(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
電動モータにより車両の窓を開閉するパワーウィンドウ装置においては、操作スイッチの操作状況に応じて、モータを正転方向または逆転方向へ回転させ、窓の開閉を行うようにしている。例えば、操作スイッチをUP側(窓閉側)へ操作すると、モータが正転方向に駆動されて窓が閉じ、操作スイッチをDOWN側(窓開側)へ操作すると、モータが逆転方向に駆動されて窓が開く。モータの正転と逆転の制御は、操作スイッチからの信号に基づき、モータ駆動回路においてモータに流れる電流の方向を切り替えることにより行う。
【0003】
一般に、自動車においては、運転席と、それ以外の座席(助手席、左後部席、右後部席など)のそれぞれに操作スイッチが備わっている。運転席に備わる操作スイッチ(メインスイッチ)には、運転席の窓の開閉を操作する運転席用スイッチのほかに、助手席などの他席の窓の開閉を遠隔操作する他席用スイッチが含まれている。他席に備わる操作スイッチ(サブスイッチ)は、その席の窓の開閉のみを操作するものである。そして、メインスイッチやサブスイッチの操作に基づいて、窓の開閉を制御する制御部が設けられる。さらに、車両用の窓開閉制御装置では、窓に異物などが挟み込まれた場合に、これを検知して窓の閉動作を停止したり、閉動作から開動作に反転したりする機能が備わっている。
【0004】
特許文献1には、運転席のメインスイッチと他席のサブスイッチのそれぞれに対して制御部が設けられ、各席のスイッチ操作に応じて、各席の制御部がモータのマニュアル駆動やオート駆動を行う窓開閉制御装置が開示されている。この装置では、各席の制御部がシリアル通信線で接続されている。運転席のメインスイッチで他席の窓開閉操作が行われた場合は、シリアル通信線を通して運転席の制御部から、該当する席の制御部へ通信が行われ、その席の制御部がモータを駆動制御する。本文献では、挟み込みの検出について言及されていないが、各席には窓の位置を検出するセンサが配置されており、このセンサの出力を各席の制御部が受けて、挟み込みを検出していると考えられる。
【0005】
特許文献2には、1つの制御部が、運転席のメインスイッチや他席のサブスイッチからの入力を受けて、各席の窓駆動用モータを制御するようにした窓開閉制御装置が開示されている。この装置では、モータに流れる電流の検出結果(電流値)と、エンコーダによる窓位置の検出結果とに基づいて挟み込みを検出している。
【0006】
特許文献3には、モータに流れる電流のリップルを検出し、その検出結果に基づきモータの回転数を算出して、窓の開閉制御を行うようにした窓開閉制御装置が開示されている。この装置では、窓の閉動作時にモータに流れる電流を監視し、電流値が所定の閾値を超えた場合に、挟み込みが生じたと判断して、モータを逆方向に回転させて窓を開くようにしている。
【0007】
特許文献4には、運転席側の制御ユニット(運転席ユニット)と、他席側の制御ユニット(他席ユニット)とを単一の信号ラインで接続した窓開閉制御装置が開示されている。この装置では、運転席ユニットで窓の開閉操作がされたときに、他席ユニットの窓閉スイッチおよび窓開スイッチの各接点を用いて、モータに流れる電流の方向を切り替えるようにしている。本文献では、挟み込みの検出については言及されていない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一の符号を付してある。
【0023】
最初に、車両の窓開閉制御装置(以下、単に「窓開閉制御装置」という)の概略構成につき、
図1を用いて説明する。
図1において、運転席ユニット1と、サブスイッチ200とによって、窓開閉制御装置が構成される。
【0024】
運転席ユニット1は、車両の運転席に設けられており、メインスイッチ100と制御部10とを有している。メインスイッチ100は、運転席の窓と運転席以外の他席の窓の開閉を操作するためのスイッチであって、
運転席用メインスイッチ11と他席用メインスイッチ12〜14とを含んでいる。運転席用メインスイッチ11は、運転席の窓の開閉を操作するためのスイッチである。助手席用メインスイッチ12は、助手席の窓の開閉を操作するためのスイッチである。右後部席用メインスイッチ13は、右後部席の窓の開閉を操作するためのスイッチである。左後部席用メインスイッチ14は、左後部席の窓の開閉を操作するためのスイッチである。
【0025】
制御部10は、各スイッチ11〜14の操作に基づき、運転席に設けられた運転席用モータ15および他席にそれぞれ設けられた他席用モータ22,32,42を制御して、運転席および他席
を含む全席の窓の開閉を行う。モータ22は、助手席に設けられた助手席用モータ、モータ32は、右後部席に設けられた右後部席用モータ、モータ42は、左後部席に設けられた左後部席用モータである。
【0026】
サブスイッチ200は、助手席に設けられた助手席サブスイッチ21と、右後部席に設けられた右後部席サブスイッチ31と、左後部席に設けられた左後部席サブスイッチ41とからなる。助手席サブスイッチ21は、運転席ユニット1とモータ22との間に設けられており、右後部席サブスイッチ31は、運転席ユニット1とモータ32との間に設けられており、左後部席サブスイッチ41は、運転席ユニット1とモータ42との間に設けられている。
【0027】
運転席ユニット1と運転席用モータ15とは、配線1aおよび配線1bからなる2本の配線で接続されている。運転席ユニット1と助手席サブスイッチ21とは、配線2bおよび配線2cからなる2本の配線で接続されている。運転席ユニット1と右後部席サブスイッチ31とは、配線3bおよび配線3cからなる2本の配線で接続されている。運転席ユニット1と左後部席サブスイッチ41とは、配線4bおよび配線4cからなる2本の配線で接続されている。配線1aは本発明における第1の配線を構成し、配線1bは本発明における第2の配線を構成する。また、配線2b,3b,4bは本発明における第3の配線を構成し、配線2c,3c,4cは本発明における第4の配線を構成する。
【0028】
運転席ユニット1には、電源Bから所定の電圧(例えば直流12V)が供給される。また、電源Bに接続された共通の電源ライン51には、助手席サブスイッチ21が配線2aにより接続され、右後部席サブスイッチ31が配線3aにより接続され、左後部席サブスイッチ41が配線4aにより接続されている。
【0029】
次に、運転席ユニット1とサブスイッチ200の具体的構成を、
図2を参照しながら説明する。
【0030】
運転席ユニット1において、運転席用メインスイッチ11、助手席用メインスイッチ12、右後部席用メインスイッチ13、および左後部席用メインスイッチ14は、制御部10に接続されている。
制御部10と運転席用モータ15とは、運転席用メインスイッチ11を介さずに、2本の配線1a、1bで接続されている。制御部10と助手席用モータ22とは、助手席用メインスイッチ12を介さずに、助手席サブスイッチ21を介して、2本の配線2b、2cで接続されている。制御部10と右後部席用モータ32とは、右後部席用メインスイッチ13を介さずに、右後部席サブスイッチ31を介して、2本の配線3b、3cで接続されている。制御部10と左後部席用モータ42とは、左後部席用メインスイッチ14を介さずに、左後部席サブスイッチ41を介して、2本の配線4b、4cで接続されている。
【0031】
メインスイッチ100のうち、運転席用メインスイッチ11は、マニュアル操作時に切り替わるマニュアル接点11Mと、オート操作時に投入されるオート接点11Aとを備えている。マニュアル接点11Mは、窓を閉じるマニュアル操作が行われた場合にUP側(窓閉側)に切り替わり、窓を開くマニュアル操作が行われた場合にDOWN側(窓開側)に切り替わる。オート接点11Aは、マニュアル接点11MがUP側またはDOWN側に切り替わった状態から、なおもスイッチ11の操作を継続した場合(オート操作へ移行した場合)に投入される。
【0032】
マニュアル接点11MがUP側に切り替わった後、オート接点11Aが投入されると、スイッチ11の操作を解除して、マニュアル接点11Mとオート接点11AがOFFになっても、制御部10によりオート閉動作が継続されて、窓は全閉位置まで移動する。また、マニュアル接点11MがDOWN側に切り替わった後、オート接点11Aが投入されると、スイッチ11の操作を解除して、マニュアル接点11Mとオート接点11AがOFFになっても、制御部10によりオート開動作が継続されて、窓は全開位置まで移動する。
【0033】
助手席用メインスイッチ12は、マニュアル操作時に切り替わるマニュアル接点12Mと、オート操作時に投入されるオート接点12Aとを備えている。右後部席用メインスイッチ13は、マニュアル操作時に切り替わるマニュアル接点13Mと、オート操作時に投入されるオート接点13Aとを備えている。左後部席用メインスイッチ14は、マニュアル操作時に切り替わるマニュアル接点14Mと、オート操作時に投入されるオート接点14Aとを備えている。前述した運転席用メインスイッチ11の動作は、助手席用メインスイッチ12、右後部席用メインスイッチ13、左後部席用メインスイッチ14についても当てはまるので、これらのスイッチ12〜14についての詳細説明は割愛する。
【0034】
制御部10は、CPUなどから構成されており、挟み込み検出部10aを備えている。制御部10には、CPUの指令に基づき、配線1a,1b,2b,2c,3b,3c,4b,4cを電源Bに接続するかグランドGに接続するかを切り替える切替回路(図示省略)も含まれている。
【0035】
サブスイッチ200のうち、助手席サブスイッチ21は、2つの接点211,212を有している。接点211は本発明の第1接点を構成し、接点212は本発明の第2接点を構成する。接点211は、常時は配線2bにより運転席ユニット1に接続されていて、助手席サブスイッチ21で窓を閉じる操作が行われた場合に、UP側(窓閉側)に切り替わる。接点212は、常時は配線2cにより運転席ユニット1に接続されていて、助手席サブスイッチ21で窓を開く操作が行われた場合に、DOWN側(窓開側)に切り替わる。UP側に切り替わった接点211と、DOWN側に切り替わった接点212とは、配線2b,2cとは別の配線2aにより、共通の電源ライン51を介して、電源Bに接続される。
【0036】
サブスイッチ21の接点211,212は、例えばラバー接点から構成されている。各接点211,212において、固定側の接点は配線基板上に形成されており、可動側の接点はサブスイッチ21のアクチュエータ(図示省略)に設けられている。そして、アクチュエータの操作により、可動側の接点が固定側の接点に接離することにより、接点が切り替わる。
【0037】
上述した助手席サブスイッチ21の動作は、右後部席サブスイッチ31と左後部席サブスイッチ41についても当てはまるので、これらのスイッチ31,41についての詳細説明は割愛する。
【0038】
以上の構成を備えた窓開閉制御装置において、メインスイッチ100とサブスイッチ200がいずれも操作されていないときは、回路は
図2の状態にある。この状態では、電源Bからモータ15,22,32,42へ通電は行われないので、各モータは停止している。
【0039】
次に、メインスイッチ100やサブスイッチ200が操作された場合の動作について説明する。以下では、マニュアルで窓を閉じる操作を「マニュアルUP操作」、マニュアルで窓を開く操作を「マニュアルDOWN操作」、オートで窓を閉じる操作を「オートUP操作」、オートで窓を開く操作を「オートDOWN操作」と表記する。
【0040】
(1)メインスイッチのみが操作された場合
図3は、運転席の運転席用メインスイッチ11がマニュアルUP操作され、他席のサブスイッチ21,31,41が操作されない場合の回路状態を示している。この状態では、運転席用メインスイッチ11のマニュアル接点11Mが、UP側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、運転席用メインスイッチ11から入力される信号に基づき、配線1aを電源Bに接続し、配線1bをグランドGへ接続する。このため、運転席用モータ15には、配線1a,1bを介して矢印方向の電流が流れ、モータ15は正転する。この結果、運転席用メインスイッチ11がマニュアルUP操作されている間、運転席の窓は閉動作を行う。運転席用メインスイッチ11のマニュアルUP操作を解除すると、運転席用モータ15に電流が流れなくなり、モータ15が停止して運転席の窓の閉動作も停止する。
【0041】
図4は、運転席の運転席用メインスイッチ11がマニュアルDOWN操作され、他席のサブスイッチ21,31,41が操作されない場合の回路状態を示している。この状態では、運転席用メインスイッチ11のマニュアル接点11Mが、DOWN側(窓開側)に切り替わる。制御部10は、運転席用メインスイッチ11から入力される信号に基づき、配線1bを電源Bに接続し、配線1aをグランドGへ接続する。このため、運転席用モータ15には、配線1a,1bを介して矢印方向(
図3と逆の方向)の電流が流れ、モータ15は逆転する。この結果、運転席用メインスイッチ11がマニュアルDOWN操作されている間、運転席の窓は開動作を行う。運転席用メインスイッチ11のマニュアルDOWN操作を解除すると、運転席用モータ15に電流が流れなくなり、モータ15が停止して運転席の窓の開動作も停止する。
【0042】
図5は、運転席の助手席用メインスイッチ12がマニュアルUP操作され、他席のサブスイッチ21,31,41が操作されない場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、UP側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2bを電源Bに接続し、配線2cをグランドGへ接続する。このため、助手席用モータ22には、配線2b,2cを介して矢印方向の電流が流れ、モータ22は正転する。この結果、助手席用メインスイッチ12がマニュアルUP操作されている間、助手席の窓は閉動作を行う。助手席用メインスイッチ12のマニュアルUP操作を解除すると、助手席用モータ22に電流が流れなくなり、モータ22が停止して助手席の窓の閉動作も停止する。このようにして、運転席から助手席の窓の閉動作を行うことができる。
【0043】
図6は、運転席の助手席用メインスイッチ12がマニュアルDOWN操作され、他席のサブスイッチ21,31,41が操作されない場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、DOWN側(窓開側)に切り替わる。制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2cを電源Bに接続し、配線2bをグランドGへ接続する。このため、助手席用モータ22には、配線2b,2cを介して矢印方向(
図5と逆の方向)の電流が流れ、モータ22は逆転する。この結果、助手席用メインスイッチ12がマニュアルDOWN操作されている間、助手席の窓は開動作を行う。助手席用メインスイッチ12のマニュアルDOWN操作を解除すると、助手席用モータ22に電流が流れなくなり、モータ22が停止して助手席の窓の開動作も停止する。このようにして、運転席から助手席の窓の開動作を行うことができる。
【0044】
なお、メインスイッチ11〜14のうち、右後部席用メインスイッチ13や左後部席用メインスイッチ14が操作された場合の動作については、上述した助手席用メインスイッチ12が操作された場合の動作と同様であるので、詳細説明は割愛する。
【0045】
(2)サブスイッチのみが操作された場合
図7は、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルUP操作され、運転席のメインスイッチ11〜14が操作されない場合の回路状態を示している。この状態では、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側(窓閉側)に切り替わる。また、制御部10は、接点212を配線2cを介してグランドGへ接続する。このため、助手席用モータ22には、電源Bから電源ライン51、配線2a、接点211、接点212、配線2cを介して、矢印方向の電流が流れ、モータ22は正転する。この結果、助手席サブスイッチ21がマニュアルUP操作されている間、助手席の窓は閉動作を行う。助手席サブスイッチ21のマニュアルUP操作を解除すると、接点211が復帰して助手席用モータ22に電流が流れなくなり、モータ22が停止して助手席の窓の閉動作も停止する。
【0046】
図8は、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルDOWN操作され、運転席のメインスイッチ11〜14が操作されない場合の回路状態を示している。この状態では、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側(窓開側)に切り替わる。また、制御部10は、接点211を配線2bを介してグランドGへ接続する。このため、助手席用モータ22には、電源Bから電源ライン51、配線2a、接点212、接点211、配線2bを介して、矢印方向(
図7と逆の方向)の電流が流れ、モータ22は逆転する。この結果、助手席サブスイッチ21がマニュアルDOWN操作されている間、助手席の窓は開動作を行う。助手席サブスイッチ21のマニュアルDOWN操作を解除すると、接点212が復帰して助手席用モータ22に電流が流れなくなり、モータ22が停止して助手席の窓の開動作も停止する。
【0047】
(3)メインスイッチとサブスイッチが共に操作された場合
<同方向操作の場合>
図9は、運転席の助手席用メインスイッチ12と、助手席の助手席サブスイッチ21が共にマニュアルUP操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、UP側(窓閉側)に切り替わる。また、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、
図5の場合と同様に、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2bを電源Bに接続し、配線2cをグランドGへ接続する。しかし、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側に切り替わっているので、電源Bから配線2bを介して助手席用モータ22に給電はされない。一方、接点211がUP側に切り替わることで、助手席用モータ22には、電源Bから電源ライン51、配線2a、接点211、接点212、配線2cを介して、矢印方向の電流が流れ、モータ22は正転する。すなわち、この場合は、助手席用モータ22に、運転席の助手席用メインスイッチ12と助手席の助手席サブスイッチ21により指示された通りの方向に電流が流れるので、動作に不具合が生じない。
【0048】
図10は、運転席の助手席用メインスイッチ12と、助手席の助手席サブスイッチ21が共にマニュアルDOWN操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、DOWN側(窓開側)に切り替わる。また、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、
図6の場合と同様に、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2cを電源Bに接続し、配線2bをグランドGへ接続する。しかし、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側に切り替わっているので、電源Bから配線2cを介して助手席用モータ22に給電はされない。一方、接点212がDOWN側に切り替わることで、助手席用モータ22には、電源Bから電源ライン51、配線2a、接点212、接点211、配線2bを介して、矢印方向(
図9と逆の方向)の電流が流れ、モータ22は逆転する。すなわち、この場合も、助手席用モータ22に、運転席の助手席用メインスイッチ12と助手席の助手席サブスイッチ21により指示された通りの方向に電流が流れるので、動作に不具合が生じない。
【0049】
図11は、運転席の助手席用メインスイッチ12がオートUP操作され、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルUP操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、UP側(窓閉側)に切り替わるとともに、オート接点12Aが投入される。また、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2bを電源Bに接続し、配線2cをグランドGへ接続する。しかし、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側に切り替わっているので、電源Bから配線2bを介して助手席用モータ22に給電はされない。一方、接点211がUP側に切り替わることで、助手席用モータ22には、電源Bから電源ライン51、配線2a、接点211、接点212、配線2cを介して、矢印方向の電流が流れ、モータ22は正転する。すなわち、この場合も、助手席用モータ22に、運転席の助手席用メインスイッチ12と助手席の助手席サブスイッチ21により指示された通りの方向に電流が流れるので、動作に不具合が生じない。なお、途中で助手席サブスイッチ21のマニュアルUP操作を解除しても、制御部10は、助手席用メインスイッチ12のオートUP操作に基づき、窓が全閉位置に至るまでモータ22の正転を継続する。
【0050】
図12は、運転席の助手席用メインスイッチ12がオートDOWN操作され、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルDOWN操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、DOWN側(窓開側)に切り替わるとともに、オート接点12Aが投入される。また、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2cを電源Bに接続し、配線2bをグランドGへ接続する。しかし、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側に切り替わっているので、電源Bから配線2cを介して助手席用モータ22に給電はされない。一方、接点212がDOWN側に切り替わることで、助手席用モータ22には、電源Bから電源ライン51、配線2a、接点212、接点211、配線2bを介して、矢印方向の電流(
図11と逆の方向)が流れ、モータ22は逆転する。すなわち、この場合も、助手席用モータ22に、運転席の助手席用メインスイッチ12と助手席の助手席サブスイッチ21により指示された通りの方向に電流が流れるので、動作に不具合が生じない。なお、途中で助手席サブスイッチ21のマニュアルDOWN操作を解除しても、制御部10は、助手席用メインスイッチ12のオートDOWN操作に基づき、窓が全開位置に至るまでモータ22の逆転を継続する。
【0051】
<逆方向操作の場合>
図13は、運転席の助手席用メインスイッチ12がマニュアルUP操作され、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルDOWN操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、UP側(窓閉側)に切り替わる。また、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側(窓開側)に切り替わる。したがって、双方のスイッチ12,21間で操作に矛盾がある。しかし、制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2bを電源Bに接続するので(配線2cはグランドGへ接続)、助手席用モータ22の一端は、接点211と配線2bを介して電源Bに接続され、助手席用モータ22の他端は、接点212と配線2aおよび電源ライン51を介して、電源Bに接続される。したがって、助手席用モータ22の両端が電源Bに接続されて同電位となるため、モータ22には電流が流れない。このため、助手席用モータ22は停止しており、助手席の窓の開閉は行われない。これにより、矛盾した操作に起因して動作に不具合が発生するのが回避される。
【0052】
なお、
図13の状態から、双方のスイッチ12,21のいずれか一方のスイッチの操作を解除すると、他方のスイッチの操作に応じて、助手席用モータ22が回転する。例えば、助手席用メインスイッチ12のマニュアルUP操作が解除された場合は、制御部10は、配線2bをグランドGに接続する。このため、
図8の電流経路が形成されて、助手席用モータ22は逆転し、助手席サブスイッチ21のマニュアルDOWN操作に見合った動作が行われる。また、助手席サブスイッチ21のマニュアルDOWN操作が解除された場合は、制御部10は、配線2cをグランドGに接続する。このため、
図5の電流経路が形成されて、助手席用モータ22は正転し、助手席用メインスイッチ12のマニュアルUP操作に見合った動作が行われる。
【0053】
図14は、運転席の助手席用メインスイッチ12がマニュアルDOWN操作され、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルUP操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、DOWN側(窓開側)に切り替わる。また、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側(窓閉側)に切り替わる。したがって、双方のスイッチ12,21間で操作に矛盾がある。しかし、制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2cを電源Bに接続するので(配線2bはグランドGへ接続)、助手席用モータ22の一端は、接点211と配線2aおよび電源ライン51を介して、電源Bに接続され、助手席用モータ22の他端は、接点212と配線2cを介して電源Bに接続される。したがって、この場合も、助手席用モータ22の両端が電源Bに接続されて同電位となるため、モータ22には電流が流れない。このため、助手席用モータ22は停止しており、助手席の窓の開閉は行われない。これにより、矛盾した操作に起因して動作に不具合が発生するのが回避される。
【0054】
なお、
図14の状態から、双方のスイッチ12,21のいずれか一方のスイッチの操作を解除すると、他方のスイッチの操作に応じて、助手席用モータ22が回転する。例えば、助手席用メインスイッチ12のマニュアルDOWN操作が解除された場合は、制御部10は、配線2cをグランドGに接続する。このため、
図9の電流経路が形成されて、助手席用モータ22は正転し、助手席サブスイッチ21のマニュアルUP操作に見合った動作が行われる。また、助手席サブスイッチ21のマニュアルUP操作が解除された場合は、制御部10は、配線2bをグランドGに接続する。このため、
図6の電流経路が形成されて、助手席用モータ22は逆転し、助手席用メインスイッチ12のマニュアルDOWN操作に見合った動作が行われる。
【0055】
図15は、運転席の助手席用メインスイッチ12がオートUP操作され、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルDOWN操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、UP側(窓閉側)に切り替わるとともに、オート接点12Aが投入される。また、助手席サブスイッチ21の接点212が、DOWN側(窓開側)に切り替わる。制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2bを電源Bに接続するので(配線2cはグランドGへ接続)、助手席用モータ22の一端は、接点211と配線2bを介して電源Bに接続され、助手席用モータ22の他端は、接点212と配線2aおよび電源ライン51を介して、電源Bに接続される。したがって、助手席用モータ22の両端が電源Bに接続されて同電位となるため、モータ22には電流が流れない。このため、助手席用モータ22は停止しており、助手席の窓の開閉は行われない。これにより、矛盾した操作に起因して動作に不具合が発生するのが回避される。
【0056】
なお、
図15の場合は、助手席用メインスイッチ12の操作がオートUPのため、制御部10の挟み込み検出部10aは、助手席用モータ22が停止したことによって、助手席の窓に挟み込みが発生したと判定する。そして、この判定結果に基づき、制御部10は、助手席の窓のオートUP動作(閉動作)を停止する。オートUP動作の停止後は、助手席サブスイッチ21のマニュアルDOWN操作に応じて、
図8で説明した動作が行われる。
【0057】
図16は、運転席の助手席用メインスイッチ12がオートDOWN操作され、助手席の助手席サブスイッチ21がマニュアルUP操作された場合の回路状態を示している。この状態では、助手席用メインスイッチ12のマニュアル接点12Mが、DOWN側(窓開側)に切り替わるとともに、オート接点12Aが投入される。また、助手席サブスイッチ21の接点211が、UP側(窓閉側)に切り替わる。制御部10は、助手席用メインスイッチ12から入力される信号に基づき、配線2cを電源Bに接続するので(配線2bはグランドGへ接続)、助手席用モータ22の一端は、接点211と配線2aおよび電源ライン51を介して、電源Bに接続され、助手席用モータ22の他端は、接点212と配線2cを介して電源Bに接続される。したがって、助手席用モータ22の両端が電源Bに接続されて同電位となるため、モータ22には電流が流れない。このため、助手席用モータ22は停止しており、助手席の窓の開閉は行われない。これにより、矛盾した操作に起因して動作に不具合が発生するのが回避される。
【0058】
なお、
図16の場合は、助手席用メインスイッチ12の操作がオートDOWN(開動作)のため、通常は挟み込みは発生しない。しかし、制御部10は、助手席用モータ22が停止したことによって、挟み込み発生時と同様の判定を行い、助手席の窓のオートDOWN動作を停止する。オートDOWN動作の停止後は、助手席サブスイッチ21のマニュアルUP操作に応じて、
図7で説明した動作が行われる。
【0059】
以上の説明では、運転席の助手席用メインスイッチ12と、助手席の助手席サブスイッチ21が操作された場合を例に挙げたが、運転席の右後部席用メインスイッチ13と、助手席の右後部席サブスイッチ31が操作された場合や、運転席の左後部席用メインスイッチ14と、助手席の左後部席サブスイッチ41が操作された場合も、同様の動作が行われるので、これらの場合についての詳細説明は割愛する。
【0060】
次に、挟み込みを検出する方法について説明する。制御部10は、各配線1a,1b,2b,2c,3b,3c,4b,4cに流れる電流(モータ電流)を常時監視しており、挟み込み検出部10aは、この電流の状態に基づいて、挟み込みの検出を行う。各配線に流れるモータ電流には、リップルが含まれている。挟み込みが発生していない状態では、リップルの波形は
図17(a)に示すような安定した波形となる。制御部10は、このリップルを
図17(b)に示すようなパルス列に変換する。
【0061】
なお、制御部10では、
図17(b)のパルス列に基づいて、各モータ15,22,32,42の回転数を算出する。モータの回転数を算出することにより、運転席および他席の各窓の開閉位置を検出することができる。このため、窓位置を検出するためのセンサが不要となる。
【0062】
挟み込みが発生すると、モータ電流のリップルは、
図18(a)に示すように、電流レベルが増大しかつ周期が伸びる不安定な波形となる。そして、このリップルをパルス列に変換すると、
図18(b)に示すようなパルス列となる。そこで、このパルス列における周期Tの変化を監視し、周期Tが一定以上になったときに、挟み込み検出部10aは、挟み込みが発生したと判定する。あるいは、周期Tに代えて、パルスの幅wが一定以上になったときに、挟み込みが発生したと判定してもよい。このようにして、モータ電流のリップルに基づいて、挟み込みを検出することができる。
【0063】
他の挟み込み検出方法として、電流値の変化を監視する方法がある。
図19(a)は、モータ電流の変化を示している。モータの始動時には突入電流が流れるため、モータ電流は急増するが、その後は安定状態に落ち着く。しかし、挟み込みが発生すると、モータがロック状態となってモータ電流は増大する。そこで、現在の電流値と過去の電流値との差分Δ1、Δ2、Δ3、…を演算し、この電流差分を、
図19(b)に示すように挟み込み判定閾値と比較して、電流差分が閾値を超えたときに、挟み込みが発生したと判定する。
【0064】
以上述べた実施形態によれば、運転席ユニッ
ト1と運転席用モータ15との間が2本の配線1a,1bで接続され、運転席ユニット1とサブスイッチ21,31,41および他席用モータ22,32,42との間が2本の配線2b,2c,3b,3c,4b,4cで接続されている。そして、運転席ユニッ
ト1のメインスイッチ11〜14の操作状態に応じて、制御部10が各配線に流れる電流の方向を切り替えることで、各モータ15,22,32,42に流れる電流の方向が切り替わり、各モータの回転方向を制御することができる。
【0065】
このため、配線を少なくした簡単な構成により、運転席ユニット1において、全席の窓のオート開閉動作およびマニュアル開閉動作を行うことが可能となる。さらに、運転席ユニット1に設けられた制御部10によって、各席のモータ15,22,32,42の電流を監視することで、運転席ユニット1において、全ての窓での挟み込みの発生を検出することができる。このため、挟み込みの発生を検出するためのセンサが不要となるとともに、各席ごとに制御部を設ける必要がないので、回路構成をより簡略化することが可能となる。
【0066】
また、従来においては、運転席の窓のみをオート動作させるシステムと、全席の窓をオート動作させるシステムとの間に互換性がなく、前者のシステムを後者のシステムに交換する場合には、システム全体を交換する以外になかった。しかるに、上述した実施形態によれば、運転席ユニット1に、全席の窓のオート動作が可能なメインスイッチ11〜14と、全席の窓の挟み込みを検出する制御部10とが装備されているので、運転席ユニット1だけを交換することで容易に機能の向上を図ることができる。さらに、運転席ユニット1を、後付けパーツやオプション品としても提供しやすくなる。
【0067】
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、前記の各実施形態では、サブスイッチ200として、助手席サブスイッチ21、右後部席サブスイッチ31、左後部席サブスイッチ41の3つを例に挙げたが、サブスイッチは座席の数に応じて任意の数だけ設けることができる。この場合は、メインスイッチもサブスイッチの数に対応した数だけ設ければよい。
【0068】
また、前記の各実施形態では、他席が複数あって、各他席にサブスイッチ21,31,41と他席用モータ22,32,42が設けられている例を挙げたが、本発明は、他席が1つだけ(例えば助手席のみ)の場合にも、適用することができる。