(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記螺旋ファンの外周面は、前記反応管に接触せず、前記螺旋ワッシャは、前記螺旋ファンの外周面と、前記反応管と、の間に、少なくとも1mmのギャップを作り出す請求項11記載の反応装置。
前記ファンは、その外周面に1以上の突起部を有し、前記1以上の突起部のうちの1つは、ノッチを画し、前記1以上の突起部は、前記反応管に接触するクレーム13記載の反応装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に用いられるように、5〜25の範囲が与えられた場合、少なくとも5、もしくは、5よりも多く、個々に独立して25よりも少ないこと、もしくは、25よりも多くないことを意味する。全てのリアクタ部品、または、その部分を構成する材料は、以下に論ずるように、例えば、金属、非鉄金属、金属ホイル、鋼鉄、ステンレス鋼、合金、ホイル、プラスチックやガラスなどの非金属、セラミック、もしくはそれらの組合せのようなその分野において良く知られている材料を含むことができる。
【0009】
ここに説明される反応装置は、しばしば積み重ね可能な構造のリアクタ(SSR)と表現され、反応装置を通過して流体が流れる方向に見た場合に一般的な環状の断面を有するモノリスを形成するために、センターロッドもしくは芯棒、パイプ,柱などの中心支持体の周りに配置される多数の部品を含むことができる。ここに説明するように、反応装置および関連するリアクタ部品の様々な変形例や実施形態を用いることができる。
【0010】
反応装置1の構造例を
図1に示す。改質チューブのような内壁面2aおよび外壁面2bを有する反応管2は、センターロッドに沿って配置されたファン3またはコア4、もしくは、その両方のようなリアクタ部品を収容する。反応管2は、一般にその分野では良く知られており、好ましくは、鋼鉄、ステンレス、アルミニウムもしくはインコネル(Inconel)、または、HP50のようなスパンキャスト合金(spun-cast alloy)のような金属を用いて製作される。これらに代えて(COからCO2を生成するような低温反応であれば)、ポリマーもしくはプラスチック材を用いても良い。管は、円形、長方形、楕円または他の断面を有することが好ましい。反応管2は、少なくとも0.6、1、2、4、6、8、10または12メートル(m)にすることができ、好ましくは、0.6から2mもしくは6から15mの範囲にある。反応管2は、少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225または250ミリメートル(mm)、好ましくは、80から140mmの範囲の内径を有することができる。反応管2の直径は、好ましくは、全長に対して一定である。
【0011】
ファン3およびコア4のようなリアクタ部品は、これらの部品がセンターロッド5に沿ってスライド可能なように、センターロッド5を挿入する中央の孔または開口を有し、反応管に入るように作られる。センターロッド5の長さは、反応管2の長さに適合する。例えば、反応管2の長さに適合するように2から10のロッドを重ね、部品の熱膨張を緩和できる多重ロッドを用いることもできる。センターロッド5は、少なくとも5、10、25、50、75、100、125、または150mm、好ましくは、6から40mmの範囲の直径の円形断面を有する。リアクタ部品は、目的に合わせて、センターロッド5の円形断面の直径と同じ、または、円形断面の直径よりも少し大きい中央の穴もしくは開口を有する。センターロッド5は、さらに、部品3、4がスライドして外れないように、ブラケット、軸受、ベースプレートなどを含むことができる。センターロッド5には、反応管2に挿入する前に、予め任意の数のリアクタ部品3、4またはワッシャを装荷しても良い。図示したように、ファン3およびコア4は、それぞれのファン3が、ファン3の上下に位置する2つのコア4に接触し、その間に配置されるように、一方を他方の上に縦方向に積層し、リアクタ部品が交互に配置された層を形成することができる。以下に説明するワッシャは、要望に応じて1以上のリアクタ部品の間に挿入され、例えば、ワッシャが部品間に開空間を作り出すように、それぞれのファンとコアとをワッシャにより分離させることができる。また、リアクタ部品3、4は、交互に配置された層とは対照的に、任意の態様に配置できる。例えば、コア4を含まず、ファン3だけをセンターロッド5に装荷しても良い。
【0012】
一般に、反応管2の内部に位置するリアクタ部品のそれぞれを介した流体の流れに適合するように、24から400もしくはそれ以上のリアクタ部品を、反応管2の内部に、任意の態様で交互に配置、もしくは、積み重ねることが可能である。1つの例として、燃料電池用の反応管は、24から72の縦方向に積み重ねたリアクタ部品を含むことができる。別の例では、水素改質装置用の反応管は、200から400もしくはそれ以上の縦方向に積み重ねられたリアクタ部品を含むことができる。ここでは、リアクタ部品を縦方向に積み重ねるように示すが、部品は任意の方法で配置することができ、反応装置の向き、または、技術的な要請に適合するように水平であっても良い。
【0013】
気体または液体のような流体は、反応させるために、通常、反応管2およびセンターロッドに沿って配置されたそれぞれの部品3、4を介して縦方向、すなわち、要望に応じて上方または下方の縦方向に流れる。リアクタ部品3、4は、熱の移送を増やすために流体の流れを縦方向ではない他の方向に向ける。例えば、ファン3は、流体の流れを反応管の壁に向かう(全体的な縦方向に流れに垂直な)径方向に向けるか、その方向にガイドする。図示するように、流体は、開口あるいは入口7aから反応管2に入り、縦方向に配置されたファン3およびコア4を通過して流れ、開口7bから排出される。ファン3およびコア4は、好ましくは、それぞれの部品3、4が、全体として、または、実質的に反応管の断面領域を塞ぐような横方向の寸法を有する。ファン3およびコア4は、反応管2の内壁2aに接し、反応装置の外側からリアクタ部品3、4およびそこの含まれる流体に熱が効率的に移動される。ファン3の断面の径は、円形であるとすれば、少なくとも、20、50、100、150、200または250mm、好ましくは、80から135mmの範囲にすることができる。ファン3の高さは、少なくとも、7、15、30、45、60または65mm、好ましくは、20から40mmの範囲にすることができる。コア4の断面の径は、円形であるとすれば、少なくとも、20、50、100、150、200または230mm、好ましくは、10から30mmの範囲にすることができる。
【0014】
好ましくは、反応管2の中に位置するファン3は、その外周または外周面3aと、反応管2の内壁2aと、の間に、ギャップ8もしくは空間を作り出すように、反応管2の内径よりも小さい直径を有する。ファン3の外周面3aと、反応管2の内壁2aと、の間のギャップ8は、少なくとも、1、2、3、5、10または15mm、好ましくは、1から8mmの範囲にすることができる。以下に議論するように、ギャップ8は、熱の移送を促進し、反応管2の内壁2aに向けて移動する流体の流れを反応装置の内部に戻るように仕向ける。言い換えれば、ギャップ8は、流体が反応管2の内壁2aに接した時に、その流れを180度反転させる役割を果たす。
【0015】
反応管2を通過する流体の流れは、コア4などのリアクタ部品の外周にシール6を付けることにより、それぞれのコア4の外周と、反応管2の内壁2aと、の間を流体が流れないように、さらに変化させることができる。そして、シール6は、流体の流れがコア4を外周においてバイパスすることを防ぐ。シール6は、流体がコア4を通過するように仕向け、流体に流れに依存して、コア4の下または上に位置するファン3のような他の部品に向かわせる。好ましくは、シール6は、それぞれのコア4の外周に位置し、コア4の外周の縦方向全体と、外周近傍の上面および底面と、を包み込むリング形状を有する。図示するように、ファン3は、それぞれの外周3aと、反応管2の内壁2aと、の間を流体が流れることを防ぐシールを含まない。シールは、ファンには用いられず、流体の流れは、反応装置の内部への熱の移送を促進するように反応管の壁に向けられる。別の構造部品の例は、別の実施形態において以下に説明される。
【0016】
ファン3またはコア4、もしくは、その両方を積み重ねた配置は、触媒反応を実施するために熱の移送を促進するように設計される。そのような反応装置1の部品、ファン3またはコア4、もしくはその両方、および、ワッシャには、触媒をコートすることができる。そして、触媒を効果的に分布させ、反応装置を通過して流れる流体の大部分に接触させることができる。好ましくは、シールには触媒をコートしない。触媒は、その分野において知られたものであり、ニッケル、パラジュウム、ジルコニウム、ロジュウム、ルテニウム、イリジュウム、コバルトおよび酸化アルミニウムを含む。部品3、4は、膨張および収縮により粉を形成しないように積み重ねて配置し、充填層を形成するセラミック粒の1つの粒塊が生じさせない。また、ここで議論する配置を用いれば、反応管の膨張および収縮が触媒に影響を及ぼすこともない。
【0017】
反応装置1では、効率化のために、異なる触媒反応および過程が、異なる好適な温度で実施される。したがって、反応管2、ファン3、コア4などは、それらが晒される環境(温度、圧力、速度、気体または液体の組成)に基づいて選択される。好適な材料は、好ましくは、少なくとも、−20、−10、0、4、10、15、20、25、30、50、80、100、150、200、250、300または350℃のプロセス温度、および、1000、900、700、500、400、350、300、250、200、150、100、80、50、30または27℃を超えないプロセス温度において、効果的に、あるいは、最も効果的に、また、効率的に、あるいは、最も効率的に実施し、その温度を許容するものである。
【0018】
図2は、例えば、
図1に示す反応管に挿入するために、センターロッドに沿って縦方向に交互に配置した複数のファン3およびコア4を装荷したリアクタスリーブ10を模式的に表わしている。センターロッド5は、その上に縦に並べられた一組のファン3およびコア4を支持するために、その底部の近傍に位置するベースプレート9を有する。図示したように、ベースプレート9は、ディスクまたは板のようであり、センターロッド5にフィットする開口を有する。その上面もしくは下面から見れば、その板9は、一体のディスク、または、流体が通り抜け可能であって、ファンなどのリアクタ部品の中央に流入させることが可能な別の開口を有する。例えば、板9は、ハブ(hub)とスポーク(spoke)とを有する構造を形成する貫通孔、チャネルまたは三角形の開口を有することができる。円形の板は、ファン3またはコア4の底面が直接ベースプレート9の上面に乗ることができるように、センターロッド5から横方向に延在する。ベースプレート9は、反応管の内径を超えない任意の直径を有する。
【0019】
ベースプレート9は、その直下に位置する軸受10に固定またはセットされる。軸受10は、ベースプレート10の係止具として機能し、ベースプレートがセンターロッド5に沿って挿入されると、固定された軸受10に接触して係止される。軸受10は、センターロッド5の上に積み重ねられるリアクタ部品の数に依存して、ベースプレート9の望ましい位置を変更するように調整可能である。好ましくは、ベースプレート9は、センターロッド5の望ましい位置に取り外しできないように取り付けられる。例えば、ベースプレート9は、センターロッド5に溶接しても良いし、センターロッド5の一体化された構造の一部であっても良い。
【0020】
1つの実施形態として、
図3は、反応管の内部で使用するためにセンターロッド5の上に位置する渦巻状のコア4を例示している。コア4は、センターロッド5に適切にフィットする中心筒もしくは支持筒11の周りに、平坦、リップル状もしくは波状の金属ホイルを渦巻状に巻き付けることにより形成される。例えば、金属ホイルは、溶接などの方法で支持筒11に固定され、コア4の望ましい直径となるまで、支持筒11に巻き付けることができる。フィッティングを目的として、コア4もしくはファンの内壁と、センターロッド5の外周と、の間の任意のボイドスペースを満たすために、任意の支持筒11を、コアに固定するか、もしくは、非固定で(ルーズに取り付けて)使用することができる。コアの渦巻は、流体がコア4の一方の端12aへ流入し、チャネルを通過してコア4の他方の端12bから流出するように、1以上の環状のフローチャネルを画する。
【0021】
環状のフローチャネルの数および密度は、その分野で知られているように、中心筒もしくは支持筒11の周りに金属ホイルを固く巻くか、緩く巻くかにより制御可能である。コア4を形成するための金属ホイルの厚さは、チャネル数を最適化するために選択することができる。例えば、薄い金属ホイルは、厚い金属ホイルよりも多くの流体の流れに適したチャネルを与える。コア4は、好ましくは、高密度の表面領域を含む。その結果、触媒がコートされた場合に、触媒反応を促進する。任意の好ましい数のコア4を、センターロッド5に沿って1以上のファンと交互に重ねることが可能である。
【0022】
他の実施形態として、
図4は、図示しないセンターロッド上で使用するために、縦方向に相互に積み重ねた多重ファンを示している。それぞれのファン3は、上面と底面とを有し、1つのファン3の底面は、直下に位置する他のファンの上面に近接するか、または、直接接触する。すなわち、ファン3の上面または底面は、その不規則性、もしくは、概して平坦であるトポグラフィに依存し、ファンの上面または底面の全体、もしくは、不規則であればその一部に、他のファンの直上または直下の位置に応じて、その上面もしくは底面に直接接する。ワッシャがファンを隔離させる例では、ファンの上面もしくは底面の少なくとも1部は、ワッシャの上面もしくは底面に直接接する。
【0023】
支持筒11の上に配置された場合、ファン3は、反応装置を通過する流体の流れを方向付ける多数の径方向の流路13aおよび13bを有する。図示したように、径方向の流路は、近似的に三角形の形状であり、ファン3の上面から見た時に、円形の断面を形成するように支持筒11から外方向に広がる。径方向の流路は、それぞれのファンの外周面に沿って終端され、反応管の内壁に向かい合う三角の開口を形成する。流体の流れの下流方向を見た時、流体は、重なったファン3の一方の端14aに流入し、上方に開いた三角形の形状の流路13aをファン3の外周に向かって径方向に通過し、反応管に接触する。そして、ファン3の外周面の周りにおいて下方に開いた三角形の形状の流路に流入し、ファン3の中心に向かって径方向に戻り、重なったファン3の他方の端から流体が流出するまで、次のファンまたはコア、もしくはその両方において、同じように流れる。
図4に示すように、例えば、1つの配置において、ファン3は、1つのファンの上方に開いた近似的に三角の形状の流路を、直上もしくは直下に位置するファン3の下方に開いた近似的に三角の形状の流路に一致させるように縦方向に重ねて配置することができる。
【0024】
平ワッシャ15は、好ましくは、それぞれのファン3の上面と底面との間に配置される。フィッティングと組み立てを目的として、以下に説明するように、ワッシャは、ファンに取り付けられるか、または、それぞれのファンの間にルーズに(貼り付けられることなく)配置される。
図4は、ファン3の底面に貼り付けられた平ワッシャ15を示している。一方、
図5は、ファン3の上面に貼り付けられた平ワッシャ15を示している。平ワッシャ15は、ファン3に付加的な構造強度を与えることができる。以下に説明する様々なワッシャと同じように、平ワッシャ15は、リアクタ部品の上面もしくは底面の沿って様々に位置することが可能なサイズにすることができる。例えば、ワッシャ15の外径は、ファン3の外周面の内側、外周面に一致、または、外周面を超えて延在することができる。図示したように、ワッシャ15の外径は、ファン3の外周面に一致する。
【0025】
動作状態では、積み重ねたファン3は、平ワッシャ15を有し、センターロッドに沿って位置する。それを装荷したリアクタスリーブは、反応管の内部に挿入される。平ワッシャ15は、上記のように、反応管の内径と同じ径、または、わずかに小さい径を有するように構成される。例えば、平ワッシャ15の外径は、少なくとも、25、50、75、100、125、150、175、200、225または250mm、好ましくは、80から140mmの範囲にすることができる。平ワッシャ15は、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35または40mm、好ましくは、6から12mmの範囲のリングの幅を有することができる。平ワッシャ15の内径は、20から245mmの範囲、または、上記のように、必要に応じて、その望ましい幅および外径にすることができる。ファンの上面上もしくは底面上、またはその近傍に位置するように、平ワッシャ15の外径は、ファンの外周における流体の流れを阻害しないことを確実にするために、ファンの外径よりも小さく、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35または40mmにすることができる。また、ワッシャは、その外周と、反応管の内壁と、の間にギャップを作り出すために、ファンの外周面を超えて外側に広がっても良い。そのギャップは、少なくとも、1、2、3、5、10または15mm、好ましくは、1から8mmの範囲にすることができる。ワッシャにより作り出されるギャップのサイズに依存して、圧力低下を制御、または、望ましい圧力低下に調整することができる。そのギャップは、反応装置を通過して流れる流体のいくらかは、ワッシャを超えてギャップを通過し、その周辺においてワッシャをバイパスする。ワッシャの周りの流体のバイパスは、通常、熱の移送を促進するものではないく、ファンの波状面による乱流、および、流路から径方向に外に向かう流体の流れにより、ファンの外周面を超える流体の流れは、熱の移送を大きく促進する。
【0026】
平ワッシャ15は、流体の流れの大部分がファン3の上向きの三角形の流路を径方向に移動して反応管に接し、その一部は、ファン3の隣接する下向きの三角形の流路を通過するか、または、ワッシャの外周の周りに向けられるように、反応管の内壁の近傍に位置することができるが、内面には接しない。平ワッシャ15は、流れの大部分がファンの中心領域に浸透することを確実にする。平ワッシャ15は、図示するように、実質的に中央が開き、流体の一部が向きを変えられ、反応装置を通過する流体の流れの方向に依存して上または下に位置するファン3の三角形の流路に戻るようにすることが好ましく、ファンの中心を流体で満たす。流体が、反応管に向かって径方向に戻る時、ワッシャの外周を超えて移動する流体の一部と混合される。
図4および5に示すファン3は、最初に、波状(もしくは、フィン状(finned))の金属ホイルの細片を選択することにより準備することができる。金属ホイルの細片の波状面は、実質的に平面、あるいは、図示したようにリップルもしくは不均一性を有することができる。金属ホイルの波状の細片は、センターロッドが挿入される開口を画する内径を有するリングまたは環状のディスクを形成するために扇状に広げられる。ファンの内周面は、ファンを構造的に支持し、実装を目的としたセンターロッドの挿入に適合するように、例えば、溶接により、支持筒11に随意に貼り付けることができる。支持筒は、ファンをセンターロッドにフィットさせた時に形成される任意のボイドを埋めるように、ファン3の内部に緩く配置されても良い。扇状に広げられたリングは、ファンの外周面に沿って見た場合に、上記の三角形の流路面の輪郭を表わす外周面を有する。
【0027】
図6は、ワッシャの他の実施形態を示しており、スペーサタブ15aがワッシャの外周に付加されている。図示したように、スペーサタブ15aは、ワッシャ15の外周から径方向に外に向かって延在する。ワッシャ15の外周から測定したスペーサタブ15aは、径方向に外に向かって、少なくとも、1、2、3、5、10、15、20、25または30mm、好ましくは、1から8mmの範囲で延出させることができる。スペーサタブ15aは、望ましい幅に調整できる。スペーサタブ15aは、例えば、溶接などによりワッシャ15の外周に取り付けることができる。また、そのタブは、ワッシャに一体化された部分であっても良い。
【0028】
ワッシャ15は、1以上のスペーサタブ15aを有し、例えば、ワッシャは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のスペーサタブ15aを有することができる。スペーサタブ15aは、リアクタ部品の外周面が反応管の内壁に接することを防ぐ。例えば、図示したようにワッシャ15の外周がファン3の外周面に一致する位置にあれば、スペーサタブ15aの長さは、ファンの外周面が反応管の内壁から隔離された最小間隔を維持する。他の例では、ワッシャは、ファンとの関係において、ファンよりも小さい外径を有することができる。そのような場合は、スペーサタブは、ファンの外周面と反応管との間のギャップを確保するために長くなる。両方の例において、ワッシャは、ファンが動作中にスライドし反応管の内壁に接触することを防ぐように取り付けられる。
【0029】
図7は、反応管の内部で使用するために、ファン3の底面に取り付けられた波状のワッシャ16を示している。また、波状のワッシャ16は、例えば、溶接により、ファン3の上面に取り付けることができる。図示したように、波状のワッシャ16は、ファン3の外周を超えて径方向に広がっている。波状のワッシャ16の好ましい寸法は、平ワッシャ15に関して列挙した寸法と同じか、実質的に同じである。波状のワッシャ16は、
図4〜6に示す平ワッシャ15のように、流体がワッシャをバイパスして流れ、圧力低下を望ましい状態に制御することができるように、ファンの上面上または底面上に位置し、ワッシャ16の外周面と、反応管の内壁と、の間に所定のギャップを設ける。
【0030】
図示しないが、他の実施形態では、波状のワッシャ16の、例えば、波面の頂点または谷間にスペーサを取り付けることができる。スペーサは、ワイヤ、金属片、長方形のタブのようなもの等であっても良い。例えば、金属のワイヤ片は、スペーサがワッシャ16およびそのワッシャが取り付けられたリアクタ部品の外周から反応管の内壁に向けて外方向または径方向に延出するような配置でワッシャ16に溶接することができる。スペーサの延出しない残りの部分は、任意の望ましい長さ、好ましくは、ワッシャ16の内周を超えて内側に突出しないように、ワッシャ16のリング幅よりも大きくならないように調整できる。金属ワイヤの長さは、ワッシャ16と反応管との間のギャップを制御するために、ワッシャ16またはリアクタ部品、もしくは、その両方から延出するワイヤが望ましい長さとなるように調整することができる。好ましくは、スペーサは、少なくとも、1、2、3、5、10または15mm、好ましくは、そのワッシャの外周面から1から8mmの範囲で延出することができる。
【0031】
図8は、ファン3のようなリアクタ部品と共に用いられるキャステレートワッシャ18の一部を示している。好ましくは、キャステレートワッシャ18は、反応管の内径と同じか、少し小さい直径を有するように構成される。例えば、キャステレートワッシャ18の外径は、少なくとも、25、50、75、100、125、150、175、200、225または245mm、好ましくは、80から140mmの範囲にすることができる。キャステレートワッシャ18は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35または40mm、好ましくは、6から12mmの範囲のリング幅を有することができる。キャステレートワッシャ18の内径は、20から245mmの範囲にあれば良く、上述した望ましい幅および外径に対して適合する幅であれば良い。キャステレートワッシャ18は、その外縁の周りを流体が流れるように、その外周にノッチまたは溝19を有することができる。ノッチ19は、正角形、長方形、円弧もしくはその組み合わせのような任意の形状をとることができ、任意の寸法であって良い。例えば、ノッチ19の幅および深さは、任意に調整できる。例えば、ノッチ19の深さは、少なくとも、1、2、3、5、10または15mm、好ましくは、1から8mmの範囲であれば良い。
図8に示すように、ノッチ19は、通常、三角形である。
【0032】
キャステレートワッシャ18は、好ましくは、ノッチ全体、または、その部分がリアクタ部品の外周面を超えて径方向に広がるように、リアクタ部品上に位置する。例えば、ノッチ19は、ファン3の外周面を超えて、少なくとも、1、2、5、10または15mm広がることができる。ファンに取り付けられると、キャステレートワッシャ18のノッチ19の深さは、流体が流れ、圧力低下を制御できるように、ファン3の外周面と、反応管の内面と、の間に所定のギャップを与える。ノッチ19は、流体が溝19の間を流れ、流体の流れる方向に依存して、キャステレートワッシャ18の上もしくは下のファンの流路に流れ込むことを可能とする。ノッチ19の深さおよび幅は、圧力低下、および、ワッシャの外周を超えて流れる流体の量を制御するために調整することができる。
【0033】
図示したように、キャステレートワッシャ18は、三角の面を有する流路のような、ファンの流路を画する頂点または溝に適合するため、または、フィットすることを目的としてリアクタ部品に適合するために、波状であっても良い。例えば、
図9は、ファン3の上面に取り付けられたキャステレートワッシャ18を示している。キャステレートワッシャ18の波状面は、そのカスタマイズされた適合性を確保するために、ファン3の下向きの三角流路の波状の上面に一致するよう調整されている。ファン3の形状、または、リアクタ部品の流路に適合させるために、キャステレートワッシャ18の波は、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13mm、好ましくは、2から7mmの範囲にすることができる。
【0034】
他の実施形態として、
図10は、リアクタ部品と共に、好ましくは、フィン状の金属ホイルであるファン3と共に用いられるキャステレートワッシャ20の一部を示している。例えば、キャステレートワッシャ20は、
図4〜7に示すようにファン3に取り付けることができ、また、渦巻状のフィン形状の金属ホイルと共に使用できる。キャステレートワッシャ20は、好ましくは、
図8及び9に示す上述したワッシャ18と同じ外径、内径およびリング幅を有する。
【0035】
キャステレートワッシャ20は、ファン3の外周面と、反応管の内壁と、の間に所定のギャップを作りだすために、その外側の端が、直接、反応管の内壁に接触するように、スペーサタブ22を有することができる。キャステレートワッシャ20の三角の波24の外周面から測定した場合、スペーサタブ22は、少なくとも、1、2、3、5、10または15mmであり、好ましくは、1から8mmの範囲にあれば良い。スペーサタブは、例えば、溶接によりキャステレートワッシャ20に取り付けるか、または、ワッシャと一体の部分であっても良い。図示したように、スペーサタブ22は、ワッシャ20の平坦部23に位置する。平坦部23は、ファン3のようなリアクタ部品にキャステレートワッシャ20を取り付けるための接触面を与える。例えば、1以上の平坦部23は、
図4〜7に示した配置と同じように、ファン3の上面または底面に溶接することができる。
【0036】
波面のピーク25は、キャステレートワッシャ20の平坦部23の間に位置する。波面のピーク25は、特定のリアクタ部品の配置に柔軟に適合するように、キャステレートワッシャ20に自由度を与える。動作状態において、波面のピーク25は、リアクタ部品の径方向の流路にフィットする。
図11に示すように、波面のピーク25は、反応管内で使用されるフィン状の金属ホイル27の流路の中に位置する。
【0037】
図11は、反応管の内壁に向き合う方向から見たフィン状の金属ホイルの一部を示す。フィン状の金属ホイルは、反応装置を通る流体の流れを方向付けるために、隔離された流路28および29を与えるように波打っている。キャステレートワッシャ20は、平坦部23を流路28または29の端に溶接することにより、フィン状の金属ホイルに取り付けることができる。好ましくは、ワッシャ20は、スペーサタブ22の基部がフィン状の金属ホイルの外周面から始まる配置に取り付けられ、スペーサタブは、フィン状の金属ホイルの外周面から反応管の内壁の方向に延出し、好ましくは、その内壁に接する。例えば、
図12は、その外周面から外側もしくは径方向に延出するスペーサタブ22を有する
図11のフィン状金属ホイル27の一部を表わす斜視図である。
図20および21に関して、以下に論じるように、リアクタ部品もしくはフィン状の金属ホイルは、反応管に挿入するために、キャステレートワッシャ20と一緒に渦状に巻き付けることができる。
【0038】
以下に論じるように、リアクタ部品と共に使用する様々な実施形態が説明される。キャステレートワッシャを形成するための方法は、キャステレートワッシャの寸法に適合する長さおよび幅を有する平らな金属ホイル片のような金属ホイルのシートの選択を含む。1つの例では、金属ホイルの幅は、上記の単一のキャステレートワッシャの望ましいリング幅の少なくとも2倍である。穿孔された金属ホイル30を形成するために、金属ホイルの全長にそって直線状に穴の列を開けることができる。穴32は、最終的な波状のワッシャにおける波およびノッチの間隔および寸法に依存して、隔離されるか、または、相互に近接する。穴32の直径は、動作時にリアクタ部品の外周面と反応管との間の間隔に一致する所定のギャップを与えるように選択できる。穿孔された金属ホイル30は、2つのノッチを有する金属ホイルの細長い片30aおよび30bに分離または切断される。好ましくは、穿孔された金属ホイル30は、連なった穴32の中心を通る線で分離される。
【0039】
ノッチを有する金属ホイル片30aおよび30bは、
図14に示すように、波状に形成しても良い。ノッチを有する金属ホイル片は、様々な程度の波の密度を有する波面にすることができる。例えば、波の頂点を1つのノッチ36の両側に位置させることができる。図示するように、ノッチを有する金属ホイル片30bは、それぞれのノッチ36の中央と、ノッチの両側と、に波の頂点を有するが、ノッチ19およびその密度は、ワッシャの外側を超えて流れる流体の割合を決定するので、そのような波面の構造的配置は必然ではない。波状およびノッチを有する金属ホイル片は、ファンまたはフィン状のホイルのようなリアクタ部品に取り付けるために、キャステレートワッシャを形成するようにリング状に形成される。
【0040】
別の実施形態では、金属ホイルは、ファンもしくはフィン状のホイルの望ましい径の2倍の幅を有するように選択できる。ワッシャの形成法と同じように、そのホイルを2つのノッチを有する細片に分離する前に、より広い金属ホイルに、その中心および長さ方向に沿って連なった穴を打ち抜くことができる。ノッチを有する細片を波状に形成し、ノッチの深さまたは中央の孔の半径を含めた細片の幅の2倍の直径を有するファンを形成するためにリング状に広げることができる。金属ホイルに打ち抜かれた穴の直径により決定されるノッチの深さに依存して、キャステレート形のファンが形成され、そのファンの外周面は、キャステレート形のギャップを制御する外縁を作り出すファンの外周面の全高に沿ったノッチを含む。キャステレート形のファンは、ワッシャに随意にフィットさせることができる。しかしながら、ファンのノッチは、その外周面と、反応管と、の間に望ましいギャップを作り出すために十分である。
【0041】
図15〜17に示す反応管の内部におけるリアクタ部品の積み重ねの態様に関して、様々な実施形態を以下に説明する。ここで説明するように、対向する部分は、交換可能に使用される。
図15Aは、反応管42の内部において、センターロッド44の上に縦に積み重ねられたファン40を示している。ファン40の外周面は、ファンの周囲に沿って均一に延在する1つのノッチ45を有する。ノッチ45は、ファン40の外周面と、反応管42と、の間にギャップを作り出す。ノッチ45は、少なくとも、1、2、3、5、10または15mm、好ましくは、1から8mmの径方向の深さを有することができる。ノッチ45の深さは、ファン40の外周面と、反応管42の内壁と、の間に作り出されるギャップの長さに対応する。ノッチ45は、ファン40の全体の高さよりも低い、任意の高さを有することができる。好ましくは、ノッチ45の高さは、4、10、20、30、40または50mmであり、好ましくは、10から30mmとすることができる。
【0042】
縦方向に見れば、ファン40は、上下に突出部46aおよび46bをそれぞれ有する。上下の突出部46aおよび46bは、ファン40の外周に沿って径方向に延出し、ノッチ45の高さを画する。好ましくは、図示したように、ファン40の突出部46a、46bは、反応管42の内壁面に接する。反応管42の内壁面に接することにより、ファン40の突出部46a、46bは、ファンの凹部もしくはノッチ部45と、反応壁との間に、反応装置を通過する流体が、それぞれのファンに流入し、ファンの外周面を超えて流れるギャップを確報する。流体の流れは、反応装置のコア領域に戻される前に、熱の移送を促進するために、ノッチ45の部分において反応管42に接触することができる。また、突出部は、反応管42から隔離されても良い。上下の突出部46a、46bは、少なくとも、2、4、8、10、15、20、30または35mm、好ましくは、5から20mmの範囲の高さを有することができる。
【0043】
図15Aの積み重ねられた態様では、ワッシャ41は、それぞれのファン40の上面または底面のいずれかに、もしくは、その部分は、ワッシャ41に接するように、それぞれのファン40の間に位置する。図示したように、ワッシャ40の外径は、それぞれのファンの最も内側の直径、または、それぞれのノッチの最も内側の凹部の直径に一致する。また、ワッシャ41は、ワッシャ41の外径が、ノッチ45の最も内側の凹部、または、その内側を超えて延出するように、位置することができる。
【0044】
図15Bは、反応管42の内部において、センターロッド44に沿って縦方向に積み重ねられたファン40を示している。ファン40の外周面は、ファンの周囲に均一に延在する4つのノッチ45を有している。ファン40は、4つのノッチを有するように示されているが、使用されるファンの高さ、および、反応装置の全長に渡る利用可能な圧力の低下量に依存して、任意の数のノッチを含むことができる。例えば、ファン40は、少なくとも、1、2、3、3、5、6、7、8またはそれ以上のノッチを有することができる。ノッチ45は、
図15Aに示すノッチに関して説明した高さおよび深さを有することができる。
【0045】
図15Bのファン40は、上、中間、下の突起46a、46cおよび46bをそれぞれ有している。突起46a、46c、46bは、窪んだファンの周囲、または、ノッチ45と、反応壁と、の間に、それぞれのファン40の周囲を流体が流れることを可能とするギャップを確保するために、反応管42に接することが好ましい。突起46a、46b、46cは、
図15Aに示す突起に関し説明した高さを有する。突起46a、46b、46cは、ノッチ45を画するために、それぞれのファン40の外周の周りにおいて径方向に延出し、3つの中間の突出部46cは、それぞれのファンの上下のノッチ46a、46bの間に位置する。
図15Bは、縦方向に配置された4つのノッチを有するファン40だけを示しているが、それよりも多く、もしくは、少ないノッチを有するファンを、所望の順で縦方向に積み重ねることができる。ワッシャ41は、それぞれのファン40を分離する。
【0046】
別の実施形態として、
図16は、ワッシャ41により分離され、反応管42の内部においてセンターロッド44に沿って積み重ねられたファン40を示している。ファン40は、それぞれのファン40の上端に位置する1つの突起48を有している。突起48から離れたファン40の外周面の一部は、それぞれのファン40の周囲に径方向のギャップを画するノッチ49を形成するために窪んでいる。縦方向に配置され、1つのファン40の突起48は、直上のファン40のノッチ49の底部に隣接する。そして、突起48を有する別のファン40の次に積み重ねられた時、1つのファン40の突起48は、図示したように1つのノッチ49の高さを画する。ファン40のノッチ49および突起48は、
図15Aに関し、列挙した上記の寸法を有することができる。他の選択肢として、
図16のファン40は、任意の順で異なるファンを積み重ねた配置を与えるように、
図15Aおよび15Bのノッチを有するファンと共に使用することができる。
【0047】
さらなる別の実施形態として、
図17は、反応管42の内部においてセンターロッド44に沿って積み重ねられたファン40を示している。ファン40は、それぞれのファン40の底部に位置する1つの突起50を有している。突起50から離れたファン40の外周面の残りの部分は、それぞれのファン40の外周の周りに径方向のギャップを画するノッチ51を形成するように窪んでいる。それぞれのファン40の底面には、ワッシャ52が取り付けられている。ワッシャ52は、後退した位置に設けられ、反応管42に接しない。一方、突起50は、反応管42に接し、反応装置を通過する流体の流れを方向付ける。
図15から16のワッシャ41のように、ワッシャ52は、ファン40の間に、0.1から5mmの範囲とすることができるワッシャの高さと同じ縦方向のギャップ54を作り出す。図示したように、ワッシャ52は、平らなリングであるが、波面を有するワッシャを使用しても良い。また、ワッシャ52は、それぞれのファン40の上面に取り付けても良い。ワッシャ52は、組み立て前にファンに取り付けずに、ファン40の間に緩く配置しても良い。
【0048】
上記のように、それぞれのファン40の底部の突起50は、それに取り付けられたワッシャ52を有し、1つのファンの突起50は、ノッチ51の上の境界を画し、下のファン40の突起50は、ノッチ51の下の境界を画する。ファン40のノッチ51および突起50は、
図15Aに関し、上に列挙した寸法と同じにすることができる。ワッシャの有無にかかわらず、任意の順で異なるファンを積み重ねた配置を与えるために、
図17のファン40を、
図15A、14bおよび15のノッチを有するファンと共に使用することもできる。
【0049】
図18〜19に示すように、センターロッドとブッシングの構成、および、部品に関し、以下に、様々な実施形態を説明する。
図18は、反応管63の内部において交互に積み重ねられたコア64およびファン66を支持する目的で、縦方向に積み重ねた配置に軸合わせされた2つのセンターロッド60、62を示している。センターロッド60は、図示したように、シリンダ状のキャビティ61をその底部に有しており、62のようなキャビティ61の内側にフィットする別のセンターロッドを受け入れる。シリンダ状のキャビティ61は、別のセンターロッド62をフィットさせるように、その外径よりも小さいか、同じ、もしくは、大きい内径を有する。例えば、シリンダ状のキャビティ61は、少なくとも、5、10、25、50、75、100、125または150mm、好ましくは、6から40mmの範囲の内径を有することができる。キャビティ61の内径は、ロッド62の上端と、キャビティの底面と、の間にギャップまたはクリアランスを有するように調整することができる。そのクリアランスは、少なくとも、2、4、8、10、15、20、30または35mm、好ましくは、5から20mmの範囲とすることができる。シリンダ状のキャビティ61は、望ましい高さに調整することができる。例えば、その高さは、少なくとも、100、200、300、400または500mmにすることができる。
【0050】
反応管63の内部においてリアクタ部品64、66を支持するためのベースプレート68は、センターロッド60から径方向に延出する。ベースプレート68は、例えば、溶接によりセンターロッド60に取り付けられるか、または、ロッド60に一体化された部分である。ベースプレート68は、図示したように、センターロッド60の下端、に位置する。または、センターロッド60の下端から長さ方向に沿った任意の望ましい場所に位置することができる。ベースプレート68は、一体の底部と、リアクタ部品に接する上面と、を有することができる。また、プレート68は、流体が通過して流れるように穿孔されていても良い。ベースプレート68は、キャビティ61の直径よりも大きく、反応管63の直径よりも小さい望ましい任意の直径を有する。動作状態において、反応管の内部でコアとファンとを交互に配置するために、1以上のロッドが一体に配列されフィットするように、底部のシリンダ状のキャビティのような同じ構造的特徴を全てが有して連なったロッドを用いることができる。1つのロッドの先端を他のロッドのキャビティに挿入して縦方向に積み重ねられたロッドは、リアクタ部品間の過剰なギャップを取り除くか、または、防ぐ。リアクタ部品の分解は、例えば、センターロッドの上端をつかみ引き上げて反応管からセンターロッドを引出すことにより実施できる。それぞれのセンターロッドのベースプレートは、反応装置の組み立ておよび分解の過程において、リアクタ部品がセンターロッドから外れることを防ぐ。
【0051】
図19は、反応管73の内部で別のセンターロッド72の上に縦方向に配列されたセンターロッド70を示している。センターロッド70は、ロッドの沿って縦方向に積み重ねられるファン76とコア74とを支持するために、ロッド70aの下端の上に位置するベースプレート78を有する。ベースプレート78は、ロッド70の長さ方向に沿った任意の望ましい場所に位置することができる。好ましくは、ベースプレート78は、少なくとも、下端70aの5、10、15、20、25、30、35または40mm上方に位置することができる。
図18のベースプレートと同じように、ベースプレート78は、一体または穿孔されても良い。
【0052】
図示したように、両方のセンターロッドの一部の周りを囲んだブッシング71の内部において、センターロッド70の下端70aは、センターロッド72の上端72aから隔離している。その間隔は、
図18に関して説明した上記のクリアランスと同じである。ブッシング71は、少なくとも、10、12、14、16、18、20、22、24または26mmの直径と、少なくとも、10、20、30、40または50mmの高さを有することができる。ブッシング71は、センターロッド70の底部、または、センターロッド72の上部のいずれか望ましい方に取り付けることができる。また、ブッシング71は、リアクタ部品の一体化された部分であっても良い。例えば、ブッシングは、コア74またはファン76の中央の開口部に取り付けても良い。図示したように、ブッシング71は、センターロッド72に沿って配列されたリアクタストリングの上端に位置するコア74の中央に位置する。コア74の中央に位置して、ブッシング71は、ブッシングおよびコアの組合せがセンターロッド72に沿ってスライドするように、コア74の構造に一体化された部分であっても良い。ブッシング71を所定の位置に保持し、センターロッド72からスライドして外れないようにする返し部75をブッシング71の下端の直下に用いることができる。センターロッド70のテーパ形状の底部は、装荷されたリアクタスリーブを形成するためにブッシング71に挿入される。
【0053】
上記のように、多重のリアクタ部品は、リアクタスリーブを装荷するために、ロッド上に積み重ねることができ、リアクタスリーブは、反応装置内においてさらに配列させることができる。
図20および20に示すように、反応管の内部で用いる1つのリアクタ部品に関する様々な実施形態を、以下に説明する。ファン、もしくは、フィン状ホイルのようなリアクタ部品であって、渦巻状、または、螺旋状のリアクタ部品は、多重に積み重ねられたリアクタ部品を削減できる。例えば、螺旋状のファンは、反応管の内部で使用するためにセンターロッド上に位置する単一のリアクタ部品である。他の選択肢として、1以上の螺旋状のファンもしくはフィン状ホイルを一体に積み重ねても良いし、ファンおよびコア、もしくは、フィン状のホイルおよびコアの2重螺旋構造を用いることができる。
図20は、反応管の内部で使用するために、センターロッドにフィットさせた螺旋ファン100を示している。螺旋ファン100は、平面、もしくは、波状の金属ホイルの細片を、流体の流路として用いるために、実質的に3角形の波面を作るように波打たせることにより形成できる。ホイルの波状の細片は、リングを形成するように広げられ、波状の細片は、さらに、図示した螺旋構造を得るために渦状に広げられる。螺旋は、時計周りの方向、もしくは、反時計回りの方向のいずれかにねじることができる。螺旋の内周は、螺旋構造に強度を持たせ、実装のためにセンターロッドに適合させるために支持筒に随意に貼り付けることができる。好ましくは、螺旋構造は、全長に渡って一定の外径を有する。螺旋ファン100の外周面は、反応管の内壁から隔離し、例えば、その間隔は、少なくとも、1、2、3、5、10または15mm、好ましくは、1から8mmの範囲にすることができる。螺旋ファン100の外周面は、ノッチを有しても良いし、キャステレート状であっても良く、その面の最大外径部、突起部は、反応管の内壁面に接する。螺旋ファン100は、反応装置を通過する流体の流れを受け入れ方向付けるための上記の三角形の流路面の輪郭を表わす外周面を有する。
【0054】
螺旋ファンを形成するために使用されるホイルの金属細片は、螺旋ファン100の外周面100aに沿ってノッチまたは突起を構造的に配置するために、一方の端にノッチまたは切り欠きを有する。例えば、螺旋ファン100の外周面100aには、
図8および15〜17に示すようにノッチとギャップが配置される。螺旋ファン100の外周面におけるノッチまたはギャップ、もしくはその両方の配置に依存して、全面もしくはその一部は、反応管の内壁面に接することができる。以下に説明するように、ワッシャまたはスペーサは、反応管に接するために使用され、螺旋ファンがその管に接することを防ぐことができる。
【0055】
螺旋ファン100は、少なくとも、25、50、75、100、125、150、175、200、225または250mm、好ましくは、80から140mmの外径を有することができる。単一のリアクタ部品として用いられる場合、螺旋ファンは、少なくとも、0.6、1、2、4、6、8、10または15m、好ましくは、0.6から2m、もしくは、6から12mの長さを有することができる。螺旋ファンは、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35または40度、好ましくは、5から40度の範囲、より好ましくは、10から35度の範囲のねじりまたは傾斜角を有するように形成することができる。
【0056】
螺旋ファン100の長さ、および、ねじりもしくは傾斜角に依存して、任意の数のスパイラルを用いることができる。1つのスパイラルは、1つの完結した外周を形成する螺旋の一部と考えられる。螺旋ファン100は、少なくとも、24、48、72、96、150、200、250、300、350または400、このましくは、24から96の範囲のスパイラルを有することができる。螺旋ファン100には、望ましい触媒を塗布する。好ましくは、螺旋ファンの全面に塗布する。
【0057】
螺旋ファン100は、平面、波状面もしくはキャステレート状の螺旋ワッシャ104を有しても良い。波面による自由度が大きいことから、波状の螺旋ワッシャが好ましい。さらに、螺旋ワッシャ104の波面、または、頂点および谷間、もしくは、その両方を、螺旋ファン100の波面に一致させることができる。螺旋ワッシャ104の自由度は、螺旋ファン100を取り付ける間において、連続した円弧を形成するために望ましい。螺旋ワッシャ104は、螺旋ファン100の上面または底面、もしくは、その両方に取り付けることができる。好ましくは、螺旋ワッシャ104は、螺旋ファン100の全長に渡って延在する。上記のワッシャに類似した配置において、螺旋ワッシャ104は、好ましくは、螺旋ファン100の外縁に位置するリングである。螺旋ワッシャ104は、螺旋ファンの外周面から内向きもしくは外向きに延在するか、それに一致する。螺旋ファン100の外周面100aから外向きに延在するとすれば、螺旋ワッシャ104は、好ましくは、反応管の内壁面には接触せず、螺旋ワッシャ104の外周と、反応管と、の間にギャップを残す。螺旋ワッシャ104により作り出されるギャップは、例えば、
図5〜7において説明したギャップと同じである。同様に、螺旋ワッシャの内径、外径およびリング幅は、例えば、
図5〜7において列挙した寸法と同じである。別の態様として、螺旋ワッシャは、
図8〜14に示し説明したキャステレート状、または、スペーサもしくはスペーサタブを有しても良い。また、その両方であっても良い。
【0058】
別の実施形態として、螺旋ファン100は、二重螺旋状のリアクタ部品を形成するために、コアのような他のリアクタ部品に重ねることができる。例えば、横からみればファンおよびコアを交互に積み重ねた層を含む二重螺旋を形成するために、コアは、渦巻状、または、螺旋ファン100を作るために用いられる波状のホイルと共に扇状に広げられる。他の選択肢として、二重の螺旋配置は、ワッシャの外周と、反応管の内壁と、の間にギャップを作り出すために1以上の螺旋ワッシャを有することができる。ファンまたはコア、もしくは、その両方の外周面は、螺旋ファン100に関して同様に論じたように、好ましくは、反応管の内壁から隔離される。
【0059】
図21は、反応管の内部に配置された螺旋ファンを示す断面図である。螺旋ファン110は、その中央の開口部に対応した内径を有するため、ボイドスペース116が作り出される。螺旋ファン110の中央のボイド116には、粒子118の凝集体を充填することができる。粒子118は、その分野で知られた、セラミック、金属もしくはその組み合わせにより作ることができる。粒子118は、好ましくは、球体、回転楕円体、実質的に回転楕円体、おおよそ、もしくは、やや回転楕円体、また、丸みのある、もしくは、変形した回転楕円体である。また、楕円形、長円形、不均一な形状、もしくは、ペレット、砂粒、小石、丸い石、海岸もしくは河床で見られる丸石のような石に似た成形体であっても良い。
【0060】
粒子118は、螺旋ファン110の最小内径を維持するように機能することができ、その結果、反応管114の内壁に対して螺旋ファン110または螺旋ワッシャ112の外周面を確保するように機能する。中央のスペースを充填しながら、反応管114の内壁面に対する接触を維持することは、流体の多くが螺旋ファン110の中心に集中することを防ぐ。螺旋ファン110のボイドスペース116を充填する前に、螺旋ファン110の内周面と、ルーズな凝集体と、の間のバリアとして機能するシール管119を挿入することができる。シール管119は、螺旋ファン110に貼り付けても良いし、貼り付けなくても良い。好ましくは、シール管119は、螺旋ファン110と同じ高さを有する。シール管は、要望により、螺旋ファン110の内周面に直接接しても良いし、その内面から隔離されても良い。
【0061】
図20および21に示す単一の螺旋状のリアクタ部品は、多数の部品を含むリアクタ配置に対して明らかな利点を有する。例えば、単一の部品だけにコートすれば良く、製造の時間およびコストを削減する。さらに、単一のリアクタ部品を用いることにより、一定の外径が維持され、外径の異なる多数のリアクタ部品に比べて、より一貫した流れを与える。
【0062】
本発明に従った様々な実施形態を示し説明したが、発明はこれらに限定されるものではなく、当業者にとって数値の変更や変形が可能であることは明らかである。したがって、本発明は、ここに示し説明した詳細に限定されることはなく、添付したクレームの範囲に包含される全ての変更や変形を含む。