(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シェルキャビティにおける前記少なくとも一つのプランジャと前記付勢デバイスの少なくとも一つの摺動動作を制限するために、保持具を用いて前記シェルキャビティの開口端を少なくとも部分的に閉成し、前記保持具は前記ソケットシェルと接触し、前記少なくも一つのプランジャの摺動動作を制限し、前記付勢デバイスは、前記少なくとも一つのプランジャを一つのプランジャの前記尾部が前記保持具と前記少なくとも一つのシェル層に接触する位置に位置するように、前記少なくとも一つのプランジャに付勢力を印加するように構成されている、ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクスや半導体産業では、製造過程において集積回路(IC)チップをテストし分類するために使用されるシステムは、従来から、「テストシステム」と呼ばれている。
図1はテストシステム100を示している。テストシステム100は、ICチップ110とプリント回路基板(PCB)120の間へ電気的接続を提供するための電気コネクタを含む。電気コネクタは、ソケット本体130、複数のバネプローブ140、及びソケット保持具150を含み得る。
【0004】
図2及び
図3はバネプローブ140を示している。バネプローブ140はシェル241、一対のプランジャ243、及びバネ344を含み得る。シェル241は管状でありニッケルや金によって被覆された銅合金で形成することができる。プランジャ243及びバネ344はシェル241内で摺動可能に配設することができる。シェル241は、シェル241内にプランジャ243とバネ344とを保持するために両端242がかしめられ、バネ344はシェル241の外方へプランジャ243を付勢することができる。このように、バネ344はシェル241から外方のプランジャ243に対して力を印加することが可能であり、プランジャ243はバネ344に対して内方へ向かう力を受けるとシェル241の内方へ押下げられる。
【0005】
バネプローブ140はアレイ内のソケット本体130及びソケット保持具150内の対応するキャビティに挿通され保持されることができる。
図4及び
図5は、ソケット本体130及びソケット保持具150に形成されたソケットキャビティ431へ挿入された、バネプローブ140を示している。ソケット本体130及びソケット保持具150は、バネプローブ140のプランジャ243を、バネプローブ140の第1の端部におけるプランジャ243がICチップ110上の導電パッドに電気的に接続し、バネプローブ140の第2の端部におけるプランジャ243がPCB120上の導電パッドに電気的に接続するように、位置決めすることができる。
【0006】
テストシステム100において、バネプローブ140の外側表面は、バネプローブ140をソケット本体130内のソケットキャビティ431に挿入させるように、ソケットキャビティ431の内側表面の直径より小なる直径にて形成されている。これによって、
図5に示すように、第1のギャップ560をソケットキャビティ431の内側表面とシェル241の外側表面との間で形成することができる。
【0007】
また、テストシステム100において、シェル241内部のプランジャ243の外側表面は、プランジャ243をシェル241内へ挿入させるように、シェル241の内側表面の直径より小なる直径にて形成されている。これによって、
図5に示すように、第2のギャップ570をシェル241の内側表面とプランジャ243の外側表面との間で形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、実施例を添付図面において例示した本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な限り、図面の全体を通して同一又は同様の要素には同じ参照番号を使用する。
【0015】
図6及び
図7は、例示的な実施形態による電気コネクタを示している。電気コネクタは、各種のデバイス間、例えば、ICチップとPCBやマザーボードとの間へ電気信号を送信するように構成されているインターコネクタであってよい。本明細書中に開示されている電気コネクタは、以下に制限されないが、例えば、エレクトロニクスや半導体のアプリケーション等の様々なアプリケーションに使用することができる。例えば、例示的な実施形態によれば、電気コネクタは、ICチップをテストするためのテストシステムにおいて提供することができる。このようなテストシステムにおいて、電気コネクタはICチップをテストするために使用されるPCBにICチップを電気的に接続することができる。
【0016】
電気コネクタは、ソケット本体630、一つ以上のコンタクトプローブ640、及び保持具650を含み得る。ソケット本体630と保持具650は共に略平面状に配設することができ、例えば、これらは略水平に延在させて互いに隣り合うように配置することができる。例えば、ソケット本体630は、
図6に示すように保持具650の上部に置いてもよいし、保持具650をソケット本体630の上部に置いてもよい。
【0017】
ソケット本体630は、一以上のソケットキャビティ631を含むことができ、保持具650はソケットキャビティ631に位置合わせされた一以上の保持具キャビティ651を含み得る。コンタクトプローブ640は、個々のソケットキャビティ631内及び対応する保持具キャビティ651内に配置することができる。例えば、電気コネクタがICチップをPCBに電気的に接続する実施形態において、ソケットキャビティ631と保持具キャビティ651の各位置合わせされた対は、ソケットキャビティ631と保持具キャビティ651の各位置合わせされた対におけるコンタクトプローブ640がICチップとPCBの相互に対応するパッドと電気的に接続するように、ICチップ上の対応するパッドとPCB上の対応するパッドに位置合わせされる。
【0018】
コンタクトプローブ640の数(及びソケットキャビティ631と保持具キャビティ651の対応する数)は、例えば、所望されるデータ処理速度、ICチップの構造、PCB、又は電気コネクタによって電気的に接続されている他のデバイス等に依存し得る。例えば、下は10個未満、上は千個以上のコンタクトプローブ640を提供することができる。
【0019】
コンタクトプローブ640は、シェル層641と接触し、かつ、一対のプランジャ643と付勢デバイス644を含み得る。シェル層641は管状であってよく、例えば、ニッケル及び/又は金等のめっき合金等の導電性材料で形成することができる。シェル層641の断面形状は円形、楕円形、正方形、長方形又は他の形状とすることができる。シェル層641は、異なる断面形状及び/又は大きさを有する複数の区画を含み得る。プランジャ643と付勢デバイス644はシェル層641内で摺動可能である。
【0020】
プランジャ643は、一端が先端645を含み反対端が尾部646を含み得る。シェル層641及び/又はソケット本体630は、このシェル層641及び/又はソケット本体630内で尾部646及び付勢デバイス644を受ける端部を含むことができ、シェル層641及び/又はソケット本体630の端部は開口を含むことができ、この開口を介して尾部646がシェル層641内で摺動するとき先端645も摺動する。先端645は、電気コネクタに電気的に接続される装置上の対応するパッド、例えば、ICチップやPCB上の対応するパッドに接触するように形付けられることができる。尾部646は、同尾部646の外側表面とシェル層641の内側表面との間に殆ど又は全く隙間を生じずにシェル層641に摺動可能に受容される断面を有することができる。
【0021】
付勢デバイス644は一つ又は二つのプランジャ643に付勢力を印加してシェル層641から外方へプランジャ(複数可)643を付勢することが可能なバネ又は他のデバイスであってよい。
図6及び
図7に示した例示的な実施形態において、両方のプランジャ643に付勢力を印加するために単一の付勢デバイス644が提供されてよい。或いは、プランジャ643に個別に付勢力を加えるために二つの付勢デバイス644が提供されてよい。付勢デバイス644は、シェル層641の内側表面の形状に対応するように形付けられた断面を有することができる。
【0022】
プランジャ先端645とプランジャ尾部646は導電性の材料から形成されてプランジャ643とシェル層641との間、例えば、ICチップとPCBとの間の電気的な接続を可能にすることができる。よって、例示的な実施形態において、プランジャ尾部646とシェル層644との間の電気的な接続を助けるためにシェル層641の内側表面とプランジャ尾部646の外側表面は互いの表面間に隙間を生じないように互いに接触することができる。例えば、プランジャ尾部646は、シェル層644の内部断面とほぼ同じ断面形状及び大きさで形成することができる。よって、プランジャ尾部646の外側表面の少なくとも一部をシェル層644の内側表面に同形を成すように形成することができる。付勢デバイス644はまた、導電性材料で形成することができるとともにICチップとPCBとの間の電気的な接続を可能にすることもできる。
【0023】
プランジャ643は付勢デバイス644に対して内向きの力を受けてシェル層641の内方へ押し下げられる(収縮される)。例えば、電気コネクタがICチップをPCBへ電気的に接続させる実施形態において、ICチップとPCBの間にソケット本体630、シェル層641、コンタクトプローブ640、及び保持具650を挟むことができる。この構成において、ICチップとPCBは、プランジャ643をシェル層641の内方へ押下げさせる各々のプランジャ先端645へ力を印加することができる。よって、各々のコンタクトプローブ640の一端上のプランジャ先端645はICチップ上の各々のパッドに接触し、各々のコンタクトプローブ640の反対端上のプランジャ先端645はPCB上の各々のパッドに接触する。シェル層641に対して拡大したり縮小したりするプランジャ643の機能はICチップの大きさのばらつきを補うことができる。また、プランジャ643を外方に付勢することによってプランジャ643と各々のICチップやPCBの間でより確実な接続が可能となる。
【0024】
シェル層641は、同シェル層641の外側又は外側表面の少なくとも一部がソケットキャビティ631の内側表面に同形を成すようにソケットキャビティ631内に形成することができる。例示的な実施形態において、シェル層641は、以下に詳述するように、ソケットキャビティ631の内部に直接形成することができる。コンタクトプローブ640もまた、ソケット本体630のソケットキャビティ631の内部に直接組み立てることができる。シェル層641及びコンタクトプローブ640はソケット本体630とは別体で組み立てられないので、ソケット本体630の外側でこれらの部品を取り扱うことによってシェル層641及び/又はコンタクトプローブ640を破壊するリスクが軽減される。例えば、以下に記載するように、シェル層641を壊したり曲げたりするリスクを高める可能性のある、シェル層641自体をソケットキャビティ631内へ摺動させる必要もなくなる。
【0025】
図8〜
図14は例示的な実施形態による電気コネクタを形成するための方法を示している。
図8に示すように、コア800を形成することができる。コア800は、以下に記載するように、例えば、化学エッチング等によって、溶解されるか、又は、化学的に除去されることが可能な材料で形成することができる。例えば、コア800は、アルミニウム合金から形成することができる。コア800は、本体部分801、肩部802、及び首部803を含み得る。
図8に示したように、本体部分801は首部803より大なる断面積(例えば、より大なる外径)を有することができ、肩部802は、本体部分801と首部803との間の移行部を形成することができる。或いは、コア800は他の形状を有してもよい。例えば、肩部802を省略して、本体部分801が直接首部803へ移行することもできる。
【0026】
図9に示すように、ソケットキャビティ631をソケット本体630に形成することができる。
図9に示すように、ソケットキャビティ631は、ソケット本体630の深さを貫通して全体的に延出することができる。ソケットキャビティ631は、本体部分932、肩部933、及び首部934を含み得る。
図9に示すように、本体部分932は、首部934より大なる断面積(より大なる内径)を有することができ、肩部933は本体部分932と首部934の間に移行部を形成することができる。或いは、ソケットキャビティ631は他の形状を有することもできる。例えば、肩部933を省略して、本体部分932が首部934へ直接移行することもできる。ソケット本体630の深さ、すなわち、ソケットキャビティ631が延出する大きさはコア800の長さより短くてよい。
【0027】
図10に示したように、コア800は一以上の層で貼着又はコーティングすることができる。例示的な実施形態において、コア800は、最初に、コア800の外側表面のほぼ全体を第1の層1000で、その後、第1の層1000の外側表面のほぼ全体を第2の層1001で、コーティングすることができる。或いは、コア800は、単一層又は二以上の層でコーティングすることができる。また、例示的な実施形態において、第1の層1000をコア800上にめっき合金でめっきすることができ、第2の層1001を第1の層1000上に他のめっき合金でめっきすることができる。例えば、第1の層1000を金で形成することができ、約0.5μm(マイクロメートル又はミクロン)〜3μmの膜厚を有することができる。第2の層1001はニッケルから形成することができ、約3μm〜10μm以上の膜厚を有することができる。或いは、第1の層1000はニッケル又は他のめっき合金で形成することができ、第2の層1001は金又は他のめっき合金で形成することができる。各々の層のめっき合金材料や膜厚は具体的な用途に基づいて決定することができる。
【0028】
次に、
図11に示したように、
図10に示した層1000、1001を有するコア800はソケットキャビティ631に圧入することができる。例えば、層1000、1001を有するコア800は、この層1000、1001を有するコア800の本体部分801、肩部802、及び首部803の外側表面がソケットキャビティ631の対応する本体部分932、肩部933、及び首部934の内側表面に近位配設されかつ接触するように、ソケットキャビティ631へ圧入されることができる。これによって、層1000、1001はソケットキャビティ631に圧入又は圧縮されて、第2の層1001の外側表面をソケットキャビティ631の内側表面へ貼着することができる。
【0029】
図11に示すように、層1000、1001を有するコア800がソケットキャビティ631に圧入されるときにコア800と層1000、1001との端部のいずれか一端及び両端がソケット本体630から外方に延出するようにソケット本体630の深さは層1000、1001を有するコア800の長さより短くすることができる。
図12は、ソケット本体630から外方に延出するコア800と層1000、1001との端部が除去される任意のステップを示している。コア800と層1000、1001との端部を除去するか又は切削するために任意の方法を使用することができる。
図12に示すように、コア800と層1000、1001との端部は、層1000、1001及びコア800がソケット本体630の端部と面一になるように除去することができる。これによって、コア800は端部の少なくとも一つから露出される。
図8〜
図14に示した態様による方法は、例えば、
図16〜
図21に関連して以下に記載するように、特定の実施形態においては必要とされない場合もある。
【0030】
図13に示したように、コア800は、シェルキャビティ1340を有するソケットシェル1300を形成するために除去することができる。例示的な実施形態において、コア800と層1000、1001との端部を除去してコア層800の端部を露出した後、コア800は、例えば、化学エッチングによって溶解されるか及び/又は化学的に除去されることができる。化学エッチング処理中、化学溶剤が(例えば、ソケット本体630を化学溶剤に浸漬することによって)コア800に塗布されることで、層1000、1001又はソケット本体630を除去せずにコア800を除去することができる。例えば、例示的な実施形態において、化学溶剤は、例えば、コア800を形成するために使用されるアルミニウム合金や他の材料を除去するが、層1000、1001を形成するために使用されるニッケル、金、又は他のめっき合金やソケット本体630を形成するために使用される材料を除去しない水酸化ナトリウム(NaOH)や他の溶液等の塩基溶液であってよい。従って、コア800を除去した後、層1000、1001及びソケット本体630は残留してソケットシェル1300を形成し、第1の層1000の内側表面はソケットシェル1300内にシェルキャビティ1340を形成する。
【0031】
層1000、1001はシェル層641を形成し、同シェル層641は、
図11に関連して上記したように、ソケット本体630内に埋め込まれかつシェルキャビティ631内に層1000、1001を有するコア800を圧入することによってソケットキャビティ631の内側表面に貼着される。シェル層641の外側表面全体(又はその一部)は、ソケット本体630内のソケットキャビティ631の内側表面に対面しておりかつ同形であり、ソケットキャビティ631に対面しているシェル層641の外側表面(又はその一部)とソケットキャビティ631の対応する内側表面は、両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができる。
【0032】
図14に示したように、プランジャ643及び付勢デバイス644はソケットキャビティ1340に挿入され、保持具650はプランジャ先端645に外挿される。例示的な実施形態において、第1のプランジャ643は、プランジャ先端645がソケットキャビティ首部934よって形成されたシェルキャビティ1340の一部に挿通されそのプランジャ尾部646がソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ1340の一部の内部に摺動可能に配置されるように、挿入される。その後、付勢デバイス644及び第2のプランジャ643はシェルキャビティ1340に挿入されることができる。付勢デバイス644は二つのプランジャ643の各々のプランジャ尾部646同士の間に位置決めすることができ、第2のプランジャ642のプランジャ尾部646はソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ1340の一部の内部に摺動可能に配置される。次に、保持具650は、第2のプランジャ643のプランジャ先端645が保持具キャビティ651に挿通されるように、ソケットシェル1300に対して位置決めされる。保持具650はソケットシェル1300におけるプランジャ643及び付勢デバイス644の摺動動作を保持し制限するはたらきをする。両プランジャ643のプランジャ尾部646はその外側表面の少なくとも一部がシェルキャビティ1340の内側表面と同形を成し、各プランジャ尾部646の外側表面とシェルキャビティ1340の内側表面は両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができる。
【0033】
図8及び
図10に関連して上記したように、コア800は個別に切削され、その後、第1及び第2の層1000、1001でめっきすることができる。或いは、
図15に示したように、
図8に示したコア800はワイヤ1500から形成することができる。ワイヤ1500はほぼ一定した断面を有し、その後、
図15に示すように、各々が本体部分801、肩部802、及び首部803を含むコア800の連結された連続体を形成するようにスタンピングすることができる。コア800は、
図8に示したコア800を形成するためにワイヤ1500から個別に切削することができる。コア800は、
図10に示したように、第1及び第2の層1000、1001で更にめっきすることができる。
【0034】
図9及び
図11〜14はソケット本体630内の単一のソケットキャビティ631を示しているが、複数のソケットキャビティ631を単一のソケット本体630内に形成することができる。数多くのコア800は、
図8、
図10、
図15に関連して上記した実施形態と同様に形成され層状に作ることができ、
図11に関連して上記した実施形態と同様に、単一ソケット本体630の各々のソケットキャビティ631に圧入することができる。各コア1600と各ソケットキャビティ631は一対一で対応している。層1000、1001を有する数多くのコア800の端部は、
図12に関連して上記したように、除去することができ、ソケット本体630は全体を化学溶剤に浸漬することができる。化学溶剤は、
図13に関連して上記した実施形態と同様に、単一のソケット本体630内のすべてのコア800を除去して、数多くのシェルキャビティ1340を有するソケットシェル1300を形成することができる。その後、一つの付勢デバイス644と一対のプランジャ643は各シェルキャビティ1340に挿入することができ、保持具650は、
図14に関連して上記した実施形態と同様に、プランジャ先端645が保持具650の各々の保持具キャビティ651に挿通することができるようにソケットシェル1300に対して位置決めすることができる。
【0035】
図16〜
図21は、他の例示的な実施形態による電気コネクタを形成するための方法を示している。
図16に示したように、コア1600が形成される。コア1600は、例えば、化学エッチング等によって、溶解されるか又は化学的に除去されることが可能な材料から形成される。例えば、コア1600はアルミニウム合金から形成することができる。
図16に示したように、コア1600は一定の断面を有することができる。例えば、コア1600の断面は、円形、楕円形、正方形、長方形等を有することができる。或いは、コア1600は他の形状を有することもできる。コア1600は、
図16に示すように、ソケットキャビティ631の本体部分932の深さにほぼ等しい長さを有するように形成することができる。
【0036】
図17に示したように、ソケットキャビティ631はソケット本体630に形成されている。
図9に関連して上記したように、ソケットキャビティ631はソケット本体630に形成することができる。
図16〜
図21に示した例示的な実施形態において、以下に記載するように、ソケット本体630の深さ、すなわち、これに沿ってソケットキャビティ631が延出する大きさはコア1600の長さより長くすることができる。
【0037】
図18に示すように、コア1600は一以上の層で貼着するか又はコーティングすることができる。例示的な実施形態において、コア1600の外側側面、即ち、ソケットキャビティ631の内側表面に対面する外側表面をコーティングすることができる。コア1600は最初に第1の層1800で次に第2の層1801でコーティングすることができる。或いは、コア1600は単一層又は二以上の層でコーティングすることができる。また、例示的な実施形態において、第1の層1800はめっき合金でコア1600へめっきすることができ、第2の層1801は別のめっき合金で第1の層1800へめっきすることができる。例えば、第1の層1800は金で形成され約0.5μm〜3μmの厚さを有することができる。第2の層1801はニッケルで形成され約3μm〜10μm以上の厚さを有することができる。或いは、第1の層1800はニッケル又は他のめっき合金から形成され、第2の層1801は金又は他のめっき合金で形成することができる。各々の層のめっき合金材料及び膜厚は、具体的な用途に基づいて決定することができる。
【0038】
図19に示したように、層1800、1801を有するコア1600は、
図18に示したように、ソケットキャビティ631に圧入することができる。例えば、層1800、1801を有するコア1600は、第2の層1801の外側表面がソケットキャビティ631の本体部分932の内側表面に近位配設されかつ接触するようにソケットキャビティ631に圧入することができる。ソケット本体630の深さは層1800、1801を有するコア1600の長さより長くかつコア1600の端部が露出している(層1800、1801で覆われてない)ので、
図12に関連して説明したようなコア1600と層1800、1801との端部を除去する必要がない。これによって、層1800、1801がソケットキャビティ631に圧入され又は圧縮されることにより、第2の層1801の外側表面がソケットキャビティ631の内側表面に貼着される。
【0039】
図20に示すように、コア1600はシェルキャビティ2040を有するソケットシェル2000を形成するために除去することができる。例示的な実施形態において、コア1600は、例えば、化学エッチングによって、溶解されるか及び/又は化学的に除去されることができる。化学エッチング処理中、化学溶剤は(例えば、ソケット本体630を化学溶剤に浸漬することによって)コア1600に塗布されて、層1800、1801又はソケット本体630を除去せずに、コア1600を除去することができる。例えば、例示的な実施形態において、化学溶剤は、例えば、コア1600を形成するために使用されるアルミニウム合金や他の材料を除去するが、層1800、1801を形成するために使用されるニッケル、金、又は他のめっき合金又はソケット本体630を形成するために使用される材料を除去しない、水酸化ナトリウム(NaOH)や他の溶液等の塩基溶液であってよい。従って、コア1600を除去した後、層1800、1801及びソケット本体630は残留してソケットシェル2000を形成し、第1の層1800の内側表面はソケットシェル2000内にシェルキャビティ2040を形成する。
【0040】
層1000、1001はシェル層641を形成し、同シェル層641は、
図19に関連して上記したように、ソケット本体630内に埋め込まれかつソケットキャビティ631内に層1000、1001を有するコア1600を圧入することによってソケットキャビティ631の内側表面に貼着される。シェル層641の外側表面全体(又はその一部)は、ソケット本体630内のソケットキャビティ631の内側表面に対面しておりかつ同形であり、ソケットキャビティ631に対面しているシェル層641の外側表面(又はその一部)とソケットキャビティ631の対応する内側表面は、両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができる。
【0041】
図21に示すように、プランジャ643及び付勢デバイス644はソケットキャビティ2040に挿入され、保持具650はプランジャ先端645に外挿される。例示的な実施形態において、第1のプランジャ643は、そのプランジャ先端645がソケットキャビティ首部934よって形成されたシェルキャビティ2040の一部に挿通され、そのプランジャ尾部646がソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ1340の一部の内部に摺動可能に配置されるように、挿入される。その後、付勢デバイス644及び第2のプランジャ643はシェルキャビティ2040に挿入されることができる。付勢デバイス644は二つのプランジャ643の各々のプランジャ尾部646同士の間に位置決めすることができ、第2のプランジャ642のプランジャ尾部646はソケットキャビティ本体部分932によって形成されたシェルキャビティ2040の一部の内部に摺動可能に配置される。次に、保持具650は、第2のプランジャ643のプランジャ先端645が保持具キャビティ651に挿通されるように、ソケットシェル2000に対して位置決めされる。保持具650は、ソケットシェル2000におけるプランジャ643及び付勢デバイス644の摺動動作を保持し制限するはたらきをする。両プランジャ643のプランジャ尾部646はその外側表面の少なくとも一部がシェルキャビティ2040の内側表面と同形を成し、各プランジャ尾部646の外側表面とシェルキャビティ2040の内側表面は両表面間に隙間が生じないように相互に接触することができるよう、形成されることができる。
【0042】
図16及び
図18に関連して上記したように、コア1600は個別に切削され、その後、第1及び第2の層1800、1801で個別にめっきすることができる。或いは、
図22に示したように、
図16に示したコア1600はワイヤ2200から形成することができる。ワイヤ2200はほぼ一定した断面を有することができる。コア1600は、例えば、
図16に示したコア1600等の所定の長さのコア1600を形成するために、ワイヤ2200から個別に切削することができる。その後、ワイヤ2200からコア1600を切削した後、コア1600は、
図18に示したように、第1及び第2の層1800、1801でめっきすることができる。或いは、ワイヤ2200は、同ワイヤ2200からコア1600を切削する前に第1及び第2の層1800、1801でめっきすることができる。ワイヤ2200からコア1600を切削する前にワイヤ2200がめっきされる場合、
図18に示したようにコア1600を個別にめっきする工程は省略することができる。
【0043】
図17及び
図19〜21はソケット本体630内の単一のソケットキャビティ631を示しているが、数多くのソケットキャビティ631を単一のソケット本体630内に形成することができる。数多くのコア1600は、
図16、
図18、
図22に関連して上記した実施形態と同様に、形成され層状に作ることができ、
図19に関連して上記した実施形態と同様に、単一ソケット本体630の各々のソケットキャビティ631に圧入することができる。各コア1600と各ソケットキャビティ631は一対一で対応している。ソケット本体全体630は化学溶剤に浸漬することができる。化学溶剤は、
図20に関連して上記した実施形態と同様に、単一のソケット本体630内のすべてのコア1600を除去して、数多くのシェルキャビティ2040を有するソケットシェル2000を形成することができる。その後、一つの付勢デバイス644と一対のプランジャ643は各シェルキャビティ2040に挿入することができ、保持具650は、
図21に関連して上記した実施形態と同様に、プランジャ先端645が保持具650の各々の保持具キャビティ651に挿通することができるようにソケットシェル2000に対して位置決めすることができる。
【0044】
上記したように、コア800(又は1600)は、ソケットシェル1300(又は2000)を形成するために使用することができる。コア800(又は1600)は、ソケットキャビティ631に挿入されるときにコア800(又は1600)に掛かる圧縮等の印加される力に耐えられるだけ強力に形成することができる。例えば、コア800(又は1600)は、これらの力に耐えるほど強くかつ化学的に除去することを可能にすることを確実にするように、特定の材料から及び/又は特定の形状で形成することができる。
【0045】
層1000、1001(又は1800、1801)を有するコア800(又は1600)をソケットキャビティ631に圧入又は圧縮することによって、ソケットシェル1300(又は2000)は、ソケット本体630と、層1000、1001(又は1800、1801)によって形成された埋め込まれたシェル層641と、の間に隙間を生じずに及び/又は隙間嵌めによって形成することができる。シェル層641の外側表面の少なくとも一部はソケットキャビティ631の内側表面に同形である。これによって、(プランジャ643及び付勢デバイス644によって形成された)シェル層641及び/又はコンタクトプローブ640がソケット本体630に挿入され支持されたときに変形する危険性が低減される。
【0046】
また、上記したように、シェル層641はソケット本体630内に直接形成することができるので、従来のバネプローブを形成する時に典型的に実行される各コンタクトプローブのシェルの端部を圧着する必要がある等のいくつかの工程を回避することができる。
【0047】
本発明のシステム及びプロセスにおいて様々な変更及び変形が本発明の範囲を逸脱することなく実行可能であることは当業者にとって明確であろう。即ち、本発明の明細書や実施を理解することによって他の実施形態が可能であることは当業者にとって明確であろう。明細書及び実施例は例示目的のみを意図しており、真の範囲は以下のクレームとその均等物によって示している。