特許第5936645号(P5936645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936645
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】風味及び芳香を高めた飲料
(51)【国際特許分類】
   A23F 5/24 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   A23F5/24
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-88255(P2014-88255)
(22)【出願日】2014年4月22日
(62)【分割の表示】特願2011-517433(P2011-517433)の分割
【原出願日】2009年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-132910(P2014-132910A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2014年5月20日
(31)【優先権主張番号】12/170,396
(32)【優先日】2008年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500027208
【氏名又は名称】スターバックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100165940
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 令子
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,ウラノ,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダ クルツ,マルシオ,ジェイ.
【審査官】 上條 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−076866(JP,A)
【文献】 特開昭55−026887(JP,A)
【文献】 特開平06−038681(JP,A)
【文献】 特表2006−520607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可溶性コーヒー製品の製造方法であって、前記方法は、
微粉砕コーヒー成分をコーヒー抽出成分に添加して混合物を生成するステップと、
前記混合物を乾燥するステップと、
前記乾燥した混合物に前記微粉砕コーヒー成分を添加するステップと、
を含み、
前記微粉砕コーヒー成分は抽出されたものではない
方法
【請求項2】
前記コーヒー抽出成分は、可溶性コーヒー製品の70%乃至90%を構成しており、
前記微粉砕コーヒー成分は、可溶性コーヒー製品の10%乃至30%を構成している
請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記コーヒー抽出成分は、可溶性コーヒー製品の約70%乃至約99.9%を構成しており、
前記微粉砕コーヒー成分は、可溶性コーヒー製品の0.1%乃至30%を構成している
請求項1に記載の方法
【請求項4】
前記微粉砕コーヒー成分は、約350ミクロン以下の平均粒径を有している
請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記微粉砕コーヒー成分は、約350ミクロン以下の粒径中央値を有している
請求項1に記載の方法
【請求項6】
コーヒー芳香及びコーヒー芳香からなる群から選択された添加物をさらに有し
前記添加物は、乾燥している、
請求項1に記載の方法
【請求項7】
コーヒー成分、栄養補給剤、風味成分及びハーブ成分からなる群から選択された少なくとも一つをさらに有している
請求項1に記載の方法
【請求項8】
コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒー芳香、蒸留物、風味粉末、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキスからなる群から選択された少なくとも一つの添加物をさらに有し
前記添加物は、乾燥している、
請求項1に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風味(flavor)及び芳香(aroma)のような品質(qualities)を高めた飲料及び飲料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの飲料は、より簡単な形態(more convenient form)で再現(duplicate)することが困難な特有の味覚(taste)及び芳香を有している。このような飲料の一例は、コーヒーである。レギュラーコーヒー(regular coffee)では、予めコーヒーポットの中で水を沸騰させておく。そして、粉砕した焙煎コーヒー豆を、沸騰した水(一般的な量は、沸騰した水100mlあたり粉砕した焙煎コーヒー豆10gである。)に直接接触させて沸騰した水で煮沸して抽出(extraction)を行うか、またはパーコレータ(percolator)等を使用して同様に抽出する。得られたエキス(extract)には、カフェイン(caffeine)、タンニン酸(tannic acid)、単糖類(saccharides)、油脂(fats)、プロテイン(proteins)及び種々の芳香成分が含まれている。また得られたエキスは、コーヒーに特有の香り(fragrance)並びに苦味(bitter taste)、渋味(astringent taste)及び酸味(acid taste)を含む特有の複雑な風味を有している。
【0003】
焙煎コーヒー豆を粉砕して、空気中に置く(stand)ことを許容した場合には、粉砕した焙煎コーヒー豆は、直ちに酸化して香り及び風味は低下する。ぬるま湯を抽出に使用した場合には、焙煎コーヒー豆の抽出の接触時間が通常は長くなる。さらに、煮沸時間が長すぎたり、エキスを長時間空気中に置くことを許容した場合には、香り及び風味は低下する。従って、レギュラーコーヒーの場合であっても、コーヒーの製造方法は難しいものであり、風味及び香りに富んだコーヒーを得ることは非常に難しい。
【0004】
コーヒーエキスの濃縮物及びコーヒーエキスの粉末は、従来工業的規模で製造されている。熱水または冷水に溶解させることにより即座に飲むことができるインスタントコーヒー飲料(instant coffee bevarages)が、製造されて販売されている。通常、これらのインスタントコーヒー飲料は、粉砕した焙煎コーヒー豆を抽出タンクに入れて、熱水または沸騰水でこの豆からエキスを抽出し、得られたエキスをスプレードライ(spray drying)、真空乾燥(vacuum drying)またはフリーズドライ(freeze drying)のような乾燥処理する工程により製造される。このような従来の工程に従って製造されるインスタントコーヒー飲料は、抽出温度及び抽出時間のような抽出条件、濃縮条件及び乾燥条件に応じてある程度量は異なるもの、通常は飲むことができない成分を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コーヒーに関連する多くの芳香及び風味は、非常に繊細かつ複雑である。従来の可溶性コーヒー(soluble coffee)では、繊細なコーヒーの風味及び芳香は、処理及び製造中にしばしば低下し、あるいは失われる。コーヒーの芳香は、非常に不安定であることが知られている。コーヒーの芳香が低下すると、不快(unpleasant)かつコーヒーではないような望ましくない印象を与える。このような劣化は、製品の知覚品質を相当に下げる。このような理由により、望ましい芳香成分が高まり、または、望ましくない成分が減らされ若しくは除去されるように、コーヒー芳香のような風味成分の製造及び保存(storage)には特別の注意を払う必要がある。
【0006】
さらにエキスは、製造の際に比較的長期間高温に曝されるので、風味及び香りは、調理、蒸発及び芳香成分の酸化分解により減少し、コーヒー特有の繊細な芳香は、失われる。従来の製品は、通常過度に焦げた味を有するようになる。つまり、得られる飲料は、風味及び香りの両方でレギュラーコーヒーとはほど遠いものとなる。本発明の可溶性コーヒーは、これらの従来の問題を解決するとともに、追加の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
可溶性コーヒー製品に関する本発明のいくつかの実施の形態は、ドライコーヒー抽出成分(dry coffee extract component)と、微粉砕コーヒー成分(pulverized coffee component)とを有し、微粉砕コーヒー成分は抽出されたものではなく、コーヒーエキス(the dry coffee extract)を乾燥してなるドライコーヒー抽出成分に、微粉砕コーヒー成分が添加される。
【0008】
いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒー成分は、乾燥する前のコーヒーエキス及びコーヒーエキスを乾燥してなるドライコーヒー抽出成分の両方に添加される。
【0009】
いくつかの実施の形態では、ドライコーヒー抽出成分は、可溶性コーヒー製品(soluble coffee product)の約70%乃至約90%を構成しており、粉砕コーヒー成分は、可溶性コーヒー製品の約10%乃至約30%を構成している。
【0010】
いくつかの実施の形態では、ドライコーヒー抽出成分は、可溶性コーヒー製品の約70%乃至約99.9%を構成しており、粉砕コーヒー成分は、可溶性コーヒー製品の約0.1%乃至約30%を構成している。
【0011】
いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒー成分は、約350ミクロン以下の平均粒径を有している。いくつかの実施の形態では、約350ミクロン以下の粒径中央値を有している。
【0012】
いくつかの実施の形態では、コーヒーオイル(coffee oil)、非コーヒーオイル(non-coffee oil)、非コーヒー芳香(non-coffee aromas)及びコーヒー芳香(coffee aromas)からなる群から選択された添加物(additive)をさらに有している。
【0013】
いくつかの実施の形態では、コーヒーエキス(coffee extract)、濃縮コーヒー(concentrated coffee)、ドライコーヒー(dried coffee)、コーヒーオイル(coffee oils)、コーヒー芳香(coffee aromas)(蒸留物[distillates])、風味粉末(flavor powders)、風味オイル(flavor oils)、スパイス(spices)、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆(ground or pulverized cocoa beans)、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆(ground or pulverized vanilla beans)、ビタミン(vitamins)、酸化防止剤(antioxidant)、栄養補助食品(nutraceuticals)、食物繊維(dietary fiber)、オメガ3オイル(omega-3 oils)、オメガ6オイル(omega-6 oils)、オメガ9オイル(omega-9 oils)、フラボノイド(flavinoid)、リコピン(lycopene)、セレン(selenium)、βカロチン(beta-carotene)、リスベラトロール(resveratrol)、野菜エキス(vegetable extract)、未焙煎コーヒーの乾燥エキス(a dry green coffee extract)、未焙煎コーヒーのウェットエキス(a wet green coffee extract)及びハーブエキス(herbal extracts)からなる群から選択される少なくとも一つをさらに有している。
【0014】
コーヒー豆を微粉砕して第1の微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー豆を粉砕または微粉砕して、第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを抽出して、抽出コーヒープロダクトを作る工程と、第1の微粉砕コーヒープロダクトを抽出コーヒープロダクトと混合して第1のコーヒーブレンドを作る工程と、第1のコーヒーブレンドを乾燥して、第1のドライコーヒーブレンドを作る工程と、第1の微粉砕コーヒープロダクトを第1のドライコーヒーブレンドと混合して可溶性コーヒー製品を作る工程とを有する。
【0015】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕される前に予め冷凍されている。
【0016】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕される前に予め冷凍されておらず、粉砕及び微粉砕機械を冷却する工程をさらに有する。
【0017】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕される前に予め冷凍されており、粉砕及び微粉砕機械を冷却する工程をさらに有する。
【0018】
いくつかの実施の形態では、コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、コーヒー芳香(蒸留物)、風味粉末、風味オイル、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、オメガ3オイル、オメガ6オイル、オメガ9オイル、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキスからなる群から選択された少なくとも一つを、第1のコーヒーブレンドに添加する工程をさらに有している。
【0019】
いくつかの実施の形態では、粉砕または微粉砕する工程は、約20℃乃至約50℃の温度で行われる。
【0020】
いくつかの実施の形態では、粉砕及び微粉砕機械を約−5℃以下に冷却する工程をさらに有する。
【0021】
コーヒー豆を粉砕または微粉砕して第1の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー豆を粉砕または微粉砕して第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー豆を微粉砕して第3の微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、第1の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを抽出して、第1の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを、コーヒー風味成分と、コーヒー芳香成分とに分離する工程と、第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを抽出して、第1の抽出コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー芳香成分を抽出コーヒープロダクトと混合して第1のコーヒーブレンドを作る工程と、第1のコーヒーブレンドを第3の微粉砕コーヒープロダクトと混合して第2のコーヒーブレンドを作る工程と、第2のコーヒーブレンドを乾燥して第1のドライコーヒーブレンドを作る工程と、第3の微粉砕コーヒープロダクトを第1のドライコーヒーブレンドと混合して可溶性コーヒーを作る工程とを有する。
【0022】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕される前に予め冷凍されている。
【0023】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕の前に予め冷凍されておらず、粉砕及び微粉砕機械を冷却する工程をさらに有する。
【0024】
いくつかの実施の形態では、コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、コーヒー芳香(蒸留物)、風味粉末、風味オイル、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、オメガ3オイル、オメガ6オイル、オメガ9オイル、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキスからなる群から選択された少なくとも一つを、第1のコーヒーブレンドに添加する工程をさらに有している。
【0025】
いくつかの実施の形態では、微粉砕及び粉砕する工程は、約20℃乃至約50℃の温度で行われる。
【0026】
いくつかの実施の形態では、微粉砕及び粉砕する工程は、約1℃よりも低い温度で行われる。
【0027】
いくつかの実施の形態では、各工程における装置及びコーヒープロダクトの温度は、約−5℃以下である。
【0028】
可溶性コーヒー製品に関する本発明のいくつかの実施の形態は、コーヒー豆を微粉砕して第1の微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー豆を粉砕または微粉砕して第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを作ると、第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを抽出して抽出コーヒープロダクトを作る工程と、第1の微粉砕コーヒープロダクトに抽出コーヒープロダクトを混合して第1のコーヒーブレンドを作る工程と、第1のコーヒーブレンドを乾燥して第1のドライコーヒーブレンドを作る工程と、第1の微粉砕コーヒープロダクトに第1のドライコーヒーブレンドを混合して可溶性コーヒー製品を作る工程とを含む方法により製造される。
【0029】
いくつかの実施の形態では、ドライコーヒー抽出成分は、可溶性コーヒー製品の約70%乃至約90%を構成しており、粉砕コーヒー成分は、可溶性コーヒー製品の約10%乃至約30%を構成している。
【0030】
いくつかの実施の形態では、ドライコーヒー抽出成分は、可溶性コーヒー製品の約70%乃至約99.9%を構成しており、粉砕コーヒー成分は、可溶性コーヒー製品の約0.1%乃至約30%を構成している。
【0031】
いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒー成分は、約350ミクロン以下の平均粒径を有している。いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒー成分は、約350ミクロン以下の粒径中央値を有している。
【0032】
いくつかの実施の形態では、コーヒーオイル、非コーヒーオイル、非コーヒー芳香及びコーヒー芳香からなる群から選択された添加物をさらに有している。
【0033】
いくつかの実施の形態では、コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、コーヒー芳香(蒸留物)、風味粉末、風味オイル、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、オメガ3オイル、オメガ6オイル、オメガ9オイル、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキスからなる群から選択された少なくとも一つの添加物をさらに有している。
【0034】
可溶性コーヒー製品の製造方法に関する本発明のいくつかの実施の形態は、コーヒー豆を粉砕または微粉砕して第1の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー豆を粉砕または微粉砕して第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー豆を微粉砕して第3の微粉砕コーヒープロダクトを作る工程と、第1の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを抽出して、第1の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを少なくとも第1の抽出成分と、第2の抽出成分とに分離する工程と、第2の粉砕または微粉砕コーヒープロダクトを抽出して、第1の抽出コーヒープロダクトを作る工程と、コーヒー芳香成分に抽出コーヒープロダクトを混合して第1のコーヒーブレンドを作る工程と、第1のコーヒーブレンドに第3の微粉砕コーヒープロダクトを混合して第2のコーヒーブレンドを作る工程と、第2のコーヒーブレンドを乾燥して第1のドライコーヒーブレンドを作る工程と、第3の微粉砕コーヒープロダクトに第1のドライコーヒーブレンドを混合して可溶性コーヒーを作る工程とを有する。
【0035】
いくつかの実施の形態では、第1の抽出成分は風味成分であり、第2の抽出成分は芳香成分である。
【0036】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕される前に予め冷凍されている。
【0037】
いくつかの実施の形態では、コーヒー豆は、微粉砕される前に予め冷凍されておらず、粉砕及び微粉砕機械を冷却する工程をさらに有する。
【0038】
いくつかの実施の形態では、コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、コーヒー芳香(蒸留物)、風味粉末、風味オイル、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、オメガ3オイル、オメガ6オイル、オメガ9オイル、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキスからなる群から選択された少なくとも一つを、第1のコーヒーブレンドに添加する工程をさらに有している。
【0039】
いくつかの実施の形態では、微粉砕及び粉砕する工程は、約20℃乃至約50℃の温度で行われる。
【0040】
いくつかの実施の形態では、微粉砕及び粉砕する工程は、約1℃よりも低い温度で行われる。
【0041】
いくつかの実施の形態では、各工程における装置及びコーヒープロダクトの温度は、約−5℃以下である。
【0042】
いくつかの実施の形態は、第1の抽出成分または第2の抽出成分に第1のドライコーヒーブレンドを添加する工程をさらに有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】風味及び芳香を高めたコーヒー飲料の製造方法の一実施の形態の概略を示す工程のフロー図である。
図2】風味及び芳香を高めたコーヒー飲料の製造方法の他の実施の形態の概略を示す工程のフロー図である。
図3】生の原料を冷凍環境下で微粉砕する方法の一実施の形態の概略を示す工程のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の説明は、当業者が本発明の一以上の実施の形態を実施し、かつ使用できるようにするものである。本明細書に記載する本質的な特徴は、ここに開示した内容の精神及び範囲から逸脱することなく、以下に記載する以外の実施の形態及び用途にも適用することができる。従って本発明は、以下に示す特定の実施態様に限定することを意図しておらず、本明細書に開示または示唆される本質および特徴に合致する最も広い範囲を包含するものである。
【0045】
例えばインスタント型の製品を製造するのに必要な処理がなされたコーヒー及び他の製品には、風味及び芳香の変化がおきる。これらの変化は、製品中の成分の初期の結合構造の変化によるものである。コーヒーでは、いかなる種類の処理でも、非処理のコーヒー豆中に見られる成分の結合構造を変化させることができる。いくつかの実施の形態は、加工されていない食品製品に関連する風味及び芳香を、加工されたまたはインスタント型の製品に追加または復元する方法に関する。いくつかの実施の形態においては、製品はコーヒーである。いくつかの実施の形態は、例えば可溶性コーヒー、紅茶、チョコレート等の新鮮味、風味及び芳香を追加または復元する手段としての、例えば焙煎したコーヒー豆、新鮮な茶の葉、カカオ豆または他の食品成分の微粉砕を含む方法に関する。いくつかの実施の形態はまた、食品製品に独特かつ特有の風味及び芳香を導入することを許容する。いくつかの実施の形態は、食品製品に、栄養補助食品を導入することを許容する。
【0046】
本明細書に開示のいくつかの実施の形態は、味覚及び芳香を改善した可溶性コーヒー及び可溶性コーヒーの製造方法を対象とする。図1を参照すると、図示した実施形態によれば、2つの流れで(two streams)粉砕してない焙煎コーヒー豆(roasted whole coffee beans)が製造されて処理される。第1の流れにおいては、粉砕してない焙煎コーヒー豆(roasted whole been coffee beans)を微粉砕して微粉砕コーヒー(pulverized coffee)を作る。いくつかの実施の形態においては、微粉砕コーヒーは、直径で約350ミクロンよりも小さい平均粒径を有している。いくつかの実施の形態においては、微粉砕コーヒーは、約350ミクロン以下の粒径中央値を有している。第2の流れにおいては、粉砕してない焙煎コーヒー豆は、粉砕または微粉砕され、かつ抽出されてウエットコーヒーエキス(wet coffee extract)を作る。第1の流れの微粉砕コーヒーの一部には、第2の流れのウェットコーヒーエキスが添加されて、ブレンドAを作る。
【0047】
図1に示す実施の形態では、粉砕してない焙煎豆を微粉砕した第1の流れのコーヒー豆と、粉砕していない豆を微粉砕または粉砕して抽出した第2の流れのコーヒーとの、処理のウエット・ステージにおける組み合わせが、より本格的なコーヒー風味及びコーヒー芳香を含む固有の芳香特性を可溶性コーヒーに複雑に付加する。次にブレンドAは、ドライ工程(例えばフリーズドライ、温風乾燥[hot air dried]、または他のドライ工程)において乾燥される。ドライブレンド(dried blend)Aは、次に少なくとも一つの追加成分と混合されてブレンドBを作る。本実施の形態では、ブレンドBは、可溶性コーヒーのバルク製品(bulk soluble coffee product)である。このような追加成分は、例えば、第1の流れの微粉砕コーヒー、コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、コーヒー芳香、蒸留物、風味粉末、風味オイル、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、オメガ3オイル、オメガ6オイル、オメガ9オイル、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキス等を含むことができる。いくつかの実施の形態では、ドライブレンドAは、第1の流れの微粉砕コーヒーと混合されてブレンドBを作る。
【0048】
いくつかの実施の形態では、ドライコーヒーエキスへの微粉砕コーヒーの添加は、芳香、風味を複雑に添加するとともに、最終的なバルク製品を具体化(body)する。微粉砕コーヒーは、1以上の異なる方法、例えば、遠心分離装置(centrifugal equipment)、ライトニングミキサー(lightning mixer)、リボンブレンダー(ribbon blender)、PKブレンダー(PK blender)、音波法(sonic methods)等により添加することができる。いくつかの実施の形態では、非コーヒーオイル、非コーヒー芳香、コーヒー芳香等を含む他の化合物を処理の際に添加することができる。いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒーは、炭水化物(carbohydrates)、大豆製品(soy products), 乳製品(dairy products)または他の物質(agent)とカプセル化することができる。カプセル化する一つの利点は、環境的要因から劣化を防ぐことである。
【0049】
コーヒー芳香は、コーヒー特有の香りを生じるコーヒーの揮発性成分(volatile components)である。いくつかの実施の形態では、 コーヒー芳香は、高度に香り付けされた(aromatized)コーヒー濃縮物の形態で最終飲料製品(final beverage product)に供給される。香り付けされたコーヒー濃縮物は、コーヒー芳香をコーヒー濃縮物に添加することにより作られる。コーヒー濃縮物の製造方法は、当業者に公知である。
【0050】
いくつかの実施の形態では、コーヒー芳香は、可溶性コーヒー粉末(soluble coffee powder)を製造する際に採取される天然コーヒー芳香成分(natural coffee aroma component)の形をとっている。いくつかの実施の形態では、天然コーヒー芳香は、高揮発性の芳香成分を含む。高揮発性の芳香成分は、約0℃より低い温度で濃縮したものである。 高濃縮の芳香成分を回収するために、揮発性芳香成分は、窒素のような不活性担体ガスを用いて処理する際に、コーヒーから排出(flush)される。芳香を含んだキャリアガスは次に、約−40℃よりも低い温度で、時には約−195℃よりも低い温度で冷却されて、芳香成分が濃縮される。濃縮された芳香成分は、収集される。コーヒー芳香を収集する適宜の手段は、当業者に公知である。
【0051】
図2を参照すると、実施形態によれば、粉砕してない焙煎コーヒー豆を3つの流れで処理して、風味成分及び芳香成分を高めたコーヒー製品が製造される。第1の流れでは、粉砕してない焙煎コーヒー豆を微粉砕または粉砕して、微粉砕コーヒーまたは粉砕コーヒーを作る。いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒーまたは粉砕コーヒーは、直径で約350ミクロンよりも小さい平均粒径を有している。いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒーまたは粉砕コーヒーは、直径で約350ミクロン以下の粒径中央値を有している。次に微粉砕コーヒーまたは粉砕コーヒーから抽出して、芳香化合物を風味化合物から分離する。第2の流れでは、粉砕してない焙煎コーヒー豆を、微粉砕または粉砕し、かつ抽出して、ウェットコーヒーエキスを作る。第1の流れの分離された芳香化合物の一部に、第2の流れのウェットコーヒーエキスを添加して、ブレンドAを作る。第3の流れでは、粉砕してない焙煎コーヒー豆を微粉砕して、得られた微粉砕コーヒーの一部に、ウエットブレンド(wet blend)Aを添加して、ブレンドBを作る。
【0052】
次にブレンドBは、ドライ工程(例えばフリーズドライまたは他のドライ工程)で乾燥される。ドライブレンド(dried blend)Bは次に、第3の流れの微粉砕コーヒーと、コーヒーエキス、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、コーヒー芳香、蒸留物、風味粉末、風味オイル、スパイス、粉砕ココア豆または微粉砕ココア豆、粉砕バニラ豆または微粉砕バニラ豆、ビタミン、酸化防止剤、栄養補助食品、食物繊維、オメガ3オイル、オメガ6オイル、オメガ9オイル、フラボノイド、リコピン、セレン、βカロチン、リスベラトロール、野菜エキス、未焙煎コーヒーのドライエキス、未焙煎コーヒーのウェットエキス及びハーブエキスの少なくとも一つとが混合されて、ブレンドCが作られる。本実施の形態においては、ブレンドCは、可溶性コーヒーのバルク製品である。ある実施の形態においては、ドライブレンドBを、第3の流れの微粉砕コーヒーと混合して、ブレンドCを作る。いくつかの実施の形態においては、微粉砕または粉砕したコーヒーを抽出した第1の流れの風味化合物は、ブレンドAと混合される。いくつかの実施の形態においては、微粉砕または粉砕したコーヒーを抽出した第1の流れの風味化合物は、ブレンドBと混合される。いくつかの実施の形態においては、微粉砕または粉砕したコーヒーを抽出した第1の流れの風味化合物が、ブレンドCと混合される。
【0053】
いくつかの実施の形態では、粉砕していない焙煎豆を微粉砕または粉砕した第1の流れのコーヒー芳香分離成分と、粉砕していない豆を微粉砕または粉砕して抽出した第2の流れのコーヒーとの、処理のウェットステージでの組み合わせが、より本格的なコーヒー芳香を含む固有の芳香特性を可溶性コーヒーに付加する。
【0054】
図3には、特定の実施の形態の一部の製品を製造するための処理を説明するための図が示されている。この例では、焙煎コーヒー豆は、約−5℃よりも低い温度で冷凍されており、冷却された搬送ライン(conveying line)から供給される。そしてプロダクトは、液体窒素の存在下で微粉砕されて、スカルピングスクリーン(scalping screen)を介して、小さい粒の微粉砕プロダクトのみの通路に確実に送られる。いくつかの実施の形態では、液体窒素は、製品に直接添加される。いくつかの実施の形態では、液体窒素は、粉砕または微粉砕機械を冷却するのに使用される。いくつかの実施の形態では、液体窒素は、製品に直接添加され、かつ、粉砕または微粉砕機械を冷却するのに使用される。図に示した実施の形態では、粉砕プロダクト(ground product)は次に、パッケージの中から放出(discharge)されて、真空密封(vacuum sealed)されて、窒素フラッシング(flushed with nitrogen)されて、極低温貯蔵庫(deep freeze storage)に保存される。しかしながら、いくつかの実施の形態においては、本明細書で述べるように、粉砕プロダクトは、他の処理工程の中に代わりに導入される。いくつかの実施の形態では、包装された及び保存された製品は、同様に他の処理において後に使用される。
【0055】
いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒーまたは粉砕コーヒーは、粉砕機械の冷却に合わせて製造される。また、いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒープロダクトまたは粉砕コーヒープロダクトは、粉砕機械を出たときに冷却することができる。いくつかの実施の形態では、粉砕機械は冷凍機能を備えており、粉砕機械を出たときに微粉砕コーヒープロダクトまたは粉砕コーヒープロダクトは冷却される。
【0056】
いくつかの実施の形態によれば、コーヒーを上述するように処理して、心地よい風味及び芳香を維持することができる。いくつかの実施の形態においては、粉砕してない焙煎コーヒー豆は、例えば約15℃よりも低い低温かつ、例えば約30%よりも低い相対湿度の下で処理される。いくつかの実施の形態においては、粉砕装置(milling equipment)の内部温度は、約15℃よりも低い温度を確保するように制御されている。粉砕してない焙煎コーヒー豆は、予め冷凍されており、コーヒー豆と接触する表面は、風味の消滅および減少を避けるために、例えば液体窒素のような冷却媒体で冷却を維持することができる。
【0057】
コーヒー酸素暴露(cofffee exposure to oxygen)は、例えば窒素パージ(nitrogen purging)、真空パッケージ等の従来の方法を使用して最小化することができる。また、液体窒素は、酸素の劣化の影響(degradative effects of oxygen)を最小限にする処理の際に、脱酸素剤(oxygen scavenger)として使用することができる。このような状態の下で微粉砕されたコーヒーは、本来の(original)風味及び芳香を多く維持している。このような微粉砕コーヒーは、粉砕コーヒー(ground coffee)、エキス(extracts)、濃縮コーヒー、ドライコーヒー、コーヒーオイル、芳香(蒸留物)、炭水化物、大豆製品、 乳製品または他の物質を含む種々の形態のコーヒーとブレンドまたはカプセル化することができ、その後ドライ可溶性コーヒーに添加される。
【0058】
いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒー及び他のプロダクトは、粉砕の前に(−5℃よりも低い温度に)低温冷凍(deep frozen)されている。この処理は、微粉砕プロダクトの酸化及び劣化を最小限にしながら、プロダクトを良好に微粉砕することを可能にして、均質な粒(particle)を作る。粉砕機(grinder)を提供するラインには、低温及び効率を維持するために例えば、冷媒(refrigerants)または液化窒素供給システムを備えることができる。冷却及び酸素除去要素(cooling and removal of oxidizing elements)を提供可能な冷却及び除去ガス(cooling and scavenging gas)が理想的である。濃縮を最小限にするために、設備を隔離して、運搬設備、微粉砕設備及び粉砕された製品の収集/保管設備内における表面凝縮及び内部凝縮を回避することができる。
【0059】
本実施の形態では、例えば、ケージミル(cage mill)、ハンマーミル(hammer mill)等の適宜の粉砕設備を使用してコーヒーのようなプロダクトを微粉砕することができる。いくつかの実施の形態では、設備は、冷却媒体によって、非常に低温(20℃乃至−50℃)に保たれている。このことは、微粉砕された材料の品質を維持するのに役立つ。液体窒素または他の冷媒は、設備を冷却することに使用することができる。微粉砕することは、熱を発生する。この熱は、曝された酸素と組み合わされて、しばしば微粉砕プロダクトを劣化させる。粉砕キャビティ(grinding cavity)に液体窒素を供給することは、酸素の移動及び酸素の除去と同様に粉砕機を低温に保つ方法の一例である。
【0060】
いくつかの実施の形態では、微粉砕プロダクトは、約0℃乃至約20℃で冷却されたコンテナ内に入れられる。いくつかの実施の形態では、微粉砕された製品は、冷蔵機能を備えたコンテナ内に約20℃よりも低い温度で入れられる。いくつかの実施の形態は、製品保存用に内部に液体または気体の窒素を有するコンテナを冷却する液体窒素の使用を伴う。動作中には、排出キャビティ(discharging cavity)は、気体窒素で連続的に洗い流されて(flush)、酸化を最小限にする。いくつかの実施の形態では、動作は、制御された環境下で行われて、得られた製品を吸湿から保護する。
【0061】
いくつかの実施の形態では品質を確保するために、最終的な製品は、酸素フリーの環境に移されて、真空パックされ、シールされて、かつ、使用または販売されるまで極低温状態(約−20℃以下)下で保存される。
【0062】
いくつかの実施の形態は、微粉砕成分を、液体の(ウェットブレンディング[wet blending])及び乾燥した(ドライブレンディング[dry blending])コーヒー材料及び/または関連プロダクトと、混合することに関する。ドライまたはウェットブレンディングの操作(operation)とは、 所望の比でコーヒーまたは適切なプロダクトの流れの中に、微粉砕プロダクトを、組み込み(incorporating)、添加し(adding)、注入し(infusing)、混合し(mixing)、カプセル化し(encapsulating)、スプレーし(spraying)、または流動化(fluidizing)する等して意図する芳香、風味及び外観を作る(deliver)ことである。適切な処理設備(リボンブレンダー、PKブレンダー、流動化ベッド[fluidizing bed]、コーター[coaters]またはその他及び混合設備)は、均一性を確保するのに使用することができる。いくつかの実施の形態では、ウェットブレンディングは、例えば約15℃よりも低い温度の制御された温度下で行われる。プロセスのローテーション(rotation)、サイクルタイム(cycle time)及び制御は一致しないものとすることができるが、いくつかの実施の形態では、これらの変数は一様に分布(uniform distribution)するように制御されて、泡立ち及び粒子分離(particle segragation)を防止する。
【0063】
いくつかの実施の形態では、ドライブレンドは、密閉された混合器内で、かつ、制御された環境下で行われて、酸化及び湿気への暴露を最小限にする。ブレンドの際には、プロダクトは、例えばきつくしっかりとパックするように、適切なパッケージに速やかに保存して、窒素フラッシングされたレンガ状のパッケージを形成し、かつ、約10℃よりも低い温度のように、制御された条件下に保たれる。
【0064】
いくつかの実施の形態では、 微粉砕プロダクトの物理化学的(physicochemical)及び官能的(sensory)特性もまた、カプセル化(噴霧乾燥、コーティング、押出[extrusion]、コアセルべーション及び分子包接)の手段によって保護することができる。いくつかの実施の形態は、マイクロカプセル化を利用する。カプセル化では、被覆層が、エマルジョンの例えば、分子的(molecular)、界面的(interfacial)、コロイド的(colloidal)及びバルク物理化学的(bulk physicochemical)性質によって実現されている。この包装は、例えば酸素及び水などの外部環境に対するコアの反応性を下げることができる。このことは、従来のパッケージングアプリケーション(packaging application)中の製品の保存可能期間を延長することを可能にする。いくつかの実施の形態では、カプセル化は、内部材料またはコアの放出の制御に使用することができる。包装された微粉砕プロダクトは、水に直接接触するまで、不活性の状態とすることができる。そして 水は、包装を溶解することができ、微粉砕プロダクトは、水と反応することが可能となり、芳香及び風味が放出される。
【0065】
いくつかの実施の形態では、微粉砕コーヒーのカプセル化は、製品の機能性、粒径の最適化及び/または新しい製品形態の創造に使用することができる。カプセル化は、コーヒーエキス、コーヒー濃縮物、微粉砕ドライコーヒー、コーヒーオイルまたは他のオイル、芳香、機能性材料等を含む製品で行うことができる。さらに、微粉砕プロダクトは、環境要素から保護するために、炭水化物、大豆製品、 乳製品または他の物質によりカプセル化することができる。
【0066】
条件付きの言葉、例えば、数ある中でも、“〜してもよい”“〜ことができる”等の言葉は、特段の記載がない限り、または、使用されている文脈で他のように解釈できない限り、ある実施の形態を含み、他の実施の形態を含まない、ある特徴、構成要件及び/またはステップを一般的に意味することを意図している。したがって、そのような条件付きの言葉は、その特徴、構成要件及び/またはステップを一般的に意味することを意図していない。その特徴、構成要件及び/またはステップは、1以上の実施の形態に要求されている、または、決定するための論理を含む1以上の実施の形態が必然的に含み、ユーザによる入力または促し(prompting)を伴って、または、伴わないで、これらの特徴、構成要件及び/またはステップが特定の実施の形態に含まれ、または、実行される。
【0067】
上記実施の形態には、多くの変形及び改良を行うことができることを強調する必要があり、上記実施の形態の構成要件は、何よりも受け入れ可能な例であると理解すべきである。ここで開示されている範囲は、そのような全ての変形及び改良を含むことを意図しており、以下の特許請求の範囲によって保護される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、風味及び芳香を高めた飲料及びその製造方法を提供できる。
図1
図2
図3