特許第5936489号(P5936489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936489
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】砥石工具
(51)【国際特許分類】
   B24D 5/00 20060101AFI20160609BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   B24D5/00 P
   B24B55/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-188357(P2012-188357)
(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公開番号】特開2014-46368(P2014-46368A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】315017775
【氏名又は名称】三菱重工工作機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】有澤 秀彰
(72)【発明者】
【氏名】二井谷 春彦
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−269669(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3166021(JP,U)
【文献】 実開昭52−029692(JP,U)
【文献】 英国特許出願公開第00855283(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 5/00
5/10
B23Q 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空部を有する円筒状をなすヘッド部と、
前記ヘッド部の外周面に全体にわたって固着された砥粒と
を備え、
前記ヘッド部の前記中空部が、当該ヘッド部の一端側の径サイズよりも当該ヘッド部の他端側の径サイズが大きいテーパ形状をなすと共に、当該ヘッド部の一端側から流体を供給されて他端側から排出され、
前記ヘッド部が、前記中空部と前記外周面との間を連通する連通孔を複数形成されている
ことを特徴とする砥石工具。
【請求項2】
請求項に記載の砥石工具において、
前記ヘッド部の前記連通孔が、当該ヘッド部の前記外周面側の径サイズよりも軸心側の径サイズが大きくなっている
ことを特徴とする砥石工具。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載の砥石工具において、
前記ヘッド部の前記連通孔が、当該ヘッド部の軸心側の開口を当該ヘッド部の前記外周面側の開口よりも当該ヘッド部の他端側へ位置させるように、当該ヘッド部の前記中空部の軸心に対して軸心を傾斜させている
ことを特徴とする砥石工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石工具に関する。
【背景技術】
【0002】
砥石工具は、円板状や円柱状等の台金の外面に砥粒を多数固着させたものであり、当該台金が高速度で回転しながらワークに対して一定量の切り込み及び送りが与えられることにより、ワークを研削加工することができるものである。このような砥石工具において、ワークの被削面の面粗度を向上させようとして、砥粒のサイズを小さくすると、切屑の逃げ場となるチップポケット(気孔)が狭くなって、目詰まりが発生しやすくなってしまう。
【0003】
このため、例えば、下記特許文献1等においては、砥粒を固着された台金の外面に研削液を供給する供給孔を形成し、当該台金の外面から研削液を送り出すことにより、目詰まりの発生を抑制することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−144597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1等に記載されている砥石工具においては、高送り加工等のように単位時間当たりに発生する切屑の量が多くなってしまうと、やはり目詰まりを発生してしまうおそれがあった。
【0006】
このようなことから、本発明は、高送り加工等のように単位時間当たりに発生する切屑の量が多くても、目詰まりの発生を大きく抑制することができる砥石工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するための、番目の発明に係る砥石工具は、内部に中空部を有する円筒状をなすヘッド部と、前記ヘッド部の外周面に全体にわたって固着された砥粒とを備え、前記ヘッド部の前記中空部が、当該ヘッド部の一端側の径サイズよりも当該ヘッド部の他端側の径サイズが大きいテーパ形状をなすと共に、当該ヘッド部の一端側から流体を供給されて他端側から排出され、前記ヘッド部が、前記中空部と前記外周面との間を連通する連通孔を複数形成されていることを特徴とする。
【0011】
番目の発明に係る砥石工具は、第番目の発明において、前記ヘッド部の前記連通孔が、当該ヘッド部の前記外周面側の径サイズよりも軸心側の径サイズが大きくなっていることを特徴とする。
【0012】
番目の発明に係る砥石工具は、第番目又は第番目の発明において、前記ヘッド部の前記連通孔が、当該ヘッド部の軸心側の開口を当該ヘッド部の前記外周面側の開口よりも当該ヘッド部の他端側へ位置させるように、当該ヘッド部の前記中空部の軸心に対して軸心を傾斜させていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る砥石工具によれば、高送り加工等のように単位時間当たりに発生する切屑の量が多い場合であっても、目詰まりの発生を大きく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る砥石工具の第一番目の実施形態の概略構成図である。
図2図1の砥石工具の軸心方向に沿った断面図である。
図3図1の砥石工具の作動説明図である。
図4図3の砥石工具の軸心方向に沿った断面図である。
図5】本発明に係る砥石工具の第一番目の実施形態の他の例の軸心方向に沿った断面図である。
図6】本発明に係る砥石工具の第一番目の実施形態のさらに他の例の軸心方向に沿った断面図である。
図7】本発明に係る砥石工具の第二番目の実施形態の軸心方向に沿った断面図である。
図8図7の砥石工具の作動説明図である。
図9】本発明に係る砥石工具の第二番目の実施形態の他の例の軸心方向に沿った断面図である。
図10】本発明に係る砥石工具の第二番目の実施形態のさらに他の例の軸心方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る砥石工具の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係る砥石工具の第一番目の実施形態を図1〜4に基づいて説明する。
【0017】
図1,2に示すように、内部に連絡孔11aを有する管状をなす軸部11の先端側(図1,2中、下方側)には、当該軸部11の当該連絡孔11aと接続する中空部12aを内部に有する円筒状をなすヘッド部12の一端側(図1,2中、上方側)が同軸をなして一体的に連結されており、当該ヘッド部12は、当該軸部11よりも大径をなしている。前記ヘッド部12の前記中空部12aの他端側(図1,2中、下方側)には、当該中空部12aの他端側を閉塞する蓋部材13が嵌合している。
【0018】
前記ヘッド部12には、前記中空部12aと外周面との間を連通する連通孔12bが当該ヘッド部12の周方向及び軸方向に所定の間隔ごとに複数形成されており、当該連通孔12bは、当該ヘッド部12の軸心側よりも外周面側ほど径サイズが大きくなるようにテーパ形状(円錐形状)をなしている。
【0019】
前記ヘッド部12の外周面上には、電着によるNiめっきからなる結合材14を介して、砥粒15が前記連通孔12bを閉塞することのないように当該外周面の全体にわたって固着されている。なお、図2中、15aは、前記砥粒15同士の間のチップポケット(気孔)である。
【0020】
このような前記軸部11及び前記ヘッド部12並びに前記蓋部材13からなる炭素鋼(S45C,S48C,SCM415等)等の金属製の台金に前記結合14を介して前記砥粒15を固着した本実施形態に係る砥石工具10においては、図3,4に示すように、前記軸部11を介して前記ヘッド部12を高速度で回転させると共に、前記軸部11の前記連絡孔11aの内部に流体である研削液2を供給しながら、ワーク1に対して一定量の切り込み及び送りを与えると、前記研削液2が、前記ヘッド部12の前記中空部12aに一端側から供給されて、前記連通孔12bから外周面側へ流出すると共に、前記砥粒15が当該ワーク1を研削加工する。
【0021】
このとき、前記ヘッド部12の前記連通孔12bにおいて、前記ワーク1と接触している部分は、当該ワーク1で覆われてしまうことから、前記研削液2をほとんど流出させることがないと共に、当該ワーク1から発生した切屑1aをチップポケット15aから内部に入り込ませて蓄える。
【0022】
他方、前記ワーク1と接触していない部分は、前記研削液2を流出させると共に、前記ワーク1と接触していたときに内部に蓄えた前記切屑1aを上記研削液2の流出によって外部へ排出する。
【0023】
つまり、本実施形態に係る砥石工具10においては、前記ワーク1と接触して当該ワーク1を研削しているときに、前記チップポケット15a内の前記切屑1aを前記連通孔12bの内部に入り込ませて一時的に蓄えて、前記ワーク1と接触せずに当該ワーク1から離れたときに、前記連通孔12bの内部に蓄えた前記切屑1aを前記研削液2によって当該連通孔12bから外部へ強制的に排出するようにしたのである。
【0024】
このため、本実施形態に係る砥石工具10においては、砥粒のサイズが小さくて、チップポケット15aが狭くなっていても、当該チップポケット15aに前記切屑1aを詰まらせることなく外部に排出することが確実にできる。
【0025】
したがって、本実施形態に係る砥石工具10によれば、高送り加工等のように単位時間当たりに発生する切屑1aの量が多い場合であっても、目詰まりの発生を大きく抑制することができる。
【0026】
また、前記ヘッド部12の前記連通孔12bが、当該ヘッド部12の軸心側の径サイズよりも当該ヘッド部12の外周面側の径サイズを大きくしたテーパ形状(円錐形状)をなしているので、当該連通孔12b内に蓄えた前記切屑1aが前記中空部12aの内部にまで入り込んでしまうことを抑制することができると共に、当該連通孔12b内に蓄えた前記切屑1aを当該連通孔12b内に詰まらせることなく外部へ排出することが確実にできる。
【0027】
なお、本実施形態においては、前記ヘッド部12の軸心側よりも当該ヘッド部12の外周面側ほど径サイズの大きいテーパ形状(円錐形状)をなす前記連通孔12bを有する砥石工具10の場合について説明したが、他の例として、例えば、図5に示すように、前記ヘッド部12の外周面側に半球状をなす窪22baを形成すると共に、当該窪22baの径サイズよりも小さい径サイズをなして当該窪22baと前記中空部12aとを連通する孔22bbを形成することにより、前記ヘッド部12の軸心側の径サイズよりも当該ヘッド部12の外周面側の径サイズが大きい連通孔22bを有する砥石工具20とすることも可能である。
【0028】
また、例えば、図6に示すように、軸部11及びヘッド部12に対して(図6A参照)、連絡孔11a及び中空部12a並びに連通孔12bをそれぞれ形成し(図6B参照)、前記中空部12aの内部を埋めるように当該中空部12aに嵌合するサイズを有して前記連通孔12bと前記軸部11の前記連絡孔11aとを接続する接続孔33a,33bを形成した炭素鋼(S45C,S48C,SCM415等)等の金属製の栓部材33を前記蓋部材13に代えて適用して台金を構成することにより(図6C参照)、前記ヘッド部12の剛性を高めるようにすることも可能である。
【0029】
ここで、例えば、前記栓部材33を剛性の高い樹脂製(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂,クオドラントポリペンコジャパン株式会社製「MCナイロン(登録商標)」等)とすれば、台金の軽量化を図ることができるので好ましい。
【0030】
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係る砥石工具の第二番目の実施形態を図7,8に基づいて説明する。なお、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0031】
図7に示すように、前記軸部11の先端側(図7中、下方側)には、当該軸部11の前記連絡孔11aと接続する中空部42aを内部に有する円筒状をなすヘッド部42の一端側(図7中、上方側)が同軸をなして一体的に連結されており、当該ヘッド部42の上記中空部42aは、当該ヘッド部42の一端側(図7中、上方側)の径サイズよりも当該ヘッド部42の他端側(図7中、下方側)の径サイズほど大きくなるテーパ形状(円錐形状)をなすと共に、当該ヘッド部42の他端側が閉塞することなく開放している。
【0032】
前記ヘッド部42には、前記中空部42aと外周面との間を連通する連通孔42bが当該ヘッド部42の周方向及び軸方向に所定の間隔ごとに複数形成されており、当該連通孔42bは、当該ヘッド部42の外周面側よりも軸心側ほど径サイズが大きくなるようにテーパ形状(円錐形状)をなすと共に、当該ヘッド部42の軸心側の開口を当該ヘッド部42の外周面側の開口よりも当該ヘッド部42の他端側(図7中、下方側)へ位置させるように、その軸心が、当該ヘッド部42の上記中空部42aの軸心に対して傾斜している。
【0033】
このような前記軸部11及び前記ヘッド部42からなる炭素鋼(S45C,S48C,SCM415等)等の金属製の台金を備えた本実施形態に係る砥石工具40においては、図8に示すように、前記軸部11を介して前記ヘッド部42を高速度で回転させると共に、前記軸部11の前記連絡孔11aの内部に流体である研削液2を供給しながら、ワーク1に対して一定量の切り込み及び送りを与えつつ、当該ワーク1との接触部分に研削液2を別途供給すると、前記砥粒15が当該ワーク1を研削加工すると共に、前記軸部11の前記連絡孔11a内に供給された前記研削液2が、前記ヘッド部42の前記中空部42aに一端側(図8中、上方側)から供給されて、当該中空部42a内を流通して当該ヘッド部42の他端側(図8中、下方側)から外部へ排出される。
【0034】
このとき、前記ヘッド部42の前記中空部42a内は、前記研削液2の流通によって、前記連通孔42b内を吸引するようになる。このため、前記ヘッド部42の前記連通孔42bは、当該ワーク1から発生した切屑1aを前記チップポケット15aから内部に吸い込んで前記中空部42a内に送り込むようになる。そして、上記中空部42a内に送り込まれた上記切屑1aは、上記研削液2と共に当該ヘッド部42の他端側(図8中、下方側)から外部へ排出される。
【0035】
つまり、前述した実施形態に係る砥石工具10,20では、前記ワーク1と接触して当該ワーク1を研削しているときに、前記チップポケット15a内の前記切屑1aを前記連通孔12b,22bの内部に入り込ませて一時的に蓄えて、前記ワーク1と接触せずに当該ワーク1から離れたときに、前記連通孔12b,22bの内部に蓄えた前記切屑1aを前記研削液2によって当該連通孔12b,22bから外部へ強制的に排出するようにしたが、本実施形態に係る砥石工具40では、前記ワーク1と接触して当該ワーク1を研削しているときに、前記チップポケット15a内の前記切屑1aを前記連通孔42bの内部に吸い込んで前記中空部42aに送り出し、前記ヘッド部42の他端側から外部へ排出するようにしたのである。
【0036】
このため、本実施形態に係る砥石工具40においては、前述した実施形態に係る砥石工具10,20と同様に、砥粒のサイズが小さくて、チップポケット15aが狭くなっていても、当該チップポケット15aに前記切屑1aを詰まらせることなく外部に排出することが確実にできる。
【0037】
したがって、本実施形態に係る砥石工具40によれば、前述した実施形態に係る砥石工具10,20と同様に、高送り加工等のように単位時間当たりに発生する切屑1aの量が多い場合であっても、目詰まりの発生を大きく抑制することができる。
【0038】
また、前記ヘッド部42の前記中空部42aが、当該ヘッド部42の一端側(図7中、上方側)の径サイズよりも当該ヘッド部42の他端側(図7中、下方側)の径サイズほど大きくなるようにテーパ形状(円錐形状)をなしていることから、前記連通孔42b内から当該中空部42a内への吸引力を高めることができ、前記連通孔42bの内部への前記切屑1aの吸い込み能力を高めることができると共に、前記切屑1aを当該中空部42aに詰まらせることなく上記ヘッド部42の他端側から外部へ排出することが確実にできる。
【0039】
また、前記ヘッド部42の前記連通孔42bが、当該ヘッド部42の外周面側の径サイズよりも軸心側の径サイズが大きくなっているので、当該連通孔42b内に吸い込んだ前記切屑1aを詰まらせることなく前記中空部42aに送出することが確実にできる。
【0040】
また、前記ヘッド部42の前記連通孔42bが、当該ヘッド部42の軸心側の開口を当該ヘッド部42の外周面側の開口よりも当該ヘッド部42の他端側(図7中、下方側)へ位置させるように、その軸心を当該ヘッド部42の前記中空部42aの軸心に対して傾斜させているので、当該ヘッド部42の当該中空部42a内を一端側から他端側へ向けて流通する前記研削液2及び前記切屑1aが当該連通孔42b内へ流入することを大きく抑制できる。
【0041】
なお、本実施形態においては、前記ヘッド部42の外周面側の径サイズよりも軸心側の径サイズほど大きくなるテーパ形状(円錐形状)の前記連通孔42bを有する砥石工具40の場合について説明したが、他の例として、例えば、図9に示すように、前記ヘッド部42の外周面側に円柱状のホール52baを形成すると共に、当該ホール52baの径サイズよりも大きい径サイズをなして当該ホール52baと前記中空部42aとを連通する孔52bbを形成することにより、当該ヘッド部42の外周面側の径サイズよりも軸心側の径サイズが大きい連通孔52bを有する砥石工具50とすることも可能である。
【0042】
また、例えば、図10に示すように、前記ヘッド部42の前記中空部42a側から当該ヘッド部42の外周面側へ向けてボールエンドミルで切削加工することにより、当該ヘッド部42の外周面側の径サイズよりも軸心側の径サイズが大きい連通孔62b、すなわち、ボールエンドミルの先端が上記ヘッド部42の外周面を少し貫通したところで切削加工を停止することにより形成される連通孔62bを有する砥石工具60とすることも可能である。
【0043】
〈他の実施形態〉
なお、前述した第一,二番目の実施形態においては、軸部11よりも大径をなすヘッド部12,42を有する砥石工具10,20,40の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、軸部と同径又は軸部よりも小径をなすヘッド部を有する砥石工具であっても、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0044】
また、前述した第一,二番目の実施形態においては、研削液2を使用するようにしたが、本発明は、これに限らず、他の実施形態として、例えば、水等の他の液体や、空気等の気体を使用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る砥石工具は、高送り加工等のように単位時間当たりに発生する切屑の量が多い場合であっても、目詰まりの発生を大きく抑制することができるので、金属加工産業等において、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ワーク
1a 切屑
2 研削液
10 砥石工具
11 軸部
11a 連絡孔
12 ヘッド部
12a 中空部
12b 連通孔
13 蓋部材
14 結合材
15 砥粒
15a チップポケット(気孔)
20 砥石工具
22b 連通孔
22ba 窪
22bb 孔
33 栓部材
33a,33b 接続孔
40 砥石工具
42 ヘッド部
42a 中空部
42b 連通孔
50 砥石工具
52b 連通孔
52ba ホール
52bb 孔
60 砥石工具
62b 連通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10