特許第5936619号(P5936619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936619
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】電気コネクタを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/16 20060101AFI20160609BHJP
   H01R 13/03 20060101ALN20160609BHJP
   H01R 13/187 20060101ALN20160609BHJP
【FI】
   H01R43/16
   !H01R13/03 D
   !H01R13/187 Z
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-542164(P2013-542164)
(86)(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公表番号】特表2013-546141(P2013-546141A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2011062815
(87)【国際公開番号】WO2012075240
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2014年3月7日
(31)【優先権主張番号】12/959,038
(32)【優先日】2010年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513138005
【氏名又は名称】インターコネクト・デバイシーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Interconnect Devices,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ジアチュン・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】カナパティピライ・プラバカラン
(72)【発明者】
【氏名】ジ・インドン
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−062045(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/084627(WO,A1)
【文献】 特開2004−047376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/16
H01R 13/24
H01R 33/76
H01R 4/16
H01R 4/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタを形成する方法であって、
少なくとも一つの層がコアの外側表面の少なくとも一部と同形を成すように前記コアに前記少なくとも一つの層を貼着させるステップと、
前記少なくとも一つの層を有している前記コアをソケットシェルのソケット本体のソケットキャビティへ挿入するステップであって、前記ソケットキャビティが内側ソケット表面を含む、ステップと、
前記少なくとも一つの層が前記ソケットキャビティの前記内側ソケット表面に貼着された少なくとも一つのシェル層を形成するように、前記少なくとも一つの層の少なくとも一部を残しながら前記ソケットキャビティから前記コアを除去し、前記少なくとも一つのシェル層は、前記内側ソケット表面の少なくとも一部と同形でありながら前記内側ソケット表面の前記少なくとも一部に層として貼着され外側シェル表面を有するシェルキャビティを含み、前記少なくとも一つのシェル層は第1のシェル材料を備えるステップと、
前記少なくとも一つのプランジャが前記シェルキャビティ内に摺動可能に受容されると共に前記シェルキャビティの第1の端部の第1の開口を介して突出し、付勢デバイスが前記少なくとも一つのプランジャに付勢力を印加し、かつ前記少なくも一つのプランジャの尾部が前記少なくとも一つのシェル層に摺動可能に受容される共に接触するように、少なくとも一つのプランジャと前記付勢デバイスを前記シェルキャビティ内へ挿入し、前記少なくとも一つのプランジャと前記付勢デバイスがコンタクトプローブを構成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記シェルキャビティにおける前記少なくとも一つのプランジャと前記付勢デバイスの少なくとも一つの摺動動作を制限するために、保持具を用いて前記シェルキャビティの開口端を少なくとも部分的に閉成し、前記保持具は前記ソケットシェルと接触し、前記少なくも一つのプランジャの摺動動作を制限し、前記付勢デバイスは、前記少なくとも一つのプランジャを一つのプランジャの前記尾部が前記保持具と前記少なくとも一つのシェル層に接触する位置に位置するように、前記少なくとも一つのプランジャに付勢力を印加するように構成されている、ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプランジャの摺動を制限するために前記少なくとも1つのプランジャが保持具キャビティを介して延出するように、前記保持具キャビティを有する保持具を前記ソケットシェルに貼着することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプランジャと前記付勢デバイスを挿入することには、尾部が前記保持具と前記少なくとも1つのシェル層に接触し、前記付勢デバイスが前記少なくとも1つのプランジャに付勢力を印加するように、前記少なくとも1つのプランジャの前記尾部を前記シェルキャビティ内へ挿入することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記内側ソケット表面は、本体部と、前記内側ソケット表面の前記本体部の断面寸法よりも小さな断面寸法を有する首部と、前記内側ソケット表面の前記本体部を前記内側ソケット表面の前記首部に接続する肩部とを含み、
前記外側シェル表面は、前記内側ソケット表面の前記本体部と同形の本体部と、前記内側ソケット表面の前記首部と同形の首部と、前記内側ソケット表面の前記肩部と同形で前記外側シェル表面の前記本体部を前記外側シェル表面の前記首部に接続する肩部とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプランジャと前記付勢デバイスを挿入することには、前記付勢デバイスにより第1のプランジャを第2のプランジャから離すように、前記シェルキャビティの前記第1の端部の前記第1の開口を介して前記第1のプランジャを挿入することと、前記シェルキャビティの第2の端部の第2の開口を介して前記第2のプランジャを挿入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気コネクタは、集積回路チップをプリント回路基板に電気的に接続するためのインターコネクタであり、前記第1のプランジャは前記集積回路チップに電気的に接続するように構成されており、前記第2のプランジャは前記プリント回路基板に電気的に接続するように構成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの層を前記コアに貼着することには、前記少なくとも1つのシェル層が第1のめっき合金を有する第1の層と第2のめっき合金を有する第2の層とを含むように、前記第1のめっき合金を前記コアに貼着することと、次いで前記コアに前記第1のめっき合金とは異なる前記第2のめっき合金を貼着することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数のソケットキャビティの一つにそれぞれ配置された複数のコンタクトプルーブを形成するために何度も前記方法を繰り返すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のコンタクトプローブのそれぞれは、複数のコンタクトプローブのうちの他の前記コンタクトプローブによる集積回路チップとプリント回路基板との間の電気的接続から離れた、前記集積回路チップと前記プリント回路基板との間の電気的接続を設ける、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照することで本明細書中に組み込まれている2010年12月2日に出願された米国特許出願第12/959,038に基づく優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、電気コネクタに係り、より詳細には、埋め込みシェル層を有する電気コネクタの製造及び使用に向く材料、部品、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクスや半導体産業では、製造過程において集積回路(IC)チップをテストし分類するために使用されるシステムは、従来から、「テストシステム」と呼ばれている。図1はテストシステム100を示している。テストシステム100は、ICチップ110とプリント回路基板(PCB)120の間へ電気的接続を提供するための電気コネクタを含む。電気コネクタは、ソケット本体130、複数のバネプローブ140、及びソケット保持具150を含み得る。
【0004】
図2及び図3はバネプローブ140を示している。バネプローブ140はシェル241、一対のプランジャ243、及びバネ344を含み得る。シェル241は管状でありニッケルや金によって被覆された銅合金で形成することができる。プランジャ243及びバネ344はシェル241内で摺動可能に配設することができる。シェル241は、シェル241内にプランジャ243とバネ344とを保持するために両端242がかしめられ、バネ344はシェル241の外方へプランジャ243を付勢することができる。このように、バネ344はシェル241から外方のプランジャ243に対して力を印加することが可能であり、プランジャ243はバネ344に対して内方へ向かう力を受けるとシェル241の内方へ押下げられる。
【0005】
バネプローブ140はアレイ内のソケット本体130及びソケット保持具150内の対応するキャビティに挿通され保持されることができる。図4及び図5は、ソケット本体130及びソケット保持具150に形成されたソケットキャビティ431へ挿入された、バネプローブ140を示している。ソケット本体130及びソケット保持具150は、バネプローブ140のプランジャ243を、バネプローブ140の第1の端部におけるプランジャ243がICチップ110上の導電パッドに電気的に接続し、バネプローブ140の第2の端部におけるプランジャ243がPCB120上の導電パッドに電気的に接続するように、位置決めすることができる。
【0006】
テストシステム100において、バネプローブ140の外側表面は、バネプローブ140をソケット本体130内のソケットキャビティ431に挿入させるように、ソケットキャビティ431の内側表面の直径より小なる直径にて形成されている。これによって、図5に示すように、第1のギャップ560をソケットキャビティ431の内側表面とシェル241の外側表面との間で形成することができる。
【0007】
また、テストシステム100において、シェル241内部のプランジャ243の外側表面は、プランジャ243をシェル241内へ挿入させるように、シェル241の内側表面の直径より小なる直径にて形成されている。これによって、図5に示すように、第2のギャップ570をシェル241の内側表面とプランジャ243の外側表面との間で形成することができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様は、電気コネクタを形成する方法に関する。この方法は、少なくとも一つの層がコアの外側表面の少なくとも一部と同形を成すように少なくとも一つの層をコアに貼着させるステップと、ソケットキャビティが内側表面を含むソケット本体部分内のソケットキャビティへ少なくとも一つの層を有するコアを圧入するステップと、を含む。また、この方法は、層が前記ソケットキャビティの内側表面に貼着されたシェル層を形成するようにこの層の少なくとも一部を残しながらソケットキャビティからコアを除去するステップを含み、シェル層は内側シェル表面を有するシェルキャビティを含む。また、この方法は少なくとも一つのプランジャの尾部がシェルキャビティ内に摺動可能に受容され、かつ付勢デバイスが少なくとも一つのプランジャの先端をシェルキャビティの内側表面から間隔をとって付勢するように少なくとも一つのプランジャと付勢デバイスとをシェルキャビティ内へ挿入するステップを含む。
【0009】
本発明の他の態様よれば、本開示は電気コネクタを形成する方法に関する。この方法は、シェル層がソケットキャビティ内に圧入によって取り付けられるようにソケット本体部分内のソケットキャビティ内にシェル層を形成するステップを含み、シェル層がシェルキャビティを含む。また、この方法は、少なくとも一つのプランジャの尾部がシェルキャビティ内に摺動可能に受容されかつ付勢デバイスが少なくとも一つのプランジャの先端をシェルキャビティから間隔をとって付勢するように、少なくとも一つのプランジャと付勢デバイスをシェルキャビティ内へ挿入するステップと、シェルキャビティ内の少なくとも一つのプランジャと付勢デバイスの少なくとも一つの摺動動作を制限するために保持具を用いてシェルキャビティの開口端を少なくとも部分的に閉成するステップと、を含み得る。
【0010】
本発明の更なる態様によれば、本開示は電気コネクタに関する。この電気コネクタは、本体を介して延出している内側ソケット表面を有するソケットキャビティを有する本体と、シェルキャビティと内側ソケット表面の少なくとも一部と同形でありかつ内側ソケット表面の少なくとも一部に層として貼着されている外側シェル表面とを有している少なくとも一つのシェル層と、を含むソケットシェルを含むことができ、少なくとも一つのシェル層が第1のシェル材料を含み得る。この電気コネクタはまた、シェルキャビティ内に摺動可能に受容されかつシェルキャビティの第1の端部の第1の開口を介して延出している少なくとも一つのプランジャと、少なくとも一つのプランジャに付勢力を印加するように構成されている付勢デバイスと、を含むコンタクトプローブを含み得る。
【0011】
更なる特徴及び利点は開示されている実施形態の説明又はその実施によって明確になり又は習得されることに照らした記載に於いてその一部が説明されているにすぎない。本発明の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲において具体的に取り上げた要素や組み合わせによって実現されかつ取得できる。以上の一般的な説明と以下の詳細な説明は共に例示し説明するために提供されており特許請求の範囲において請求しているように、本発明の実施形態の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0012】
本明細書に組み込まれこれを構成する添付図面は本発明のいくつかの実施形態を例示しておりその記載とともに本発明の基本原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プリント回路基板に集積回路チップを接続する電気コネクタを含むテストシステムを示す断面図。
図2図1の電気コネクタのバネプローブを示す側面図。
図3図2のバネプローブを示す断面図。
図4図1の電気コネクタ内のバネプローブを示す断面図。
図5図1の電気コネクタ内のバネプローブを示す断面図。
図6】本発明の例示的な実施形態による、電気コネクタを示す断面図。
図7】本発明の例示的な実施形態による、電気コネクタを示す断面図。
図8】電気コネクタを形成するために使用されるコアを示す側面図(図8から図14は他の例示的な実施形態による電気コネクタを形成するための方法を示している)。
図9】電気コネクタのソケット本体を示す断面図である。
図10】複数の層を有する図8のコアを示す断面図である。
図11図9のソケット本体に圧入された図10の層を有するコアを示す断面図。
図12図9のソケット本体に圧入された図10の層を有するコアを示す断面図。
図13図11及び図12の層を有するコアとソケット本体によって形成されたソケットシェルを示す断面図。
図14図13のソケットシェルで形成された電気コネクタを示す断面図。
図15図8のコアを形成するためのワイヤを示す側面図。
図16】電気コネクタを形成するために使用されるコアを示す側面図である(図16から図21更なる例示的な実施形態による電気コネクタを形成するための方法の実施態様を示している)。
図17】電気コネクタのソケット本体を示す断面図。
図18】複数の層を有する図16のコアを示す断面図。
図19図17のソケット本体へ圧入された図18の層を有するコアを示す断面図である。
図20図19の層を有するコアとソケット本体によって形成されたソケットシェルを示す断面図。
図21図20のソケットシェルで形成された電気コネクタを示す断面図。
図22図16のコアを形成するためのワイヤを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、実施例を添付図面において例示した本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な限り、図面の全体を通して同一又は同様の要素には同じ参照番号を使用する。
【0015】
図6及び図7は、例示的な実施形態による電気コネクタを示している。電気コネクタは、各種のデバイス間、例えば、ICチップとPCBやマザーボードとの間へ電気信号を送信するように構成されているインターコネクタであってよい。本明細書中に開示されている電気コネクタは、以下に制限されないが、例えば、エレクトロニクスや半導体のアプリケーション等の様々なアプリケーションに使用することができる。例えば、例示的な実施形態によれば、電気コネクタは、ICチップをテストするためのテストシステムにおいて提供することができる。このようなテストシステムにおいて、電気コネクタはICチップをテストするために使用されるPCBにICチップを電気的に接続することができる。
【0016】
電気コネクタは、ソケット本体630、一つ以上のコンタクトプローブ640、及び保持具650を含み得る。ソケット本体630と保持具650は共に略平面状に配設することができ、例えば、これらは略水平に延在させて互いに隣り合うように配置することができる。例えば、ソケット本体630は、図6に示すように保持具650の上部に置いてもよいし、保持具650をソケット本体630の上部に置いてもよい。
【0017】
ソケット本体630は、一以上のソケットキャビティ631を含むことができ、保持具650はソケットキャビティ631に位置合わせされた一以上の保持具キャビティ651を含み得る。コンタクトプローブ640は、個々のソケットキャビティ631内及び対応する保持具キャビティ651内に配置することができる。例えば、電気コネクタがICチップをPCBに電気的に接続する実施形態において、ソケットキャビティ631と保持具キャビティ651の各位置合わせされた対は、ソケットキャビティ631と保持具キャビティ651の各位置合わせされた対におけるコンタクトプローブ640がICチップとPCBの相互に対応するパッドと電気的に接続するように、ICチップ上の対応するパッドとPCB上の対応するパッドに位置合わせされる。
【0018】
コンタクトプローブ640の数(及びソケットキャビティ631と保持具キャビティ651の対応する数)は、例えば、所望されるデータ処理速度、ICチップの構造、PCB、又は電気コネクタによって電気的に接続されている他のデバイス等に依存し得る。例えば、下は10個未満、上は千個以上のコンタクトプローブ640を提供することができる。
【0019】
コンタクトプローブ640は、シェル層641と接触し、かつ、一対のプランジャ643と付勢デバイス644を含み得る。シェル層641は管状であってよく、例えば、ニッケル及び/又は金等のめっき合金等の導電性材料で形成することができる。シェル層641の断面形状は円形、楕円形、正方形、長方形又は他の形状とすることができる。シェル層641は、異なる断面形状及び/又は大きさを有する複数の区画を含み得る。プランジャ643と付勢デバイス644はシェル層641内で摺動可能である。
【0020】
プランジャ643は、一端が先端645を含み反対端が尾部646を含み得る。シェル層641及び/又はソケット本体630は、このシェル層641及び/又はソケット本体630内で尾部646及び付勢デバイス644を受ける端部を含むことができ、シェル層641及び/又はソケット本体630の端部は開口を含むことができ、この開口を介して尾部646がシェル層641内で摺動するとき先端645も摺動する。先端645は、電気コネクタに電気的に接続される装置上の対応するパッド、例えば、ICチップやPCB上の対応するパッドに接触するように形付けられることができる。尾部646は、同尾部646の外側表面とシェル層641の内側表面との間に殆ど又は全く隙間を生じずにシェル層641に摺動可能に受容される断面を有することができる。
【0021】
付勢デバイス644は一つ又は二つのプランジャ643に付勢力を印加してシェル層641から外方へプランジャ(複数可)643を付勢することが可能なバネ又は他のデバイスであってよい。図6及び図7に示した例示的な実施形態において、両方のプランジャ643に付勢力を印加するために単一の付勢デバイス644が提供されてよい。或いは、プランジャ643に個別に付勢力を加えるために二つの付勢デバイス644が提供されてよい。付勢デバイス644は、シェル層641の内側表面の形状に対応するように形付けられた断面を有することができる。
【0022】
プランジャ先端645とプランジャ尾部646は導電性の材料から形成されてプランジャ643とシェル層641との間、例えば、ICチップとPCBとの間の電気的な接続を可能にすることができる。よって、例示的な実施形態において、プランジャ尾部646とシェル層644との間の電気的な接続を助けるためにシェル層641の内側表面とプランジャ尾部646の外側表面は互いの表面間に隙間を生じないように互いに接触することができる。例えば、プランジャ尾部646は、シェル層644の内部断面とほぼ同じ断面形状及び大きさで形成することができる。よって、プランジャ尾部646の外側表面の少なくとも一部をシェル層644の内側表面に同形を成すように形成することができる。付勢デバイス644はまた、導電性材料で形成することができるとともにICチップとPCBとの間の電気的な接続を可能にすることもできる。
【0023】
プランジャ643は付勢デバイス644に対して内向きの力を受けてシェル層641の内方へ押し下げられる(収縮される)。例えば、電気コネクタがICチップをPCBへ電気的に接続させる実施形態において、ICチップとPCBの間にソケット本体630、シェル層641、コンタクトプローブ640、及び保持具650を挟むことができる。この構成において、ICチップとPCBは、プランジャ643をシェル層641の内方へ押下げさせる各々のプランジャ先端645へ力を印加することができる。よって、各々のコンタクトプローブ640の一端上のプランジャ先端645はICチップ上の各々のパッドに接触し、各々のコンタクトプローブ640の反対端上のプランジャ先端645はPCB上の各々のパッドに接触する。シェル層641に対して拡大したり縮小したりするプランジャ643の機能はICチップの大きさのばらつきを補うことができる。また、プランジャ643を外方に付勢することによってプランジャ643と各々のICチップやPCBの間でより確実な接続が可能となる。
【0024】
シェル層641は、同シェル層641の外側又は外側表面の少なくとも一部がソケットキャビティ631の内側表面に同形を成すようにソケットキャビティ631内に形成することができる。例示的な実施形態において、シェル層641は、以下に詳述するように、ソケットキャビティ631の内部に直接形成することができる。コンタクトプローブ640もまた、ソケット本体630のソケットキャビティ631の内部に直接組み立てることができる。シェル層641及びコンタクトプローブ640はソケット本体630とは別体で組み立てられないので、ソケット本体630の外側でこれらの部品を取り扱うことによってシェル層641及び/又はコンタクトプローブ640を破壊するリスクが軽減される。例えば、以下に記載するように、シェル層641を壊したり曲げたりするリスクを高める可能性のある、シェル層641自体をソケットキャビティ631内へ摺動させる必要もなくなる。
【0025】
図8図14は例示的な実施形態による電気コネクタを形成するための方法を示している。図8に示すように、コア800を形成することができる。コア800は、以下に記載するように、例えば、化学エッチング等によって、溶解されるか、又は、化学的に除去されることが可能な材料で形成することができる。例えば、コア800は、アルミニウム合金から形成することができる。コア800は、本体部分801、肩部802、及び首部803を含み得る。図8に示したように、本体部分801は首部803より大なる断面積(例えば、より大なる外径)を有することができ、肩部802は、本体部分801と首部803との間の移行部を形成することができる。或いは、コア800は他の形状を有してもよい。例えば、肩部802を省略して、本体部分801が直接首部803へ移行することもできる。
【0026】
図9に示すように、ソケットキャビティ631をソケット本体630に形成することができる。図9に示すように、ソケットキャビティ631は、ソケット本体630の深さを貫通して全体的に延出することができる。ソケットキャビティ631は、本体部分932、肩部933、及び首部934を含み得る。図9に示すように、本体部分932は、首部934より大なる断面積(より大なる内径)を有することができ、肩部933は本体部分932と首部934の間に移行部を形成することができる。或いは、ソケットキャビティ631は他の形状を有することもできる。例えば、肩部933を省略して、本体部分932が首部934へ直接移行することもできる。ソケット本体630の深さ、すなわち、ソケットキャビティ631が延出する大きさはコア800の長さより短くてよい。
【0027】
図10に示したように、コア800は一以上の層で貼着又はコーティングすることができる。例示的な実施形態において、コア800は、最初に、コア800の外側表面のほぼ全体を第1の層1000で、その後、第1の層1000の外側表面のほぼ全体を第2の層1001で、コーティングすることができる。或いは、コア800は、単一層又は二以上の層でコーティングすることができる。また、例示的な実施形態において、第1の層1000をコア800上にめっき合金でめっきすることができ、第2の層1001を第1の層1000上に他のめっき合金でめっきすることができる。例えば、第1の層1000を金で形成することができ、約0.5μm(マイクロメートル又はミクロン)〜3μmの膜厚を有することができる。第2の層1001はニッケルから形成することができ、約3μm〜10μm以上の膜厚を有することができる。或いは、第1の層1000はニッケル又は他のめっき合金で形成することができ、第2の層1001は金又は他のめっき合金で形成することができる。各々の層のめっき合金材料や膜厚は具体的な用途に基づいて決定することができる。
【0028】
次に、図11に示したように、図10に示した層1000、1001を有するコア800はソケットキャビティ631に圧入することができる。例えば、層1000、1001を有するコア800は、この層1000、1001を有するコア800の本体部分801、肩部802、及び首部803の外側表面がソケットキャビティ631の対応する本体部分932、肩部933、及び首部934の内側表面に近位配設されかつ接触するように、ソケットキャビティ631へ圧入されることができる。これによって、層1000、1001はソケットキャビティ631に圧入又は圧縮されて、第2の層1001の外側表面をソケットキャビティ631の内側表面へ貼着することができる。
【0029】
図11に示すように、層1000、1001を有するコア800がソケットキャビティ631に圧入されるときにコア800と層1000、1001との端部のいずれか一端及び両端がソケット本体630から外方に延出するようにソケット本体630の深さは層1000、1001を有するコア800の長さより短くすることができる。図12は、ソケット本体630から外方に延出するコア800と層1000、1001との端部が除去される任意のステップを示している。コア800と層1000、1001との端部を除去するか又は切削するために任意の方法を使用することができる。図12に示すように、コア800と層1000、1001との端部は、層1000、1001及びコア800がソケット本体630の端部と面一になるように除去することができる。これによって、コア800は端部の少なくとも一つから露出される。図8図14に示した態様による方法は、例えば、図16図21に関連して以下に記載するように、特定の実施形態においては必要とされない場合もある。
【0030】
図13に示したように、コア800は、シェルキャビティ1340を有するソケットシェル1300を形成するために除去することができる。例示的な実施形態において、コア800と層1000、1001との端部を除去してコア層800の端部を露出した後、コア800は、例えば、化学エッチングによって溶解されるか及び/又は化学的に除去されることができる。化学エッチング処理中、化学溶剤が(例えば、ソケット本体630を化学溶剤に浸漬することによって)コア800に塗布されることで、層1000、1001又はソケット本体630を除去せずにコア800を除去することができる。例えば、例示的な実施形態において、化学溶剤は、例えば、コア800を形成するために使用されるアルミニウム合金や他の材料を除去するが、層1000、1001を形成するために使用されるニッケル、金、又は他のめっき合金やソケット本体630を形成するために使用される材料を除去しない水酸化ナトリウム(NaOH)や他の溶液等の塩基溶液であってよい。従って、コア800を除去した後、層1000、1001及びソケット本体630は残留してソケットシェル1300を形成し、第1の層1000の内側表面はソケットシェル1300内にシェルキャビティ1340を形成する。
【0031】
層1000、1001はシェル層641を形成し、同シェル層641は、図11に関連して上記したように、ソケット本体630内に埋め込まれかつシェルキャビティ631内に層1000、1001を有するコア800を圧入することによってソケットキャビティ631の内側表面に貼着される。シェル層641の外側表面全体(又はその一部)は、ソケット本体630内のソケットキャビティ631の内側表面に対面しておりかつ同形であり、ソケットキャビティ631に対面しているシェル層641の外側表面(又はその一部)とソケットキャビティ631の対応する内側表面は、両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができる。
【0032】
図14に示したように、プランジャ643及び付勢デバイス644はソケットキャビティ1340に挿入され、保持具650はプランジャ先端645に外挿される。例示的な実施形態において、第1のプランジャ643は、プランジャ先端645がソケットキャビティ首部934よって形成されたシェルキャビティ1340の一部に挿通されそのプランジャ尾部646がソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ1340の一部の内部に摺動可能に配置されるように、挿入される。その後、付勢デバイス644及び第2のプランジャ643はシェルキャビティ1340に挿入されることができる。付勢デバイス644は二つのプランジャ643の各々のプランジャ尾部646同士の間に位置決めすることができ、第2のプランジャ642のプランジャ尾部646はソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ1340の一部の内部に摺動可能に配置される。次に、保持具650は、第2のプランジャ643のプランジャ先端645が保持具キャビティ651に挿通されるように、ソケットシェル1300に対して位置決めされる。保持具650はソケットシェル1300におけるプランジャ643及び付勢デバイス644の摺動動作を保持し制限するはたらきをする。両プランジャ643のプランジャ尾部646はその外側表面の少なくとも一部がシェルキャビティ1340の内側表面と同形を成し、各プランジャ尾部646の外側表面とシェルキャビティ1340の内側表面は両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができる。
【0033】
図8及び図10に関連して上記したように、コア800は個別に切削され、その後、第1及び第2の層1000、1001でめっきすることができる。或いは、図15に示したように、図8に示したコア800はワイヤ1500から形成することができる。ワイヤ1500はほぼ一定した断面を有し、その後、図15に示すように、各々が本体部分801、肩部802、及び首部803を含むコア800の連結された連続体を形成するようにスタンピングすることができる。コア800は、図8に示したコア800を形成するためにワイヤ1500から個別に切削することができる。コア800は、図10に示したように、第1及び第2の層1000、1001で更にめっきすることができる。
【0034】
図9及び図11〜14はソケット本体630内の単一のソケットキャビティ631を示しているが、複数のソケットキャビティ631を単一のソケット本体630内に形成することができる。数多くのコア800は、図8図10図15に関連して上記した実施形態と同様に形成され層状に作ることができ、図11に関連して上記した実施形態と同様に、単一ソケット本体630の各々のソケットキャビティ631に圧入することができる。各コア1600と各ソケットキャビティ631は一対一で対応している。層1000、1001を有する数多くのコア800の端部は、図12に関連して上記したように、除去することができ、ソケット本体630は全体を化学溶剤に浸漬することができる。化学溶剤は、図13に関連して上記した実施形態と同様に、単一のソケット本体630内のすべてのコア800を除去して、数多くのシェルキャビティ1340を有するソケットシェル1300を形成することができる。その後、一つの付勢デバイス644と一対のプランジャ643は各シェルキャビティ1340に挿入することができ、保持具650は、図14に関連して上記した実施形態と同様に、プランジャ先端645が保持具650の各々の保持具キャビティ651に挿通することができるようにソケットシェル1300に対して位置決めすることができる。
【0035】
図16図21は、他の例示的な実施形態による電気コネクタを形成するための方法を示している。図16に示したように、コア1600が形成される。コア1600は、例えば、化学エッチング等によって、溶解されるか又は化学的に除去されることが可能な材料から形成される。例えば、コア1600はアルミニウム合金から形成することができる。図16に示したように、コア1600は一定の断面を有することができる。例えば、コア1600の断面は、円形、楕円形、正方形、長方形等を有することができる。或いは、コア1600は他の形状を有することもできる。コア1600は、図16に示すように、ソケットキャビティ631の本体部分932の深さにほぼ等しい長さを有するように形成することができる。
【0036】
図17に示したように、ソケットキャビティ631はソケット本体630に形成されている。図9に関連して上記したように、ソケットキャビティ631はソケット本体630に形成することができる。図16図21に示した例示的な実施形態において、以下に記載するように、ソケット本体630の深さ、すなわち、これに沿ってソケットキャビティ631が延出する大きさはコア1600の長さより長くすることができる。
【0037】
図18に示すように、コア1600は一以上の層で貼着するか又はコーティングすることができる。例示的な実施形態において、コア1600の外側側面、即ち、ソケットキャビティ631の内側表面に対面する外側表面をコーティングすることができる。コア1600は最初に第1の層1800で次に第2の層1801でコーティングすることができる。或いは、コア1600は単一層又は二以上の層でコーティングすることができる。また、例示的な実施形態において、第1の層1800はめっき合金でコア1600へめっきすることができ、第2の層1801は別のめっき合金で第1の層1800へめっきすることができる。例えば、第1の層1800は金で形成され約0.5μm〜3μmの厚さを有することができる。第2の層1801はニッケルで形成され約3μm〜10μm以上の厚さを有することができる。或いは、第1の層1800はニッケル又は他のめっき合金から形成され、第2の層1801は金又は他のめっき合金で形成することができる。各々の層のめっき合金材料及び膜厚は、具体的な用途に基づいて決定することができる。
【0038】
図19に示したように、層1800、1801を有するコア1600は、図18に示したように、ソケットキャビティ631に圧入することができる。例えば、層1800、1801を有するコア1600は、第2の層1801の外側表面がソケットキャビティ631の本体部分932の内側表面に近位配設されかつ接触するようにソケットキャビティ631に圧入することができる。ソケット本体630の深さは層1800、1801を有するコア1600の長さより長くかつコア1600の端部が露出している(層1800、1801で覆われてない)ので、図12に関連して説明したようなコア1600と層1800、1801との端部を除去する必要がない。これによって、層1800、1801がソケットキャビティ631に圧入され又は圧縮されることにより、第2の層1801の外側表面がソケットキャビティ631の内側表面に貼着される。
【0039】
図20に示すように、コア1600はシェルキャビティ2040を有するソケットシェル2000を形成するために除去することができる。例示的な実施形態において、コア1600は、例えば、化学エッチングによって、溶解されるか及び/又は化学的に除去されることができる。化学エッチング処理中、化学溶剤は(例えば、ソケット本体630を化学溶剤に浸漬することによって)コア1600に塗布されて、層1800、1801又はソケット本体630を除去せずに、コア1600を除去することができる。例えば、例示的な実施形態において、化学溶剤は、例えば、コア1600を形成するために使用されるアルミニウム合金や他の材料を除去するが、層1800、1801を形成するために使用されるニッケル、金、又は他のめっき合金又はソケット本体630を形成するために使用される材料を除去しない、水酸化ナトリウム(NaOH)や他の溶液等の塩基溶液であってよい。従って、コア1600を除去した後、層1800、1801及びソケット本体630は残留してソケットシェル2000を形成し、第1の層1800の内側表面はソケットシェル2000内にシェルキャビティ2040を形成する。
【0040】
層1000、1001はシェル層641を形成し、同シェル層641は、図19に関連して上記したように、ソケット本体630内に埋め込まれかつソケットキャビティ631内に層1000、1001を有するコア1600を圧入することによってソケットキャビティ631の内側表面に貼着される。シェル層641の外側表面全体(又はその一部)は、ソケット本体630内のソケットキャビティ631の内側表面に対面しておりかつ同形であり、ソケットキャビティ631に対面しているシェル層641の外側表面(又はその一部)とソケットキャビティ631の対応する内側表面は、両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができる。
【0041】
図21に示すように、プランジャ643及び付勢デバイス644はソケットキャビティ2040に挿入され、保持具650はプランジャ先端645に外挿される。例示的な実施形態において、第1のプランジャ643は、そのプランジャ先端645がソケットキャビティ首部934よって形成されたシェルキャビティ2040の一部に挿通され、そのプランジャ尾部646がソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ1340の一部の内部に摺動可能に配置されるように、挿入される。その後、付勢デバイス644及び第2のプランジャ643はシェルキャビティ2040に挿入されることができる。付勢デバイス644は二つのプランジャ643の各々のプランジャ尾部646同士の間に位置決めすることができ、第2のプランジャ642のプランジャ尾部646はソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ2040の一部の内部に摺動可能に配置される。次に、保持具650は、第2のプランジャ643のプランジャ先端645が保持具キャビティ651に挿通されるように、ソケットシェル2000に対して位置決めされる。保持具650は、ソケットシェル2000におけるプランジャ643及び付勢デバイス644の摺動動作を保持し制限するはたらきをする。両プランジャ643のプランジャ尾部646はその外側表面の少なくとも一部がシェルキャビティ2040の内側表面と同形を成し、各プランジャ尾部646の外側表面とシェルキャビティ2040の内側表面は両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができるよう、形成されることができる。
【0042】
図16及び図18に関連して上記したように、コア1600は個別に切削され、その後、第1及び第2の層1800、1801で個別にめっきすることができる。或いは、図22に示したように、図16に示したコア1600はワイヤ2200から形成することができる。ワイヤ2200はほぼ一定した断面を有することができる。コア1600は、例えば、図16に示したコア1600等の所定の長さのコア1600を形成するために、ワイヤ2200から個別に切削することができる。その後、ワイヤ2200からコア1600を切削した後、コア1600は、図18に示したように、第1及び第2の層1800、1801でめっきすることができる。或いは、ワイヤ2200は、同ワイヤ2200からコア1600を切削する前に第1及び第2の層1800、1801でめっきすることができる。ワイヤ2200からコア1600を切削する前にワイヤ2200がめっきされる場合、図18に示したようにコア1600を個別にめっきする工程は省略することができる。
【0043】
図17及び図19〜21はソケット本体630内の単一のソケットキャビティ631を示しているが、数多くのソケットキャビティ631を単一のソケット本体630内に形成することができる。数多くのコア1600は、図16図18図22に関連して上記した実施形態と同様に、形成され層状に作ることができ、図19に関連して上記した実施形態と同様に、単一ソケット本体630の各々のソケットキャビティ631に圧入することができる。各コア1600と各ソケットキャビティ631は一対一で対応している。ソケット本体全体630は化学溶剤に浸漬することができる。化学溶剤は、図20に関連して上記した実施形態と同様に、単一のソケット本体630内のすべてのコア1600を除去して、数多くのシェルキャビティ2040を有するソケットシェル2000を形成することができる。その後、一つの付勢デバイス644と一対のプランジャ643は各シェルキャビティ2040に挿入することができ、保持具650は、図21に関連して上記した実施形態と同様に、プランジャ先端645が保持具650の各々の保持具キャビティ651に挿通することができるようにソケットシェル2000に対して位置決めすることができる。
【0044】
上記したように、コア800(又は1600)は、ソケットシェル1300(又は2000)を形成するために使用することができる。コア800(又は1600)は、ソケットキャビティ631に挿入されるときにコア800(又は1600)に掛かる圧縮等の印加される力に耐えられるだけ強力に形成することができる。例えば、コア800(又は1600)は、これらの力に耐えるほど強くかつ化学的に除去することを可能にすることを確実にするように、特定の材料から及び/又は特定の形状で形成することができる。
【0045】
層1000、1001(又は1800、1801)を有するコア800(又は1600)をソケットキャビティ631に圧入又は圧縮することによって、ソケットシェル1300(又は2000)は、ソケット本体630と、層1000、1001(又は1800、1801)によって形成された埋め込まれたシェル層641と、の間に隙間を生じずに及び/又は隙間嵌めによって形成することができる。シェル層641の外側表面の少なくとも一部はソケットキャビティ631の内側表面に同形である。これによって、(プランジャ643及び付勢デバイス644によって形成された)シェル層641及び/又はコンタクトプローブ640がソケット本体630に挿入され支持されたときに変形する危険性が低減される。
【0046】
また、上記したように、シェル層641はソケット本体630内に直接形成することができるので、従来のバネプローブを形成する時に典型的に実行される各コンタクトプローブのシェルの端部を圧着する必要がある等のいくつかの工程を回避することができる。
【0047】
本発明のシステム及びプロセスにおいて様々な変更及び変形が本発明の範囲を逸脱することなく実行可能であることは当業者にとって明確であろう。即ち、本発明の明細書や実施を理解することによって他の実施形態が可能であることは当業者にとって明確であろう。明細書及び実施例は例示目的のみを意図しており、真の範囲は以下のクレームとその均等物によって示している。
【符号の説明】
【0048】
630 ソケット本体
631 ソケットキャビティ
641,644 シェル層
643 プランジャ
644 付勢デバイス
800,1600 コア
1000,1001,1800,1801 層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22