特許第5936685号(P5936685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936685
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4363 20110101AFI20160609BHJP
   H04N 5/44 20110101ALI20160609BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   H04N21/4363
   H04N5/44 A
   H04N5/91 L
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-514333(P2014-514333)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(86)【国際出願番号】JP2012062187
(87)【国際公開番号】WO2013168288
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2014年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】510130675
【氏名又は名称】パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】林 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】清水 慶行
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 達司
(72)【発明者】
【氏名】木下 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】西垣 智夫
【審査官】 久保 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−135846(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2262252(EP,A1)
【文献】 特開2008−145679(JP,A)
【文献】 特開2011−139411(JP,A)
【文献】 特開平8−102910(JP,A)
【文献】 特開平5−183853(JP,A)
【文献】 実開平2−141185(JP,U)
【文献】 特開2008−301232(JP,A)
【文献】 特開2008−311768(JP,A)
【文献】 特開2010−147542(JP,A)
【文献】 特開2008−244980(JP,A)
【文献】 西村俊一,「iPhone×USTREAMルーキーズ」,日本,株式会社技術評論社,2011年 2月 1日,初版,第124頁,ISBN:978-4-7741-4477-1
【文献】 内田哉,「仕事で使えるプロ級 USTREAMプロモーション」,日本,株式会社秀和システム,2012年 2月 3日,第1版,第171〜172頁,ISBN:978-4-7980-3228-3
【文献】 大喜多秀紀(外2名),「4. HDMI-CECによる機器連携」,映像情報メディア学会誌,日本,(社)映像情報メディア学会,2009年 7月 1日,2009年7月号(第63巻, 第7号),第909〜912頁,ISSN:1342-6907
【文献】 吉田順二(外3名),「VIERA Linkシステム −つながる機器を「リモコンひとつ」で簡単操作−」,Matsushita Technical Journal,日本,松下電器産業株式会社,2006年10月18日,2006年10月号(第52巻, 第5号),第29〜33頁,ISSN:1343-9529
【文献】 Computerworld編集部,「IT KEYWORD 38 MHL(Mobile High-Definition Link)」,COMPUTERWORLD(月刊[コンピュータワールド]),日本,株式会社アイ・ディ・ジー・ジャパン,2008年 5月 1日,2008年5月号(第5巻,第5号),第118頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00−21/858,
H04N5/44−5/445,
H04N5/76−5/956,
H04N7/173,
CSDB(日本国特許庁)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI規格に対応する第1信号伝送手段と、前記HDMI規格とは異なる他の規格に対応する第2信号伝送手段と、記憶装置と、を備える中継装置であって、
所定の画像を出力可能な画像出力部と、
前記第1信号伝送手段及び前記記憶装置間を結ぶ信号路と、前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路と、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路と、を相互に切り換え可能なスイッチ部と、
前記スイッチ部を制御する制御部と、
当該中継装置が前記第1信号伝送手段を介して出力装置と相互に接続された場合に、当該中継装置に係るCEC(Consumer Electronics Control)アドレスである第1CECアドレスを取得する取得部と、
を備え、
前記制御部は、前記出力装置から出力された前記第1CECアドレスと再生コマンドとを受信した場合に、前記第1信号伝送手段及び前記記憶装置間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御し、
前記取得部は、当該中継装置が前記第2信号伝送手段を介して前記他の規格に対応する機器と接続された場合に、前記機器に係るCECアドレスである第2CECアドレスを取得し、
前記制御部は、前記機器が映像出力状態になると、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御し、前記機器が待機状態になると、前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御して、前記機器が待機状態であることを示すアイコンを前記出力装置に出力させ、
前記制御部は、前記アイコンが選択された場合に、前記出力装置から前記アイコンが選択されたことを示す信号を受信して、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御する
ことを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記出力装置から出力された前記第2CECアドレスとコマンドとが受信された場合に、前記受信されたコマンドが前記他の規格に対応するように前記受信されたコマンドを変換する変換手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記機器が待機状態であり、且つ、前記出力装置から出力された前記第2CECアドレスとコマンドとが受信された場合に、前記機器を起動状態とする起動手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項4】
前記スイッチ部により前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路が選択されている場合、前記画像出力部は、前記機器の状態に応じて、前記出力装置の表示部に表示されるアイコンを変更することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置と、例えば再生装置や記録装置と、の間に介在し、例えば映像や音声等に係るデジタル信号を中継する中継装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、例えばHDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格に対応し、HDMIケーブルを接続可能なHDMI端子を備える機器に対して、HDMI規格のCEC(Consumer Electronics Control)に準拠する制御コマンドを、HDMI端子を介して上記機器へ送信することによって、該機器が備えるHDMI端子と、HDMI規格非対応の端子とを相互に切り換えるスイッチの切換制御を行う装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−217126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の装置に、例えば再生装置が接続されている場合に、該再生装置が待機状態となると、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置には何らの信号も送信されなくなる(無信号状態となる)という技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、中継装置に接続された、例えば再生装置等の機器が待機状態となった場合であっても、無信号状態となることを防止することができる中継装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の中継装置は、上記課題を解決するために、HDMI規格に対応する第1信号伝送手段と、前記HDMI規格とは異なる他の規格に対応する第2信号伝送手段と、記憶装置と、を備える中継装置であって、所定の画像を出力可能な画像出力部と、前記第1信号伝送手段及び前記記憶装置間を結ぶ信号路と、前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路と、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路と、を相互に切り換え可能なスイッチ部と、前記スイッチ部を制御する制御部と、当該中継装置が前記第1信号伝送手段を介して出力装置と相互に接続された場合に、当該中継装置に係るCECアドレスである第1CECアドレスを取得する取得部と、を備え、前記制御部は、前記出力装置から出力された前記第1CECアドレスと再生コマンドとを受信した場合に、前記第1信号伝送手段及び前記記憶装置間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御し、前記取得部は、当該中継装置が前記第2信号伝送手段を介して前記他の規格に対応する機器と接続された場合に、前記機器に係るCECアドレスである第2CECアドレスを取得し、前記制御部は、前記機器が映像出力状態になると、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御し、前記機器が待機状態になると、前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御して、前記機器が待機状態であることを示すアイコンを前記出力装置に出力させ、前記制御部は、前記アイコンが選択された場合に、前記出力装置から前記アイコンが選択されたことを示す信号を受信して、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御する。
【0007】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係るシステムの全体構成を示す概念図である。
図2】実施例に係る中継装置の要部構成を示すブロック図である。
図3】実施例に係る中継装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施例に係る中継装置の動作の一例を示す概念図である。
図5】実施例に係る中継装置の動作の他の一例を示す概念図である。
図6】実施例に係る中継装置の動作の他の一例を示す概念図である。
図7】実施例に係る中継装置の動作の他の一例を示す概念図である。
図8】実施例に係る中継装置の動作の他の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の中継装置に係る実施形態について説明する。
【0010】
実施形態に係る中継装置は、HDMI規格に対応する第1信号伝送手段と、前記HDMI規格とは異なる他の規格に対応する第2信号伝送手段と、記憶装置と、を備える中継装置であって、所定の画像を出力可能な画像出力部と、前記第1信号伝送手段及び前記記憶装置間を結ぶ信号路と、前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路と、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路と、を相互に切り換え可能なスイッチ部と、前記スイッチ部を制御する制御部と、当該中継装置が前記第1信号伝送手段を介して出力装置と相互に接続された場合に、当該中継装置に係るCECアドレスである第1CECアドレスを取得する取得部と、を備え、前記制御部は、前記出力装置から出力された前記第1CECアドレスと再生コマンドとを受信した場合に、前記第1信号伝送手段及び前記記憶装置間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御し、前記取得部は、当該中継装置が前記第2信号伝送手段を介して前記他の規格に対応する機器と接続された場合に、前記機器に係るCECアドレスである第2CECアドレスを取得し、前記制御部は、前記機器が映像出力状態になると、前記第1信号伝送手段及び前記第2信号伝送手段間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御し、前記機器が待機状態になると、前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路を選択するように前記スイッチ部を制御する。
【0011】
本実施形態に係る中継装置は、HDMI規格に対応する第1信号伝送手段と、例えばMHL(Mobile High−definition Link)規格等である、該HDMI規格とは異なる他の規格に対応する第2信号伝送手段と、を備えている。中継装置は、例えばハードディスクドライブ等である記憶装置も備えている。尚、記憶装置は、中継装置の筐体に内蔵されていてもよいし、該中継装置の筐体の外部に設置されていてもよい。
【0012】
中継装置は、更に、画像出力部、スイッチ部、制御部及び取得部を備えて構成されている。画像出力部は、例えばメニュー画像等の所定の画像を出力可能に構成されている。スイッチ部は、(i)第1信号伝送手段及び記憶装置間を結ぶ信号路と、(ii)第1信号伝送手段及び画像出力部間を結ぶ信号路と、(iii)第1信号伝送手段及び第2信号伝送手段間を結ぶ信号路と、を相互に切り換え可能に構成されている。例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御部は、スイッチを制御する。
【0013】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる取得部は、当該中継装置が、第1信号伝送手段を介して、例えば液晶ディスプレイ、プロジェクタ等である出力装置と相互に接続された場合に、当該中継装置に係るCECアドレスである第1CECアドレスを取得する。この第1CECアドレスが割り振られることにより、出力装置と当該中継装置とが協働することが可能となる。尚、取得部は、典型的には、取得された第1CECアドレスを、例えばRAM等に記憶する。
【0014】
当該中継装置が出力装置と接続されている場合に、出力装置から出力された第1CECアドレスと、当該中継装置に対する再生コマンドとを含む信号が受信された場合、制御部は、第1信号伝送手段及び記憶装置間を結ぶ信号路を選択するようにスイッチ部を制御する。この結果、記憶装置に格納されている、例えば映像コンテンツが再生され、該再生された映像コンテンツに係る映像が出力装置に表示される。
【0015】
当該中継装置が、第2信号伝送手段を介して、例えば再生装置、携帯電話等である他の規格に対応する機器と接続された場合、取得部は、該機器に係るCECアドレスである第2CECアドレスを取得する。他の規格に対応する(即ち、CEC非対応の)機器に第2CECアドレスが割り振られることにより、該機器を仮想的なCEC対応機器として扱うことができる。
【0016】
当該中継器が他の規格に対応する機器と接続されている場合に、該機器が映像出力状態(起動状態)となると、制御部は、第1信号伝送手段及び第2信号伝送手段間を結ぶ信号路を選択するようにスイッチ部を制御する。他方、当該中継器が他の規格に対応する機器と接続されている場合に、該機器が待機状態となると、制御部は、第1信号伝送手段及び画像出力部間を結ぶ信号路を選択するようにスイッチ部を制御する。
【0017】
このように、当該中継装置に接続された機器が待機状態となると、制御部により、第1信号伝送手段及び画像出力部間を結ぶ信号路を選択するようにスイッチ部が制御されるので、出力装置には、画像出力部から出力された所定の画像が表示されることとなる。この結果、当該中継装置に接続された機器が待機状態となった場合であっても、無信号状態となることを防止することができる。
【0018】
実施形態に係る中継装置の一態様では、前記出力装置から出力された前記第2CECアドレスとコマンドとが受信された場合に、前記受信されたコマンドが前記他の規格に対応するように前記受信されたコマンドを変換する変換手段を更に備える。
【0019】
この態様によれば、当該中継装置を介して、出力装置から、他の規格に対応する機器を操作することができ実用上非常に有利である。
【0020】
実施形態に係る中継装置の他の態様では、前記機器が待機状態であり、且つ、前記出力装置から出力された前記第2CECアドレスとコマンドとが受信された場合に、前記機器を起動状態とする起動手段を更に備える。
【0021】
この態様によれば、当該中継装置を介して、出力装置から、他の規格に対応する機器を起動することができ実用上非常に有利である。
【0022】
実施形態に係る中継装置の他の態様では、前記スイッチ部により前記第1信号伝送手段及び前記画像出力部間を結ぶ信号路が選択されている場合、前記画像出力部は、前記機器の状態に応じて、前記出力装置の表示部に表示されるアイコンを変更する。
【0023】
この態様によれば、ユーザが比較的容易にして、他の規格に対応する機器の状態を認識することができ実用上非常に有利である。
【実施例】
【0024】
本発明の中継装置に係る実施例を、図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例では、図1に示すように、テレビ30の入力端子(Input)には、HDMIケーブルを介して中継装置10が接続されている。中継装置10の入力端子(Input)には、MHLケーブルを介してスマートフォン40が接続されている。尚、中継装置10としては、例えばMHL入力端子を備えるメディアプレーヤ等を適用可能である。
【0026】
次に、中継装置10の構成について図2及び図3を参照して説明する。図2は、実施例に係る中継装置の要部構成を示すブロック図である。図3は、実施例に係る中継装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図2において、中継装置10は、グラフィックエンジン11、AVデコーダ12、RAM13、スイッチSWa及びSWb、HDMI端子並びにMHL端子を備えて構成されている。AVデコーダ12は、例えば外付けハードディスクドライブ等である外部記憶装置20と電気的に接続されている。
【0028】
スイッチSWaにおいて端子a1が選択されており、スイッチSWbにおいて端子b2が選択されている場合、HDMI端子には、グラフィックエンジン11から出力された信号が出力される。スイッチSWaにおいて端子a1が選択されており、スイッチSWbにおいて端子b1が選択されている場合、HDMI端子には、AVデコーダ12から出力された信号が出力される。スイッチSWaにおいて端子a2が選択されている場合、HDMI端子には、MHL端子を介して入力された信号が出力される。
【0029】
中継装置10は、図3に示すように、更に、HDMIトランスミッタ14、MHLレシーバ15、CPU16等を備えて構成されている。HDMIケーブルがHDMI端子に差し込まれることにより中継装置10とテレビ30とが相互に接続された場合、中継装置10のHDMIトランスミッタ14とテレビ30のHDMIレシーバ31との間で信号が授受される。また、MHLケーブルがMHL端子に差し込まれることにより中継装置10とスマートフォン40とが相互に接続された場合、中継装置10のMHLレシーバ15とスマートフォン40のMHLトランスミッタ41との間で信号が授受される。
【0030】
尚、図2における「スイッチSWa」及び「スイッチSWb」は、夫々、図3における「TMDCスイッチ」及び「TMDC変換部」に対応している。また、スイッチSWa及びSWb各々は、CPU16により制御される。
【0031】
本実施例に係る「外部記憶装置20」、「テレビ30」、「スマートフォン40」、「グラフィックエンジン11」、「HDMIトランスミッタ14」、「MHLレシーバ15」及び「CPU16」は、夫々、本発明に係る「記憶装置」、「出力装置」、「他の規格に対応する機器」、「画像出力部」、「第1信号伝送手段」、「第2信号伝送手段」及び「制御部」の一例である。本実施例に係る「スイッチSWa及びSWb」は、本発明に係る「スイッチ部」の一例である。
【0032】
次に、以上のように構成された中継装置10の動作について、図4乃至図8を参照して説明する。
【0033】
(i)中継装置10が、HDMIケーブルを介してテレビ30に接続された場合、本発明に係る「取得部」の一例としての、CPU16は、当該中継機器10に係るCECアドレスであるCECアドレス(a)を取得し、例えばRAM13に格納する(図4参照)。尚、CECアドレスの割当方法については公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。
【0034】
この場合、CPU16は、スイッチSWaにおいて端子a1が選択され、スイッチSWbにおいて端子b2が選択されるように、スイッチSWa及びSWbを夫々制御する(図4参照)。この結果、グラフィックエンジン11から出力された信号(典型的には、静止画像に係る信号)が、TMDS変換部(図3参照)においてTMDS信号に変換される。該変換されたTMDS信号は、TMDSスイッチ及びHDMIトランスミッタ14(図3参照)を介して、テレビ30に出力される。
【0035】
この際、テレビ30の画面上には、中継装置10を示すアイコンが表示される(図4参照)ので、ユーザは中継装置10を利用可能であることを認識することができる。
【0036】
(ii)ユーザが、例えばテレビ30に対応するリモートコントローラを操作することによって、外部記憶装置20に格納されている映像コンテンツの再生を指示した場合、テレビ30は、中継装置10に対して、CECアドレス(a)及びコマンド(ここでは、“再生”)を含むCECパケットを送信する。該CECパケットを受信した中継装置10において、CPU16は、スイッチSWaにおいて端子a1が選択され、スイッチSWbにおいて端子b1が選択されるように、スイッチSWa及びSWbを夫々制御する(図5参照)。
【0037】
この結果、外部記憶装置20から出力されるコンテンツデータがAVデコーダ12において映像信号及び音声信号に復号され、該復号された映像信号及び音声信号がTMDS変換部(図3参照)においてにおいてTMDS信号に変換される。該変換されたTMDS信号は、TMDSスイッチ及びHDMIトランスミッタ14(図3参照)を介して、テレビ30に出力される。
【0038】
この際、中継装置10は、テレビ30に対して、当該中継装置10に係るCECアドレス(即ち、CECアドレス(a))を含む“Active Source”を発行する。
【0039】
(iii)中継装置10が、MHLケーブルを介してスマートフォン40に接続された場合、CPU16は、スマートフォン40に係るCECアドレスであるCECアドレス(b)を取得し、例えばRAM13に格納する(図6参照)。
【0040】
図6では、スマートフォン40がスリープ状態(即ち、待機状態)であるので、CPU16は、スイッチSWaにおいて端子a1が選択され、スイッチSWbにおいて端子b2が選択されるように、スイッチSWa及びSWbを夫々制御する(図6参照)。この際、テレビ30の画面上には、スマートフォン40を示すアイコンが表示される(図6参照)。
【0041】
尚、スマートフォン40が起動状態であった場合、該スマートフォン40がMHLケーブルを介して中継装置10に接続された際に、CPU16は、スイッチSWaにおいて端子a2が選択されるようにスイッチSWaを制御してよい。また、スマートフォン40を示すアイコンは、スマートフォン40の状態に応じて、その態様が変更されてもよい。
【0042】
(iv)ユーザがスマートフォン40を直接操作することによって、スリープ状態であったスマートフォン40が起動状態とされた場合、CPU16は、スイッチSWaにおいて端子a2が選択されるようにスイッチSWaを制御する(図7参照)。
【0043】
この結果、スマートフォン40のTMDSトランスミッタ(図3“MHLトランスミッタ41”内参照)から出力されたTMDS信号が、中継装置10のTMDSレシーバ(図3“MHLレシーバ15”内参照)、TMDSスイッチ、及びTMDSトランスミッタ(図3“HDMIトランスミッタ14”内参照)を介して、テレビ30に出力される。
【0044】
この際、中継装置10は、テレビ30に対して、スマートフォン40に係るCECアドレス(即ち、CECアドレス(b))を含む“Active Source”を発行する。テレビ30の画面上には、例えばスマートフォン40の画面上に表示されている画像と同様の画像が表示される(図7参照)。
【0045】
尚、ユーザが、例えばテレビ30に対応するリモートコントローラを操作することによって、スリープ状態であるスマートフォン40を起動状態とする場合、ユーザは、例えばテレビ30の画面上に表示されたスマートフォン40を示すアイコンを選択する。この際、スマートフォン40を示すアイコンが選択されたことを示す信号が、中継装置10に対して送信される。スマートフォン40を示すアイコンが選択されたことを示す信号が受信されたことを条件に、CPU16は、スイッチSWaにおいて端子a2が選択されるようにスイッチSWaを制御する。加えて、中継装置10からスマートフォン40に対してTMDS信号を要求する信号が送信される。スマートフォン40は、該TMDS信号を要求する信号を受信したことを条件に起動状態となる。
【0046】
(v)ユーザが、例えばテレビ30に対応するリモートコントローラを操作することによって、起動状態であるスマートフォン40を操作する場合、テレビ30は、中継装置10に対して、CECアドレス(b)、及びユーザが所望する操作に対応するコマンドを含むCECパケットを送信する。中継装置10では、受信したCECパケットに含まれるコマンド(CECコマンド)が、例えばCPU16、CEC制御部、CEC−MSC変換部、MSC制御部等(図3参照)によりMSCコマンドに変換される。該変換されたMSCコマンドは、MSC I/F(図3“MHLレシーバ15”内参照)を経由して、スマートフォン40に送信される。スマートフォン40は、受信したMSCコマンドに応じた動作を行う。
【0047】
このように、本実施例では、中継装置10において、CECコマンドがMSCコマンドに変換されるので、HDMI規格に対応していない機器でも、CEC対応機器として扱うことができる。
【0048】
(vi)スマートフォン40が、例えばタイマ機能等により、起動状態からスリープ状態へ移行した場合、該スマートフォン40は、中継装置10に対して、TMDS信号停止を示す信号を送信する。CPU16は、TMDS信号停止を示す信号を受信したことを条件に、スイッチSWaにおいて端子a1が選択されるようにスイッチSWaを制御する。(図8参照)
この際、中継装置10は、テレビ30に対して、当該中継装置10に係るCECアドレス(即ち、CECアドレス(a))を含む“Active Source”を発行する。テレビ30の画面上には、スマートフォン40がスリープ状態であることを示すアイコンが示されてよい。
【0049】
このように、本実施例では、中継装置10に接続されたスマートフォン40がスリープ状態となった場合であっても、無信号状態となることを防止することができる。
【0050】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う中継装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
10…中継装置、11…グラフィックエンジン、12…AVデコーダ、13…RAM、14…HDMIトランスミッタ、15…MHLレシーバ、16…CPU、20…外部記憶装置、30…テレビ、31…HDMIレシーバ、40…スマートフォン、41…MHLトランスミッタ、SWa、SWb…スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8