反応性より高い)から選択される。
【0066】
ある特定の実施形態において、ジイソシアナートY−NCOは、第一のイソシアナート基のチオール基に対する反応性が第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも2倍、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも3倍、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも4倍、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも6倍であり、ある特定の実施形態において、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも10倍であるジイソシアナートである。
【0067】
ある特定の実施形態において、ジイソシアナートY−NCOは、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、および前述の何れかの組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、ジイソシアナートY−NCOは、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、トルエン−2,4−ジイソシアナート(2,4−TDI)、およびその組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、ジイソシアナートY−NCOはイソホロンジイソシアナート(IPDI)であり、ある特定の実施形態において、トルエン−2,4−ジイソシアナート(2,4−TDI)である。
【0068】
式(3)および式(3’)のイソシアナートが末端にあるポリホルマールのある特定の実施形態において、各−R
6’−は、式(a’)、式(b’)、式(c’)、式(d’)、式(e’)、式(f’)、式(g’)、および式(h’):
【0069】
【化6】
(式中、
各R
8は、ジイソシアナート由来の部分およびエチレン性不飽和モノイソシアナート由来の部分から独立に選択され;
各R
9はC
2−14アルカンジイルおよびC
2−14ヘテロアルカンジイルから独立に選択され;
各R
10は、C
2−6アルカンジイル、C
2−6ヘテロアルカンジイル、C
6−12アレーンジイル、置換C
6−12アレーンジイル、C
6−12ヘテロアレーンジイル、置換C
6−12ヘテロアレーンジイル、C
3−12シクロアルカンジイル、置換C
3−12シクロアルカンジイル、C
3−12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
3−12ヘテロシクロアルカンジイル、C
7−18アルカンアレーンジイル、置換C
7−18ヘテロアルカンアレーンジイル、C
4−18アルカンシクロアルカンジイル、および置換C
4−18アルカンシクロアルカンジイルから独立に選択される)の部分から独立に選択される。
【0070】
ある特定の実施形態において、ポリイソシアナートプレポリマーのNCO含有量は、約2.8%〜約3.6%、約2.9%〜約3.5%、約3.0%〜約3.4%、約3.1%〜約3.3%であり、ある特定の実施形態において、約3.2%または約3.17%である。
【0071】
チオールが末端にあるポリホルマールおよびイソシアナートが末端にあるポリホルマールは、米国特許出願第13/050,988号および同第13/051,002号ならびに米国仮特許出願第61/453,978号(2011年3月18日出願)で開示される。
【0072】
本開示により提供されるポリイソシアナートプレポリマーを、第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナート(ここで、第一のイソシアナート基のチオール基に対する反応性が第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性より高い)と、チオールが末端にある硫黄含有ポリマーとの反応によって調製することができる。
【0073】
ある特定の実施形態において、ジイソシアナートは、第一のイソシアナート基のチオール基に対する反応性が第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも2倍、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも3倍、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも4倍、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも6倍であり、ある特定の実施形態において、第二のイソシアナート基の同一のチオール基に対する反応性の少なくとも10倍であるジイソシアナートから選択される。
【0074】
ある特定の実施形態において、ジイソシアナートは、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、および前述のものの何れかの組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、ジイソシアナートは、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、トルエン−2,4−ジイソシアナート(2,4−TDI)、およびその組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、ジイソシアナートはイソホロンジイソシアナート(IPDI)であり、ある特定の実施形態において、トルエン−2,4−ジイソシアナート(2,4−TDI)である。ある特定の実施形態において、ジイソシアナートは2,4−トルエンジイソシアナートである。
【0075】
ポリイソシアナートプレポリマーを提供するための反応のある特定の実施形態において、反応物質は塩基触媒をさらに含む。ある特定の実施形態において、塩基触媒は、トリエチルアミン、トリオクチルホスフィン、およびその組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、塩基触媒は、トリエチルアミン、トリオクチルホスフィンであり、ある特定の実施形態において、トリエチルアミンとトリオクチルホスフィンとの組み合わせである。
【0076】
ポリイソシアナートプレポリマーを提供するための反応のある特定の実施形態において、反応物質は金属アセチルアセトナート触媒をさらに含む。ある特定の実施形態において、金属アセチルアセトナート(acetyalacetonate)触媒はトリス(アセチルアセトナト)鉄(III)(Fe(acac)
3)である。
【0077】
チオールが末端にある硫黄含有ポリマーを、チオールが末端にあるポリチオエーテル、チオールが末端にあるポリホルマール、およびその組み合わせから選択することができる。
【0078】
ある特定の実施形態において、本開示により提供されるイソシアナートが末端にあるポリチオエーテルプレポリマーを、第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナート(ここで、第一のイソシアナート基のチオール基との反応性が第二のイソシアナート基のチオール基との反応性より高い);およびチオールが末端にあるポリチオエーテルの反応によって調製することができる。
【0079】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、二官能性のチオールが末端にあるポリチオエーテル、多官能性のチオールが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせから選択される。
【0080】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、式(3)のチオールが末端にあるポリチオエーテル、式(3’)のチオールが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【0081】
【化7】
(式中、
各R
1は、C
2−10アルカンジイル、置換C
2−10アルカンジイル(ここで、置換基はC
1−3アルキル、C
1−3アルコキシ、C
6−8シクロアルキル、C
6−10アルキルシクロアルキル、およびC
5−8ヘテロシクロアルキルから選択される)、および−[(−CHR
3−)
s−X’−]
q−(−CHR
3−)
r−から独立に選択され、ここで:
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’は−O−、−S−、および−NHR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各R
2はC
1−10アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−14アルキルシクロアルカンジイル、および−[(−CHR
3−)
s−X’−]
q−(−CHR
3−)
r−から独立に選択され、ここで、s、q、r、R
3、およびX’は上記定義のとおりであり;
mは0から50の整数であり;
nは1から60の整数であり;
pは2から6の整数であり;
Bはz価のビニルが末端にある多官能化剤B(V)
zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
各Vは末端ビニル基を含む基であり;
各−S−(CH
2)
2−V−はVとチオールとの反応由来である)から選択される。
【0082】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは約2.05〜約3.0、約2.1〜約2.6の平均官能価を有し、ある特定の実施形態において、約2.2である。
【0083】
ある特定の実施形態において、
(a)式(4)のジチオール:
【0084】
【化8】
(式中、
R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、C
5−8ヘテロシクロアルカンジイル、および−[−(CHR
3)
s−X’−]
q−(CHR
3)
r−から選択され;ここで:
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’は−O−、−S−、−NH−、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数である)と
(b)式(5)のジビニルエーテル:
【0085】
【化9】
(式中、
各R
2はC
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、C
5−8ヘテロシクロアルカンジイル、および−[(CH
2)
s−X’−]
q−(CH
2)
r−から独立に選択され;ここで、
各X’は−O−、−S−、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各sは独立に2から6の整数であり;
各qは独立に0から5の整数であり;
各rは独立に2から10の整数であり;
各mは独立に0から10の整数である)とを含む反応物質の反応生成物を含むチオールが末端にあるポリチオエーテル。
【0086】
チオールが末端にあるポリチオエーテルを形成するための反応のある特定の実施形態において、チオールが末端にある(thiol−terminated−terminated)ポリチオエーテルは、多官能化剤B(R
11)
z(式中、
Bはz価多官能化剤B(R
11)
zのコアであり;
各R
11は、末端−SH基との反応性がある基および末端−CH=CH
2基との反応性がある基から選択される基を含み;
zは3から6の整数から独立に選択される)をさらに含む反応物質の反応生成物を含む。
【0087】
ある特定の実施形態において、各R
11はビニル基およびチオール基から選択される。ある特定の実施形態において、各R
11はビニル基であり、ある特定の実施形態において、各R
11はチオール基である。ある特定の実施形態において、zは3であり、ある特定の実施形態において、zは4であり、ある特定の実施形態において、zは5であり、ある特定の実施形態において、zは6である。ある特定の実施形態において、多官能化剤は三官能化剤を含む。ある特定の実施形態において、多官能化剤はビニルが末端にある多官能化剤を含む。ある特定の実施形態において、ビニルが末端にある多官能化剤はトリアリルイソシアヌラートを含む。
【0088】
イソシアナートが末端にあるプレポリマーを形成するための反応のある特定の実施形態において、チオールが末端にある(thiol−terminated−terminated)ポリチオエーテルは、式(6)のアルキルω−アルケニルエーテル:
【0089】
【化10】
(式中、
sは0から10の整数であり;
R
12はC
1−6アルキルおよび置換C
1−6アルキルから選択され、ここで、1以上の置換基は−OHおよび−NHRから選択され、Rは水素およびC
1−6アルキルから選択される)をさらに含む反応物質の反応生成物を含む。
【0090】
ある特定の実施形態において、式(6)のアルキルω−アルケニルエーテルは4−ヒドロキシブチルビニルエーテルである。
【0091】
イソシアナートが末端にあるプレポリマーを形成するための反応のある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、多官能化剤B(R
8)
zおよび式(6)のアルキルω−アルケニルエーテルをさらに含む反応物質の反応生成物を含む。ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、トリアリルイソシアヌラートおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテルをさらに含む反応物質の反応生成物を含む。
【0092】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、式(7)のチオールが末端にあるポリチオエーテル、式(7’)のチオールが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【0094】
【化12】
である)
から選択される。
【0095】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、
(a)式(4)のジチオール:
【0096】
【化13】
(式中、
R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、C
5−8ヘテロシクロアルカンジイル、および−[−(CHR
3)
s−X’−]
q−(CHR
3)
r−から選択され;ここで:
各R
17は水素およびメチルから独立に選択され;
各Xは−O−、−S−、−NH−、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数である);および
(b)式(6)のヒドロキシル官能性ビニルエーテル:
【0097】
【化14】
(式中、
sは0から10の整数であり;
R
12はC
1−6n−アルキルおよび置換C
1−6n−アルキルから選択され、ここで、1以上の置換基は−OHおよび−NHRから選択され、Rは水素およびC
1−6n−アルキルから選択される)を含む反応物質の反応生成物を含む。
【0098】
式(3)および式(3’)のチオールが末端にあるポリチオエーテルを、多数の方法によって調製することができる。例えば、ある特定の実施形態において、(n+1)モルの式(4)のジチオール:
【0099】
【化15】
または少なくとも2個の異なる式(4)のジチオールの混合物を、nモルの式(5)のジビニルエーテル:
【0100】
【化16】
または少なくとも2個の異なる式(5)のジビニルエーテルの組み合わせと触媒の存在下で反応させてもよい。この方法により、キャッピングされていない二官能性のチオールが末端にあるポリチオエーテルが得られる。
【0101】
式(4)の化合物はジチオールである。式(4)のジチオールのある特定の実施形態において、R
1はC
2−6n−アルカンジイル(1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、または1,6−ヘキサンジチオールなど)である。
【0102】
ある特定の実施形態において、R
1は、例えば、メチルまたはエチルであり得る1以上のペンダント基を有するC
3−6分枝鎖状アルカンジイル基である。ある特定の実施形態において、R
1は、1,2−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、および1,3−ジチオ−3−メチルブタンから選択される。ある特定の実施形態において、R
15は、C
6−8シクロアルカンジイルおよびC
6−10アルカンシクロアルカンジイル(例えば、ジペンテンジメルカプタンおよびエチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)など)から選択される。
【0103】
ある特定の実施形態において、式(4)のジチオールは、炭素骨格において、1以上のヘテロ原子置換基を含み、すなわち、X’が、ヘテロ原子(−O−、−S−、または他の二価ヘテロ原子ラジカルなど);第二級もしくは第三級アミン基(−NR−(式中、Rは、水素またはメチルである)など);または別の置換三価ヘテロ原子である、ジチオールである。ある特定の実施形態において、X’は−O−、−S−であり、したがって、R
1は−[(CH
2)
s−O−]
q−(CH
2)
r−または−[(−CH
2−)
s−S−]
q−(−CH
2−)
r−である。ある特定の実施形態において、sおよびrは同一であり、ある特定の実施形態において、sおよびrの各々は2である。ある特定の実施形態において、式(4)のジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)(pおよびrの各々は2であり;qは1であり;X’はSである);ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)(p、q、およびrの各々は2であり;X’は0である);および1,5−ジチア−3−オキサペンタンから選択される。ある特定の実施形態において、式(4)のジチオールは、炭素骨格中のヘテロ原子置換基およびペンダントアルキル基(メチルなど)の両方を含む。かかる化合物としては、メチル置換DMDS(HS−CH
2CH(CH
3)−S−CH
2CH
2−SHおよびHS−CH(CH
3)CH
2−S−CH
2CH
2−SHなど)およびジメチル置換DMDS(HS−CH
2CH(CH
3)−S−CH(CH
3)CH
2−SHおよびHS−CH(CH
3)CH
2−S−CH
2CH(CH
3)−SHなど)が挙げられる。
【0104】
2以上の異なる式(4)のジチオールを、式(3)および式(3’)のチオールが末端にあるポリチオエーテルの調製で使用することもできる。
【0105】
式(5)の化合物はジビニルエーテルである。ジビニルエーテル自体(mは0である)を使用することができる。ある特定の実施形態において、ジビニルエーテルは、少なくとも1個のオキシアルカンジイル基、ある特定の実施形態において、1から4個のオキシアルカンジイル基を有する化合物(すなわち、mが1から4の整数である化合物)を含む。式(5)のジビニルエーテルのある特定の実施形態において、mは2から4の整数である。ある特定の実施形態において、式(5)のジビニルエーテルは市販のジビニルエーテル混合物である。かかる混合物は、分子あたりのアルコキシ単位数についての非整数平均値によって特徴付けられる。したがって、式(5)中のmは、0と10との間の非整数の有理数の値(1と10との間、1と4との間、ある特定の実施形態において、2と4との間など)を取ることもできる。
【0106】
適切なジビニルエーテルの例としては、R
2がC
2−6n−アルカンジイルまたはC
2−6分枝鎖状アルカンジイルである化合物が挙げられる。この型のジビニルエーテルの例としては、エチレングリコールジビニルエーテル(EG−DVE)(R
2はエタンジイルであり、mは1である);ブタンジオールジビニルエーテル(BD−DVE)(R
2はブタンジイルであり、mは1である);ヘキサンジオールジビニルエーテル(HD−DVE)(R
2はヘキサンジイルであり、mは1である);ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(R
2はエタンジイルであり、mは2である);トリエチレングリコールジビニルエーテル(R
2はエタンジイルであり、mは3である);およびテトラエチレングリコールジビニルエーテル(R
2はエタンジイルであり、mは4である)が挙げられる。有用なジビニルエーテルブレンドとしては、Pluriol
(商標)タイプブレンド(Pluriol
(商標)E−200ジビニルエーテル(BASF)(R
2はエチルであり、mは3.8である)など)およびDPEポリマーブレンド(DPE−2およびDPE−3(International Specialty Products、Wayne、NJ)など)が挙げられる。ある特定の実施形態において、式(5)のジビニルエーテルは、DEG−DVEおよびPluriol
(商標)E−200から選択される。
【0107】
R
2がC
2−6分枝鎖状アルカンジイルである適切なジビニルエーテルを、ポリヒドロキシル化合物と、アセチレンとの反応によって調製することができる。この型のジビニルエーテルの例としては、R
2がアルキル置換メタンジイル基(−CH(CH
3)−など)またはアルキル置換エタンジイル(−CH
2CH(CH
3)−など)である化合物が挙げられる。
【0108】
他の適切なジビニルエーテルとしては、R
2が、例えば、平均約3単量体単位を有するポリテトラヒドロフリル(ポリ−THF)またはポリオキシアルカンジイルである化合物が挙げられる。
【0109】
2つ以上の式(5)のジビニルエーテルを前述の方法で使用することができる。したがって、ある特定の実施形態において、2つの式(4)の化合物および1つの式(5)の化合物、1つの式(4)の化合物および2つの式(5)の化合物、2つの式(4)および式(5)の化合物、ならびに2つを超える一方または両方の式の化合物を使用して、本開示により提供される種々のポリチオエーテルを生成することができる。
【0110】
式(4)の化合物と式(5)の化合物との間の反応を、フリーラジカル触媒によって触媒することができる。適切なフリーラジカル触媒としては、アゾ化合物(アゾビスニトリル化合物(アゾ(ビス)イソブチロニトリル(AIBN)など)など);有機過酸化物(過酸化ベンゾイルおよびt−ブチルペルオキシドなど);および類似のフリーラジカル発生剤が挙げられる。カチオン性光開始部分を使用してかまたは使用せずに、紫外線照射によって反応を触媒することもできる。無機塩基または有機塩基(トリエチルアミンなど)の何れかを使用するイオン性触媒法も使用することができる。
【0111】
ある特定の実施形態において、イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルプレポリマー(a)は、式(6)のアルキルω−アルケニルエーテル:
【0112】
【化17】
(式中、sは0から10の整数であり;R
12はC
1−6アルキルおよび置換C
1−6アルキルから選択され、ここで、1以上の置換基は−OHおよび−NHRから選択され、Rは水素およびC
1−6アルキルから選択される)をさらに含む反応物質の反応生成物を含む。
【0113】
式(6)のエーテルは、末端チオール基と反応してポリチオエーテルポリマーをキャッピングすることができるアルキルω−アルケニルエーテル(末端エチレン性不飽和基を有するエーテル)である。
【0114】
例えば、式(3)および式(3’)のチオールが末端にあるポリチオエーテルのキャッピングアナログを、適切な触媒の存在下での(n+1)モルの式(4)のジチオールまたは少なくとも2つの異なる式(4)のジチオールの混合物、(n)モルの式(5)のジビニルエーテルまたは少なくとも2つの異なる式(5)のジビニルエーテルの混合物、および約0.05〜約2モルの式(6)のヒドロキシル官能性ビニルエーテルまたは2つの異なる式(6)のヒドロキシル官能性ビニルエーテルの混合物の反応によって調製することができる。
【0115】
ある特定の実施形態において、式(6)のアルキルω−アルケニルエーテルはヒドロキシル官能性ビニルエーテルである。ある特定の実施形態において、ヒドロキシル官能性ビニルエーテルは4−ヒドロキシブチルビニルエーテルである。
【0116】
式(6)のエーテルのある特定の実施形態において、sは、0から10の整数、0から6の整数であり、ある特定の実施形態において、0から4の整数である。式(6)のエーテルのある特定の例としては、モノビニルエーテル(sは0である)(アミノおよびヒドロキシアルキルビニルエーテル(3−アミノプロピルビニルエーテルおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(ブタンジオールモノビニルエーテル)が含まれる)など)および非置換アルキルビニルエーテル(エチルビニルエーテルなど)が挙げられる。ある特定の実施形態において、式(6)のエーテルとしては、アリルエーテル(sは1である)(4−アミノブチルアリルエーテルおよび3−ヒドロキシプロピルアリルエーテルなど)が挙げられる。
【0117】
2モル当量の式(6)のエーテルの使用によって完全にキャッピングされたポリマーが得られる一方で、より少量の使用によって部分的にキャッピングされたポリマーが得られる。
【0118】
ある特定の実施形態において、(n)モルの式(4)のジチオールまたは少なくとも2つの異なる式(4)のジチオールの混合物を、適切な触媒の存在下で(n+1)モルの式(5)のジビニルエーテルまたは少なくとも2つの異なる式(5)のジビニルエーテルの混合物と反応させる。この方法により、キャッピングされていないビニルが末端にある二官能性ポリチオエーテルが得られる。
【0119】
前述のビニルが末端にあるポリチオエーテルに対するキャッピングアナログを、適切な触媒の存在下での(n+1)モルの式(5)のジビニルエーテルまたは少なくとも2つの異なる式(5)のジビニルエーテルの混合物、(n)モルの式(4)のジチオールまたは少なくとも2つの異なる式(4)のジチオールの混合物、および約0.05〜約2モルの式(8)のモノチオール:
【0120】
【化18】
(式中、R
12はC
1−6アルキルおよび置換C
1−6アルキルから選択され、ここで、1以上の置換基は−OHおよび−NHRから選択され、Rは水素及びC
1−6アルキルから選択される)または2つの異なる式(7)のモノチオールの混合物の反応によって調製することができる。
【0121】
式(8)の化合物は、非置換であり得るか、例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基で置換され得るモノチオールである。式(8)のモノチオールの例としては、メルカプトアルコール(3−メルカプトプロパノールなど)およびメルカプトアミン(4−メルカプトブチルアミンなど)が挙げられる。
【0122】
前述の二官能性ポリチオエーテルの多官能性アナログを、1以上の式(4)のジチオールおよび1以上の式(5)のジビニルエーテルを適切な量で上記の多官能化剤と組み合わせ、混合物を反応させることによって調製することができる。ある特定の実施形態において、(n+1)モルの式(4)のジチオールまたはジチオールの混合物、(n)モルの式(5)のジビニルエーテルまたはジビニルエーテルの混合物、およびz価多官能化剤を合わせて反応混合物を形成させる。次いで、混合物を適切な触媒の存在下で反応させて、チオールが末端にある多官能性ポリチオエーテルを得る。多官能性ポリチオエーテルのキャッピングアナログを、約0.05〜約(z)モルの1以上の式(6)のヒドロキシル官能性ビニルエーテルの反応混合物中に含めることによって調製することができる。(z)モルの使用によって完全にキャッピングされた多官能性ポリマーが得られる一方で、より少量の使用によって部分的にキャッピングされたポリマーが得られる。
【0123】
同様に、(n)モルの式(4)のジチオールまたはジチオールの組み合わせ、(n+1)モルの式(5)のジビニルエーテルまたはジビニルエーテルの組み合わせ、およびz価多官能化剤を組み合わせて反応混合物を形成させ、上記のように反応させてビニルが末端にある多官能性ポリチオエーテルを得る。前述のポリチオエーテルのキャッピングアナログを、1以上の適切な式(8)のモノチオールの出発反応混合物中に含めることによって調製する。
【0124】
ある特定の実施形態において、式(3)および式(3’)のポリチオエーテルを、少なくとも1つの式(4)のジチオールおよび少なくとも1つの式(5)のジビニルエーテルを、任意選択的に1以上の式(6)のヒドロキシル官能性ビニルエーテルおよび/または式(8)のモノチオール、および/または多官能化剤と共に組み合わせ、その後に適切な触媒を添加し、約30℃〜約120℃の温度で約2時間〜約24時間反応させることによって調製することができる。ある特定の実施形態において、反応を、約70℃〜約90℃で約2時間〜約6時間行う。
【0125】
チオールが末端にあるポリチオエーテルの分子量は変わり得る。ある特定の実施形態において、各々の数平均分子量(Mn)は、少なくとも500グラム/モル、少なくとも1000グラム/モル、30,000グラム/モル未満、または15,000グラム/モル未満であり得る。数平均分子量を、公知の方法を使用して決定することができる。本明細書中で引用された数平均分子量値を、ポリスチレン標準を使用したゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって決定することができる。
【0126】
ある特定の実施形態において、本開示により提供されるチオールが末端にあるポリチオエーテルは室温で液体である。ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルの粘度は、100%固体でわずか約900ポアズ、約10から約300ポアズ、ある特定の実施形態において、ASTM D−2849§79−90にしたがってBrookfield CAP 2000粘度計を使用して決定した約25℃の温度および約760mmHgの圧力にて約100〜約200ポアズなどである。
【0127】
本開示により提供されるイソシアナートが末端にあるポリホルマールプレポリマーを、第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナート(ここで、第一のイソシアナート基のチオール基との反応性が第二のイソシアナート基のチオール基との反応性より高い);およびチオールが末端にあるポリホルマールの反応によって調製することができる。
【0128】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリホルマールは、二官能性のチオールが末端にあるポリホルマール、多官能性のチオールが末端にあるポリホルマール、およびその組み合わせから選択される。
【0129】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリホルマールは、式(9)のチオールが末端にあるポリホルマール、式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマール、またはその組み合わせ:
【0130】
【化19】
(式中、
tは1〜50から選択される整数であり;
各uは1および2から独立に選択され;
各R
4はC
2−6アルカンジイルから独立に選択され;
各R
5は、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリール、および置換C
6−12アリールから独立に選択され;
各R
6は末端チオール基を含む基であり;
Bはz価ポリオールB(OH)
zのコアを表し、ここで、zは3から6の整数である)から選択される。
【0131】
式(9)および式(9’)の化合物のある特定の実施形態において、各R
6は独立に式(a)、式(b)、式(c)、式(d)、式(e)、式(f)、式(g)、および式(h):
【0132】
【化20】
(式中、
各R
8はジイソシアナート由来の部分およびエチレン性不飽和モノイソシアナート由来の部分から選択され;
各R
9はC
2−14アルカンジイルおよびC
2−14ヘテロアルカンジイルから独立に選択され;
各R
10は、C
2−6アルカンジイル、C
2−6ヘテロアルカンジイル、C
6−12アレーンジイル、置換C
6−12アレーンジイル、C
6−12ヘテロアレーンジイル、置換C
6−12ヘテロアレーンジイル、C
3−12シクロアルカンジイル、置換C
3−12シクロアルカンジイル、C
3−12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
3−12ヘテロシクロアルカンジイル、C
7−18アルカンアレーンジイル、置換C
7−18ヘテロアルカンアレーンジイル、C
4−18アルカンシクロアルカンジイル、および置換C
4−18アルカンシクロアルカンジイルから独立に選択される)の群から選択されるチオールが末端にある基である。
【0133】
式(a)のある特定の実施形態において、各R
8は、ジイソシアナート由来の部分であり、ある特定の実施形態においてこの基は、TDI、ISONATE
(商標)143L(ポリカルボジイミド修飾ジフェニルメタンジイソシアナート)、DESMODUR
(登録商標)N3400(1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン,1,3−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−)、DESMODUR
(登録商標)I(イソホロンジイソシアナート、IPDI)またはDESMODUR
(登録商標)W(H
12MDI)由来である。
【0134】
式(a)のある特定の実施形態において、各R
8はエチレン性不飽和モノイソシアナート由来の基であり、ある特定の実施形態において、2−イソシアナトエチルメタクリラートである。
【0135】
式(a)、式(b)、式(c)、式(e)、式(f)、式(g)、および式(h)のある特定の実施形態において、各R
9はC
2−6アルカンジイルから選択される。式(a)、式(b)、式(d)、式(e)、式(f)、式(g)、および式(h)のある特定の実施形態において、各R
9は、−CH
2−S−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−、および−(CH
2)
2−S−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−から選択される。
【0136】
式(f)および式(g)のある特定の実施形態において、各R
10は、C
2−6アルカンジイル、C
6−12アレーンジイル、置換C
6−12アレーンジイル、C
3−12シクロアルカンジイル、置換C
3−12シクロアルカンジイル、C
7−18アルカンアレーンジイル、置換C
7−18アルカンアレーンジイル、C
4−18アルカンシクロアルカンジイル、および置換C
4−18アルカンシクロアルカンジイルから独立に選択される。
【0137】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリホルマールポリマーは、(a)および(b)を含む反応物質の反応生成物を含み、ここで、(a)は(i)および(ii)を含む反応物質の反応生成物を含み、ここで、(i)は式(10)の二官能性ポリオール、式(10’)の多官能性ポリオール、およびその組み合わせ:
【0138】
【化21】
(式中、
各tは独立に1〜50から選択される整数であり;zは3〜6から選択される整数であり;各uは1および2から独立に選択され;各R
4はC
2−6アルカンジイルから独立に選択され;各R
5は、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリール、および置換C
6−12アリールから独立に選択され;Bはm価の親ポリオールB(OH)
zのコアを表す)から選択される硫黄含有ポリオールを含み;(ii)はジイソシアナート、チオ尿素、エチレン性不飽和モノイソシアナート、およびトシラートから選択される第一の化合物を含み;(b)は、(ii)がジイソシアナートを含む場合にはメルカプトアルカノールを、(ii)がチオ尿素を含む場合には金属ヒドロスルフィドを、(ii)がエチレン性不飽和モノイソシアナートを含む場合にはジチオールを、(ii)がトシラートを含む場合には金属ヒドロスルフィドを含む。
【0139】
ある特定の実施形態において、第一の化合物は、本明細書中に記載のものの何れかを含む、ジイソシアナートである。
【0140】
ある特定の実施形態において、第一の化合物は、本明細書中に記載のものの何れかを含む、エチレン性不飽和モノイソシアナートである。
【0141】
ある特定の実施形態において、第一の化合物は、本明細書中に記載のものの何れかを含むトシラート、例えばp−トルエンスルホニルクロリドなどである。
【0142】
ある特定の実施形態において、第二の化合物は、メルカプトアルカノール、例えば、C
2−6メルカプトアルカノールなど、例えば2−メルカプトエタン−1−オール、3−メルカプトプロパン−1−オール、4−メルカプトブタン−1−オール、5−メルカプトペンタン−1−オールおよび6−メルカプトへキサン−1−オールなどである。適切なジチオールの例としては、例えば、C
2−10アルカンジチオール、例えばエタン−1,2−ジチオール、プロパン−1,3−ジチオール、ブタン−1,4−ジチオール、ペンタン−1,5−ジチオールおよびヘキサン−1,6−ジチオールなどが挙げられる。
【0143】
ある特定の実施形態において、第二の化合物は、金属ヒドロスルフィド、例えばナトリウムヒドロスルフィドなどである。
【0144】
ある特定の実施形態において、第二の化合物は、例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル−置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル−置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル−置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタンおよび1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタンを含む、ジチオールである。ジチオールは、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシおよびヒドロキシルから選択される1以上のペンダント基を有し得る。
【0145】
ある特定の実施形態において、ジチオールは、アルキル(ビス)オキシジアルカンチオールである。アルキル(ビス)オキシジアルカンチオールは、一般式HS−R−O−R−O−R−HS(式中、各Rは、アルカンジイル、例えば、C
2−6アルカンジイル、C
2−4アルカンジイルまたはエタン−1,2−ジイルなどである)を有し得る。適切なジチオールとしては、アルキル(ビス)オキシアルカンジチオール、例えば1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン(DMDO)またはジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)などが挙げられる。ある特定の実施形態において、ジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)および1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタンから選択される。
【0146】
適切なジチオールの他の例としては、式HS−R−SHの化合物(式中、Rは、例えば、ヒドロキシル基、C
1−6アルキル基、例えばメチルまたはエチル基などであり得る1以上のペンダント基を有するC
2−6アルカンジイル;C
1−6アルコキシ、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、−[−(CH
2)
s−X’−]
q−(CH
2)
r−または−[−(CH
2)
s−X’−]
q−(CH
2)
r−(式中、少なくとも1個の−CH
2−単位がメチル基で置換され、各sは、2〜6から選択される整数から独立に選択され、各qは、1〜5から選択される整数から独立に選択され、各rは、2〜10から選択される整数から独立に選択される)が挙げられる。ジチオールは、炭素骨格において、1以上のヘテロ原子置換基を含み得、例えば、X’は、ヘテロ原子、例えばO、Sもしくは他の二価ヘテロ原子ラジカルなど、第二級もしくは第三級アミン基、例えば−NR−など(式中、Rは、水素またはメチルである)または別の置換三価ヘテロ原子である、ジチオールである。ある特定の実施形態において、X’は−O−、−S−であり、ある特定の実施形態において、pおよびrは等しく、ある特定の実施形態においてpおよびrの両方が2である。ある特定の実施形態において、X’は結合である。適切なジチオールの他の例は、例えば米国特許第6,172,179号で開示される。
【0147】
ある特定の実施形態において、上記のチオールが末端にあるポリホルマールの数平均分子量は、200〜6,000ダルトン、500〜5,000ダルトン、1,000〜5,000ダルトン、1,500〜4,000ダルトン、ある特定の実施形態において、2,000〜3,600ダルトンである。
【0148】
式(9)または式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマールを、エチレン性不飽和モノイソシアナートと、式(10)または式(10’)のポリオールとの反応(2−イソシアナトエチルメタクリラート付加物またはアリルイソシアナート付加物と、ジチオール(DMDOなど)との反応など)によって調製することができる。式(9)または式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマールを、水中でMeN(Bu)
3+Cl
−の存在下にて式(10)または式(10’)硫黄含有ポリマーのトシルエステルと、NaSHとを反応させて対応する式(9)または式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマールを得ることによって調製することもできる。あるいは、式(10)または式(10’)のポリオールのトシルエステルを、水中でMeN(Bu)
3+Cl
−の存在下にてチオ尿素と反応させてチオ尿素付加物のトシラート塩を得ることができ、次いで、高温にて、塩基の存在下で反応させて対応する式(9)または式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマールを得ることができる。あるいは、式(9)または式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマールを得るために、式(10)または式(10’)のポリオールを、最初に75℃〜80℃のジブチルすずジラウラートの存在下でジイソシアナート(TDIなど)と反応させて対応するイソシアナートが末端にあるポリチオエーテルを得ることができる。次いで、イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルをメルカプトアルカノール(2−メルカプトエタノールまたは3−メルカプトプロパノールなど)と反応させて、対応する式(9)または式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマールを得ることができる。
【0149】
ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリホルマールは、米国特許出願第13/050,988号および同第13/051,002号ならびに米国仮特許出願第61/453,978号(2011年3月18日出願)に開示のイソシアナートが末端にある硫黄含有プレポリマーであり得るか、これに基づき得る。
【0150】
ある特定の実施形態において、式(10)および(10’)のポリホルマールポリオールは、
(i)硫黄含有ジオール;ならびにアルデヒド、ケトン、およびその組み合わせから選択される反応物質を含む反応物質の反応生成物;
(ii)硫黄含有ジオール;ポリオール分子あたり少なくとも3つのヒドロキシル基を含むポリオール;ならびにアルデヒド、ケトン、およびその組み合わせから選択される反応物質を含む反応物質の反応生成物;および
(iii)(i)および(ii)の組み合わせ
から選択される。
【0151】
ある特定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは式(10)のポリホルマールポリオール、式(10’)のポリホルマールポリオール、またはその組み合わせを含み、ここで、各R
4はエタン−1,2−ジイルであり、各R
5は水素である。
【0152】
式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)のポリホルマールポリマーのある特定の実施形態において、各R
4は、C
2−6アルカンジイル、C
2−4アルカンジイル、C
2−3アルカンジイル、および、ある特定の実施形態において、エタン−1,2−ジイルから独立に選択される。式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)のポリホルマールポリマーのある特定の実施形態において、各R
4はエタン−1,2−ジイルである。
【0153】
式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
5は、水素、C
1−6アルキル、C
1−4アルキル、C
1−3アルキル、および、ある特定の実施形態において、C
1−2アルキルから独立に選択される。式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
5は、メチル、および、ある特定の実施形態において、エチルである。式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
5は水素であり、ある特定の実施形態において、各R
5は、水素、メチル、およびエチルから選択される。
【0154】
式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
4は同一であり、C
2−3アルカンジイル(エタン−1,2−ジイルおよびプロパン−1,3−ジイルなど)から選択され;各R
5は同一であり、水素およびC
1−3アルキル(メチル、エチル、およびプロピルなど)から選択される。式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
5は水素であり、ある特定の実施形態において、各R
5はメチルである。式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
4はエタン−1,2−ジイルであり、各R
5は水素である.式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各R
4は同一であり、エタン−1,2−ジイルおよびプロパン−1,3−ジイルから選択され;各R
5は水素、メチル、およびエチルから独立に選択される。
【0155】
式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、tは1〜50から選択される整数、2〜40から選択される整数、4〜30から選択される整数であり、ある特定の実施形態において、tは7〜30から選択される整数である。
【0156】
式(9)、式(9’)、式(10)、および式(10’)の硫黄含有ポリマーのある特定の実施形態において、各uは同一且つ1であり、ある特定の実施形態において、各uは同一且つ2である。
【0157】
式(9’)および式(10’)の硫黄含有ポリオールのある特定の実施形態において、zが3である場合、親ポリオールB(OH)
zは、式(11)のトリオール:
【0158】
【化22】
(式中、各R
13は独立にC
1−6アルカンジイルである)であり、ある特定の実施形態において、式(12)のトリオール:
【0159】
【化23】
(式中、各R
13は独立にC
1−6アルカンジイルである)である。したがって、これらの実施形態において、Bは、構造:
【0160】
【化24】
(式中、各R
13は独立にC
1−6アルカンジイルである)をそれぞれ有する。式(11)および式(12)のポリオールのある特定の実施形態において、各R
13は同一であり、且つC
1−6アルカンジイル、C
1−4アルカンジイル、および、ある特定の実施形態において、C
1−2アルカンジイルである。
【0161】
ある特定の実施形態において、式(10)の硫黄含有ジオールは、硫黄含有ジオール;ならびにアルデヒド、ケトン、およびその組み合わせから選択される反応物質の反応生成物を含む。反応のある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、式(13)のジオール:
【0162】
【化25】
(式中、uは1および2から選択され;各R
4はC
2−6アルカンジイルから独立に選択される)を含む。硫黄含有ジオールのある特定の実施形態において、uは1であり、ある特定の実施形態において、uは2である。硫黄含有ジオールのある特定の実施形態において、各R
4は同一であり、ある特定の実施形態において、各R
4は異なる。ある特定の実施形態において、各R
4はC
2−5アルカンジイル、C
2−4アルカンジイル、C
2−3アルカンジイルから選択され、ある特定の実施形態において、各R
4はエタン−1,2−ジイルである。反応のある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノール、3,3’−チオビス(プロパン−1−オール)、4,4’−チオビス(ブタン−1−オール)、および前述のものの何れかの組み合わせから選択される硫黄含有ジオールを含む。反応のある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは2,2’−チオジエタノールを含む。
【0163】
この反応のある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは単一のタイプの硫黄含有ジオールを含み、ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールの混合物を含む。硫黄含有ジオールの混合物は、5モル%〜95モル%の1以上のチオエーテル(uは1である)および95モル%〜5モル%の1以上のジスルフィド(uは2である)を含み得る。ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールの混合物は、50モル%の1以上のチオエーテルおよび50モル%の1以上のジスルフィドを含む。ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールの混合物は、0モル%〜30モル%の1以上のジスルフィドおよび100モル%〜70モル%の1以上のチオエーテルを含む。
【0164】
反応のある特定の実施形態において、反応物質はアルデヒドである。反応物質がアルデヒドである、ある特定の実施形態において、アルデヒドは、C
1−6アルデヒド、C
1−4アルデヒド、C
1−3アルデヒド、および、ある特定の実施形態において、C
1−2アルデヒドを含む。ある特定の実施形態において、アルデヒドはホルムアルデヒドである。反応物質がホルムアルデヒドである、ある特定の実施形態において、ホルムアルデヒドをパラホルムアルデヒドとして提供する。
【0165】
この反応のある特定の実施形態において、反応物質はケトンである。反応物質がケトンである、ある特定の実施形態において、このケトンは、式C(O)R
2(式中、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される)を有する。ケトンのある特定の実施形態において、各Rは、メチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。ある特定の実施形態において、ケトンは、プロパン−2−オン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オン、およびペンタン−3−オンから選択される。
【0166】
ある特定の実施形態において、式(10)の硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノールおよびホルムアルデヒドを含む反応物質の反応生成物を含み、本明細書中でチオジグリコールポリチオエーテルまたはチオジグリコールポリホルマールと呼ばれる。
【0167】
式(10)の硫黄含有ジオールを調製するために使用される反応は、酸性触媒、例えば硫酸、スルホン酸またはそれらの組み合わせなどの存在下で行われ得る。ある特定の実施形態において、スルホン酸が使用され得る。スルホン酸の例としては、アルキルスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、tert−ブタンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸およびシクロへキシルスルホン酸など;アルケンスルホン酸、例えばα−オレフィンスルホン酸、二量体化α−オレフィンスルホン酸および2−ヘキセンスルホン酸など;芳香族スルホン酸、例えばパラ−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸など;およびポリマー支持スルホン酸、例えばDow Chemicalから市販されているAmberlyst
(商標)スルホン酸触媒などが挙げられる。
【0168】
ある特定の実施形態において、式(10)の硫黄含有ジオールのヒドロキシル数は、10〜100、20〜80、20〜60、20〜50であり、ある特定の実施形態において20〜40である。ヒドロキシル数は、硫黄含有ジオールのヒドロキシル含量であり、例えばヒドロキシル基をアセチル化し、得られた酸を水酸化カリウムに対して滴定することにより決定され得る。ヒドロキシル数は、1gの硫黄含有ポリマーからの酸を中和するミリグラム単位の水酸化カリウムの重量である。
【0169】
ある特定の実施形態において、式(10)の硫黄含有ポリマーの数平均分子量は、200〜6,000ダルトン、500〜5,000ダルトン、1,000〜5,000ダルトン、1,500〜4,000ダルトンであり、ある特定の実施形態において、2,000〜3,600ダルトンである。
【0170】
ある特定の実施形態において、式(10’)の硫黄含有ポリオールは、ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有する。例えば、ポリオールは、ポリオール1分子あたり3〜10個のヒドロキシル基、ポリオール1分子あたり3〜8個のヒドロキシル基、ポリオール1分子あたり3〜6個のヒドロキシル基を含有し得、ある特定の実施形態において、ポリオール1分子あたり3〜4個のヒドロキシル基を含有し得る。ある特定の実施形態において、式(10’)のポリオールは、ポリオール1分子あたり4個のヒドロキシル基を含有し、ある特定の実施形態において、式(10’)のポリオールは、ポリオール1分子あたり3個のヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、単一のタイプのポリオールであり得るか、または、1分子あたり同じまたは異なる数のヒドロキシル基を有する異なるポリオールの混合物であり得る。
【0171】
ある特定の実施形態において、ポリオールは、硫黄含有ジオールと、ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有するポリオールと、アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質とを含む反応物質の反応生成物を含む。この反応物質は、1以上のタイプの硫黄含有ジオール、1以上のタイプのポリオール、および/または1以上のタイプのアルデヒドおよび/またはケトンを含み得る。
【0172】
ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、式(10)のジオール(式中、各R
3はC
2−6アルカンジイルから独立に選択される)を含む。ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノール、3,3’−チオビス(プロパン−1−オール)、4,4’−チオビス(ブタン−1−オール)および前述のものの何れかの組み合わせから選択される硫黄含有ジオールを含む。この反応のある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノールを含む。
【0173】
ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールは単一のタイプの硫黄含有ジオールを含み、ある特定の実施形態において、硫黄含有ジオールの組み合わせを含む。
【0174】
ある特定の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有する。例えば、ポリオールは、ポリオール1分子あたり3〜10個のヒドロキシル基、ポリオール1分子あたり3〜8個のヒドロキシル基、ポリオール1分子あたり3〜6個のヒドロキシル基を含有し得、ある特定の実施形態において、ポリオール1分子あたり3〜4個のヒドロキシル基を含有し得る。ある特定の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1分子あたり4個のヒドロキシル基を含有し、ある特定の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1分子あたり3個のヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、単一のタイプのポリオールであり得るか、または、1分子あたり同じまたは異なる数のヒドロキシル基を有する異なるポリオールの組み合わせであり得る。
【0175】
ある特定の実施形態において、ポリオールは、式B(OH)
z(式中、zは3〜6の整数であり、Bはz価のポリオールのコアを示す)を有する。ある特定の実施形態において、ポリオールは、式(11)のトリオール(zは3である):
【0176】
【化26】
(式中、各R
13は、独立にC
1−6アルカンジイルである)、およびある特定の実施形態において、式(12)のトリオール:
【0177】
【化27】
(式中、各R
13は、独立にC
1−6アルカンジイルである)を含む。式(11)および式(12)のポリオールのある特定の実施形態において、各R
13は、C
1−4アルカンジイルから独立に選択され得、ある特定の実施形態において、C
1−3アルカンジイルから選択され得る。式(11)および式(12)のポリオールのある特定の実施形態において、各R
13は同じであり得、ある特定の実施形態において、各R
13は異なり得る。式(11)および式(12)のポリオールのある特定の実施形態において、各R
13は、メタンジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイルから選択され、ある特定の実施形態において、ブタン−1,4−ジイルである。
【0178】
式(10)および式(10’)のポリオールを含む反応のある特定の実施形態において、反応物質はアルデヒドである。反応物質がアルデヒドである、ある特定の実施形態において、アルデヒドは、C
1−6アルデヒド、C
1−4アルデヒド、C
1−3アルデヒドを含み、ある特定の実施形態において、C
1−2アルデヒドを含む。ある特定の実施形態において、アルデヒドは、アルキルを含み、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒドおよびブチルアルデヒドから選択される。ある特定の実施形態において、アルデヒドはホルムアルデヒドである。反応物質がホルムアルデヒドである、ある特定の実施形態において、ホルムアルデヒドは、パラホルムアルデヒドとして提供される。
【0179】
式(10)および式(10’)のポリオールを含む反応のある特定の実施形態において、反応物質はケトンである。反応物質がケトンである、ある特定の実施形態において、このケトンは、式C(O)R
2(式中、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される)を有する。ケトンのある特定の実施形態において、各Rは、メチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。ある特定の実施形態において、ケトンは、プロパン−2−オン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オンおよび3−メチルブタン−2−オンから選択される。
【0180】
式(10)および式(10’)のポリオールを含む反応のある特定の実施形態において、ポリオールは、2,2’−チオジエタノール、ポリオール、およびホルムアルデヒドを含む反応物質の反応生成物を含む。ある特定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノール、トリオール、およびホルムアルデヒドを含む反応物質の反応生成物を含む。ある特定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノール、ホルムアルデヒド、および式(11)のトリオールを含む反応物質の反応生成物を含む。ある特定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノール、ホルムアルデヒド、および式(12)のトリオールを含む反応物質の反応生成物を含む。
【0181】
本開示により提供されるポリホルマールポリオールを形成するために使用される1以上のポリオールが同数のヒドロキシル基を有する実施形態において、ポリホルマールポリオールは、1以上のポリオールの場合とおよそ同等であるヒドロキシル官能価を有するであろう。例えば、ヒドロキシル官能価が3であるポリオールまたは組み合わせ中の各ポリオールのヒドロキシル官能価が3であるポリオールの組み合わせを使用してポリホルマールポリオールを調製する場合、ポリホルマールポリオールのヒドロキシル官能価は3であろう。ある特定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、3、4、5の平均ヒドロキシル官能価、ある特定の実施形態においては6の平均ヒドロキシル官能価を有し得る。
【0182】
異なるヒドロキシル官能価を有するポリオールを使用してポリホルマールポリオールを調製する場合、ポリホルマールポリオールは、様々な官能価を示し得る。例えば、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、3〜12、3〜9、3〜6、3〜4の平均ヒドロキシル官能価、ある特定の実施形態においては3.1〜3.5の平均ヒドロキシル官能価を有し得る。ある特定の実施形態において、3〜4の平均ヒドロキシル官能価を有するポリホルマールポリオールは、3というヒドロキシル官能価を有する1以上のポリオールと、4というヒドロキシル官能価を有する1以上のポリオールの組み合わせを反応させることによって調製され得る。
【0183】
ある特定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールのヒドロキシル数は、10〜100、20〜80、20〜60、20〜50であり、ある特定の実施形態において20〜40である。ヒドロキシル数は、ポリホルマールポリオールのヒドロキシル含量であり、例えばヒドロキシル基をアセチル化し、得られた酸を水酸化カリウムに対して滴定することにより決定され得る。ヒドロキシル数は、1gのポリホルマールポリオールからの酸を中和するミリグラム単位の水酸化カリウムの重量である。
【0184】
ある特定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールの数平均分子量は、200〜6,000ダルトン、500〜5,000ダルトン、1,000〜4,000ダルトン、1,500〜3,500ダルトンであり、ある特定の実施形態において、2,000ダルトン〜3,000ダルトンである。
【0185】
ある特定の実施形態において、本開示により提供されるチオールが末端にあるポリホルマールは室温で液体である。さらに、ある特定の実施形態において、チオールが末端にあるポリホルマールの粘度は、Brookfield CAP2000粘度計を用いてASTM D−2849§79−90に従い測定して、温度25℃、圧力760mmHgにて、100%固体で500ポアズ以下、例えば10〜300ポアズなどであり、一部の場合において、100〜200ポアズである。ある特定の実施形態において、本開示により提供される硫黄含有ポリマーのT
g(ガラス転移温度)は−40℃以下であり、ある特定の実施形態において−50℃以下である。
【0186】
ある特定の実施形態において、ポリアミンは、芳香族ポリアミン、芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、ポリアミンは1以上の芳香族ポリアミンを含む。ある特定の実施形態において、ポリアミンは1以上の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルを含む。ある特定の実施形態において、ポリアミンは1以上の芳香族ポリアミンおよび1以上の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルを含む。
【0187】
ある特定の実施形態において、ポリアミンは芳香族ポリアミンを含む。ある特定の実施形態において、芳香族アミンは、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルチオトルエンジアミン、およびその組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、芳香族アミンは、ジメチルチオトルエンジアミン、ある特定の実施形態において、ジエチルチオトルエンジアミン、ある特定の実施形態において、ジメチルチオトルエンジアミンおよびジエチルチオトルエンジアミンの組み合わせである。
【0188】
ある特定の実施形態において、芳香族ポリアミンは、m−キシレンジアミン、キシリレンジアミン、キシリレンジアミン三量体、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチルチオトルエンジアミン、および前述のものの何れかの組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、芳香族ポリアミンは、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、およびその組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、芳香族ジアミンはジメチルチオトルエンジアミンを含み、例としてEthacure
(登録商標)300などが挙げられ、これは、95%〜97%ジメチルチオトルエンジアミン、2%〜3%モノメチルチオトルエンジアミンを含み、ジメチルチオトルエンジアミンは主な異性体として3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンおよび3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンの組み合わせを含む。ある特定の実施形態において、芳香族ジアミンはジエチルチオトルエンジアミンを含み、Ethacure
(登録商標)100などが挙げられ、これは、75%〜81%のジエチルトルエン−2,4−ジアミンおよび18%〜20%の3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンを含む。ある特定の実施形態において、組成物は、アミンに対してモル当量過剰(例えば、1.01〜1.2、1.02〜1.1、1.02〜1.08、1.03〜1.07、および、ある特定の実施形態において、1.05のモル当量過剰など)のイソシアナートを含む。
【0189】
ある特定の実施形態において、ポリアミンは、1以上のアミンが末端にあるポリチオエーテルおよび前述の芳香族アミンの何れかを含む。
【0190】
ある特定の実施形態において、ポリアミンは芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルを含む。ある特定の実施形態において、芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルは、式(14)のポリチオエーテル、式(14’)のポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【0191】
【化28】
(式中、
各R
15は、C
2−10アルカンジイル、C
2−10オキシアルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルキルシクロアルカンジイル、および−[−(CHR
3)
s−X’−]
q−(CHR
3)
r−から独立に選択され;ここで、
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’は−O−、−S−、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R
16はC
3−20アルカンジイルおよびC
3−20オキシアルカンジイルから独立に選択され;
Bはz価多官能化剤B(V)
zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
各Vはエポキシ基との反応性がある基を含み;
各−CH(OH)−CH
2−V’−はVとエポキシ基との反応の結果生じる部分を含み;
各Y−NH−は芳香族ポリアミン由来である)から選択される。
【0192】
式(14)および式(14’)の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルのある特定の実施形態において、各−R
16−S−R
15−S−R
16−は、式(15)の構造:
【0193】
【化29】
(式中、
各R
19は、C
2−10アルカンジイル、C
2−10オキシアルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルキルシクロアルカンジイル、C
5−8ヘテロシクロアルカンジイル、および−[−(CHR
3)
s−X’−]
q−(CHR
3)
r−から独立に選択され;ここで、
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各wは独立に2から6の整数であり;
各xは独立に0から50の整数であり;
yは1から60の整数であり;
各Xは−O−、−S−、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各R
20はC
3−20アルカンジイルおよびC
3−20オキシアルカンジイルから独立に選択され;
各R
21はC
3−20アルカンジイルおよびC
3−20オキシアルカンジイルから独立に選択される)を独立に有する。
【0194】
式(14)および式(14’)の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルのある特定の実施形態において、各−R
16−S−R
15−S−R
16−は、式(16)の構造:
【0196】
ある特定の実施形態において、アミンが末端にあるポリチオエーテルは、
(a)式(17)のエポキシが末端にあるポリチオエーテル、式(17’)のエポキシが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【0197】
【化31】
(式中、
各R
15は、C
2−10アルカンジイル、C
2−10オキシアルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルキルシクロアルカンジイル、および−[−(CHR
3)
s−X’−]
q−(CHR
3)
r−から独立に選択され;ここで、
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R
16はC
3−20アルカンジイルおよびC
3−20オキシアルカンジイルから独立に選択され;
Bはz価多官能化剤B(V)
zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
Vはエポキシ基との反応性がある末端基を含む基であり;
−CH(OH)−CH
2−V’−はVとエポキシ基との反応の結果生じる部分を含む)から選択される、エポキシが末端にあるポリチオエーテル;および
(b)芳香族ポリアミン
を含む反応物質の反応生成物を含む。
【0198】
上記反応のある特定の実施形態において、ポリアミンは、芳香族ポリアミン(本明細書中に開示の芳香族ポリアミンの何れかが挙げられる)を含む。したがって、ある特定の実施形態において、アミンが末端にあるポリチオエーテルは芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテルを含む。
【0199】
ある特定の実施形態において、アミンが末端にあるポリチオエーテルは、式(18)の付加物:
【0200】
【化32】
(式中、
各R
19は、C
2−10アルカンジイル、置換C
2−10アルカンジイル(ここで、各置換基はC
1−3アルキル、C
1−3アルコキシ、C
6−8シクロアルキル、C
6−10アルキルシクロアルキル、およびC
5−8ヘテロアルキルから独立に選択される)、および−[(−CHR
3−)
s−X’−]
q−(−CHR
3−)
r−から独立に選択され、ここで:
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R
3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NHR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各R
20はC
3−20アルカンジイルおよびC
3−20オキシアルカンジイルから独立に選択され;
各R
21は独立に2価連結基であり;
各wは独立に2から6の整数であり;
各xは独立に0から50の整数であり;
各yは独立に1から60の整数であり;
各Xは−O−、−S−、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
Y−NH−は芳香族ポリアミン由来である)を含む。
【0201】
アミンが末端にあるポリチオエーテルとしては、米国特許第7,879,955号および同第7,622,548号に開示のものの何れかが挙げられる。
【0202】
ある特定の実施形態において、アミンが末端にあるポリチオエーテルは、Permapol
(登録商標)L5534(PRC−DeSoto International)を含む。
【0203】
本開示により提供される組成物は、1以上の異なるタイプの充填剤を含み得る。適切な充填剤としては、無機充填剤、例えばカーボンブラックおよび炭酸カルシウム(CaCO
3)など、および軽量充填剤を含め、当技術分野で一般的に公知であるものが挙げられる。適切な軽量充填剤としては、例えば米国特許第6,525,168号に記載のものが挙げられる。ある特定の実施形態において、組成物は、組成物の総乾燥重量に対して、5wt%〜60wt%の充填剤または充填剤の組み合わせ、10wt%〜50wt%、ある特定の実施形態において20wt%〜40wt%の充填剤または充填剤の組み合わせを含む。
【0204】
理解され得るとおり、組成物中で使用されるポリイソシアナートプレポリマー、ポリアミン、および充填剤ならびに何らかの添加剤は、互いに相溶性となるように選択され得る。
【0205】
本開示により提供される組成物は、1以上の着色剤、揺変剤(thixotropic agent)、促進剤、硬化遅延剤、接着促進物質、溶媒、マスキング剤または前述のものの何れかの組み合わせを含み得る。
【0206】
本明細書中で使用される場合、「着色剤」という用語は、組成物に色彩および/またはその他の不透明性および/またはその他の視覚効果を付与する何らかの物質を意味する。着色剤は、離散粒子、分散物、溶液および/またはフレークなどの、何らかの適切な形態のものであり得る。単一の着色剤、または2種類以上の着色剤の組み合わせを組成物中で使用し得る。
【0207】
着色剤の例としては、顔料、染料および色付け剤(tint)、例えば、塗料工業で使用され、そして/またはDry Color Manufacturers Association(DCMA)で列挙されるものならびに特殊効果組成物が挙げられる。着色剤は、例えば、不溶性であるが使用条件下で湿潤性である微粉化固形粉末を含み得る。着色剤は、有機性または無機性であり得、凝集性であり得るかまたは非凝集性であり得る。着色剤は、アクリル粉砕ビヒクルなどの粉砕ビヒクル(grind vehicle)の使用によって、組成物に組み込まれ得る。顔料および/または顔料組成物の例としては、カルバゾールジオキサジン粗製顔料、アゾ、モノアゾ、ジアゾ、ナフトールAS、塩タイプ(フレーク)、ベンゾイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインディゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アントアントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラックおよび前述のものの何れかの組み合わせが挙げられる。染料の例としては、溶剤型および/または水性のもの、例えばフタログリーンまたはブルー、酸化鉄、バナジウム酸ビスマス、アントラキノン、ペリレンおよびキナクリドンなどが挙げられる。色付け剤(tint)の例としては、Aqua−Chem
(登録商標)896(Degussa Inc.から入手可能)、CHARISMA COLORANTSおよびMAXITONER INDUSTRIAL COLORANTS(Eastman Chemical Inc.のAccurate Dispersions divisionから入手可能)などの、水性または水混和性の担体中で分散された顔料が挙げられる。
【0208】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約2wt%〜約14wt%のカーボンブラック、約4wt%〜約12wt%のカーボンブラック、約6wt%〜約11wt%のカーボンブラック、約6wt%〜約10wt%のカーボンブラック、および、ある特定の実施形態において、約6.6wt%〜約9.5wt%のカーボンブラックを含む。
【0209】
上述のように、着色剤は、例えばナノ粒子分散物を含む、分散物の形態であり得る。ナノ粒子分散物は、所望の可視色および/または不透明性および/または視覚効果を生じる、1以上の高分散ナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を含み得る。ナノ粒子分散物は、150nm未満、例えば70nm未満または30nm未満などの粒径を有する顔料または染料などの着色剤を含み得る。ナノ粒子は、0.5mm未満の粒径を有する粉砕媒体を用いてストックの有機または無機顔料を粉砕することにより作製され得る。ナノ粒子分散物およびそれらの作製方法の例は、米国特許第6,875,800号で開示される。ナノ粒子分散物は、結晶化、沈殿、気相凝縮および/または化学的摩耗(すなわち部分溶解)によっても作製され得る。コーティング中のナノ粒子の再凝集を最小限に抑えるために、樹脂コーティングされたナノ粒子の分散物が使用され得る。本明細書中で使用される場合、「樹脂コーティングされたナノ粒子の分散物」は、ナノ粒子およびこのナノ粒子上の樹脂コーティングを含む、分散された目立たない「複合微粒子」が分散されている連続相を指す。樹脂コーティングされたナノ粒子を含有する分散物の例およびそれらを作製するための方法は、米国特許第7438,972号で開示される。
【0210】
本開示により提供される組成物中で使用され得る特殊効果組成物の例としては、反射、真珠光沢、金属光沢、リン光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミズム(goniochromism)および/または色彩変化などの1以上の外観に対する効果を生じる、顔料および/または組成物が挙げられる。さらなる特殊効果組成物は、不透明性または質感などのその他の知覚可能な特性を与え得る。ある特定の実施形態において、特殊効果組成物は、コーティングが異なる角度で見られた場合に組成物の色が変化するような、色のシフトを生じさせ得る。色彩効果組成物の例は、米国特許第6,894,086号で開示される。さらなる色彩効果組成物としては、透明コーティングされた雲母および/または合成雲母、コーティングされたシリカ、コーティングされたアルミナ、透明液晶顔料、液晶コーティングおよび/または、物質の表面と空気との間の屈折率の差によるのではなく、物質内の屈折率の差により干渉が生じる何らかの組成物が挙げられ得る。一般に、着色剤は、組成物の総乾燥重量に対する重量%で、組成物の1wt%〜65wt%、2wt%〜50wt%、例えば3wt%〜40wt%または5wt%〜35wt%などを構成し得る。
【0211】
チキソトロープ剤(thixotrope)、例えばシリカは、組成物の総乾燥重量に対して0.1wt%〜5wt%の量で使用され得る。
【0212】
促進剤は、組成物の総重量に対して0.1から5重量%の量で存在し得る。適切な促進剤の例としては、1,4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO
(登録商標)、Air Products,Chemical Additives Divisionより市販)およびDMP−30
(登録商標)(2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含む促進剤組成物)が挙げられる。
【0213】
接着促進物質は、組成物の総乾燥重量に対して、組成物の0.1wt%〜15wt%の量で存在し得る。接着促進物質の例としては、フェノール樹脂(phenolics)、例えばMethylon
(登録商標)フェノール樹脂(Occidental Chemicalsから入手可能)などおよび有機シラン、例えばエポキシ、メルカプトまたはアミノ官能性シランなど、例えばSILQUEST
(登録商標)A−187およびSILQUEST
(登録商標)A−1100(Momentive Performance Materialsから入手可能)などが挙げられる。
【0214】
マツ香料または他の芳香などのマスキング剤は、組成物の何らかの低レベルの臭いを隠すことにおいて有用であり得、組成物の総乾燥重量に対して、0.1wt%〜1wt%の量で存在し得る。
【0215】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、航空宇宙用シーラントにおいて通常有用であるものよりもガラス遷移温度T
gが高いプレポリマーの使用を促進し得る可塑剤を含み得る。例えば、可塑剤を使用することにより、組成物のT
gを効果的に低下させ、それによって、プレポリマーのみの場合のT
gを基にして予想されるものよりも、硬化重合性組成物の低温可撓性を向上させ得る。本組成物のある特定の実施形態において適切な可塑剤としては、例えばフタラートエステル、塩素化パラフィンおよび水素化テルフェニルが挙げられる。可塑剤または可塑剤の組み合わせは、組成物の1wt%〜40wt%または組成物の1wt%〜10wt%を構成し得る。ある特定の実施形態において、組成物は、組成物の非乾燥重量に対して、例えば0wt%〜15wt%、0wt%〜10wt%または0wt%〜5wt%の量で1以上の有機溶媒、例えばイソプロピルアルコールなどを含み得る。
【0216】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、1以上のさらなる硫黄含有ポリマーを含む。硫黄含有ポリマーは、ポリマー性チオール、ポリチオール、チオエーテル、ポリチオエーテル、ポリホルマールおよびポリスルフィドを含め、繰り返し単位中に少なくとも1個の硫黄原子を有する何らかのポリマーであり得る。「チオール」は、例えばチオグリセロールの場合と同様に、本明細書中で使用される場合、唯一の官能基として、またはヒドロキシル基などの他の官能基と組み合わせるかの何れかで、チオールまたはメルカプタン基、すなわち−SH基を含む化合物を指す。ポリチオールは、ジチオールまたはより高級の官能基チオールなど、1個より多くの−SH基を有するこのような化合物を指す。このような基は通常、末端および/またはペンダントであり、それらが、他の官能基との反応性がある活性水素を有するようになっている。本明細書中で使用される場合、「ポリスルフィド」という用語は、硫黄−硫黄結合(−S−S−)を含む何らかの化合物を指す。ポリチオールは、末端および/またはペンダント硫黄(−SH)および非反応性硫黄原子(−S−または−S−S−)の両方を含み得る。したがって、ポリチオールという用語は、一般に、ポリチオエーテルおよびポリスルフィドを包含する。本開示により提供される組成物に適切なさらなる硫黄含有ポリマーの例としては、例えば米国特許第6,172,179号、同第6,509,418号、同第7,009,032号、同第7,879,955号で開示されるものが挙げられる。
【0217】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、構造:
【0218】
【化33】
(式中、R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10シクロアルキルアルカンジイル、−[(−CH
2−)
p−X’−]
q−(−CH
2−)
r−、および−[(−CH
2−)
p−X’−]
q−(−CH
2−)
r−から選択され、ここで、少なくとも1つの−CH
2−単位がメチル基で置換され;R
2は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10シクロアルキルアルカンジイル、および−[(−CH
2−)
p−X’−]
q−(−CH
2−)
r−から選択され;X’は−O−、−S−、および−NR
6−から選択され、R
6は水素およびメチルから選択され;mは0〜10から選択される整数であり;nは1〜60から選択される整数であり;pは2〜6から選択される整数であり;qは1〜5から選択される整数であり、rは2〜10から選択される整数である)を含むポリチオエーテルを含む。かかるポリチオエーテルは、例えば、米国特許第6,172,179号に記載されている。1以上のさらなる硫黄含有ポリマーは、例えば3から6個の末端基を有する、二官能性または多官能性、またはそれらの混合物であり得る。ある特定の実施形態において、かかるさらなる硫黄含有ポリマーは、アミンが末端にあり、ある特定の実施形態において、芳香族アミンが末端にある。
【0219】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、10wt%〜90wt%の本開示により提供される可撓性のアミンが末端にある硫黄含有ポリマー、20wt%〜80wt%、30wt%〜70wt%、ある特定の実施形態においては40wt%〜60wt%の本開示により提供される可撓性のアミンが末端にある硫黄含有ポリマーを含む(wt%は組成物の全不揮発性成分の総重量(すなわち乾燥重量)に対するものである)。ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、10wt%〜90wt%の本開示により提供される可撓性のアミンが末端にある硫黄含有ポリマー、20wt%〜90wt%、30wt%〜90wt%、40wt%〜90wt%、50wt%〜90wt%、60wt%〜90wt%、70wt%〜90wt%、ある特定の実施形態においては80wt%〜90wt%の本開示により提供される可撓性のアミンが末端にある硫黄含有ポリマーを含む(wt%は組成物の全不揮発性成分の総重量(すなわち乾燥重量)に対するものである)。
【0220】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、組成物の比重を減少させるのに有効な少なくとも1つの充填剤を含む。ある特定の実施形態において、組成物の比重は、約0.5から約1.1、約0.8から約1、約0.7から約0.9、約0.75から約0.85であり、ある特定の実施形態において、約0.8である。組成物の比重の低下に適切な充填剤としては、例えば、中空ミクロスフェア(Expancel
(登録商標)ミクロスフェア(AkzoNobelから入手可能)またはDualite
(登録商標)低密度ポリマーミクロスフェア(Henkelから入手可能)など)が挙げられる。ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約1wt%〜約12wt%の低比重充填剤(例えば、約2wt%〜約10wt%、約4wt%〜約8wt%、および、ある特定の実施形態において、約4.4wt%〜約7.7wt%のDualite E130−095D04など)を含む。
【0221】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は1以上の硬化剤を含む。本開示により提供される組成物中で適切な硬化剤としては、本明細書中に開示の硫黄含有付加物(イソシアナートなど)の末端アミン基との反応性がある化合物が挙げられる。アミン基との反応性がある適切な硬化剤の例としてはポリマー性ポリイソシアナートが挙げられ、その非限定的な例としては、本明細書中に開示のイソシアナートが末端にあるプレポリマーに加えて、ウレタン基(−NH−C(O)−O−)、チオウレタン基(−NH−C(O)−S−)、チオカルバマート基(−NH−C(S)−O−)、ジチオウレタン結合(−NH−C(S)−S−)、および前述の何れかの組み合わせから選択される骨格基を有するポリイソシアナートが挙げられる。
【0222】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、何らかの溶媒、例えば有機溶媒または水性溶媒、すなわち水などを実質的に含まないかまたは、一部の例では、完全に含まない。言い換えると、ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は実質的に100%固体である。
【0223】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約65wt%〜約95wt%のポリイソシアナートプレポリマー、約70wt%〜約90wt%、約75wt%〜約85wt%、および、ある特定の実施形態において、約75.6wt%〜約83.4wt%のポリイソシアナートプレポリマーを含む。
【0224】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約1wt%〜約12wt%のポリアミン、約2wt%〜約10wt%、約4wt%〜約9wt%、約5wt%〜約8wt%、および、ある特定の実施形態において、約5.3wt%〜約7.9wt%のポリアミンを含む。
【0225】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約2wt%〜約8wt%の芳香族ポリアミンおよび約0wt%〜約5wt%の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル、約4wt%〜約7wt%の芳香族ポリアミンおよび約0wt%〜約4wt%の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル、および、ある特定の実施形態において、約4.7wt%〜約6.4wt%の芳香族ポリアミン、ならびに約0wt%〜約3.2wt%の芳香族アミンが末端にある(termianted)ポリチオエーテルを含む。
【0226】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約65wt%〜約95wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約1wt%〜約12wt%のポリアミン;約70wt%〜約90wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約2wt%〜約10wt%;約75wt%〜約85wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約4wt%〜約9wt%;および、ある特定の実施形態において、約75.6wt%〜約83.4wt%のポリイソシアナートプレポリマー、および約5.3wt%〜約7.9wt%のポリアミンを含む。
【0227】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、約65wt%〜約95wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約2wt%〜約8wt%の芳香族ポリアミンおよび約0wt%〜約5wt%の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル;約70wt%〜約90wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約4wt%〜約7wt%の芳香族ポリアミンおよび約0wt%〜約4wt%の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル;約75wt%〜約85wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約4wt%〜約7wt%の芳香族ポリアミンおよび約0wt%〜約4wt%の芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル;およびある特定の実施形態において、約75.6wt%〜約83.4wt%のポリイソシアナートプレポリマーおよび約4.7wt%〜約6.4wt%の芳香族ポリアミンおよび約0wt%〜約3.2wt%の芳香族アミンが末端にある(termianted)ポリチオエーテルを含む。
【0228】
本開示により提供される組成物を、例えば、シーラント、コーティング、カプセルの材料、およびポッティング組成物中で使用することができる。シーラントは、湿気および温度などの運用条件に耐え、水、燃料および他の液体および気体などの物質の透過を少なくとも一部、阻止することができるフィルムを生成することが可能な組成物を含む。コーティング組成物としては、例えば、基材の性質(外観、接着性、濡れ性、耐食性、耐摩耗性、耐燃料油性、および/または摩耗抵抗性など)を改善するために基材表面に適用されるカバーリングが挙げられる。ポッティング組成物としては、電子アセンブリにおいて耐衝撃性および耐震性を付与し、水分および腐食物質を排除するのに有用な材料を含む。ある特定の実施形態において、本開示により提供されるシーラント組成物は、例えば、航空宇宙用のシーラントとして、および燃料タンクに対するライニングとして有用である。
【0229】
ある特定の実施形態において、シーラントなどの組成物を、マルチパック組成物(2パック組成物など)として提供することができ、この場合、1つ目のパッケージは、1以上の本開示により提供されるポリイソシアナートプレポリマーを含み、第二のパッケージは、本開示により提供される1以上のポリアミン(1以上の芳香族ポリアミンが含まれる)および/または1以上のアミンが末端にあるポリチオエーテルを含む。添加剤および/または他の材料を、所望または必要に応じてパッケージの何れかに添加することができる。この2個のパッケージを、使用前に組み合わせ、混合することができる。ある特定の実施形態において、1以上の混合したプレポリマーおよびポリアミンのポットライフは、少なくとも約10分、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約60分、および、ある特定の実施形態において、少なくとも約2時間であり、ポットライフとは、混合した組成物が、混合後、シーラントとしての使用に引き続き適している時間を指す。ある特定の実施形態において、ポットライフは約15分から約60分である。ポットライフは、組成物が混合後に流動性を保持する時間を指す。ある特定の実施形態において、組成物は、25℃での粘度(6rpmでのBrookfiled)が約500センチポアズ(cps)から約15,000cps、約10,000cps未満である場合、ある特定の実施形態において、約5,000cps未満である場合に流動性を示す。組成物は、使用するために容器から注ぐことができる場合に流動性を示す。
【0230】
本開示により提供される組成物(シーラントが含まれる)は、様々な基材の何れかに対して適用され得る。組成物が適用され得る基材の例としては、チタン、ステンレス鋼およびアルミニウムなどの金属(これらのいずれかは、陽極酸化され得るか、下塗りされ得るか、有機物質でコーティングされ得るかまたはクロメートコーティングされ得る);エポキシ;ウレタン;グラファイト;ガラス繊維複合材料;Kevlar
(登録商標);アクリル樹脂;およびポリカーボネートが挙げられる。ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物を、基材上のコーティング(ポリウレタンコーティングなど)に適用することができる。
【0231】
本開示により提供される組成物は、当業者にとって公知の何らかの適切なコーティングプロセスによって、基材の表面上または下層全体に直接適用され得る。
【0232】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物を、航空機用および航空宇宙用シーラント(例えば、開口部の密封および燃料タンクの密封のためのシーラントが挙げられる)において使用することができる。
【0233】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される硬化組成物は、耐燃料油性である。本明細書中で使用される場合、「耐燃料油性」という用語は、基材に適用され、硬化させられた場合、ASTM D792(American Society for Testing and Materials)またはAMS 3269(Aerospace Material Specification)に記載されるものと同様の方法に従い、ジェット基準液(Jet Reference Fluid)(JRF)タイプI中で140°F(60℃)および周囲圧力で1週間にわたり浸漬した後、40%を超えない、一部の例では25%を超えない、一部の例では20%を超えない、また他の場合では10%を超えない体積膨潤度(%)を示すシーラントなどの硬化生成物を、組成物が提供し得ることを意味する。ジェット基準液(Jet Reference Fluid)JRFタイプIは、耐燃料油性の測定のために使用される場合、次の組成を有する:トルエン:28±1体積%;シクロヘキサン(テクニカルグレード):34±1体積%;イソオクタン:38±1体積%;および第三級ジブチルジスルフィド:1±0.005体積%(SAE(Society of Automotive Engineers)から入手可能なAMS 2629、1989年7月1日発行、§3.1.1など参照)。
【0234】
ある特定の実施形態において、組成物は、AMS3279、§3.3.17.1、試験手順AS5127/1、§7.7に記載の手順に従い測定した場合に少なくとも400psiの引張強度、および少なくとも100%の伸びを示す、硬化生成物、例えばシーラントなどを提供する。
【0235】
ある特定の実施形態において、組成物は、SAE AS5127/1 段落7.8に記載の手順に従い測定した場合に、200psiより大きいラップせん断強度および一部の例では少なくとも400psiのラップせん断強度を示す、硬化生成物、例えばシーラントなどを提供する。
【0236】
ある特定の実施形態において、本開示により提供される組成物を含む硬化シーラントは、AMS3277で規定されるような航空宇宙用シーラントに対する要件に合致するかまたはそれを上回る。
【0237】
さらに、本開示により提供される組成物を利用して開口部を密封するための方法もまた提供される。これらの方法は、例えば、開口部を密封するために本開示により提供される組成物を表面に適用することと、この組成物を硬化させることとを含む。ある特定の実施形態において、周囲条件下で組成物が硬化され得るが、この場合、周囲条件とは、20℃から25℃の温度および大気湿度を指す。ある特定の実施形態において、0℃から100℃の温度および0%RHから100%RHの湿度を包含する条件下で組成物が硬化され得る。ある特定の実施形態において、組成物が、少なくとも30℃、少なくとも40℃などのより高い温度で、ある特定の実施形態において、少なくとも50℃で硬化され得る。ある特定の実施形態において、室温、例えば25℃で組成物が硬化され得る。ある特定の実施形態において、紫外線などの化学線へ曝露すると、組成物が硬化され得る。同様に理解され得るとおり、本方法は、航空宇宙ビークル(航空機および航空宇宙ビークルを含む)の開口部を密封するために使用され得る。
【0238】
ある種のポリ尿素組成物の、合成、特性および用途を記載する次の実施例を参照することによって、本開示により提供される実施形態をさらに説明する。当業者にとって当然のことながら、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの変更が、材料および方法の両方に対して行われ得る。
【実施例】
【0239】
実施例1
ポリホルマールポリオール
チオジグリコール(1,833g)、パラホルムアルデヒド(純度95%)(360g)、Amberlyst
(商標)15(319g、Dow Chemical Companyから入手可能)、およびトルエン(1,000mL)を、5Lの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、加熱マントル、熱電対、温度制御装置、ならびに還流冷却器、滴下漏斗、および窒素陽圧用のインレットを取り付けたディーン・スタークアダプターを取り付けた。反応物質を窒素下で撹拌し、118℃に加熱し、118℃で約7時間維持した。この時間中、収集した水をディーン・スタークアダプターから一定時間ごとに除去した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、フリット上に直径9.0cmのWhatman GF/Aろ紙を入れた粗フリット(coarse−fritted)ブフナー漏斗(容積600mL)を通してろ過した。フラスコおよびろ過ケーキを500mLトルエンで洗浄した。ろ液を得た。次に、2L丸底フラスコを用いて真空下でろ液を乾燥させて(ロータリーエバポレーター、7トル最終真空圧、90℃水浴)、黄色粘稠性ポリマー(1,456g)を得た。得られたチオジグリコールポリホルマールポリオールのヒドロキシル数は34.5であり、粘度は92ポアズであった。
【0240】
実施例2
H
12MDIが末端にあるポリホルマール−イソシアナートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(450g)を、1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を得るためのインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリホルマールポリオールを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDesmodur
(登録商標)W(H
12MDI)(99.5g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(5.50g)を添加した。反応混合物を76.6℃で7時間維持し、次いで室温まで冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(5.50g)を次いで反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアナートプレポリマーのイソシアナート含有量は3.73%であり、粘度は356ポアズであった。
【0241】
実施例3
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマール−イソシアナートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(101g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を得るためのインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリホルマールポリオールを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にDesmodur
(登録商標)XP−2730(HDI−ウレチジオン脂肪族ポリイソシアナート)(33.4g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(1.4g)を添加した。反応混合物を76.6℃で約7時間維持し、次いで、室温に冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(1.4g)を次いで反応混合物に添加した。得られたプレポリマーのイソシアナート含有量は3.41%であり、粘度は695ポアズであった。
【0242】
実施例4
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマール−イソシアナートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(400g)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を得るためのインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリホルマールポリオールを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にDesmodur
(登録商標)N−3400(137g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(5.50g)に溶解を添加した。反応混合物を76.6℃で約7時間維持し、次いで、室温に冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(5.5g)を次いで反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアナートプレポリマーのイソシアナート含有量は3.31%であり、粘度は697ポアズであった。
【0243】
実施例5
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマール−イソシアナートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(504g)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を得るためのインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリホルマールポリオールを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にDesmodur
(登録商標)N−3400(521g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(10.3g)を添加した。反応混合物を76.6℃で約7時間維持し、次いで、室温に冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(10.4g)を次いで反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアナートプレポリマーのイソシアナート含有量は8.94%であり、粘度は46ポアズであった。
【0244】
実施例6
イソホロンが末端にあるポリホルマール−イソシアナートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(325g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を得るためのインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリホルマールポリオールを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にDesmodur
(登録商標)I(62.5g)(IPDI)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(4g)を添加した。反応混合物を76.6℃で約7時間維持し、次いで、室温に冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(4g)を次いで反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアナートプレポリマーのイソシアナート含有量は3.51%であり、粘度は229ポアズであった。
【0245】
実施例7
H
12MDIが末端にあるポリチオエーテル−イソシアナートプレポリマー
チオールが末端にあるポリチオエーテルを、米国特許第6,172,179号の実施例1にしたがって調製した。2Lフラスコ中で、524.8g(3.3mol)のジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)および706.7g(397mol)のジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)を19.7g(0.08mol)のトリアリルシアヌラート(TAC)と混合し、77℃に加熱した。反応混合物に4.6g(0.024mol)のアゾビスニトリルフリーラジカル触媒(VAZO
(登録商標)67、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))を添加した。2時間後に反応が実質的に完了まで進行して1,250g(0.39mol、収率100%)の液体のチオールが末端にあるポリチオエーテル樹脂が得られて、そのT
gは−68℃であり、粘度は65ポアズであった。樹脂はわずかに黄色であり、少し臭いがあった。
【0246】
1リットルの4口丸底フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素ライン、機械式スターラー、および滴下漏斗を取り付けた。フラスコに米国特許第6,172,179号の実施例1にしたがって調製したチオールが末端にあるポリチオエーテル(652.3g)を入れた。フラスコを窒素下で71℃に加熱し、300rpmで撹拌した。4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(47.40g)およびVazo−67(1.19g)の混合物をフラスコに滴下漏斗を介して1時間添加した。反応混合物を71℃で約41時間維持し、この時点で反応が完了した。この後、反応装置に真空ラインを取り付け、生成物を94℃に加熱した。真空下で1.3時間加熱し続けた。吸引処理後、淡黄色粘稠性ポリチオエーテルポリオール(678.80g)を得た。ポリチオエーテルポリオールのヒドロキシル数は31.8であり、粘度は77ポアズであった。
【0247】
次いで、ポリチオエーテルポリオール(300.03g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を得るためのインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリチオエーテルポリオールを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にDesmodur
(登録商標)W(H
12MDI)(82.90g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(3.90g)を添加した。反応混合物を76.6℃で約7時間維持し、次いで、室温に冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(3.80g)を次いで反応混合物に添加した。得られたH
12MDIが末端にあるポリチオエーテルプレポリマーのイソシアナート含有量は4.47%であり、粘度は282ポアズであった。
【0248】
実施例8
アクリラートが末端にあるポリホルマールポリマー
実施例1の硫黄含有ポリマー(164.3g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリマーを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にイソシアナトエチルメタクリラート(10.1g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(1.7g)を添加した。反応混合物を76.6℃で5時間維持し、次いで室温まで冷却した。メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンゾイルの1%溶液(1.8g)を次いで反応混合物に添加した。得られたポリマーの粘度は177ポアズであった。
【0249】
実施例9
アリルが末端にあるポリホルマールポリマー
実施例1の硫黄含有ポリマー(143.1g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリマーを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後にアリルイソシアナート(4.8g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(1.5g)を添加した。反応混合物を76.6℃で5時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたポリマーの粘度は176ポアズであった。
【0250】
実施例10
TMIが末端にあるポリホルマールポリマー
実施例1の硫黄含有ポリマー(150.9g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリマーを約200rpmで撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、その後に3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート(12.7g、Cytec Industriesから入手可能)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.01%溶液(1.63g)を添加した。反応混合物を76.6℃で6時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたポリマーの粘度は291ポアズであった。
【0251】
実施例11
三官能性ポリホルマールポリオールの合成
チオジグリコール(1,215.81g)、パラホルムアルデヒド(純度95%)(300.63g)AMBERLYST
(商標)15(212.80g、Dow Chemical Company)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(13.14g、Aldrich)およびトルエン(500mL)を3リットルの4口丸底フラスコに入れた。加熱マントル、熱電対、温度制御装置ならびに、還流冷却器、滴下漏斗および窒素陽圧用のインレットを取り付けたディーン・スタークアダプターをフラスコに取り付けた。この時間中、収集した水をディーン・スタークアダプターから一定時間ごとに除去した。窒素下で撹拌を開始し、このバッチを120℃に加熱し、120℃で約10時間維持した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、フリット上に直径9.0cmのWhatman GF/Aろ紙を入れた粗フリット(coarse−fritted)ブフナー漏斗(容積600mL)を通して吸引ろ過した。フラスコおよびろ過ケーキを500mLトルエンで洗浄した。ろ液を得た。次に、2L丸底フラスコを用いて真空下でろ液を揮散させた(ロータリーエバポレーター、5トル最終真空圧、90℃水浴)。黄色粘稠性ポリマー(993.53g)を得た。得られたポリホルマールポリマーは、ヒドロキシル数が25.3であり、粘度が214ポアズであった。
【0252】
実施例12
三官能性ポリホルマールポリオールの合成
チオジグリコール(1.209.67g)、パラホルムアルデヒド(純度95%)(300.48g)、AMBERLYST
(商標)15(26.18g、Dow Chemical Company)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(20.9g、Aldrich)およびトルエン(500mL)を3リットルの4口丸底フラスコに入れた。加熱マントル、熱電対、温度制御装置ならびに、還流冷却器、滴下漏斗および窒素陽圧用のインレットを取り付けたディーン・スタークアダプターをフラスコに取り付けた。この時間中、回収した水をディーン・スタークアダプターから一定時間ごとに除去した。窒素下で撹拌を開始し、このバッチを120℃に加熱し、120℃で約10時間維持した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、フリット上に直径9.0cmのWhatman GF/Aろ紙を入れた粗フリット(coarse−fritted)ブフナー漏斗(容積600mL)を通して吸引ろ過した。フラスコおよびろ過ケーキを500mLトルエンで洗浄した。ろ液を得た。次に、2L丸底フラスコを用いて真空下でろ液を揮散させた(ロータリーエバポレーター、5トル最終真空圧、90℃水浴)。黄色粘稠性ポリマー(953.33g)を得た。得られたポリホルマールポリマーは、ヒドロキシル数が22.8であり、粘度が377ポアズであった。
【0253】
実施例13
三官能性ポリホルマールポリオールの合成
チオジグリコール(1,197.45g)、パラホルムアルデヒド(純度95%)(300.83g)、AMBERLYST
(商標)15(213.06g、Dow Chemical Company)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(52.58g、Aldrich)およびトルエン(500mL)を3リットルの4口丸底フラスコに入れた。加熱マントル、熱電対、温度制御装置ならびに、還流冷却器、滴下漏斗および窒素陽圧用のインレットを取り付けたディーン・スタークアダプターをフラスコに取り付けた。この時間中、回収した水をディーン・スタークアダプターから一定時間ごとに除去した。窒素下で撹拌を開始し、このバッチを120℃に加熱し、120℃で約10時間維持した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、フリット上に直径9.0cmのWhatman GF/Aろ紙を入れた粗フリット(coarse−fritted)ブフナー漏斗(容積600mL)を通して吸引ろ過した。フラスコおよびろ過ケーキを500mLトルエンで洗浄した。ろ液を得た。次に、2L丸底フラスコを用いて真空下でろ液を揮散させた(ロータリーエバポレーター、5トル最終真空圧、90℃水浴)。黄色粘稠性ポリマー(1,039.64g)を得た。得られたポリホルマールポリマーは、ヒドロキシル数が23.2であり、粘度が942ポアズであった。
【0254】
実施例14
アクリラートが末端にある三官能性ポリホルマールポリオール
実施例11のポリホルマールポリマー(222.40g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリマーを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてイソシアナトエチルメタクリラート(15.68g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.05%溶液(2.51g)を添加した。反応混合物を76.6℃で5時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたアクリラートが末端にあるポリマー(222.08g)の粘度は299ポアズであった。
【0255】
実施例15
アクリラートが末端にある三官能性ポリホルマールポリオール
実施例12のポリホルマールポリマー(247.26g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリマーを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてイソシアナトエチルメタクリラート(15.61g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.05%溶液(2.66g)を添加した。反応混合物を76.6℃で5時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたアクリラートが末端にあるポリマー(242.14g)の粘度は439ポアズであった。
【0256】
実施例16
アクリラートが末端にある三官能性ポリホルマールポリオール
実施例13のポリホルマールポリマー(243.71g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリマーを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてイソシアナトエチルメタクリラート(15.58g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.05%溶液(2.74g)を添加した。反応混合物を76.6℃で5時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたアクリラートが末端にあるポリマー(226.09g)の粘度は1,026ポアズであった。
【0257】
実施例17
TMIが末端にある三官能性ポリホルマールポリオール
実施例11でのポリホルマールポリマー(222.6g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリマーを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、次いで3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート(TMI)(20.25g、Cytec Industries)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.05%溶液(2.47g)を添加した。反応混合物を76.6℃で6時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたTMIが末端にあるポリマー(217.32g)の粘度は378ポアズであった。
【0258】
実施例18
TMIが末端にある三官能性ポリホルマールポリオール
実施例11でのポリホルマールポリマー(243.70g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリマーを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、次いで3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート(20.18g、Cytec Industries)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジブチルすずジラウラートの0.05%溶液(2.62g)を添加した。反応混合物を76.6℃で6時間維持し、次いで室温まで冷却した。得られたTMIが末端にあるポリマー(230.42g)の粘度は1.261ポアズであった。
【0259】
実施例19
イソホロンジイソシアナートが末端にあるポリチオエーテルポリマー
Permapol
(登録商標)3.1E(756.50g、PRC−Desoto Inc,Sylmar,CA)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリマーを約200rpmで撹拌し、真空下で76.6℃(170°F)に1時間加熱した。次いで、ポリマーを室温に冷却し、その後にDesmodur
(登録商標)I(IPDI)(130.16g)およびPolycat
(登録商標)8(0.11g、Air Products and Chemicals,Inc.,Allentown,PA)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間維持した。塩化ベンゾイル(0.035g)を次いで反応混合物に添加した。得られたポリマーのイソシアナート含有量は3.26%であり、粘度は610ポアズであった。
【0260】
実施例20
TDIが末端にあるポリチオエーテルポリマー
Permapol
(登録商標)3.1E(756.50g、PRC−Desoto Inc,Sylmar,CA)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。フラスコに、マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧用のインレット、および機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)を取り付けた。ポリマーを約200rpmで撹拌し、真空下で76.6℃(170°F)に1時間加熱した。次いで、ポリマーを室温に冷却し、その後にトルエンジイソシアナート(TDI)(102.29g)およびPolycat
(登録商標)8(0.030g、Air Products and Chemicals,Inc.,Allentown,PA)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間維持した。塩化ベンゾイル(0.054g)を次いで反応混合物に添加した。得られたポリマーのイソシアナート含有量は3.17%であり、粘度は748ポアズであった。
【0261】
実施例21
アミンが末端にあるポリチオエーテルの合成
ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)253.4g、1.39モル)を、窒素雰囲気下で1リットルの4口フラスコに添加した。撹拌中、フラスコの内容物を50℃に加熱し、146.6g(0.93モル)のジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)を1時間にわたって添加した。反応混合物の温度を70℃に上昇させ、0.05gのフリーラジカル開始剤Vazo
(登録商標)67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、Du Pont)を添加した。反応混合物の温度を70℃でさらに1時間維持した。DEG−DVEのDMDOとの反応の完了は、メルカプタン当量値420によって示された。アリルグリシジルエーテル(AGE)(110.87g、0.97モル、2%化学量論過剰)を1時間にわたって70℃で添加し、反応混合物を70℃でさらに1時間加熱した。次いで、10回分のVazo
(登録商標)67(各0.165g)を3時間間隔にて70℃で添加した。Vazo
(登録商標)67の添加後、反応混合物を70℃で5時間加熱した。次いで、反応混合物を70℃/4〜5mmHgにて3時間脱気して、液体のエポキシが末端にあるポリチオエーテルを得た。これは、わずかに黄色であり、粘度は5.0ポアズであり、エポキシ当量値は563であった。反応収量は508.7g(100%)であった。
【0262】
3リットルの4口フラスコに1703.46g(1.51モル)のエポキシが末端にあるポリチオエーテルおよび647.49g(3.02モル)のEthacure
(登録商標)300(Huntsman Inc.)を入れた。反応物質を真空下(10mmHg)で0.25時間混合した。Polycat
(登録商標)8(0.47g、0.0037モル)を添加し、混合物を84〜92℃で10時間加熱した。アミンが末端にあるポリチオエーテル付加物は淡褐色であり、粘度は6ポアズであった。
【0263】
実施例22
IPDIが末端にあるポリチオエーテルおよびアミンが末端にあるポリチオエーテルの組成物
実施例19のIPDIが末端にあるポリチオエーテル(57.76g)、カーボンブラック(7.2g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(4.8g、Henkel)、Ethacure
(登録商標)300(3.6g、Albemarle)、および実施例21のアミンが末端にあるポリチオエーテル付加物(2.4g)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0264】
実施例23
IPDIが末端にあるポリチオエーテルおよび芳香族ポリアミンの組成物
実施例19のIPDIが末端にあるポリチオエーテル(63.2g)、カーボンブラック(6.0g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(4.0g、Henkel)、およびEthacure
(登録商標)300(5.0g、Albemarle)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0265】
実施例24
IPDIが末端にあるポリチオエーテルおよび芳香族ポリアミンの組成物
実施例19のIPDIが末端にあるポリチオエーテル(60.44g)、カーボンブラック(4.8g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(3.2g、Henkel)、およびEthacure
(登録商標)100(4.0g、Albemarle)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0266】
実施例25
IPDIが末端にあるポリチオエーテルおよびアミンが末端にあるポリチオエーテルの組成物
実施例19のIPDIが末端にあるポリチオエーテル(60.00g)、カーボンブラック(7.2g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(6.0g、Henkel)、Ethacure
(登録商標)300(3.74g、Albemarle)、および実施例21のアミンが末端にあるポリチオエーテル付加物(2.49g)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0267】
実施例26
IPDIが末端にあるポリチオエーテルおよびアミンが末端にあるポリチオエーテルの組成物
実施例19のIPDIが末端にあるポリチオエーテル(60.00g)、カーボンブラック(7.2g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(6.0g、Henkel)、Ethacure
(登録商標)300(4.75g、Albemarle)、および実施例21のアミンが末端にあるポリチオエーテル付加物(2.4g)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0268】
実施例27
IPDIが末端にあるポリチオエーテルおよび芳香族ポリアミンの組成物
実施例19のIPDIが末端にあるポリチオエーテル(60.00g)、カーボンブラック(7.2g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(4.8g、Henkel)、およびEthacure
(登録商標)100(3.97g、Albemarle)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0269】
実施例28
TDIが末端にあるポリチオエーテルおよび芳香族ポリアミンの組成物
実施例20のTDIが末端にあるポリチオエーテル(50.00g)、カーボンブラック(6.0g、Cabot)、Dualite
(登録商標)E130−095D04(4.0g、Henkel)、およびEthacure
(登録商標)300(3.85g、Albemarle)を最初に手作業で混合し、次いで、スピードミキサー(DAC 600 FVZ)にて2,3000rpmで60秒間混合した。
【0270】
実施例29
硬化組成物
12”×12”の薄いポリエチレンシートを、平らな12”×12”×1/4”のステンレス鋼プレート上に置いた。4つの12”×1”×1/8”のスペーサーを、ポリエチレンシートの端に置いた。
【0271】
実施例22から28中の各混合組成物を、スペーサーの間のポリエチレンシート上に均一に注いだ。第二の12”×12”の薄いポリエチレンシートを、第二のポリエチレンシートが第一のポリエチレンシートから1/8”スペーサーによって分離されるように組成物の上に置いた。第二の12”×12”×1/4”のステンレス鋼プレートを第二のポリエチレンシートの上に置いた。2つのポリエチレンシートの間に挟まれた組成物を室温で48時間硬化させ、その後に140°Fで24時間硬化させた。最後に、ポリエチレンシートを除去して、平らな厚さ1/8インチの硬化ポリマーシートを得た。
【0272】
硬度、引張強度、および伸長性(T/E)、および引裂強度データを、表1に示す。硬化ポリマーの硬度をASTM D2240にしたがって測定し、引張強度および伸長性をASTM D412に従って測定し、引裂強度をASTM D624 Die Cに従って測定した。
【0273】
ポットライフを、イソシアナートおよびアミンを最初に混合した時点から、混合した組成物にもはや流動性がなくなった時点までと定義する。
【0274】
実施例22〜28に記載の組成物の成分を表1にまとめている。実施例22〜28の硬化組成物の性質を表2にまとめている。
【0275】
最後に、本明細書中で開示される実施形態を実施する代替的な方法があることに留意されたい。従って、本実施形態は、例示とみなされるべきものであり、限定するものではない。さらに、特許請求の範囲は、本明細書中で与えられる詳細に限定されるべきものではなく、その完全な範囲およびその同等物が認められる。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
組成物であって、
(a)ポリイソシアナートプレポリマーであって、
(i)第一のイソシアナート基および第二のイソシアナート基を有するジイソシアナートであって、前記第一のイソシアナート基のチオール基との反応性が前記第二のイソシアナート基の前記チオール基との反応性より高い、ジイソシアナート;および
(ii)チオールが末端にある硫黄含有ポリマー;
を含む反応物質の反応生成物を含み、
ここで、イソシアナート基対チオール基のモル比が約2.1:1〜約2.5:1である、ポリイソシアナートプレポリマー;および
(b)芳香族ポリアミン、芳香族アミンが末端にあるポリチオエーテル付加物、およびその組み合わせから選択されるポリアミン
を含む組成物。
(項2)
前記モル比が約2.2:1である、上記項1に記載の組成物。
(項3)
前記ポリイソシアナートプレポリマーが、イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルプレポリマー、イソシアナートが末端にあるポリホルマールプレポリマー、およびその組み合わせから選択される、上記項1に記載の組成物。
(項4)
前記イソシアナートが末端にあるポリチオエーテルが、式(1)の二官能性のイソシアナートが末端にあるポリチオエーテル、式(1’)の多官能性のイソシアナートが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【化34】
(式中、
各R1は、C2−10アルカンジイル、置換C2−10アルカンジイル(ここで、置換基はC1−3アルキル、C1−3アルコキシ、C6−8シクロアルキル、C6−10アルキルシクロアルキル、およびC5−8ヘテロシクロアルキルから選択される)、および−[(−CHR3−)s−X’−]q−(−CHR3−)r−から独立に選択され、ここで:
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NHR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各R2はC1−10アルカンジイル、C6−8シクロアルカンジイル、C6−14アルキルシクロアルカンジイル、および−[(−CHR3−)s−X’−]q−(−CHR3−)r−から独立に選択され、ここで、s、q、r、R3、およびX’は上記定義のとおりであり;
mは0から50の整数であり;
nは1から60の整数であり;
pは2から6の整数であり;
各XはSであり;
Bはz価多官能化剤B(V)zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
各Vは末端ビニル基を含む基であり;
各−S−(CH2)2−V−は、Vとチオールとの反応に由来する部分であり;
各Y−NH−C(O)−は前記ジイソシアナート由来の基である)から選択される、上記項3に記載の組成物。
(項5)
前記イソシアナートが末端にあるポリホルマールが、式(3)の二官能性のイソシアナートが末端にあるポリホルマール、式(3’)の多官能性のイソシアナートが末端にあるポリホルマール、およびその組み合わせ:
【化35】
(式中、
tは1〜50から選択される整数であり;
各uは1および2から独立に選択され;
各R4はC2−6アルカンジイルから独立に選択され;
各R5は、水素、C1−6アルキル、C7−12フェニルアルキル、置換C7−12フェニルアルキル、C6−12シクロアルキルアルキル、置換C6−12シクロアルキルアルキル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C6−12アリール、および置換C6−12アリールから独立に選択され;
各−R6’−は末端チオール基を含む基由来であり;
Bはz価ポリオールB(OH)zのコアを表し、ここで、zは3から6の整数であり;
各Y−NH−C(O)−は前記ジイソシアナート由来の部分である)から選択される、上記項3に記載の組成物。
(項6)
各−R6’−は、式(a’)、式(b’)、式(c’)、式(d’)、式(e’)、式(f’)、式(g’)、および式(h’):
【化36】
(式中、
各R8は、ジイソシアナート由来の部分およびエチレン性不飽和モノイソシアナート由来の部分から独立に選択され;
各R9はC2−14アルカンジイルおよびC2−14ヘテロアルカンジイルから独立に選択され;
各R10は、C2−6アルカンジイル、C2−6ヘテロアルカンジイル、C6−12アレーンジイル、置換C6−12アレーンジイル、C6−12ヘテロアレーンジイル、置換C6−12ヘテロアレーンジイル、C3−12シクロアルカンジイル、置換C3−12シクロアルカンジイル、C3−12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C3−12ヘテロシクロアルカンジイル、C7−18アルカンアレーンジイル、置換C7−18ヘテロアルカンアレーンジイル、C4−18アルカンシクロアルカンジイル、および置換C4−18アルカンシクロアルカンジイルから独立に選択される)の部分から独立に選択される、上記項5に記載の組成物。
(項7)
前記ジイソシアナートは、p2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、および前述のものの何れかの組み合わせから選択される、上記項1に記載の組成物。
(項8)
金属アセチルアセトナート触媒を含む上記項1に記載の組成物。
(項9)
前記チオールが末端にある硫黄含有ポリマーがチオールが末端にあるポリチオエーテルを含む、上記項1に記載の組成物。
(項10)
前記チオールが末端にあるポリチオエーテルが、式(5)のチオールが末端にあるポリチオエーテル、式(5’)のチオールが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【化37】
(式中、
各R1は、C2−10アルカンジイル、置換C2−10アルカンジイル(ここで、置換基はC1−3アルキル、C1−3アルコキシ、C6−8シクロアルキル、C6−10アルキルシクロアルキル、およびC5−8ヘテロシクロアルキルから選択される)、および−[(−CHR3−)s−X’−]q−(−CHR3−)r−から独立に選択され、ここで:
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NHR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
各R2はC1−10アルカンジイル、C6−8シクロアルカンジイル、C6−14アルキルシクロアルカンジイル、および−[(−CHR3−)s−X’−]q−(−CHR3−)r−から独立に選択され、ここで、s、q、r、R3、およびX’は上記定義のとおりであり;
mは0から50の整数であり;
nは1から60の整数であり;
pは2から6の整数であり;
Bはz価のビニルが末端にある多官能化剤B(V)zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
各Vは末端ビニル基を含む基であり;
各−S−(CH2)2−V−はVとチオールとの反応由来である)から選択される、上記項9に記載の組成物。
(項11)
前記チオールが末端にある硫黄含有ポリマーは、チオールが末端にあるポリホルマールを含む、上記項1に記載の組成物。
(項12)
前記チオールが末端にあるポリホルマールが、(a)および(b)を含む反応物質の反応生成物を含み、ここで:
(a)は(i)および(ii)を含む反応物質の反応生成物を含み、ここで:
(i)は式(10)のポリオール、式(10’)のポリオール、およびその組み合わせ:
【化38】
(式中、
tは1〜50から選択される整数であり;
各uは1および2から独立に選択され;
各R4はC2−6アルカンジイルから独立に選択され;
各R5は、水素、C1−6アルキル、C7−12フェニルアルキル、置換C7−12フェニルアルキル、C6−12シクロアルキルアルキル、置換C6−12シクロアルキルアルキル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C6−12アリール、および置換C6−12アリールから独立に選択され;
Bはz価ポリオールB(OH)zのコアを表し、ここで、zは3から6の整数である)から選択される硫黄含有ポリオールを含み;
(ii)はジイソシアナート、チオ尿素、エチレン性不飽和モノイソシアナート、およびトシラートから選択される第一の化合物を含み;
(b)は、(ii)がジイソシアナートを含む場合にはメルカプトアルカノールを、(ii)がチオ尿素を含む場合には金属ヒドロスルフィドを、(ii)がエチレン性不飽和モノイソシアナートを含む場合にはジチオールを、(ii)がトシラートを含む場合には金属ヒドロスルフィドを含む、上記項11に記載の組成物。
(項13)
前記チオールが末端にあるポリホルマールが、式(9)のチオールが末端にあるポリホルマール、式(9’)のチオールが末端にあるポリホルマール、またはその組み合わせ:
【化39】
(式中、
tは1〜50から選択される整数であり;
各uは1および2から独立に選択され;
各R4はC2−6アルカンジイルから独立に選択され;
各R5は、水素、C1−6アルキル、C7−12フェニルアルキル、置換C7−12フェニルアルキル、C6−12シクロアルキルアルキル、置換C6−12シクロアルキルアルキル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C6−12アリール、および置換C6−12アリールから独立に選択され;
各R6は末端チオール基を含む基であり;
Bはz価ポリオールB(OH)zのコアを表し、ここで、zは3から6の整数である)から選択される、上記項11に記載の組成物。
(項14)
各R6は独立に式(a)、式(b)、式(c)、式(d)、式(e)、式(f)、式(g)、および式(h):
【化40】
(式中、
各R8は、ジイソシアナート由来の部分およびエチレン性不飽和モノイソシアナート由来の部分から独立に選択され;
各R9はC2−14アルカンジイルおよびC2−14ヘテロアルカンジイルから独立に選択され;
各R10は、C2−6アルカンジイル、C2−6ヘテロアルカンジイル、C6−12アレーンジイル、置換C6−12アレーンジイル、C6−12ヘテロアレーンジイル、置換C6−12ヘテロアレーンジイル、C3−12シクロアルカンジイル、置換C3−12シクロアルカンジイル、C3−12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C3−12ヘテロシクロアルカンジイル、C7−18アルカンアレーンジイル、置換C7−18ヘテロアルカンアレーンジイル、C4−18アルカンシクロアルカンジイル、および置換C4−18アルカンシクロアルカンジイルから独立に選択される)の群から選択されるチオールが末端にある基である、上記項13に記載の組成物。
(項15)
前記ポリアミンが芳香族ポリアミンを含む、上記項1に記載の組成物。
(項16)
前記アミンが末端にあるポリチオエーテル付加物は、式(13)の付加物、式(13’)の付加物、およびその組み合わせ:
【化41】
(式中、
各R15は、C2−10アルカンジイル、C2−10オキシアルカンジイル、C6−8シクロアルカンジイル、C6−10アルキルシクロアルカンジイル、および−[−(CHR3)s−X’−]q−(CHR3)r−から独立に選択され;ここで、
各R3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R16はC3−20アルカンジイルおよびC3−20オキシアルカンジイルから独立に選択され;
Bはz価多官能化剤B(V)zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
各Vはエポキシ基との反応性がある基を含み;
各−CH(OH)−CH2−V’−はVとエポキシ基との反応の結果生じる部分を含み;
各Y−NH−は芳香族ポリアミン由来である)から選択される、上記項1に記載の組成物。
(項17)
前記アミンが末端にあるポリチオエーテル付加物は、
(a)式(15)のエポキシが末端にあるポリチオエーテル、式(15’)のエポキシが末端にあるポリチオエーテル、およびその組み合わせ:
【化42】
(式中、
各R15は、C2−10アルカンジイル、C2−10オキシアルカンジイル、C6−8シクロアルカンジイル、C6−10アルキルシクロアルカンジイル、および−[−(CHR3)s−X’−]q−(CHR3)r−から独立に選択され;ここで、
各R3は水素およびメチルから独立に選択され;
各X’はO、S、および−NR−から独立に選択され、ここで、Rは水素およびメチルから選択され;
sは2から6の整数であり;
qは1から5の整数であり;
rは2から10の整数であり;
各R16はC3−20アルカンジイルおよびC3−20オキシアルカンジイルから独立に選択され;
Bはz価多官能化剤B(V)zのコアを表し、ここで:
zは3から6の整数であり;
Vはエポキシ基との反応性がある末端基を含む基であり;
−CH(OH)−CH2−V’−はVとエポキシ基との反応の結果生じる部分を含む)から選択される、エポキシが末端にあるポリチオエーテル;および
(b)芳香族ポリアミン
を含む反応物質の反応生成物を含む、上記項1に記載の組成物。
(項18)
前記シーラントの比重が約0.5から約1.1である、上記項1に記載の組成物を含むシーラント。
(項19)
上記項1に記載の組成物を含むシーラントで密封される密封開口部。