(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示画面を有する画像表示器と、プレーヤのボディーアクションを撮影するためのカメラと、体感型ビデオゲーム用のアプリケーションプログラムがインストールされるべきゲーム用コンピュータとを少なくとも包含し、前記ゲーム用コンピュータが前記アプリケーションプログラムを実行することにより、カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像が前記画像表示器の表示画面上に表示されるようにした体感型ビデオゲーム装置であって、
前記画像表示器、前記カメラ、及び前記ゲーム用コンピュータは、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末で構成され、かつ
前記アプリケーションプログラムには、前記タブレット型端末を、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるためのプログラム部分が含まれており、さらに
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、体感型ビデオゲーム装置。
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、請求項1に記載の体感型ビデオゲーム装置。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、請求項1に記載の体感型ビデオゲーム装置。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、請求項2に記載の体感型ビデオゲーム装置。
スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末にインストールされるべきアプリケーションプログラムであって、
前記タブレット型端末を、
前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するための手段と、
前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるものであって、かつ
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、アプリケーションプログラム。
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、請求項5に記載のアプリケーションプログラム。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、請求項5に記載のアプリケーションプログラム。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、請求項6に記載のアプリケーションプログラム。
スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末により実行されるべきアプリケーションプログラムを格納した記録媒体であって、
前記アプリケーションプログラムには、
前記タブレット型端末を、
前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するための手段と、
前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるものであって、かつ
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、記録媒体。
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、請求項9に記載の記録媒体。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、請求項9に記載の記録媒体。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、請求項10に記載の記録媒体。
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、請求項13に記載のクライアントアンドサーバ・システム。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、請求項13に記載のクライアントアンドサーバ・システム。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、請求項14に記載のクライアントアンドサーバ・システム。
前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、請求項17に記載のプログラム提供サーバ。
前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、請求項17に記載のプログラム提供サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
もっとも、上述の体感型ビデオゲーム装置にあっても、カメラやゲーム装置本体については、ある程度、自由に持ち運べるものの、その持ち運び先には、据置型テレビの存在が不可欠であることから、設置場所の自由度にはなおも制限があり、いつでもどこでも手軽に持ち運んで遊べると言った便利さには欠けていた。
【0008】
ここにおいて、本発明者等は、昨今、広く普及しつつあるスマートホン、タブレットPC、タブレット兼用ノートPCと言ったタブレット型端末であれば、上述の体感型ビデオゲーム装置に必要な要素機器、すなわち、表示画面を有する画像表示器と、プレーヤのボディアクションを撮影するためのカメラ(「フロントカメラ」、「インカメラ」、又は「サブカメラ」等と称される)と、体感型ビデオゲーム用のアプリケーションプログラムがインストールされるべきゲーム用コンピュータ(端末内蔵のCPU)が既に備わっており、かつ十分なる携帯性も有することから、体感型ビデオゲーム用のアプリケーションプログラム(以下、「ゲーム用アプリ」と略称する)さえ適切に設計しさえすれば、いつでもどこでも手軽に持ち運んで遊ぶことができ、しかもボディアクションを介して操作可能な体感型ビデオゲーム装置が実現できるとの着想を得た。
【0009】
しかしながら、本発明者等は、このようなタブレット型端末とゲーム用アプリとを用いた体感型ビデオゲーム装置にあっても、タブレット型端末のユーザの誰もが簡単な操作で手軽にゲームを楽しめるようにするためには、なおも、解決すべき課題が存在するとの知見を得た。
【0010】
すなわち、このようなタブレット型端末とゲーム用アプリとを用いた体感型ビデオゲーム装置に適用されるゲーム用アプリには、例えば、遠近法を用いて奥行き方向の広がりを表現するような画像展開を採用することから、縦長画面となる画面回転姿勢を要求したり、水平方向の広がりを表現するような画像展開を採用することから、横長画面となる画面回転姿勢を要求したり、と言ったように、ゲーム画像の展開方向を理由とする画面回転姿勢に関する要求が存在する。
【0011】
また、この種のゲーム用アプリには、例えば、認識精度向上のために、認識対象となるボディアクションを見下ろすような撮影姿勢を採用することから、カメラの撮影用窓が画面上部に位置する画面回転姿勢を要求したり、逆に、見上げるような撮影姿勢を採用することから、カメラの撮影用窓が画面下部に位置する画面回転姿勢を要求したり、と言ったように、認識対象となるボディアクションの撮影姿勢を理由とする画面回転姿勢に関する要求が存在する。
【0012】
一方、この種のタブレット型端末には、スマートホン、タブレットPC、タブレット兼用ノートPC等々、種々の形態のものが存在するが、いずれも、据付型テレビとは異なり、立て掛けるためのスタンド等の適当な支持具さえ存在すれば、縦長の画面回転姿勢と横長の画面回転姿勢とを自在に選択できる。
【0013】
そのため、任意のゲーム用アプリをタブレット型端末にインストールして実行することにより体感型ビデオゲーム装置を実現し、しかも、画面の表示視野を十分に確保してゲーム画像の視認性乃至理解度を良好なものとするためには、ゲーム画像の展開方向を理由とする画面回転姿勢に関する要求が十分に満たされるように、プレーヤをして、必要な画面回転姿勢をとるように、促さねばならない。
【0014】
加えて、ビデオゲームの種類によっては、ボディアクションの認識精度を十分に確保して入力応答性を良好なものとするために、ボディアクションの撮影姿勢を理由とする画面回転姿勢に関する要求が十分に満たされるように、プレーヤをして、必要な画面回転姿勢をとるように、促さねばならない。
【0015】
しかしながら、この種のタブレット型端末におけるサブカメラの撮影用窓については、標準回転姿勢において、画面の上部に配置されている機種が多いものの、画面の下部に配置される機種も中には存在することに加えて、そもそも、標準回転姿勢については、縦長画面となる機種が多いものの、横長画面となる機種も中には存在する。
【0016】
加えて、この種のタブレット型端末のオペレーティングシステム(以下、「OS」と称する)には、端末側の操作で設定可能な「画像表示方位設定」の設定内容に応じて、標準回転姿勢に対する画像回転角度を任意(0度、90度、180度、270度、センサ追従)に設定可能な画像方位決定機能が用意されている。しかし、「画像表示方位設定」に関する設定操作を行うためには、端末操作に関するある程度の熟知が必要であるから、この種のタブレット型端末のユーザ一般の誰もがこの機能を使いこなせることは期待し得ない。
【0017】
そのため、必要な画面回転姿勢をとらせるために、適当な説明書の添付や説明文の案内表示を介して端末ユーザへの教示を行うとすれば、そのような教示により、端末ユーザが適正な画面回転姿勢を直ちに実現し得るかは甚だ疑問である。このことは、標準回転姿勢やカメラ位置が全ての端末において同一ではないことから、同じゲーム用アプリであっても、端末機種毎に、標準回転姿勢に対する画像回転角度が異なることも考慮すると、なおさらである。
【0018】
加えて、この種のタブレット型端末における「画像表示方位設定」の設定内容は、デフォルトにおいては「センサ追従」とされているのが通例であるから、そのような状態において、画面に表示されるゲーム画像は、画面回転姿勢に拘わらず、常に、上向きとされるため、一層、そのゲーム用アプリに対する適正な画面回転姿勢が判りにくくなり、端末ユーザを混乱させる。
【0019】
逆に、ひとたび、「画像表示方位設定」の設定内容がいずれかの回転角度に設定されたのちにあっては、そのような状態において、画面に表示されるゲーム画像は、画面に対して常に一定の回転角度となるため、端末ユーザはその状態にて画像が上向きとなる画面回転姿勢が正しいものと誤解し易く、これによっても、端末ユーザを混乱させる。
【0020】
その結果、必要な画面回転姿勢をとらせるために、適当な説明書の添付や説明文の案内表示を介して端末ユーザへの教示を行う場合には、往々にして、不適切な画面回転姿勢のままで、体感型ビデオゲームを行うこととなり、ゲーム画像を画面に十分展開できずに視認性を損ねたり、ボディアクションの認識精度の低下により、入力応答性を損ねると言った問題がある。
【0021】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、タブレット型端末とゲーム用アプリとを用いた体感型ビデオゲーム装置において、タブレット型端末のユーザの誰もが簡単な操作で手軽にゲームを楽しめるようにすることにある。
【0022】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の目的は、以下の構成を有する本発明に係る体感型ビデオゲーム装置、アプリケーションプログラム、記録媒体、クライアントアンドサーバ・システム、及びプログラム提供サーバにより解決されるものである。
【0024】
<体感型ビデオゲーム装置>
すなわち、本発明に係る体感型ビデオゲーム装置は、表示画面を有する画像表示器と、プレーヤのボディーアクションを撮影するためのカメラと、体感型ビデオゲーム用のアプリケーションプログラムがインストールされるべきゲーム用コンピュータとを少なくとも包含し、前記ゲーム用コンピュータが前記アプリケーションプログラムを実行することにより、カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像が前記画像表示器の表示画面上に表示されるようにした体感型ビデオゲーム装置であって、前記画像表示器、前記カメラ、及び前記ゲーム用コンピュータは、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末で構成され、かつ前記アプリケーションプログラムには、前記タブレット型端末を、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるためのプログラム部分が含まれており、さらに前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである。
【0025】
このような構成によれば、前記ゲーム画像の画像上の方位(例えば、上方)と実空間上の方位(例えば、上方)とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定するだけで、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られることから、例えば、縦長画面用のゲーム画像を横長画面に表示したり、逆に、横長画面用のゲーム画像を縦長画面に表示すると言った画面回転姿勢の誤りによる画像視認性低下を回避することができ、認識対象となるボディアクションが特に厳格な撮影姿勢を要求するものでない限り、タブレット型端末のユーザの誰もが手軽に体感型ビデオゲームを楽しむことが可能となる。
【0026】
本発明の好ましい実施の態様(1)においては、前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものであってもよい。
【0027】
このような構成によれば、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られることから、例えば、画面上部に位置する撮影用窓から見下ろすように撮影すべきボディアクションを画面下部に位置する撮影用窓から見上げるように撮影したり、逆に、画面下部に位置する撮影用窓から見上げるように撮影すべきボディアクションを画面上部に位置する撮影用窓から見下ろすように撮影すると言った画面回転姿勢の誤りによるボディアクション認識精度低下を回避することができ、認識対象となるボディアクションが特に厳格な撮影姿勢を要求するものであったとしても、タブレット型端末のユーザの誰もが手軽に体感型ビデオゲームを楽しむことが可能となる。
【0028】
本発明の好ましい実施の態様(2)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、ものであってもよい。
【0029】
任意のタブレット型端末において、標準回転姿勢における縦長画面/横長画面の別は、当該タブレット端末の機種情報により一意に定まる。したがって、例えば、ゲーム用アプリの側で、想定される端末機種毎の標準回転姿勢における縦長画面/横長画面の別を示す情報、等々を保持させておけば、当該タブレット型端末の機種に相当する情報を与えるだけで、ゲーム用画像を画面に展開するための適切な縦横姿勢となるように、当該画面の回転角度を容易に求めることができる。
【0030】
本発明の好ましい実施の態様(3)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、ようにしてもよい。
【0031】
任意のタブレット型端末において、標準回転姿勢における縦長画面/横長画面の別、カメラの撮影用窓の画面上付き/下付きの別は、当該タブレット端末の機種情報により一意に定まる。したがって、例えば、ゲーム用アプリの側で、想定される端末機種毎の標準回転姿勢における縦長画面/横長画面の別を示す情報、及びカメラの撮影用窓の画面上付き/下付きの別を示す情報等々を保持させておけば、当該タブレット型端末の機種に相当する情報を与えるだけで、ボディアクションを撮影するための適切な撮影姿勢となるように、当該画面の回転角度を容易に求めることができる。
ところで、当該タブレット型端末の機種に相当する情報を与える方法としては、例えば、アプリをアプリ提供サーバからダウンロードするに際して、当該タブレット型端末の機種情報をユーザに申告させる方法、ゲーム用アプリをアプリ提供サーバからダウンロードしたのち、当該タブレット型端末に対して、その機種情報をユーザに入力させる方法と言ったように、様々な方法が存在する。しかし、そのような方法では、タブレット型端末のユーザに対して、自己のタブレット型端末の正確な機種情報の入力を要求することとなるため、ユーザ側の負担が大きい。
【0032】
これに対して、機種情報としては、アプリケーションプログラムがインストールされたタブレット型端末それ自体から読み出された機種情報を利用するものとすれば、タブレット型端末のユーザに対して、自己のタブレット型端末の正確な機種情報の入力を要求する必要がなくなり、ユーザは入力操作の負担から解放される。
【0033】
<アプリケーションプログラム>
別の一面から見た本発明は、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末にインストールされるべきアプリケーションプログラムとして把握することもできる。
【0034】
すなわち、このアプリケーションプログラムは、前記タブレット型端末を、前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するための手段と、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるものであって、かつ前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである。
【0035】
本発明の好ましい実施の態様(1)においては、前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものであってもよい。
【0036】
本発明の好ましい実施の態様(2)においては、前記特定の回転角度は、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、ものであってもよい。
【0037】
本発明の好ましい実施の態様(3)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、ようにしてもよい。
【0038】
以上の本発明に係るアプリケーションプログラムによれば、本発明に係る上述の体感型ビデオゲーム装置と同様な作用効果を奏するものである。
【0039】
<記録媒体>
別の一面から見た本発明は、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末により実行されるべきアプリケーションプログラムを格納した記録媒体として把握することもできる。
【0040】
すなわち、この記録媒体に格納される前記アプリケーションプログラムは、前記タブレット型端末を、前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するための手段と、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるものであって、かつ前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである。
【0041】
本発明の好ましい実施の態様(1)においては、前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものであってもよい。
【0042】
本発明の好ましい実施の態様(2)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、ものであってもよい。
【0043】
本発明の好ましい実施の態様(3)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、ようにしてもよい。
【0044】
以上の本発明による記録媒体によれば、本発明に係る上述の体感型ビデオゲーム装置と同様な作用効果を奏するものである。
【0045】
<クライアントアンドサーバ・システム>
別の一面から見た本発明は、プログラム提供サーバと、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末とを、ネットワークで接続してなるクライアントアンドサーバ・システムとして把握することもできる。
【0046】
このクライアントアンドサーバ・システムにおいて、前記プログラム提供サーバには、前記タブレット型端末を、前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するための手段と、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるものであって、かつ前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである、アプリケーションプログラムが、1種又は2種以上、格納されており、さらに前記プログラム提供サーバは、前記タブレット型端末からダウンロード要求が前記ネットワークを介して到来するのに応答して、前記1種又は2種以上のアプリケーションプログラムの中で、前記タブレット型端末側から指定されたアプリケーションプログラムを、所定の認証を条件として、前記タブレット型端末へ宛てて送信するように構成されており、前記タブレット型端末は、前記ダウロード要求に応答して前記プログラム提供サーバから送信されてくる前記アプリケーションプログラムを受信格納すると共に、所定の起動操作を条件として、前記アプリケーションプログラムを実行することにより、前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するように構成されている、ものである。
【0047】
本発明の好ましい実施の態様(1)においては、前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものであってもよい。
【0048】
本発明の好ましい実施の態様(2)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、ものであってもよい。
【0049】
本発明の好ましい実施の態様(3)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、ようにしてもよい。
【0050】
以上の本発明によるクライアントアンドサーバ・システムによれば、本発明に係る上述の体感型ビデオゲーム装置と同様な作用効果を奏するものである。
【0051】
<プログラム提供サーバ>
別の一面から見た本発明は、プログラム提供サーバと、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末とを、ネットワークで接続してなるクライアントアンドサーバ・システムを構成する前記プログラム提供サーバとして把握することもできる。
【0052】
前記プログラム提供サーバには、前記タブレット型端末を、前記カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を前記表示画面上に表示するための手段と、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該アプリケーションプログラムに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるものであって、かつ前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである。
【0053】
本発明の好ましい実施の態様(1)においては、前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが整合するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、前記プレーヤのボディアクションを、前記撮影用窓を介してどの角度から前記カメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものであってもよい。
【0054】
本発明の好ましい実施の態様(2)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様とに基づいて決定される、ものであってもよい。
【0055】
本発明の好ましい実施の態様(3)においては、前記特定の回転角度は、前記アプリケーションプログラム側の画面縦横要求並びに撮影用窓位置要求と、当該タブレット型端末の機種情報から導き出された当該端末の画面縦横仕様並びに撮影用窓位置仕様とに基づいて決定される、ようにしてもよい。
【0056】
以上の本発明によるプログラム提供サーバによれば、本発明に係る上述の体感型ビデオゲーム装置と同様な作用効果を奏するものである。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、タブレット型端末とゲーム用アプリとを用いた体感型ビデオゲーム装置において、タブレット型端末のユーザの誰もが簡単な操作で手軽にゲームを楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下に、本発明に係る体感型ビデオゲーム装置の好適な実施の一形態を添付図面にしたがって詳細に説明する。
【0060】
先に説明したように、従来の体感型ビデオゲーム装置は、表示画面を有する画像表示器(通常、据置型テレビで代用)と、プレーヤのボディアクションを撮影するためのカメラ(ゲーム本体装置と一体又は別体)と、体感型ビデオゲーム用のアプリケーションプログラム(すなわち、「ゲーム用アプリ」)がインストールされるべきゲーム用コンピュータ(ゲーム装置本体)とを少なくとも包含し、このゲーム用アプリがゲーム用コンピュータで実行されることにより、カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像が画像表示器の画面上に表示されるように構成されている。
【0061】
これに対して、本発明に係る体感型ビデオゲーム装置は、上述の画像表示器、カメラ、及びゲーム用コンピュータにより実現される機能を、スマートホン、タブレットPC等のように、表示画面を一体的に有すると共に、撮影用窓が前記表示画面の前面側に向けられたカメラが組み込まれた市販のタブレット型端末にて代用するものである。
【0062】
加えて、前記ゲーム用アプリには、前記タブレット型端末を、前記タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該ゲーム用アプリに係るゲーム画像を、前記表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、前記表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるためのプログラム部分が含まれている。
【0063】
ここで、前記特定の回転角度とは、前記ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められている。
【0064】
<ゲーム用アプリの提供>
ゲーム用アプリをどのような提供方法によりタブレット型端末側へとインストールするかについては、SDメモリやUSBメモリ等の可搬型記録媒体を介する提供方法、赤外線等の短距離無線を介して提供する提供方法等々、種々の方法が考えられるが、この実施形態においては、クライアントアンドサーバ・システムであるアプリ提供システムを構築すると共に、インターネット上のアプリ提供サーバからタブレット型端末へとダウンロードするという提供方法が採用されている。
【0065】
−アプリ提供システムの構成−
アプリ提供システム全体の構成すを示す説明図が、
図1に示されている。同図に示されるように、タブレット型端末6であるところの様々な機種のスマートホン1,1,1・・・や様々な機種のタブレットPC2,2,2・・・は、公知の手法により、インターネット5へと無線接続可能とされており、一方、インターネット5には、アプリ提供サーバ4が公知の手法で接続されている。
【0066】
−タブレット型端末の構成−
タブレット型端末6の一般的なハードウェア構成を示すブロック図が、
図2に示されている。この種のハードウェア構成については、各種の文献により公知であるから、その説明については、本発明の要部を除き、簡単に行う。
【0067】
同図において、マイクロコンピュータ6aは端末全体を統括制御するものであり、公知のマイクロプロセッサや特定の回路機能を実現するASIC、FPGA等で構成されいるのが通例である。
【0068】
マイク6b及びスピーカ6cは、例えば、音声通話等に使用される。タッチパネル制御部6d及びタッチパネル6cは、表示画面におけるタッチパネル機能を実現するためのものである。バイブレータ6fは、着信通知その他、何らかの状態をユーザに通知するためのものである。ランプ駆動部6g及びLEDランプ6hは、各種の状態表示用のLEDランプの作動用のものである。
【0069】
メインカメラモジュール6iは、その撮影用窓が表示画面の後方へと向けられたメインカメラに関する機能モジュールであって、具体的には、撮影に必要なレンズやイメージセンサ等を含んで構成されている。このメインカメラモジュール6iで取得される画像データは、公知の画像処理エンジンを介して編集されたのち、マイクロコンピュータ6aに内蔵されるバッファ用画像メモリに格納されたのち、必要により、表示画面に表示されたり、後述のフラッシュメモリ6oに保存される。
【0070】
サブカメラモジュール6jは、その撮影用窓が表示画面の前方へと向けられたサブカメラ(インカメラ、フロントカメラ等とも称される)に関する機能モジュールであって、本発明の要部を構成するものである。このサブカメラモジュールについても、撮影に必要なレンズやイメージセンサ等を含んで構成されている。このサブカメラモジュール6jで取得される画像データは、公知の画像処理エンジンを介して編集されたのち、マイクロコンピュータ6aに内蔵されるバッファ用画像メモリに格納され、必要により(例えば、自分撮影等々)、表示画面に表示されたり、後述のフラッシュメモリ6oに保存される。本発明の場合、このバッファメモリに格納される編集された画像データは、プレーヤの行うボディアクション認識のために供される。
【0071】
無線通信部6kは、当該タブレット型端末を、公知の手法により、無線LAN等を介してインターネットに接続する場合等に用いられる。キー入力装置6lは、電源投入ボタンや各種の押しボタン式操作キーで構成され、必要な指示を当該タブレット型端末に与えるために利用される。
【0072】
画像表示部6n及び表示コントローラ6mは画像表示器(液晶式画像表示器、有機EL式画像表示器、等々)を構成するものであって、表示コントローラ6mは、表示デバイスである画像表示部6mとマイクロコンピュータに内蔵される図示しないビデオRAM(表示されるべき画像データを格納するメモリ)との間にあって、画像表示制御を司るものである。画像表示部6nに表示させる画像を回転させるためには、様々な公知の手法か存在する。例えば、ビデオRAMから画像表示部6aへと画像データを転送する際に、画像データの回転操作を行う第1の手法、バッファメモリ上の画像データをビデオRAMに書き込む際に、OS側で画像データの回転操作を行う第2の手法、さらには、バッファメモリ上の画像データをその生成段階から回転させておく第3の手法、等々が存在する。以下に述べる実施形態においては、第2の手法が採用される。
【0073】
フラッシュメモリ6oは、ダウンロードされる各種のアプリケーションプログラムの格納のほか、各種の設定データの格納に利用される。RAM6pは、各種演算処理のためのワーキング領域等として利用される。
【0074】
−アプリ提供サーバの構成−
アプリ提供サーバのハードウェア構成を示すブロック図が、
図3に示されている。この種のハードウェア構成については、各種の文献により公知であるから、その説明については、本発明の要部を除き、簡単に行う。
【0075】
同図に示されるように、アプリ提供サーバ4は、サーバ装置の全体制御を司るCPU等からなる制御部4a、ROM、RAM、又はハードディスク等からなり、前述した各種の体感型ゲーム用アプリを含む各種のプログラムや各種のデータ等を記憶するための記憶部4b、外部機器とLAN又はインターネット等を介して通信を行うための通信部4c、表示処理を行うための表示部4d、外部機器との入出力を行うI/F部4e、入力操作を行うための入力操作部4f等から構成される。なお、記憶部4bは、ストレージ等としてサーバ装置とは別に設けられていてもよい。
【0076】
−ゲーム用アプリの代金回収−
体感ゲーム用アプリとしては、卓球ゲーム、野球ゲーム、テニスゲーム、ボクシングゲーム、ガンファイトゲーム、アイスホッケーゲーム、アメリカンフットボールゲーム、バスケットボールゲーム、ドラム演奏ゲーム、トランスフォーマゲーム、フィッシングゲーム、レーシングゲーム、武器を使用したバトルゲーム等々と言ったように、種々のゲーム用アプリが存在する。
【0077】
これらのゲーム用アプリそのものの提供は、前述のアプリ提供システムを介してアプリ提供サーバ4から行うものであるが、その代金回収については、この実施形態においては、インターネット上の仮想店舗ではなく、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、街の玩具店等々の実店舗における商品販売を通じて行われる。
【0078】
例えば、
図19に示されるように、各ゲーム用アプリの種別毎に、商品パッケージ7が用意される。なお、同図(a)における商品パッケージ7は、体感型の卓球ゲームに対応するものであり、その中には、卓球ゲームのプレイに欠かせない遊具(この例では、指挿入保持式の小型ラケット)8のほか、ゲーム種別毎に商品パッケージの個々を特定可能な各商品パッケージに固有な商品パッケージコード(例えば、数値とアルファベットとの組み合わせによる16桁の文字列コード)を表示したカードが含まれている。同図(b)における商品パッケージ7は、体感型の野球ゲームに対応するものであり、その中には、野球ゲームのプレイに欠かせない遊具(この例では、指挿入保持式の小型バット)8のほか、ゲーム種別毎に商品パッケージの個々を特定可能な各商品パッケージに固有な商品パッケージコード(例えば、数値とアルファベットとの組み合わせによる16桁の文字列コード)を表示したカードが含まれている。なお、商品パッケージ7には、さらに、一般的なスマートホンやタブレットPCを適切な角度で立て掛け支持するための簡易型支持具12(例えば、
図17参照)が、含まれていてもよい。
【0079】
したがって、ユーザは、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、街の玩具店等々の実店舗において、好みのゲーム種別に対応する商品パッケージ7を購入することにより、そのゲームに必要な遊具8、商品パッケージコードが表示されたカード(図示せず)、及び必要な場合には、簡易支持具12を取得することができる一方、販売側にあっては、代金回収を行うとができるのである。
【0080】
−アプリダウンロード動作−
アプリダウンロード動作の説明図が、
図4に示されている。ユーザは、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、街の玩具店等々の実店舗において、好みのゲーム種別に対応する商品パッケージ7を購入したのち、パンフレット、包装箱の表示等々適当な宣伝媒体を通じて取得した、あるいは、検索サイトを通じて取得したURLを頼りとして、自己のタブレット型端末6からアプリ提供サーバ4への接続を行う。
【0081】
この状態において、タブレット型端末側において所定のユーザ操作が行われると、タブレット型端末6は、アプリ提供サーバ4へ宛ててダウンロードリクエストを送信したのち、アプリ提供サーバ4から認証コードリクエストが返送されてくるのを待機する(ステップ101)。
【0082】
ダウンロードリクエストを受信したアプリ提供サーバ4の側では(ステップ111)、タブレット型端末6へ宛てて認証コードリクエストを送信したのち(ステップ112)、タブレット型端末6から認証コードが返送されてくるのを待機する。
【0083】
タブレット型端末6は、認証コードリクエストが受信されるのを待って(ステップ102)、アプリ提供サーバ4へ宛てて認証コードを送信したのち(ステップ103)、アプリ提供サーバ4から認証エラーが返送されるか(ステップ104)、又は目的とする体感ゲームアプリが返送されてくるのを(ステップ105)待機する。ここで、認証コードとしては、先に、商品パッケージ7の購入により取得されたカードに表示された商品パッケージコードが利用される。
【0084】
アプリ提供サーバ4は、タブレット型端末6から認証コードが返送されてくるのを待って、所定の認証処理(例えば、その認証コードとして送られてきた商品パッケージコードが販売済みのものであって、ダウンロード未完のものか、あるいは所定のダウンロード許可条件に合致するものかの判定)を実行したのち(ステップ113)、認証成功の場合には(ステップ114YES)、タブレット型端末6へと指定の体感ゲーム用アプリを送信するのに対して(ステップ115)、認証失敗の場合には(ステップ114NO)、タブレット型端末6へと認証エラーコードを送信する。
【0085】
タブレット型端末6の側では、アプリ提供サーバ4から体感ゲーム用アプリが送られてきたときには、これを受信したのち(ステップ105)、所定の記憶領域(例えば、フラッシュメモリ6o等)に保存したのち、所定のアプリ起動操作を待って、これを実行する一方、認証エラーコードが送られてきたときには、直ちに、処理を終了する。
【0086】
<タブレット型端末の機種とその形態、並びに、画像回転に関するOSの仕組み>
本発明の特徴の一つである「ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定する点」は、本発明の適用可能性のあるタブレット型端末には、画面形状やカメラ位置の異なる様々な機種のものが存在することに加え、画像の回転制御に関するOSの一般的な構成を知って、はじめて明確に理解できるものと思われる。そこで、以下に、この種のタブレット型端末の機種とその形態、並びに、それらの端末に組み込まれたOSにおける画像回転の仕組みについて概説する。
【0087】
−スマートホン各機種毎の画面とサブカメラとの位置関係−
スマートホン各機種毎の画面とサブカメラとの位置関係を示す説明図が、
図10に示されている。同図(a)〜(f)に示されるように、スマートホン1には様々な機種のものが存在するが、標準姿勢における画面1aの形状についてみると、サイズやアスペクト比については幾分の相違が認められるものの、本発明者等の調査範囲における限りにおいては、すべての機種において、縦長となることが認められた。一方、サブカメラの撮影用窓1bの位置についてみると、殆どの機種において、上付き(画面1aの上部に配置)であるものの、中には、同図(d)に示されるように、下付き(画面1aの下部に配置)のものも存在することが認められた。
【0088】
−タブレットPC各機種毎の画面とサブカメラとの位置関係−
タブレットPC各機種毎の画面とサブカメラとの位置関係を示す説明図が、
図11に示されている。同図(a)〜(c)に示されるように、タブレットPC2にも様々な機種のものが存在するが、標準姿勢における画面2aの形状についてみると、多くの機種においては縦長となるものの、同図(c)に示されるように、横長となるものも存在することが認められた。一方、サブカメラの撮影用窓2bの位置についてみると、本発明者等の調査範囲における限りにおいては、すべての機種において上付き(画面2aの上部に配置)であることが認められた。
【0089】
−タブレット兼用ノートPC各機種毎の画面とサブカメラとの位置関係−
タブレット兼用ノートPCの画面とサブカメラとの位置関係を示す説明図が、
図12に示されている。同図に示されるように、タブレット兼用ノートPC3に関する限り、標準姿勢における画面3aの形状は、すべての機種において横長となることが認められた。一方、サブカメラの撮影用窓3bの位置についてみると、本発明者等の調査範囲における限りにおいては、すべての機種において上付き(画面3aの上部に配置)であることが認められた。
【0090】
−画像の回転制御に関するOSの構成−
この種のタブレット型端末6におけるOSとしては、アップル社のiOS、グーグル社のAndroid、マイクロソフト社のWindows(いずれも登録商標)等々のように、種々のものが知られているが、いずれのOSにおいても、標準姿勢に対する画面の回転角度については、アプリを介して設定可能な「アプリ側方位設定」と端末側の操作で設定可能な「端末側方位設定」からなる2つの設定情報が関与することが認められる。
【0091】
「アプリ側方位設定」の内容としては、例えば、以下の6種類の設定値を選択的にとることができる。なお、古い機種においては、設定値3と設定値4とが存在しない場合もある。
・設定値1:縦上(標準回転姿勢に対する回転角0度)
・設定値2:右横(標準回転姿勢に対する回転角90度)
・設定値3:縦下(標準回転姿勢に対する回転角180度)
・設定値4:左横(標準回転姿勢に対する回転角270度)
・設定値5:センサ(加速度センサ等の姿勢センサの検出姿勢にしたがう)
・設定値6:端末(端末側方位設定にしたがう)
【0092】
「端末側方位設定」の内容としては、例えば、以下の5種類の設定値を選択的にとることができる。なお、古い機種においては、設定値3と設定値4とが存在しない場合もある。
・設定値1:縦上(標準回転姿勢に対する回転角0度)
・設定値2:右横(標準回転姿勢に対する回転角90度)
・設定値3:縦下(標準回転姿勢に対する回転角180度)
・設定値4:左横(標準回転姿勢に対する回転角270度)
・設定値5:センサ(加速度センサ等の姿勢センサの検出姿勢にしたがう)
【0093】
そして、最終的な画像表示方位を決定するについて、アプリ側方位設定の内容は、端末側方位設定の内容に優先する。すなわち、アプリ側方位設定の設定内容が設定値1〜5のいずれかにあるとき、最終的な画像表示方位は、端末側方位設定の設定内容の如何に拘わらず、アプリ側方位設定の設定内容である設定値1〜5にしたがって決定される。端末側方位設定の設定内容が有効となるのは、アプリ側方位設定の設定内容が設定値6(「端末」)であるときに限られる。すなわち、アプリ側方位設定の内容が設定値6(「端末」)であるときには、最終的な画像表示方位は、端末側方位設定値の設定内容(設定値1〜5)にしたがう。
【0094】
<ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定する動作>
次に、以上説明したタブレット型端末の機種とその形態、並びに、画像回転に関するOSの仕組みを前提として、本発明の要部の構成について詳細に説明する。
【0095】
先に説明したように、本発明に係るゲーム用アプリには、タブレット型端末をして、サブカメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像を表示画面上に表示するための手段と、タブレット型端末6を、タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該ゲーム用アプリに係るゲーム画像を、表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるための「プログラム部分」が含まれている。
【0096】
ここで、「特定の回転角度」とは、ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである。
【0097】
また、「特定の回転角度」とは、ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、プレーヤのボディアクションを、撮影用窓を介してどの角度からカメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるようにしてもよい。
【0098】
そして、上述の「プログラム部分」が、タブレット型端末6をして所望の手段として機能させることができるのは、アプリ側の処理とOS側の表示処理とが互いに協働するからである。
【0099】
−アプリ側の処理の説明−
アプリ側の処理を説明するフローチャートが、
図5に示されている。同図において、所定のアプリ起動操作によりアプリの実行が開始されると、先ず、初期処理(ステップ201)が実行される。
【0100】
この初期処理(ステップ201)では、アプリ提供サーバ4からダウンロードされたゲーム用アプリを当該タブレット型端末用にカスタマイズ(ローカライズ)するための様々な処理が実行され、それらの処理の1つとして、本発明の要部である画像に関する回転角度固定処理、すなわち、タブレット型端末6を、タブレット型端末側で設定された画像表示方位設定の内容に拘わらず、当該ゲーム用アプリに係るゲーム画像を、表示画面に対する前記ゲーム画像の回転角度を特定の回転角度に固定した状態で、表示画面に表示するように仕向ける手段として機能させるための処理が実行される(
図7のフローチャート参照)。ここで、「特定の回転角度」とは、ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求を満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られるように定められたものである。
【0101】
この回転角度固定処理の内容は、当該ゲーム用アプリが動作可能なタブレット型端末の機種範囲をどこまで想定するかによって多少異なる。例えば、想定される機種範囲を、標準姿勢において画面が縦長となりかつ撮影用窓が画面の上付きとなる機種(それだけでも、かなりの数の機種が含まれる)だけに絞るのであれば(
図7のステップ402「縦長かつ上付き」)、固定されるべき画面回転角度は、下記のように、アプリ側における要求だけで決定することができる(ステップ403,404及び
図8のフローチャート参照)。なお、
図7のフローチャートにおいて、ステップ401は、当該アプリに予め組み込まれかつ対象となる端末仕様を特定する情報を、当該アプリから読み出す処理である。
アプリ側の要求 画像の回転角度
画面縦長かつカメラ上付き 回転角度0度(縦上)
画面縦長かつカメラ下付き 回転角度180度(縦下)
画面縦長かつカメラ指定なし 回転角度0度(縦上)又は180度(縦下)
画面横長かつカメラ上付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面横長かつカメラ下付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面横長かつカメラ指定なし 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
【0102】
これに対して想定される機種範囲を、標準姿勢において、画面が横長となる機種にまで広げたり、あるいは撮影用窓が画面の下付きとなる機種にまで広げるとなると(
図7のステップ402「端末使用に従う」)、固定されるべき画面回転角度は、アプリ側における要求だけでは一義的に決定することはできず、その都度、端末側の仕様を確認しなければ、決定することはできない(
図7のステップ405,406,407,408参照)。
【0103】
ここで、端末側の仕様(標準姿勢における縦長/横長の別、標準姿勢における上付き/下付きの別)と、その端末の機種情報(機種番号や符号等の直接的に機種を特定するものに限らず、機種を間接的に特定することができる何らかの固有情報等も含む)との関係は一義的に定まるものであるから、予めそれらの関係を求めてテーブルとして各ゲーム用アプリに組み込んでおけば、インストールされた端末から読み出された機種情報に基づいて(ステップ405)、上述のテーブルを引くことにより、当該端末の仕様(標準姿勢における縦長/横長の別、標準姿勢における上付き/下付きの別)を認識し(ステップ406)、その上で、アプリ側の要求(画面縦長かつカメラ上付き、画面縦長かつカメラ下付き、画面縦長かつカメラ指定なし、画面横長かつカメラ指定なし)を満たす画像の回転角度(縦上、縦下、右横、左横)を的確に求めることができる(ステップ407,408)。
【0104】
すなわち、機種情報に基づいて、標準姿勢において画面が縦長となりかつ撮影用窓が画面の下付きとなる機種と判定される場合には(
図9のステップ603YES)、画像の回転角度は、下記のようになる(ステップ604)。
アプリ側の要求 画像の回転角度
画面縦長かつカメラ上付き 回転角度180度(縦下)
画面縦長かつカメラ下付き 回転角度0度(縦上)
画面縦長かつカメラ指定なし 回転角度0度(縦上)又は180度(縦下)
画面横長かつカメラ上付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面横長かつカメラ下付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面横長かつカメラ指定なし 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
【0105】
また、機種情報に基づいて、標準姿勢において画面が横長となりかつ撮影用窓が画面の上付きとなる機種と判定される場合には(
図9のステップ605YES)、画像の回転角度は、下記のようになる(ステップ606)。
アプリ側の要求 画像の回転角度
画面縦長かつカメラ上付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面縦長かつカメラ下付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面縦長かつカメラ指定なし 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面横長かつカメラ上付き 回転角度0度(縦上)
画面横長かつカメラ下付き 回転角度180度(縦下)
画面横長かつカメラ指定なし 回転角度0度(縦上)又は180度(縦下)
【0106】
また、機種情報に基づいて、標準姿勢において画面が横長となりかつ撮影用窓が画面の下付きとなる機種と判定される場合には(
図9のステップ607参照)、画像の回転角度は、下記のようになる(ステップ608)。
アプリ側の要求 画像の回転角度
画面縦長かつカメラ上付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面縦長かつカメラ下付き 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面縦長かつカメラ指定なし 回転角度90度(右横)又は270度(左横)
画面横長かつカメラ上付き 回転角度180度(縦下)
画面横長かつカメラ下付き 回転角度0度(縦上)
画面横長かつカメラ指定なし 回転角度0度(縦上)又は180度(縦下)
【0107】
以後、こうして決定された画像の回転角度の内容により、前述の「アプリ側方位設定」の内容が更新される結果、後述するように、OS側の表示処理が実行されると、こうして更新されたのちの「アプリ側方位設定」の内容が参照されることにより(
図6のステップ301参照)、表示画面に表示されるゲーム画像の表示方位は、ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして表示画面の回転姿勢を決定すると、当該ゲーム画像を縦長画面又は横長画面のいずれに表示させるべきかと言った画像展開上の要求、及び/又は、ゲーム画像の画像上の方位と実空間上の方位とが一致するようにして前記表示画面の回転姿勢を決定すると、プレーヤのボディアクションを、撮影用窓を介してどの角度からカメラで撮影すべきかと言ったボディアクションの撮影姿勢上の要求をも満足する適正な画面回転姿勢が自動的に得られることになる。なお、上述の例からも明らかなように、標準姿勢において画面が横長となりかつ撮影用窓が上付き又は下付きとなる機種(タブレットPCに多い)に関しては、これを縦長姿勢とすると、どうしても、撮影用窓は右横又は左横に位置してしまい、アプリ側の要求を完全には満足させることはできないが、これについては、別途、カメラ側の視野キャリブレーション処理等々によりある程度は解決することができるので、さほど、問題となることはない。
【0108】
こうして、初期処理が完了すると(ステップ201)、続いて、体感型ビデオゲーム装置本来の処理(ステップ202〜208)が実行されて、カメラを介して認識されたプレーヤのボディアクションを入力とした、インタラクティブなゲーム画像が画像表示器の表示画面上に表示される。
【0109】
すなわち、
図5において、ゲーム画像生成及び表示指示処理(ステップ202)が実行されると、例えば、
図18に示されるように、スマートホン1の画面1a上にはインタラクティブなゲーム画像G(この例では、卓球の対戦相手によるボール打ち込み動作に相当する動画像)が表示され、続いて、予定されたボディアクション(この例では、ラケットにてボールを打ち返す動作に相当するボディアクション)の認識処理(ステップ203)が実行される。
【0110】
このボディアクション認識処理(ステップ203)では、例えば、撮影用窓1bを介してサブカメラで撮影されかつ画像処理エンジンにより適宜に編集された動画像に基づいて、プレーヤの行った実際のボディアクション(例えば、ボールを打ち返すために行ったラケットスイング)に相当する輝点(LEDマーカ)の動きと、予め想定されるボディアクション(例えば、ボールの打ち返しに成功したときのラケットスイング)に相当する輝点(LEDマーカ)の動きとの照合が、所定の許容幅及び所定の許容時間(ステップ205)をもって実行される。
【0111】
ここで、両ボディアクションの照合一致が、所定の時間内(ステップ205NO)かつ所定の許容幅をもって確認されると、想定されたボディアクションが検出されたと判定されて(ステップ204YES)、次の、検出アクションに応じた画像生成及び表示指示(ステップ206)が実行される。この処理(ステップ206)では、例えば、プレーヤにより打ち返されたボールが対戦相手に向かって飛んで行ったのち、さらに、対戦相手から打ち返されたボールがプレーヤに向けて飛んでくる動きに相当する動画像の生成及び表示指示が行われる。
【0112】
以上の処理(ステップ203、204、206)が、ゲーム継続中を条件として(ステップ208NO)、繰り返されることにより、プレーヤと相手方との間での仮想的な卓球ラリーを楽しくことができるのである。
【0113】
一方、プレーヤのボディアクションが不成功であることに起因して、想定されたボディアクションが所定時間内に検出されないと(ステップ204NO、ステップ205YES)、続いて、想定アクションが検出されなかったことに応じた画像生成及び表示指示(ステップ207)が実行される。この処理(ステップ207)では、例えば、プレーヤがボールを打ち損じたのち、対戦相手方がサーブを行って、そのボールが打ち込まれてくる動きに相当する動画像の生成及び表示指示が行われる。
【0114】
なお、
図18において、符号9が付されているのは、サブカメラのイメージセンサで取得された動画像中の輝点(LEDマーカ)の位置を示す遊具カーソルである。プレーヤは、この遊具カーソル9の画面内位置に基づいて、実空間における自分のラケットスイングがゲーム画像内においては、どのようなスイングに相当するかを確認しつつ、適正なスイングを学習することができる。
【0115】
卓球ゲームのプレイ中の説明図が、
図17に示されている。タブレット型端末6は、いつでもどこでも容易に持ち運びが可能であるから、図示のように、適当なデスク10の上に適当な支持具12でタブレット型端末6を適当な角度に立て掛けたのち、椅子11に座ったままの姿勢で、プレーヤ13が画面に向かって遊具8を操作すると言ったように、この種の体感型ビデオゲームをいつでもどこでも手軽に楽しむことが可能となる。
【0116】
−OS側の表示処理の説明−
OS側の表示処理を説明するフローチャートが、
図6に示されている。この処理は、
図5に示されるフローチャートにおいて、表示指示が行われるたびに(例えば、ステップ202、206、207等)、実行される。
【0117】
同図において、処理が開始されると、「アプリ側方位設定」の内容が読み込まれる(ステップ301)。ここで、「アプリ側方位設定」の設定内容は、先に説明したように、
図5のフローチャートにおける初期処理(ステップ201)において、縦上(標準回転姿勢に対する回転角0度)、右横(標準回転姿勢に対する回転角90度)、縦下(標準回転姿勢に対する回転角180度)、及び左横(標準回転姿勢に対する回転角270度)のいずれかに、設定されている。
【0118】
そのため、続く「端末設定にしたがう」かの判定処理は否定され(ステップ302NO)、直ちに、「アプリ側方位設定」の設定内容にしたがった画像方位決定処理(ステップ306〜313)が実行されることとなる。
【0119】
すなわち、「アプリ側方位設定」の設定内容が「右横」であれば(ステップ306YES)、右方向表示処理(ステップ310)が実行され、設定内容が「左横」であれば(ステップ307YES)、左方向表示処理(ステップ311)が実行され、設定内容が「縦上」であれば(ステップ308YES)、縦上方向表示処理(ステップ312)が実行され、さらに設定内容が「縦下」であれば(ステップ309YES)、縦下方向表示処理(ステップ313)が実行される。
【0120】
ここで、各方向の表示処理(ステップ310〜313)においては、生成された画像に相当する画像データを画面の基準姿勢に対応する方向にて記憶するバッファメモリの画像データをビデオRAMへ転送して書き込む際に、指定された方向(「右横」、「左横」、「縦上」、「縦下」)へ画像方位変換が生ずるように、画像データの方位を回転させる処理が実行されることとなる。
【0121】
なお、本発明とは直接には関係しないが、「アプリ側方位設定」の設定内容はデフォルトにあっては「端末設定にしたがう」に設定されているのが通例であるため、その場合には、「端末側設定にしたがう」かの判定処理は肯定され(ステップ302YES)、以後、「端末側方位設定」の設定内容にしたがった画像方位決定処理が実行される。
【0122】
すなわち、「端末側方位設定」の設定内容を読み込んだのち(ステップ303)、それが「センサ値に従う」でない場合には(ステップ304NO)、先に説明したと同様に、「端末側方位設定」の設定内容にしたがった画像方位決定処理(ステップ306〜313)が実行されることとなる。したがって、端末側において何らかの手動操作を行うことにより、「端末側方位設定」の設定内容がいずれかの方向へと設定されていた場合には、その方向へ向けた画像方位決定処理(ステップ306〜313)が実行されるのである。
【0123】
なお、「端末側方位設定」の設定内容はデフォルトにあっては「センサ(例えば、加速度等の姿勢センサ)の検出値に従う」に設定されているのが通例であるため、その場合には、「センサ値に従う」かを問う判定処理は肯定されて(ステップ304YES)、以後、センサ値の読み込み処理(ステップ305)が行われる結果、そのときどきの端末姿勢にしたがって、画像が常に上向きとなるような画像方位決定処理(ステップ306〜313)が実行されるのである。したがって、端末操作に不慣れなユーザの場合には、「端末側方位設定」の設定内容は、通常、「センサの検出値に従う」のままになっていることが多く、その場合には、そのときどきの端末姿勢にしたがって、画面に表示される画像は、めまぐるしく回転してしまい、アプリ側になんらかの方向指定の意図があったとしても、ユーザの側でそのことを知ることは困難となるのである。
【0124】
<本発明に係る画像回転処理の具体例>
以下に、本発明によれば、アプリ側の要求と端末側の仕様とに応じて、どのような画像回転処理が生ずるかを幾つかの具体例を挙げて説明する。
【0125】
−具体例1−
アプリ側の要求が、縦長画面かつカメラ上付きであり、かつ端末側の仕様が標準姿勢において縦長画面かつカメラ上付きであるときの画面回転例が、
図13に示されている。
【0126】
同図に示されるように、この場合、画面の回転角度は0度(縦上)に固定される。そうすると、同図(a)に示されるように、スマートホンである端末1の姿勢(画面1aの姿勢)を標準姿勢とした場合に限り、画像Gの方位と実空間の方位とが一致して、画像Gは適正な状態で表示されるのに対して、同図(b)〜(d)に示される他の画面姿勢においては、画像Gの方位と実空間の方位とは一致しないから、画像Gは適正な状態で表示されることはない。そのため、ユーザは、画像Gの方位と実空間の方位とが一致するように、画面1aの回転姿勢を選択するだけで、独りでに、アプリ側の要求する画面1aの姿勢(縦長)並びにカメラ1bの位置(上付き)を獲得することができる。
【0127】
−具体例2−
アプリ側の要求が、縦長画面かつカメラ上付きであり、かつ端末側の仕様が標準姿勢において縦長画面かつカメラ下付きであるときの画面回転例が、
図14に示されている。
【0128】
同図に示されるように、この場合、画面の回転角度は180度(縦下)に固定される。そうすると、同図(c)に示されるように、スマートホンである端末1の姿勢(画面1aの姿勢)を180度回転姿勢とした場合に限り、画像Gの方位と実空間の方位とが一致して、画像Gは適正な状態で表示されるのに対して、同図(a)、(b)、及び(d)に示される他の画面姿勢においては、画像Gの方位と実空間の方位とは一致しないから、画像Gは適正な状態で表示されることはない。そのため、ユーザは、画像Gの方位と実空間の方位とが一致するように、画面1aの回転姿勢を選択するだけで、独りでに、アプリ側の要求する画面1aの姿勢(縦長)並びにカメラ1bの位置(上付き)を獲得することができる。
【0129】
−具体例3−
アプリ側の要求が、縦長画面かつカメラ上付きであり、かつ端末側の仕様が標準姿勢において横長画面かつカメラ上付きであるときの画面回転例が、
図15に示されている。
【0130】
同図に示されるように、この場合、画面の回転角は270度(左横)に固定される。そうすると、同図(b)に示されるように、タブレットPCである端末2の姿勢(画面2aの姿勢)を90度回転姿勢とした場合に限り、画像Gの方位と実空間の方位とが一致して、画像Gは適正な状態で表示されるのに対して、同図(a)、(c)、及び(d)に示される他の画面姿勢においては、画像Gの方位と実空間の方位とは一致しないから、画像Gは適正な状態で表示されることはない。そのため、ユーザは、画像Gの方位と実空間の方位とが一致するように、画面1aの回転姿勢を選択するだけで、独りでに、アプリ側の要求する画面2aの姿勢(縦長)並びにカメラ2bの位置(上付き)を獲得することができる。
【0131】
なお、このとき、カメラ位置は正確にはアプリ側の要求を満たしていないが、これについては、別途、カメラ側の自動キャリブレーション処理で補うことができる。
【0132】
−具体例4−
アプリ側の要求が、縦長画面かつカメラ上付きであり、かつ端末側の仕様が標準姿勢において縦長画面かつカメラ上付きであるときの画面回転例が、
図16に示されている。
【0133】
同図に示されるように、この場合、画面の回転角は270度(左横)に固定される。そうすると、同図(b)に示されるように、スマートホンである端末1の姿勢(画面1aの姿勢)を90度回転姿勢とした場合に限り、画像Gの方位と実空間の方位とが一致して、画像Gは適正な状態で表示されるのに対して、同図(a)、(c)、及び(d)に示される他の画面姿勢においては、画像Gの方位と実空間の方位とは一致しないから、画像Gは適正な状態で表示されることはない。そのため、ユーザは、画像Gの方位と実空間の方位とが一致するように、画面1aの回転姿勢を選択するだけで、独りでに、アプリ側の要求する画面2aの姿勢(縦長)並びにカメラ2bの位置(上付き)を獲得することができる。
【0134】
なお、このとき、カメラ位置は正確にはアプリ側の要求を満たしていないが、これについては、別途、カメラ側の自動キャリブレーション処理で補うことができる。
【0135】
<その他>
−ボディアクションの内容−
ボディアクションの内容は、各ゲーム毎に区々であり、例えば、テニス、卓球、野球と言ったボールを打ち返す動作に相当するボディアクションの場合には、カメラ視野上の特定領域における所定着目部分(例えば、ラケット、バット等々)のスイング軌跡(位置、方向、速度等々)となり、射撃ゲームにおける照準動作に相当するボディアクションであれば、カメラ視野所の特定領域における所定着目部分(例えば、銃口等)の狙い合わせ(位置や向き)となる。
【0136】
−所定着目部分の認識手法−
所定着目部分の認識手法についても区々であり、形状認識技術を利用して画像中から直接に認識するものもあれば、プレーヤに保持させた点状マーカ(例えば、発光ダイオードの輝点)の像を頼りに、間接的に認識するものもある。
図20の例にあっては、遊具であるラケットの先端に、表裏並びに先端からも見えるようにして、高輝度LED8aを組み込むことで、ラケット先端の軌跡を容易に認識可能としている。なお、同図(a)は通常のラケットサイズに構成した手持ちタイプの卓球用遊具であり、同図(b)は小型サイズに構成した指通りタイプの卓球用遊具である。また、
図19(b)に示される野球用遊具8であるバットは、周囲の色彩とは顕著に区別可能な色彩(例えば、原色の赤、緑、青のいずれか)が付されている。
【0137】
−画像回転処理−
先の実施形態(
図6のステップ310、311、312、及び313)においては、ゲーム画像生成の際における画像姿勢については、画面の標準姿勢に対応するものとしておいて、画像バッファメモリからビデオRAMへの転送の際に、アプリ側から要求される画面の縦横指定に応じて、OS側が画面回転処理を行うように構成したが、逆に、ゲーム画像生成の際に、アプリ側から要求される画面の縦横指定に合わせて、画面の回転処理を予め実行しておいて、画像バッファメモリからビデオRAMへの転送の際には、画像回転処理は行わないようにしても、同様な画像回転固定処理は容易に実現することができる。さらに、ゲーム画像生成の際に、方向の異なる複数種の画像を予め生成しておいて、画像バッファメモリからビデオRAMへの転送の際には、それらの画像の一つを選択するようにしても、指定された方向への画像回転処理を実現することができる。このように複数種の画像を生成保持するものについては、画面の回転機能が2種類の方向(縦上と右横)に制限される旧型のタブレット型端末に本発明を適用する場合などには、特に、有効である。
【0138】
−その他のカスタマイズ処理−
本発明においては、できるだけ多くの端末機種に対して共通のゲームアプリを用意することで、アプリ制作者側での費用低減並びにユーザ側での機種申告の煩雑さ回避を意図するものであるが、勿論、共通なゲームアプリでサイズや仕様の異なる端末に適用するためには、個々の端末毎にその他必要なカスタマイズ処理(画面サイズやアスペクト比の調整、カメラの視野校正、等々)が必要であることは勿論であるが、それらのカスタマイズ処理については、既に、幾つかの公知の手法が確立しているため、それらの確立された公知手法を適宜に組み合わせることで、実用上、問題となることはない。