特許第5936605号(P5936605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルケマ フランスの特許一覧

特許5936605ジフルオロメタンと、ペンタフルオロエタンと、テトラフルオロプロペンとをベースにした三元熱伝導流体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936605
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】ジフルオロメタンと、ペンタフルオロエタンと、テトラフルオロプロペンとをベースにした三元熱伝導流体
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20160609BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   C09K5/04 E
   C09K5/04 F
   F25B1/00 396A
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-509593(P2013-509593)
(86)(22)【出願日】2011年4月18日
(65)【公表番号】特表2013-527283(P2013-527283A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】FR2011050882
(87)【国際公開番号】WO2011141655
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年4月17日
(31)【優先権主張番号】1053671
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 隆
(72)【発明者】
【氏名】ラシェド,ウィザム
【審査官】 馬籠 朋広
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/154149(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/059677(WO,A1)
【文献】 特表2013−514516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 5/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を使用して流体または物品を冷却する方法であって、
上記流体または物品は−40℃から−10℃の温度に冷却されるか、−15℃から15℃の温度に冷却され、
上記熱伝達流体が下記から成る三成分組成物であることを特徴とする方法:
(1)5%〜50%のジフルオロメタン、
(2)2%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)30%〜90%のテトラフルオロプロペン。
【請求項2】
冷却した流体または物品の温度が−40℃から−10℃であり、熱伝達流体が下記のいずれかである請求項1に記載の方法:
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)15%〜50%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、30%〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項3】
冷却した流体または物品の温度が−15℃から15℃であり、熱伝達流体が下記のいずれかである請求項1に記載の方法:
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5%〜30%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、50%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項4】
初期の熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む伝熱設備の環境へのインパクトを減らす方法であって、蒸気圧縮回路中の初期の熱伝達流体を初期の熱伝達流体より低いGWPを有する最終の熱伝達流体と置換する階段を有し、最終の熱伝達流体が下記から成る三成分組成物であることを特徴とする方法:
(1)5%〜50%のジフルオロメタン、
(2)2%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)30%〜90%のテトラフルオロプロペン。
【請求項5】
初期の熱伝達流体が52%の1,1,1−トリフルオロエタンと、44%のペンタフルオロエタンと、4%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの三成分混合物であるか、52%の1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンと、25%のペンタフルオロエタンと、23%のジフルオロメタンとから成る三成分混合物であり、最終の熱伝達流体が下記のいずれかである請求項に記載の方法:
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)15%〜50%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、30%〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【請求項6】
初期の熱伝達流体が1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンであり、最終の熱伝達流体が下記から成る請求項に記載の方法:
(1)5%〜30%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、50%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性能品質が高く、GWPが低い、通常の冷却剤を代替するのに適したジフルオロメタンと、ペンタフルオロエタンと、テトラフルオロプロペンとをベースにした三元熱伝導流体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボン化合物をベースにした流体は蒸気−圧縮熱伝達システム、特に、空調、ヒートポンプ、冷蔵装置および冷凍装置で広く使われている。これらの装置に共通することは、低圧での流体の蒸発(ここで流体は熱を吸収する)と、蒸発した流体の高圧力への圧縮と、蒸発した流体の高圧での液体への凝縮(ここで流体は熱を開放する)と、流体の膨張し(サイクルの完了)から成る熱力学サイクルをベースにしていることである。
【0003】
熱伝達流体の選択(純粋化合物か、化合物の混合物かの選択)は流体の熱力学的特性で行われ、さらに追加の拘束条件によっておこなわれる。従って、その一つの重要な判定基準は流体が環境に対して与える影響である。特に、塩素化物(クロロフルオロカーボンおよびヒドロクロロフルオロカーボン)はオゾン層を破壊するという欠点がある。従って、これからは一般に非塩素化物、例えばハイドロフルオロカーボン、フルオロエーテルおよびフルオロオレフィンを用いるのが好ましい。
【0004】
現在使われている熱伝達流体はHFC−134a、R404a(52%のHFC−143aと、44%のHFC−125と、4%のHFC−134aとの三元混合物)およびR407c(52%のHFC−134aと、25%のHFC−125と、23%のHFC−32との三元混合物)である。
【0005】
しかし、これらの流体より地球温暖化ポテンシャル(GWP)が小さく、しかも、性能レベルが同じか、改良された他の熱伝達流体を開発する必要がある。
【0006】
特許文献1(米国特許公開第US2009/0250650号明細書)には種々のフルオロ−オレフィンベースの組成物と、それを使用した熱伝達流体とが記載されている。この文献には特に、HFC−32と、HFC−125と、HFO−1234zeとから成る混合物、更にはHFC−32と、HFC−125と、HFO−1234yfとから成る混合物が記載されている。好ましいとされた組成物は下記である:
(1)23%のHFC−32、25%のHFC−125および52%のHFO−1234ze、
(2)30%のHFC−32、50%のHFC−125および20%のHFO−1234ze、
(3)40%のHFC−32、50%のHFC−125および10%のHFO−1234yf、
(4)23%のHFC−32、25%のHFC−125および52%のHF0−1234yf、
(5)15%のHFC−32、45%のHFC−125および40%のHFO−1234yf、
(6)10%のHFC−32、60%のHFC−125および30%のHFO−1234yf。
【0007】
特許文献2(国際特許第WO2010/002014号公報)にはHFC−32と、HFC−125と、HFO−1234yfとをベースにした不燃性冷却剤が記載されている。いくつかの組成物、特に15%のHFC−32と、25%のHFC−125と、60%のHFO−1234yfとから成るものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許公開第US2009/0250650号明細書
【特許文献2】国際特許第WO2010/002014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、比較的にGWPがさらに低く、従来公知の熱伝達流体よりエネルギ運転性能品質がより良い、さらに別の熱伝達流体を開発するというニーズが依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第一に、下記から成る三成分組成物に関係するものである:
(1)5%〜50%のジフルオロメタン、
(2)2%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)30%〜90%のテトラフルオロプロペン。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施例では、テトラフルオロプロペンは1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである。
本発明の他の実施例では、テトラフルオロプロペンは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである。
【0012】
本発明の他の実施例の組成物は下記から成る:
(1)15%〜35%のジフルオロメタン、
(2)5%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは:
(1)18%〜25%のジフルオロメタン、
(2)8%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)55%〜74%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0013】
本発明の他の実施例の組成物は下記から成る:
(1)15%〜50%のジフルオロメタン、
(2)5%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)30%〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペ、
好ましくは:
(1)30%〜40%のジフルオロメタン、
(2)8%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)40%〜62%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0014】
本発明の他の実施例の組成物は下記から成る:
(1)5%〜30%のジフルオロメタン、
(2)5%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)50%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは:
(1)5%〜20%のジフルオロメタン、
(2)5%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)60%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0015】
本発明の他の実施例の組成物は下記から成る:
(1)20%〜40%のジフルオロメタン、
(2)5%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは:
(1)25%〜40%のジフルオロメタン、
(2)5%〜20%のペンタフルオロエタン、
(3)40%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0016】
本発明はさらに、上記の三成分組成物の蒸気圧縮回路の熱伝達流体としての使用にも関するものである。
【0017】
本発明はさらに、熱伝達流体としての上記三成分組成物と、滑剤、安定剤、界面活性剤、トレーサ、螢光剤、香料、可溶化剤およびこれらの混合物の中から選択される一種または複数の添加剤とを含む伝熱組成物にも関するものである。
【0018】
本発明はさらに、熱伝達流体としての上記三成分組成物または上記伝熱組成物を収容した蒸気圧縮回路を有する伝熱設備にも関するものである。
【0019】
本発明の一実施例では、上記伝熱設備は移動式または据付け式のヒートポンプ加熱、空調、冷蔵および冷凍設備の中から選択される。
【0020】
本発明はさらに、熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を用いて流体または物体を加熱または冷却するためのプロセスにも関するものであり、このプロセスは熱伝達流体の蒸発、熱伝達流体の圧縮、熱伝達流体の凝縮および熱伝達流体の膨張を順次含み、熱伝達流体は本発明三成分組成物である。
【0021】
流体または物体を冷却するための本発明の上記プロセスの一実施例では、冷却される流体または物体の温度は−40℃から−10℃であり、好ましくは−35℃〜−25℃、特に好ましくは−30℃〜−20℃であり、熱伝達流体は下記のいずれかから成る:
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンへと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは18%〜25%のジフルオロメタンと、8%〜20%までペンタフルオロエタンと、55%〜74%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)15%〜50%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、30%〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは30%〜40%のジフルオロメタンと、8%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜62%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0022】
加熱または冷却プロセスの他の実施例では、冷却される流体または物体の温度は−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃であり、熱伝達流体は下記のいずれかから成る:
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは18%〜25%のジフルオロメタンと、8%〜20%のペンタフルオロエタンと、55%〜74%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5%〜30%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、50%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは5%〜20%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、60%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは25%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0023】
流体または物体を加熱するためのプロセスの他の実施例では、加熱される流体または物体の温度は30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃、特に好ましくは40℃〜50℃で、熱伝達流体は下記のいずれかから成る:
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは18%〜25%のジフルオロメタンと、8%〜20%のペンタフルオロエタンと、55%〜74%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)5%〜30%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、50%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは5%〜20%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、60%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは25%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0024】
本発明はさらに、初期熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を有する熱伝達機器の環境への影響(インパクト)を減らすためのプロセスにも関し、本発明プロセスでは蒸気圧縮回路中の初期熱伝達流体を初期熱伝達流体以下のGWPを有する最終熱伝達流体に代え、この最終熱伝達流体は本発明の三成分組成物である。
【0025】
環境への影響(インパクト)を減らすための本発明の上記プロセスの一実施例では、初期熱伝達流体は52%の1,1,1−トリフルオロエタンと、44%のペンタフルオロエタンと、4%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの三成分の混合物であるか、52%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、25%のペンタフルオロエタンと、23%のジフルオロメタンとの三成分混合物であり、最終熱伝達流体は下記のいずれかから成る:
【0026】
(1)15%〜35%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、45%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは18%〜25%のジフルオロメタンと、8%〜20%のペンタフルオロエタンと、55%〜74%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(2)15%から50%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、30%〜80%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは30%〜40%のジフルオロメタンと、8%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜62%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、
(3)20%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは25%〜40%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、40%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0027】
環境へのインパクトを減らすための上記プロセスの他の実施例では、初期熱伝達流体が1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、最終熱伝達流体は下記のいずれかから成る:
(1)5%〜30%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、50%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは5%〜20%のジフルオロメタンと、5%〜20%のペンタフルオロエタンと、60%〜90%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0028】
本発明は従来技術の欠点を克服することができる。本発明は特に、GWPが比較的低く、良好なエネルギ性能レベルを有する。これはHFC−32と、HFC−125と、テトラフルオロプロペンとを上記比率で含む三元混合物によって達成できる。
【0029】
本発明の好ましい特定実施例では、本発明は下記の利点の一つの利点、好ましくは複数の利点を有する。
(1)本発明の熱伝達流体は同じタイプの用途で基準冷却剤のR404a、R407cおよび/またはHFC−134よりも高い運転性能係数を有する。
(2)本発明の熱伝達流体のキャパシティは同じタイプの用途で基準冷却剤と同じか、以上である。それによって本発明を用いることによって、上記基準冷却剤の一つを含む既存システムよりGWPを減らすことができ、しかも、基準冷却剤を本発明の熱伝達流体に置換することによってシステムの運転性能品質を大幅に改善することができる。
(3)本発明の熱伝達流体は、特許文献3および特許文献4に記載のHFC−32と、HFC−125と、HFO−1234zeまたはHFO−1234yfとの三成分混合物より大きな運転性能係数を有する。
【特許文献3】米国特許公開第US2009/0250650号明細書
【特許文献4】国際特許第WO2010/002014号公報
【0030】
(4)本発明の熱伝達流体を用いると、従来の熱伝達流体で得られるより低いコンプレッサ吐出し温度を得ることができる。
【0031】
本発明で地球温暖化ポテンシャル(GWP)は非特許文献に記載の方法に従って二酸化炭素に関して100年の期間に対して定義される。
【非特許文献3】“The scientific assessment of ozone depletion, 2002、a report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project”
【0032】
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が下記実施例に制限されるものではない。
【0033】
「熱伝達化合物(heat-transfer compound)」「熱伝達流体」(または冷媒流体)という用語は蒸気圧縮回中で低温、低圧で蒸発することで熱を吸収し、高温、高圧で凝縮することによって熱を開放することができる化合物を意味する。一般に、熱伝達流体は単一または2種、3種以上の熱伝達化合物から成ることができる。
【0034】
「熱伝達組成物」という用語は熱伝達流体と、所定用途に適した任意成分の一種以上の熱伝達化合物以外の添加剤とから成る組成物を意味する。
【0035】
本発明の伝熱プロセスは熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を含む機器を使用することが基本である。この熱伝達プロセスは流体または物体を加熱または冷却するためのプロセスにすることができる。
【0036】
熱伝達流体を使用した蒸気圧縮回路は少なくとも一つの蒸発器と、圧縮機(コンプレッサ)と、凝縮器と、膨張弁とを有し、これら要素間で熱伝達流体を輸送する手段とを有する。蒸発器および凝縮器は熱伝達流体と他の流体または物体との間で熱を交換することができる熱交換器を有する。
【0037】
コンプレッサとしては一段または複数段の遠心圧縮機またはミニコンプレッサ(mini-compressor)を使用することができる。ロータリーコンプレッサ、往復圧縮機またはスクリュー圧縮機を使うこともできる。コンプレッサは電動機またはガスタービン(例えば自動車用途では車両の排気)または伝動装置で駆動できる。
【0038】
この機器は電気を発生させるタービンから成ることもできる(ランキンサイクル)。
【0039】
この機器はオプションとして熱伝達流体回路と加熱される流体または物体との間で熱を伝える(状態変更有りまたは無し)のに使う少なくとも一つの冷却剤回路を有することもできる。
【0040】
この機器はさらに、オプションとして互いに同じまたは異なる熱伝達流体を収容した2つ以上の蒸気圧縮回路、例えば、互いに連結された蒸気圧縮回路を有することもできる。
【0041】
蒸気圧縮回路は通常の蒸気圧縮サイクルに従って運転される。このサイクルは比較的に低い圧力で液相(または液体/蒸気2相状態)から気相まで熱伝達流体の状態を変化させ、次いで、比較的に高い圧力で熱伝達流体を気相から液相へ状態変化(凝縮)させ、圧力を下げてサイクルを再び始める。
【0042】
冷却プロセスの場合には、冷却される流体または物体からの熱が(直接または冷却剤を介して間接的に)熱伝達流体によって、熱伝達流体が蒸発する間に環境と比べて相対的に低い温度で吸収される。この冷却プロセスには空調プロセス(移動機器、例えば車両または静止機器)、冷凍プロセスおよび冷凍プロセスまたは凍結(cryogenic)プロセスが含まれる。
【0043】
加熱プロセスの場合、熱伝達流体の凝縮時に、環境と比較して相対的に高い温度で、熱伝達流体から加熱されている流体または物体へ熱が与えられる(直接または冷却剤を介して間接的に)。この場合に伝熱を実行できる機器は「ヒートポンプ」とよばれる。
【0044】
本発明は、本発明の熱伝達流体を使用した任意タイプの熱交換器、特に並流熱交換器で使用することができる。
【0045】
しかし、本発明の好ましい実施例では、本発明は向流(counter-current)熱交換器を含む冷却および加熱プロセスと、対応する機器とを提供する。この熱交換器は凝縮器または蒸発器で向流である。すなわち、本発明の熱伝達流体は向流熱交換器で特に有用である。蒸発器および凝縮器の両方が向流熱交換器から成るのが好ましい。
【0046】
本発明では「向流熱交換器」という用語は熱が第1の流体と第2の流体との間で交換される熱交換器を意味し、第1の流体は熱交換器の入口で熱交換器の出口の第2の流体と熱交換し、第1の流体は熱交換器の出口で熱交換器の入口の第2の流体と熱交換する。
【0047】
向流熱交換器は例えば第1の流体の流れと第2の流体の流れとが反対方向であるか、実質的に逆方向である装置から成る。向流傾向を有する交差流モードで運転される熱交換器は本出願の意味で向流熱交換器に含まれる。
【0048】
本発明で使用する各種化合物の略称は下記を意味する:
HFC−134a: 1,1,1,2−テトラフルオロエタン、
HFC−125: ペンタフルオロエタン、
HFC−32: ジフルオロメタン、
HFO−1234ze: 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
HFO−1234yf: 2,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
【0049】
本発明で使用する熱伝達流体は下記の三元混合物である:
(1) HFC−32、HFC−125およびHFO−1234ze、
(2) HFC−32、HFC−125およびHFO−1234yf。
【0050】
「三元混合物」という用語は基本的に3つの化合物から成る組成物を意味し、組成物の少なくとも99%、好ましくは少なくとも99.5%または少なくとも99.9%が上記の3つの化合物から成る。
【0051】
特に断らない限り、本明細書に記載の化合物の配合比率は重量百分率である。
【0052】
HFO−1234zeはシス形でもトランス形でもよく、これらの2つの形の混合物でもよい。
【0053】
上記組成物でHFC−32は5%〜50%の量に存在し、HFC−125は2%〜20%の量で存在し、HFO−1234yfまたはHFO−1234zeは30%〜90%の量に存在する。
【0054】
低温冷蔵プロセス、すなわち、冷却される流体または物体の温度が−40℃から−10℃、好ましくは−35℃〜−25℃、特に好ましくは−30℃〜−20℃(理想的には約−25℃)で使用する場合には、R404aの代替品としての最も有効な化合物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1:15%〜50%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−l25と、30%〜80%のHFO−1234ze、好ましくは30%〜40%のHFC−32と、8%〜20%のHFC−125と、40%〜62%のHFO−1234ze、
(2)組成物2:15%〜35%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−l25と、45%〜80%のFO−1234yf、好ましくは18%〜25%のHFC−32と、8%〜20%のHFC−125と、55%〜74%のHFO−1234yf。
【0055】
中温度での冷却プロセス、すなわち冷却される流体または物体の温度が−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃(理想的には約20℃)で使用する場合、および、中温度での加熱プロセス、すなわち加熱される流体または物体の温度が30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃、特に好ましくは40℃〜50℃(理想的には約45℃)で使用する場合に、HFC−134aの代替品としての最も有効な組成物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1:5%〜30%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−125と、50%〜90%のHFO−1234ze、好ましくは5%〜20%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−125と、60%〜90%のHFO−1234ze。
【0056】
中温度での冷却プロセス、すなわち冷却される流体または物体の温度が−15℃から15℃、好ましくは−10℃〜10℃、特に好ましくは−5℃〜5℃(理想的には約0℃)で使用する場合、および、中温度での加熱プロセス、すなわち加熱される流体または物体の温度が30℃から80℃、好ましくは35℃〜55℃、特に好ましくは40℃〜50℃(理想的には約45℃)で使用する場合には、R404aまたはR407cの代替品としての最も有効な組成物は下記であることが分かっている:
(1)組成物1:20%〜40%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−125と、40%〜75%のHFO−1234ze、好ましくは25%〜40%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−125と、40%〜70%のHFO−1234ze、
(2)組成物2:15%〜35%のHFC−32と、5%〜20%のHFC−125と、45%〜80%のHFO−1234yf、好ましくは18%〜25%のHFC−32と、8%〜20%のHFC−125と、55%〜74%のHFO−1234yf。
【0057】
上記の「低温での冷蔵」プロセスでは、蒸発器での熱伝達流体の吸込み温度は−45℃から−15℃、好ましくは−40℃〜−20℃、特に好ましくは−35℃〜−25℃、例えば約−30℃であるのが好ましく、凝縮器での熱伝達流体の凝縮開始時の温度は25℃から80℃、好ましくは30℃〜60℃、特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約40℃であるのが好ましい。
【0058】
上記の「中温度での冷蔵」プロセスでは、蒸発器での熱伝達流体の吸込み温度は−20℃から10℃、好ましくは−15℃〜5℃、特に好ましくは−10℃〜0℃、例えば約−5℃であるのが好ましく、凝縮器での熱伝達流体の凝縮初期の温度は25℃から80℃、好ましくは30℃〜60℃、特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約50℃であるのが好ましい。
これらのプロセスは冷蔵プロセスでも、空調プロセスでもよい。
【0059】
上記の「中温度での加熱」プロセスでは、蒸発器での熱伝達流体の吸込み温度は−20℃から10℃、好ましくは−15℃〜5℃、特に好ましくは−10℃〜0℃、例えば約−5℃であるのが好ましく、凝縮器での熱伝達流体の凝縮開始温度は25℃から80℃、好ましくは30℃〜60℃、特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約50℃であるのが好ましい。
【0060】
上記熱伝達流体は擬似共沸(quasi-azeotropic)混合物ではなく、向流熱交換器と正しく組み合わされた時(第2の流体との温度差が熱交換器中でほぼ一定である場合)に極めて効果的になる。
【0061】
上記の各熱伝達流体は実際に蒸気圧縮回路中を循環する伝熱組成物にするために1種または複数の添加剤を混合することができる。添加剤は特に潤滑剤、安定剤、界面活性剤、トレーサ、蛍光剤、芳香剤、可溶化剤およびこれらの混合物の中から選択できる。
【0062】
添加剤が存在する場合、安定剤は熱伝達組成物の重量の最大で5%にするのが好ましくい。安定剤の中では特にニトロメタン、アスコルビン酸、テレフタル酸、トルトリアゾールまたはベンゾトリアゾールのようなアゾール、トコフェロールのようなフェノール化合物、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、エポキシド(フッ素化またはパーフッ素化されていてもよいアルキル、または、アルケニルまたは芳香族)、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、アリル・ジグリシジルエーテル、ブチルフェニル・グリシジルエーテル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、チオールおよびラクトンを挙げることができる。
【0063】
潤滑剤としては特に、鉱油起源のオイル、シリコーン油、パラフィン、ナフテン、合成パラフィン、アルキルベンゼン、ポリ−α−オレフィン、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステルおよび/またはポリビニールエーテルを挙げることができる。
【0064】
(検出可能な)トレーサとしては特に、ハイドロフルオロカーボン、重水素化ハイドロフルオロカーボン、重水素化炭化水素、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、臭素化物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素およびこれらの組合せを挙げることができる。トレーサは熱伝達流体を形成する熱伝達化合物とは異なる化合物である。
【0065】
可溶化剤としては特に、炭化水素、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレン・エーテル、アミド、ケトン、ニトリル、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテル、そして、1,1,1−トリフルオロアルカンを挙げることができる。可溶化剤は熱伝達流体を形成する熱伝達化合物とは異なる化合物である。
【0066】
蛍光剤としては特に、ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナンスラセン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセインおよびこれらの誘導体および組合せを挙げることができる。
【0067】
芳香剤としては特に、アクリル酸アルキル、アリルアクリレート、アクリル酸、アクリルエステル、アルキルエーテル、アルキルエステル、アルキン、アルデヒド、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、イソチオシアン酸アリル、アルカノン酸、アミン、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、シクロヘキセン、芳香族複素環式化合物、アスカリドール、o−メトオキシ(メチル)フェノールおよびこれらの組合せを挙げることができる。
本発明組成物はさらに、膨張剤、エーロゾルまたは溶剤としても使用できる。
【実施例】
【0068】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
予想される各種形態での熱伝達流体特性の計算方法
混合物の密度、エンタルピー、エントロピーおよび液体/蒸気平衡データの計算はRK−ソーブ(Soave)式を使用した。この式を使用するためには混合物中で使用される純物質の特性に関する知識と、各二元混合物に対する相互作用係数とを知る必要がある。
各純物質に関する必要なデータは沸点、臨界温、臨界圧、沸点から臨界点までの温度を関数とする圧力曲線および温度を関数とする飽和液体と飽和蒸気の密度である。
HFCに関するデータは非特許文献1に公表されており、また、Refprop(冷媒流体の特性計算のためにNISが開発したソフトウェア)として入手可能である。
【非特許文献1】ASHRAE Handbook 2005, chapter 20
【0069】
HFOの温度−圧力曲線データは静的方法で測定した。臨界温と臨界圧はSetaram社から市販のC80カロリメータを使用して測定した。温度を関数とする飽和密度はLaboratories of the ecole de Mines de Paris (French Engineering School)が開発した振動チューブデンシメータ法で測定した。
【0070】
上記RK−Soave式は混合物中での生成物の行動を表すために二元作用の係数を使用する。それらの係数は実験で得た液体/蒸気平衡データに従って計算される。この液体/蒸気平衡の測定で使用する方法は静的分析法である。平衡セルはサファイヤチューブから成り、2つのRolsitm電磁サンプラを備えており、それをクライオサーモスタット(cryothermostat)浴(Huber HS40)中に浸す。種々の回転速度の磁界で駆動される磁気撹拌を用いて平衡に達するまで加速する。サンプルの解析はカサロメータ(TCD)を使用したガスクロマトグラフィ(HP5890系列II)で実行する。
【0071】
二成分混合物HFC−32/HF0−1234zeでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:15℃。
二成分混合物HFC−32/HF0−1234yfでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:70℃、30℃、−10℃。
二成分のHFC−152a/HFO−32の液体/蒸気平衡データはRefpropから入手できる。この二成分混合物の相互作用係数の計算には3つの等温式(−30℃、0℃および30℃)を使用した。
【0072】
二成分混合物HFC−32/HFO−1243zfでの液体/蒸気平衡測定は次の等温式で実行した:−15℃および0℃。
二成分混合物HFC−125/HFO−1234zeの気‐液平衡測定は次の等温式で実行した:25℃、0℃。
向流蒸発器および凝縮器を備え、スクリュー圧縮機と膨張弁とを有する圧縮システムを考えた。このシステムは15℃の過熱(オーバーヒート)および5℃の過冷却(アンダークーリング)で運転した。二次流体と冷媒流体との間の最小温度差は約5℃とみなされる。
【0073】
コンプレッサの有効効率は圧縮比に依存する。この交換効率は次の式に従って計算した:
【0074】
スクリュー圧縮機の場合、この式(1)の有効効率の定数、b、c、d、eは非特許文献2に記載の標準データに従って計算した。
【非特許文献2】“Handbook of air conditioning and refrigeration”, page 11.52
【0075】
性能係数(COP)はシステムによって提供または消費されるパワーに対するシステムに供給した有効パワーと定義される。
性能のローレンツ係数(COPLorenz)は性能の参照係数で、それは温度に依存し、各流体のCOPを比較するのに使われる。
性能のローレンツ係数(COPLorenz)は下記のように定義される(温度TはKで表される):
【0076】
空調および冷蔵の場合のローレンツCOPは以下の通り:
【0077】
加熱の場合のローレンツCOPは以下の通り:
【0078】
各組成物に対してローレンツ・サイクルの成績係数を対応温度の関数として計算する。
低温冷蔵モードでは、−30℃の蒸発器の冷媒流体の吸込み温度と、40℃の凝縮器の冷媒流体の凝縮開始温度との間で圧縮システムを運転する。このシステムは−25℃で冷蔵熱を与える。
中温度加熱モードでは、−5℃の蒸発器の冷媒流体の吸込み温度と、50℃の凝縮器の冷媒流体の凝縮開始温度との間で圧縮システムを運転する。このシステムは45℃で熱を供給する。
中温度冷却モードでは、−5℃の蒸発器の冷媒流体の吸込み温度と、50℃の凝縮器の冷媒流体の凝縮開始温度との間で圧縮システムを運転する。このシステムは0℃で冷蔵熱を与える。
【0079】
下記の[表]で、
「蒸発器出口温度(Temp. evap outlet)」は蒸発器出口での流体温度を示し、
「コンプレッサ出口温度(Temp. comp outlet)」はコンプレッサ出口での流体温度を示し、
「凝縮器出口温度(T cond outlet)」は凝縮器出口で流体温度を示し、
「蒸発器圧力(evap P)」は蒸発器での流体圧力を示し、
「凝縮器圧力(cond P)」は凝縮器での流体圧力を示し、
「レシオ(w/w)」は圧縮比を示し、
「グライド(Glide)」は温度クライト゛を示し、

「圧縮器効率(comp yield)」はコンプレッサ収率を示し、
「%CAP」は最初の行に記載の基準流体に対する流体の容積キャパシティーを示し、
「%COP/COPLorenz」は対応するローレンツ・サイクルのCOPに対するそのシステムのCOPの比を示す。
【0080】
実施例2
低温冷蔵の結果、R404aとの比較
【0081】
上記の表および以下の表で「灰色」にしたラインは特許文献5(米国特許公開第US2009/025065号明細書)および特許文献6(国際特許第WO2010/002014号公報)に開示の組成物に対応し、その下のラインは本発明の組成物に対応する。
【特許文献5】米国特許公開第US2009/025065号明細書
【特許文献6】国際特許第WO2010/002014号公報
【0082】
実施例3
中温度での冷却での結果、HFC−134aとの比較
実施例4
中温度での加熱での結果、HFC−134aとの比較
実施例5
中温度での冷却での結果、R404aおよびR407cとの比較
実施例6
中温度冷却での結果、R404aとの比較
実施例7
中温度加熱での結果、R404aとの比較