特許第5936611号(P5936611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5936611フレキシブルコンベアベルト用スプロケットおよびコンベアベルトシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936611
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】フレキシブルコンベアベルト用スプロケットおよびコンベアベルトシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 23/06 20060101AFI20160609BHJP
   F16H 55/08 20060101ALI20160609BHJP
   F16H 55/30 20060101ALI20160609BHJP
   B65G 17/08 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   B65G23/06 A
   F16H55/08 Z
   F16H55/30 A
   B65G17/08
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-523642(P2013-523642)
(86)(22)【出願日】2011年8月12日
(65)【公表番号】特表2013-538167(P2013-538167A)
(43)【公表日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】EP2011063990
(87)【国際公開番号】WO2012020141
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年8月8日
(31)【優先権主張番号】12/886,460
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/856,578
(32)【優先日】2010年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591270796
【氏名又は名称】ハバシット アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ルッキ
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0190462(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0117381(US,A1)
【文献】 特表2010−510145(JP,A)
【文献】 実開昭59−178960(JP,U)
【文献】 特開2007−198526(JP,A)
【文献】 特開昭61−112842(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0726215(EP,A1)
【文献】 特表2004−503448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 23/00−23/44
B65G 17/08
F16G 1/00−17/00
F16H 7/00− 7/24
F16H 55/00−55/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横リブ(92;112)を有するフレキシブルベルト(90;110)のためのスプロケット(10;120)であって、
上記スプロケット(10;120)はシャフト上に配置され、上記シャフトと一致する軸(15;123)の周りに回転するように構成されており、
上記スプロケット(10;120)は本体(12;122)を備え、
上記本体(12;122)は、上記シャフトを受けるための中央開口(14;124)と、対(20;130)にして配置された複数の歯(16,18;126,128)とを有し、
上記対(20;130)は上記軸(15;123)の周りに角度的に離間され、
歯の各対(20;130)は、第1の開口(22;140)によって、歯の隣接する対(20;130)から離間され、
歯の各対(20;130)における各歯(16,18;126,128)は、第2の開口(24;144)によって、その対(20;130)における他方の歯(16,18;126,128)から離間され、
各歯(16,18;126,128)のベルト接触面(26;132)は凸であり、その結果、上記歯(16,18;126,128)の上記ベルト接触面(26;132)によって形成される上記本体(12;122)の最も外側の周辺は略円形であり、
上記本体(12;122)の最も外側の周辺に沿った方向に関して、上記第1の開口(22;140)のベルトインタフェース部(38)は、上記第1の開口(22;140)の最大寸法よりも狭いことを特徴とするスプロケット。
【請求項2】
請求項1に記載のスプロケットにおいて、
上記第1の開口(22;140)は、形状が円形であることを特徴とするスプロケット。
【請求項3】
請求項1に記載のスプロケットにおいて、
上記第1の開口(22;140)は、形状が台形であることを特徴とするスプロケット。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一つに記載のスプロケットにおいて、
上記ベルト接触面(26;132)は、上記スプロケットの円周の50%以上を占めることを特徴とするスプロケット。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載のスプロケットにおいて、
上記本体(12;122)の外側部分(34)の縦方向の幅(12;122)は、上記本体(12;122)の内側部分(32)の幅よりも大きいことを特徴とするスプロケット。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一つに記載のスプロケットにおいて、
上記第2の開口(24;144)の深さは、上記ベルト(90;110)のリブ(92,112)の高さよりも大きいことを特徴とするスプロケット。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一つに記載のスプロケットにおいて、
上記スプロケット(10;120)は駆動スプロケットであることを特徴とするスプロケット。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか一つに記載のスプロケットにおいて、
上記スプロケット(10;120)はアイドリングスプロケットであることを特徴とするスプロケット。
【請求項9】
本体(12;122)を有するスプロケット(10;120)を備えたコンベアベルトシステム(100)であって、
上記本体(12;122)は、
シャフトを受けるための中央開口(14;124)を有し、上記シャフトは縦方向の軸(15;123)の周りに回転するように構成されており、
対(20;130)にして配置された複数の歯(16,18;126,128)を有し、上記対(20;130)は、上記軸(15;123)の周りに角度的に離間され、
歯の各対(20;130)は、第1の開口(22;140)によって、歯の隣接する対(20;130)から離間され、
歯の各対(20;130)における各歯(16,18;126,128)は、第2の開口(24;144)によって、その対(20;130)における他方の歯(16、18;126、128)から離間され、
各歯(16,18;126,128)のベルト接触面(26;132)は凸であり、その結果、上記歯(16,18;126,128)の上記ベルト接触面(26;132)によって形成される上記本体(12;122)の最も外側の周辺は略円形であり、
上記スプロケット(10;120)の上記歯(16,18;126,128)の上記ベルト接触面(26;132)に接触するように構成されたベルト(90;110)を備え、複数の横リブ(92;112)が上記ベルト(90;110)上に配置され、かつ上記ベルト(90;110)が上記スプロケット(10;120)の周りを運ばれるにつれて上記スプロケット(10;120)の上記第2の開口(24;144)と係合するように構成され、
上記本体(12;122)の最も外側の周辺に沿った方向に関して、上記第1の開口(22;140)のベルトインタフェース部(38)は、上記第1の開口(22;140)の最大寸法よりも狭いことを特徴とするコンベアベルトシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンベアベルトシステムにおいて、さらに第2のスプロケット(10;120)を備えたことを特徴とするコンベアベルトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してコンベアベルトに関し、より具体的には、衛生状態を維持するために洗浄システムが使われなければならない環境で、コンベアベルトを推進するために使用されるスプロケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の軽量コンベヤベルトは、一般的にプラスチックやゴムで被覆された布地、またはプラスチックシートから構成されている。食品加工工場のような、衛生と清潔さが重要な用途では、これらのコンベヤベルトは、細菌の増殖や他の衛生的な問題を防ぐために、モノリシックなプラスチックからなり、または、汚染物質がベルトの本体内に入ることができないように密封されているのが望ましい。さらに、そのようなコンベアのスプロケットとベルトに洗浄液をスプレーする洗浄システムが、汚染物質の拡散を防止するために使用される。
【0003】
このようなコンベアベルトは、駆動スプロケットがリブに係合し、ベルトをより良く推進することを可能にするために、一般的にベルトの裏側に横リブが設けられている。図9は、ベルトのリブと係合してそのベルトを駆動するために使用される駆動スプロケットの現在の技術を示している(例えば、米国特許出願公開No.2006/0144676参照。)。図9に見られるように、現在のスプロケットは、略円筒形の形状で、上記ベルトのリブと係合する溝を有する。
【0004】
しかしながら、衛生状態を維持するために洗浄システムが使用されている環境で、上述のスプロケットは幾つかの欠点を被る。まず、スプロケットとベルトの裏側との間に隙間を殆ど残さず、ベルトがスプロケット上にきつく載る。この場合、破片や汚染物質が小さな隙間に狭窄されて、影響された領域の洗浄に大きな困難を引き起こす。さらに、多くの場合には、2つ以上のスプロケットがベルトに係合するように使用されており、上述したスプロケットは、スプロケット(複数)の間の領域に洗浄液を通過させるための選択肢を殆ど提供しない。
【0005】
これらの欠点は、図8に描かれた定置洗浄(cleaning-in-place)システムと併せて、モジュラベルトのために、図7Aに示されているスプロケットで克服された(例えば、米国特許出願公開No.2008/0190462およびNo.2990/0050185参照)。しかし、図7Aのスプロケットは、フレキシブル(非モジュラ)ベルトでの使用には理想的には適していない。例えば、図7Bに示されているように、歯の形状と、歯の隣接する対の間のサポートの欠如は、ベルトが張力下にありながらフレキシブルベルトがスプロケットの周辺を取り巻くことを強制されることから、フレキシブルベルトが曲がる(buckle)のを許容する。時間が経つにつれて、この曲がり(buckling)は、ベルトへの損傷(ベルトの表面上のクラックを含む)を引き起こす。
【0006】
モジュラコンベヤベルトのための別のスプロケットが米国特許No.6367613B1に開示されている。このスプロケットは、対にして配置された複数の歯を備え、その対は、軸(その周りに上記スプロケットが回転するように構成されている)の周りに角度的に離間されている。歯の各対は、第1の開口によって、歯の隣接する対から離間されている。また、歯の各対における各歯は、第2の開口によって、その対における他方の歯から離間されている。各歯のベルト接触面は凸であり、その結果、上記スプロケットの最も外側の周辺は略円形である。そのようなスプロケットは、フレキシブルベルトにはあまり適さない。何故ならば、そのフレキシブルベルトは、上記大きい第1の開口をまたがって曲がることができるからである。
【0007】
したがって、上述の欠点を回避する、フレキシブルベルトの使用のための改善されたスプロケットのニーズがある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、独立請求項1に記載のスプロケットと、独立請求項に記載のコンベアベルトシステムを提供することによって、上記ニーズを満たす。好ましい実施形態は、従属請求項から明らかになるであろう。
【0009】
本発明は、シャフトに係合して軸の周りに回転するための中央開口をもつ本体を有するスプロケットを提供する。上記スプロケットは、上記本体の周辺の周りに配置された複数の歯を有する。上記歯は、上記軸の周りに角度的に離間され、その結果、各歯は、第1の開口によって、隣接する歯から離間されている。各歯は、形状が凸であるベルト接触面を有し、その結果、上記スプロケットの最も外側の周辺は略円形である。
上記歯の上記ベルト接触面は、上記ベルトの曲がる能力を最小化するために、上記スプロケットの上記周辺の周りにベルトを案内する。
【0010】
上記第1の開口は、円形、台形、または如何なる他の形状であってもよい。上記第1の開口は、上記ベルトの裏側を洗浄液に晒すように構成されている。
【0011】
上記歯は各々、第2の歯を含んでいてもよい。その結果、歯の対が上記本体の上記周辺の周りに配置される。上記各対は、上記第1の開口によって、隣接する対から離間される。歯の対の各歯は、第2の開口によって、その対の他方の歯から離間され得る。上記第2の開口は、上記ベルトのリブと係合するように構成されている。上記第2の開口は、洗浄液が上記スプロケットと上記リブの間を通過できるようにするために、対応するリブよりも大きく構成され得る。
【0012】
上記本体の縦方向の幅は、上記本体の外側部分と上記本体の内側部分とで異なっていてもよい。さらに、上記本体は、上記内側部分から上記外側部分へ幅が徐々に増加する遷移部分を有していてもよい。
【0013】
本発明は、横リブを有し得るベルトを備えたコンベアベルトシステムとして具現化され得る。さらに、上記システムは、上述したものと類似したスプロケットを備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の性質および目的のより完全な理解のため、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明が参照されるべきである。
図1A】本発明の一実施形態に係るスプロケットの斜視図である。
図1B図1Aのスプロケットの側面図である。
図1C図1A及び1Bのスプロケットの端面図である
図2図1A−1Cのスプロケットであって、その上に係合したフレキシブルベルトを有するものの側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシステムの斜視図である。
図4A】本発明の別の実施形態に係るスプロケットの斜視図である。
図4B図4Aのスプロケットの側面図である。
図4C図4Aおよび図4Bのスプロケットの端面図である。
図5図4A−4Cのスプロケットであって、その上に係合したフレキシブルベルトを有するものの側面図である
図6】本発明の別の実施形態に係る2つのスプロケットであって、その上に係合したフレキシブルベルトを有するものの斜視図である。
図7A】従来技術のスプロケットの側面図である。
図7B】上記従来技術のスプロケットであって、その上に係合したフレキシブルベルトを有するものの側面図である。
図8】定置洗浄システムの斜視図である。
図9】別の従来技術のスプロケットであって、その上に係合したフレキシブルベルトを有するもの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に、本明細書では、用語「ベルト」、「コンベア」、「コンベアベルト」および「フレキシブルベルト」は、当該技術分野で知られている如何なる非モジュラベルトを指すためにも互換的に使用される、ということが注記される。そのようなベルトは、プラスチック若しくはゴムでコーティングされた布地、コーティングされたプラスチックシート、モノリシックなプラスチックシート、または他の非モジュラベルト構造から構成され得る。その用語は、例えば、ベルトコンベア、プロセスベルトのような、如何なる用途のためのベルトを指すためにも使用され得る。
【0016】
図1A−1Cは、本発明の実施形態に係るスプロケット10を示している。スプロケット10は、ステンレス鋼、プラスチック、または、食品と両立でき容易に洗浄可能であることが一般的に知られている他の適切な材料から構成され得る本体12を備えている。スプロケット10は、シャフト(図示せず)を係合するための中央開口14を含む。シャフトは駆動シャフトであってもよい。中央開口14は、シャフトが回転さされると、スプロケット10が回転するのを引き起こすように形成され得る。例えば、中央開口14は、正方形の形状に形成され得る。このように、スプロケット10は、ベルト90(例えば、図2参照。)を駆動するために、シャフトと一致する軸15の周りを回転し得る。スプロケット10は、スプロケット10の周りのベルト90の移動によって軸15の周りに回転さされるアイドリングスプロケットであってもよい。本開示に基づいて当業者には明らかであるように、中央開口14は、異なるシャフト形状に対応するために、他の形状に形成され得る。
【0017】
スプロケット10は、本体12の周辺に対20にして配置された歯16,18を有している。各歯16,18は、ベルト接触面26を有している。ベルト接触面26は、形状が凸であり、その結果、歯16,18のベルト接触面26によって形成されたスプロケット10の最も外側の周辺が略円形になっている。歯16,18のベルト接触面26によって形成された不連続な円は、軸15を中心とし、ベルト90の曲がる能力を最小化するために、スプロケット10の上記周辺の周りにベルト90を案内する。
【0018】
歯の対16が軸15の周りに角度的に離間しており、その結果、歯の各対16は、第1の開口22によって、隣接する歯の対16から離間されている。図2図3に最も良く示すように、ベルト90がスプロケット10に係合されているとき、第1の開口22は、ベルト90の裏側と整列するように構成されている。このようにして、第1の開口22は、概ねスプロケット10とベルト90に向かって噴霧された洗浄液が、ベルト90の裏側に到達することを可能にする。第1の開口22は、ベルト90の曲がりを防止するように歯16,18のベルト接触面26の必要量を維持しながら、ベルト90への洗浄液のアクセスを許すように形成され得る。
【0019】
図1B及び図2に最も良く示されている非限定的な例では、第1の開口22は形状が円形であり、その円の弦はスプロケット10の周辺と交差し、それによってエッジ28,30を形成している。それで、第1の開口22の広い円形の構成は、十分な洗浄液が循環するのを許す一方、エッジ28,30によって創成された小さい周辺の隙間は、適切なベルト接触面26が歯16,18上に残るのを許す。エッジ28,30によって創成された隙間の適正サイズは、特定の用途に依存する。例えば、ベルトの硬さおよび/またはベルト内のリブの数や間隔は、スプロケットの歯のベルト接触面による支持を多かれ少なかれ必要とするだろう。エッジ28,30、または開示されたスプロケットの要素によって形成された任意のエッジは、面取りされ、丸みが付けられるなどしてもよい。エッジ28,30によって形成された隙間は、第1の開口22のベルトインタフェース部38と考えられてもよい。本体12の最も外側の周辺に沿った方向に関して、このようなベルトインタフェース部38は、第1の開口の最大直径(または寸法)よりも狭い
【0020】
図4A図6には、別の実施形態のスプロケット50が示されている。そこでは、第1の開口62は台形である。第1の開口22に適した他の形状やサイズは、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。第1の開口22は、複数の開口を備えてもよい。それで、ベルトはベルトのリブ(複数)の間の複数の位置で洗浄液に晒され得る。
【0021】
スプロケット10のベルト接触面26がスプロケット10の円周の約50%を占めることがある(第1の開口22及び第2の開口24がその円周の残りの50%を占める。)。
用途(例えば、ベルトの硬さ、リブの数および間隔など)に応じて、ベルト接触面26は、スプロケット10の円周の50%よりも多く又は少なく占めることがある。
【0022】
対20の各歯16,18は、第2の開口24によって、その対20における他方の歯18,16から離間されていてもよい。第2の開口24は、ベルト90のリブ92に係合するように構成されている。第2の開口24は、例えば、テーパが付けられたリブ92に係合するように、テーパが付けられていてもよい(しかし、これに限定されない)。第2の開口24は、対応するリブ92よりも大きいように構成されていてもよい。例えば、第2の開口24の深さdは、対応するリブ92の高さhよりも長さが大きくてもよい。この態様で、ベルト90がスプロケット10によって係合されていながら、ベルト90のリブ92の領域から汚染物質を洗い流すために、洗浄液はスプロケット10とリブ92との間を通過し得る。
【0023】
スプロケット10の本体12は、変化する縦の幅を有していてもよい。例えば、図1Aに最も良く示されているように、本体12の内側部分32は、本体12の外側部分34の幅Wo未満である幅Wiを有している。この態様で、依然として大きいベルト接触面26を提供しながら(上記外側部分34の比較的広い幅Woのおかげで)、本体12のために必要な材料の量と本体12の質量は最小化され得る(上記内側部分32の比較的狭い幅Wiのおかげで)。さらに、本体12は、幅が徐々にWiからWoまで増加する遷移部分36を有していてもよい。
【0024】
また、内側部分32の減少された幅Wiは、ベルト90の裏側への、特に2つのスプロケットの間に位置するベルト90の部分への洗浄液のアクセスを向上させるという利点を有する(例えば、図8を参照されたい。それは、洗浄液のV字状のスプレーが、減少された幅Wiによってあまり妨げられないところを示している。)。
【0025】
それらの図は、スプロケット10,50の実施形態を描いている。そこでは、第1の開口22,62がスプロケット10,50の内側部分32,64に達しており、また、第2の開口24,66がスプロケット10,50のスプロケット10,50の遷移部分36,68に達している。しかしながら、他の構成が可能であり、本開示の範囲内であると考えられる。
【0026】
図2に移ると、スプロケット10がベルト90に係合していることが示されている。歯16,18のベルト接触面26は、スプロケット10の周辺の周りのベルトと係合するとともに緩和し、また、第2の開口24は、ベルト90の横リブ92と係合する。依然としてベルト90の曲がりの危険性を最小化するために十分なベルト接触面26を維持しながら、第1の開口22は、大きな開口を提供するとともに、ベルト90がスプロケット10上を通過するときに洗浄のためのベルト90の裏側への改善されたアクセスを提供する。スプロケットの第1の開口22内側部分32、遷移部分36および外側部分34の関係は、ベルト90への洗浄液のアクセスを改善させ得る。同様に、第2の開口24における本体12の変化する幅は、リブ92への洗浄液のアクセスを改善させ得る。
【0027】
本発明は、横リブ112を有し得るベルト110を備えたコンベアベルトシステム100として具現化され得る(例えば、図3参照)。さらに、そのシステムは、シャフトを係合するための中央開口124をもつ本体122を有する、上述したのと同様のスプロケット120を備えている。システム100は、1つ以上のスプロケット120を含むことができる。上記シャフトは駆動軸であっても良く、この場合には、スプロケット120を軸123の周りに回転させることを引き起こすだろう。スプロケット120は、本体122の周辺の周りに対130として配置された複数の歯126,128を有している。各歯126,128は、ベルト110の裏側114と係合するように構成されたベルト接触面132を有している。ベルト接触面132は、形状が凸であり、その結果、歯126,128のベルト接触面132によって形成されたスプロケット120の最も外側の周辺が略円形になっている。歯126,128のベルト接触面132によって形成された不連続な円は、軸123を中心とし、ベルト110の曲がる能力を最小化するために、スプロケット120の上記周辺の周りにベルト110を案内する。
【0028】
歯の対130が軸123の周りに角度的に離間しており、その結果、歯の各対130は、第1の開口140によって、隣接する歯の対130から離間されている。図示のように、ベルト110がスプロケット120に係合されているとき、第1の開口140は、ベルト110の裏側114と整列するように構成されている。このようにして、第1の開口140は、概ねスプロケット120とベルト110に向かって噴霧された洗浄液が、ベルト110の裏側に到達することを可能にする。第1の開口140は、ベルト110の曲がりを防止するように歯126,128のベルト接触面132の必要量を維持しながら、ベルト110への洗浄液のアクセスを許すように形成され得る。
【0029】
ベルト110がリブ112を有している場合は、歯の対130の各歯126,128は、第2の開口144によって、その対130における他方の歯128,126から離間されていてもよい。第2の開口144は、ベルト110を移動させるスプロケット120の能力を高めるために、ベルト110のリブ112に係合するように構成されている(スプロケットが駆動スプロケットであるとき)。第2の開口144は、例えば、テーパが付けられたリブ112に係合するように、テーパが付けられていてもよい(しかし、これに限定されない)。第2の開口144は、対応するリブ112よりも大きいように構成されていてもよい。例えば、第2の開口144の深さは、対応するリブ112の高さよりも長さが大きくてもよい。この態様で、ベルト110がスプロケット120によって係合されていながら、ベルト110のリブ112の領域から汚染物質を洗い流すために、洗浄液はスプロケット120とリブ112との間を通過し得る。
【0030】
本発明は1つ以上の特定の実施形態に関して説明されたが、本発明の他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるだろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその合理的な解釈によってのみ制限されるとみなされる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9