特許第5936523号(P5936523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936523
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】二胴式自立型ボイラ
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/20 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   F22B37/20 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-244689(P2012-244689)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-92349(P2014-92349A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2014年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 徳久
(72)【発明者】
【氏名】永冨 学
(72)【発明者】
【氏名】今田 潤司
(72)【発明者】
【氏名】亀山 達也
【審査官】 鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−117405(JP,U)
【文献】 特開平05−141607(JP,A)
【文献】 特開2002−168403(JP,A)
【文献】 実開昭59−194676(JP,U)
【文献】 米国特許第04480594(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/20
F16L 3/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に配置される蒸気ドラムと、
前記蒸気ドラムの軸方向に対して直交方向に延在して配置される上部ヘッダー管と、
前記蒸気ドラムの下方に対向して横方向に配置される水ドラムと、
前記水ドラムの軸方向に対して直交方向に延在し、前記上部ヘッダー管の下方に対向して配置される下部ヘッダー管と、
前記上部ヘッダー管と前記下部ヘッダー管との間を縦方向に延在し、前記上部ヘッダー管および前記下部ヘッダー管にその両端が接合されるとともに、前記上部ヘッダー管および前記下部ヘッダー管の軸方向に沿って並列に配置された複数の側壁蒸発管と、を備えた二胴式自立型ボイラにおいて、
前記複数の側壁蒸発管の下端部に、前記並列に配置された複数の側壁蒸発管を挟持する一対の板状の補強パッドからなる補強板を設け、
前記補強板は、前記側壁蒸発管と前記下部ヘッダー管との接合箇所から、前記下部ヘッダー管の上方に位置する燃焼室の炉底までの範囲に設けられるとともに、
前記補強板は、前記下部ヘッダー管を鉛直方向に支持する支持部材の支持面両端から、前記支持部材から離れる方向に水平方向に対して45度の角度をなす2本の影響ラインを想定した場合に、該2本の影響ラインの間に含まれる側壁蒸発管同士の間に設けられることを特徴とする二胴式自立型ボイラ。
【請求項2】
横方向に配置される蒸気ドラムと、
前記蒸気ドラムの軸方向に対して直交方向に延在して配置される上部ヘッダー管と、
前記蒸気ドラムの下方に対向して横方向に配置される水ドラムと、
前記水ドラムの軸方向に対して直交方向に延在し、前記上部ヘッダー管の下方に対向して配置される下部ヘッダー管と、
前記上部ヘッダー管と前記下部ヘッダー管との間を縦方向に延在し、前記上部ヘッダー管および前記下部ヘッダー管にその両端が接合されるとともに、前記上部ヘッダー管および前記下部ヘッダー管の軸方向に沿って並列に配置された複数の側壁蒸発管と、を備えた二胴式自立型ボイラにおいて、
前記複数の側壁蒸発管の下端部に、前記並列に配置された複数の側壁蒸発管を挟持する一対の板状の補強パッドからなる補強板を設け、
前記補強板は、前記下部ヘッダー管を鉛直方向に支持する支持部材の支持面両端から、前記支持部材から離れる方向に水平方向に対して45度の角度をなす2本の影響ラインを想定した場合に、該2本の影響ラインの間に含まれる側壁蒸発管同士の間に設けられることを特徴とする二胴式自立型ボイラ。
【請求項3】
前記水ドラムの軸方向に対して平行方向に延在し、前記燃焼室の炉底を支持するバックステーと、該バックステーを支持する支柱とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の二胴式自立型ボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラ構造の大型化に対処するため、側壁蒸発管の基部付近の強度を高めた二胴式自立型ボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
二胴型ボイラは、単胴型ボイラに比べ蒸発管を多く有しているため、石油の精製過程で生じるCOガス等の低カロリーガスを処理するボイラとして適している。近年、ボイラの上流側に配備される流動層式接触分解装置等の設備の大容量化に伴い、処理ガス量の大きい二胴式自立型ボイラの大型化に対するニーズが高まっている。
【0003】
特許文献1には、ボイラ構造の大型化に対処するため、水ドラムの管台付近の強度を高めた二胴式自立型ボイラに関する発明が、本出願人により開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−132609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水ドラムの管台付近の強度を高めるだけでは、二胴式自立型ボイラの更なる大型化への対処としては不十分である。
【0006】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、このような事情に鑑みなされたものであり、ボイラ構造の大型化に対処可能な二胴式自立型ボイラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の二胴式自立型ボイラの少なくとも一つの実施形態は、上述した目的を達成するために、
横方向に配置される蒸気ドラムと、
前記蒸気ドラムの軸方向に対して直交方向に延在して配置される上部ヘッダー管と、
前記蒸気ドラムの下方に対向して横方向に配置される水ドラムと、
前記水ドラムの軸方向に対して直交方向に延在し、前記上部ヘッダー管の下方に対向して配置される下部ヘッダー管と、
前記上部ヘッダー管と前記下部ヘッダー管との間を縦方向に延在し、前記上部ヘッダー管および前記下部ヘッダー管にその両端が接合されるとともに、前記上部ヘッダー管および前記下部ヘッダー管の軸方向に沿って並列に配置された複数の側壁蒸発管と、を備えた二胴式自立型ボイラにおいて、
前記複数の側壁蒸発管の下端部に、前記並列に配置された複数の側壁蒸発管を挟持する一対の板状の補強パッドからなる補強板を設けたことを特徴とする。
【0008】
このような二胴式自立型ボイラによれば、ボイラ構造全体の荷重が作用する側壁蒸発管の下端部において、並列に配置された複数の側壁蒸発管を挟持する一対の板状の補強パッドからなる補強板を設けたことから、ボイラ構造の大型化に伴って今後顕在化すると考えられる側壁蒸発管の下端部における曲げ変形を事前に防止することが出来る。
【0009】
また、本発明の一実施形態では、
前記補強板は、前記側壁蒸発管と前記下部ヘッダー管との接合箇所から、前記下部ヘッダー管の上方に位置する燃焼室の炉底までの範囲に設けられる。
【0010】
このような構成によれば、側壁蒸発管の下端部の中でも、特に曲げ変形の危険が高い下部ヘッダー管との接合箇所から燃焼室の炉底までの範囲に補強板を設けることで、側壁蒸発管を効果的に補強することが出来る。
【0011】
また、本発明の一実施形態では、
前記補強板は、前記下部ヘッダー管を鉛直方向に支持する支持部材の支持面両端から、前記支持部材から離れる方向に水平方向に対して45度の角度をなす2本の影響ラインを想定した場合に、該2本の影響ラインの間に含まれる側壁蒸発管同士の間に設けられる。
【0012】
このような構成によれば、並列に配置された複数の側壁蒸発管の中でも、反力の影響範囲内に位置し、特に特に曲げ変形の危険が高い側壁蒸発管に補強板を設けることで、側壁蒸発管を効果的に補強することが出来る。
【0013】
また、本発明の一実施形態では、
前記水ドラムの軸方向に対して平行方向に延在し、前記燃焼室の炉底を支持するバックステーと、該バックステーを支持する支柱とを備えている。
【0014】
このような構成によれば、ボイラ構造の大型化に伴って顕在化すると考えられる燃焼室の炉底の撓みを効果的に抑制することが出来るため、上述した側壁蒸発管の下端部に設けられる補強板と相まって、ボイラ構造の大型化に貢献することが出来る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、側壁蒸発管の下端部に、隣接する側壁蒸発管を連結して固定する補強板を設けることで、ボイラ構造の大型化に対処可能な二胴式自立型ボイラを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態にかかる二胴式自立型ボイラの全体斜視図である。
図2図1をA方向から視認した二胴式自立型ボイラの全体側面図である。
図3図2のa−a断面図であって、本発明の一実施形態における側壁蒸発管の下端部の断面構造を示した図である。
図4図2のb−b断面図である。
図5】本発明者らが行った構造解析シミュレーションの結果を示した概略断面図である。
図6図2に示したc部の拡大図である。
図7図2に示したd部の拡大図である。
図8図1のB−B断面図である。
図9図8に示したバックステーの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態にかかる二胴式自立型ボイラの全体斜視図である。図2は、図1をA方向から視認した二胴式自立型ボイラの全体側面図である。
図1に示したように、本実施形態の二胴式自立型ボイラ1は、上部に横方向に設けられた蒸気ドラム2と、この蒸気ドラム2の下方に対向して横方向に配置された水ドラム4の2缶のドラムを備えている。また、これら蒸気ドラム2と水ドラム4との間には、これら2つのドラムの軸方向および周方向に接続された多数の伝熱管6が架設されている。
【0019】
また、二胴式自立型ボイラ1は、左右一対の側方管壁20、20、前方管壁30、天井管壁40、炉底管壁50を備えており、これら管壁によってボイラ構造の内部に燃焼室10が画定されている。すなわち、天井管壁40は燃焼室10の炉頂を構成し、炉底管壁50は燃焼室10の炉底を構成している。側方管壁20、20、及び前方管壁30は、バックステー29によって補強されている。
【0020】
また、二胴式自立型ボイラ1の上部には、蒸気ドラム2の軸方向に対して直交する方向に、一対の上部ヘッダー管12a、12bが延在している。これら一対の上部ヘッダー管12a、12bは、互いに平行に横方向に延在している。また、上部ヘッダー管12a、12bは、上昇管22a、22bを介して蒸気ドラム2に接続している。そして、後述する側壁蒸発管26から供給される蒸気を、上昇管22a、22bを介して蒸気ドラム2へと供給する。
【0021】
また、二胴式自立型ボイラ1の下部には、水ドラム4の軸方向に対して直交する方向に、一対の下部ヘッダー管14a、14bが延在している。これら一対の下部ヘッダー管14a、14bは、互いに平行に横方向に延在している。また、下部ヘッダー管14a、14bは、分配管24a、24bを介して水ドラム4に接続している。そして、水ドラム4から分配管24a、24bを介して集めた水を、側壁蒸発管26へと供給している。
【0022】
また、これら下部ヘッダー管14a、14bは、図1に示したように、その両端部が基礎台32、34及び36、38に支持されている。なお、下部ヘッダー管14bを支持する基礎台38および分配管24bは、二胴自立型ボイラ1の背面奥側に位置しているため、図1には表示されていない。
【0023】
また、上部ヘッダー管12a、12bと下部ヘッダー管14a、14bの間には、上述した側壁蒸発管26が縦方向に延在している。この側壁蒸発管26は、図2に示したように、その両端が上部ヘッダー管12aおよび下部ヘッダー管14aに接合されるとともに、上部ヘッダー管12aおよび下部ヘッダー管14aの軸方向に沿って並列に複数配置されている。側壁蒸発管26の内部では、燃焼室10から供給される熱によって水が蒸発して蒸気が生成される。そして、側壁蒸発管26内で生成された蒸気は、上昇して上部ヘッダー管12a、12bへと供給される。
【0024】
図4は、図2のb−b断面図であり、側方管壁20の断面図を示している。図4に示したように、側壁蒸発管26は互いに所定距離だけ離間した状態で配置されている。そして、隣接する側壁蒸発管26の間には板状のシールフィン20aが溶接されており、これにより燃焼室10が形成されている。
【0025】
また、燃焼室10の炉底(炉底管壁50)よりも下側(図2のa−a断面)も、図4に示した側方管壁20と同様の断面構造となっている。しかしながら、二胴式自立型ボイラ1の更なる大型化、特に耐震性を考慮したボイラ構造の大型化に対処するためには、特に炉底よりも下側の側壁蒸発管26に対して補強を行う必要があることを本発明者らは見出した。
【0026】
図5は、本発明者らが行った構造解析シミュレーションの結果を示した概略断面図である。この図5に示したように、地震による水平力Fがボイラ構造に作用すると、図5(b)に示したように、特に下部ヘッダー管14bと炉底(炉底管壁50)との間にある側壁蒸発管26が大きく変形する可能性があることを本発明者らは突き止めた。
【0027】
そこで本発明の少なくとも一つの実施形態では、図3に示したように、縦方向に延びる側壁蒸発管26の下端部に、隣接する側壁蒸発管26、26を連結して固定する補強板28を設けることで、側壁蒸発管26の下端部の強度増加を図っている。
【0028】
具体的には図3に示したように、上述したシールフィン20aの両側に対向して配置された一対の板状の補強パッド28a、28aによって補強板28を構成してもよい。この場合は、一対の補強パッド28a、28aを並列に配置される複数の側壁蒸発管26を挟持するように配置し、溶接などの方法によって側壁蒸発管26に固定することで、補強板28を構成する。このように構成すれば、上述したシールフィン20aに加えて、側壁蒸発管26を挟持する一対の板状の補強パッド28a、28aによって、側壁蒸発管26の下端部をより強固に補強することが出来る。
【0029】
この補強板28は、次の設置範囲に設置するとよい。図6は、図2に示したc部の拡大側面図、図7は、図2に示したd部の拡大側面図である。なお、図6および図7のハッチングは、補強板28が設置されている範囲を示している。
【0030】
図6および図7に示したように、補強板28は、側壁蒸発管26と下部ヘッダー管14aとの接合箇所jから、下部ヘッダー管14aの上方に位置する燃焼室10の炉底(炉底管壁50)までの範囲に設けられている。このようにすれば、側壁蒸発管26の下端部の中でも、特に曲げ変形の危険が高い下部ヘッダー管14aとの接合箇所jから燃焼室10の炉底までの範囲に補強板28を設けることで、側壁蒸発管26を効果的に補強することが出来る。
【0031】
また、補強板28は、基礎台32の上面に設置され、下部ヘッダー管14aを鉛直方向に支持する支持台60(支持部材)の支持面60aの両端から、下部ヘッダー管14aの軸方向に、支持台60から離れる方向に水平方向に対して45度の角度をなす2本の影響ラインα、αを想定した場合に、該2本の影響ラインα、αの間に、下部ヘッダー管14aとの接続箇所jが含まれる側壁蒸発管26に設けられている。影響ラインα、αの間に下部ヘッダー管14aとの接続箇所jが含まれていない側壁蒸発管26´、26´同士の間には、補強板28は設けられていない。
【0032】
このようにすれば、並列に配置された複数の側壁蒸発管26の中でも、反力の影響範囲内に位置し、特に曲げ変形の危険が高い側壁蒸発管26に補強板28を設けることで、側壁蒸発管26を効果的に補強することが出来る。
【0033】
なお、図6および図7では、下部ヘッダー管14aを支持する支持部材として3つの支持台60が基礎台32の上に設けられている場合を例に説明した。その場合の支持面両端とは、図8に示したように、左側の支持台60の左端および右側の支持台60の右端として把握される。これに対し、下部ヘッダー管14aが基礎台34に直接支持される場合は、下部ヘッダー管14aと基礎台34とが接触する接触部分の両端を支持面両端として、影響ラインα、αを想定すればよい。
【0034】
なお、図6および図7に示したように、側壁蒸発管26は、その下端において縮径して、下部ヘッダー管14aに接合されている。側壁蒸発管26が縮径しているのは、下部ヘッダー管14aに近接した開口が並列して形成されることで下部ヘッダー管14aの強度が低下するのを防止するため、隣接する開口間の距離を確保する必要があるからである。このように側壁蒸発管26が下端において縮径している場合、下部ヘッダー管14aとの接合箇所jが特に構造上の弱点となることから、上述したような補強板28を設けることは特に効果的である。
【0035】
図8は、図1のB−B断面図、図9は、図8に示したバックステーの縦断面図である。本発明の一実施形態にかかる二胴式自立型ボイラ1では、図8に示したように、水ドラム4の軸方向に対して平行方向に延在し、燃焼室10の炉底を構成する炉底管壁50を支持する例えば2条のバックステー39が設けられている。バックステー39は、例えば大小2つのH形鋼39a、39bが上下に組み合わされて構成されている。
【0036】
また、図9に示したように、バックステー39の縦断方向には、脚部37aと基礎部37bとからなるバックステー39を支持する2本の支柱37が配置されている。このように構成されていれば、バックステー39とこれを支持する支柱37によって、ボイラ構造の大型化に伴って顕在化すると考えられる燃焼室10の炉底(炉底管壁50)の撓みを効果的に抑制することが出来るため、上述した補強板28と相まって、ボイラ構造の大型化に貢献することが出来る。
【0037】
なお、上述したバックステー39及び支柱37の数は、特に限定されない。二胴式自立型ボイラ1の形状や、ボイラ下面に設置される付帯施設の配置状況等により、任意に変更可能である。
【0038】
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、ボイラ構造の大型化に伴って今後顕在化すると考えられる側壁蒸発管の下端部における曲げ変形を事前に防止することが出来るため、二胴式自立型ボイラの大型化に寄与することが出来る。
【符号の説明】
【0040】
1 二胴式自立型ボイラ
2 蒸気ドラム
4 水ドラム
6 伝熱管
10 燃焼室
12a、12b 上部ヘッダー管
14a、14b 下部ヘッダー管
20 側方管壁
20a シールフィン
22a 上昇管
26、26´ 側壁蒸発管
28 補強板
28a 補強パッド
29 バックステー
30 前方管壁
32、34、36、38 基礎台
37 支柱
37a 脚部
37b 基礎部
39 バックステー
39a、39b H形鋼、
40 天井管壁
50 炉底管壁
60 支持台
60a 支持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9