特許第5936646号(P5936646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5936646改良された金属接触を有する太陽電池バイパスダイオード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936646
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】改良された金属接触を有する太陽電池バイパスダイオード
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/329 20060101AFI20160609BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20160609BHJP
   H01L 31/044 20140101ALI20160609BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   H01L29/91 A
   H01L31/04 520
   H01L21/28 301R
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-91000(P2014-91000)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-220497(P2014-220497A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】13/874,981
(32)【優先日】2013年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シアオボー
【審査官】 早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−535222(JP,A)
【文献】 特開昭60−182133(JP,A)
【文献】 特開昭61−168266(JP,A)
【文献】 特表2003−505862(JP,A)
【文献】 特開昭58−213469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/329
H01L 29/861−29/885
H01L 21/28−21/288
H01L 21/44−21/445
H01L 29/40−29/51
H01L 31/044−31/0443
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池におけるバイパスダイオードとして使用するためのダイオードを製造するための方法であって、
シリコンウエハーの第1の側面の上に第1のドーピング層を形成することと、
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの第2の側面の上に第1の誘電体層を堆積させることと、
前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上の前記第1の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することと、
前記開口部を覆うように拡散及びイオン注入のうちの1つを実行して接合を生み出すことと、
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記第1の誘電体層を除去することと、
前記接合の上に第1の金属接触を堆積させること、及び前記第1のドーピング層の上に第2の金属接触を堆積させることと、
前記第1の金属接触の上、前記シリコンウエハーの前記第2の側面における外部に晒されている部分の上、及び前記第2の金属接触の上に、第2の誘電体層を堆積させて、前記第2の誘電体層を前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触に覆わせることと、
前記第2の誘電体層で覆われた前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触を焼結すること、
前記第2の誘電体層で覆われた前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触を焼結した後で、前記第1の金属接触の上の前記第2の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することと、
前記第2の金属接触の上の前記第2の誘電体層を除去することと
を含む方法。
【請求項2】
前記シリコンウエハーの前記第1の側面の上に前記第1のドーピング層を形成した後に、前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上に最初の誘電体層を堆積させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記最初の誘電体層を除去することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金、並びにアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金、並びにアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記接合の上に前記第1の金属接触を堆積させること、及び前記第1のドーピング層の上に前記第2の金属接触を堆積させることは、電子ビーム蒸着を使用することによって実行される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイパスダイオードに関する。具体的には、本開示は、改良された金属接触を有する太陽電池バイパスダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
チタンは、典型的には、ケイ化チタンを形成することによって、シリコンダイオードの抵抗接点に対して使用される。しかしながら、周囲の環境の中にある酸素は、金属接触の焼結処理工程の間にチタンを酸化し、当該工程は、典型的には、摂氏300度以上かつ摂氏600度以下の範囲内に含まれる温度の中で行われる。酸化されたチタンの層は、シリコンに対する金属接触の接着を弱め、そのようにして、ダイオードの信頼性を危うくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、改良された金属接触を有する太陽電池バイパスダイオードが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、改良された金属接触を有する太陽電池バイパスダイオードのための方法、システム、及び装置に関する。太陽電池バイパスダイオードを製造するための開示される方法は、シリコンウエハーの第1の側面の上における拡散又はイオン注入によって、第1のドーピング層を形成することを含む。方法はさらに、化学蒸着(CVD)によって、第1のドーピング層及びシリコンウエハーの第2の側面の上に、第1の誘電体層(例えば、二酸化ケイ素の層)を堆積させることを含む。また、方法は、シリコンウエハーの第2の側面の上の第1の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することを含む。それに加えて、方法は、接合を生み出すために、開口部を覆うように拡散又はイオン注入を実行することを含む。付加的に、方法は、第1のドーピング層及びシリコンウエハーの第2の側面から第1の誘電体層を除去することを含む。また、方法は、接合の上に第1の金属接触を堆積させること、及び第1のドーピング層の上に第2の金属接触を堆積させることを含む。それに加えて、方法は、CVDによって、第1の金属接触の上、シリコンウエハーの第2の側面における外部に晒されている部分の上、及び第2の金属接触の上に、第2の誘電体層(例えば、二酸化ケイ素の層)を堆積させることを含む。さらに、方法は、第1の金属接触の上の第2の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することを含む。
【0005】
1以上の実施形態において、方法はさらに、シリコンウエハーの第1の側面の上に第1のドーピング層を形成した後に、CVDによって、第1のドーピング層の上、及びシリコンウエハーの第2の側面の上に、最初の誘電体層(例えば、二酸化ケイ素の層)を堆積させることを含む。少なくとも1つの実施形態において、方法はさらに、熱アニールを実行することを含む。いくつかの実施形態において、方法はさらに、第1のドーピング層及びシリコンウエハーの第2の側面から最初の誘電体層を除去することを含む。
【0006】
少なくとも1つの実施形態において、第1のドーピング層及びシリコンウエハーの第2の側面からの最初の誘電体層の除去は、フッ化水素酸を使用して実行される。いくつかの実施形態において、方法は、第1の金属接触の上の第2の誘電体層の中に開口部をエッチング加工する前に、第1の金属接触及び第2の金属接触を焼結させることをさらに含む。
【0007】
1以上の実施形態において、第1のドーピング層は、p型の物質である。少なくとも1以上の実施形態において、第1のドーピング層のp型の物質は、ホウ素(B)である。
【0008】
いくつかの実施形態において、第1の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金であり、又はアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金である。1以上の実施形態において、第2の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金であり、又はアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金である。
【0009】
少なくとも1つの実施形態において、第1の誘電体層は、二酸化ケイ素(SiO)である。1以上の実施形態において、第2の誘電体層は、二酸化ケイ素(SiO)である。いくつかの実施形態において、最初の誘電体層は、二酸化ケイ素(SiO)である。
【0010】
少なくとも1つの実施形態において、第1のドーピング層は、n型の物質である。いくつかの実施形態において、第1のドーピング層のn型の物質は、リン(P)である。
【0011】
1以上の実施形態において、シリコンウエハーの第2の側面の上の第1の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することは、フォトリソグラフィー及びフッ化水素酸のうちの少なくとも1つを使用することによって実行される。少なくとも1つの実施形態において、第1のドーピング層及びシリコンウエハーの第2の側面からの第1の誘電体層の除去は、フッ化水素酸を使用して実行される。いくつかの実施形態において、接合の上の第1の金属接触の堆積、及び第1のドーピング層の上の第2の金属接触の堆積は、電子ビーム(e−beam)蒸着を使用することによって実行される。
【0012】
少なくとも1つの実施形態において、太陽電池バイパスダイオードを製造するための方法が開示される。開示される方法は、シリコンウエハーの第1の側面の上に第1の誘電体層を堆積させることを含む。方法はさらに、第1の誘電体層の中に第1の開口部をエッチング加工することを含む。また、方法は、接合を生み出すために、第1の開口部を覆うように拡散又はイオン注入を実行することによって、第1のドーピング層を形成することを含む。それに加えて、方法は、第1のドーピング層及び第1の側面における外部に晒されているシリコン領域を覆うように、第2の誘電体層を堆積させることを含む。また、方法は、第2の誘電体層の中に第2の開口部をエッチング加工することを含み、当該第2の開口部は、第1の開口部とは異なる位置に置かれる。それに加えて、方法は、第2の開口部を覆うように拡散又はイオン注入することによって、第2のドーピング層を形成することを含む。付加的に、方法は、第1のドーピング層の上端(top)の上の第2の誘電体層を除去することを含む。それに加えて、方法は、第1のドーピング層の上に金属接触を堆積させて第1の金属接触を形成すること、及び第2のドーピング層の上に金属接触を堆積させて第2の金属接触を形成することを含む。付加的に、方法は、第1の金属接触及び第2の金属接触の上に第3の誘電体層を堆積させることを含む。さらに、方法は、第1の金属接触及び第2の金属接触を覆うように、第3の誘電体層の中に2つの開口部をエッチング加工することを含む。
【0013】
1以上の実施形態において、方法はさらに、第1の金属接触及び第2の金属接触の上端の上の第3の誘電体層の中に開口部をエッチング加工する前に、2つの金属接触を焼結させることを含む。
【0014】
少なくとも1つの実施形態において、第1のドーピング層はp型の物質であり、かつ第2のドーピング層はn型の物質である。1以上の実施形態において、第1のドーピング層のp型の物質はホウ素(B)であり、かつ第2のドーピング層のn型の物質はリン(P)である。
【0015】
1以上の実施形態において、第1のドーピング層はn型の物質であり、かつ第2のドーピング層はp型の物質である。いくつかの実施形態において、第1の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金であり、又はアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金である。1以上の実施形態において、第2の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金であり、又はアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金である。
【0016】
少なくとも1つの実施形態において、第1の誘電体層及び/又は第2の誘電体層及び/又は第3の誘電体層は、二酸化ケイ素(SiO)である。いくつかの実施形態において、シリコンウエハーの上の第1の誘電体層の中、第2の誘電体層の中、及び/又は第3の誘電体層の中に、開口部をエッチング加工することは、フォトリソグラフィー及び/又はフッ化水素酸を使用することによって実行される。1以上の実施形態において、接合の上に第1の金属接触を堆積させること、及び第2のドーピング層の上に第2の金属接触を堆積させることは、電子ビーム蒸着を使用することによって実行される。
【0017】
少なくとも1つの実施形態において、太陽電池バイパスダイオードは、シリコンウエハー、及び当該シリコンウエハーの第1の側面の上に形成される2型のドーピング層を備える。太陽電池バイパスダイオードはさらに、シリコンウエハーの第2の側面の一部の中に拡散又は注入される、1型のドーピング層を備える。また、太陽電池バイパスダイオードは、1型のドーピング層の上に堆積される前面金属接触を備える。それに加えて、太陽電池バイパスダイオードは、2型のドーピング層の上に堆積される裏面金属接触を備える。さらに、太陽電池バイパスダイオードは、前面金属接触及びシリコンウエハーの第2の側面における外部に晒されている部分の上に堆積される誘電体層を備え、当該誘電体層は、前面金属接触を外部に晒す開口部を有する。
【0018】
1以上の実施形態において、2型のドーピング層は、n型の物質である。いくつかの実施形態において、2型のドーピング層は、p型の物質である。
【0019】
少なくとも1つの実施形態において、太陽電池バイパスダイオードは、シリコンウエハーを備える。ダイオードはさらに、シリコンウエハーの第1の側面の第1の部分の上に形成される1型のドーピング層、及びシリコンウエハーの第1の側面の第2の部分の上に形成される2型のドーピング層を備える。それに加えて、ダイオードは、1型のドーピング層の上に堆積される1型の金属接触、及び2型のドーピング層の上に堆積される2型の金属接触を備える。付加的に、ダイオードは、1型の金属接触及び2型の金属接触の上、及びシリコンウエハーにおける外部に晒されている部分の上に堆積される誘電体層を備え、当該誘電体層は、1型の金属接触及び2型の金属接触を外部に晒す2つの開口部を有する。
【0020】
1以上の実施形態において、2型のドーピング層はn型の物質であり、かつ1型のドーピング層はp型の物質である。いくつかの実施形態において、2型のドーピング層はp型の物質であり、かつ1型のドーピング層はn型の物質である。
【0021】
特徴、機能、及び利点は、本発明の種々の実施形態において単独で達成することができるか、又はさらに他の実施形態において組み合わせることができる。
【0022】
本開示の上記及び他の特徴、態様、及び利点に対する理解は、後述の説明、特許請求の範囲、及び添付図面を参照することにより深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、ダイオードの金属接触の溶接プル強度(Weld Pull Strength)及びパーセンテージピーリング(Percentage Peeling)対(VS.)既存のダイオードの金属接触における酸素レベルを示すグラフである。
図2A図2Aは、既存のダイオードの構造の断面図である。
図2B図2Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、改良された金属接触を有する本開示のダイオードの構造の断面図である。
図2C図2Cは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、改良された金属接触を有する本開示のダイオードの別の構造の断面図である。
図3A】及び
図3B図3A及び図3Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図2Bの改良された金属接触を有するダイオードの製作のための本開示の方法のステップを示している。
図4図4は、図2Bの改良された金属接触を有する本開示のダイオードの電流−電圧(I−V)曲線と、既存のダイオードとの比較(VS.)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書の中において開示される方法及び装置は、改良された金属接触を有する太陽電池バイパスダイオードの作動システムを提供する。具体的には、システムは、金属接触の焼結処理工程の間に金属接触の上端の上に誘電体フィルムを採用することによって、太陽電池バイパスダイオードの金属接触の接着を改良する。誘電体フィルムは、焼結の間に接触金属が酸化されることを妨げ、またダイオード及び太陽電池アセンブリの中の短絡を妨げる。
【0025】
上述したように、チタン(Ti)は、典型的には、ケイ化チタン(TiSi2)を形成することによって、シリコン(Si)ダイオードの抵抗接点に対して使用される。しかし、周囲の環境の中にある酸素(O2)は、金属接触の焼結処理工程の間にチタンを酸化する。酸化チタンの層は、シリコンに対する金属接触の接着を弱め、それ故、そのようなダイオードは、宇宙の用途に使用できない。
【0026】
近年、産業において、金属の焼結処理工程の間の金属接触のチタンの酸化を妨げるために、金属の焼結処理工程は、窒素(N2)又は少ない含有量の水素(H2)を伴ったN2などの、加熱炉の筒の中に放出される不活性ガスを伴った、当該加熱炉の筒の中で実行される。しかしながら、上述した金属の焼結処理工程を採用するとしても、空気の中の酸素は、排気口を通じて加熱炉の筒の中へと拡散し、チタンと反応する可能性がある。チタンの酸化の程度は、焼結処理工程の間の加熱炉の中におけるウエハーの位置に依存する。加熱炉の筒の排気口の近くに位置するウエハーは、排気口から遠く離れた場所に位置するウエハーよりも多く酸化される。加熱炉の筒の中などのように、制御された環境の中で焼結処理工程を使用する以外に、酸素に対する障壁となるようにチタンの上端の上にパラジウム金属を採用するなど、様々な異なる種類の接触スタック(contact stacks)が、耐酸素性に対して調査されてきた。しかしながら、これらの従来からの解決法のいずれを使用しても、金属の酸化は、依然として生産される製品に決定的な影響を与える程度に存在する。
【0027】
本開示のシステムは、化学蒸着(CVD)の二酸化ケイ素(SiO)の層などの誘電体層を採用し、金属焼結処理工程の間にダイオードの金属接触を覆い、それによって、金属接触のチタン層が酸化されてしまうことを妨げる。二酸化ケイ素の保護を伴ったダイオードの金属接触における酸素の原子濃度は、エネルギー分散型X線分光法(EDX)を伴って検出され、二酸化ケイ素の保護がないダイオードの金属接触における場合の10分の1となっている。
【0028】
下記の説明には、システムのさらに徹底した説明を提供するために、多数の詳細事項が記載されている。しかしながら、当業者には、開示されたシステムをこれらの具体的な詳細事項なしで実施可能であることが明らかであろう。その他の場合では、システムを不要にわかりにくくしないために、よく知られる特徴については詳細に説明していない。
【0029】
図1は、ダイオードの金属接触の溶接プル強度(Weld Pull Strength)及びパーセンテージピーリング(Percentage Peeling)対(VS.)既存のダイオードの金属接触における酸素レベルを示すグラフ100である。この図において、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金から製造された接触を有するシリコンダイオードの金属接触の接着、対、エネルギー分散型X線分光法(EDX)によって検出された酸素含有量が、溶接プル試験を通じて表現されている。この図に示されるように、酸素(O2)含有量が増加すると、グラム(g)で示される溶接プル強度が減少し、溶接面積のピーリングのパーセンテージが増加する。
【0030】
本開示のダイオードは、焼結処理工程の間に金属接触を覆うために、誘電体のフィルムを採用する。誘電体フィルムの覆いは、金属接触が、当該接触の中のチタンを酸化する酸素に晒されないようにする。誘電体フィルムの覆いは、金属接触が酸素に晒されないようにするので、当該金属接触は酸素により酸化されにくく、それ故、金属接触の接着は改良される。
【0031】
図2Aは、既存のダイオードの構造200の断面図である。この図において、2型のドーピング層210が示され、拡散又はイオン注入によって、シリコンウエハー215の第1の側面207の上にそれが形成される。それに加えて、1型のドーピング層220が示され、拡散(又はイオン注入)によって、シリコンウエハー215の第2の側面217の一部の中にそれが形成される。
【0032】
また、この図において、誘電体層225が示され、シリコンウエハー215の第2の側面217の上端の上の2つの領域の中にそれが配置される。前面金属接触235が示され、1型のドーピング層220の上にそれが堆積され、かつ裏面金属接触205が示され、2型のドーピング層210の上にそれが堆積される。それに加えて、安定化処理層230が示され、誘電体層225領域の上端の上にそれが配置される。
【0033】
この既存のダイオードの構造200においては、前面金属接触235が、安定化される前に、焼結される。安定化処理層230は、ダイオード200及び(図示せぬ)太陽電池アセンブリの中で短絡が生じることを妨げる。
【0034】
図2Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、改良された金属接触を有する本開示のダイオードの構造240の断面図である。この図において、2型のドーピング層250が示され、拡散又はイオン注入によって、シリコンウエハー255の第1の側面247の上にそれが形成される。それに加えて、1型のドーピング層260が示され、拡散(又はイオン注入)によって、シリコンウエハー255の第2の側面257の一部の中にそれが形成される。
【0035】
また、この図において、前面金属接触270が示され、1型のドーピング層260の上にそれが堆積され、かつ裏面金属接触245が示され、2型のドーピング層250の上にそれが堆積される。それに加えて、誘電体層265(例えば、二酸化ケイ素の材料)が示され、シリコンウエハー255の第2の側面257の上端の上の2つの領域の中にそれが配置される。
【0036】
この本開示のダイオードの構造240においては、前面金属接触270が、焼結される前に、誘電体層265によって覆われ、それによって前面金属接触270の中の金属層は、周囲の環境の中にある酸素から隔離される。誘電体層265は、前面金属接触270を晒す工程の終わりにおいて、部分的に除去される。
【0037】
1以上の実施形態において、2型のドーピング層250はn型の物質(例えば、リン(P))であり、シリコンウエハー255は、n型の物質であり、1型のドーピング層260は、p型の物質(例えば、ホウ素(B))である、ということが注意されるべきである。他の実施形態において、2型のドーピング層250は、p型の物質(例えば、ホウ素(B))であり、シリコンウエハー255は、p型の物質であり、1型のドーピング層260は、n型の物質(例えば、リン(P))である。
【0038】
図2Cは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、改良された金属接触を有する本開示のダイオードの別の構造280の断面図である。この図において、1型のドーピング層282が示され、拡散又はイオン注入によって、シリコンウエハー286の第1の側面281の第1の部分の上にそれが形成される。それに加えて、2型のドーピング層284が示され、拡散又はイオン注入によって、シリコンウエハー286の第1の側面281の第2の部分の上にそれが形成される。
【0039】
また、この図において、第1の金属接触290が示され、1型のドーピング層282の上にそれが堆積され、かつ第2の金属接触292が示され、2型のドーピング層284の上にそれが堆積される。それに加えて、誘電体層288(例えば、二酸化ケイ素の材料)が示され、シリコンウエハー286の上端の上の3つの領域の中にそれが配置される。
【0040】
この本開示のダイオードの構造280においては、第1の金属接触290及び第2の金属接触292は、両者とも、ダイオード280が焼結される前に誘電体層のフィルム288によって覆われ、それによって金属接触290、292は、周囲の環境の中にある酸素から隔離される。誘電体層288は、金属接触290、292を晒す工程の終わりにおいて、部分的に除去される。
【0041】
1以上の実施形態において、1型のドーピング層282は、n型の物質(例えば、リン(P))であり、シリコンウエハー286は、p型の物質であり、2型のドーピング層284は、p型の物質(例えば、ホウ素(B))である、ということが注意されるべきである。他の実施形態において、1型のドーピング層282は、p型の物質(例えば、ホウ素(B))であり、シリコンウエハー286は、n型の物質であり、2型のドーピング層284は、n型の物質(例えば、リン(P))である。
【0042】
図3A及び図3Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図2Bの改良された金属接触を有するダイオードの製作のための本開示の方法のステップを示している。これらの図において、特に、p型のシリコンウエハーから図2のダイオードを製造する方法のステップが示される。他の実施形態において、この方法によって、ダイオードがn型のシリコンウエハーからも同様に製造され得る、ということは注意されるべきである。
【0043】
図3Aを参照すると、ステップ(a)は、例えば、ホウ素の注入又は拡散の工程によって、p型のシリコンウエハー300の第1の側面(すなわち、裏の側面)307の上に形成(すなわち、注入又は拡散)される重いp型の第1のドーピング層305を描いている。ステップ(b)は、第1のドーピング層305及びシリコンウエハー300の第2の側面317の上に化学蒸着(CVD)によって堆積される随意の最初の二酸化ケイ素の層(すなわち、誘電体層)310、315;及び注入工程からの結晶損傷を緩和するために後に実行される熱アニールを、示している。ステップ(a)の第1のドーピング層305の重いp型のドーピングが、注入工程によってというよりもむしろ拡散工程によって形成されるならば、ステップ(b)は実行される必要がない、ということが注意されるべきである。
【0044】
ステップ(c)は、シリコンウエハー300をフッ化水素酸の中に浸すことによって、最初の二酸化ケイ素の層310、315が除去される(すなわち、エッチング除去される)、ということを示している。ステップ(d)は、第1のドーピング層305及びシリコンウエハー300の第2の側面317の上に化学蒸着(CVD)によって堆積される第1の二酸化ケイ素の層(すなわち、誘電体層)320、325を示しており、ここにおいて、二酸化ケイ素の層(すなわち、誘電体層)320、325は、拡散マスクとなる。ステップ(e)は、フォトリソグラフィー及び/又はフッ化水素酸のエッチングを通じて、第1の二酸化ケイ素の層325の中に開口部330が形成されて(すなわち、第1の二酸化ケイ素の層325は、開口部330を有するように形成される)、当該開口部330は拡散ウインドウとなる。ステップ(f)は、(図示せぬ)加熱炉の中で実行されるリンの拡散によって生み出されるp−n接合335を示している。
【0045】
図3Bを参照すると、ステップ(g)は、シリコンウエハー300をフッ化水素酸の中に浸すことによって、最初の二酸化ケイ素の層320、325が除去(すなわち、エッチング除去)される、ということを示している。ステップ(h)は、電子ビーム(e−beam)蒸着によって堆積される第1の金属接触(すなわち、前面金属接触)340(例えば、Ti/Pd/Ag合金などのn−接触金属)を示している。ステップ(i)は、電子ビーム(e−beam)蒸着によって堆積される第2の金属接触(すなわち、裏面金属接触)345(例えば、Ti/Pd/Ag合金などのp−接触金属)を示している。
【0046】
ステップ(j)は、第1の金属接触340の上、シリコンウエハー300の第2の側面317における外部に晒されている部分の上、及び第2の金属接触345の上に化学蒸着(CVD)されることによって堆積される第2の二酸化ケイ素の層(すなわち、誘電体層)350、355を描いている。第2の二酸化ケイ素の層350、355が、窒化ケイ素(Si3N4)などの、二酸化ケイ素以外の材料から製造され得る、ということは注意されるべきである。それに加えて、他の実施形態において、CVD以外の他の技術を採用して、第2の二酸化ケイ素の層350、355を堆積させることもできる。使用され得る他の技術は、低圧化学蒸着(LPCVD)及びプラズマ助長化学蒸着(PECVD)を含むが、それらに限定されるものではない。
【0047】
ステップ(k)は、随意に、第1の金属接触340及び第2の金属接触345が焼結される、ということを示している。ステップ(j)のCVD工程が、抵抗接点焼結に対して要求されるのと同様な時間分及び温度において実行されるならば、ステップ(k)の焼結は必要ない、ということが注意されるべきである。ステップ(l)は、フッ化水素酸のエッチングを通じて、開口部360が第2の二酸化ケイ素の層355の中に形成される、ということを示している。ステップ(l)はまた、第2の二酸化ケイ素の層350は、フッ化水素酸によって除去(すなわち、エッチング除去)される、ということを示している。第2の二酸化ケイ素の層355の残っている部分は、p−n接合335を安定化し、ダイオード及び太陽電池アセンブリの中の短絡を妨げるために、残されている。
【0048】
図4は、改良された金属接触を有する図2Bの本開示のダイオードの電流−電圧(I−V)曲線と、既存のダイオードとの比較(VS.)を示すグラフ400である。この図において、試験データはグラフ化されて、改良された金属接触を有する本開示のダイオードのI−V曲線420と、二酸化ケイ素の保護を有しない(すなわち、保護的な誘電体層を有しない)既存のダイオードのI−V曲線410との比較を示している。図に描かれるように、改良された金属接触を有する本開示のダイオードのI−Vの特性は、二酸化ケイ素の保護がない既存のダイオードのI−Vの特性と同等である。
【0049】
条項1
太陽電池バイパスダイオードを製造するための方法であって、
シリコンウエハーの第1の側面の上に第1のドーピング層を形成することと、
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの第2の側面の上に第1の誘電体層を堆積させることと、
前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上の前記第1の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することと、
前記開口部を覆うように拡散及びイオン注入のうちの1つを実行して接合を生み出すことと、
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記第1の誘電体層を除去することと、
前記接合の上に第1の金属接触を堆積させること、及び前記第1のドーピング層の上に第2の金属接触を堆積させることと、
前記第1の金属接触の上、前記シリコンウエハーの前記第2の側面における外部に晒されている部分の上、及び前記第2の金属接触の上に、第2の誘電体層を堆積させることと、
前記第1の金属接触の上の前記第2の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することと、
前記第2の金属接触の上の前記第2の誘電体層を除去することとを含む、方法。
【0050】
条項2
前記シリコンウエハーの前記第1の側面の上に前記第1のドーピング層を形成した後に、前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上に最初の誘電体層を堆積させることをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0051】
条項3
熱アニールを実行することをさらに含む、条項2に記載の方法。
【0052】
条項4
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記最初の誘電体層を除去することをさらに含む、条項2に記載の方法。
【0053】
条項5
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記最初の誘電体層を除去することは、フッ化水素酸を使用することによって実行される、条項4に記載の方法。
【0054】
条項6
前記第1の金属接触の上の前記第2の誘電体層の中に前記開口部をエッチング加工する前に、前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触を焼結させることをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0055】
条項7
前記第1のドーピング層は、p型の物質である、条項1に記載の方法。
【0056】
条項8
前記第1のドーピング層の前記p型の物質は、ホウ素(B)である、条項7に記載の方法。
【0057】
条項9
前記第1の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金、並びにアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金のうちの1つである、条項1に記載の方法。
【0058】
条項10
前記第1の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金、並びにアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金のうちの1つである、条項1に記載の方法。
【0059】
条項11
前記第1のドーピング層は、n型の物質である、条項1に記載の方法。
【0060】
条項12
前記第1のドーピング層の前記n型の物質は、リン(P)である、条項11に記載の方法。
【0061】
条項13
前記第1の誘電体層及び前記第2の誘電体層のうちの少なくとも1つは、二酸化ケイ素(SiO)である、条項1に記載の方法。
【0062】
条項14
前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上の前記第1の誘電体層の中に前記開口部をエッチング加工することは、フォトリソグラフィー及びフッ化水素酸のうちの少なくとも1つを使用することによって実行される、条項1に記載の方法。
【0063】
条項15
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記第1の誘電体層を除去することは、フッ化水素酸を使用することによって実行される、条項1に記載の方法。
【0064】
条項16
前記接合の上に前記第1の金属接触を堆積させること、及び前記第1のドーピング層の上に前記第2の金属接触を堆積させることは、電子ビーム蒸着を使用することによって実行される、条項1に記載の方法。
【0065】
条項17
太陽電池バイパスダイオードを製造するための方法であって、
シリコンウエハーの第1の側面の上に第1の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層の中に第1の開口部をエッチング加工することと、
前記第1の開口部を覆うように第1のドーピング層を形成して接合を生み出すことと、
前記第1のドーピング層及び前記第1の側面における外部に晒されているシリコン領域を覆うように第2の誘電体層を堆積させることと、
前記第2の誘電体層の中に第2の開口部をエッチング加工することと、
前記第2の開口部を覆うように第2のドーピング層を形成することと、
前記第1のドーピング層の上端の上の前記第2の誘電体層を除去することと、
前記第1のドーピング層の上に金属接触を堆積させて第1の金属接触を形成すること、及び前記第2のドーピング層の上に金属接触を堆積させて第2の金属接触を形成することと、
前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触の上に第3の誘電体層を堆積させることと、
前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触を覆う前記第3の誘電体層の中に2つの開口部をエッチング加工することとを含む、方法。
【0066】
条項18
シリコンウエハーと、
前記シリコンウエハーの第1の側面の上に形成される2型のドーピング層と、
前記シリコンウエハーの第2の側面の一部の中に、拡散又は注入される1型のドーピング層と、
前記1型のドーピング層の上に堆積される前面金属接触と、
前記2型のドーピング層の上に堆積される裏面金属接触と、
前記前面金属接触及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面における外部に晒されている部分の上に堆積される誘電体層とを備え、前記誘電体層は、前記前面金属接触を外部に晒す開口部を有する、太陽電池バイパスダイオード。
【0067】
条項19
前記2型のドーピング層は、n型の物質である、条項18に記載のダイオード。
【0068】
条項20
前記2型のドーピング層は、p型の物質である、条項18に記載のダイオード。
【0069】
条項21
シリコンウエハーと、
前記シリコンウエハーの第1の側面の第1の部分の上に形成される1型のドーピング層と、
前記シリコンウエハーの前記第1の側面の第2の部分の上に形成される2型のドーピング層と、
前記1型のドーピング層の上に堆積される1型の金属接触と、
前記2型のドーピング層の上に堆積される2型の金属接触と、
前記1型の金属接触及び前記2型の金属接触の上、並びに前記シリコンウエハーにおける外部に晒されている部分の上に、堆積される誘電体層とを備え、前記誘電体層は、前記1型の金属接触及び前記2型の金属接触を外部に晒す2つの開口部を有する、太陽電池バイパスダイオード。
【0070】
特定の例示的実施形態及び方法を本明細書の中に開示したが、前述の開示内容から、当業者には、本開示の精神及び範囲から逸脱することなくこのような実施形態及び方法に変更及び修正を加えることが可能であることは明らかであろう。その他多数の本開示の実施例があり、各実施例はその詳細事項においてのみ他と異なる。したがって、本開示は特許請求の範囲及び適用法の規則及び原理によって必要とされる範囲にのみ制限されることが意図されている。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
太陽電池バイパスダイオードを製造するための方法であって、
シリコンウエハーの第1の側面の上に第1のドーピング層を形成することと、
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの第2の側面の上に第1の誘電体層を堆積させることと、
前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上の前記第1の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することと、
前記開口部を覆うように拡散及びイオン注入のうちの1つを実行して接合を生み出すことと、
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記第1の誘電体層を除去することと、
前記接合の上に第1の金属接触を堆積させること、及び前記第1のドーピング層の上に第2の金属接触を堆積させることと、
前記第1の金属接触の上、前記シリコンウエハーの前記第2の側面における外部に晒されている部分の上、及び前記第2の金属接触の上に、第2の誘電体層を堆積させることと、
前記第1の金属接触の上の前記第2の誘電体層の中に開口部をエッチング加工することと、
前記第2の金属接触の上の前記第2の誘電体層を除去することと
を含む方法。
(態様2)
前記シリコンウエハーの前記第1の側面の上に前記第1のドーピング層を形成した後に、前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上に最初の誘電体層を堆積させることをさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
熱アニールを実行することをさらに含む、態様1又は2に記載の方法。
(態様4)
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記最初の誘電体層を除去することをさらに含む、態様1から3のいずれか一項に記載の方法。
(態様5)
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記最初の誘電体層を除去することは、フッ化水素酸を使用することによって実行される、態様4に記載の方法。
(態様6)
前記第1の金属接触の上の前記第2の誘電体層の中に前記開口部をエッチング加工する前に、前記第1の金属接触及び前記第2の金属接触を焼結させることをさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
前記第1のドーピング層は、p型の物質である、態様1に記載の方法。
(態様8)
前記第1の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金、並びにアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金のうちの1つである、態様1に記載の方法。
(態様9)
前記第2の金属接触は、チタン、パラジウム、及び銀(Ti/Pd/Ag)の合金、並びにアルミニウム、チタン、パラジウム、及び銀(Al/Ti/Pd/Ag)の合金のうちの1つである、態様1に記載の方法。
(態様10)
前記第1のドーピング層は、n型の物質である、態様1に記載の方法。
(態様11)
前記第1の誘電体層及び前記第2の誘電体層のうちの少なくとも1つは、二酸化ケイ素(SiO)である、態様1に記載の方法。
(態様12)
前記シリコンウエハーの前記第2の側面の上の前記第1の誘電体層の中に前記開口部をエッチング加工することは、フォトリソグラフィー及びフッ化水素酸のうちの少なくとも1つを使用することによって実行される、態様1に記載の方法。
(態様13)
前記第1のドーピング層及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面から前記第1の誘電体層を除去することは、フッ化水素酸を使用することによって実行される、態様1に記載の方法。
(態様14)
前記接合の上に前記第1の金属接触を堆積させること、及び前記第1のドーピング層の上に前記第2の金属接触を堆積させることは、電子ビーム蒸着を使用することによって実行される、態様1に記載の方法。
(態様15)
シリコンウエハーと、
前記シリコンウエハーの第1の側面の上に形成される2型のドーピング層と、
前記シリコンウエハーの第2の側面の一部の中に、拡散又は注入される1型のドーピング層と、
前記1型のドーピング層の上に堆積される前面金属接触と、
前記2型のドーピング層の上に堆積される裏面金属接触と、
前記前面金属接触及び前記シリコンウエハーの前記第2の側面における外部に晒されている部分の上に堆積される誘電体層であって、前記前面金属接触を外部に晒す開口部を有する前記誘電体層と
を備える太陽電池バイパスダイオード。
【符号の説明】
【0071】
100 グラフ
200 既存のダイオードの構造
205 裏面金属接触
207 シリコンウエハーの第1の側面
210 2型のドーピング層
215 シリコンウエハー
217 シリコンウエハーの第2の側面
220 1型のドーピング層
225 誘電体層
230 安定化処理層
235 前面金属接触
240 本開示のダイオードの構造
245 裏面金属接触
247 シリコンウエハーの第1の側面
250 2型のドーピング層
255 シリコンウエハー
257 シリコンウエハーの第2の側面
260 1型のドーピング層
265 誘電体層
270 前面金属接触
280 本開示のダイオードの別の構造
281 シリコンウエハーの第1の側面
282 1型のドーピング層
2842型のドーピング層
286 シリコンウエハー
288 誘電体層
290 第1の金属接触
292 第2の金属接触
300 シリコンウエハー
305 第1のドーピング層
307 シリコンウエハーの第1の側面
310 最初の二酸化ケイ素(すなわち、誘電体)の層
315 最初の二酸化ケイ素(すなわち、誘電体)の層
317 シリコンウエハーの第2の側面
320 第1の二酸化ケイ素(すなわち、誘電体)の層
325 第1の二酸化ケイ素(すなわち、誘電体)の層
330開口部
335 p−n接合
340 第1の金属接触
345 第2の金属接触
350 第2の二酸化ケイ素(すなわち、誘電体)の層
355第2の二酸化ケイ素(すなわち、誘電体)の層
360 開口部
400 グラフ
410 既存のダイオードのI−V曲線
420 本開示のダイオードのI−V曲線
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4