(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、回転動作が可能な入力装置の操作ノブの天面に、静電容量の変化を検出するタッチパッドを設けることで、回転入力と座標入力とを一つのデバイスで行うことが可能な入力装置が存在していた。
【0003】
上述のような入力装置として、特許文献1では、
図10に示すような入力装置900が提案されている。
図10は、特許文献1(従来例)の入力装置900を説明する図であって、
図10(a)は、入力装置900の縦断面図であり、
図10(b)は、
図10(a)に示すR部分の拡大断面図である。
【0004】
図10(a)に示す入力装置900は、中空支持体911を有する基部材905と、中空支持体911に対し回転自在でかつ回転軸方向に沿って往復動自在となるように支持された操作体906と、操作体906の天面部920cの裏側に配設されたタッチパッド907と、操作体906の回転動作を検出する回転検出部908と、操作体の往復動作を検出する押圧検出部(
図10(a)では図示していない)と、を有して構成される。
【0005】
また、入力装置900の操作体906は、天面部920cが形成された有底筒状の操作ノブ920と、軸受部922を介して操作ノブ920を回転自在に保持する中空筒状の支持体921とで構成され、この支持体921は、操作ノブ920とともに図中上下方向(回転軸方向)に往復動自在になるように中空支持体911(基部材905)に支持されている。また、操作体906の操作ノブ920は、天面部920cを有する上部部材920aと、上部部材920aの下部に固定されて基部材905内に挿入される下部部材920bとから構成され、操作者が操作しやすいように、上部部材920aは、下部部材920bより大きな径を有している。
【0006】
そして、入力装置900は、操作ノブ920の回転を回転検出部908で検知し、操作ノブ920の上下動を押圧検出部で検知し、天面部920cの操作状況をタッチパッド907で検知し、回転入力、押圧入力及び座標入力を一つのデバイスで行うことが可能な大変優れた装置となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような入力装置に対して、使用上の意匠性を高めるために、操作ノブの少なくとも一部の表面に金属皮膜を設ける構成の要望があった。例えば、従来例1の入力装置900に金属皮膜を設ける場合、
図10(b)に示すように、操作ノブ920の上部部材920aの側壁外周面920wに金属皮膜を設けることが考えられる。
【0009】
しかしながら、操作ノブ920の表面に金属皮膜を設けた場合、この操作ノブ920に帯電した静電気が金属被膜を介して隙間SSから空間AZに放電し、操作ノブ920の天面部920cの裏側に配設されたタッチパッド907に到達するようになる。このため、タッチパッド907を構成する回路基板に搭載された集積回路に損傷を与えたり、集積回路の誤動作を引き起こしたりするといった問題があった。
【0010】
一方、この損傷や誤動作を防止するためには、金属皮膜から回路基板までの距離を一定以上離す必要があり、タッチパッド907の検知範囲、つまり回路基板の外形より一定以上の距離を離して操作ノブ920の側壁外周面920wを形成しなければいけなかった。このため、操作ノブ920のサイズが大きくなり、ひいては入力装置の外形サイズが大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するもので、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性を向上させることが可能な入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、本発明の入力装置は、中空支持体を有する基部材と、前記中空支持体に対し回転可能に支持され、操作者の手指により操作される操作ノブと、前記操作ノブの回転動作を検出する回転検出部と、前記手指の接近または接触の入力動作を検出する静電容量センサと、を備えた入力装置であって、前記操作ノブは、前記入力動作を受ける天面部を有した上ケースと、前記中空支持体に支持される下ケースと、前記上ケースの一方向側端部の外周と前記下ケースの他方向側端部の外周とが全周に亘って係合することで形成された係合部と、この係合部を含み前記上ケースと前記下ケースとで形成された側壁部と、を有し、前記側壁部には、前記操作ノブの表面に露出する導電性材料部が少なくとも一部に形成され、前記静電容量センサの上方に前記天面部が配設されるとともに、前記静電容量センサの側面の全周を取り囲むように前記側壁部が配設され、前記上ケースと前記下ケースとが係合する前記係合部の全周に亘って弾性を有する絶縁部材が配設され、前記絶縁部材が、前記上ケースと前記下ケースとで圧接、挟持されて
おり、前記絶縁部材には、前記係合部の近傍において、前記導電性材料部と前記静電容量センサの前記側面側と、の間に、壁部を有することを特徴としている。
【0013】
これによれば、本発明の入力装置は、上ケースと下ケースが係合する係合部に隙間が生じないので、操作ノブに帯電した静電気が導電性材料部を介して静電容量センサ側の空間に放電することを抑えられる。このため、使用上の意匠性を高めるために用いられた導電性材料部と静電容量センサとの距離を一定以上離す必要がなく、より双方を近づけることができる。このことにより、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性を向上させることが可能となる。
【0015】
更に、壁部により、上ケースと下ケースの係合部における、絶縁部材が挟持されたつなぎ目が確実に遮られることとなる。このため、操作ノブに帯電した静電気が導電性材料部を介して静電容量センサ側の空間に放電することをより抑えることができる。このことにより、導電性材料部と静電容量センサとの距離を一定以上離す必要がなく、より一層、双方を近づけることができるので、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性をより向上させることができる。
【0016】
また、本発明の入力装置は、前記絶縁部材が、前記係合部において、前記上ケースと前記下ケースのいずれか一方に
隙間なく密着した状態で形成されていることを特徴としている。
【0017】
これによれば、絶縁部材と、上ケースと下ケースのいずれかに一方と、の密着力が向上し、係合部に隙間がより生じなくなる。このことにより、操作ノブに帯電した静電気が導電性材料部を介して静電容量センサ側の空間に放電することをより一層抑えることができる。
【0018】
また、本発明の入力装置は、前記静電容量センサの下方側には、照光するための光源を有し、前記上ケースには、前記天面部の周囲を取り囲む位置に、透光部を有し、前記光源から前記透光部に光を導光するライトガイド部材を有していることを特徴としている。
【0019】
これによれば、このライトガイド部材が、静電容量センサの側面の全周を取り囲むようになる。このため、操作ノブに帯電した静電気が放電する導電性材料部と静電容量センサとの間をこのライトガイド部材が遮ることとなる。このことにより、放電した静電気が静電容量センサに達することを防止でき、導電性材料部と静電容量センサとをより一層近づけることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の入力装置は、上ケースと下ケースが係合する係合部に隙間が生じなく、操作ノブに帯電した静電気が導電性材料部を介して静電容量センサ側の空間に放電することが抑えられる。このため、使用上の意匠性を高めるために用いられた導電性材料部と静電容量センサとの距離を一定以上離す必要がなく、より双方を近づけることができる。このことにより、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する分解斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する側面図である。
図4は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する上面図である。
図5は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する図であって、
図4に示すV−V線における断面図である。
図6は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する図であって、
図4に示すVI−VI線における断面図である。
図7は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する図であって、
図4に示すVII−VII線における断面図である。
図8は、本発明の第1実施形態の入力装置101を説明する図であって、
図8(a)は、
図5に示すP部分の拡大断面図であり、
図8(b)は、
図7に示すQ部分の拡大断面図である。
【0024】
本発明の第1実施形態の入力装置101は、
図1に示すように、中空支持体11を有する基部材1と、操作者の手指により操作される操作ノブ3と、操作ノブ3の回転動作を検出する回転検出部5と、手指の接近または接触の入力動作を検出する静電容量センサ7と、を備えて構成される。
【0025】
操作ノブ3は、
図1及び
図3に示すように、操作者の手指で掴まれるような有底筒状の形状をしており、操作者の手指により、回転操作や押圧操作等の入力操作が行われる。この回転操作のために、操作ノブ3は、中空支持体11に対し回転可能に支持されている。この回転可能に支持する機構についての詳細な説明は省略するが、ベアリング機構を用いて容易に達成できる。また、回転操作時のカクカク感触もカム機構を用いて容易に達成している。
【0026】
また、操作ノブ3を回転可能に支持している基部材1は、
図1に示すように、ベアリング機構を介して操作ノブ3を支持している中空支持体11と、中空支持体11の円筒部11eが挿通される開口部21kを有した支持部21と、から構成されており、中空支持体11と支持部21とは係合されている。なお、本発明の第1実施形態に係わる入力装置101は、この基部材1と係わって、操作ノブ3及び基部材1の全体を上下に移動させるプッシュ機構や左右前後に移動させるスライド機構を有しているが、それら機構についても詳細な図示及び説明は省略する。
【0027】
操作ノブ3は、ポリカーボネート(PC、polycarbonate)等の合成樹脂を用い、
図1ないし
図3に示すように、入力動作を受ける天面部13mを有した上ケース13と、中空支持体11に支持される下ケース33と、から構成され、
図5ないし
図7に示すように、上ケース13の一方向側(
図5に示すZ2方向側)端部の外周と下ケース33の他方向側(
図5に示すZ1方向側)端部の外周とが全周に亘って係合している。これは、有底筒状の形状をしているので、少なくとも2つ以上の部品が必要となるためである。そして、この係合している係合部13kを含んで、上ケース13と下ケース33とで操作ノブ3の側壁部23sを形成している。
【0028】
また、
図5ないし
図7に示すように、上ケース13には、天面部13mの周囲を取り囲む位置に、透光部13tを有している。また、本発明の第1実施形態では、
図5ないし
図7に示すように、上ケース13の天面部13mを覆うようにして、デザイン性の向上や手指での操作感触を高めるため等で、フィルムシートF3が貼り付けられている。このため、天面部13m及び側壁部23sを有した上ケース13がポリカーボネート(PC、polycarbonate)等の透光性の樹脂で一体に成形されており、フィルムシートF3に遮光性の基材を用いて天面部13mに貼り付けられているので、それ以外の部分が透光部13tを構成するようになっている。
【0029】
また、本発明の第1実施形態では、前述した側壁部23sを覆うようにしてリング状の横ケース53が別部品として設けられており、この横ケース53の全面には、使用上の意匠性を高めるために、ニッケル等の金属メッキが施されている。これにより、
図5ないし
図8に示すように、操作ノブ3の表面に露出する側壁部23sに、導電性材料部23cが形成されるようになる。なお、製造上或いは設計上の都合から、別部品の横ケース53を設ける構成にして、前述した側壁部23sと横ケース53とで操作ノブ3の側壁部23sとしているが、横ケース53を用いない構成で、上ケース13の下垂部分と下ケース33の立設部分とで側壁部を構成しても良い。或いは、上ケース13の下垂部分のみまたは下ケース33の立設部分のみで側壁部を構成しても良い。
【0030】
また、上ケース13の天面部13mの下方側(
図5に示すZ2方向側)には、
図5ないし
図7に示すように、プリント回路板(PCB、printed circuit board)を用いた静電容量センサ7が配設されている。この静電容量センサ7は、検出用電極が絶縁層を挟んで2層になるように設けられ、プリント回路板(PCB)の上方側(
図5に示すZ1方向側)に形成されている。更に、上ケース13の天面部13mの下方側で、静電容量センサ7との間には、操作ノブ3の回転を容易にするため、スライドシートS14が設けられている。
【0031】
そして、操作者の手指がフィルムシートF3に接近または接触して操作を行った入力動作が、静電容量センサ7の上方に配設された上ケース13の天面部13mを挟んでいながら(天面部13mの上下には、フィルムシートF3とスライドシートS14が設けられている)、僅かな静電容量の変化となり、この僅かな静電容量の変化を検出用電極で検出することにより、位置情報或いは状態情報として、静電容量センサ7この入力できるようになる。
【0032】
また、上ケース13の天面部13mの下方側(
図5に示すZ2方向側)に配設された静電容量センサ7は、静電容量センサ7の側面7pの全周を取り囲むように側壁部23sが配設されるようになっている。
【0033】
本発明の第1実施形態の入力装置101では、
図5ないし
図7に示すように、上ケース13と下ケース33とが係合する係合部13kの全周に亘って、絶縁性で絶縁部材NC9が配設されている。また、この絶縁部材NC9は、合成ゴム等の材料を用いて弾性を有しており、上ケース13と下ケース33とで圧接、挟持されて、図示はしていないが、弾性変形している。これにより、上ケース13と下ケース33が係合する係合部13kに従来例のように隙間SSが生じなく、操作ノブ3に帯電した静電気が導電性材料部23cを介して静電容量センサ7側の空間CV(
図8に示す)に放電することが抑えられる。このため、使用上の意匠性を高めるために用いられた導電性材料部23cと静電容量センサ7との距離を一定以上離す必要がなく、より双方を近づけることができる。このことにより、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性を向上させることが可能となる。
【0034】
また、絶縁部材NC9は、
図8(b)に示すように、係合部13kの近傍において、導電性材料部23cと静電容量センサ7の側面7p側と、の間に、全周に亘って、壁部NC9wを有している。これにより、上ケース13と下ケース33の係合部13kにおける、絶縁部材NC9が挟持されたつなぎ目が確実に遮られることとなる。このため、操作ノブ3に帯電した静電気が導電性材料部23cを介して静電容量センサ7側の空間CVに放電することをより抑えることができる。このことにより、導電性材料部23cと静電容量センサ7との距離を一定以上離す必要がなく、より一層、双方を近づけることができるので、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性をより向上させることができる。
【0035】
また、絶縁部材NC9は、係合部13kにおいて、2色成形を用いて、
図8に示すように、下ケース33に一体となって形成されている。これにより、絶縁部材NC9と下ケース33との密着力が向上し、係合部13kに従来例のように隙間SSがより生じなくなる。このことにより、操作ノブ3に帯電した静電気が導電性材料部23cを介して静電容量センサ7側の空間CVに放電することをより一層抑えることができる。また、下ケース33に一体となって絶縁部材NC9が形成されているので、下ケース33に上ケース13を組み込むだけで、上ケース13と下ケース33とで圧接、挟持することができる。このことにより、入力装置101を組み立てるのが容易になるとともに、上ケース13と下ケース33とが係合する係合部13kの全周に亘って、絶縁部材NC9を確実に配設することができる。なお、本発明の第1実施形態では、下ケース33に一体となって絶縁部材NC9を形成する構成としたが、上ケース13に一体となって絶縁部材NC9を形成する構成にしても良い。
【0036】
また、静電容量センサ7が設けられたプリント回路板(PCB)の下方側の下面には、
図6に示すように、ホール素子がパッケージングされた磁気センサ15が搭載されているとともに、
図7に示すように、発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)がパッケージングされた光源RSが搭載されている。また、プリント回路板(PCB)の下面には、コネクタCNも搭載されており、このコネクタCNを介して、静電容量センサ7や磁気センサ15で検知した信号の送信や光源RSへの電力の供給等、図示していないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)で外部機器と接続されている。なお、本発明の第1実施形態では、
図1に示すように、1つの磁気センサ15と操作ノブ3の回転軸を中心として配設された8つの光源RSを用いている。
【0037】
また、
図5ないし
図7に示すように、静電容量センサ7の下方側には、リング状の磁石25(
図1を参照)が下ケース33に固定されて設けられており、磁気センサ15と対向する位置に配設されている。この磁石25と磁気センサ15とで回転検出部5を構成しており、操作ノブ3の回転動作を検出している。
【0038】
また、本発明の第1実施形態の入力装置101では、
図5ないし
図7に示すように、静電容量センサ7の下方側には、光源RSからの光を導光するライトガイド部材L8が設けられ、中空支持体11に固定されている。なお、前述した静電容量センサ7が設けられたプリント回路板(PCB)は、このライトガイド部材L8に載置されて固定されている。
【0039】
また、このライトガイド部材L8は、
図1に示すように、リング状に形成された枠部L8wと、この枠部L8wの一端部から操作ノブ3の回転軸に向かって延設された縁部L8gと、この縁部L8gから回転軸に向かって延設された5本の桟部L8sと、この桟部L8sと接続され中空支持体11と係合される基体L8bと、から構成されている。また、本発明の第1実施形態の入力装置101が組み立てられた際には、
図5ないし
図8に示すように、枠部L8wの他端部と上ケース13の透光部13tとが対向するともに、
図7に示すように、縁部L8gと光源RSとが対向するようになる。これにより、光源RSから発光された光がライトガイド部材L8により透光部13tに導光され、透光部13tが照光されるようになる。なお、言うまでもないが、光源RSの発光面は、縁部L8gと対向する向きになっている。
【0040】
このようにライトガイド部材L8が配設されているので、このライトガイド部材L8が、静電容量センサ7の側面7pの全周を取り囲むようになっている。このため、操作ノブ3に帯電した静電気が放電する導電性材料部23cと静電容量センサ7との間をこのライトガイド部材L8が遮ることとなる。このことにより、放電した静電気が静電容量センサ7に達することを防止でき、導電性材料部23cと静電容量センサ7とをより一層近づけることができる。
【0041】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の入力装置101における、効果について、以下に説明する。
【0042】
本発明の第1実施形態の入力装置101は、弾性を有した絶縁部材NC9が上ケース13と下ケース33とで圧接、挟持されて全周に渡って配設されているので、上ケース13と下ケース33が係合する係合部13kに隙間が生じなく、操作ノブ3に帯電した静電気が導電性材料部23cを介して静電容量センサ7側の空間CVに放電することが抑えられる。このため、使用上の意匠性を高めるために用いられた導電性材料部23cと静電容量センサ7との距離を一定以上離す必要がなく、より双方を近づけることができる。このことにより、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性を向上させることが可能となる。
【0043】
また、絶縁部材NC9が導電性材料部23cと静電容量センサ7の側面7p側との間に、壁部NC9wを有するので、この壁部NC9wにより、上ケース13と下ケース33の係合部13kにおける、絶縁部材NC9が挟持されたつなぎ目が確実に遮られることとなる。このため、操作ノブ3に帯電した静電気が導電性材料部23cを介して静電容量センサ7側の空間CVに放電することをより抑えることができる。このことにより、導電性材料部23cと静電容量センサ7との距離を一定以上離す必要がなく、より一層、双方を近づけることができるので、外形サイズを大きくすることなく静電気耐性をより向上させることができる。
【0044】
また、絶縁部材NC9が、係合部13kにおいて、下ケース33に2色成形して形成されているので、絶縁部材NC9と下ケース33との密着力が向上し、係合部13kに隙間がより生じなくなる。このことにより、操作ノブ3に帯電した静電気が導電性材料部23cを介して静電容量センサ7側の空間CVに放電することをより一層抑えることができる。
【0045】
また、光源RSから天面部13mの周囲を取り囲む位置の透光部13tに光を導光するライトガイド部材L8を有しているので、このライトガイド部材L8が、静電容量センサ7の側面7pの全周を取り囲むようになる。このため、操作ノブ3に帯電した静電気が放電する導電性材料部23cと静電容量センサ7との間をこのライトガイド部材L8が遮ることとなる。このことにより、放電した静電気が静電容量センサ7に達することを防止でき、導電性材料部23cと静電容量センサ7とをより一層近づけることができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0047】
図9は、
図9(a)は、
図8(b)と比較した変形例1の拡大断面図であり、
図9(b)は、
図8(b)と比較した変形例2の拡大断面図である。
【0048】
<変形例1><変形例2>
上記第1実施形態では、
図8(b)に示すように、下ケース33側に絶縁部材NC9の壁部NC9wを設けた構成にした。そこで、
図9(a)に示すように、上ケースC13側に絶縁部材CNC9の壁部NC9wcを設けた構成にしても良い。また、
図9(b)に示すように、上ケースD13及び下ケースD33側の両方に、絶縁部材DNC9の壁部NC9wdを設けた構成にしても良い。
【0049】
<変形例3>
上記第1実施形態では、ライトガイド部材L8を設けるように好適に構成にしたが、ライトガイド部材L8を設けなる構成であっても良い。
【0050】
<変形例4>
上記第1実施形態では、磁気センサ15と磁石25とで回転検出部5を非接触で好適に構成したが、これに限らず、例えば接触型の回転型可変抵抗器を用いて操作ノブ3の回転動作を検出しても良い。
【0051】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。