(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセッサとメモリを備えたコンピュータであって、メモリは前記プロセッサに請求項3および4のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラムを記録したコンピュータ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<用語の定義>
本明細書において、金融機関から与信を受ける者、すなわち、電子記録債権の債務者となる者を「利用者」とする。上記利用者に対し、金銭の貸与を行う者、すなわち、電子記録債権の債権者となる者を「金融機関」とする。「与信」とは、金融機関が利用者に対して融資を行うことを意味する。「与信金額」とは、利用者が金融機関から、融資を受ける額を意味する。「与信極度額」とは、利用者の支払い能力に応じて、利用者と金融機関との間で予め取り決められた与信額合計の上限額を意味する。
【0012】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係る電子記録債権極度与信管理システムを詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システム全体の構成の例を示す図である。
図1において、電子記録債権極度与信管理装置101は、専用線などのネットワーク102を介して、電子債権記録機関システム103に接続される。また、電子記録債権極度与信管理装置101は、インターネットなどのネットワーク104を介して、クライアントコンピュータ105に接続される。
【0014】
電子記録債権極度与信管理装置101は、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システムのサービスを提供する主要なコンピューティングデバイスである。電子記録債権極度与信管理装置101は、利用者からの与信の要求があると、利用者を債務者、および、金融機関を債権者、与信金額を債権金額として指定した発生記録請求データファイルを作成して、当該発生記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信するなどの処理を実行する。なお、電子記録債権極度与信管理装置101は単独で実装されてもよいし、または、従来から存在する、金融機関の勘定系サービスを提供する銀行システムのサーバもしくはホストで実装されてもよい。
【0015】
電子記録債権極度与信管理装置101は、ネットワークI/F110、制御部120、主記憶部130、および、補助記憶部140を備え、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0016】
ネットワークI/F110は、ネットワーク102および104を介してそれぞれ接続された電子債権記録機関システム103およびクライアントコンピュータ105との間で、データを送受信する。
【0017】
制御部120は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、上記各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部140に格納されている各種プログラムを主記憶部130に読み出して実行する。主記憶部130は、メインメモリとも呼ばれ、電子記録債権極度与信管理装置101が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。
【0018】
補助記憶部140は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、極度与信管理データ記憶部141および電子記録債権データ記憶部142などのデータベーステーブルを格納している。また、補助記憶部140は、制御部120に、本発明に係る各種処理を実行させるためのプログラム(図示せず)を格納している。
【0019】
電子債権記録機関システム103は、電子債権記録機関によって提供される、電子記録債権の発生記録などの処理を実行するシステムであり、電子記録債権ごとの記録原簿を格納する電子記録債権データベース150を備える。電子債権記録機関システム103は、電子記録債権極度与信管理装置101から発生記録請求データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150に該当の記録原簿レコードを追加するなどの処理を実行する。
【0020】
クライアントコンピュータ105は、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システムが提供するサービスに対する要求を入力するためのコンピュータ端末である。利用者からの与信の要求を受け付けた取引金融機関の担当者は、クライアントコンピュータ105から所定の情報を入力する(利用者が有するクライアントコンピュータ105から直接入力されてもよい)。入力された情報は、電子記録債権極度与信管理装置101に送信されて、発生記録請求などの処理が実行される。
【0021】
上述した電子記録債権極度与信管理装置101は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって構成されてもよい。また、上述したクライアントコンピュータ105は、例えば、通信機能を備えるパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDAなどの情報端末機器であってもよい。コンピューティングデバイスおよび情報端末機器は、中央処理装置(CPU)、メモリ、記憶装置などを備えるコンピューティングデバイスであって、メモリまたは記憶装置に格納されたコンピュータプログラムをCPUが処理することによって統括的に制御され、本発明に係る処理を実行し、その機能を実現することができる。なお、上述したシステム構成は、例示のためのものであり、本発明を実行することができるシステム構成を限定するものではない。
【0022】
次に、
図2を参照して、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システムが実行する一連の処理を説明する。本実施形態では、利用者は、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システムを提供する金融機関(以下、「取引金融機関」)に、500万円の与信の申し出を行ったものとする。
【0023】
<極度与信契約締結>
まず、利用者と取引金融機関との間で極度与信契約が締結される。極度与信契約を締結するにあたって、利用者の支払い能力に応じた与信極度額、および、当該契約の契約期日が設定される。上記極度与信契約は、1年ごとなどの一定周期で見直されてもよい。
【0024】
極度与信契約が締結されると、クライアントコンピュータ105から極度与信契約申込データが入力される。入力された極度与信契約申込データは、クライアントコンピュータ105からネットワーク104を介して電子記録債権極度与信管理装置101に送信される(S201)。極度与信契約申込データは、利用者番号(電子債権記録機関システム103において利用者に割り振られる番号)、利用者が電子債権記録機関システム103上のアカウントにおいて有している決済口座情報(以下、「利用者決済口座情報」とする)、取引金融機関が電子債権記録機関システム103上のアカウントにおいて登録した電子記録債権貸付用の決済口座情報(当該口座情報は、利用者と取引金融機関との間で電子記録債権貸付に係る電子記録債権の決済を行うのに使用される専用口座の口座情報に該当し、以下、「銀行用決済口座情報」とする)、ならびに、上記設定した与信極度額および契約期日を含むが、そのような項目に限定されない。
【0025】
電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、S201で送信された極度与信契約申込データを受信し、制御部120が、当該極度与信契約申込データに含まれる銀行用決済口座情報に基づいて、決済口座追加請求データファイルを作成する。作成した決済口座追加請求データファイルは、ネットワークI/F110によって、電子債権記録機関システム103に送信される(S202)。電子債権記録機関システム103は、送信された決済口座追加請求データファイルを受信して、取引金融機関のアカウントに上記決済口座の登録処理を行う(S203)。この処理によって、銀行用決済口座情報が、電子債権記録機関システム103に新規に登録され、電子記録債権貸付に係る電子記録債権の債権者用決済口座として利用可能となる。なお、上述した決済口座登録の処理は現行で行われている処理と同様であるので、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S201で送信された極度与信契約申込データに含まれる利用者番号、利用者決済口座情報、銀行用決済口座情報、および、与信極度額に基づいて、極度与信管理データ記憶部141にレコードを追加する(S204)。ここで、極度与信管理データ記憶部141を、
図3を参照して説明する。
【0027】
極度与信管理データ記憶部141は、利用者の極度与信額などを管理する情報などを記憶したデータベーステーブルであり、S204において
図3Aで示すレコードが追加される。極度与信管理データ記憶部141は、項目「利用者番号」、「利用者決済口座情報」、「与信極度額」、「契約期日」、「与信金額」、「与信枠金額」、および、「銀行用決済口座情報」を備える。項目「与信金額」は、利用者の電子記録債権貸付利用額合計を示し、与信枠金額は、与信極度額から与信金額を差し引いた、追加与信可能金額を示す。項目「利用者番号」、「利用者決済口座情報」、「与信極度額」、「契約期日」、および、「銀行用決済口座情報」には、S201で送信された極度与信契約申込データに含まれるそれぞれの項目が設定される。
【0028】
<電子記録債権発生記録実行>
上述したS201乃至S204の処理を実行すると、利用者は、取引金融機関から設定極度内で与信を受けることが可能な状態となる。S201乃至S204の処理は、利用者が最初に極度与信契約を締結する際に実行される処理であり、既に当該契約を締結している状態、すなわち、取引金融機関から与信極度額の設定を受けている場合は、S205から処理が開始される。
【0029】
まず、クライアントコンピュータ105から貸付要求データが入力される。入力された貸付要求データは、クライアントコンピュータ105からネットワーク104を介して電子記録債権極度与信管理装置101に送信される(S205)。貸付要求データは、利用者番号および利用者決済口座情報、利用者が希望する与信金額(本実施形態では500万円)、ならびに、貸付希望日および貸付期日などの情報を含むが、これらの項目に限定されない。
【0030】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、S205で送信された貸付要求データを受信し、制御部120が、当該貸付要求データに含まれる利用者番号または利用者決済口座情報に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当のレコードを取得する(S206)。
【0031】
次に、制御部120は、貸付要求データの与信金額が、項目「与信枠金額」を上回るか否かを判定する(S207)。判定の結果、与信枠金額の範囲内である場合は、S208の処理に進み、与信枠金額を超える場合は、与信実行が不可であるとして、クライアントコンピュータ105にエラー通知をする(S213)。S207の処理において、利用者への与信金額が、既存の与信金額を含め、取引金融機関との間で定められた与信極度額の範囲内であるか否かの判定がされ、利用者に対する与信実行の可否を判定することが可能になる。
【0032】
S208の処理においては、制御部120が、債務者を利用者、債権者を取引金融機関、債権者決済口座情報を銀行用決済口座情報(S206で取得した極度与信管理データレコードに含まれる銀行用決済口座情報が設定される)、債務者決済口座情報を利用者決済口座情報(S205で送信された貸付要求データに含まれる利用者決済口座情報、または、S206で取得した極度与信管理データレコードに含まれる利用者決済口座情報が設定される)、与信金額を債権金額(S205で送信された貸付要求データに含まれる与信金額が設定される)、貸付希望日を発生記録日、および、貸付期日を支払期日として指定した発生記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該発生記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する。発生記録請求データファイルは、電子債権記録機関システム103に対して発生記録請求を行うためのデータファイルであり、全金融機関共通フォーマットが定められている。電子債権記録機関システム103は、発生記録請求データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150に新たな電子記録債権記録原簿レコードを追加し(S209)、発生記録結果データファイルを作成して電子記録債権極度与信管理装置101に送信する(S210)。このようにして、利用者が要求する与信金額が与信枠金額の範囲内であるか否かの判定を行った後に、利用者を債務者、および、取引金融機関を債権者とする電子記録債権を発生させ、取引金融機関は、この発生記録情報に基づいて与信を行うことにより、極度額の範囲内で電子記録債権貸付を実行、管理することが可能になる。
【0033】
次に、制御部120は、S206で取得した極度与信管理データレコードの項目「与信金額」に、S205で送信された貸付要求データに含まれる与信金額を加算し、および、項目「与信枠金額」から当該与信金額を減算して、
図3Bに示すように当該極度与信管理データレコードを更新する(S211)。
【0034】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S210で送信された発生記録結果データファイルに含まれる記録番号、債権金額(S205で送信された貸付要求データに含まれる与信金額に対応する)、債務者決済口座情報(利用者決済口座情報に対応する)、債権者決済口座情報(S201乃至S203で作成した銀行用決済口座情報に対応する)、記録日および支払期日、ならびに、S205で送信された貸付要求データに含まれる利用者番号に基づいて、電子記録債権データ記憶部142にレコードを追加する(S212)。ここで、電子記録債権データ記憶部142を、
図4を参照して説明する。
【0035】
電子記録債権データ記憶部142は、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システムを利用して発生した電子記録債権を管理するためのデータベーステーブルであり、S212において
図4AのNo.1で示すレコードが追加される。電子記録債権データ記憶部142は、項目「記録番号」、「利用者番号」、「債権金額」、「支払期日」、「債務者決済口座情報」、「債権者決済口座情報」および「支払済フラグ」を備えるが、これらの項目に限定されない。このようにして、S206乃至S210において、与信金額が与信枠金額の範囲内にあるか否かを判定し、発生した電子記録債権を利用者番号と関連付けて管理することによって、後述する与信金額の回収を、電子記録債権の決済と関連付けることが可能になる。
【0036】
<支払期日前>
次に、上記発生した電子記録債権の支払期日から起算して、所定日前(例えば、2銀行営業日前)に実行される処理について
図5を参照して説明する。該当日になると、電子債権記録機関システム103は、決済データファイルを作成し、電子記録債権極度与信管理装置101に送信する(S501)。決済データファイルとは、該当の電子記録債権の債務者(本実施例における利用者)の取引金融機関に対し、当該電子記録債権の支払期日に債権金額(本実施形態における与信金額に対応する)の支払いが必要となることを通知するためのデータが格納されたデータファイルであり、債務者の利用者番号、債権金額、および支払期日などの情報を含む。
【0037】
電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、S501で送信された決済データファイルを受信すると(S502)、決済データファイルに含まれる債権金額および支払期日に基づいて、クライアントコンピュータ105に対して決済金額および期限の通知を行う(S503)。
【0038】
<支払期日>
次に、上記発生した電子記録債権の支払期日当日の処理を説明する。支払期日当日になり、利用者(債務者)から、取引金融機関(債権者)に、電子記録債権の決済に対する支払いがあると、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、電子記録債権に対する利用者からの支払処理データファイルおよび取引金融機関への入金処理データファイルを受信することになる。両データファイルは、従来からの金融機関の振込みを行う際に作成された、振込元の金融機関での資金引落し処理に利用されるデータファイル、および振込先の金融機関に送信されるデータファイルであり、振込元の口座情報(本実施形態における債務者決済口座情報)、振込先の口座情報(本実施形態における銀行用決済口座情報)、該当の電子記録債権を特定する記録番号、および、決済金額などが含まれる。なお、当該支払および入金処理の詳細は、従来からの処理と同様であるので、本明細書での説明は省略する。取引金融機関は、この電子記録債権の決済資金で、紐付けられている電子記録債権貸付を回収する(以降、電子記録債権貸付に係る電子記録債権に対する利用者からの支払処理データファイルおよび取引金融機関への入金処理データファイルをまとめて回収処理データファイルという)。
【0039】
ネットワークI/F110が上記、回収処理データファイルを受信すると(S504でYES)、制御部120は、回収処理データファイルに含まれる記録番号に基づいて、電子記録債権データ記憶部142から該当のレコードを取得する(S505)。
【0040】
次に、制御部120は、S505で取得した電子記録債権データレコードを更新する(S506)。本ステップでは、取引金融機関は、上述した電子記録債権の決済資金を受領し、これに係る電子記録債権貸付を回収したので、項目「支払済フラグ」に「1:支払済み」を設定する。
【0041】
次に、制御部120は、上記取得した電子記録債権データレコードに含まれる利用者番号(本実施形態における利用者、すなわち、電子記録債権の債務者の利用者番号)に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当レコードを更新する(S507)。本ステップでは、利用者から与信金額に対する回収があったので、
図3Cに示すように、項目「与信金額」から回収額である500万円を減算し、および、「与信枠金額」に当該回収額を加算する。
【0042】
次に、制御部120は、口座間送金決済報告データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該口座間送金決済報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S508)。口座間送金決済報告データファイルは、電子債権記録機関システム103に対して口座間送金決済報告を行うためのデータファイルであり、全銀行共通フォーマットが定められている。電子債権記録機関システム103は、口座間送金決済報告データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新する(S509)。この処理において、電子債権記録機関において口座間送金決済済みの報告を受けた場合は支払期日の3銀行営業日後に自動的に支払等記録がされ、記録原簿上の電子記録債権が消滅する。なお、S508およびS509の処理は、既存の口座間送金決済報告を行う処理と同一であるので、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0043】
上記S504において、ネットワークI/F110がS502で受信した決済データファイルに含まれる電子記録債権貸付に係る電子記録債権について、上記回収処理データファイルを受信できなかった場合、すなわち、利用者からの電子記録債権の決済資金の支払いがなかった場合は、制御部120は、支払不能報告データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該支払不能報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S510)。
【0044】
<全額継続借入>
次に、
図6を参照して、利用者が、与信対象の電子記録債権の支払期日に、与信の返済をせず、全額を継続して借入する場合の処理を説明する。本実施形態は、
図2の処理から継続して実行され、
図2の例と同様に、利用者は電子記録債権を発生記録することで取引金融機関から500万円の与信を受け、その支払期日に、別の新たな電子記録債権を発生記録することで、与信金額の全額を継続して借入するものとする。
【0045】
利用者から、与信金額の全額の継続借入の申し出があると、クライアントコンピュータ105から継続借入要求データが入力され、当該継続借入要求データは電子記録債権極度与信管理装置101に送信される(S601)。継続借入要求データは、少なくとも、
図2のS208乃至S210において発生した電子記録債権(本実施形態では、「電子記録債権1」とする)を特定する記録番号、継続する与信金額、新たな与信期日を含む。
【0046】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、S601で送信された継続借入要求データを受信し、制御部120が、当該継続借入要求データに含まれる記録番号に基づいて、電子記録債権データ記憶部142から該当のレコードを取得する(S602)。
【0047】
次に、制御部120は、S602で取得した電子記録債権データレコードに基づいて、新しい電子記録債権の発生記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該発生記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S603)。本ステップにおける発生記録請求は、電子記録債権1と、債務者、債権者、債権金額および決済口座情報などは同一であり、記録日は、電子記録債権1の支払期日が設定され、支払期日には、継続借入要求データに含まれる新たな与信期日が設定される。電子債権記録機関システム103は、発生記録請求データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150に新たな電子記録債権記録原簿レコードを追加し(S604)、発生記録結果データファイルを作成して電子記録債権極度与信管理装置101に送信する(S605)。このようにして、利用者が与信金額の全額の継続借入を希望する場合に、先に発生した電子記録債権1と同じ債権金額の新たな電子記録債権(本実施形態では、「電子記録債権2」とする)を発生させて、後続の処理を実行する。
【0048】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、S605で送信された発生記録結果データファイルを受信し、制御部120が、当該発生記録結果データファイルを参照して、電子記録債権2の発生記録が成立したか否かを判定し(S606)、成立している場合は、後続の処理に進み、成立しなかった場合は、S611に進む。
【0049】
S607の処理においては、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S605で送信された発生記録結果データファイルに基づいて、電子記録債権データ記憶部142に、電子記録債権2に対応するレコードを追加する(
図4AのNo.2のレコード)。
【0050】
次に、制御部120は、S602で取得した電子記録債権データレコードを更新する(S608)。本ステップでは、上述した電子記録債権1を引き継ぐ電子記録債権2が発生記録されたので電子記録債権1に係る項目「支払済フラグ」に「1:支払済み」を設定する。
【0051】
次に、制御部120は、電子記録債権1に対する口座間送金決済報告データファイルを作成し(電子記録債権1は、電子記録債権2に係る新たな電子記録債権貸付資金により回収される)、ネットワークI/F110が当該口座間送金決済報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S609)。電子債権記録機関システム103は、口座間送金決済報告データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新する(S610)。この処理によって、電子記録債権1が記録上消滅する。
【0052】
S606の判定において、電子記録債権2の発生記録が成立しなかった場合は、電子記録債権1に係る与信金額を新たな電子記録債権貸付で引き継ぐことができなくなるので、利用者は電子記録債権1の決済金額(当該与信金額の回収資金)を支払う必要が生じる。この場合に、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は返済要求インジケータをクライアントコンピュータ105に送信し、利用者に決済口座への入金を促す(S611)。
【0053】
上記返済要求インジケータに対して、利用者から、電子記録債権1の決済金額について決済口座への入金(入金により自動支払いされる)があると、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、電子記録債権に対する利用者の回収処理データファイルを受信することになる。回収処理データを受信すると(S612でYES)、S602で取得した電子記録債権データレコードに含まれる利用者番号に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当レコードを更新する(S613)。本ステップでは、利用者から与信金額の回収があったので、
図3Cに示すように、項目「与信金額」から回収額(500万円)を減算し、および、「与信枠金額」に回収額を加算する。その後は、S608に戻る。
【0054】
S612において利用者の回収処理データファイルを受信しなかったと判定した場合は、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、電子記録債権1について支払不能報告データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該支払不能報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S614)。
【0055】
<一部金額継続借入>
次に、
図7を参照して、利用者が電子記録債権貸付に係る電子記録債権の支払期日に、与信金額の全額の返済を行わず、一部金額を継続して借入する場合の処理を説明する。本実施形態は、
図2の処理から継続して実行され、
図2の例と同様に、利用者は取引金融機関から500万円の与信を受け、支払期日に100万円を支払って、残りの400万円を継続して借入するものとする。
【0056】
利用者から、与信金額の一部金額の継続借入の申し出があると、クライアントコンピュータ105から継続借入要求データが入力され、当該継続借入要求データは電子記録債権極度与信管理装置101に送信される(S701)。継続借入要求データは、少なくとも、
図2のS208乃至S210において発生した電子記録債権(本実施形態では、「電子記録債権1」とする)を特定する記録番号、継続する与信金額、新たな与信期日を含む。
【0057】
次に、利用者から、上記一部金額に対する返済があると、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、回収処理データファイルを受信することになる。回収処理データファイルを受信すると(S702)、当該回収処理データファイルに含まれる記録番号に基づいて、電子記録債権データ記憶部142から該当のレコードを取得する(S703)。
【0058】
次に、制御部120は、S703で取得した電子記録債権データレコードに基づいて、継続借入する金額分の新しい電子記録債権の発生記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該発生記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S704)。本ステップにおける発生記録請求は、電子記録債権1と、債務者、債権者、および決済口座情報などは同一であり、記録日は、電子記録債権1の支払期日が設定され、債権金額および支払期日には、継続借入要求データに含まれる与信金額および与信期日が設定される。電子債権記録機関システム103は、発生記録請求データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150に新たな電子記録債権記録原簿レコードを追加し(S705)、発生記録結果データファイルを作成して電子記録債権極度与信管理装置101に送信する(S706)。このようにして、利用者が与信金額の一部金額の継続借入を希望する場合に、先に発生した電子記録債権1から、返済金額を差し引いた債権金額の新たな電子記録債権(本実施形態では、「電子記録債権2」とする)を発生させて、後続の処理を実行する。
【0059】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、S707で送信された発生記録結果データファイルを受信し、制御部120が、当該発生記録結果データファイルを参照して、電子記録債権2の発生記録が成立したか否かを判定し(S707)、成立している場合は、後続の処理に進み、成立しなかった場合は、S713に進む。
【0060】
S708の処理においては、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S703で取得した電子記録債権データレコードに含まれる利用者番号に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当レコードを更新する。本ステップでは、利用者から与信金額の一部金額の回収(100万円)があったので、項目「与信金額」から回収額を減算し、および、「与信枠金額」に回収額を加算する。
【0061】
次に、制御部120は、S706で送信された発生記録結果データファイルに基づいて、電子記録債権データ記憶部142に、電子記録債権2に対応するレコードを追加する(
図4AのNo.3のレコード)(S709)。
【0062】
次に、制御部120は、S703で取得した電子記録債権データレコードを更新する(S710)。本ステップでは、上述した電子記録債権1の与信残額を引継ぐ電子記録債権2が発生記録されたので、電子記録債権1に係る項目「支払済フラグ」に「1:支払済み」を設定する。
【0063】
次に、制御部120は、電子記録債権1に対する口座間送金決済報告データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該口座間送金決済報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S711)。電子債権記録機関システム103は、口座間送金決済報告データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新する(S712)。この処理によって、電子記録債権1が記録上消滅する。
【0064】
S707の判定において、電子記録債権2の発生記録が成立しなかった場合は、利用者の希望与信継続額を新たな電子記録債権貸付で引き継ぐことができなくなるので、電子記録債権1に係る与信金額の全額を支払う必要が生じる。この場合に、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は返済要求インジケータをクライアントコンピュータ105に送信し、利用者に、決済口座への入金を促す(S713)。
【0065】
上記返済要求インジケータに対して、利用者から、電子記録債権1の与信金額の全額について、債務者決済口座への入金があると(入金により与信は自動回収される)、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、電子記録債権に対する回収処理データファイルを受信することになる。回収処理データファイルを受信すると(S714でYES)、S703で取得した電子記録債権データレコードに含まれる利用者番号に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当レコードを更新する(S715)。本ステップでは、利用者からの与信金額の全額の回収があったので、
図3Cに示すように、項目「与信金額」から回収額を減算し、および、「与信枠金額」に回収額を加算する。その後は、S710に戻る。
【0066】
S714において回収処理データファイルを受信しなかったと判定した場合は、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、電子記録債権1について支払不能報告データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該支払不能報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S716)。続いて電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S702で受信した一部返済金額についての支払等記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が電子債権記録機関システム103に送信する(S717)。
【0067】
<全額繰上返済>
次に、
図8を参照して、利用者から、与信金額の全額が、電子記録債権の支払期日を待たずに繰上返済がされた例を説明する。本実施形態は、
図2の処理から継続して実行され、
図2の例と同様に、利用者は取引金融機関から500万円の与信を受け、支払期日よりも前に、与信金額の全額の回収があったものとする。
【0068】
利用者から、与信金額の全額に対する回収があると、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、回収処理データファイルを受信することになる。回収処理データファイルを受信すると(S801)、当該回収処理データファイルに含まれる記録番号に基づいて、電子記録債権データ記憶部142から該当のレコードを取得する(S802)。
【0069】
次に、制御部120は、S802で取得した電子記録債権データレコードを更新する(S803)。本ステップでは、上述した電子記録債権に係る支払が終了したので、項目「支払済フラグ」に「1:支払済み」を設定する。
【0070】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S802で取得した電子記録債権データレコードに含まれる利用者番号に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当レコードを更新する(S804)。本ステップでは、利用者から与信金額の全額の回収(500万円)があったので、項目「与信金額」から回収額を減算し、および、「与信枠金額」に回収額を加算する。
【0071】
最後に、制御部120は、回収した電子記録債権貸付に係る電子記録債権の支払期日の7銀行営業日以前かどうかを判定し(S805)、7銀行営業日前以前の場合は、
図2のS208乃至S210において発生した電子記録債権に対する支払等記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該支払等記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S806)。7銀行営業日前より後の場合は、電子債権記録機関システム103の仕様上、支払等記録請求できないので、支払期日に口座間送金決済報告データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該支払等記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S807)。電子債権記録機関システム103は、支払等記録請求データファイルもしくは口座間送金決済報告データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新する(S808)。この処理によって、上記電子記録債権が消滅する。なお、この支払等記録や口座間送金決済報告の処理は現行で行われている処理と同様であるので、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0072】
<一部繰上返済>
次に、
図9を参照して、利用者の与信金額の一部金額が、電子記録債権の支払期日を待たずに繰上返済された例を説明する。本実施形態は、
図2の処理から継続して実行され、
図2の例と同様に、利用者は取引金融機関から500万円の与信を受け、支払期日よりも前に、与信金額の一部金額である100万円の回収があったものとする。
【0073】
利用者から、与信金額の一部金額に対する回収があると、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、回収処理データファイルを受信することになる。回収処理データファイルを受信すると(S901)、当該回収処理データファイルに含まれる記録番号に基づいて、電子記録債権データ記憶部142から該当のレコードを取得する(S902)。
【0074】
次に、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S902で取得した電子記録債権データレコードに含まれる利用者番号に基づいて、極度与信管理データ記憶部141の該当レコードを更新する(S903)。本ステップでは、利用者から与信金額の一部金額の回収(100万円)があったので、項目「与信金額」から回収額を減算し、および、「与信枠金額」に回収額を加算する。
【0075】
次に、上記回収処理データファイルを受信した日が、
図2のS208乃至S210において発生した電子記録債権(以下、「電子記録債権1」とする)の支払期日から7銀行営業日前以前であるか否かが判定される(S904)。7銀行営業日前以前の場合はS905の処理に進み、そうでない場合はS910に進む。
【0076】
S905の処理においては、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S902で取得した電子記録債権データレコードに基づいて、分割譲渡記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該分割譲渡記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S905)。分割譲渡記録請求データファイルは、電子債権記録機関システム103に対して分割譲渡記録請求を行うためのデータファイルであり、全金融機関共通フォーマットが定められている。本ステップにおける分割譲渡記録請求は、電子記録債権1から分割した電子記録債権2が発生する。電子記録債権1および2は、債務者、債権者、支払期日および決済口座情報などは同一であり、電子記録債権1は債権金額に、与信金額から回収額を減算した額(つまり、与信金額に対して一部金額を支払った残額である400万円)が設定され、電子記録債権2は債権金額に、返済された100万円が設定され、同時に取引金融機関から利用者に譲渡する譲渡記録がなされる。電子債権記録機関システム103は、分割譲渡記録請求データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150に、電子記録債権1に対応する電子記録債権記録原簿レコードを更新し、および、電子記録債権2に対応する新たな電子記録債権記録原簿レコードを追加し、分割譲渡記録結果データファイルを作成して電子記録債権極度与信管理装置101に送信する(S906)。この処理において、電子債権記録機関において分割譲渡記録がされ(分割譲渡の効力が発生し)、記録原簿上では電子記録債権1から分割譲渡された新たな電子記録債権2が発生する。なお、S905およびS906の処理は、既存の分割譲渡記録請求を行う処理と同一であるので、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0077】
次に、制御部120は、S906で送信された分割譲渡記録結果データファイルに基づいて、電子記録債権データ記憶部142に、電子記録債権2に対応するレコードを追加し(
図4BのNo.2のレコード)、同時に項目「支払済フラグ」を付加する。また、S902で取得した電子記録債権データレコード(電子記録債権1に対応する)の債権金額を更新する(回収額である100万円を減額した400万円に更新する(
図4BのNo.1のレコード))(S907)。
【0078】
次に、制御部120は、電子記録債権2に対する支払等記録請求データファイルを作成し(電子記録債権2は、与信回収により利用者に返却されたことで、債務者、債権者ともに同じ利用者となっているため混同による消滅処理を行う)、ネットワークI/F110が当該支払等記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S908)。電子債権記録機関システム103は、支払等記録請求データファイルを受信すると、電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新、これにより電子記録債権2は記録上消滅する(S909)。
【0079】
S904の判定において、支払期日の7銀行営業日前より後の場合は、電子債権記録機関システム103の仕様上、上述した分割譲渡記録請求をすることができないので、支払期日まで一部返済されたデータを保有し続ける。電子記録債権1の支払期日まで与信金額の残額に対する回収があると、電子記録債権極度与信管理装置101のネットワークI/F110は、取引金融機関の勘定系システムから送信された、回収処理データファイルを受信することになる。回収処理データファイルを受信した場合は(S910でYES)、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S907で更新した電子記録債権1に対応する電子記録債権データレコードを再度、更新する(S911)。本ステップでは、上述した電子記録債権1の全額支払いが完了したので、項目「支払済フラグ」に「1:支払済み」を設定する。支払期日の7銀行営業日前より後となった電子記録債権は、支払期日に一旦、支払不能登録を行った後でないと支払等記録が不可となるため、電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、電子記録債権1の支払期日に支払不能報告データファイルを作成し(支払期日までに全額回収されているため第0号支払不能事由とする)、ネットワークI/F110が当該支払不能報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信し(S912)、続けて電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、電子記録債権1の支払等記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が当該支払等記録請求データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S913)。電子債権記録機関システム103は、支払等記録請求データファイルを受信すると、支払期日から3銀行営業日後に電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新する(S909)。この処理によって、電子記録債権1が記録上消滅する。
【0080】
S910において回収処理データファイルを受信しなかったと判定した場合は、与信金額の残額の継続借入処理がされたかを判定し(S913)、継続処理される場合(S914でYES)は
図7の<一部金額継続借入>処理が行われる(S915)。この場合、S702の回収処理データは既に受信済であるので割愛して処理を進める。残額の継続借入処理が行われない場合(S914でNO)は、電子記録債権1の支払不能報告処理を行う。電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、支払不能報告データファイルを作成し(支払期日までに全額回収されていないため第1号支払不能事由とする)、ネットワークI/F110が当該支払不能報告データファイルを電子債権記録機関システム103に送信する(S915)。続いて電子記録債権極度与信管理装置101の制御部120は、S901で受信した一部返済金額についての支払等記録請求データファイルを作成し、ネットワークI/F110が電子債権記録機関システム103に送信する(S917)。電子債権記録機関システム103は、支払等記録請求データファイルを受信すると、支払期日の3銀行営業日後に電子記録債権データベース150から該当の電子記録債権記録原簿レコードを更新する(S909)。
【0081】
以上のように、本発明に係る電子記録債権極度与信管理システムの説明を詳述したが、実施形態で説明した、極度与信管理データ記憶部141および電子記録債権データ記憶部142などの具体的なデータ構造は例示的なものにすぎず、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更がされてもよい。