【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点は、被検眼の視野を測定して、その結果を測定結果(MR)として出力する視野測定手段(13)を有する視野計(2)であって、
該視野計は、
過去において測定された多数の被検眼の視野測定結果のうち、正常眼に関する測定結果を正常眼に関するデータベース(DB1)として格納した測定データベースメモリ(17)、
得られた測定結果(MR)が前記正常眼の測定結果として使用可能か否かを
統計的に判定する正常眼データ判定手段(16)、
前記正常眼データ判定手段により、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能と判定された場合に、該
得られた測定結果を、データベース検索用属性データ(例えば、被検眼の被検者についての年齢、性別、人種、視力、屈折率、病名、住居地、検査日時などのデータ)と共に前記正常眼に関するデータベース(DB1)に追加処理する、データベース管理手段(15)、
を有して構成されるものである。
なお本発明の視野計は、視野計本体にコンピュータ機能を組み込んで構成することもできるし、視野計の測定部と市販のパーソナルコンピュータを接続した形で構成することもできる。
【0007】
本発明の第2の観点は、前記測定データベースメモリ(17)は、前記正常眼に関するデータベースに加えて緑内障眼に関するデータベースを格納しており、過去
において測定された多数の被検眼の視野測定結果を、前記正常眼に関するデータベース(DB1)と緑内障眼に関するデータベース(DB2)とに区分する形で測定データベース(MDB)として格納した、
ことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第3の観点は、前記正常眼についての視野測定における各測定点の被検眼の感度分布を示す感度分布データ(DA1)を格納する感度分布メモリを有し、
前記正常眼データ判定手段(16)は、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能か否かを、該
得られた測定結果が前記感度分布データ(DA1)の、最低感度領域以上で、最高感度領域以下の中間感度領域に含まれるか否かを判定し、該中間感度領域に含まれる場合には、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能と判定する、
ことを特徴とする点である。
【0009】
本発明の第4の観点は、正常眼における視野角に対する感度分布を示す視野角−感度分布モデル(DA2)を格納するモデルメモリを有し、
前記正常眼データ判定手段(16)は、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能か否かを、該
得られた測定結果の前記視野角−感度分布モデルに対する乖離度が所定値以下であるか否かで判定し、該所定値以下の場合には、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能と判定する、
ことを特徴とする点である。
【0010】
本発明の第5の観点は、前記測定データベースメモリ(17)から前記正常眼に関するデータベース(DB1)を読み出して、各測定点の被検眼の感度の分布を示す感度分布データ(DA1)を演算して、前記感度分布メモリに格納する、感度分布演算手段(16)を有する、
ことを特徴とする点である。
【0011】
本発明の第6の観点は、前記測定データベースメモリ(17)から前記正常眼に関するデータベース(DB1)を読み出して前記視野角−感度分布モデル(DA2)を演算して、前記モデルメモリに格納する、分布モデル演算手段(16)を有する、
ことを特徴とする点である。
【0012】
本発明の第7の観点は、前記正常眼についての視野測定における各測定点の被検眼の感度分布を示す感度分布データ(DA1)を格納する感度分布メモリ、
正常眼における視野角に対する感度分布を示す視野角−感度分布モデルを格納するモデルメモリを有し、
前記正常眼データ判定手段(16)は、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能か否かを、
1)前記
得られた測定結果が前記感度分布データ(DA1)の、最低感度領域以上で、最高感度領域以下の中間感度領域に含まれるか否か、
2)前記
得られた測定結果の前記視野角−感度分布モデル(DA2)に対する乖離度が所定の値以下であるか否か、
で判断し、前記
得られた測定結果が、前記中間感度領域に含まれ、かつ前記
得られた測定結果の前記視野角−感度分布モデルに対する乖離度が所定値以下の場合には、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能と判定する、
ことを特徴とする点である。
【0013】
本発明の第8の観点は、前記測定データベースメモリから前記正常眼に関するデータベースを読み出して、各測定点の被検眼の感度の分布を示す感度分布データを演算して、前記感度分布メモリに格納する、感度分布演算手段及び、
前記測定データベースメモリから前記正常眼に関するデータベースを読み出して前記視野角−感度分布モデルを演算して、前記モデルメモリに格納する、分布モデル演算手段を有する、
ことを特徴とする点である。
【0014】
本発明の第9の観点は、前記正常眼データ判定手段(16)により、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用できないものと判定された場合に、当該判定結果をディスプレイ(20)に表示する、判定結果出力手段(19)を有し、
前記データベース管理手段(15)は、入力手段から、前記
得られた測定結果(MR)が緑内障のものであることを指定する信号が入力された場合に、該
得られた測定結果を、データベース検索用属性データと共に前記緑内障眼に関するデータベース(DB2)に追加処理する、
ことを特徴として構成される点である。
【0015】
本発明の第10の観点は、被検眼の視野を測定して、その結果を測定結果として出力する視野測定手段を有する視野計であって、
該視野計は、
過去
において測定された多数の被検眼の視野測定結果のうち、正常眼に関する測定結果を正常眼に関するデータベースとして前記視野計の外部に設けられた測定データベースメモリに格納するデータ格納手段、
得られた測定結果が正常眼の測定結果として使用可能か否かを
統計的に判定する正常眼データ判定手段、
前記正常眼データ判定手段により、前記
得られた測定結果が前記正常眼の測定結果として使用可能と判定された場合に、該
得られた測定結果を、データベース検索用属性データと共に前記正常眼に関するデータベースに追加処理する、データベース管理手段、
を有する点である。
【0016】
本発明の第11の観点は、前記正常眼に関するデータベースは、
正常眼とされる被検眼の複数の測定結果を、前記視野計が実際に被検眼の測定に使用される前にデータベースとして予め前記測定データベースメモリに格納されたデフォルトデータベースと、
前記視野計で測定した測定結果を順次追加処理することで、当該視野計で測定した正常眼の測定結果が多数蓄積され
る蓄積データベース
と、
をそれぞれ分離した形で前記測定データベースメモリに格納
する、ことである。
【0017】
本発明の第12の観点は、前記デフォルトデータベース及び蓄積データベースに対して、前記データベース検索用属性データをパラメータとして前記測定結果を検索抽出し、新たなデータベースを生成構築するデータベース生成手段を設けた点である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1及び第2の観点によれば、被検眼の視野を測定するたびに、測定結果が正常眼データ判定手段(16)により、正常眼の測定結果として使用可能か否かが判定され、測定結果が正常眼の測定結果として使用可能と判定された場合に、データベース管理手段(15)が測定結果を、データベース検索用属性データ(例えば、被検眼の被検者についての年齢、性別、人種、視力、屈折率、病名、住居地、検査日時などのデータ)と共に正常眼に関するデータベース(DB1)に追加処理するので、正常眼に関する被検眼の視野測定の結果が選択的にデータベースとして集積され、その後の被検眼の診断をする際に適切に利用することが出来る。
【0019】
また、測定結果が正常眼の測定結果として使用できないものと判定された場合には、第9の観点で示したように、判定結果をディスプレイ(20)に表示し、入力手段から、測定結果(MR)が緑内障のものであることを指定する信号が入力された場合に、測定結果を、データベース検索用属性データと共に緑内障眼に関するデータベース(DB2)に追加する処理を行うので、緑内障眼に関しても、被検眼の視野測定の結果が選択的にデータベースとして集積され、その後の被検眼の診断をする際に適切に利用することが出来る。
【0020】
本発明の第3及び第4の観点によれば、測定結果が正常眼の測定結果として使用可能か否かを、各測定点の被検眼の感度分布を示す感度分布データ(DA1)又は、視野角−感度分布モデル(DA2)に基づいて判定されるので、測定結果を統計的又は生理学的な観点から自動的に判定することが出来、判定の精度を向上させることが出来る。
【0021】
本発明の第5及び第6の観点によれば、感度分布データ(DA1)又は、視野角−感度分布モデル(DA2)が、視野計に格納された正常眼に関するデータベース(DB1)に基づいて演算されるので、当該視野計における過去の計測データを反映することが出来、視野計の設置された地域的な特色などを反映させることが出来る。
【0022】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。