特許第5936610号(P5936610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936610
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】血管内注入装置の腔内搬送のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20160609BHJP
   A61F 2/958 20130101ALI20160609BHJP
【FI】
   A61M25/00
   A61F2/958
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-518589(P2013-518589)
(86)(22)【出願日】2011年6月28日
(65)【公表番号】特表2013-533789(P2013-533789A)
(43)【公表日】2013年8月29日
(86)【国際出願番号】US2011042252
(87)【国際公開番号】WO2012006124
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年6月27日
(31)【優先権主張番号】61/359,242
(32)【優先日】2010年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512227270
【氏名又は名称】コリブリ ハート バルブ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】COLIBRI HEART VALVE LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュ,デビッド,アール.
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−500761(JP,A)
【文献】 特開2005−103321(JP,A)
【文献】 特表平09−501594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61F 2/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脈管構造を通じて、自然心臓弁座への腔内搬送を使用して、患者の自然心臓弁を治療するためのシステムであって、
ステントバルブと、
先端部分を含んだ外側搬送鞘であって、少なくとも一部が前記患者の前記脈管構造に挿入される大きさであり、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、膨張可能であり、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、電気的に活性化することで前記外側搬送鞘の前記先端部分を膨張させるように構成された複数の圧電セラミック素子を含んでいる、外側搬送鞘と、
カテーテルシャフトの先端部に位置する運搬セグメントであって、前記外側搬送鞘の前記先端部分内において前記ステントバルブを一時的に保持する大きさの外面を有し、前記カテーテルシャフトの少なくとも一部が前記外側搬送鞘内において前記外側搬送鞘と同軸に位置する運搬セグメントと、
前記外側搬送鞘と同軸に位置する搬送セグメントであって、前記ステントバルブが前記外側搬送鞘の前記先端部分内に存在するときに、前記ステントバルブが前記運搬セグメントから引き離された後、前記ステントバルブ内に半径方向に適合する大きさの外面を有し、前記自然心臓弁座の場所において、前記ステントバルブに適合するように構成された搬送セグメントと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記先端部分は、外側搬送鞘の内面に浅いフランジを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記外側搬送鞘の内面の一部は、ガイドをさらに備えており、
前記ガイドは、(a)ルーメンおよび(b)グロメットの少なくとも1つを備えており、
前記ガイドは、前記ステントバルブの選択的な保持のための、少なくとも1つの制御ラインを保持する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記運搬セグメントは前記カテーテルシャフト上に位置しており、前記搬送セグメントは、前記カテーテルシャフトと同軸である搬送セグメントシャフトであって、前記カテーテルシャフトに対して軸方向に移動可能な搬送セグメントシャフトに付随することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記運搬セグメントは、前記搬送セグメントのために膨張された直径よりも小さい膨張された直径を有する膨張可能なバルーンであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記搬送セグメントは、前記運搬セグメントのために拡張された直径よりも大きい拡張された直径を有する膨張可能なバルーンであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記運搬セグメントおよび前記搬送セグメントの少なくとも1つは、マンドレルであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記マンドレルは、機械的または電気機械的手段によって、膨張可能であることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記搬送セグメントは、軸方向において前記運搬セグメントに近接して位置することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記搬送セグメントは、当該搬送セグメントにおける前記ステントバルブの捕捉および保持を助けるための磁石を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1または複数の本発明の実施形態は、外科的な方法及び装置に関するものであり、特に、身体内の場所への血管内注入装置の腔内搬送のための、外科的な方法及び装置に関するものである。
【0002】
説明の目的のため、但し限定的ではないが、1または複数の本発明の実施形態は、以下において、心臓内に位置する弁座への経皮的心臓弁の搬送に関連して、論じられる。しかしながら、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、他の腔内搬送を用途としても適用できることが、理解されるべきである。
【背景技術】
【0003】
経皮的大動脈弁は、例えば、エドワードライフサイエンスLLC(アーバイン、カリフォルニア)の商品名SAPIEN(登録商標)によって利用可能であり、概して、そこへ取り付けられたバルブリーフレットを有する膨張可能なフレームを利用する。この膨張可能なフレームは、基本的に、バルブリーフレット(好ましくは、組織細胞膜の形式で)がその一部に取り付けられたステントを備える。このため、これらの経皮的大動脈弁は、一般的に“ステントバルブ”と呼ばれる。概して、経皮的大動脈ステントバルブは、収縮したバルーンカテーテルが押し込められている。一体化されたアセンブリが、カバーする鞘を通って大腿動脈へ挿入され、そして、一体化されたアセンブリが、腸骨動脈および大動脈を通って、弁座へ腔内搬送される。弁座において、バルーンは、ステントバルブが弁座にセットされるように、ステントの膨張のために利用され、それから、バルーンは、収縮され、そして、最終的に、バルーンカテーテルが回収され、すぐに、ステントバルブのリーフレットは、病気にかかった大動脈弁の自然なリーフレットの代わりに動作する。
【0004】
上記記載されている類の経皮的心臓弁は、現在、特に、旧来の開腹心臓弁交換手術の障害に耐えることができない、初老のおよび/または別の衰弱した患者に対して、大きな期待を表す。
【0005】
残念なことに、現行の経皮的心臓弁システムは、比較的大きな搬送/配置器具の利用が要求される。より詳しく説明すると、内部バルーンは、ステントバルブのステント部分を、自然な弁座の最大サイズへ膨張させることができるものでなくてはならず、また、
この完全に膨張可能なバルーンの収縮時のサイズは、比較的大きく、また、ステントバルブは、バルーンの外側の周囲に配置される必要があり、搬送/配置器具の全体のサイズが必然的に大きくなる。一例として、但し限定的ではないが、上記エドワードのSAPIEN(登録商標)搬送/配置器具は、概して、直径がおよそ7から8mmある。
【0006】
臨床的に、患者の脈管系への好ましいアクセスは、大腿動脈を介し、それに引き続き腸骨動脈および大動脈を介した大動脈弁座への搬送であるから、これは外科医にとって重大な問題を呈するものである。しかしながら、大腿動脈は、概して直径が5から8mmであり、この5〜8mmの幅は、経皮的大動脈弁置換手術の候補者の人口の十分な割合を占めることが見込まれる、全初老の女性患者の一般人口がこの範囲の小さい方の限界である(例えば、おそらく直径が5〜6mmである)からである。従って、7〜8mm(直径)のSAPIEN(登録商標)器具が、初老の女性患者の5〜6mm(直径)の大腿動脈を通過することは、特に、大腿動脈が曲がりくねっており、狭窄および/または閉塞している場合、困難または不可能である。外科的切開は、ステントバルブアセンブリに順応するのに十分に大きい腸骨の大腿動脈(例えば、骨盤内)のより高いレベルへ接近するために、時々要求されてきた。しかしながら、この手法は、概してより侵襲的であり、しばしば、例えば動脈障害および大量出血というような、合併症の結果を招く。
【0007】
図1を参照すると、従来技術において知られている、ステントバルブまたはカテーテルによる搬送可能な器具の概略側面図が示されている。このステントバルブは、およそ25mmの膨張した直径を有し得る。しかしながら、このステントバルブは、およそ4mmの直径に圧縮され得る。図2に示されているように、ステントバルブの膨張を成し遂げるため、25mmの直径に膨らませることができる、典型的な従来技術の大径搬送用バルーンカテーテルに取り付けられ得る。しかしながら、大径搬送用バルーンカテーテルに取り付けられたステントバルブ直径は、おそらく18Frまたは6mmとなり、一部の患者の大腿動脈には大きすぎて収まらないだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような理由のため、身体内への場所への血管内注入装置の腔内搬送のための、新たに改良された方法および器具が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1または複数の本発明の実施形態が種々の異なるバージョンまたは実施形態を含むことが理解され、以下の手段は、限定的または包括的となるように意図されたものではない。以下の手段は、実施形態の一部の概要を提供するものであるが、他の実施形態のいくつかのさらなる特徴の記載を含み得る。
【0010】
最初の考えとしては、比較的小さな大腿動脈におけるステントバルブの設置の困難性に関連する解決手法は、小さな搬送器具の利用である。それ故、小径の搬送バルーンが、上記問題の対処に最初に取り組むものとして現れる。しかしながら、図3を参照すると、もし、小径の搬送バルーンカテーテルが利用され、それからステントバルブが比較的小径に圧縮され得る場合、小径搬送バルーンは、ステントバルブを25mmへ完全に膨張させることができない。つまり、小径搬送バルーンは、ステントバルブを、例えば直径がおよそ10mmにしか膨張させることができない。
【0011】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、生体内の場所へ血管注入器具を腔内搬送するための、新たな方法および器具を提供することにより、従来技術に伴う前述の問題に対処し、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、患者の脈管系(例えば、大腿動脈というような比較的小さな血管径)への分割挿入に対し、ステントバルブ搬送器具の体積を小径の部品に分割し、これらの部分を、上記集められた構成部品の原寸に対応しうる患者の脈管系(例えば、大腿動脈というような比較的大きな血管径)の他の部分内に再び集める原理を利用する。バルーンの膨張作業を、段階的な方法で活性化させた2つの直列的に配置されたバルーンに分割することにより、ステントバルブは、より小さな外形を伴って搬送され、さらに、弁座における完全なステントバルブの膨張が確実に行われ得る。それ故、新たな器具および方法は、その“運搬セグメント”から同じまたは別々のカテーテル上に存在する他の“搬送セグメント”への体内への挿入、および、ステントバルブに適切な径に膨張可能な“搬送セグメント”からのステントバルブの配置の後、例えばステントバルブのような搬送可能な器具の移動を伴うことを提案する。
【0012】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態において、ステントバルブは、利用および運送の準備のために包装された予め組み立てられた搬送システム内に、予め取り付けられ得る。
【0013】
1または複数の本発明の第1の好ましい形態において、第1の“運搬”バルーンおよび第2の“搬送”バルーンは、例えば大動脈のようなより大きな血管への独立した搬送のため、個別の挿入要素に対して、別々に取り付けられる。ここで、第2の“搬送”バルーンは、それから部分的に膨張されたステントバルブ(the then-partially-expanded stent-valve)に結合される。この形で、各々のバルーンは、自身の挿入要素を介して、独立的に大動脈へ前進される。
【0014】
1または複数の本発明の第2の好ましい形態において、第1および第2のバルーンは、単一の挿入要素に対して、直列的に配置される。この際、第1の“運搬”バルーンは、第2の“搬送”バルーンの遠位において(または、随意的には、近接して)、挿入要素に取り付けられる。単一の挿入要素は、この形で、ステントバルブに対して、第1の“運搬”バルーンおよび第2の“搬送”バルーンを順次配置するために用いられる。
【0015】
1または複数の本発明の第3の好ましい形態において、第1の“運搬”バルーンおよび第2の“搬送”バルーンは、挿入要素に対して、別々に取り付けられるが、これらの挿入要素は、2つの挿入要素間の入れ子動作(および、それに従った第1の“運搬”バルーンと第2の“搬送”バルーンとの間の入れ子動作)を可能とするために、同軸となるように配置される。この形で、第1の“運搬”バルーンシャフトは、先導するガイドワイヤに対して同軸上に取り付けられ、第2の“搬送”バルーンのための、頑丈なガイドワイヤとして機能し得る。
【0016】
前述に加えて、第1の“運搬”バルーンを介したステントバルブの初期膨張の後、第1の“運搬”バルーンカテーテルは、成形されたカテーテル要素によって、除去および再配置され得る。ここで、成形されたカテーテル要素は、中心動脈を横断する際に、および自然な弁座の面を横切る際に(及び随意的には、自然な弁座を用意する際に)、ガイドおよびアシストを提供するためのものである。この成形されたカテーテル要素は、挿入要素において、必要に応じて、第2の“搬送”バルーンまたは第1の“運搬”バルーンに対して遠位に配置され得る。
【0017】
必要に応じて、第1の“運搬”バルーンは、代わりに、他の膨張可能な器具に成り得る。例えば、第1の“運搬”バルーン(ステントバルブのための配置セグメントを構成する)は、膨張可能なマンドレル(心棒)に成り得る。代わりに、ステントバルブは、初期的には、膨張不可能な要素(すなわち、簡単な薄型のマンドレル、または搬送カテーテルの他のセグメント)に配置され得る。
【0018】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、大動脈弁座へのステントバルブの搬送に関連して議論される場合があるが、他のバルブの他の弁座への搬送、および/または、生成内における他の場所への他の血管内注入装置の搬送にも利用し得ることが、理解されるべきである。
【0019】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、生体の動脈系を通り抜けるステントバルブの前進に関連して議論される場合があるが、生体の静脈系を通り抜けるステントバルブの前進、または、生体のいくつかの他の内腔システムを通りぬける器具の腔内進出のために利用され得ることが、理解されるべきである。
【0020】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態において、覆い鞘(これを通って血管内に進出するさまざまな要素が通り抜ける)は、ステントバルブの初期膨張、覆い鞘内における第1の“運搬”バルーンおよび第2の“搬送”バルーンの交換を許容し、器具の継続的な保護を可能とするために、フレキシブルおよび膨張可能であり得る。
【0021】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、生体内の場所への血管内注入装置の腔内搬送のための、新たな方法および器具を提供する。
【0022】
それ故、ここに記載された少なくとも1つの実施形態は、大腿動脈内に別々に挿入され、それから、大動脈内で組立てられ、その後、バルブ面における配置のために前進する、ステントバルブおよび搬送システムを対象とする。これは、動脈(または、肺動脈弁のための血管)のアクセス径のサイズの制限が、最も大きなシステム(効果的なステント/バルブそれ自身)単体によって決定されることを意味する。ステント/バルブがバルーンカテーテルなしで圧縮される場合、既に達成されている、18から24フレンチよりむしろとても小さい14フレンチの鞘による、血液の循環へのバルブの搬送を可能とする。
【0023】
少なくとも1つの実施形態において、インライン二重バルーン搬送カテーテルシステムは、カテーテルの先端部において先導/搬送バルーンまたはマンドレルである運搬セグメントを含み、当該運搬セグメントは、カテーテルシャフトの先端部において、より近くに配置された搬送セグメントと一緒に、直列に配置される。本質的に、第1の“運搬”バルーンは、収縮された第2の“搬送”バルーンを受け取るために十分な量のステントバルブを膨張させる必要があるのみであるから、第1の“運搬”バルーンは、その収縮した状態において、かなり小さくなり得る。さらに、ステントバルブは、単一の比較的大きな配置用バルーンへ取り付けるというこれまでの必要性に制限されず、比較的小さな第1の“運搬”バルーンへの取り付けのため、その最小の構造的直径に圧縮され得る。その結果、結合されたアセンブリ(すなわち、運搬バルーンカテーテルおよびステントバルブ)は、患者の脈管系へアクセスする際に、これまでの搬送器具よりも、非常に小径となり得る。同時に、その後のステントバルブの第2のより大きな“搬送”バルーンとの結合により、ステントの十分な膨張が、バルブの確実な配置を保証するために提供される。
【0024】
少なくとも1つの実施形態において、鞘の包囲を伴いまたは伴わずに、網状のワイヤ“ステント”が提供され、その長さは、直径に直結している。ニチノールまたは他の合金ワイヤは、膨張された鞘形状をなし、そして、ワイヤ後端における引っ張り力によって圧縮される。鞘端部の膨張を要求する手順のポイントにおいて、引っ張り力が解放され、機械的にバイアスされたオープンポジションへの膨張が可能となる。代わりに、トラクションワイヤは、鞘内において、ワイヤ織の遠端に取り付けられ得る。そこに適用される引っ張り力は、鞘の遠端部の膨張および短縮を同時に引き起こし、それによって、下層の取り付けられたステントバルブが有利に解放され、配置のためのその露出が行われる。
【0025】
少なくとも1つの実施形態において、搬送バルーンにおいて、磁気的または電磁気的手段によって、ステントバルブフレームを保持するためのメカニズムが提供される。このフレームは、鉄類要素で構成された、または、鉄類要素を含むことが、好ましい。そのような手段によれば、ステントバルブは、覆う鞘を必要とすることなく、脈管系を通って、しっかりと前進され得る。それにより、搬送手順およびシステムが単純化する。ステントバルブは、バルーンセグメントにおいて、磁力によって保持される。
【0026】
少なくとも1つの実施形態において、ステントバルブの配置のため、及び、必要に応じて後のステントバルブの回収にも、磁力を利用する器具が提供される。上記器具は、病気にかかった自然弁の面においてステントバルブのバルーン膨張を可能とするようなレベルに定められた磁力を利用する。ステントバルブのフレームが、磁石から押しのけられるに従い、保持力が弱まり、それにより、抵抗のない最終的な器具の膨張が可能となる。個々のカテーテルに取り付けられた強力磁石/電磁石は、ステントバルブの回収または再配置に利用され得る。さらに、回収可能なカテーテルに取り付けられた強力磁石は、自然弁座からステントバルブフレームを回収するために利用され得る。
【0027】
説明の目的のため、但し限定的ではないが、1または複数の本発明の実施形態は、以下において、人工のステントバルブの大動脈弁座への搬送に関連して、論じられる。しかしながら、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、他の腔内搬送を用途としても適用できることが、理解されるべきである。
【0028】
従って、少なくとも1つの実施形態において、患者の脈管構造を通じて、前記患者内の搬送場所へ、搬送可能な器具の腔内搬送を行うためのシステムが提供され、このシステムは、
先端部分を含んだ外側搬送鞘であって、少なくとも一部が前記患者の前記脈管構造に挿入される大きさである外側搬送鞘と、
カテーテルシャフトの先端部に位置する運搬セグメントであって、前記外側搬送鞘の前記先端部分内において前記搬送可能な器具を一時的に保持する大きさの外面を有し、前記カテーテルシャフトの少なくとも一部が前記外側搬送鞘内において前記外側搬送鞘と同軸に位置する運搬セグメントと、
前記外側搬送鞘と同軸に位置する搬送セグメントであって、前記搬送可能な器具が前記外側搬送鞘の前記先端部分内に存在するときに、前記搬送可能な器具が前記運搬セグメントから引き離された後、前記搬送可能な器具内に半径方向に適合する大きさの外面を有し、前記搬送場所において、前記搬送可能な器具に適合するように構成された搬送セグメントと、を備える。
【0029】
前述に加え、少なくとも1つの実施形態において、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、膨張可能である。少なくとも1つの実施形態において、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、1または複数の電気的活性素子を備える。少なくとも1つの実施形態において、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、1または複数の圧電セラミック素子を備える。少なくとも1つの実施形態において、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、前記運搬セグメントおよび前記搬送セグメントの少なくとも1つによって与えられた、外側への半径方向力によって、受動的に膨張可能な素材を備える。少なくとも1つの実施形態において、前記外側搬送鞘の前記先端部分の少なくとも一部は、前記先端部分の少なくとも一部に対する張力を利用して膨張する。
【0030】
少なくとも1つの実施形態において、前記先端部分は、前記先端部分の内面から半径方向に内側に延伸する、内部突起および狭窄部の少なくとも1つを含んでいる。
【0031】
少なくとも1つの実施形態において、外側搬送鞘の内面の少なくとも一部は、前記外側搬送鞘または前記外側搬送鞘と同軸の構造物の少なくとも1部を選択的に操作するように構成された縦方向に伸張する要素の、少なくとも1部を保持するためのガイドをさらに備える。少なくとも1つの実施形態において、前記外側搬送鞘の内面の一部は、ガイドをさらに備えており、前記ガイドは、(a)ルーメンおよび(b)グロメットの少なくとも1つを備えており、前記ガイドは、前記搬送可能な器具の選択的な保持のための、少なくとも1つの制御ラインを保持する。
【0032】
少なくとも1つの実施形態において、前記運搬セグメントおよび前記搬送セグメントは、両方とも前記カテーテルシャフト上に位置している。少なくとも1つの実施形態において、前記運搬セグメントは前記カテーテルシャフト上に位置しており、前記搬送セグメントは、前記カテーテルシャフトと同軸である搬送セグメントシャフトであって、前記カテーテルシャフトに対して軸方向に移動可能な搬送セグメントシャフトに付随する。少なくとも1つの実施形態において、前記運搬セグメントは、前記搬送セグメントのために膨張された直径よりも小さい膨張された直径を有する膨張可能なバルーンである。少なくとも1つの実施形態において、前記搬送セグメントは、前記運搬セグメントのために拡張された直径よりも大きい拡張された直径を有する膨張可能なバルーンである。少なくとも1つの実施形態において、前記運搬セグメントおよび前記搬送セグメントの少なくとも1つは、マンドレルである。少なくとも1つの実施形態において、前記マンドレルは、機械的または電気機械的手段によって、膨張可能である。少なくとも1つの実施形態において、前記マンドレルは膨張不可能である。
【0033】
少なくとも1つの実施形態において、前記搬送セグメントは、軸方向において前記運搬セグメントに近接して位置する。少なくとも1つの実施形態において、前記搬送セグメントは、軸方向において前記運搬セグメントの遠位に位置する。
【0034】
少なくとも1つの実施形態において、運搬セグメントおよび搬送セグメントの一方または双方は、搬送可能な器具の操作を補助するための、少なくとも1つの磁石または電磁石を含む。
【0035】
少なくとも1つの実施形態において、患者内の搬送場所への搬送可能な器具の血管内注入搬送のためのアセンブリが提供され、このアセンブリは、
第1のカテーテルシャフトを含んでいる第1のカテーテルと、
前記第1のカテーテルシャフトに沿って位置する運搬セグメントであって、前記患者内へ前記第1のカテーテルが挿入される前に前記搬送可能な器具を受け取るように構成された運搬セグメントと、
運搬セグメントと関連する軸方向に連続して位置された搬送セグメントであって、前記搬送可能な器具が前記第1のカテーテルの少なくとも1部に対して同軸である間、前記患者内の前記搬送可能な器具に組み合うように構成され、その後、前記搬送場所において前記搬送可能な器具を配置するように構成された搬送セグメントと、
を備える。
【0036】
少なくとも1つの実施形態において、前記搬送セグメントもまた、前記第1のカテーテルに沿って位置する。少なくとも1つの実施形態において、前記搬送セグメントは、第2のカテーテルに沿って位置し、前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルを貫通する同軸ルーメンを有する。少なくとも1つの実施形態において、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルの少なくも1つは、湾曲した先端部分を備える。
【0037】
1または複数の本発明の1または複数の実施形態は、ステントバルブのような器具の、患者内への搬送方法にも関する。従って、少なくとも1つの実施形態において、患者の脈管構造を通じて、前記患者内の目標の場所へ、搬送可能な器具を搬送する方法が提供され、この方法は、
少なくとも一部が外側搬送鞘内および同軸に位置するカテーテルシャフトに沿って配置された、選択的に膨張可能な運搬セグメントへの、前記搬送可能な器具の取り付けと、
前記外側搬送鞘およびカテーテルシャフトの前記患者内への挿入と、
前記選択的に膨張可能な運搬セグメントおよび前記搬送可能な器具を前記目標の場所へ位置させるための、前記患者内への前記外側搬送鞘の移動と、
前記搬送可能な器具が、前記外側搬送鞘内に少なくとも部分的に残っている間、前記選択的に膨張可能な運搬セグメントを利用した前記搬送可能な器具の部分的な膨張と、
前記搬送可能な器具内への搬送セグメントの半径方向への配置、および、前記搬送可能な器具に前記搬送セグメントを容易にかみ合わせるための前記搬送セグメントの部分的な膨張と、
前記搬送セグメントおよび前記搬送可能な器具の前記目的の場所への移動と、
前記搬送セグメントのさらなる膨張による、前記搬送可能な器具の前記目標の場所への配置と、を含む。
【0038】
様々なコンポーネントは、“実施可能な関連要素”としてここで参照される。ここで利用された、“実施可能な関連要素”との記載は、実施可能な方法においてともに連結されているコンポーネントを言い、追加のコンポーネントが2つの連結されているコンポーネントの間に配置されている実施形態だけでなく、コンポーネントが直接に連結されている実施形態を包含する。
【0039】
ここで利用された、“少なくとも1つ”、““1または複数”、および““および/または”は、実施において、接続的および離接的の両方を含む、制限のない表現である。例えば、“A,B,およびCの少なくとも1つ”、“A,B,またはCの少なくとも1つ”、“A,B,およびCの1または複数”、“A,B,またはCの1または複数”、及び、“A,B,および/またはC”の各々は、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AとBと共に、AとCと共に、BとCと共に、または、AとBとCと共に、を意味する。
【0040】
本発明の様々な実施形態は、添付図面および詳細な説明において示され、ここに提供され、クレームによって具体化される。しかしながら、以下の手段は、1または複数の本発明の全ての側面および実施形態を含まず、制限となる、または、いずれかの様態での制限を意味するものではないことが理解されるべきであり、そして、ここに開示されたものとしての本発明は、そこへの明白な改良および変更を包含するものであることが当業者によって理解されるべきである。
【0041】
1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態のさらなる効果は、次の議論から、特に、添付の図面と総合すれば、容易に明らかになるだろう。
【0042】
1または複数の本発明の、上記および他の効果および特徴のさらなる明確化のため、1または複数の本発明のさらなる詳細な説明は、添付図面に図示された特定の実施形態を参照することによって表現される。これらの図面は、1または複数の本発明の典型的な実施形態のみを表現するが、その範囲を限定的に判断するためのものではないことが、理解されるべきである。1または複数の本発明は、付加的な特異性および詳細とともに、添付の図面の利用を通じて、記載および説明される。
【0043】
ここに示された図面において、押しつぶされた状態のバルーンは、大きさの違いを強調するために部分的に膨張されたものとして描かれている。さらに、バルーンカテーテルワイヤ内腔及び膨張内腔は、明確化のために省略されている。
【0044】
なお、図面は、スケールを正しく表現しているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、従来技術において知られている、カテーテルによる搬送可能な器具フレーム(またはステントバルブ)の概略側面図である。
図2図2は、収縮した状態における典型的な従来技術の大径搬送バルーンカテーテルの概略側面図である。
図3図3は、収縮した状態における小径搬送バルーンカテーテルの概略側面図である。
図4A図4Aは、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態に基づく、インライン二重バルーン搬送システムの側面図である。
図4B図4Bは、図4Aに示されたシステムの側面図であり、より大きな搬送バルーン(カテーテル膨張ポート、ルーメン(内腔)、ワイヤルーメンは、明確化のために示されていない)に順応させるための、ステントバルブの部分的な膨張のために、運搬バルーンが拡大される。
図4C図4Cは、図4Bに示されたシステムの側面図であり、搬送バルーンが、ステントバルブへのドッキングまたは捕捉のためにステントバルブ内へ前進するにつれて、収縮した運搬バルーンは、部分的に膨張した弁器具の外へ前進する。
図4D図4Dは、図4Cに示されたシステムの側面図であり、運搬バルーンは、病気にかかった心臓弁の面を搬送システムが容易に横断できるよう、随意的に膨らんでおり、そして、搬送バルーンは、ステントバルブの捕捉およびその後の配置のため、ステントバルブにまたがって位置している。
図4E図4Eは、図4Dに示されたシステムの側面図であり、ステントバルブが心臓弁の面に位置した後、心臓弁座の位置でステントバルブを露出させるため、および、ステントバルブが膨張した場合に配置を可能とするため、鞘は回収される。
図4F図4Fは、図4Eに示されたシステムの側面図であり、ステントバルブは弁座に位置し、鞘は回収され、それから、搬送バルーンはステントバルブの配置のために膨張する。
図5A図5Aは、1または複数の本発明の他の実施形態に基づくカテーテル搬送システムの側面図であり、運搬バルーンシャフトは、搬送バルーンの中心同軸ルーメンを通り抜ける(中心ルーメンの壁は明確化のため省略されている)。
図5B図5Bは、図5Aに示されたシステムの側面図であり、先導する運搬バルーンの部分的な膨張は、搬送カテーテルの患者の動脈内への容易な挿入のための“ノーズコーン”として利用され得る。
図5C図5Cは、図5Bに示されたシステムの側面図であり、先導する運搬バルーンの完全な膨張は、膨張可能な鞘セグメント内でステントバルブを部分的に膨張させる。
図5D図5Dは、図5Cに示されたシステムの側面図であり、“(1)”において、先導する運搬バルーンは収縮およびステントバルブの外へ前進し、“(2)”において、搬送バルーンは、ステントバルブへのドッキングまたは捕捉のため、ステントバルブの内側の位置に前進する。
図5E図5Eは、図5Dに示されたシステムの側面図であり、先導する運搬バルーンおよびガイドワイヤは、最初に左心室(自然大動脈弁座に埋め込まれる場合)内へ前進し、そして、先導する運搬バルーンシャフトは、それからバルーンカテーテルの搬送のためのガイドレールとして作用する。
図6A図6Aは、鞘の実施形態の側面図であり、引っ張り力は、織り鞘を伸張し、その直径を削減する。そして、引っ張り力の解放は、織り鞘を縮め、その直径を拡大する。
図6B図6Bは、収容されたバルーンとして膨張する、および/または、ステントバルブ(明確化のために省略されている)がその中に膨張され、上記バルーンが膨張したときに自己接触する、鞘壁の外皮内に存在する切断された形状記憶合金ステント(ニチノール)の実施形態の側面図である。
図6C図6Cは、受動的に膨張するプラスチック素材の鞘の実施形態の側面図である。
図6D図6Dは、弾力性のある鞘の壁に密閉され、電気的に動作する圧電セラミック素子の実施形態の側面図であり、圧電セラミック素子の各々は、一対の導線によって電圧制御電源へ接続されており、スイッチは電源に接続しており、そして、圧電セラミック素子は、電気的に活性化されると、鞘を膨張させる。
図6E図6Eは、差動積層板を利用する作動素子の実施形態の斜視図であり、電流の適用は、作動装置内において屈曲を引き起こす。
図7図7は、磁気的または電磁気的手段によって搬送バルーンにおいてステントバルブを保持するための器具の実施形態の側面図である(図7〜8Bにおいて、電磁石のための導線および電源は示されてなく、弁薄膜または他の弁機構は示されてなく、バルーン膨張ルーメンおよびオプションの制御ライン/ハーネスは、明確化のために省略されている)。
図8A図8Aは、ステントバルブの回収のために磁力を利用する回収カテーテル器具の実施形態の側面図である。
図8B図8Bは、磁力によって縮められたステントバルブであって、その後、オプションの制御ラインまたはハーネスによって、自然弁座から回収され得るステントバルブの、側面図である。
図8C図8Cは、多極的な磁気的回収カテーテルシステムの実施形態の側面斜視図である。
図8D図8Dは、ステントバルブ内の半径方向に位置した、図8Cに示したシステムの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
〔概要〕
概して1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、弁座の経皮的大動脈弁への搬送および配置のための、連続的な手法を利用する。この連続的な手法は、目標の弁座に前進する前に、好ましい手順において、これらのコンポーネントが同軸上に再び集められた大きな中央血管(例えば、大動脈)に、上記系のコンポーネントの薄型腔内搬送を促進するように、一体化したアセンブリの様々なコンポーネント(すなわち、ステントバルブおよびバルーンカテーテルの様々なコンポーネント)が、それぞれ自身の最小限の外形を有した患者の脈管系に別々に導入されるようにする。その結果、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、小さな大腿動脈の直径を有する患者(例えば、初老の女性患者)でも大腿動脈が大動脈弁座にアクセスすることを促進する。言い換えれば、系の様々なコンポーネントが、患者の脈管系内への挿入時に、完全に集められておらず、挿入の後のある時点で(例えば、挿入位置の大きな直径の血管の上流(さらに内側)内で)、ようやく完全に集められるので、比較的大きいアクセス血管はもはや必要ではない。それゆえ、経皮的心臓弁療法の形成は、より多くの患者人口に対し、投与部位や血管合併症の低危険性に有用である。これに限定されないが、一例として、血管内注入装置が大動脈ステントバルブを構成する場合には、上記系の様々なコンポーネントは、比較的狭い大腿動脈に容易に導入されうる。そして、その後、上記系の様々なコンポーネントは、天然の大動脈弁座まで前進し、位置する前に、大きな上流(更に内側)の血管(例えば、比較的広い大動脈)内に集められうる。
【0047】
特に、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、ステントバルブの配置を実現するための2つの分離したバルーンを好適に利用する。ステントの最初の膨張(例えば、ステントバルブが下行大動脈内に配置されている間のステントの予備的な膨張)のための第1の小径“運搬”バルーン、および、自然弁座におけるステントの最終的な着座のための第2の大径“搬送”バルーン。1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態における好適な一形態は、ステントバルブが、収縮した第1の小径“運搬”バルーンに取り付けられ、それから、この比較的小さなアセンブリが、比較的小さな大腿動脈内(覆っている鞘の中で)へ導かれ、大腿動脈内を進み、腸骨動脈を通り抜け、それから、比較的大きな下行大動脈に入り込む。それから、第1の小径“運搬”バルーンは、ステントバルブを膨張させるために、収縮した第2の大径“搬送”バルーンを受け止めるために十分な大きさの直径である中間径へ、膨張させられる。第1の“運搬”バルーンはそれから縮められ、第1の“運搬”バルーンは、収縮した第2の“搬送”バルーンによって、回収および再配置され、部分的な膨張または他の手段によって、ステントバルブを捕捉し、そして、アセンブリは、それから、自然弁座に至るまで、下行大動脈、上行大動脈、他を前進する。第2の“搬送”バルーンは、弁座においてステントバルブをセットするように、それから膨張する。最後に、第2の“搬送”バルーンは、収縮および外科的場所から回収される。
【0048】
〔インライン二重バルーンカテーテル搬送システム〕
ここで、図4A〜4Fを参照すると、ステントバルブ120は、第1の小径の“運搬”バルーンによって大動脈へ前進し、そして、中間的な大きさへ初期配置(第1の小径の“運搬”バルーンを利用する)され、引き続き、第2の弁座への前進のための大径の“搬送”バルーンへ同軸的に交換され、そして、それから、弁座においてステントバルブ120がさらに膨張する。代わりに、ステントバルブ120は、目標の弁座への途中ずっと、運搬バルーンによって前進され、そして、搬送バルーンのためへの同軸的な交換、および、その後の最終的な膨張の前に、初期配置され得る。
【0049】
ここで、図4Aを参照すると、インライン二重バルーンカテーテルの構成が特徴的なインライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100の形状において、統合されたシステムが示されている。図4Aに示された構成は、要するに、例えば大動脈弁といった目標弁座に向かって患者の身体を通り抜ける、インライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100を例示するものである。ここに記載されたインライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100において、運搬セグメント112は、カテーテルの先端部における先導/運搬バルーンまたはマンドレルであり、この運搬セグメント112は、カテーテルシャフトにおいて、カテーテルシャフトの先端部において一緒に、より近くに配置された搬送セグメント111とともに直列的に配置されている。代わりに、搬送セグメントは、運搬セグメントの先端に位置し得る。運搬セグメント112および搬送セグメント111は、バルーンによる膨張可能なステントバルブ120を、ここで議論する実施例とする場合のため、例えば、膨張可能なバルーンであり、但し、マンドレルまたは膨張可能なマンドレルでもあり得る。
【0050】
ここで、注意すべきは、少なくとも1つの実施形態(インライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100も入れ子式搬送システム200も含んでいる)において、搬送セグメントは、膨張不可能な搬送用マンドレルを備えている。これに限定されないが、一例として、搬送セグメントがステントバルブを保持する手段は、さまざまでありうる。例えば、摩擦に加えて、搬送セグメントは、磁力の利用により、ステントバルブを保持し得る。このようなアセンブリに対し、もし、ステントバルブ(または、他の搬送可能な器具)が自己的に膨張、または、いくつかの他の手段(例えば、電気、熱)によって、解放のために、膨張動作、および、搬送セグメントにおいて保持されるとき、搬送用心棒は膨張不可能であり得る。
【0051】
図4Aに示された構成において、外側搬送鞘101は、例えば、内径が14フレンチである縦長の本体104を有しており、ガイドワイヤ131(例えば、直径が0.035インチのワイヤ)を覆って同軸上に位置しており、統合された一対の膨張可能なバルーンが存在している。ここに開示された全ての寸法および素材は例示的なものであり、及び、これに限定することを意図したものではないことを意味し、クレームされない限り、限定解釈されるべきではない。オプションのノーズコーン113が、カテーテルの動脈内への挿入、および、それに続くその通り抜けを補助するため、運搬セグメント112の先端に配置され得る。実施形態において、搬送セグメントは、運搬セグメントの先端に配置され、上記ノーズコーンは、直ぐに搬送セグメントの先端に配置され、そして、鞘の先端に近接する。運搬セグメント112は、外側搬送鞘101内においてステントバルブ120の保持に利用され、そして、ステントバルブ120の初期膨張を与える。その後、搬送セグメント111は、弁座へのステントバルブ120の配置のための、ステントバルブ120の最終的な膨張のために利用される。
【0052】
カテーテルの運搬セグメント112が拡張し、搬送鞘101の遠位末端開口部を超えて完全に現れるように、インライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100は、搬送鞘101の中央同軸内腔内で、直線形に配置された運搬セグメント112および搬送セグメント111を伴う搬送カテーテルが通過することによって、体外に集められている。カテーテルによる搬送可能な器具、例えば、この例ではステントバルブ120は、それから、2つの間の摩擦が運搬セグメント112上の器具120を保持するように、運搬セグメント112上で、つぶされるかまたは圧縮することによって、運搬セグメント112に対して同軸上に取り付けられる。運搬セグメント112は、それに取り付けられたカテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120とともに、上記器具が完全に鞘101内で覆われるように、それから、搬送鞘101の先端部内に引き戻される。場合によっては、運搬セグメント112の先端は、鞘の末端を超えて延長され得る。このような場合、運搬セグメント112(バルーンまたは膨張可能なマンドレル)の先導する先端113の部分的な膨張は、搬送システムの血管内への挿入または前進を容易化するため、上記したようなテーパ状“ノーズコーン”を形成し得る。代わりに、運搬セグメントは、この目的のため、軟質プラスチック製のテーパ状先端とともに形成され得る。
【0053】
カテーテルによる搬送可能な器具を運搬する搬送システムの通過の逆行(血流に関して)の一例として、搬送システムの通過の初期案内が、左心室のような上流の解剖学的心室内の心臓弁座141にわたって、ガイドワイヤ131の前進によって、確立されている。これらは、搬送システムカテーテルの同軸前進に対するガイドレールとして動作する。その後、体外のある点で、搬送カテーテルの運搬セグメント112の遠位端にガイドワイヤ131を挿入することによって、鞘101を有し、集められたインライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100は、その後、標的解剖学的部位に最も近いが達していない位置、この場合、病気にかかった心臓弁座141に、ガイドワイヤ131を超えて、体内に同軸的に前進する。
【0054】
ここで、図4Bを参照すると、大動脈内において先導する運搬セグメント112がバルーンの膨らみによって膨張したとき、これに従って、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)が、搬送鞘101の膨張可能な先端部103内において、部分的に膨張している。すなわち、ステントバルブ120の径が、搬送セグメント111が少なくとも部分的に収縮される、または、完全に拡張されていないとき、搬送セグメント111を受け入れるのに十分な大きさになるように、運搬セグメント112は、ステントバルブ120をあらかじめ膨張させるのに用いられている。外側搬送鞘は、部分的に膨張したステントバルブ120に適応するため、および、部分的に膨張したステントバルブ120を適切な場所で保持するための膨張可能かつフレキシブルな先端部分を含み得る。その後、運搬セグメント112は、バルーンの収縮によって収縮され、鞘101の膨張した先端部103内で保持された、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)から搬送カテーテルを前進することによって前進される。鞘101の内面の随意的な浅いフランジ102は、すぐに近接した、および/または、器具120の取り付け位置より遠位で、搬送カテーテルの前進を伴う搬送セグメント111に対し、運搬セグメント112の交換に関する動作の間、器具の保持を支援するように用いられうる。代わりに、ワイヤまたは縫合素材の保持または制御ライン123,124は、ステントバルブ120のフレーム121において、器具120に取り付けられ得る。鞘壁部内または搬送カテーテルシャフト内の磁気的または電磁気的要素を用いた、保持力の他の形態も有利に適用され得る。
【0055】
図4Cを参照すると、搬送カテーテル110がその後、前進したとき、その後統合された搬送セグメント111は、同様に、鞘101内で、搬送カテーテルの先端が、搬送鞘101の先端を超えて伸張した状態で、搬送鞘101内のカテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)にまたがった位置に、前進する。特に、搬送セグメント111は、軸方向に、ステントバルブ120の放射状内部の位置に、前進する。搬送セグメント111は、それから、ステントバルブ120との接触のため、部分的に膨張する。
【0056】
図4Dを参照すると、ステントバルブ120内の搬送セグメント111の配置に伴い、少なくとも1つの実施形態において、弁座に配置された運搬セグメント112は、大動脈弁の面におけるステントバルブ120を前進させるため、さらに膨張し得る。すなわち、外科医によって好ましいとみなされる場合、運搬セグメント112は、一時的に、拡張され、その後、弁座の平面内でステントバルブ120を運搬する搬送セグメント111の次の軸の前進を促進するために、縮小または収縮させる。
【0057】
搬送セグメントの突出状先端と共に、および運搬セグメント先導を超えて、搬送カテーテル、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)および搬送鞘101は、目標の解剖学的な面(例えば、自然心臓弁座141)を超えたユニットとして、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)の配置に適しているとみなされる目標の面にまたがった位置に、共に前進する。運搬セグメントは、搬送セグメントに近接して配置される実施形態において、この前進は、カテーテルアセンブリを導く搬送セグメントの先端、および、鞘内の更に近接した運搬セグメントで起こる。図4Eを参照すると、搬送セグメント111が目標の弁座の面に配置された後、搬送システムの外側搬送鞘は、ステントバルブ120を露出するために回収される(図4Eにおいて矢印によって示されている)。しかしながら、ステントバルブ120は、配置されたまま残っている。継続的に搬送セグメント111へ取り付けられているからである。すなわち、搬送鞘101は、搬送セグメント111上に保持された、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)を露出するため、適所に保持された搬送カテーテルを伴って、同軸的に回収される。カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)は、それから、例えば、バルーンの膨らみといった、搬送セグメント111の膨張によって配置される。それゆえに、そしてここで図4を参照すると、ステントバルブ120が大動脈弁の面に露出した後、搬送セグメント111は、ステントバルブ120の配置のために膨張される。カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)の完全な膨張および配置に伴い、この器具は、目標の解剖学的な面(自然心臓弁座141)内において保持される。搬送セグメント111は、それから、バルーンの収縮によって縮められ、配置された器具の作用が確認され、そして、搬送カテーテル、搬送鞘101、および、ガイドワイヤ131は、解剖学的な目標の領域から回収され、そして、処置を完了するため、生体から取り除かれる。
【0058】
少なくとも1つの実施形態において、オプショナルな保持/制御ライン123,124は、ステントバルブ120の配置の成功が確認された後、バルブフレーム121から解放される。それから、バルーンカテーテル110およびガイドワイヤ131は、弁シート141から取り除かれ、そして、生体からの除去のため、鞘101内に回収される。
【0059】
少なくとも1つの実施形態において、運搬セグメント112は、搬送セグメント111に対して軸方向に且つ近接して位置される。このような配置のために、搬送セグメント111は、鞘101の外側に前進し、交換がなされる点までアセンブリを導く。その後、ステントバルブ120が部分的に運搬セグメント112によって拡大された後、搬送セグメント111は、ステントバルブ120が保持される鞘101内に後退される。そして、その後、搬送セグメント111は、ステントバルブ120をとらえる。この場合、鞘101の先端の搬送セグメント111の先端は、運搬セグメント112が鞘101内で、更に近くに隔離されている間、更なる前進を導くであろう。
【0060】
〔入れ子式カテーテル搬送システム〕
図5A〜5Eを参照すると、代わりの実施形態において、ステントバルブ120のための入れ子式搬送システム200が提供される。ここで、搬送バルーンカテーテル210は、運搬セグメント221と一体の運搬バルーンカテーテルシャフト224と、同軸上に位置しているか、または、運搬バルーンカテーテルシャフト224が貫通している。それに応じて、運搬セグメント221は、搬送バルーン211の軸方向の位置と独立して、軸方向に前進し得る。その結果、運搬セグメントシャフト224は、搬送バルーンカテーテル210、および、半径方向において搬送バルーン211の外側に位置するステントバルブ120のためのガイドレールとして機能する。段階的な説明が図面において提供され、次節において記載される。
【0061】
図5Aを参照すると、外側搬送鞘101は、例えば、内径が14フレンチの近接したシャフト本体を有しており、ガイドワイヤ131と同軸上に配置されており、運搬セグメントシャフト224および搬送バルーンシャフト214もまた、同軸上に配置されている。記載されている入れ子式搬送システム200の実施形態において、運搬セグメント221は、より大きな搬送カテーテル210(その先端部に搬送セグメント211を有する)の中心内腔を通過する、運搬カテーテル220の先端における運搬バルーンまたはマンドレルである。一例として、但し限定的ではないが、運搬セグメントシャフトは、0.035インチの外径を有し、直径が5〜10mmの間で膨張可能な運搬セグメント221に接続されている。搬送セグメント211は、バルーンによる膨張可能なステントバルブ120を例とする場合、例えば、膨張可能な搬送バルーンである。従って、搬送バルーンは、非膨張時に、およそ12〜14フレンチの外径を有し得る。そして、搬送バルーンは、別の実施形態では、運搬セグメント221に対して近接または遠位して軸方向に位置する。
【0062】
このシステムは、運搬セグメント221が搬送カテーテルの先端212を超えて伸長及び露出するように、より大きな搬送カテーテル210の中心同軸内腔内を運搬カテーテル220が通り抜けることにより、体外で組み立てられる。このようにして結合されたこれら2つのカテーテルは、運搬カテーテル220の運搬セグメント221が、搬送鞘101の先端を超えて再び伸長及び露出するように、一緒に搬送鞘101を通り抜ける。この例ではステントバルブ120のような、カテーテルによる搬送可能な器具は、それから、2つの間の摩擦が運搬セグメント221上の器具120を保持するように、運搬セグメント221上で、つぶされるかまたは圧縮することによって、運搬セグメント221に対して同軸上に取り付けられる。運搬セグメント221は、そこに取り付けられたカテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)とともに、上記器具が完全に鞘101内で覆われるように、搬送鞘101内に後退(近位的に)して回収される。
【0063】
図5Bを参照すると、先導の運搬セグメントバルーン221は、外側搬送鞘101内においてステントバルブ120を保持するため、随意的に部分的に膨張し得る。さらに、場合によっては、運搬カテーテルの先端222および運搬セグメント221は、鞘101の端面を超えて伸張し得る。このような場合には、運搬セグメント221(バルーンまたは膨張可能なマンドレル)の先導する先端223の部分的な膨張は、血管内への搬送システムの挿入または前進を容易するため、テーパ状“ノーズコーン”を形成し得る。代わりに、インライン二重バルーン搬送カテーテルシステム100について既に説明したように、入れ子式搬送システム200のための運搬カテーテル220は、この目的のため、軟質プラスチック製のテーパ状先端と共に組み立てられ得る。
【0064】
カテーテルによる搬送可能な器具を運搬する搬送システムの通過の逆行(血流に関して)の一例として、搬送システムの通過の初期ガイドが、左心室のような上流の解剖学的心室内の心臓弁座141にわたって、ガイドワイヤ131の前進によって、確立されている。これらは、搬送システムカテーテルの同軸前進に対するガイドレールとして動作する。その後、体外のある点で、運搬カテーテル220の遠位端にガイドワイヤ131を挿入することによって、運搬カテーテル220を有する集められた搬送カテーテルシステム200、搬送カテーテル210および鞘101は、それから、標的解剖学的部位に最も近いが達していない位置、この場合、病気にかかった心臓弁座141に、ガイドワイヤ131を超えて、体内の同軸上に前進する。
【0065】
図5Cを参照すると、少なくとも1つの実施形態において、外側搬送鞘内においてステントバルブ120に膨張効果を与えるために、大動脈内において運搬セグメント221がさらに膨張する。これにより、搬送バルーンは軸方向に前進し、ステントバルブ120の内側へ半径方向に位置し得る。すなわち、大動脈内において、バルーンの膨張などによって、先導する運搬セグメント221が膨張すると、それに従い、搬送鞘101の膨張可能な先端部103内において、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)が部分的に膨張する。少なくとも1つの実施形態において、外側搬送鞘101は、膨張可能かつフレキシブルな先端部103(拡張されていない搬送バルーン211を受け入れるために十分な径のような、外側搬送鞘内でのステントバルブ120の部分的な膨張を可能とする)を含む。外側搬送鞘の先端部分が拡張可能でありうるが、好ましくは、運搬セグメント221の軸方向に近接した位置に位置した外側搬送鞘シャフト104が相対的に径より小さいままである。すなわち、元の拡張していない径において、体および血管の入り口点において、例えば、14フレンチの内径を有している。
【0066】
図5Dを参照すると、外側搬送鞘101の先端部103内におけるステントバルブ120の部分的な膨張の後、運搬セグメント221は、バルーンの縮小によって収縮され、それから、軸方向に、外側搬送鞘101を超えて、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)の外側へ、鞘101の膨張した先端部103内で保持されつつ前進している。
【0067】
搬送セグメントバルーン211は、それから、ステントバルブ120の内側の半径方向の位置へ、軸方向に前進する。搬送カテーテル210の搬送セグメント211は、それから、運搬カテーテルのシャフト224を覆って、搬送鞘101内の、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)にまたがる位置へ、同軸的に前進する。搬送セグメントバルーン211は、それから、ステントバルブ120との結合または捕捉のため、膨張する。
【0068】
図5Eを参照すると、運搬カテーテル220の運搬セグメントバルーン221の先導は、それから、目標の解剖学的な面(自然心臓弁座141)を横切るように、ガイドワイヤに続いて同軸的に適切に前進し、それから、運搬カテーテル220のシャフト224におけるより大きな搬送カテーテル210のさらなる同軸的な前進のための、追加の機械的な案内および補助を提供する。代わりに、運搬カテーテル220は、適切にガイドワイヤから離れて上記システムおよび上記体から同軸上に回収され得る。それから、成形されたカテーテル(解剖学的に関連するその正確な配置を容易化するため、例えば、血液造影用カテーテルで良く見られるような“ピッグテイル”またはアンプラッツ型曲線といった、明確にデザインされた端部の曲線を伴う)は、ガイドワイヤをまたいで上流の解剖学的室へ前進され、そのシャフトは、それから、運搬カテーテルのシャフト224の代わりとなり得る。それ故、図5Eは、ガイドワイヤおよび運搬セグメントが患者の左心室内に存在するように、大動脈弁を通り抜けたガイドワイヤ131および運搬セグメント221が図示されている。運搬セグメント221および運搬カテーテルシャフト224の同軸的な前進は、搬送バルーン211の配置とは独立にされ得る。その後、搬送セグメントバルーン211および搬送カテーテルシャフト214は、搬送セグメントバルーン211のガイドレールとして機能する運搬カテーテルシャフト224を覆って同軸的に、軸方向に前進する。より詳しく説明すると、鞘の先端を超える搬送カテーテル211の突起状先端212の先導とともに、搬送セグメント211、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)、および搬送鞘101は、目標の解剖学的な面(例えば、自然心臓弁座141)を横切るユニットとして、カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)の配置に適しているとみなされる上記目標面にまたがった位置に、共に前進する。
【0069】
一旦、患者の大動脈弁の弁座の面に位置すると、搬送鞘101は、配置場所において、搬送セグメント211によって保持されたカテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)が露出するように、適切に固定された搬送カテーテルとともに同軸的に回収される。その後、ステントバルブ120の配置のため、最終的な搬送バルーンが膨張する。
【0070】
カテーテルによる搬送可能な器具(ステントバルブ120)の完全な膨張および配置により、この器具は、目標の解剖学的面(自然心臓弁座141)内で保持される。搬送セグメント211は、それから、バルーンの収縮によって縮められ、配置された器具の作用が確認され、そして、搬送カテーテル、運搬カテーテル、搬送鞘101、およびガイドワイヤ131は、解剖学的な目標の領域から回収され、処置の完了のため、生体から取り除かれる。
【0071】
〔膨張可能な外側搬送鞘〕
ここに記載のとおり、腔内搬送システムの少なくとも1つの実施形態は、膨張可能な先端部分をさらに備える外側搬送鞘を含む。膨張可能な先端部分を提供するいくつかの方法は、次節において記載される。
【0072】
図6Aを参照すると、外側搬送鞘310の先端セグメントは、網状の合金ワイヤ部分311を備え得る。一例として、但し限定的ではないが、先端部分は、デザインが、網状のニチノールワイヤを含んだIDEV TECHNOLOGIES SUPERA(登録商標)ステントに類似し得る。代わりに、少なくとも1つの実施形態において、網状のワイヤ部分311は、フレキシブルなプラスチック製包皮をさらに備え得る。すなわち、外側搬送鞘の環状部分を形成するフレキシブルなプラスチック製マトリクス内に、網状のワイヤ部分が存在する構成である。典型的な動作において、織りワイヤは、膨張した構造に形成され得、そして、管状形状の削減された直径への収縮の結果とともに、ワイヤ要素における長さ方向の引っ張り力によって伸張され得る。その後、引っ張り力の解放は、上記織りワイヤの自己膨張の効力を及ぼす。少なくとも1つの実施形態において、外側搬送鞘310の先端セグメントの先端部分は、先端セグメントの網状のワイヤ部分の制御端を引っ張るための制御ラインの利用によって拡張され得る。
【0073】
図6Bを参照すると、代わりの実施形態において、外側搬送鞘320の先端セグメントは、鞘外皮内に存在する切断されたニチノールステント321を含む。より詳しく説明すると、外側搬送鞘の先端セグメントは、その先端セグメント内に組み込まれたニチノールステント321を備え、当該ニチノールステント321は、上記先端セグメントに対し、形状記憶機能を与える。その結果、バルーンカテーテルが上記先端セグメント内で、そこに取り付けられたステントバルブとともに膨張したとき、上記先端セグメントは、膨張されたバルーンカテーテルおよびステントバルブに順応するために、膨張する。その後、バルーンカテーテルが外側搬送鞘320外へ押し出されたとき、上記先端セグメントは、先端セグメントとともに存在するニチノールステント321に伴う形状記憶機能により、縮む。
【0074】
図6Cを参照すると、少なくとも1つの実施形態において、外側搬送鞘330の先端セグメントは、受動的に膨張可能、且つ随意的に縮まることが可能な、弾性素材を備える。すなわち、先端セグメント内でバルーンカテーテルが膨張したとき、弾性素材は、その膨張に順応する。その後、バルーンカテーテルの収縮に伴い、弾性素材は、先端セグメントの収縮を形成する。代わりに、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のような鞘素材が膨張し得るが、収縮はしない。そのような場合には、薄壁の鞘素材は、近くに配置された鞘入口または血管の入口点それ自身を通り抜けて回収される際、縦のラインにそって内側に折れるので、たとえ永続的に膨張した状態であっても、体から容易に取り外すことができる。
【0075】
図6Dを参照すると、代わりの実施形態において、外側搬送鞘342の先端セグメントは、複数の電気的に動作する圧電セラミック素子341を含む。電気的配線または導線342は、圧電セラミック素子341への電流の供給を行うため、外側搬送鞘340の近接端部へ延伸している。好ましいタイミングで、電源343を関与させるために、外科医が回路を閉じると、電流が、電気的配線または導線342を介して、圧電セラミック素子341へ供給される。活性化された状態において、圧電セラミック素子341は、外側搬送鞘340の先端セグメントを膨張させる。先端セグメントの収縮は、圧電セラミック素子341への電流の供給を終了させることにより、成し遂げられる。ここでのさらなる参照は米国特許5,415,633に対して行われ、その全体を参照することによって、その要旨が組み込まれる。
【0076】
図6Eを参照すると、電荷を帯びた素子の利用の変形例は、電流が適用されたときに屈曲する、異なる合金の積層板344が特徴の作動素子の利用を含む。作動素子の屈曲は先端部分の膨張を引き起こす。上述の圧電セラミック素子341と同様に、異なる合金の積層板344への電流の適用を終了することにより、先端部分の収縮が達成される。
【0077】
他の代わりの実施形態において、磁力または電磁力が、目標の弁面への前進およびその後の配置のため、搬送セグメントバルーンにおけるステントバルブ120の保持に利用される。図7を参照して、より詳しく説明すると、搬送セグメントバルーン411におけるステントバルブ120の位置を維持するために、磁力または電磁力を利用する、代わりの腔内磁気搬送システム400が示されており、搬送セグメントバルーン411搬送カテーテルシャフト414の先端部またはその近傍に位置する。磁石または電磁石416は、好ましくは、ステントバルブの取り付け位置が軸方向に並ぶように、軸方向の中心に搬送セグメントバルーン411に沿って、バルーンカテーテルシャフト414に同軸的に組み込まれる。当業者によって理解されるであろう1つとして、ステントバルブ120は、十分な量、および、バルーンカテーテルシャフト414に組み込まれた磁石または電磁石416へのステントバルブ120の誘引を容易化するための十分な配分の、磁力の影響を受けやすい素材を組み込まなければならない。ガイドワイヤ131は、同軸上に位置する搬送バルーンカテーテル410をガイドする役目を果たす。搬送バルーンは、(a)搬送システムの患者の血管内への挿入および通り抜けを容易化するためのノーズコーンを提供するため、および/または、(b)ステントバルブ120の固定のためのさらなる摩擦力を提供するため、部分的に膨張し得る。ステントバルブ120が、搬送バルーンの部分的な膨張に起因するさらなる摩擦力と同様に、磁力または電磁力によって適切に固定されたときから、ステントバルブ120は、外側搬送鞘の必要なしに患者の脈管系を通って、しっかりと前進し、それにより、搬送システムの形状を単純化および削減する。一旦、目標のバルブ面に到達すると、搬送バルーン411は、磁力または電磁力(もちろん、電磁石への電流の停止により、電磁力は終了し得る)に打ち勝ち、ステントバルブ120を病気にかかった自然弁の面に配置するため、膨張する。同様に、磁気的搬送カテーテル410の磁石は、解剖学的構造の横断的通り抜けにおいて、搬送セグメントバルーンにおけるステントバルブの捕捉および保持を容易にする同様の方法で、インライン二重バルーンシステム100および/または入れ子式カテーテル搬送システム200の搬送セグメントバルーンに組み込まれ得る。
【0078】
ステントバルブ120の腔内搬送とは別に、1または複数の本発明における少なくとも1つの実施形態は、配置されたステントバルブ120の患者からの除去、または、患者内におけるステントバルブ120のそれ以外の再配置のために利用され得る、回収および/または再配置システム500を対象にする。図8Aおよび8Bを参照すると、回収および/または再配置システム500の実施形態が示されている。この回収および/または再配置システムは、その先端部に磁石511が一体化された回収カテーテル510、より好ましくは、既に配置されたステントバルブ120を少なくとも部分的につぶすおよび固定するのに十分な強度の電磁石、を備える。図8Bを参照すると、部分的につぶされたバルブは、それから、例えば図示されたオプションの制御ライン124の引っ張り力により回収(すなわち、患者から回収)されるか、または、再位置決めおよび再配置される。
【0079】
図8Cおよび8Dを参照すると、別の実施形態において、多極的磁気回収カテーテル システム520において、複数の磁気要素522は、円周上に配列され、磁石522およびそれらが取り付けられた内在するカテーテル要素523の部分の、半径方向外側への移動を可能とする、回収カテーテル521の先端部に取り付けられ、配置されたステントバルブ120の垂直方向の内面に接触する。少なくとも1つの実施形態において、磁石522が取り付けられたカテーテル内在する部分523は、取り付けられた磁石522が半径方向に外側に移動するにつれ、互いに独立して自由に動作できるように、縦方向に互いに分離している。少なくとも1つの実施形態において、磁石522は同様の極性であり、覆われた鞘機構によって、互いの近接が最初に抑制され得る。上記鞘524が回収されると、先端カテーテル部分523は、それらに取り付けられた磁石522とともに、反発する磁力に基づいて、半径方向外側に移動し、ステントバルブ120内に接触する。狭い近接性は、ステントバルブフレーム121への磁石522の接触が完全でなくとも、弁面からの器具の除去に適用される引っ張り力を促進する保持力を有利に最大化する。鞘524は、カテーテルの磁気的先端部523へ再び前進され、これにより、その接触を果たし、その除去を容易化する、器具フレームにおける半径方向内側への力を与える。
【0080】
〔成形されたカテーテル〕
多様な実施形態のためにここに記載された多様な鞘およびカテーテルシャフトは、“成形された”先端部を含み得る。より詳しく説明すると、“成形された”カテーテルは、解剖学的抵抗の横断を助けるため、または、ガイドワイヤが心室から動かされた場合に弁面の再横断の誘導を提供するために、利用され得る。この問題は、ステントバルブおよび搬送システムが大動脈の周囲に進められたときに発生する。そのような状態において、引っ張り力は、しばしば、心室の範囲外にガイドワイヤを引き込んでしまう。もし、すでに大動脈内において、搬送システムとともに、これが発生した場合、搬送システムの患者の体からの除去、および、最初からやり直された手順が要求される。有利な、ここに開示された一または複数の実施形態は、この問題の回避を助ける。すなわち、たとえば、血管造影用カテーテルに良く見られる、“ピッグテイル”またはアンプラッツ型曲線のような、ガイドワイヤが通り抜ける中心同軸ルーメンを含んでいる、1または複数の湾曲した形状の先端部を含んだカテーテルが利用され得る。成形されたカテーテルは、非常に狭い弁開口部のガイドワイヤの横断を誘導するために利用される。従って、1つの実施形態において、“成形された”カテーテルは、搬送カテーテルの中心内腔内を通り抜ける。そのような構成において、ガイドワイヤは、より簡単に、バルブ面を通り抜けて横切ることができる。そして、成形されたカテーテル、有利な、比較的頑丈なカテーテルは、心室へ前進し、搬送カテーテルのための強化された補助レールとしての役割を果たすよう任され得る。
【0081】
1または複数の本発明は、その精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。記載されている実施形態は、あくまで実例および制限的でないものとして、全ての尊重において評価され得る。1または複数の本発明の範囲は、それ故、前述の説明によってではなく、むしろ、添付されたクレームによって示される。意義の範囲内にある全ての変更およびクレームの相当する範囲は、それらの範囲内に包括される。
【0082】
1または複数の本発明は、多様な実施形態において、実質的にここに描写および記載されているものとして、構成要素、方法、工程、システム、および器具を含み、それらの、多様な実施形態、サブコンビネーション、および、サブセットを含んでいる。それらの当業者は、本開示の理解の後、1または複数の本発明の製造方法および使用方法を理解するであろう。
【0083】
1つ以上の本発明は、種々の実施形態において、本明細書または本明細書の種々の実施形態で描写および/または記述されていない項目を欠く場合(前の装置またはプロセスにおいて使用されたかもしれない項目を欠く場合も含む)に、装置およびプロセスを提供することを含む(例えば、性能向上、容易化達成、および/または、実施コスト削減のため)。
【0084】
1または複数の本発明の前述の説明は、実例および説明の目的のため、示されている。上述は、1または複数の本発明を、ここに開示された形態に制限することを目的とするものではない。実例のための前述の詳細な説明において、1または複数の本発明の様々な特徴は、開示の合理化の目的のため、1または複数の実施形態において、共に集合され得る。この開示の方法は、クレームされた1または複数の本発明が要求するより多くの特徴よりも、それぞれのクレームにおいて明白に述べられた、意図の反射として解釈されるものではない。むしろ、以下のクレームの反射として、発明の側面は、1つの前述の開示された実施形態の全ての特徴より少ない。したがって、以下のクレームは、これによってこの詳細な説明に組み込まれ、それぞれのクレームは、1または複数の本発明の分離した好ましい実施形態のそれぞれに依存する。
【0085】
さらに、1または複数の本発明の説明は、1または複数の実施形態の説明、および、いくらかの変形および改良を含んでいるが、他の変形および改良は、1または複数の本発明の範囲内(例えば、本開示の理解の後、技術およびそれらの技術的知識となり得る)である。発明の性質を説明するためにここに開示されたおよび図示された要素の多様な、詳細、素材、工程、および配置の変更が、当業者によって、1または複数の本発明の実施形態の範囲せずに行われ得ることが、理解されるであろう。クレームされた代わりの、交換可能な、および/または等価の構造、機能、範囲、または、工程を含んでいる、許可された範囲への代わりの実施形態を含んだ権利の取得が意図される。そのような代わりの、交換可能な、および/または等価の構造、機能、範囲、または、工程がここに開示されているか否かを問わず、そして、いくつかの特許性のある主題を公然に呈することを意図しない。
【0086】
本発明の理解を助けるため、図面において発見されるコンポーネントおよび関連した番号のリストが、ここに提供される。
【符号の説明】
【0087】
100 インライン二重バルーンカテーテル搬送システム
101 搬送鞘
102 鞘内のオプショナルなフランジ
103 膨張可能,フレキシブルな鞘セグメント
104 鞘本体
110 二重インラインバルーンカテーテルアセンブリ
111 搬送バルーンの搬送セグメント
112 インライン先導運搬バルーンである運搬セグメント
113 オプショナルなノーズコーン
114 カテーテルシャフトからの遠位制御ラインの出口
120 ステントバルブアセンブリ
121 バルブフレーム
122 つぶされた弁薄膜
123 バルブフレームの遠端に取り付けられたオプショナルな制御ライン(カテーテルシャフト内を通過する)
124 バルブフレームの近端に取り付けられたオプショナルな制御ライン
130 ガイドワイヤアセンブリ
131 ガイドワイヤ
140 自然心臓弁
141 自然心臓弁座
200 入れ子式バルーンカテーテル搬送システム
210 搬送バルーンカテーテルアセンブリ
211 搬送バルーンである搬送セグメント
212 搬送セグメントバルーンの先端
213 部分的に膨張した先導する搬送セグメントバルーンの先端
214 搬送バルーンカテーテルシャフト
220 運搬バルーンカテーテルアセンブリ
221 搬送セグメントバルーンの中央ルーメン内で同軸的に入れ子動作する、先導するバルーンである運搬セグメント
222 運搬セグメントバルーンの先端
223 膨張した先導する運搬セグメントバルーンの先端
224 運搬カテーテルのシャフト
300 膨張可能な鞘システム
310 網状のワイヤ鞘
320 ニチノールステントが埋め込まれた鞘
321 ニチノールステント
330 フレキシブルなプラスチック製の鞘
340 電気的に動作する鞘
341 圧電セラミック素子
342 導線
343 電源
344 合金積層板
400 磁気的バルーンカテーテル搬送システム
410 磁気的バルーン搬送カテーテル
411 搬送バルーン
412 磁気的バルーン搬送カテーテルの先端
413 搬送バルーンの部分的に膨張した先端
414 磁気的バルーン搬送カテーテルのシャフト
415 磁気的バルーン搬送カテーテルのガイドワイヤ内腔
416 磁石または電磁石
500 磁気的回収カテーテルシステム
510 磁気的回収カテーテルアセンブリ
511 磁石または電磁石
520 多極的磁気回収カテーテルアセンブリ
521 多極的磁気回収カテーテル
522 円周上に配列された磁石
523 磁石が取り付けられる、先端が可動式のカテーテル要素
524 鞘
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図8C
図8D