特許第5936581号(P5936581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社キャステムの特許一覧

<>
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000002
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000003
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000004
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000005
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000006
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000007
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000008
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000009
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000010
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000011
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000012
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000013
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000014
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000015
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000016
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000017
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000018
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000019
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000020
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000021
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000022
  • 特許5936581-スパイク付き運動靴及びその製造方法 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936581
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】スパイク付き運動靴及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43C 15/02 20060101AFI20160609BHJP
   A43B 13/26 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   A43C15/02 102
   A43B13/26 A
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-150255(P2013-150255)
(22)【出願日】2013年7月19日
(65)【公開番号】特開2015-19843(P2015-19843A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2015年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】508145506
【氏名又は名称】株式会社キャステム
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(72)【発明者】
【氏名】戸田 拓夫
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−050658(JP,A)
【文献】 実開昭61−196606(JP,U)
【文献】 実開昭55−129004(JP,U)
【文献】 米国特許第4315374(US,A)
【文献】 特開昭53−164346(JP,A)
【文献】 特開2012−050815(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0257756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 15/02
A43B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底(10a)の少なくとも中央部及び後部に複数の第1スパイク(11,31,51)が間隔をあけてそれぞれ突設されたスパイク付き運動靴であって、
前記第1スパイク(11,31,51)が、
前記底(10a)に沿った状態で前記底(10a)に埋設され互いに連結することにより略三角形状又は略円形状に形成された3つの第1連結片(11a)と前記3つの第1連結片(11a)の中心部からこれらの第1連結片(11a)の3つの連結部分に放射状にそれぞれ延びて設けられた3つの第1筋交い部(11b)とを有する第1枠体(11c,31c,51c)と、
前記3つの第1筋交い部(11b)にそれぞれ立設されて前記底(10a)から突出する3枚の第1板状突起(11d)と
を備え、
前記3枚の第1板状突起(11d)の板の幅が前記第1枠体(11c,31c,51c)から離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成され、
前記第1枠体(11c,31c,51c)及び前記第1板状突起(11d)が、鉄系合金鋼、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成された
ことを特徴とするスパイク付き運動靴。
【請求項2】
前記底(10a)の前部に複数の第2スパイク(12,32,52,72)が間隔をあけてそれぞれ突設され、
前記第2スパイク(12,32,52,72)が、
前記底(10a)に沿った状態で前記底(10a)に埋設され互いに連結することにより略四角形状又は略円形状に形成された4つの第2連結片(12a,12b,72a)と前記4つの第2連結片(12a,12b,72a)の2つの対角線のうちいずれか一方に沿って設けられた単一の第2筋交い部(12c)とを有する第2枠体(12d,32d,52d,72d)と、
前記単一の第2筋交い部(12c)の両端のうちいずれか一方を挟む2つの第2連結片(12a,72a)の内側縁に沿いかつ前記2つの第2連結片(12a,72a)の幅より小さい厚さでそれぞれ立設された2枚の第2板状突起(12e,72e)と
を備え、
前記2枚の第2板状突起(12e,72e)の板の幅が前記第2枠体(12d,32d,52d,72d)から離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成され、
前記第2枠体(12d,32d,52d,72d)及び前記第2板状突起(12e,72e)が、鉄系合金鋼、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成された
請求項1記載のスパイク付き運動靴。
【請求項3】
前記3つの第1筋交い部(11b)が集合する前記第1枠体(31c)の中心部と前記3つの第1連結片(11a)の中間部とをそれぞれ連結する3つの第1補強リブ(31f)が設けられた請求項1記載のスパイク付き運動靴。
【請求項4】
前記第1枠体(51c)が前記第1枠体(51c)の3つの第1連結片(11a)の厚さより小さい第1薄板(51e)で埋め尽くされた請求項1記載のスパイク付き運動靴。
【請求項5】
前記第1枠体(11c)の3つの第1連結片(11a)が前記第1枠体(11c)の中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成された請求項1記載のスパイク付き運動靴。
【請求項6】
前記3枚の第1板状突起(11d)の第1板状突起(11d)同士のなす角度が120度である請求項1記載のスパイク付き運動靴。
【請求項7】
前記2つの対角線のうち前記単一の第2筋交い部(12c)が設けられていない対角線の両端と前記単一の第2筋交い部(12c)の長手方向の中央とをそれぞれ連結する2つの第2補強リブ(32g)が設けられた請求項2記載のスパイク付き運動靴。
【請求項8】
前記第2枠体(52d)が前記第2枠体(52d)の4つの第2連結片(12a,12b)の厚さより小さい第2薄板(52f)で埋め尽くされた請求項2記載のスパイク付き運動靴。
【請求項9】
前記第2枠体(12d)の4つの第2連結片(12a,12b)のうち前記2枚の第2板状突起(12e)が立設されていない2つの連結片(12b)が前記第2枠体(12d)の中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成された請求項2記載のスパイク付き運動靴。
【請求項10】
前記2枚の第2板状突起(12e)が平らな板状にそれぞれ形成され、前記第2板状突起(12e)同士のなす角度が120度である請求項2記載のスパイク付き運動靴。
【請求項11】
前記2枚の第2板状突起(72e)が前記第2枠体(72d)に平行な平面内で湾曲する板状にそれぞれ形成され、前記第2板状突起(72e)同士が滑らかに湾曲する板状になるように接続された請求項2記載のスパイク付き運動靴。
【請求項12】
請求項1、3ないし6いずれか1項に記載の第1スパイク(11,31,51)の第1枠体(11c,31c,51c)及び3枚の第1板状突起(11d)をメタルインジェクションモールド工法により一体成形する工程と、
前記第1スパイク(11,31,51)の第1枠体(11c,31c,51c)を運動靴(10)の底(10a)に埋設する工程と
を含むスパイク付き運動靴の製造方法。
【請求項13】
請求項2、7ないし11いずれか1項に記載の第2スパイク(12,32,52,72)の第2枠体(12d,32d,52d,72d)及び2枚の第2板状突起(12e,72e)をメタルインジェクションモールド工法により一体成形する工程と、
前記第2スパイク(12,32,52,72)の第2枠体(12d,32d,52d,72d)を運動靴(10)の底(10a)に埋設する工程と
を含むスパイク付き運動靴の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球やゴルフ等に用いられ底にスパイクが取付けられた運動靴と、その運動靴を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基部とフランジと末端の地面係合スパイク部分とを含み、地面係合スパイク部分が略Z字状に形成された運動靴のためのスパイクが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この運動靴のためのスパイクでは、地面係合スパイク部分が、細長い中央部分と、中央部分の両側からある角度でそれぞれ延びる2つの細長い部分を含む。これら2つの細長い部分は互いに平行であり、中央部分の両端から角度θ1及びθ2でそれぞれ延びて形成される。上記θ1及びθ2はそれぞれ75度〜120度の範囲内であることが好ましい。またスパイクは、基部を靴底に埋込むことによって、靴に取付けられる。更にスパイクは、アルミニウム−セラミック混合材料等により作られる。
【0003】
このように構成された運動靴のためのスパイクでは、運動靴における前方への牽引力が良好であり、ねじれに抵抗し、また運動靴に取付けられるスパイクの数を最小にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−229004号公報(段落[0001]、[0009]、[0010]、[0012]、図1図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の特許文献1に示された運動靴のためのスパイクでは、地面係合スパイク部分が略Z字状に形成され、かつこの地面係合スパイク部分が基端から先端にかけて全く同一形状であるため、地面係合スパイク部分を運動靴の底に取付けて地面に刺したときに、地面係合スパイク部分が地面に食い込み難い不具合があった。このため、地面を蹴ったときに、運動靴が滑ってしまい、力が地面に伝わり難い問題点もあった。また、上記従来の特許文献1に示された運動靴のためのスパイクでは、地面係合スパイク部分がアルミニウム−セラミック混合材料により形成されているため、アルミニウムに混合されるセラミック粒子の大きさや混合割合を調整する必要があり、地面係合スパイク部分の製造工数が増大する問題点もあった。
【0006】
本発明の第1の目的は、底に取付けられたスパイクが軽量であって地面に食い込み易く、また力がスパイクを介して地面に伝わり易く、更にスパイクが地面から抜け易い、スパイク付き運動靴を提供することにある。本発明の第2の目的は、スパイクに横方向に大きな力が作用しても、スパイクが構造的に倒れ難く、スパイクの構造上の強度が高い、スパイク付き運動靴を提供することにある。本発明の第3の目的は、形状が比較的複雑であっても、比較的容易にしかも軽く硬い材料で堅牢にスパイクを作製できる、スパイク付き運動靴の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1図4図9及び図10に示すように、底10aの少なくとも中央部及び後部に複数の第1スパイク11が間隔をあけてそれぞれ突設されたスパイク付き運動靴であって、第1スパイク11が、底10aに沿った状態で底10aに埋設され互いに連結することにより略三角形状又は略円形状に形成された3つの第1連結片11aと前記3つの第1連結片11aの中心部からこれらの第1連結片11aの3つの連結部分に放射状にそれぞれ延びて設けられた3つの第1筋交い部11bとを有する第1枠体11cと、3つの第1筋交い部11bにそれぞれ立設されて底10aから突出する3枚の第1板状突起11dとを備え、3枚の第1板状突起11dの板の幅が第1枠体11cから離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成され、第1枠体11c及び第1板状突起11dが、鉄系合金鋼、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図5図9及び図11に示すように、底10aの前部に複数の第2スパイク12が間隔をあけてそれぞれ突設され、第2スパイク12が、底10aに沿った状態で底10aに埋設され互いに連結することにより略四角形状又は略円形状に形成された4つの第2連結片12a,12bと4つの第2連結片12a,12bの2つの対角線のうちいずれか一方に沿って設けられた単一の第2筋交い部12cとを有する第2枠体12dと、単一の第2筋交い部12cの両端のうちいずれか一方を挟む2つの第2連結片12aの内側縁に沿いかつ2つの第2連結片12aの幅より小さい厚さでそれぞれ立設された2枚の第2板状突起12eとを備え、2枚の第2板状突起12eの板の幅が第2枠体12dから離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成され、第2枠体12d及び第2板状突起12eが、鉄系合金鋼、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図13図14に示すように、3つの第1筋交い部11bが集合する第1枠体31cの中心部と3つの第1連結片11aの中間部とをそれぞれ連結する3つの第1補強リブ31fが設けられたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図17図18に示すように、第1枠体51cがこの第1枠体51cの3つの第1連結片11aの厚さより小さい第1薄板51eで埋め尽くされたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図10に示すように、第1枠体11cの3つの第1連結片11aが第1枠体11cの中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成されたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、3枚の第1板状突起11dの第1板状突起11d同士のなす角度が120度であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図15図16に示すように、2つの対角線のうち単一の第2筋交い部12cが設けられていない対角線の両端と単一の第2筋交い部12cの長手方向の中央とをそれぞれ連結する2つの第2補強リブ32gが設けられたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第8の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図19及び図20に示すように、第2枠体52dがこの第2枠体52dの4つの第2連結片12a,12bの厚さより小さい第2薄板52fで埋め尽くされたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第9の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図12に示すように、第2枠体12dの4つの第2連結片12a,12bのうち2枚の第2板状突起12eが立設されていない2つの連結片12bが第2枠体12dの中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明の第10の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図5に示すように、2枚の第2板状突起12eが平らな板状にそれぞれ形成され、第2板状突起12e同士のなす角度が120度であることを特徴とする。
【0017】
本発明の第11の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図21及び図22に示すように、2枚の第2板状突起72eが第2枠体72dに平行な平面内で湾曲する板状にそれぞれ形成され、第2板状突起72e同士が滑らかに湾曲する板状になるように接続されたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第12の観点は、図1図4に示すように、第1、第3ないし第6の観点のいずれかに記載の第1スパイク11の第1枠体11c及び3枚の第1板状突起11dをメタルインジェクションモールド工法により一体成形する工程と、第1スパイク11の第1枠体11cを運動靴10の底10aに埋設する工程とを含むスパイク付き運動靴の製造方法である。
【0019】
本発明の第13の観点は、図5図8に示すように、第2、第7ないし第11いずれかに記載の第2スパイク12の第2枠体12d及び2枚の第2板状突起12eをメタルインジェクションモールド工法により一体成形する工程と、第2スパイク12の第2枠体12dを運動靴10の底10aに埋設する工程とを含むスパイク付き運動靴の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の観点のスパイク付き運動靴では、第1枠体の3つの第1連結片の中心部からこれらの第1連結片の連結部分に3つの第1筋交い部を放射状にそれぞれ延びて設け、3つの第1筋交い部に3枚の第1板状突起をそれぞれ立設し、上記第1枠体を運動靴の底に埋設して上記3枚の第1板状突起を運動靴の底から突出させたので、第1スパイクが軽量になるとともに、第1スパイクに運動靴の底に沿う横方向に大きな力が作用しても、第1スパイクが構造的に極めて倒れ難い形状であるため、第1スパイクの強度が極めて高い。また3枚の第1板状突起の幅を第1枠体から離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成したので、第1スパイクの第1板状突起を地面に刺したときに、第1板状突起が地面に食い込み易くなり、また地面を蹴ったときに運動靴が滑らずに力が第1板状突起を介して地面に速やかに伝わるとともに、運動靴を地面から離すときに第1板状突起が地面から速やかに抜ける。更に第1スパイクの第1枠体及び第1板状突起を、鉄系合金鋼、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成したので、構造上の強度が高く堅牢であり、更に熱処理を施せば、硬度を引き上げることができ、耐摩耗性に優れる金具(第1スパイク)となる。またチタンコーティングなどの表面処理を施せば、更に硬度と耐食性を引き上げた第1スパイクを製造できる。
【0021】
本発明の第2の観点のスパイク付き運動靴では、第2枠体の4つの第2連結片の2つの対角線のうちいずれか一方に沿って単一の第2筋交い部を設け、単一の筋交い部の両端のうちいずれか一方を挟む2つの第2連結片の内側縁に沿いかつ2つの第2連結片の幅より小さい厚さで2枚の第2板状突起をそれぞれ立設し、上記第2枠体を運動靴の底に埋設して上記2枚の第2板状突起を運動靴の底から突出させたので、第2スパイクが軽量になるとともに、第2スパイクに運動靴の底に沿う横方向に大きな力が作用しても、第2スパイクが構造的に比較的倒れ難い形状であるため、第2スパイクの強度が比較的高い。また2枚の第2板状突起の幅を第2枠体から離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成したので、第2スパイクの第2板状突起を地面に刺したときに、第2板状突起が地面に速やかに食い込み、また地面を蹴ったときに運動靴が滑らずに力が第2スパイクを介して地面に速やかに伝わるとともに、運動靴を地面から離すときに第2板状突起が地面から速やかに抜ける。更に第2スパイクの第2枠体及び第2板状突起を、鉄系合金鋼、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成したので、構造上の強度が高く堅牢であり、更に熱処理を施せば、硬度を引き上げることができ、耐摩耗性に優れる金具(第2スパイク)となる。またチタンコーティングなどの表面処理を施せば、更に硬度と耐食性を引き上げた第2スパイクを製造できる。
【0022】
本発明の第3の観点のスパイク付き運動靴では、3つの第1筋交い部が集合する第1枠体の中心部と3つの第1連結片の中間部とをそれぞれ連結する3つの第1補強リブを設けたので、第1枠体の強度をより高くすることができ、これにより第1スパイクがより堅牢になる。
【0023】
本発明の第4の観点のスパイク付き運動靴では、第1枠体をこの第1枠体の3つの第1連結片の厚さより小さい第1薄板で埋め尽くしたので、第1枠体の強度を更に高くすることができ、これにより第1スパイクが更に堅牢になる。
【0024】
本発明の第5の観点のスパイク付き運動靴では、第1枠体の3つの第1連結片を第1枠体の中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成したので、この第1スパイクに運動靴の底に沿う横方向の力が作用したときに、運動靴の底に埋設された第1枠体に横ずれが発生し難い。この結果、運動靴の底と第1スパイクの第1枠部との間に隙間が発生し難いので、第1スパイクが運動靴の底に対してぐらつくことがなく、第1スパイクが運動靴の底に堅固に固定された状態に保たれる。
【0025】
本発明の第7の観点のスパイク付き運動靴では、2つの対角線のうち単一の第2筋交い部が設けられていない対角線の両端と単一の第2筋交い部の長手方向の中央とをそれぞれ連結する2つの第2補強リブを設けたので、第2枠体の強度をより高くすることができ、これにより第2スパイクがより堅牢になる。
【0026】
本発明の第8の観点のスパイク付き運動靴では、第2枠体をこの第2枠体の4つの第2連結片の厚さより小さい第2薄板で埋め尽くしたので、第2枠体の強度を更に高くすることができ、これにより第2スパイクが更に堅牢になる。
【0027】
本発明の第9の観点のスパイク付き運動靴では、第2枠体の4つの第2連結片のうち2枚の第2板状突起が立設されていない2つの第2連結片を第2枠体の中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成したので、この第2スパイクに運動靴の底に沿う横方向の力が作用したときに、運動靴の底に埋設された第2枠体に横ずれが発生し難い。この結果、運動靴の底と第2スパイクの第2枠部との間に隙間が発生し難いので、第2スパイクが運動靴の底に対してぐらつくことがなく、第2スパイクが運動靴の底に堅固に固定された状態に保たれる。
【0028】
本発明の第12の観点のスパイク付き運動靴の製造方法では、第1、第3ないし第6の観点のいずれかに記載の第1スパイクの第1枠体及び3枚の第1板状突起をメタルインジェクションモールド工法により一体成形したので、第1スパイクの形状が比較的複雑であっても、比較的容易に軽くしかも硬い材料で堅牢な第1スパイクを作製できる。この結果、第1スパイクを一部品で構成できるとともに、第1スパイクの意匠面での自由度を制限することなく、第1スパイクの軽量化を図ることができ、更に微細な形状を精度良く成形できる。従って、上記第1スパイクの第1枠体を運動靴の底に埋設することにより、上記のように優れた効果を奏する第1スパイク付きの運動靴を得ることができる。
【0029】
本発明の第13の観点のスパイク付き運動靴の製造方法では、第2、第7ないし第11の観点のいずれかに記載の第2スパイクの第2枠体及び2枚の第2板状突起をメタルインジェクションモールド工法により一体成形したので、第2スパイクの形状が比較的複雑であっても、比較的容易に軽くしかも硬い材料で堅牢な第2スパイクを作製できる。この結果、第2スパイクを一部品で構成できるとともに、第2スパイクの意匠面での自由度を制限することなく、第2スパイクの軽量化を図ることができ、更に微細な形状を精度良く成形できる。従って、上記第2スパイクの第2枠体を運動靴の底に埋設することにより、上記のように優れた効果を奏する第2スパイク付きの運動靴を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明第1実施形態のスパイク付き運動靴に用いられる第1スパイクを示す図2のA矢視図である。
図2図1のB矢視図である。
図3図1のC矢視図である。
図4】その第1スパイクの斜視図である。
図5】その運動靴に用いられる第2スパイクを示す図6のD矢視図である。
図6図5のE矢視図である。
図7図5のF矢視図である。
図8】その第2スパイクの斜視図である。
図9】第1スパイクが底の中央部及び後部に突設されかつ第2スパイクが底の前部に突設された状態を示す運動靴の底面図である。
図10図9のG−G線断面図である。
図11図9のH−H線断面図である。
図12図5のI−I線断面図である。
図13】本発明第2実施形態のスパイク付き運動靴に用いられる第1スパイクを示す図1に対応する矢視図である。
図14】その第1スパイクの斜視図である。
図15】その運動靴に用いられる第2スパイクを示す図5に対応する矢視図である。
図16】その第2スパイクの斜視図である。
図17】本発明第3実施形態のスパイク付き運動靴に用いられる第1スパイクを示す図1に対応する矢視図である。
図18図17のJ−J線断面図である。
図19】その運動靴に用いられる第2スパイクを示す図5に対応する矢視図である。
図20図19のK−K線断面図である。
図21】本発明第4実施形態のスパイク付き運動靴に用いられる第2スパイクを示す図5に対応する矢視図である。
図22】その第2スパイクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
<第1の実施の形態>
図9に示すように、運動靴10のソール(底)10aの中央部及び後部には複数の第1スパイク11が間隔をあけてそれぞれ突設され、運動靴10のソール(底)10aの前部には複数の第2スパイク12が間隔をあけてそれぞれ突設される。この実施の形態では、運動靴10は野球用のスパイク付き運動靴である。第1スパイク11は、運動靴10のソール(底)10aにこのソール(底)10aに沿った状態で埋設される3つの第1連結片11a及び3つの第1筋交い部11bを有する第1枠体11cと、3つの第1筋交い部11bにそれぞれ立設された3枚の第1板状突起11dとを備える(図1図4及び図9)。3つの第1連結片11aは、それぞれ比較的大きな曲率半径を有する円弧状に形成され、これらの第1連結片11aを連結することにより、外側に凸となるように湾曲する略三角形状に形成される(図1)。また3つの第1筋交い部11bは、3つの第1連結片11aとこれらの第1連結片11aの中心部から3つの角部(3つの第1連結片11aの連結した部分)に放射状にそれぞれ延びて設けられる(図4)。これら3つの第1筋交い部11bにおいて、第1筋交い部11b同士のなす角度、即ち隣接する2つの第1筋交い部11bのなす角度はそれぞれ120度であることが好ましい。上記のように第1枠体11cが3つの第1連結片11aと3つの第1筋交い部11bとを有することにより、3つの第1連結片11aの内側に3つの略三角形状の第1孔11eがそれぞれ形成される(図1及び図4)。更に3つの第1連結片11aは、第1枠体11cの中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成される(図10)。即ち、第1連結片11aの幅方向において、第1連結片11aの外側面の厚さが最も厚く形成され、内側に向うに従って第1連結片11aの厚さが次第に薄くなり、上記第1孔11eに面する第1連結片11aの内側面の厚さが最も薄く形成される。
【0033】
3枚の第1板状突起11dにおいて、第1板状突起11d同士のなす角度、即ち隣接する2枚の第1板状突起11dのなす角度はそれぞれ120度であることが好ましい(図1及び図4)。また3枚の第1板状突起11dは、それらの幅が第1枠体11cから離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成される(図2図4)。これら3枚の第1板状突起11dの板の幅は第1枠体11cから離れるに従って次第に一側縁に近付くように傾斜して形成される。即ち、3枚の第1板状突起11dは、第1枠体11cから離れた位置でも横断面形状が第1枠体11cの中心線から放射状に延びる形状に保たれた状態で、第1枠体11cから離れるに従って板の幅が先細りになるようにそれぞれ形成される(図1及び図4)。更に上記第1枠体11c及び第1板状突起11dは、鉄系合金鋼(炭素鋼、クロムモリブデン鋼、工具鋼など)、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成される。
【0034】
一方、第2スパイク12は、運動靴10のソール(底)10aにこのソール(底)10aに沿った状態で埋設された4つの第2連結片12a,12b及び単一の第2筋交い部12cを有する第2枠体12dと、単一の第2筋交い部12cの両端のうちいずれか一方を挟む2つの第2連結片12aの内側縁に沿いかつこれら2つの第2連結片12aの幅より小さい厚さで立設された2枚の第2板状突起12eとを備える(図5図8及び図9)。4つの第2連結片12a,12bのうち2つの隣接する第2連結片12aが互いに離れるに従って幅が狭くなる略三角形状に形成され、残りの2つの隣接する第2連結片12bがそれぞれ大きな曲率半径を有する円弧状に形成され、これらの第2連結片12a,12bを連結することにより、略四角形状に形成される(図5)。また単一の第2筋交い部12cは、4つの第2連結片12a,12bの2つの対角線のうちいずれか一方に沿って設けられる。この実施の形態では、単一の第2筋交い部12cは、2つの略三角形状の第2連結片12aの接続部と、円弧状の2つの第2連結片12bの接続部とを結ぶ対角線に沿って設けられる(図5及び図8)。このように第2枠体12dが4つの第2連結片12a,12bと単一の第2筋交い部12cとを有することにより、4つの第2連結片12a,12bの内側に2つの略三角形状の第2孔12fがそれぞれ形成される。更に4つの第2連結片12a,12bのうち2つの円弧状の第2連結片12bは、第2枠体12dの中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成される(図12)。即ち、第2連結片12bの幅方向において、第2連結片12bの外側面の厚さが最も厚く形成され、内側に向うに従って第2連結片12bの厚さが次第に薄くなり、上記第2孔12fに面する第2連結片12bの内側面の厚さが最も薄く形成される。
【0035】
2枚の第2板状突起12eにおいて、これら2枚の第2板状突起12e同士のなす角度は120度であることが好ましい(図5及び図8)。また2枚の第2板状突起12eは、これら2枚の第2板状突起12eの板の幅が第2枠体12dから離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成される(図6図8)。即ち、2枚の第2板状突起12eは、第2枠体12dから離れても横断面形状が2つの略三角形状の第2連結片12aの接続部を屈曲部とする略V字状に保たれた状態で、2枚の第2板状突起12eが第2枠体12dから離れるに従って次第に板の幅が先細りになるようにそれぞれ形成される(図5及び図8)。更に上記第2枠体12d及び第2板状突起12eは、鉄系合金鋼(炭素鋼、クロムモリブデン鋼、工具鋼など)、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金により一体的に形成される。
【0036】
このように構成されたスパイク付き運動靴10の製造方法を説明する。先ず第1及び第2スパイク11,12の製造方法を説明する。ここで、第2スパイク12は第1スパイク11と略同様の方法で製造されるので、第1スパイク11の製造方法を代表して説明する。第1スパイク11、即ち第1枠体11c及び3枚の第1板状突起11dは、メタルインジェクションモールド工法(金属粉末射出成形法、以下、MIM工法という。)により一体成形される。このMIM工法では、中空部又はアンダカット部の形状を有する成形体であっても射出成形できるようになっている。先ず、成形品の外形を相応するキャビティを有する金型を作製する。次に、この金型のキャビティに金属粉末コンパウンドを射出成形することにより、成形体を作製する。なお、上記金型には、プラスチック製の成形体を得る際に用いられる一般的な金型と同じ材質のものを用いることができ、材質等は特に限定されない。
【0037】
また金属粉末コンパウンドは、金属粉末とバインダとの混練物からなる。金属粉末としては、平均粒径3〜20μmの鉄系合金鋼(炭素鋼、クロムモリブデン鋼、工具鋼など)粉末、ステンレス鋼粉末、チタン粉末、チタン合金粉末等が挙げられる。なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折・散乱式測定装置(マイクロトラック MT3000II:NIKKISO製)によって測定された体積基準のメジアン径(D50)である。また、バインダは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリアミド等の高分子や、パラフィン系ワックス、ステアリン酸等の混合物からなる。金属粉末コンパウンドは、上記金属粉末と、ポリプロピレン、ワックス、ステアリン酸等を所定の割合で配合したバインダを、例えば加圧式ニーダや二軸押出機等の混練機を用いて混練することにより得られる。このとき、金属粉末の割合は体積比で、混練物の体積100%に対して、50〜80%の範囲とするのが好ましい。金型に注入された金属粉末コンパウンドは、キャビティに充填されて、キャビティの形状に合わせて型取りされる。注入された金属粉末コンパウンドは、金型の冷却に伴うバインダの硬化により成形される。
【0038】
更に、成形体を脱脂し、焼結する。脱脂は、例えば炉内雰囲気を、大気雰囲気、減圧雰囲気、真空雰囲気、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気に設定した状態の脱脂炉内に射出成形体を投入し、有機物が加熱分解される温度以上の温度、例えば250〜500℃で加熱することにより行われる。これにより、成形体に含まれるバインダが熱分解され、成形体から有機物が脱脂される。上記焼結は、得られた脱脂体の鋼種又は粉末の粒度に応じて最適化した焼結温度、雰囲気及び処理時間で行う。例えば、不活性ガス雰囲気、真空雰囲気等に設定した炉内において、所定の速度で昇温、加熱することにより行われる。これにより、脱脂体に含まれる金属粉末同士が焼結反応し、密度が一定以上に向上した金属粉末焼結体からなる第1スパイク11を得ることができる。
【0039】
このように製造された第1スパイク11では、クラックや膨れ等を発生させることなく所望の中空部又はアンダカット部を有する金属粉末焼結体からなる第1スパイク11を得ることができる。また、第1スパイク11に中空部又はアンダカット部があっても、一部品で構成することができるので、第1スパイク11の意匠面での自由度を制限することなく、第1スパイク11の軽量化を図ることができるとともに、比較的複雑で微細な形状を精度良く成形できる。更に、MIM工法に用いられる金属粉末が、鉄系合金鋼(炭素鋼、クロムモリブデン鋼、工具鋼など)粉末、ステンレス鋼粉末、チタン粉末、チタン合金粉末等であるので、構造上の強度が高く堅牢であり、更に熱処理を施すことにより、硬度を引き上げることができ、耐摩耗性に優れる金具(第1スパイク11)となる。またチタンコーティングなどの表面処理を施すことにより、更に硬度と耐食性を引き上げた第1スパイク11を製造できる。第2スパイク12も上記と略同様に製造され、上記と同様の優れた効果を奏する。
【0040】
このように製造された第1及び第2スパイク11,12を運動靴10のソール(底)10aに突設する方法を説明する。先ず運動靴10のソール(底)10aを成形するための金型内に、上記第1及び第2スパイク11,12を複数個ずつ設置する。次に加熱されて流動性を有する合成ゴムを上記金型のキャビティに注入した後、冷却する。これにより複数の第1スパイク11の第1枠部11cが中央部及び後部に埋設され、かつ複数の第2スパイク12の第2枠部12dが前部に埋設されたソール10aが得られる。更にこのソール(底)10aを靴本体10bに接着又は縫製することにより、スパイク付き運動靴10が完成する。なお、図9図11中の符号10cは、第1枠部11c又は第2枠部12dを埋設するために、ソール(底)10aと一体成形されたボス部である。
【0041】
このように製造されたスパイク付き運動靴10では、第1枠体11cの3つの第1連結片11aの中心部からこれらの第1連結片11aの連結部分に3つの第1筋交い部11bを放射状にそれぞれ延びて設け、3つの第1筋交い部11bに3枚の第1板状突起11dをそれぞれ立設し、上記第1枠体11cを運動靴10のソール(底)10aに埋設して上記3枚の第1板状突起11dを運動靴10のソール(底)10aから突出させたので、第1スパイク11に運動靴10のソール(底)10aに沿う横方向に大きな力が作用しても、第1スパイク11が構造的に極めて倒れ難い形状であるため、第1スパイク11の強度が極めて高い。また第2枠体12dの4つの第2連結片12a,12bの2つの対角線のうちいずれか一方に沿って単一の第2筋交い部12cを設け、単一の筋交い部12cの両端のうちいずれか一方を挟む2つの略三角形状の第2連結片12aの内側縁に沿いかつ2つの第2連結片12aの幅より小さい厚さで2枚の第2板状突起12eをそれぞれ立設し、上記第2枠体12dを運動靴10のソール(底)10aに埋設して上記2枚の第2板状突起12eを運動靴10のソール(底)10aから突出させたので、第2スパイク12に運動靴10のソール(底)10aに沿う横方向に大きな力が作用しても、第2スパイク12が構造的に比較的倒れ難い形状であるため、第2スパイク12の強度が比較的高い。
【0042】
一方、3枚の第1板状突起11dの幅を第1枠体11cから離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成したので、第1スパイク11の第1板状突起11dを地面に刺したときに、第1板状突起11dが地面に食い込み易くなり、地面を蹴ったときに運動靴10が滑らずに力が第1板状突起11dを介して地面に速やかに伝わるとともに、運動靴10を地面から離すときに第1板状突起11dが地面から速やかに抜ける。また2枚の第2板状突起12eの幅を第2枠体12dから離れるに従って次第に狭くなるようにそれぞれ形成したので、第2スパイク12の第2板状突起12eを地面に刺したときに、第2板状突起12eが地面に速やかに食い込み、地面を蹴ったときに運動靴10が滑らずに力が第2スパイク12を介して地面に速やかに伝わるとともに、運動靴10を地面から離すときに第2板状突起12eが地面から速やかに抜けるという第1スパイク11と同様の効果を奏する。
【0043】
一方、第1枠体11cの3つの第1連結片11aを第1枠体11cの中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成したので、この第1スパイク11に運動靴10のソール(底)10aに沿う横方向の力が作用したときに、運動靴10のソール(底)10aに埋設された第1枠体11cに横ずれが発生し難い。この結果、運動靴10のソール(底)10aと第1スパイク11の第1枠部11cとの間に隙間が発生し難いので、第1スパイク11が運動靴10のソール(底)10aに対してぐらつくことがなく、第1スパイク11が運動靴10のソール(底)10aに堅固に固定された状態に保たれる。また第2枠体12dの4つの第2連結片12a,12bのうち2枚の第2板状突起12eが立設されていない2つの円弧状の第2連結片12bを第2枠体12dの中心部に向うに従って次第に薄くなるようにそれぞれ形成したので、この第2スパイク12に運動靴10のソール(底)10aに沿う横方向の力が作用したときに、運動靴10のソール(底)10aに埋設された第2枠体12dに横ずれが発生し難い。この結果、運動靴10のソール(底)10aと第2スパイク12の第2枠部12dとの間に隙間が発生し難いので、第2スパイク12が運動靴10のソール(底)10aに対してぐらつくことがなく、第2スパイク12が運動靴10のソール(底)10aに堅固に固定された状態に保たれる。
【0044】
<第2の実施の形態>
図13図16は本発明の第2の実施の形態を示す。図13図16において図1図4図5及び図8と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第1スパイク31の3つの第1筋交い部12bが集合する第1枠体31cの中心部と3つの第1連結片12aの中間部とをそれぞれ連結する3つの第1補強リブ31fが設けられる(図13及び図14)。また第2スパイク32の2つの対角線のうち単一の第2筋交い部12cが設けられていない対角線の両端と単一の第2筋交い部12cの長手方向の中央とをそれぞれ連結する2つの第2補強リブ32gが設けられる(図15及び図16)。更に上記第1補強リブ31fを設けることにより、第1枠体31c内に6つの第1孔31eが形成され、上記第2補強リブ32gを設けることにより、第2枠体32d内に4つの第2孔32fが形成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0045】
このように構成されたスパイク付き運動靴では、第1スパイク31の3つの第1筋交い部11bが集合する第1枠体31cの中心部と3つの第1連結片12aの中間部とをそれぞれ連結する3つの第1補強リブ31fを設けたので、第1枠体31cの強度をより高くすることができる。この結果、第1スパイク31がより堅牢になる。また第2スパイク32の2つの対角線のうち単一の第2筋交い部12cが設けられていない対角線の両端と単一の第2筋交い部12cの長手方向の中央とをそれぞれ連結する2つの第2補強リブ32gを設けたので、第2枠体32dの強度をより高くすることができる。この結果、第2スパイク32がより堅牢になる。上記以外の動作は、第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0046】
<第3の実施の形態>
図17図20は本発明の第3の実施の形態を示す。図17図20において図1図5図10及び図11と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第1スパイク51の第1枠体51cがこの第1枠体51cの3つの第1連結片11aの厚さより小さい第1薄板51eで埋め尽くされ(図17及び図18)、第2スパイク52の第2枠体52dがこの第2枠体52dの4つの第2連結片12a,12bの厚さより小さい第2薄板52fで埋め尽くされる(図19及び図20)。具体的には、第1の実施の形態の第1孔が第1薄板51eで埋め尽くされ、第1の実施の形態の第2孔が第2薄板52fで埋め尽くされる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0047】
このように構成されたスパイク付き運動靴では、第1スパイク51の第1枠体51cをこの第1枠体51cの3つの第1連結片11aの厚さより小さい第1薄板51eで埋め尽くしたので、第1枠体51cの強度を更に高くすることができる。この結果、第1スパイク51が更に堅牢になる。また第2スパイク52の第2枠体52dをこの第2枠体52dの4つの第2連結片12a,12bの厚さより小さい第2薄板52fで埋め尽くしたので、第2枠体52dの強度を更に高くすることができる。この結果、第2スパイク52が更に堅牢になる。上記以外の動作は、第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0048】
<第4の実施の形態>
図21及び図22は本発明の第4の実施の形態を示す。図21及び図22において図5及び図8と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、2枚の第2板状突起72eが第2枠体72dに平行な平面内で湾曲する板状にそれぞれ形成され、第2板状突起72e同士が滑らかに湾曲する板状になるように接続される。また4つの第2連結片72a,12bのうち2つの隣接する第2連結片72aが、互いに離れるに従って幅が狭くなり、外側縁が直線状に形成されかつ、内側縁が上記第2板状突起72eの内周面に相応する湾曲面に形成され、残りの2つの隣接する第2連結片12bがそれぞれ大きな曲率半径を有する円弧状に形成され、これらの第2連結片72a,12bを連結することにより、略四角形状に形成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0049】
このように構成されたスパイク付き運動靴では、2枚の第2板状突起72eを第2枠体72dに平行な平面内で湾曲する板状にそれぞれ形成し、第2板状突起72e同士を滑らかに湾曲する板状になるように接続したので、瞬発力の働く方向の弱点が無いという点で第1の実施の形態の横断面形状が略V字状に形成された2枚の第2板状突起より優れる。上記以外の動作は、第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0050】
なお、上記第1〜第4の実施の形態では、野球用のスパイク付き運動靴を挙げたが、ゴルフ用又はその他の運動競技用のスパイク付き運動靴でもよい。また、上記第1〜第3の実施の形態では、第1スパイクの第1枠体の3つの第1連結片を外側に凸となるように湾曲する略三角形状に形成したが、3つの第1連結片をそれぞれ平板状にした略三角形状、或いは3つの第1連結片の曲率半径を小さくして更に湾曲させることにより3つの第1連結片を略円形状に形成してもよい。また、上記第1〜第4の実施の形態では、第2スパイクの第2枠体の4つの第2連結片を略四角形状に形成したが、4つの第2連結片を略円形状に形成してもよい。更に、上記第1〜第4の実施の形態では、運動靴のソール(底)の前部に複数の第2スパイクを間隔をあけて突設したが、運動靴のソール(底)の前部に複数の第1スパイクを間隔をあけて突設してもよい。この場合、運動靴のソール(底)の前部、中央部及び後部に第1スパイクが間隔をあけて突設される。
【符号の説明】
【0051】
10 スパイク付き運動靴
10a ソール(底)
11,31,51 第1スパイク
11a 第1連結片
11b 第1筋交い部
11c,31c,51c 第1枠体
11d 第1板状突起
12,32,52,72 第2スパイク
12a,12b,72a 第2連結片
12c 第2筋交い部
12d,32d,52d,72d 第2枠体
12e,72e 第2板状突起
31f 第1補強リブ
32g 第2補強リブ
51e 第1薄板
52f 第2薄板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22