(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936638
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】車両のルーフシール構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/82 20160101AFI20160609BHJP
B60J 10/90 20160101ALI20160609BHJP
B60J 10/35 20160101ALI20160609BHJP
B60J 10/40 20160101ALI20160609BHJP
【FI】
B60J10/82
B60J10/90
B60J10/35
B60J10/40
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-37883(P2014-37883)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-160557(P2015-160557A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2014年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】松浦 利文
(72)【発明者】
【氏名】中西 真治
(72)【発明者】
【氏名】末定 怜
(72)【発明者】
【氏名】祖田 正貴
(72)【発明者】
【氏名】石川 武史
【審査官】
常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−012228(JP,U)
【文献】
特開平07−101251(JP,A)
【文献】
特開平09−099744(JP,A)
【文献】
特開平09−164850(JP,A)
【文献】
特開2009−046033(JP,A)
【文献】
特表平01−503226(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0014781(US,A1)
【文献】
特開平07−215068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/82
B60J 10/90
B60J 10/35
B60J 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側のルーフパネルに開閉可能又は取外可能なルーフ31が取付けられる開口が形成され、該開口の周縁には開閉可能なルーフを閉じ、或いは取外可能なルーフ31を取付けたとき、ルーフ周縁に弾着してシールするウェザストリップ16が取付けられる車両のルーフシール構造において、前記ルーフパネルの開口縁は、車内側に向けて斜め下向きに延出する傾斜部12と、該傾斜部上端と折れ曲り角部15を介して連続して形成される棚部11と、該棚部11から斜め上方向に連続して形成される開口縁面10を有し、ウェザストリップ16は一側に前記棚部11に装着され、ルーフ周縁に弾着する第1のシール部17と、該シール部17と一体をなして下向きに傾斜し、前記傾斜部12に添設される沿添部18と、ルーフパネルの前記折れ曲り角部15にてルーフパネルの傾斜部12とは向きを変え、前記添設部18より枝別れするようにして該添設部上部に上向きに突出し、前記ルーフ31を閉じ、或いは取付けたとき、該ルーフ周縁部を受け止める第1のストッパー23を備え、前記ウェザストリップ一側は前記折れ曲り角部15で位置ずれを規制された状態で第1のシール部底面の位置決め面28、32と、前記沿添部側面の位置決め面29をそれぞれ折れ曲り角部両側の前記棚部11と、傾斜部12に押し当て、かつ前記シール部17を前記棚部11と前記開口縁面10の少なくとも一方に両面テープ27によって接着固定してなることを特徴とする車両のルーフシール構造。
【請求項2】
車体側のルーフパネルに開閉可能又は取外可能なルーフ31が取付けられる開口が形成され、該開口の周縁には開閉可能なルーフを閉じ、或いは取外可能なルーフ31を取付けたとき、ルーフ周縁に弾着してシールするウェザストリップ16が取付けられる車両のルーフシール構造において、前記ルーフパネルの開口縁は、車内側に向けて斜め下向きに延出する傾斜部12と、該傾斜部上端と折れ曲り角部15を介して連続して形成される棚部11と、該棚部11から斜め上方向に連続して形成される開口縁面10を有し、ウェザストリップ16は一側に前記棚部11に装着され、ルーフ周縁に弾着する第1のシール部17と、該シール部17と一体をなして下向きに傾斜し、前記傾斜部12に添設される沿添部18と、該沿添部上部にルーフパネルの前記傾斜部と枝別れするようにして上向きに突出し、前記ルーフ31を閉じ、或いは取付けたとき、該ルーフ周縁部を受け止める第1のストッパー23を備え、前記ウェザストリップ一側は前記折れ曲り角部15で位置ずれを規制された状態で第1のシール部底面の位置決め面28、32と、前記沿添部側面の位置決め面29をそれぞれ折れ曲り角部両側の前記棚部11と、傾斜部12に押し当て、かつ前記シール部17を前記棚部11と前記開口縁面10の少なくとも一方に両面テープ27によって接着固定してなり、また前記開口周縁の傾斜部端には、上向きに突出するフランジ14が連結され、前記ウェザストリップ16は他側において前記フランジ14に差込まれるグリップ部20と、グリップ部上端より上向きに突出し、前記ルーフ31に弾接する第2のシール部25と、前記沿添部18と前記グリップ部20を連結する連結部21を備え、前記グリップ部上端には前記第2のシール部25と共に、ルーフ31を受け止める第2のストッパー26が突出形成されることを特徴とする車両のルーフシール構造。
【請求項3】
前記第1のストッパー23の車内側の側面23aは沿添部の下端部付近まで連続していることを特徴とする請求項1又は2記載の車両のルーフシール構造。
【請求項4】
前記傾斜部12は下端に横向きに延びる延出部13を有し、ウェザストリップ16の沿添部18は下端が前記延出部13と隙間sを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの請求項に記載の車両のルーフシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーフが開閉可能又は着脱可能な車両、例えばコンバーチブル車、Tバールーフ車、タルガトップ車などのルーフシール構造に関する。なお、本願明細書において上下とは、車両の上下方向をいうものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ルーフにルーフパネルが着脱可能に取付けられるコンバーチブル車のボデーパネル開口縁とルーフパネル端縁との間をシールするシール構造として、
図1に示すようにボデーパネルの開口縁1に車内側に向けて斜め下向きに延出する傾斜部1aと、傾斜部端から延びて斜め上向きに車外側に向けて突出するフランジ1bとを形成し、該フランジ1bに芯金2を埋設したグリップ部3aを差込んで嵌着し、該グリップ部3aにはグリップ部端より上向きに突出し、ルーフパネル4に弾接する中空シール部3bを連設すると共に、グリップ部3aを形成する側壁端に前記傾斜部1aに沿う添設部3cを形成し、該添設部3cには添設部上端に前記開口端縁の傾斜部上端に形成される棚1cに装着され、ルーフパネル4の先端部に弾接してボデーパネル先端部とボデーパネル開口縁との間をシールする中空状のサブシール部3dを一体形成してなるヘッダーウェザストリップ3を備えたルーフシール構造が開示されている。図中、5はシールのため、前記傾斜部1aと沿添部3cとの間に設けられるエプトシーラー(登録商標)である。
【0003】
また下記特許文献2には、フロントルーフと、リヤルーフの中間部を連結するセンタールーフの両側にハッチルーフが脱着可能に取付けられるTバールーフ車のルーフとハッチルーフとの間をシールするシール構造として、
図2に示すように、ハッチルーフ7が取付けられるルーフ開口周縁の雨樋部8にハッチルーフ7に弾接してハッチルーフ周縁部をシールする中空シール部9aと、ハッチルーフ周縁部を受け止め支持するストッパー9bよりなるウェザストリップ9を備えたルーフシール構造が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるシール構造のヘッダーウェザストリップ3は、グリップ部3aがフランジ1bに差し込まれることにより支持されているが、サブシール部3d、更には添設部3cがボデーパネルの開口縁より浮いて外観不具合や水洩れを生ずることのないように前者のサブシール部3dは棚1cに、後者の添設部3cは傾斜部1aに何らかの取付手段によって取付けることが望まれる。
【0006】
本発明は、取付手段としてウェザストリップの取付けに多く採用されている両面テープを採用しようとするものであるが、 サブシール部3dの近傍には作業者の指や専用治具を支える部位がないため、サブシール部3dの位置がずれないように支えながら両面テープによる接着を行うのが困難である。
本発明は、両面テープによるウェザストリップのサブシール部や添設部の接着固定が容易かつ確実に行えるようなルーフシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車体側のルーフパネルに開閉可能又は取外可能なルーフ31が取付けられる開口が形成され、該開口の周縁には開閉可能なルーフを閉じ、或いは取外可能なルーフ31を取付けたとき、ルーフ周縁に弾着してシールするウェザストリップ16が取付けられる車両のルーフシール構造において、前記ルーフパネルの開口縁は、車内側に向けて斜め下向きに延出する傾斜部12と、該傾斜部上端と折れ曲り角部15を介して連続して形成される棚部11と、該棚部11から斜め上方向に連続して形成される開口縁面10を有し、ウェザストリップ16は一側に前記棚部11に装着され、ルーフ周縁に弾着する第1のシール部17と、該シール部17と一体をなして下向きに傾斜し、前記傾斜部12に添設される沿添部18と、ルーフパネルの前記
折れ曲り角部15にてルーフパネルの傾斜部12とは向きを変え、前記添設部18より枝別れするようにして
該添設部上部に上向きに突出し、前記ルーフ31を閉じ、或いは取付けたとき、該ルーフ周縁部を受け止める第1のストッパー23を備え、前記ウェザストリップ一側は前記折れ曲り角部15で位置ずれを規制された状態で第1のシール部底面の位置決め面28、
32と、前記沿添部側面の位置決め面29をそれぞれ折れ曲り角部両側の前記棚部11と、傾斜部12に押し当て、かつ前記シール部17を前記棚部11と前記開口縁面10の少なくとも一方に両面テープ27によって接着固定してなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、
車体側のルーフパネルに開閉可能又は取外可能なルーフ31が取付けられる開口が形成され、該開口の周縁には開閉可能なルーフを閉じ、或いは取外可能なルーフ31を取付けたとき、ルーフ周縁に弾着してシールするウェザストリップ16が取付けられる車両のルーフシール構造において、前記ルーフパネルの開口縁は、車内側に向けて斜め下向きに延出する傾斜部12と、該傾斜部上端と折れ曲り角部15を介して連続して形成される棚部11と、該棚部11から斜め上方向に連続して形成される開口縁面10を有し、ウェザストリップ16は一側に前記棚部11に装着され、ルーフ周縁に弾着する第1のシール部17と、該シール部17と一体をなして下向きに傾斜し、前記傾斜部12に添設される沿添部18と、該沿添部上部にルーフパネルの前記傾斜部と枝別れするようにして上向きに突出し、前記ルーフ31を閉じ、或いは取付けたとき、該ルーフ周縁部を受け止める第1のストッパー23を備え、前記ウェザストリップ一側は前記折れ曲り角部15で位置ずれを規制された状態で第1のシール部底面の位置決め面28、32と、前記沿添部側面の位置決め面29をそれぞれ折れ曲り角部両側の前記棚部11と、傾斜部12に押し当て、かつ前記シール部17を前記棚部11と前記開口縁面10の少なくとも一方に両面テープ27によって接着固定してなり、また前記開口周縁の傾斜部端には、上向きに突出するフランジ14が連結され、前記ウェザストリップ16は他側において前記フランジ14に差込まれるグリップ部20と、グリップ部上端より上向きに突出し、前記ルーフ31に弾接する第2のシール部25と、前記沿添部18と前記グリップ部20を連結する連結部21を備え、前記グリップ部上端には前記第2のシール部25と共に、ルーフ31を受け止める第2のストッパー26が突出形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明のルーフシール構造において、前記
第1のストッパー23の車内側の側面23aは沿添部の下端部付近まで連続していることを特徴とする。
【0010】
請求項
4に係る発明は、請求項1ないし
3のいずれかの請求項に係る発明において、前記傾斜部は下端に横向きに延びる延出部を有し、ウェザストリップの沿添部は下端が前記延出部と隙間を存していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によると、ウェザストリップはルーフパネル開口周縁の折れ曲り角部でずれを規制された状態で第1のシール部の位置決め面がルーフパネル開口周縁の棚部に、第1のシール部と一体の沿添部側面の位置決め面がパネル開口の傾斜部にそれぞれ押付けられ、かつ両面テープにて接着されるようになっているもので、これにより、第1のシール部や沿添部がパネル開口縁より浮いて外観不具合や水洩れを生ずるおそれをなくすことができる。また沿添部上部にルーフパネルの傾斜部とは向きを異にして上向きに突出形成されるストッパーは指で摘んだり、専用治具を係合させることができる。したがってウェザストリップを取付ける際にはストッパーを指で摘みながら、又は専用治具を係合させながらルーフパネルの棚部と、該棚部より折れ曲る傾斜部の折れ曲り角部に向かって押込むことにより、その押力が第1のシール部の底面と沿添部に及び、シール部底面と沿添部とが折れ曲り角度で位置決めされてずれを規制され、かつ折れ曲り角部両側の棚部と傾斜部に押付けられた状態で両面テープによる接着が行われる。このようにして、従来構造と比べて接着が容易かつ簡単に 行え、第1のシール部を棚部と、該棚部から斜め上へ延びる開口縁面のうちの少なくとも一方に、接着することができる。また開閉可能なルーフを閉じ、或いは着脱可能なルーフを取付けたときには、その都度ルーフによる第1のストッパーへの加圧力がウェザストリップ組付時と同様、第1のシール部の底面と沿添部に及び、これらを棚部と傾斜部にそれぞれ押付けることによりウェザストリップの位置ずれを生じさせない。
【0012】
請求項
3に係る発明によると、前記第1のストッパーの車内側の側面は沿添部の下端部付近まで連続しているので、該第1のストッパーを前記折れ曲り角部へ向けて押圧することにより、その押力を第1のシール部の底面と沿添部に効率よく及ばせることができる。
【0013】
請求項
2に係る発明によると、ウェザストリップの第1のシール部と第2のシール部がルーフに弾着することでダブルシールが行われ、シール性が向上する。またウェザストリップは一側において第1のシール部が前述するように、棚部と
開口縁部の少なくとも一方に両面テープにより接着されると共に、他側のグリップ部がフランジに差込まれて保持され、両側において保持されることにより、ウェザストリップの保持がより確実に行えるようになる。
【0014】
請求項4に係る発明によると、ルーフは周縁部と、該周縁部より離れた箇所の二か所でそれぞれ第1及び第2のストッパーにより支持され、ルーフの支持が安定する。
【0015】
請求項5に係る発明によると、沿添部下端が前記延出部と隙間を存することによりウェザストリップの沿添部を傾斜部に、とりわけ第1のシール部を棚部に両面テープにより接着する際、沿添部下端がパネル開口の延出部に支えて接着に支障を来たしたり、第1のシール部が棚部より浮くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図5】第1のストッパーを指先で摘んで押付け、ウェザストリップ一側を取付けるときの状態を示すルーフ構造の要部の断面図。
【
図6】ウェザストリップ一側の取付けを専用治具を用いて行うときのルーフ構造の要部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図3は、本発明に係るルーフシール構造が適用されるコンバーチブル車の要部の外観を示すものであり、
図4はフロント側のヘッダーに適用したルーフシール構造の実施形態1で、
図3のA−A線での断面を示している。このルーフシール構造における車体側のルーフパネル開口縁は、ルーフパネルの外観部Aから車内側に斜め下向きに延出する開口縁面10と、これより車内側へ折れ曲って略横向きに延びる棚部11と、該棚部端より更に車内側に斜め下向きに延出する傾斜部12と、傾斜部下端より略横向きに延びる延出部13と、該延出部13と一体をなして上向きに突出するフランジ14よりなり、前記棚部11と前記傾斜部12の表面はそれぞれ平坦で、折れ曲り角部15で屈折して連続している。
【0018】
前記ルーフパネル開口縁に着脱可能に取付けられるウェザストリップ16は、材質が例えばEPDMゴムや熱可塑性エラストマー等のゴム様弾性体よりなって押出成形により形成され、その構造は一側に前記棚部11に装着される第1のシール部としての中空なサブシール部17と、前記傾斜部12と同様、車内側に向けて斜め下向きに伸び、前記傾斜部12に沿わせて添設される沿添部18を備える一方、他側に前記フランジ14に差込まれる芯金19入りのグリップ部20を備え、また沿添部下端とグリップ部20を連結する連結部21を備えている。そしてウェザストリップ一側には更にサブシール部17の車内側に隣接し、沿添部上部にルーフパネルの折れ曲り角部15にてルーフパネルの傾斜部12とは向きを変え沿添部より枝別れするようにして上向きに突出形成される第1のストッパー23を備え、ウェザストリップ他側にはグリップ部20上に第2のシール部である中空シール部25と、該中空シール部25の車内側に第2のストッパー26を上向きに突出させて並設してある。
【0019】
ルーフパネル開口縁への前記ウェザストリップ16の取付けは、開口縁に沿う側のサブシール部17の側面にシール用の両面テープ27を接着したのち、前記両面テープ27より離型紙を剥がしてからサブシール部17の底面を棚部11に、沿添部18を傾斜部に当てがい、折れ曲り角部15で位置ずれを規制した状態にしたのち、第1のストッパー23を指先で摘み、
図4の矢印方向、つまり折れ曲り角部15へ向かって押し込む。すると押込んだときの押力がサブシール部17と沿添部18に分散して及び、サブシール部底面の位置決め面28を折れ曲り角部15一側の棚部11に、折れ曲り角部15近辺の沿添部側面の位置決め面29を折れ曲り角部15他側の傾斜部12にそれぞれ押付ける。第1のストッパー23の押込みに続いて
図5に示すようにサブシール部17を押し潰しながら開口縁面10へ押し込む。サブシール部17の押し潰しによりサブシール部側面が
両面テープ27により棚部上の開口縁面10に接着される。こうしてウェザストリップ一側がパネル開口縁に取付けられる。
【0020】
第1のストッパー23は
図4及び
図5に示すように、第1のストッパー23を
図4の矢印方向、つまり折れ曲り角部15へ向かって押込んだ際に押力がサブシール部17と沿添部18に分散しやすいように、第1のストッパー23の室内側の側面23aはルーフパネルの傾斜部12へ向かって滑らかに湾曲して窪んで形成されている。この湾曲側面23aは沿添部18の下端部付近まで連続した円弧となっている。これによりストッパー23は指で摘み易く、また沿添部側面の位置決め面29を傾斜部12に押圧し易くしている。第1のストッパー23はまた、ストッパー上面が棚部11と略平行をなしていることにより、
図5に示すように第1のストッパー23の室内側の側面23aと上面とを指で摘むことで自然と棚部11及び傾斜部12の両方へ押付ける力が発生するようになる。
【0021】
前記実施形態では、第1のストッパー23を指先で摘んで、折れ曲り角部15に向かって押し込むことにより、位置決め面28を折れ曲り角部15一側の棚部11に、位置決め面29を折れ曲り角部15他側の傾斜部12にそれぞれ押付けるようにしているが、指先操作に代えて専用治具を用いて行うこともできる。
【0022】
図6は、専用治具33の使用例を示すもので、該専用治具33は第1のストッパー23を上方より当てがわれる上押え部34と、第1のストッパー23の室内側の側面23aに当てがわれる横押え部35を有して、断面が略J形状をなし、図示しない自動機に取り付けられて、使用時には図示するように上押え部34が第1のストッパー23を上方より、また横押え部35で第1のストッパー23の室内側の側面23aを側方より押えて前記実施形態と同様に、ウェザストリップ16の取付けを行うようになっている。
【0023】
ウェザストリップ16の取付時には、折れ曲り角部15にて余計な干渉が発生しないように、サブシール部17と沿添部18の連結部には抉りを設け、折れ曲り角部15とウェザストリップの間に隙間を設けてもよい。
【0024】
ウェザストリップ一側は以上のようにしてルーフパネル開口縁に取付けられ、両面テープ27により接着されるが、これに前後してウェザストリップ他側のグリップ部20をフランジ14に差込み取付ける。
図4はウェザストリップ16をルーフパネル開口縁に取付けた状態を示すもので、ウェザストリップ16の連結部21は沿添部下端を含め、ルーフパネル開口縁の延出部13より上方に離間し、両者の間に隙間sを設けている。この隙間によりサブシール17を棚部11に当てがって接着する際、沿添部下端が延出部13に支えることなく接着が行われ、サブシール部17が棚部11より浮くこともない。
【0025】
図示する実施形態1では、連結部21全体が延出部13より上方に離間しているが、接着時に沿添部下端が延出部13に支えないように沿添部下端を延出部13より離れていれば、連結部21の一部又は大部分が延出部13に接触するようになっていてもよい。
【0026】
ルーフ31は取外し可能で、
図4の一点鎖線で示すように取付けたとき、ルーフ周縁の先端部がサブシール部17を押し潰して弾着し、シールすると共に、第1のストッパー23で受け止められ支持されるようになっている。この際にもストッパー23の室内側の湾曲側面23aによって荷重がストッパーを
図4の矢印方向、つまり角部15へ向かって加わるようになり、ウェザストリップ16を組付けた時と同様に両方の位置決め面28、29が棚部11及び傾斜部12に押付けられるようになる。従って、組付け時と変わらない方向の力で折れ曲り角部15により位置ずれが規制された状態でウェザストリップが押付けられ、ルーフの取付けによってウェザストリップ16が位置ずれすることがない。
【0027】
また、位置決め面28、29のどちらか一方又は両方を両面テープやブチルシーラントで接着することも可能である。ルーフを取付けた際には、ルーフの荷重が位置決め面28、29を押圧し、該位置決め面28、29での接着力を強め、ウェザストリップが浮いたり外れるのをより確実に防止する。
【0028】
図
7は別の実施形態のルーフシール構造を示すもので、この実施形態2ではサブシール部17の接着固定をサブシール側面ではなく、サブシール底面で行っているもので、その他は実施形態1と同じ構造をしている。
【0029】
実施形態2は上述するようにウェザストリップの一側のサブシール部17をルーフパネル開口縁の棚部11へ接着するもので、サブシールの底面に段差Dを設け、段差Dの棚部側の窪みに両面テープ27を備えている。この構造では、段差Dの室内側のサブシール部17底面が位置決め面
32となり、ウェザストリップの組付け時には、実施形態1と同様にして沿添部18側面の位置決め面29を傾斜部12に当てた後に、第1のストッパー23を
図6の矢印方向に折れ曲
り角
部15に向かって押込むことにより、その押力をサブシール部17の底面方向に及ぼし、棚部11に接着固定するものである。
【0030】
ルーフ31はまた、先端部より離れた箇所において、中空シール部25に弾着すると共に、第2のストッパー26で受け止められ支持されるようになっており、ルーフ31は先端部と該先端部より離れた箇所の二か所においてサブシール部17と中空シール部25によりダブルシールされると共に、第1のストッパー23と第2のストッパー26により支持されるようになっている。
【0031】
前記実施形態のウェザストリップ16において、他側の中空シール部25と第2のストッパー26を含むグリップ部20及び連結部21は必須でなく、省いてもよい。省いた場合にはウェザストリップ16はしたがって、サブシール部17と沿添部18と第1のストッパー23のみで構成される。
【0032】
前記実施形態のルーフ31は着脱可能となっているが、着脱しないで開閉できるタイプのものであってもよい。
【0033】
また前記実施形態のルーフシール構造は、コンバーチブル車のフロント側のヘッダーに適用した例を示すものであるが、リヤ側においても同様に構成することができコンバーチブル車以外の例えばTバールーフ車のルーフ開口周縁、タルガトップ車のルーフ開口周縁に同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
11・・棚部
12・・傾斜部
13・・延出部
14・・フランジ
16・・ウェザストリップ
17・・サブシール部
18・・沿添部
19・・芯金
20・・グリップ部
21・・連結部
23・・第1のストッパー
25・・中空シール部
26・・第2のストッパー
28、29、3
2・・位置決め面
33・・専用治具
34・・上押え部
35・・横押え部