【文献】
American Journal of Obstetrics & Gynecology,2011年 7月13日,Vol.205,567, e1-7
【文献】
Clinical Cancer Research,2011年 3月 3日,Vol.17, No.10,p.3157-3169
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
抗体のVH領域が、(i)配列SYGVH(配列番号30)、GGSISSY(配列番号36)、またはGGSISSYGVH(配列番号37)を含むVH CDR1、(ii)配列VIWTSGVTDYNSALMG(配列番号38)またはWTSGV(配列番号39)を含むVH CDR2、および(iii)配列DGDYDRYTMDY(配列番号35)を含むVH CDR3を含み、かつ、抗体のVL領域が、(i)配列RASKSVSTSGYSYMH(配列番号54)を含むVL CDR1、(ii)配列LASNLES(配列番号55)を含むVL CDR2、および(iii)配列QHSRELPYT(配列番号56)を含むVL CDR3を含む、請求項2に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。
抗体のVH領域が、配列番号5に示したアミノ酸配列を含み、かつ抗体のVL領域が、配列番号3に示したアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。
請求項1から11のいずれか一項に記載の抗体−薬剤コンジュゲートであって、薬剤が、細胞毒性剤、免疫調節剤、造影剤、治療用タンパク質、バイオポリマー、およびオリゴヌクレオチドからなる群から選択される作用物質である、抗体−薬剤コンジュゲート。
細胞毒性剤が、MMAD(モノメチルオーリスタチンD)、または0101(2−メチルアラニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド)である、請求項13に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。
1)抗体−LLQGA(配列番号79)−(アセチル−リシン−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル(AcLys−VC−PABC))−0101、2)抗体−LLQGA(配列番号79)−(AcLys−VC−PABC)−MMAD、3)抗体−LLQX1X2X3X4X5(配列番号88)−(AcLys−VC−PABC)−0101、4)抗体−LLQX1X2X3X4X5(配列番号88)−(AcLys−VC−PABC)−MMAD、5)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−(AcLys−VC−PABC)−0101、および6)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−(AcLys−VC−PABC)−MMADからなる群から選択される、請求項15に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。
抗体−薬剤コンジュゲート1)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−(AcLys−VC−PABC)−0101、2)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−(AcLys−VC−PABC)−MMAD、3)抗体−LLQX1X2X3X4X5(配列番号88)−(AcLys−VC−PABC)−0101、4)抗体−LLQX1X2X3X4X5(配列番号88)−(AcLys−VC−PABC)−MMAD、5)抗体−LLQGA(配列番号79)−(AcLys−VC−PABC)−0101、または6)抗体−LLQGA(配列番号79)−AcLys−VC−PABC−MMADにおいて、該抗体がヒトIgG1の重鎖定常領域を含む時に、EU番号付けスキームによる222位でリシンからアルギニンへのアミノ酸置換を含む、請求項16に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。
抗体−薬剤コンジュゲートが、1)抗体−LLQGA(配列番号79)−(AcLys−VC−PABC)−0101、2)抗体−LLQGA(配列番号79)−AcLys−VC−PABC−MMAD、3)抗体−LLQX1X2X3X4X5(配列番号88)−(AcLys−VC−PABC)−0101、または4)抗体−LLQX1X2X3X4X5(配列番号88)−(AcLys−VC−PABC)−MMADであって、かつ、抗体がヒトIgG1の重鎖定常領域を含む時に、重鎖のC末端におけるアミノ酸リシンが欠失している、請求項16に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。
がんが、膀胱、乳房、子宮頸部、絨毛癌、大腸、食道、胃、グリア芽細胞腫、頭頸部、腎臓、肺、口腔、卵巣、膵臓、前立腺、および皮膚のがんからなる群から選択される、請求項23に記載の医薬組成物。
Trop−2に特異的に結合する抗体―薬剤コンジュゲートであって、ここで該コンジュゲートが抗体−LLQGA(配列番号79)−(AcLys−VC−PABC)−0101であり、ここで該抗体が、VH領域として(i)配列SYGVH(配列番号30)、GGSISSY(配列番号36)、またはGGSISSYGVH(配列番号37)を含むVH CDR1、(ii)配列VIWTSGVTDYNSALMG(配列番号38)またはWTSGV(配列番号39)を含むVH CDR2、および(iii)配列DGDYDRYTMDY(配列番号35)を含むVH CDR3を含み、かつVL領域として(i)配列RASKSVSTSGYSYMH(配列番号54)を含むVL CDR1、(ii)配列LASNLES(配列番号55)を含むVL CDR2、および(iii)配列QHSRELPYT(配列番号56)を含むVL CDR3を含む抗体であり、該コンジュゲートが、前記抗体がヒトIgG1の重鎖定常領域を含む時に、EU番号付けスキームによる222位のリシンにおけるアミノ酸置換を含み、さらに該抗体の重鎖のC末端におけるアミノ酸リシンが欠失している、抗体―薬剤コンジュゲート。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に開示の発明は、Trop−2(例えば、ヒトTrop−2)に特異的に結合する抗体および抗体コンジュゲート(例えば、抗体−薬剤コンジュゲート)を提供する。本発明は、これらの抗体をコードするポリヌクレオチド、これらの抗体を含む組成物、ならびにこれらの抗体を作製および使用する方法も提供する。本発明は、対象におけるTrop−2発現に関連する状態、例えば、がん(例えば、大腸、胃、頭頸部、肺、卵巣、および膵臓のがん)などを治療するための方法も提供する。
【0031】
一般的な技法
本発明の実施では、別段の指定のない限り、分子生物学(組換え技法を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の慣例的な技法を使用し、これらは、当技術分野の技術内である。このような技法は、文献、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2版(Sambrookら、1989)Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Methods in Molecular Biology、Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis編、1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney編、1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.MatherおよびP.E.Roberts、1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle、J.B.Griffiths、およびD.G.Newell編、1993〜1998)J.Wiley and Sons;Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);Handbook of Experimental Immunology(D.M. WeirおよびC.C.Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.MillerおよびM.P.Calos編、1987);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編、1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction、(Mullisら編、1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら編、1991);Short Protocols in Molecular Biology(WileyおよびSons、1999);Immunobiology(C.A.JanewayおよびP.Travers、1997);Antibodies(P.Finch、1997);Antibodies:a practical approach(D.Catty編、IRL Press、1988〜1989);Monoclonal antibodies:a practical approach(P.ShepherdおよびC.Dean編、Oxford University Press、2000);Using antibodies:a laboratory manual(E.HarlowおよびD.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999);The Antibodies(M.ZanettiおよびJ.D.Capra編、Harwood Academic Publishers、1995)などで完全に説明されている。
【0032】
定義
「抗体」は、自己の可変領域に位置した少なくとも1つの抗原認識部位によって、標的、例えば、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子である。本明細書において、この用語は、インタクトなポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、これらの断片(Fab、Fab’、F(ab’)
2、Fvなど)、単鎖(ScFv)、ならびにドメイン抗体(例えば、サメおよびラクダ科の動物の抗体を含む)、ならびに抗体を含む融合タンパク質、ならびに抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾構成も包含する。抗体には、任意のクラスの抗体、例えば、IgG、IgA、もしくはIgM(またはこれらのサブクラス)などが含まれ、抗体は、任意の特定のクラスのものである必要はない。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンの5つの主要クラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分類することができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれ、α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および3次元構成は、周知である。
【0033】
用語の抗体の「抗原結合断片」または「抗原結合部分」は、本明細書において、所与の抗原(例えば、Trop−2)に特異的に結合する能力を保持するインタクト抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、インタクト抗体の断片によって実施することができる。用語の抗体の「抗原結合断片」の中に包含される結合断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)
2、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら、Nature、341:544〜546、1989)、ならびに単離相補性決定領域(CDR)がある。
【0034】
標的(例えば、Trop−2タンパク質)に「選択的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書で互換的に使用する)抗体、抗体コンジュゲート、またはポリペプチドは、当技術分野で十分理解された用語であり、このような特異的または選択的な結合を決定する方法も当技術分野で周知である。分子は、これが、特定の細胞または物質と、代替の細胞または物質と反応または会合するより長い持続時間および/またはより大きい親和性を伴って、より頻繁に、より急速に反応または会合する場合、「特異的結合」または「選択的結合」を呈すると言われる。抗体は、これが、他の物質に結合するより、大きい親和性、結合活性を伴って、より容易に、かつ/またはより長い持続時間を伴って結合する場合、標的に「特異的に結合し」または「選択的に結合する」。例えば、あるTrop−2エピトープに特異的または選択的に結合する抗体は、これが、他のTrop−2エピトープまたは非Trop−2エピトープに結合するより、大きい親和性、結合活性を伴って、より容易に、かつ/またはより長い持続時間を伴ってこのエピトープ結合する抗体である。この定義を読むことによって、例えば、第1標的に特異的または選択的に結合する抗体(または部分もしくはエピトープ)は、第2標的に特異的または選択的に結合しても、しなくてもよいことも理解される。したがって、「特異的結合」または「選択的結合」は、必ずしも排他的結合を必要としない(しかし、これは、排他的結合を含むことができる)。必ずではないが一般に、結合への言及は、選択的結合を意味する。
【0035】
抗体の「可変領域」は、単独または組合せで、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。当技術分野で公知であるように、重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ、超可変領域としても公知である3つの相補性決定領域(CDR)によって接続された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖中のCDRは、FRによって近接して一緒に保持され、他の鎖からのCDRは、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するための少なくとも2つの技法、すなわち、(1)異種間配列変異性に基づく手法(すなわち、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、(5版、1991、National Institutes of Health、Bethesda MD))、および(2)抗原−抗体複合体の結晶学的研究に基づく手法(Al−lazikaniら、1997、J.Molec.Biol.、273:927〜948)がある。本明細書において、CDRは、いずれかの手法または両手法の組合せによって定義されるCDRを指すことができる。
【0036】
可変ドメインの「CDR」は、Kabat、Chothiaの定義、KabatおよびChothiaの両方の蓄積、AbM、接触、および/もしくはコンホメーション定義、または当技術分野で周知のCDRの決定の任意の方法に従って同定される可変領域内のアミノ酸残基である。抗体CDRは、Kabatらによって最初に定義された超可変領域として同定することができる。例えば、Kabatら、1992、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、Public Health Service、NIH、Washington D.C.を参照。CDRの位置は、Chothiaらによって最初に記載された構造的ループ構造として同定することもできる。例えば、Chothiaら、Nature、342:877〜883、1989を参照。CDR同定の他の手法としては、KabatとChothiaの間の妥協案であり、Oxford Molecular’s AbM抗体モデル化ソフトウェア(現在ではAccelrys(登録商標))を使用して導出される「AbM定義」、またはMacCallumら、J.Mol.Biol.、262:732〜745、1996に示された、観察される抗原接触に基づくCDRの「接触定義」がある。CDRの「コンホメーション定義」と本明細書で呼ぶ別の手法では、CDRの位置は、抗原結合にエンタルピー的に寄与する残基として同定することができる。例えば、Makabeら、Journal of Biological Chemistry、283:1156〜1166、2008を参照。さらに他のCDR境界定義は、上記手法の1つに厳密に従わない場合があるが、それにもかかわらず、Kabat CDRの少なくとも一部と重なることになり、しかしこれらは、特定の残基もしくは残基の群、またはさらにはCDR全体が抗原結合に有意にインパクトを与えないという予測または実験的知見を踏まえて短くし、または長くすることができる。本明細書において、CDRは、手法の組合せを含めて、当技術分野で公知の任意の手法によって定義されるCDRを指すことができる。本明細書で使用される方法は、これらの手法のいずれかに従って定義されるCDRを利用することができる。複数のCDRを含む任意の所与の実施形態について、CDRは、Kabat、Chothia、拡張、AbM、接触、および/またはコンホメーション定義のいずれかに従って定義することができる。
【0037】
本明細書において、「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、軽微な量で存在し得る可能な天然に存在する突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一抗原部位に向けられている。さらに、異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を一般に含むポリクローナル抗体配合物と対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一決定基に向けられている。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の生成を必要とすると解釈されるべきでない。例えば、本発明によって使用されるモノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein、Nature、256:495、1975によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製することができ、または米国特許第4,816,567号に記載されたものなどの組換えDNA法によって作製することができる。モノクローナル抗体は、例えば、McCaffertyら、Nature、348:552〜554、1990に記載の技法を使用して生成されるファージライブラリーから単離することもできる。
【0038】
本明細書において、「ヒト化」抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはこれらの断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)
2、もしくは抗体の他の抗原結合部分配列など)である、非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態を指す。好ましくは、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)に由来する残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有する、非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、マウス、ラット、またはウサギなどのCDRに由来する残基と置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基によって置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されるCDRもしくはフレームワーク配列にも見つからないが、抗体性能をさらに洗練および最適化するために含められる残基を含むことができる。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、および一般に2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むことになる。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)、一般にヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部も含むことになる。WO99/58572に記載されたように修飾されたFc領域を有する抗体が好適である。ヒト化抗体の他の形態は、元の抗体に対して変更され、元の抗体からの1つまたは複数のCDR「に由来する」1つまたは複数のCDRとも呼ばれる、1つまたは複数のCDR(CDR L1、CDR L2、CDR L3、CDR H1、CDR H2、またはCDR H3)を有する。
【0039】
本明細書において、「ヒト抗体」は、ヒトによって産生され、かつ/または当業者に公知もしくは本明細書に開示のヒト抗体を作製するための技法のいずれかを使用して作製された抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味する。ヒト抗体のこの定義には、少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチドまたは少なくとも1つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体が含まれる。1つのこのような例は、マウス軽鎖ポリペプチドおよびヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体である。ヒト抗体は、様々な当技術分野で公知の技法を使用して生成することができる。一実施形態では、ヒト抗体は、ファージライブラリーから選択され、この場合そのファージライブラリーは、ヒト抗体を発現する(Vaughanら、Nature Biotechnology、14:309〜314、1996;Sheetsら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、95:6157〜6162、1998;HoogenboomおよびWinter、J.Mol.Biol.、227:381、1991;Marksら、J.Mol.Biol.、222:581、1991)。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座が内因性遺伝子座の代わりに遺伝子導入で導入された動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活化されたマウスの免疫化によっても作製することができる。この手法は、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、および同第5,661,016号に記載されている。代わりに、ヒト抗体は、標的抗原に対する抗体を生成するヒトBリンパ球(このようなBリンパ球は、個体から、もしくはcDNAの単細胞クローニングから回収することができ、またはin vitroで免疫化されている場合がある)を不死化することによって調製することができる。例えば、Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、77頁、1985;Boernerら、J.Immunol.、147(1):86〜95、1991;および米国特許第5,750,373号を参照。
【0040】
用語「キメラ抗体」は、可変領域配列が1つの種に由来し、定常領域配列が別の種に由来する抗体、例えば、可変領域配列がマウス抗体に由来し、定常領域配列がヒト抗体に由来する抗体などを指すように意図されている。
【0041】
用語「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、任意の長さの、好ましくは比較的短いアミノ酸(例えば、10〜100アミノ酸)の鎖を指すのに本明細書で互換的に使用される。鎖は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、修飾アミノ酸を含むことができ、かつ/または非アミノ酸によって中断されていてもよい。この用語は、天然に、または介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識コンポーネントとのコンジュゲーションなどの任意の他の操作もしくは修飾によって修飾されたアミノ酸鎖も包含する。例えば、アミノ酸の1つまたは複数の類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)、および当技術分野で公知の他の修飾を含有するポリペプチドもこの定義の中に含まれる。ポリペプチドは、単鎖または会合鎖として存在し得ることが理解される。
【0042】
「一価抗体」は、1分子当たり1つの抗原結合部位を含む(例えば、IgGまたはFab)。場合によっては、一価抗体は、複数の抗原結合部位を有し得るが、結合部位は、異なる抗原からのものである。
【0043】
「二価抗体」は、1分子当たり2つの抗原結合部位を含む(例えば、IgG)。場合によっては、2つの結合部位は、同じ抗原特異性を有する。しかし、二価抗体は、二重特異性であり得る。
【0044】
「二重特異性」、「デュアル特異性」、または「二機能性」抗体は、2つの異なる抗原結合部位を有するハイブリッド抗体である。二重特異性抗体の2つの抗原結合部位は、同じまたは異なるタンパク質標的上に存在し得る2つの異なるエピトープに結合する。
【0045】
本発明の抗体は、当技術分野で周知の技法、例えば、組換え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術、またはこのような技術もしくは当技術分野で直ちに分かる他の技術の組合せを使用して生成することができる。(例えば、Jayasena,S.D.、Clin.Chem.、45:1628〜50、1999、およびFellouse,F.A.ら、J.MoI.Biol.、373(4):924〜40、2007を参照)。
【0046】
当技術分野で公知であるように、本明細書で互換的に使用する「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドの鎖を指し、DNAおよびRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基、および/またはこれらの類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによって鎖中に組み込むことができる任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチド、およびこれらの類似体などを含むことができる。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、鎖をアセンブリーする前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチドコンポーネントによって中断される場合がある。ポリヌクレオチドは、標識コンポーネントとのコンジュゲーションなどによって、重合後にさらに修飾することができる。他のタイプの修飾としては、例えば、「キャップ」、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つまたは複数の類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電連結(例えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホロアミダート、カルバメートなど)を有するもの、および荷電した連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を有するもの、ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リシンなど)などを含有するもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレーター(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾連結を有するもの(例えば、αアノマー核酸など)など、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の無修飾形態がある。さらに、糖内に通常存在するヒドロキシル基のいずれも、例えば、ホスホネート基、リン酸基によって置き換え、標準的な保護基によって保護し、または活性化して追加のヌクレオチドへの追加の連結を準備することができ、または固体支持体にコンジュゲートすることができる。5’および3’末端OHを、リン酸化し、またはアミンもしくは1〜20炭素原子の有機キャッピング基部分で置換することができる。他のヒドロキシルも、誘導体化して標準的な保護基にすることができる。ポリヌクレオチドは、例えば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−、または2’−アジド−リボース、炭素環糖類似体、α−またはβ−アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロース、またはリキソースなど、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、およびメチルリボシドなどの脱塩基ヌクレオシド類似体を含めた、当技術分野で一般に公知であるリボースまたはデオキシリボース糖の類似形態も含有し得る。1つまたは複数のホスホジエステル連結を、代替の連結基によって置き換えることができる。これらの代替の連結基としては、それだけに限らないが、ホスフェートが、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR
2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO、またはCH
2(「ホルムアセタール」)(式中、各RまたはR’は、独立して、H、またはエーテル(−O−)連結、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、もしくはアラルジル(araldyl)を含有してもよい置換もしくは非置換のアルキルである(1〜20C))によって置き換えられている実施形態がある。ポリヌクレオチド中のすべての連結が同一である必要はない。前述の説明は、RNAおよびDNAを含めた、本明細書で参照されるすべてのポリヌクレオチドに当てはまる。
【0047】
当技術分野で公知であるように、抗体の「定常領域」は、単独または組合せで、抗体軽鎖の定常領域、または抗体重鎖の定常領域を指す。
【0048】
本明細書において、「実質的に純粋な」は、少なくとも50%純粋な(すなわち、混入物を含まない)、より好ましくは、少なくとも90%純粋な、より好ましくは、少なくとも95%純粋な、さらにより好ましくは、少なくとも98%純粋な、最も好ましくは、少なくとも99%純粋な材料を指す。
【0049】
「宿主細胞」には、ポリヌクレオチドインサートを取り込むためのベクター(複数可)のレシピエントであり得る、またはそれであった個々の細胞または細胞培養物が含まれる。宿主細胞には、単一宿主細胞の子孫が含まれ、子孫は、天然の、偶発的な、または意図的な突然変異に起因して、必ずしも元の親細胞と完全に同一(形態において、またはゲノムDNA相補性において)でない場合がある。宿主細胞には、本発明のポリヌクレオチド(複数可)で、in vivoでトランスフェクトされた細胞が含まれる。
【0050】
当技術分野で公知であるように、用語「Fc領域」は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を画定するのに使用される。「Fc領域」は、天然配列Fc領域であっても、バリアントFc領域であってもよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は、様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Cys226位のアミノ酸残基から、またはPro230からそのカルボキシル末端まで伸びるように定義される。Fc領域中の残基の番号付けは、KabatのEUインデックスのものである。Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md.、1991。免疫グロブリンのFc領域は一般に、2つの定常領域、CH2およびCH3を含む。
【0051】
当技術分野で使用される場合、「Fc受容体」および「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記述する。好適なFcRは、天然配列ヒトFcRである。さらに、好適なFcRは、IgG抗体(γ受容体)に結合するものであり、好適なFcRとしては、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIサブクラスの受容体があり、これらの受容体の対立遺伝子バリアントおよび選択的にスプライスされた形態を含む。FcγRII受容体としては、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害受容体」)があり、これらは、これらの細胞質ドメインにおいて主に異なる同様のアミノ酸配列を有する。FcRは、RavetchおよびKinet、Ann.Rev.Immunol.、9:457〜92、1991;Capelら、Immunomethods、4:25〜34、1994;ならびにde Haasら、J.Lab.Clin.Med.、126:330〜41、1995に総説されている。「FcR」には、新生児受容体、FcRnも含まれ、これは、母系性IgGの胎児への移動に関与する(Guyerら、J.Immunol.、117:587、1976;およびKimら、J.Immunol.、24:249、1994)。
【0052】
用語「競合する」は、抗体に関して本明細書で使用する場合、第1抗体またはその抗原結合断片(もしくは一部)が、第2抗体またはその抗原結合部分の結合と十分に同様の様式でエピトープに結合し、その結果、第1抗体のその同族エピトープとの結合の結果が、第2抗体の非存在下での第1抗体の結合と比較して、第2抗体の存在下で検出可能な程度に減少することを意味する。第2抗体のそのエピトープへの結合も第1抗体の存在下で検出可能な程度に減少する代替案は、当てはまる場合があるが、その必要はない。すなわち、第1抗体は、第1抗体のそのそれぞれのエピトープへの結合を第2抗体が阻害することなく、第2抗体のそのエピトープへの結合を阻害することができる。しかし、各抗体が、同じ程度であっても、より大きい程度であっても、またはより小さい程度であっても、他の抗体のその同族エピトープまたはリガンドへの結合を検出可能な程度に阻害する場合、抗体は、これらのそれぞれのエピトープ(複数可)の結合を互いに「交差競合する」と言われる。競合および交差競合抗体はともに、本発明によって包含されている。このような競合または交差競合が起こる機構(例えば、立体障害、コンホメーション変化、または共通エピトープもしくはその一部への結合)にかかわらず、当業者は、本明細書に提供される教示に基づいて、このような競合および/または交差競合抗体は、包含され、本明細書に開示の方法にとって有用であり得ることを理解するはずである。
【0053】
「機能性Fc領域」は、天然配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を有する。例示的な「エフェクター機能」としては、C1q結合、補体依存性細胞傷害、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害、食作用、細胞表面受容体の下方制御(例えば、B細胞受容体)などがある。このようなエフェクター機能は一般に、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合されることを必要とし、このような抗体エフェクター機能を評価するための当技術分野で公知の様々なアッセイを使用して評価することができる。
【0054】
「天然配列Fc領域」は、自然において見つかるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって天然配列Fc領域のアミノ酸配列と異なるが、それでも、天然配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を保持するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列Fc領域内、または親ポリペプチドのFc領域内に、約1〜約10のアミノ酸置換、好ましくは、約1〜約5のアミノ酸置換を有する。本明細書のバリアントFc領域は、好ましくは、天然配列Fc領域および/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の配列同一性、最も好ましくは、これらと少なくとも約90%の配列同一性、より好ましくは、これらと少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%の配列同一性を有する。
【0055】
用語「エフェクター機能」は、抗体のFc領域に起因する生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、それだけに限らないが、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、Fc受容体結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、食作用、C1q結合、および細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の下方制御がある。例えば、米国特許第6,737,056号を参照。このようなエフェクター機能は一般に、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合されることを必要とし、このような抗体エフェクター機能を評価するための当技術分野で公知の様々なアッセイを使用して評価することができる。エフェクター機能の例示的な測定法は、Fcγ3および/またはC1q結合によるものである。
【0056】
本明細書で使用する場合、「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」または「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が、標的細胞上の結合抗体を認識し、引き続いて標的細胞を溶解させる細胞媒介反応を指す。対象とする分子のADCC活性は、in vitro ADCCアッセイ、例えば、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載されたものなどを使用して評価することができる。このようなアッセイに有用な効果細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびNK細胞がある。代替としてまたは追加的に、対象とする分子のADCC活性は、in vivoで、例えば、Clynesら、1998、PNAS(USA)、95:652〜656に開示されたものなどの動物モデルで評価することができる。
【0057】
「補体依存性細胞傷害」または「CDC」は、補体の存在下での標的の溶解を指す。補体活性化経路は、補体系の第1コンポーネント(C1q)の同族抗原と複合体化した分子(例えば、抗体)への結合によって開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoroら、J.Immunol.Methods、202:163(1996)に記載されたCDCアッセイを実施することができる。
【0058】
本明細書において、「治療」は、有益な、または所望の臨床結果を得るための手段である。本発明の目的に関して、有益な、または所望の臨床結果としては、それだけに限らないが、以下のうちの1つまたは複数がある:新生細胞もしくはがん性細胞の増殖の低減(もしくは破壊)、新生細胞の転移の阻害、Trop−2発現腫瘍のサイズの縮小もしくは減少、Trop−2関連疾患(例えば、がん)の緩解、Trop−2関連疾患(例えば、がん)から生じる症状の減少、Trop−2関連疾患(例えば、がん)を罹患している者の生活の質の増大、Trop−2関連疾患(例えば、がん)を治療するのに必要とされる他の薬物療法の用量の減少、Trop−2関連疾患(例えば、がん)の進行の遅延、Trop−2関連疾患(例えば、がん)の治癒、および/またはTrop−2関連疾患(例えば、がん)を有する患者の生存時間の延長。
【0059】
「緩和すること」は、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを投与しないことと比較して、1つまたは複数の症状の軽減または改善を意味する。「緩和すること」には、症状の持続時間の短縮または低減も含まれる。
【0060】
本明細書において、薬剤、化合物、または医薬組成物の「有効投与量」または「有効量」は、任意の1つまたは複数の有益な、または所望の結果をもたらすのに十分な量である。予防的使用に関して、有益な、または所望の結果としては、疾患、疾患の発達中に呈する、その合併症、および中間の病理学的表現型の生化学的、組織学的、および/または行動的症状を含めた、疾患のリスクの排除もしくは低減、重症度の軽減、または発生の遅延がある。治療的使用に関して、有益な、または所望の結果としては、様々なTrop−2関連疾患もしくは状態(胃、頭頸部、肺、卵巣、および膵臓のがんなど)の1つもしくは複数の症状の発生率の低減もしくはこれらの症状の緩和、疾患を治療するのに要求される他の薬物療法の用量の減少、別の薬物療法の効果の増強、および/または患者のTrop−2関連疾患の進行の遅延などの臨床結果がある。有効投与量は、1回または複数の投与で投与することができる。本発明の目的に関して、薬剤、化合物、または医薬組成物の有効投与量は、直接または間接的に予防的処置または治療的処置を達成するのに十分な量である。臨床状況において理解されるように、薬剤、化合物、または医薬組成物の有効投与量は、別の薬剤、化合物、または医薬組成物と併せて実現しても、しなくてもよい。したがって、「有効投与量」は、1種または複数の治療剤の投与に照らして考慮することができ、1種または複数の他の作用物質と併せて、望ましい結果が実現され得る、または実現される場合、単剤は、有効量で投与されるとみなすことができる。
【0061】
「個体」または「対象」は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。哺乳動物には、それだけに限らないが、家畜、競技動物、ペット、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウス、およびラットも含まれる。
【0062】
本明細書において、「ベクター」は、宿主細胞内で、対象とする1種または複数の遺伝子または配列を送達、および好ましくは発現することができるコンストラクトを意味する。ベクターの例としては、それだけに限らないが、ウイルスベクター、裸のDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、カチオン性縮合剤に付随したDNAまたはRNA発現ベクター、リポソーム中に被包されたDNAまたはRNA発現ベクター、および産生細胞などのある特定の真核細胞がある。
【0063】
本明細書において、「発現制御配列」は、核酸の転写を指示する核酸配列を意味する。発現制御配列は、プロモーター、例えば、構成的プロモーターもしくは誘導プロモーター、またはエンハンサーなどであり得る。発現制御配列は、転写される核酸配列に作動可能に連結される。
【0064】
本明細書において、「薬学的に許容できる担体」または「薬学的に許容できる賦形剤」には、活性成分と合わせたとき、成分に生物活性を保持させ、対象の免疫系と非反応性である任意の材料が含まれる。例としては、それだけに限らないが、標準的な薬学的担体、例えば、リン酸緩衝溶液、水、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、および様々なタイプの湿潤剤などのいずれかがある。エアロゾルまたは非経口投与用の好適な希釈剤は、リン酸緩衝溶液(PBS)または通常の(0.9%)生理食塩水である。このような担体を含む組成物は、周知の従来法によって製剤化される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18版、A.Gennaro編、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1990;およびRemington、The Science and Practice of Pharmacy、21版、Mack Publishing、2005を参照)。
【0065】
用語「アシルドナーグルタミン含有タグ」または「グルタミンタグ」は、本明細書において、トランスグルタミナーゼアミン受容体として作用する1つまたは複数のGln残基を含有するポリペプチドまたはタンパク質を指す。例えば、WO2012059882を参照。
【0066】
用語「k
on」は、本明細書において、抗体の抗原への会合の速度定数を指す。具体的には、速度定数(k
onおよびk
off)ならびに平衡解離定数は、Fab抗体断片(すなわち、一価)ならびにTrop−2タンパク質(例えば、Trop−2−Fc融合タンパク質)を使用して測定される。
【0067】
用語「k
off」は、本明細書において、抗体/抗原複合体からの抗体の解離の速度定数を指す。
【0068】
用語「K
D」は、本明細書において、抗体−抗原相互作用の平衡解離定数を指す。
【0069】
本明細書で「約」のついた値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象としている実施形態を含む(かつ記述する)。例えば、「約X」に言及する記述は、「X」の記述を含む。数値範囲は、その範囲を画定する数値を含む。
【0070】
実施形態が「含む」という言葉を用いて本明細書に記載されている場合は必ず、「からなる」および/または「から本質的になる」の観点から記載される別段の類似の実施形態も提供されることが理解される。
【0071】
本発明の態様または実施形態が選択肢のマーカッシュ群または他の分類の観点から記載される場合、本発明は、全体として列挙された群全体だけでなく、群の各メンバーを個々に、および主群のすべての可能な亜群、また群メンバーの1つまたは複数を欠く主群を包含する。本発明は、請求項に係る発明における群メンバーのいずれかの1つまたは複数を明確に除外することも想定する。
【0072】
別段の定義のない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が支配する。本明細書および特許請求の範囲全体にわたって、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含むこと」などの変形は、述べた整数または整数の群を含めることを暗示するが、任意の他の整数または整数の群の除外を暗示しないことが理解されるであろう。脈絡による別段の要求のない限り、単数形の用語は、複数を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。
【0073】
例示的な方法および材料を本明細書に記載するが、本明細書に記載のものと同様または等価な方法および材料も、本発明の実施または試験において使用することができる。材料、方法、および例は、例示的であるだけであり、限定的であるように意図していない。
【0074】
Trop−2抗体およびこれらを作製する方法
本発明は、Trop−2に結合する抗体を提供する。一態様では、本発明は、表面プラズモン共鳴によって測定して6.5nM以下の一価抗体結合親和性(K
D)でヒトTrop−2(例えば、配列番号27)のドメイン3(例えば、アミノ酸残基153〜206)およびドメイン4(例えば、アミノ酸残基209〜274)に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合断片を提供する。別の態様では、本発明は、表面プラズモン共鳴によって測定して約35nM以下の結合親和性(K
D)でヒトTrop−2(例えば、配列番号27)のドメイン1(例えば、アミノ酸残基27〜71)に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0075】
本発明の抗体および抗体コンジュゲートは、以下の特性のうちの任意の1つまたは複数を特徴とする:(a)Trop−2への結合、(b)Trop−2のタンパク質発現の減少または下方制御、(c)対象におけるTrop−2発現に関連した状態(例えば、がん、例えば、胃、頭頸部、肺、卵巣、または膵臓のがんなど)の1つまたは複数の症状の治療、予防、緩和、(d)対象(Trop−2発現腫瘍を有する)における腫瘍増殖または進行の阻害、(e)対象(1つまたは複数のTrop−2発現がん細胞を有する)におけるTrop−2発現がん細胞の転移の阻害、(f)Trop−2発現腫瘍の退縮(例えば、長期間退縮)の誘導、(g)Trop−2発現細胞内での細胞傷害活性の発揮、(h)ERK1/2 MAPK経路の不活化または下方制御、および(i)他のまだ同定されていない因子とのTrop−2相互作用の遮断。
【0076】
本発明で有用な抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)
2、Fv、Fcなど)、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲート抗体、単鎖(ScFv)、これらの突然変異体、抗体部分(例えば、ドメイン抗体)を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、ならびに抗体のグリコシル化バリアント、抗体のアミノ酸配列バリアント、および共有結合的に修飾された抗体を含めた、要求された特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾された構成を包含することができる。抗体は、マウス、ラット、ヒト、または任意の他の起源(キメラ抗体もしくはヒト化抗体を含む)であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体は、モノクローナル抗体である。例えば、Trop−2抗体は、ヒト化モノクローナル抗体またはキメラモノクローナル抗体である。
【0078】
いくつかの実施形態では、抗体は、修飾定常領域、例えば、限定することなく、免疫応答を誘発する潜在性が増大した定常領域などを含む。例えば、定常領域は、Fcγ受容体、例えば、FcγRI、FcγRIIA、またはFcγIIIなどに対して増大した親和性を有するように修飾することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、抗体は、修飾定常領域、例えば、免疫学的に不活性な、すなわち、免疫応答を誘発する潜在性が低減した定常領域などを含む。いくつかの実施形態では、定常領域は、Eur.J.Immunol.、29:2613〜2624、1999、PCT出願第PCT/GB99/01441号、および/または英国特許出願第98099518号に記載されているように修飾される。Fcは、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3、またはヒトIgG4であり得る。Fcは、アミノ酸残基が野生型IgG2配列を参照して番号付けられている、A330P331からS330S331への突然変異(IgG2Δa)を含有するヒトIgG2とすることができる。Eur.J.Immunol.、29:2613〜2624、1999。いくつかの実施形態では、抗体は、以下の突然変異を含むIgG
4の定常領域を含む(Armourら、Molecular Immunology、40、585〜593、2003):番号付けが野生型IgG4を参照している、E233F234L235からP233V234A235(IgG4Δc)。さらに別の実施形態では、Fcは、欠失G236を伴ったE233F234L235からP233V234A235への突然変異(IgG4Δb)を含有するヒトIgG4である。別の実施形態では、Fcは、S228からP228へのヒンジ安定化突然変異を含有する任意のヒトIgG4 Fc(IgG4、IgG4Δb、またはIgG4Δc)である。(Aalberseら、Immunology、105、9〜19、2002)。別の実施形態では、Fcは、非グリコシル化Fcであり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、定常領域は、オリゴ糖付着残基(Asn297など)および/または定常領域中のグリコシル化認識配列の一部であるフランキング残基を突然変異させることによって非グリコシル化されている。いくつかの実施形態では、定常領域は、酵素的にN結合型グリコシル化について非グリコシル化されている。定常領域は、酵素的に、またはグリコシル化欠損宿主細胞内の発現によって、N結合型グリコシル化について非グリコシル化されていてもよい。
【0081】
Trop−2に対する抗体の結合親和性を決定する一方法は、抗体の単機能Fab断片の結合親和性を測定することによるものである。単機能Fab断片を得るために、抗体(例えば、IgG)をパパインで切断し、または組換えで発現させることができる。抗体のTrop−2 Fab断片の親和性は、事前固定化ストレプトアビジンセンサーチップ(SA)を備えた表面プラズモン共鳴(Biacore(商標)3000(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)システム、Biacore(商標)、INC、Piscataway NJ)、またはHBS−EPランニング緩衝液(0.01MのHEPES、pH7.4、0.15のNaCl、3mMのEDTA、0.005% v/vの界面活性剤P20)を使用する抗マウスFcもしくは抗ヒトFcによって決定することができる。ビオチン化またはFc融合ヒトTrop−2を、0.5μg/mL未満の濃度までHBS−EP緩衝液中に希釈し、多様な接触時間を使用して個々のチップチャネルにわたって注入して、2つの範囲の抗原密度、すなわち、詳細な動的試験用の50〜200反応単位(RU)、またはスクリーニングアッセイ用の800〜1,000RUを実現することができる。再生試験は、25% v/vのエタノール中の25mMのNaOHにより、200超の注入について、チップ上にTrop−2の活性を保持しながら結合Fabが有効に取り出されることを示した。一般に、精製Fab試料の連続希釈液(0.1〜10倍の推定K
Dの濃度に及ぶ)を、100μL/分で1分間注入し、最大2時間の解離時間が与えられる。Fabタンパク質の濃度は、標準として既知の濃度(アミノ酸分析によって求めた)のFabを使用して、ELISAおよび/またはSDS−PAGE電気泳動によって決定される。動的会合速度(k
on)および解離速度(k
off)は、BIAevaluationプログラムを使用して、1:1のラングミュア結合モデル(Karlsson,R.、Roos,H.、Fagerstam,L.、Petersson,B.(1994)、Methods Enzymology、6、99〜110)にデータを包括的にフィッティングすることによって同時に得られる。平衡解離定数(K
D)値は、k
off/k
onとして計算される。このプロトコールは、ヒトTrop−2、別の哺乳動物のTrop−2(マウスTrop−2、ラットTrop−2、または霊長類Trop−2など)、および異なる形態のTrop−2(例えば、グリコシル化Trop−2)を含めた、任意のTrop−2に対する抗体の結合親和性の決定において使用するのに適している。抗体の結合親和性は一般に、25℃で測定されるが、37℃でも測定され得る。
【0082】
本明細書に記載のTrop−2抗体は、当技術分野で公知の任意の方法によって作製することができる。ハイブリドーマ細胞株を生成するために、宿主動物の免疫化の経路およびスケジュールは一般に、本明細書でさらに記載するように、抗体を刺激および生成するための確立された技法および慣例的な技法を踏まえている。ヒトおよびマウス抗体を生成するための一般的な技法は、当技術分野で公知であり、かつ/または本明細書に記載されている。
【0083】
ヒトを含めた任意の哺乳動物対象またはそれに由来する抗体産生細胞を、ヒトを含めた哺乳動物およびハイブリドーマ細胞株を生成するための基盤として機能を果たすように操作することができることが企図されている。一般に、宿主動物は、本明細書に記載するように、腹腔内、筋肉内、経口的、皮下、足底内、および/または皮内に、ある量の免疫原を接種される。
【0084】
ハイブリドーマは、Kohler,B.およびMilstein,C.、Nature、256:495〜497、1975の、またはBuck,D.W.ら、In Vitro、18:377〜381、1982によって改良された一般的な体細胞ハイブリダイゼーション技法を使用して、リンパ球および不死化骨髄腫細胞から調製することができる。それだけに限らないが、X63−Ag8.653、およびthe Salk Institute、Cell Distribution Center、San Diego、Calif.、USAからのものを含めた利用可能な骨髄腫株を、ハイブリダイゼーションで使用することができる。一般に、この技法では、ポリエチレングリコールなどの融合剤を使用して、または当業者に周知の電気的手段によって、骨髄腫細胞およびリンパ系細胞を融合する。融合後、細胞は、融合培地から分離され、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)培地などの選択的増殖培地内で増殖されて未ハイブリダイズ親細胞が排除される。血清の有無にかかわらず補充された、本明細書に記載の培地のいずれも、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを培養するのに使用することができる。細胞融合技法の別の選択肢として、EBV不死化B細胞を使用して、対象発明のTrop−2モノクローナル抗体を生成することができる。ハイブリドーマは、必要に応じて、展開およびサブクローニングされ、慣例的なイムノアッセイ手順(例えば、ラジオイムノアッセイ、酵素免疫アッセイ、または蛍光イムノアッセイ)によって抗免疫原活性について上清がアッセイされる。
【0085】
抗体源として使用され得るハイブリドーマは、Trop−2に特異的なモノクローナル抗体、またはこれらの一部を産生するすべての誘導体、親ハイブリドーマの子孫細胞を包含する。
【0086】
このような抗体を産生するハイブリドーマは、公知の手順を使用して、in vitroまたはin vivoで増殖させることができる。モノクローナル抗体は、必要に応じて、慣例的な免疫グロブリン精製手順、例えば、硫安分画、ゲル電気泳動、透析、クロマトグラフィー、および限外濾過などによって、培地または体液から単離することができる。望まれない活性は、存在する場合、例えば、固相に付着した免疫原でできた吸着剤上に配合物を流し、免疫原から所望の抗体を溶出または放出することによって除去することができる。ヒトTrop−2、または免疫される種内で免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシニアン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、もしくはダイズトリプシン阻害剤にコンジュゲートした標的アミノ酸配列を含有する断片を用いて、二機能性剤または誘導体化剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基によるコンジュゲーション)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基による)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl
2、またはR
1N=C=NR(式中、RおよびR
1は、異なるアルキル基である)を使用して、宿主動物を免疫化すると、抗体(例えば、モノクローナル抗体)の集団を生じさせることができる。
【0087】
必要に応じて、対象とするTrop−2抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)を配列決定し、次いで、ポリヌクレオチド配列をベクター中にクローン化し、発現または増殖させることができる。対象とする抗体をコードする配列を、宿主細胞内のベクター中に維持することができ、次いで宿主細胞を展開し、将来使用するために凍結することができる。細胞培養物内での組換えモノクローナル抗体の生成は、当技術分野で公知の手段によって、B細胞から抗体遺伝子をクローニングすることによって実施することができる。例えば、Tillerら、J.Immunol.Methods、329、112、2008、米国特許第7,314,622号を参照。
【0088】
代替案では、ポリヌクレオチド配列を遺伝子操作に使用して、抗体を「ヒト化」し、または抗体の親和性もしくは他の特性を改善することができる。例えば、抗体がヒトにおける臨床試験および治療で使用される場合、定常領域をヒト定常領域により近く類似しているように遺伝子工学的に改変して、免疫応答を回避することができる。Trop−2に対するより大きい親和性、およびTrop−2阻害のより大きい効力を得るために、抗体配列を遺伝子操作することが望ましい場合がある。
【0089】
モノクローナル抗体をヒト化するのに4つの一般的なステップがある。これらは、(1)出発抗体の軽鎖および重鎖可変ドメインのヌクレオチドおよび予測アミノ酸配列の決定、(2)ヒト化抗体の設計、すなわち、どの抗体フレームワーク領域をヒト化プロセスの間に使用するかの決定(3)実際のヒト化方法/技法、および(4)ヒト化抗体のトランスフェクションおよび発現である。例えば、米国特許第4,816,567号、同第5,807,715号、同第5,866,692号、同第6,331,415号、同第5,530,101号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,585,089号、および同第6,180,370号を参照。
【0090】
げっ歯類または修飾げっ歯類V領域、およびヒト定常領域に融合したこれらの関連CDRを有するキメラ抗体を含めた、非ヒト免疫グロブリンに由来する抗原結合部位を含むいくつかの「ヒト化」抗体分子が記載されている。例えば、Winterら、Nature、349:293〜299、1991、Lobuglioら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、86:4220〜4224、1989、Shawら、J Immunol.、138:4534〜4538、1987、およびBrownら、Cancer Res.、47:3577〜3583、1987を参照。他の参考文献には、適切なヒト抗体定常領域と融合する前に、ヒト支持フレームワーク領域(FR)中に移植されたげっ歯類CDRが記載されている。例えば、Riechmannら、Nature、332:323〜327、1988、Verhoeyenら、Science、239:1534〜1536、1988、およびJonesら、Nature、321:522〜525、1986を参照。別の参考文献には、組換え遺伝子工学的に改変されたげっ歯類フレームワーク領域によって支持されたげっ歯類CDRが記載されている。例えば、欧州特許公開第0519596号を参照。これらの「ヒト化」分子は、ヒトレシピエントにおけるこれらの部分の治療用途の持続時間および有効性を制限する、げっ歯類抗ヒト抗体分子に対する望まれない免疫応答を最小限にするように設計される。例えば、抗体定常領域を、免疫学的に不活性である(例えば、補体溶解を誘発しない)ように遺伝子工学的に改変することができる。例えば、PCT公開第PCT/GB99/01441号、英国特許出願第9809951.8号を参照。やはり利用することができる、抗体をヒト化する他の方法は、Daughertyら、Nucl.Acids Res.、19:2471〜2476、1991によって、米国特許第6,180,377号、同第6,054,297号、同第5,997,867号、同第5,866,692号、同第6,210,671号、および同第6,350,861号に、ならびにPCT公開第WO01/27160号に開示されている。
【0091】
上記に論じたヒト化抗体に関する一般的原理はまた、例えば、イヌ、ネコ、霊長類、ウマ、およびウシにおいて使用するために抗体をカスタマイズするのに適用可能である。さらに、本明細書に記載の抗体をヒト化する1つまたは複数の態様、例えば、CDR移植、フレームワーク突然変異、およびCDR突然変異を組み合わせることができる。
【0092】
一変形形態では、特定のヒト免疫グロブリンタンパク質を発現するように遺伝子工学的に改変された市販のマウスを使用することによって、完全ヒト抗体を得ることができる。より望ましい(例えば、完全ヒト抗体)、またはよりロバストな免疫応答を生じるように設計されたトランスジェニック動物も、ヒト化抗体またはヒト抗体を生成するのに使用することができる。このような技術の例は、Abgenix,Inc.(Fremont、CA)製のXenomouse(商標)、ならびにMedarex,Inc.(Princeton、NJ)製のHuMAb−Mouse(登録商標)およびTC Mouse(商標)である。
【0093】
代替案では、抗体を組換えで作製し、当技術分野で公知の任意の方法を使用して発現させることができる。別の代替案では、抗体をファージディスプレイ技術によって組換えで作製することができる。例えば、米国特許第5,565,332号、同第5,580,717号、同第5,733,743号、および同第6,265,150号、ならびにWinterら、Annu.Rev.Immunol.、12:433〜455、1994を参照。代わりに、ファージディスプレイ技術(McCaffertyら、Nature、348:552〜553、1990)を使用して、非免疫化ドナーに由来する免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、in vitroでヒト抗体および抗体断片を生成することができる。この技法によれば、抗体Vドメイン遺伝子が、糸状バクテリオファージのメジャーまたはマイナーコートタンパク質遺伝子、例えば、M13またはfdなどの中にインフレームでクローニングされ、ファージ粒子の表面上に機能的な抗体断片としてディスプレイされる。糸状粒子は、ファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含有するので、抗体を機能的性質に基づいて選択すると、これらの性質を呈する抗体をコードする遺伝子も選択される。したがって、ファージは、B細胞の性質の一部を模倣する。ファージディスプレイは、様々な形式で実施することができる。総説については、例えば、Johnson,Kevin S.およびChiswell,David J.、Current Opinion in Structural Biology、3:564〜571、1993を参照。V遺伝子セグメントのいくつかの源を、ファージディスプレイに使用することができる。Clacksonら、Nature、352:624〜628、1991は、免疫化マウスの脾臓に由来するV遺伝子の小ランダムコンビナトリアルライブラリーから、抗オキサゾロン抗体の多様なアレイを単離した。Markら、J.Mol.Biol.、222:581〜597、1991、またはGriffithら、EMBO J.、12:725〜734、1993によって記載された技法に本質的に従って、非免疫化ヒトドナーに由来するV遺伝子のレパートリーを構築することができ、抗原(自己抗原を含む)の多様なアレイに対する抗体を単離することができる。天然の免疫応答では、抗体遺伝子は、高い割合で突然変異を蓄積する(体細胞超変異)。導入された変化のいくつかが、より高い親和性を付与することになり、高親和性表面免疫グロブリンをディスプレイするB細胞が、後続の抗原チャレンジの間に選択的に複製および分化される。この自然過程は、「鎖シャッフリング」として公知の技法を使用することによって模倣することができる(Marksら、Bio/Technol.、10:779〜783、1992)。この方法では、ファージディスプレイによって得られる「一次」ヒト抗体の親和性は、非免疫化ドナーから得られるVドメイン遺伝子の天然に存在するバリアントのレパートリー(レパートリー)で、重鎖および軽鎖V領域遺伝子を順次置き換えることによって改善することができる。この技法により、pM〜nM範囲の親和性を有する抗体および抗体断片の生成が可能になる。非常に大きいファージ抗体レパートリー(「マザーオブオールライブラリー」としても公知)を作製するためのストラテジーが、Waterhouseら、Nucl.Acids Res.、21:2265〜2266、1993によって記載されている。げっ歯類抗体からヒト抗体を導出するのに遺伝子シャフリングも使用することができ、この場合、ヒト抗体は、出発げっ歯類抗体と同様の親和性および特異性を有する。「エピトープ刷り込み」とも呼ばれるこの方法によれば、ファージディスプレイ技法によって得られるげっ歯類抗体の重鎖または軽鎖Vドメイン遺伝子がヒトVドメイン遺伝子のレパートリーと置き換えられ、げっ歯類−ヒトキメラが作り出される。抗原の選択により、機能的抗原結合部位を回復することができるヒト可変領域が単離され、すなわち、エピトープがパートナーの選択を支配する(刷り込む)。残りのげっ歯類Vドメインを置き換えるためにこのプロセスが繰り返されると、ヒト抗体が得られる(PCT公開第WO93/06213を参照)。CDR移植によるげっ歯類抗体の伝統的なヒト化と異なり、この技法は、げっ歯類起源のフレームワークまたはCDR残基をまったく有さない完全ヒト抗体をもたらす。
【0094】
抗体は、宿主動物から抗体および抗体産生細胞を最初に単離し、遺伝子配列を得、遺伝子配列を使用して、宿主細胞(例えば、CHO細胞)内で抗体を組換えで発現させることによって組換えで作製することができる。使用することができる別の方法は、植物(例えば、タバコ)またはトランスジェニック乳内で抗体配列を発現させることである。植物または乳内で、組換えで抗体を発現させるための方法は、開示されている。例えば、Peetersら、Vaccine、19:2756、2001、Lonberg,N.およびD.Huszar、Int.Rev.Immunol、13:65、1995、ならびにPollockら、J Immunol Methods、231:147、1999を参照。抗体の誘導体、例えば、ヒト化、単鎖などを作製するための方法は、当技術分野で公知である。
【0095】
イムノアッセイ、および蛍光活性化細胞分類(FACS)などのフローサイトメトリーソーティング技法も、Trop−2に対して特異的な抗体を単離するのに使用することができる。
【0096】
本明細書に記載の抗体は、多くの異なる担体に結合することができる。担体は、活性および/または不活性であり得る。周知の担体の例としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、ガラス、天然および変性セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、ならびに磁鉄鉱がある。担体の性質は、本発明の目的に関して可溶性または不溶性であり得る。当業者は、結合抗体用の他の適当な担体が分かり、または日常の実験を使用してこのようなものを確認することができるであろう。いくつかの実施形態では、担体は、心筋を標的にする部分を含む。
【0097】
モノクローナル抗体をコードするDNAは、慣例的な手順を使用して(例えば、モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離および配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAなどの好適な源として機能を果たす。単離した後、発現ベクター(PCT公開第WO87/04462号に開示された発現ベクターなど)内にDNAを配置することができ、次いでこれらは、宿主細胞、例えば、大腸菌(E.coli)細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または免疫グロブリンタンパク質を他の方法で産生しない骨髄腫細胞などの中にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成が得られる。例えば、PCT公開第WO87/04462号を参照。DNAは、例えば、相同マウス配列の代わりにヒト重鎖および軽鎖定常領域のコード配列を置換することによって、Morrisonら、Proc.Nat.Acad.Sci.、81:6851、1984、または免疫グロブリンコード配列に、非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列のすべてもしくは一部を共有結合的に接合することによって、修飾することもできる。その様式で、本明細書のTrop−2モノクローナル抗体の結合特異性を有する「キメラ」または「ハイブリッド」抗体が調製される。
【0098】
本明細書に記載のTrop−2抗体は、Trop−2発現レベルの低減が検出および/または測定される、当技術分野で公知の方法を使用して同定し、または特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、Trop−2抗体は、候補剤をTrop−2とともにインキュベートし、Trop−2発現レベルの結合および/または付随的低減を監視することによって同定される。結合アッセイは、精製Trop−2ポリペプチド(複数可)を用いて、またはTrop−2ポリペプチド(複数可)を天然に発現し、もしくはこれらを発現するようにトランスフェクトされた細胞を用いて実施することができる。一実施形態では、結合アッセイは、競合的結合アッセイであり、この場合、候補抗体がTrop−2結合を公知のTrop−2抗体と競合する能力が評価される。アッセイは、ELISA形式を含めて様々な形式で実施することができる。
【0099】
最初に同定した後、候補Trop−2抗体の活性を、標的にされる生物活性を試験することが知られているバイオアッセイによってさらに確認および洗練することができる。代わりに、バイオアッセイを使用して、候補を直接スクリーニングすることができる。Trop−2抗体を同定し、特徴づけるための方法のいくつかを、実施例で詳細に記載する。
【0100】
Trop−2抗体は、当技術分野で周知の方法を使用して特徴付けることができる。例えば、一方法は、これが結合するエピトープを同定すること、または「エピトープマッピング」である。例えば、HarlowおよびLane、Using Antibodies、a Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、1999の11章に記載されている、抗体−抗原複合体の結晶構造の解明、競合アッセイ、遺伝子断片発現アッセイ、および合成ペプチドベースアッセイを含めて、タンパク質上のエピトープの位置をマッピングおよび特徴付けるための多くの当技術分野で公知の方法がある。追加の例では、エピトープマッピングを使用して、Trop−2抗体が結合する配列を求めることができる。エピトープマッピングは、様々な源、例えば、Pepscan Systems(Edelhertweg 15、8219 PH Lelystad、オランダ)から商業的に利用可能である。エピトープは、線状エピトープであり得、すなわち、アミノ酸の単一ストレッチ内に含有され得、または必ずしも単一ストレッチ内に含有されていない場合がある、アミノ酸の3次元相互作用によって形成される立体構造エピトープであり得る。様々な長さ(例えば、少なくとも4〜6アミノ酸の長さ)のペプチドを、単離または合成し(例えば、組換えで)、Trop−2抗体を用いた結合アッセイに使用することができる。別の例では、Trop−2抗体が結合するエピトープは、Trop−2配列に由来する重複ペプチドを使用し、Trop−2抗体による結合を決定することによって、系統的なスクリーニングで決定することができる。遺伝子断片発現アッセイによれば、Trop−2をコードするオープンリーディングフレームがランダムに、または特定の遺伝子構築によって断片化され、Trop−2の発現断片の試験される抗体との反応性が決定される。遺伝子断片は、例えば、放射性アミノ酸の存在下で、in vitroで、PCRによって生成され、次いで転写され、およびタンパク質に翻訳され得る。次いで放射性標識Trop−2断片への抗体の結合が、免疫沈降およびゲル電気泳動によって決定される。ある特定のエピトープは、ファージ粒子の表面上にディスプレイされたランダムペプチド配列の大きいライブラリー(ファージライブラリー)を使用することによっても同定することができる。代わりに重複ペプチド断片の定義されたライブラリーを、単純な結合アッセイで試験抗体への結合について試験することができる。追加の例では、抗原結合ドメインの突然変異誘発、ドメイン交換実験、およびアラニンスキャニング突然変異誘発を実施して、エピトープ結合に要求され、十分な、かつ/または必要な残基を同定することができる。例えば、ドメイン交換実験は、Trop−2タンパク質の様々な断片が、別の種(例えば、マウス)に由来するTrop−2からの配列、または密接に関係するが抗原性の異なるタンパク質(例えば、Trop−1)で置き換えられた(交換された)突然変異体Trop−2を使用して実施することができる。突然変異体Trop−2への抗体の結合を評価することによって、抗体結合に対する特定のTrop−2断片の重要性を評価することができる。
【0101】
Trop−2抗体を特徴付けるのに使用することができるさらに別の方法は、同じ抗原、すなわち、Trop−2上の様々な断片に結合することが知られている他の抗体との競合アッセイを使用して、Trop−2抗体が他の抗体と同じエピトープに結合するか否かを決定することである。競合アッセイは、当業者に周知である。
【0102】
発現ベクターをTrop−2抗体の直接発現に使用することができる。当業者は、in vivoで外因性タンパク質の発現を得るための発現ベクターの投与に精通している。例えば、米国特許第6,436,908号、同第6,413,942号、および同第6,376,471号を参照。発現ベクターの投与としては、注入、経口投与、粒子銃もしくはカテーテル挿入投与、および局部投与を含めた局所投与または全身投与がある。別の実施形態では、発現ベクターは、交感神経幹もしくは神経節に、または冠動脈、心房、心室、もしくは心膜内に直接投与される。
【0103】
発現ベクターまたはサブゲノムポリヌクレオチドを含有する治療用組成物の標的化送達も使用することができる。受容体媒介DNA送達技法は、例えば、Findeisら、Trends Biotechnol.、1993、11:202、Chiouら、Gene Therapeutics:Methods And Applications Of Direct Gene Transfer、J.A.Wolff編、1994、Wuら、J.Biol.Chem.、263:621、1988、Wuら、J.Biol.Chem.、269:542、1994、Zenkeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:3655、1990、およびWuら、J.Biol.Chem.、266:338、1991に記載されている。ポリヌクレオチドを含有する治療用組成物は、遺伝子療法プロトコールの局所投与に関して、約100ng〜約200mgのDNAの範囲内で投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μgのDNAの濃度範囲も、遺伝子療法プロトコールの間に使用することができる。治療用ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、遺伝子送達ビヒクルを使用して送達することができる。遺伝子送達ビヒクルは、ウイルス起源であっても、非ウイルス起源であってもよい(一般に、Jolly、Cancer Gene Therapy、1:51、1994、Kimura、Human Gene Therapy、5:845、1994、Connelly、Human Gene Therapy、1995、1:185、およびKaplitt、Nature Genetics、6:148、1994を参照)。このようなコード配列の発現は、内因性哺乳動物プロモーターまたは異種プロモーターを使用して誘導され得る。コード配列の発現は、構成的であってもよく、または制御されてもよい。
【0104】
所望のポリヌクレオチドを送達し、所望の細胞内で発現させるためのウイルス系ベクターは、当技術分野で周知である。例示的なウイルス系ビヒクルとしては、それだけに限らないが、組換えレトロウイルス(例えば、PCT公開第WO90/07936号、同第WO94/03622号、同第WO93/25698号、同第WO93/25234号、同第WO93/11230号、同第WO93/10218号、同第WO91/02805号、米国特許第5,219,740号および同第4,777,127号、英国特許第2,200,651号、ならびに欧州特許第0345242号を参照)、アルファウイルス系ベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67、ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−373、ATCC VR−1246)、ならびにベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923、ATCC VR−1250、ATCC VR1249、ATCC VR−532))、ならびにアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(例えば、PCT公開第WO94/12649号、同第WO93/03769号、同第WO93/19191号、同第WO94/28938号、同第WO95/11984号、および同第WO95/00655を参照)がある。Curiel、Hum.Gene Ther.、1992、3:147に記載された死滅アデノウイルスに連結したDNAの投与も使用することができる。
【0105】
それだけに限らないが、死滅アデノウイルス単独に連結した、または連結していないポリカチオン凝縮DNA(例えば、Curiel、Hum.Gene Ther.、3:147、1992を参照)、リガンド連結DNA(例えば、Wu、J.Biol.Chem.、264:16985、1989を参照)、真核細胞送達ビヒクル細胞(例えば、米国特許第5,814,482号、PCT公開第WO95/07994号、同第WO96/17072号、同第WO95/30763号、および同第WO97/42338号を参照)、ならびに核電荷中和または細胞膜との融合を含めた、非ウイルス送達ビヒクルならびに方法も使用することができる。裸のDNAも使用することができる。例示的な裸のDNA導入方法は、PCT公開第WO90/11092号、および米国特許第5,580,859号に記載されている。遺伝子送達ビヒクルとして作用することができるリポソームは、米国特許第5,422,120号、PCT公開第WO95/13796号、同第WO94/23697号、同第WO91/14445号、およびEP0524968に記載されている。追加の手法は、Philip、Mol.CellBiol.、14:2411、1994、およびWoffendin、Proc.Natl.Acad.Sci.、91:1581、1994に記載されている。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の抗体を含み、または本方法によって作製され、本明細書に記載の特性を有する、医薬組成物を含めた組成物を包含する。本明細書において、組成物は、Trop−2に結合する1種もしくは複数の抗体および/または1つもしくは複数のこれらの抗体をコードする配列を含む1つもしくは複数のポリヌクレオチドを含む。これらの組成物は、当技術分野で周知である、緩衝液を含めた薬学的に許容できる賦形剤などの適当な賦形剤をさらに含むことができる。
【0107】
したがって、本発明は、以下のうちのいずれか、または以下のうちのいずれかを含む組成物(医薬組成物を含む)を提供する:(a)下記の部分軽鎖配列を有する抗体
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASKSVSTSGYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYCQHSRELPYTFGGGTKLEIK(配列番号1)、
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCRASKSVSTSGYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSRELPYTFGQGTKLEIK(配列番号3)、
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCRASKSVSTSLYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSRELPYTFGQGTKLEI K(配列番号6)、DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCRASKSVSTSNYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSRELPYTFGQGTKLEIK(配列番号7)、
DILLTQSPAILSVSPGERVSFSCRASQTIGTSIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQSNSWPFTFGSGTKLEIK(配列番号8)、
GVHSEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQTIGTSIHWYQQKPGQAPRLLIYYASESISGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSNSWPFTFGQGTKLEIK(配列番号10)、もしくは
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQTIGTSIHWYQQKPGQAPRLLIYYASESISGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCSQSFSWPFTFGQGTKLEIK(配列番号12)
および/または(b)下記の部分重鎖配列を有する抗体
QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLTSYGVHWVRQPPGKGLEWLGVIWTGGSTDYNSALMSRLSINKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAMYYCARDGDYDRYTMDYWGQGTSVTVSS(配列番号2)、
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSYGVHWIRQPPGKGLEWIGVIWTGGSTDYNSALMSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARDGDYDRYTMDYWGQGTLVTVSS(配列番号4)、
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSYGVHWIRQPPGKGLEWIGVIWTSGVTDYNSALMGRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARDGDYDRYTMDYWGQGTLVTVSS(配列番号5)、
QVQLQQPGAELVRPGASVKLSCKASGYTFTSYWINWVKQRPGHGLEWIGNIYPSDSYSNYNQKFKDKATLTVDKSSSTAYMQVSSPTSEDSAVYYCTYGSSFDYWGQGTTVTVSS(配列番号9)、
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWINWVRQAPGQGLEWMGNIYPSDSYSNYNQKFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGSSFDYWGQGTLVTVSS(配列番号11)、もしくは
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWINWVRQAPGQGLEWMGNIFPSDSYSNYNKKFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGSGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号13)。
【0110】
【表1-3】
表1中、下線を引いた配列は、KabatによるCDR配列であり、太字は、ChothiaによるCDR配列である
【0111】
本発明は、Trop−2に対する抗体のCDR部分(Chothia、Kabat CDR、およびCDR接触領域を含む)も提供する。CDR領域の決定は、当技術分野の技術の十分範囲内である。いくつかの実施形態では、CDRは、KabatおよびChothiaのCDRの組合せであり得る(「組合せCDR」または「拡張CDR」とも呼ばれる)ことが理解される。いくつかの実施形態では、CDRは、Kabat CDRである。他の実施形態では、CDRは、Chothia CDRである。言い換えれば、複数のCDRを有する実施形態では、CDRは、Kabat、Chothia、組合せCDR、またはこれらの組合せのいずれかであり得る。表2は、本明細書に提供されるCDR配列の例を提供する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本発明は、Trop−2に結合し、本明細書に記載の抗体、例えば、m7E6、h7E6、h7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、h7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h7E6_SVGN、m6G11、h6G11、またはh6G11_FKG_SFなどと競合する抗体を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、抗体h7E6_SVG、h7E6_SVG4、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG22、h7E6_SVG28、h7E6_SVG30、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h7E6_SVGN、またはh6G11_FKG_SFと、Trop−2の結合を競合する。いくつかの実施形態では、抗体は、抗体h7E6_SVGとTrop−2の結合を競合し、表面プラズモン共鳴によって測定して、約6.5nM、約6.0nM、約5.5nM、約5.0nM、約4.5nM、約4.0nM、約3.5nM、約3.0nM、約2.5nM、約2.0nM、約1.5nM、約1.0nM、約0.5nM、または約0.25nMのいずれか、またはこれらのいずれか未満の一価抗体結合親和性(K
D)を有する。いくつかの実施形態では、抗体は、抗体h7E6とTrop−2の結合を競合し、約30nM、約25nM、約22nM、約20nM、約15nM、または約10nMのいずれか、またはこれらのいずれか未満の一価抗体結合親和性(K
D)を有する。いくつかの実施形態では、競合抗体は、配列QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLTSYGVHWVRQPPGKGLEWLGVIWTGGSTDYNSALMSRLSINKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAMYYCARDGDYDRYTMDYWGQGTSVTVSS(配列番号2)の重鎖可変領域、および配列DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASKSVSTSGYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYCQHSRELPYTFGGGTKLEIK(配列番号1)の軽鎖可変領域を含まない。いくつかの実施形態では、競合抗体は、抗体AR47A6.4.2でも、AR52A301.5でも、AR36A36.11.1でも、BR110でも、またはRS7でもない。
【0125】
いくつかの実施形態では、本発明は、Trop−2に特異的に結合する抗体または抗原結合断片であって、配列番号5、84、もしくは85に示される配列を含むVH領域、および/または配列番号3に示される配列を含むVL領域を含む、抗体または抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、配列DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCRASKSVSTSGYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSRELPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号66)を含む軽鎖、および配列QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSYGVHWIRQPPGKGLEWIGVIWTSGVTDYNSALMGRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARDGDYDRYTMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号65)を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号66の配列を含む軽鎖、および配列番号101または102の配列を含む重鎖を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、本発明は、Trop−2に特異的に結合する抗体または抗原結合断片であって、配列番号13に示される配列を含むVH領域、および/または配列番号12に示される配列を含むVL領域を含む、抗体または抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、配列EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQTIGTSIHWYQQKPGQAPRLLIYYASESISGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCSQSFSWPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号68)を含む軽鎖、および配列QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWINWVRQAPGQGLEWMGNIFPSDSYSNYNKKFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGSGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号67)を含む重鎖を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、本発明は、CDR接触領域に基づくTrop−2抗体に対する抗体のCDR部分も提供する。CDR接触領域は、抗原に対する抗体に特異性をもたらす、抗体の領域である。一般に、CDR接触領域は、CDR、および抗体が特異的抗原に結合するための適切なループ構造を維持するために束縛されているバーニアゾーン内に残基位置を含む。例えば、Makabeら、J.Biol.Chem.、283:1156〜1166、2007を参照。CDR接触領域の決定は、当技術分野の技術の十分範囲内である。
【0128】
Trop−2(ヒトTrop−2など)への本明細書に記載のTrop−2抗体の結合親和性(K
D)は、約0.002〜約200nMであり得る。いくつかの実施形態では、結合親和性は、約200nM、約100nM、約50nM、約45nM、約40nM、約35nM、約30nM、約25nM、約20nM、約15nM、約10nM、約8nM、約7.5nM、約7nM、約6.5nM、約6nM、約5.5nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、約1nM、約500pM、約100pM、約60pM、約50pM、約20pM、約15pM、約10pM、約5pM、または約2pMのいずれかである。いくつかの実施形態では、結合親和性は、約250nM、約200nM、約100nM、約50nM、約30nM、約20nM、約10nM、約7.5nM、約7nM、約6.5nM、約6nM、約5nM、約4.5nM、約4nM、約3.5nM、約3nM、約2.5nM、約2nM、約1.5nM、約1nM、約500pM、約100pM、約50pM、約20pM、約10pM、約5pM、または約2pMのいずれか未満である。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の結合親和性(例えば、一価抗体結合)は、表面プラズモン共鳴によって測定して約35nM以下である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の結合親和性(例えば、一価抗体結合)は、表面プラズモン共鳴によって測定して約6.5nM以下である。
【0130】
本発明は、これらの抗体のいずれかを作製する方法も提供する。本発明の抗体は、当技術分野で公知の手順によって作製することができる。ポリペプチドは、抗体のタンパク質分解もしくは他の分解によって、上述した組換え法(すなわち、単一もしくは融合ポリペプチド)によって、または化学合成によって生成することができる。抗体のポリペプチド、特に最大約50アミノ酸のより短いポリペプチドは、化学合成によって好都合に作製される。化学合成の方法は、当技術分野で公知であり、商業的に利用可能である。例えば、抗体は、固相法を使用する自動ポリペプチドシンセサイザーによって生成することができる。米国特許第5,807,715号、同第4,816,567号、および同第6,331,415号も参照。
【0131】
別の代替案では、抗体は、当技術分野で周知である手順を使用して組換えで作製することができる。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、抗体m7E6、h7E6、h7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、h7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h7E6_SVGN、m6G11、h6G11、またはh6G11_FKG_SFの重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域をコードする配列を含む。対象とする抗体をコードする配列は、宿主細胞内のベクター中に維持することができ、次いで宿主細胞を展開し、将来使用するために凍結させることができる。ベクター(発現ベクターを含む)および宿主細胞は、本明細書でさらに記載されている。
【0132】
本発明は、本発明の抗体のscFvも包含する。単鎖可変領域断片は、短い連結ペプチドを使用することによって、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を連結することによって作製される(Birdら、Science 242:423〜426、1988)。連結ペプチドの例は、(GGGGS)
3(配列番号80)であり、これは、一方の可変領域のカルボキシ末端と他方の可変領域のアミノ末端との間のおよそ3.5nmを架橋する。他の配列のリンカーも設計および使用されている(Birdら、1988、上記)。リンカーは、短い柔軟なポリペプチドであるべきであり、好ましくは約20アミノ酸残基未満で構成されるべきである。リンカーは、次に、追加の機能、例えば、薬剤の結合または固体支持体への結合などのために修飾することができる。単鎖バリアントは、組換えで、または合成的に生成することができる。scFvの合成生成のために、自動シンセサイザーを使用することができる。scFvの組換え生産のために、scFvをコードするポリヌクレオチドを含有する適当なプラスミドを、酵母、植物、昆虫、もしくは哺乳動物細胞などの真核生物、または大腸菌(E.coli)などの原核生物の適当な宿主細胞内に導入することができる。対象とするscFvをコードするポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドのライゲーションなどの慣例的な操作によって作製することができる。結果として生じるscFvは、当技術分野で公知の標準的なタンパク質精製技法を使用して単離することができる。
【0133】
単鎖抗体の他の形態、例えば、ダイアボディ(diabody)またはミニボディ(minibody)なども包含される。ダイアボディは、重鎖可変(VH)および軽鎖可変(VL)ドメインが、単一ポリペプチド鎖上であるが、短すぎて同じ鎖上の2つのドメイン間で対形成させることができず、それによって前記ドメインを別の鎖の相補的ドメインと強制的に対形成させ、2つの抗原結合部位を作り出すリンカーを使用して発現される、二価の二重特異性抗体である(例えば、Holliger,P.ら、Proc.Natl.Acad Sci.USA、90:6444〜6448、1993;Poljak,R.J.ら、Structure、2:1121〜1123、1994を参照)。ミニボディは、免疫グロブリン分子のヒンジ領域およびCH3ドメインに融合した自然抗体のVLおよびVHドメインを含む。例えば、US5,837,821を参照。
【0134】
例えば、二重特異性抗体、すなわち、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体を、本明細書に開示の抗体を使用して調製することができる。二重特異性抗体を作製するための方法は、当技術分野で公知である(例えば、Sureshら、Methods in Enzymology 121:210、1986を参照)。伝統的に、二重特異性抗体の組換え生産は、2本の重鎖が異なる特異性を有する、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づいていた(MillsteinおよびCuello、Nature 305、537〜539、1983)。
【0135】
二重特異性抗体を作製するための一手法によれば、所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインが、免疫グロブリン定常領域配列に融合される。融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常領域とのものである。融合物の少なくとも1つの中に存在する、軽鎖結合に必要な部位を含有する第1重鎖定常領域(CH1)を有することが好適である。免疫グロブリン重鎖融合物および必要に応じて、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAは、別個の発現ベクター内に挿入され、適当な宿主生物体内にコトランスフェクトされる。これは、構築物内で不等比の3本のポリペプチド鎖が使用されると収率が最適になる実施形態において、3つのポリペプチド断片の相互の比率の調整に大きな柔軟性をもたらす。しかし、少なくとも2本のポリペプチド鎖が等比で発現されると収率が高くなる場合、または比が特に重要でない場合、2本、または3本すべてのポリペプチド鎖のコード配列を1つの発現ベクター内に挿入することが可能である。
【0136】
一手法では、二重特異性抗体は、一方のアーム内の第1の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、および他方のアーム内のハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対(第2の結合特異性をもたらす)から構成される。二重特異性分子の半分のみに免疫グロブリン軽鎖を有する非対称構造は、望まれない免疫グロブリン鎖の組合せからの所望の二重特異性化合物の分離を促進する。この手法は、PCT公開第WO94/04690号内に記載されている。
【0137】
別の手法では、二重特異性抗体は、一方のアーム内の第1ヒンジ領域内のアミノ酸修飾から構成され、第1ヒンジ領域中の置換された/置き換えられたアミノ酸は、別のアーム内の第2ヒンジ領域中の対応するアミノ酸と反対電荷を有する。この手法は、国際特許出願第PCT/US2011/036419号(WO2011/143545)に記載されている。
【0138】
別の手法では、二重特異性抗体は、トランスグルタミナーゼの存在下で、一方のアーム内において、ひとつのエピトープ(例えば、Trop−2)に対する抗体に合わせて遺伝子工学的に改変されたグルタミン含有ペプチドタグ、および別のアーム内において、第2エピトープに対する第2抗体に合わせて遺伝子工学的に改変された別のペプチドタグ(例えば、Lys含有ペプチドタグまたは反応性内因性Lys)を使用して生成することができる。この手法は、国際特許出願第PCT/IB2011/054899(WO2012/059882)に記載されている。
【0139】
2つの共有結合的に接合された抗体を含むヘテロコンジュゲート抗体も、本発明の範囲内である。このような抗体は、免疫系細胞を望まれない細胞に向けるのに(米国特許第4,676,980号)、およびHIV感染を治療するために(PCT公開第WO91/00360号および同第WO92/200373、EP03089)使用されている。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の好都合な架橋法を使用して作製することができる。適当な架橋剤および架橋技法は、当技術分野で周知であり、米国特許第4,676,980号に記載されている。
【0140】
キメラまたはハイブリッド抗体も、架橋剤を伴うものを含めて、合成タンパク質化学の公知の方法を使用してin vitroで調製することができる。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形成することによって構築することができる。この目的用の適当な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデート(mercaptobutyrimidate)がある。
【0141】
組換えヒト化抗体では、Fcγ受容体ならびに補体系および免疫系との相互作用を回避するためにFcγ部分を修飾することができる。このような抗体を調製するための技法は、WO99/58572に記載されている。例えば、抗体がヒトにおける臨床試験および治療で使用される場合、定常領域をヒト定常領域により近く類似しているように遺伝子工学的に改変して、免疫応答を回避することができる。例えば、米国特許第5,997,867号および同第5,866,692号を参照。
【0142】
本発明は、本発明のバリアントの性質に有意に影響しない機能的に等価な抗体、ならびに活性および/または親和性が増強され、もしくは減少したバリアントを含めた、表1に示した本発明のバリアントの抗体およびポリペプチドに対する修飾を包含する。例えば、Trop−2に対する所望の結合親和性を有する抗体を得るために、アミノ酸配列を変異導入することができる。ポリペプチドの修飾は、当技術分野で日常の行為であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。修飾ポリペプチドの例としては、機能活性を著しく有害に変更しない、もしくはそのリガンドに対するポリペプチドの親和性を成熟させる(増強する)、アミノ酸残基の保存的置換、アミノ酸の1つもしくは複数の欠失もしくは付加を用いた、または化学的類似体を使用したポリペプチドがある。
【0143】
アミノ酸配列挿入としては、1つの残基から、100以上の残基を含有するポリペプチドまでの長さの範囲のアミノ末端融合および/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入がある。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体、またはエピトープタグに融合した抗体がある。抗体分子の他の挿入バリアントには、血液循環中で抗体の半減期を増大させる酵素またはポリペプチドの、抗体のN末端またはC末端への融合が含まれる。
【0144】
置換バリアントは、除去された抗体分子内の少なくとも1つのアミノ酸残基、およびその場所内に挿入された異なる残基を有する。置換突然変異誘発の最も大きな関心のある部位には超可変領域が含まれるが、FR変化も企図されている。保存的置換を、「保存的置換」の表題で表3に示す。このような置換が生物活性を変化させる場合、表3で「例示的な置換」と命名した、またはアミノ酸クラスを参照して以下にさらに記載する、より実質的な変化を導入することができ、生成物をスクリーニングすることができる。
【0146】
抗体の生物学的性質の実質的な修飾は、(a)例えば、シートもしくはヘリックスコンホメーションとしての置換範囲内のポリペプチド骨格の構造、(b)標的部位における分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のバルクを維持することに対する置換の効果が有意に異なる置換を選択することによって達成される。天然に存在するアミノ酸残基は、共通の側鎖の性質に基づいて群に分類される:
(1)非極性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)電荷を有さない極性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性(負に荷電した):Asp、Glu;
(4)塩基性(正に荷電した):Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を与える残基:Gly、Pro、および
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe、His。
【0147】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのクラスのメンバーを別のクラスと交換することによって行われる。
【0148】
抗体の適切なコンホメーションの維持に関与していない任意のシステイン残基も、分子の酸化安定性を改善し、異常な架橋を防止するために、一般にセリンと置換することができる。反対に、システイン結合(複数可)を、特に抗体がFv断片などの抗体断片である場合、抗体の安定性を改善するために抗体に付加することができる。
【0149】
アミノ酸修飾は、1つまたは複数のアミノ酸の変更または修飾から、可変領域などの領域の完全な再設計まで及び得る。可変領域を変更すると、結合親和性および/または特異性が変化し得る。いくつかの実施形態では、1〜5個以下の保存的アミノ酸置換がCDRドメイン内で行われる。他の実施形態では、1〜3個以下の保存的アミノ酸置換がCDRドメイン内で行われる。さらに他の実施形態では、CDRドメインは、CDR H3および/またはCDR L3である。
【0150】
修飾には、グリコシル化および非グリコシル化ポリペプチド、ならびに他の翻訳後修飾、例えば、異なる糖でのグリコシル化、アセチル化、およびリン酸化などを有するポリペプチドも含まれる。抗体は、これらの定常領域内の保存位置でグリコシル化される(JefferisおよびLund、Chem.Immunol.、65:111〜128、1997;WrightおよびMorrison、TibTECH、15:26〜32、1997)。免疫グロブリンのオリゴ糖側鎖は、タンパク質の機能(Boydら、Mol.Immunol.、32:1311〜1318、1996;WittweおよびHoward、Biochem.、29:4175〜4180、1990)、ならびにコンホメーションに影響し得る糖タンパク質の部分と、糖タンパク質の提示された三次元表面との分子内相互作用(JefferisおよびLund、上記;WyssおよびWagner、Current Opin.Biotech.、7:409〜416、1996)に影響する。オリゴ糖は、特異的な認識構造に基づいて、ある特定の分子を所与の糖タンパク質のターゲットとする機能を果たすこともできる。抗体のグリコシル化は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)に影響することも報告されている。特に、バイセクティングGlcNAcのの形成を触媒するグリコシルトランスフェラーゼであるβ(1,4)−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)がテトラサイクリンにより発現制御されるCHO細胞は、改善されたADCC活性を有することが報告された(Umanaら、Nature Biotech.、17:176〜180、1999)。
【0151】
抗体のグリコシル化は、一般に、N結合型またはO結合型である。N結合型は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列のアスパラギン−X−セリン、アスパラギン−X−トレオニン、およびアスパラギン−X−システイン(式中、Xは、プロリンを除く任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分がアスパラギン側鎖に酵素的結合するための認識配列である。したがって、ポリペプチド中にこれらのトリペプチド配列のいずれかが存在すると、潜在的なグリコシル化部位が作り出される。O結合型グリコシル化は、糖N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの1種の、ヒドロキシアミノ酸、最も一般にはセリンまたはトレオニンへの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンも使用することができる。
【0152】
グリコシル化部位の抗体への付加は、アミノ酸配列を、これが上述したトリペプチド配列の1つまたは複数を含有するように変更することによって好都合には達成される(N結合型グリコシル化部位に関して)。変更は、元の抗体の配列への、1つまたは複数のセリンまたはトレオニン残基の付加、またはこれらによる置換によっても行うことができる(O結合型グリコシル化部位に関して)。
【0153】
抗体のグリコシル化パターンも、基本的なヌクレオチド配列を変更することなく変更することができる。グリコシル化は、抗体を発現させるのに使用される宿主細胞に大部分は依存する。潜在的な治療剤としての組換え糖タンパク質、例えば、抗体の発現に使用される細胞型は、まれにネイティブ細胞であるので、抗体のグリコシル化パターンのバリエーションが予期され得る(例えば、Hseら、J.Biol.Chem.、272:9062〜9070、1997を参照)。
【0154】
宿主細胞の選択に加えて、抗体を組換え生産する間にグリコシル化に影響する要因としては、増殖モード、培地配合、培養密度、酸素供給、pH、精製スキームなどがある。オリゴ糖生成に関与するある特定の酵素の導入または過剰発現を含めて、特定の宿主生物体内で実現されるグリコシル化パターンを変更するための様々な方法が提案されている(米国特許第5,047,335号、同第5,510,261号、および同第5,278,299号)。グリコシル化、またはある特定のタイプのグリコシル化は、例えば、エンドグリコシダーゼH(Endo H)、N−グリコシダーゼF、エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、エンドグリコシダーゼF3を使用して、糖タンパク質から酵素的に除去することができる。さらに、組換え宿主細胞は、ある特定のタイプの多糖のプロセシングにおいて欠陥のあるように遺伝子工学的に改変することができる。これらの技法および同様の技法は、当技術分野で周知である。
【0155】
修飾の他の方法には、それだけに限らないが、酵素的手段、酸化的置換、およびキレート化を含めた、当技術分野で公知のカップリング技法の使用が含まれる。修飾は、例えば、イムノアッセイ用標識の結合に使用することができる。修飾ポリペプチドは、当技術分野で確立した手順を使用して作製され、当技術分野で公知の標準アッセイを使用してスクリーニングすることができる。これらのアッセイのいくつかを以下および実施例で記載する。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態では、抗体は、ヒトFcγ受容体に対する親和性が増大した定常領域などの修飾定常領域を含み、免疫学的に不活性もしくは部分的に不活性であり、例えば、補体媒介溶解を誘発せず、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を刺激せず、もしくはマクロファージを活性化せず、または以下、すなわち、補体媒介溶解の誘発、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)の刺激、もしくはミクログリアの活性化のうちの任意の1つもしくは複数において活性が低減している(無修飾抗体と比較して)。エフェクター機能の最適レベルおよび/または組合せを実現するために、定常領域の異なる修飾を使用することができる。例えば、Morganら、Immunology、86:319〜324、1995、Lundら、J.Immunology、157:4963〜9、157:4963〜4969、1996、Idusogieら、J.Immunology、164:4178〜4184、2000、Taoら、J.Immunology、143:2595〜2601、1989、およびJefferisら、Immunological Reviews、163:59〜76、1998を参照。いくつかの実施形態では、定常領域は、Eur.J.Immunol.、1999、29:2613〜2624、PCT出願第PCT/GB99/01441号、および/または英国特許出願第9809951.8.号に記載されているように修飾される。他の実施形態では、抗体は、以下の突然変異、すなわち、A330P331からS330S331(野生型IgG2配列を参照したアミノ酸番号付け)を含むヒト重鎖IgG2定常領域を含む。Eur.J.Immunol.、1999、29:2613〜2624。さらに他の実施形態では、定常領域は、N結合型グリコシル化の代わりに非グリコシル化されている。いくつかの実施形態では、定常領域は、グリコシル化アミノ酸残基または定常領域内のN−グリコシル化認識配列の一部であるフランキング残基を突然変異させることによって、N結合型グリコシル化の代わりに非グリコシル化されている。例えば、N−グリコシル化部位N297は、A、Q、K、またはHに突然変異され得る。Taoら、J.Immunology、143:2595〜2601、1989、およびJefferisら、Immunological Reviews、163:59〜76、1998を参照。いくつかの実施形態では、定常領域は、N結合型グリコシル化の代わりに非グリコシル化されている。定常領域は、酵素的に(酵素PNGaseによる炭水化物の除去など)、またはグリコシル化欠損宿主細胞内の発現によって、N結合型グリコシル化の代わりに非グリコシル化することができる。
【0157】
他の抗体修飾には、PCT公開第WO99/58572号に記載されたように修飾された抗体が含まれる。これらの抗体は、標的分子に向けられた結合ドメインに加えて、ヒト免疫グロブリン重鎖の定常領域のすべてまたは一部に実質的に相同のアミノ酸配列を有するエフェクタードメインを含む。これらの抗体は、標的の著しい補体依存性溶解または細胞媒介性破壊を誘発することなく、標的分子に結合することができる。いくつかの実施形態では、エフェクタードメインは、FcRnおよび/またはFcγRIIbに特異的に結合することができる。これらは一般に、2つ以上のヒト免疫グロブリン重鎖CH2ドメインに由来するキメラドメインに基づく。このようにして修飾された抗体は、慣例的な抗体療法に対する炎症反応および他の拒絶反応を回避するための長期抗体療法で使用するのに特に適している。
【0158】
本発明は、親和性成熟した実施形態を含む。例えば、親和性成熟抗体は、当技術分野で公知の手順によって生成することができる(Marksら、Bio/Technology、10:779〜783、1992、Barbasら、Proc Nat.Acad.Sci,USA、91:3809〜3813、1994、Schierら、Gene、169:147〜155、1995、Yeltonら、J.Immunol.、155:1994〜2004、1995、Jacksonら、J.Immunol.、154(7):3310〜9、1995、Hawkinsら、J.Mol.Biol.、226:889〜896、1992、およびPCT公開第WO2004/058184号)。
【0159】
以下の方法は、抗体の親和性を調整し、CDRを特徴付けるのに使用することができる。抗体のCDRを特徴付け、かつ/または抗体などのポリペプチドの結合親和性を変更する(改善するなど)一方法は、「ライブラリースキャンニング突然変異誘発」と呼ばれた。一般に、ライブラリースキャンニング突然変異誘発は、以下のように働く。CDR内の1つまたは複数のアミノ酸位置が、当技術分野で承認されている方法を使用して、2つ以上(3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20など)のアミノ酸と置き換えられる。これにより、クローンの小ライブラリーが生成され(いくつかの実施形態では、分析されるアミノ酸位置毎に1つ)、それぞれは、2つ以上のメンバーの複雑性を有する(位置毎に2つ以上のアミノ酸が置換される場合)。一般に、ライブラリーは、天然(非置換)アミノ酸を含むクローンも含む。各ライブラリーから少数のクローン、例えば、約20〜80クローン(ライブラリーの複雑性に応じて)が、標的ポリペプチド(または他の結合標的)に対する結合親和性についてスクリーニングされ、結合性が増大した、同じ、減少した、またはまったくない候補が同定される。結合親和性を決定するための方法は、当技術分野で周知である。結合親和性は、約2倍以上の結合親和性の差異を検出するBiacore(商標)表面プラズモン共鳴分析を使用して求めることができる。Biacore(商標)は、出発抗体が比較的高い親和性、例えば、約10nM以下のK
Dで既に結合する場合、特に有用である。Biacore(商標)表面プラズモン共鳴を使用するスクリーニングは、本明細書の実施例で記載する。
【0160】
結合親和性は、Kinexa Biocensor、シンチレーション近接アッセイ、ELISA、ORIGENイムノアッセイ(IGEN)、蛍光消光、蛍光移動、および/または酵母ディスプレイを使用して求めることができる。結合親和性は、適当なバイオアッセイを使用してスクリーニングすることもできる。
【0161】
いくつかの実施形態では、CDR内のすべてのアミノ酸位置が、当技術分野で承認されている突然変異誘発法(これらのいくつかを本明細書に記載する)を使用して、20すべての天然アミノ酸で置き換えられる(いくつかの実施形態では、一つずつ)。これにより、クローンの小ライブラリーが生成され(いくつかの実施形態では、分析されるアミノ酸位置毎に1つ)、それぞれは、20のメンバーの複雑性を有する(位置毎に20すべてのアミノ酸が置換される場合)。
【0162】
いくつかの実施形態では、スクリーニングされるライブラリーは、2つ以上の位置に置換を含み、これらは、同じCDR内にあっても、2つ以上のCDR内にあってもよい。したがって、ライブラリーは、1つのCDR内の2つ以上の位置に置換を含み得る。ライブラリーは、2つ以上のCDR内の2つ以上の位置に置換を含み得る。ライブラリーは、2、3、4、5、または6つのCDR内に見つかる、3、4、5、またはそれ以上の位置に置換を含み得る。置換は、低冗長性コドンを使用して調製することができる。例えば、Balintら、Gene137(1):109〜18、1993の表2を参照。
【0163】
CDRは、CDRH3および/またはCDRL3であり得る。CDRは、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、および/またはCDRH3の1つまたは複数であり得る。CDRは、Kabat CDR、Chothia CDR、または拡張CDRであってもよい。
【0164】
結合性が改善された候補を配列決定し、それによって、親和性を改善するCDR置換突然変異体(「改善された」置換とも呼ばれる)を同定することができる。結合する候補を配列決定し、それによって、結合性を保持するCDR置換を同定することもできる。
【0165】
複数ラウンドのスクリーニングを行うことができる。例えば、結合性が改善された候補(それぞれは、1つまたは複数のCDRの1つまたは複数の位置でアミノ酸置換を含む)は、それぞれの改善されたCDR位置(すなわち、置換突然変異体が結合性の改善を示したCDR内のアミノ酸位置)で少なくとも元のアミノ酸および置換されたアミノ酸を含有する第2ライブラリーの設計にも有用である。このライブラリーの調製、スクリーニング、または選択を以下でさらに論じる。
【0166】
改善された結合性、同じ結合性、減少した結合性を有し、または結合性をまったく有さないクローンの頻度も、抗体−抗原複合体の安定性について各アミノ酸位置の重要性に関する情報を提供する限り、ライブラリースキャンニング突然変異誘発も、CDRを特徴付けるための手段を提供する。例えば、CDRの位置が、20すべてのアミノ酸に変更されたとき結合性を保持する場合、その位置は、抗原結合に必要とされそうにない位置として同定される。反対に、CDRの位置が、置換の小パーセンテージのみにおいて結合性を保持する場合、その位置は、CDR機能に重要である位置として同定される。したがって、ライブラリースキャンニング突然変異誘発法により、多くの異なるアミノ酸(20すべてのアミノ酸を含む)に変更することができるCDR内の位置、および変更することができないか、または数種のアミノ酸に変更することができるだけであるCDR内の位置に関する情報が生成される。
【0167】
親和性が改善された候補は、第2ライブラリー内で組み合わせることができ、このライブラリーは、改善されたアミノ酸、その位置における元のアミノ酸を含み、望まれる、または所望のスクリーニングもしくは選択法を使用して許容されるライブラリーの複雑性に応じて、その位置で追加の置換をさらに含むことができる。さらに、必要に応じて、隣接するアミノ酸位置は、少なくとも2つ以上のアミノ酸に対してランダム化することができる。隣接するアミノ酸をランダム化すると、突然変異体CDR内の追加の立体構造的柔軟性を可能にすることができ、それはさらには、より多数の改善突然変異の導入を可能にし、または促進することができる。このライブラリーはまた、スクリーニングの第1ラウンドで親和性の改善を示さなかった位置で置換を含むことができる。
【0168】
第2ライブラリーは、Biacore(商標)表面プラズモン共鳴分析を使用するスクリーニング、ならびにファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、およびリボソームディスプレイを含む、選択のための当技術分野で公知の任意の方法を使用する選択を含めて、当技術分野で公知の任意の方法を使用して、結合親和性が改善および/または変更されたライブラリーメンバーについてスクリーニングまたは選択される。
【0169】
本発明は、本発明の抗体に由来する1つまたは複数の断片または領域を含む融合タンパク質も包含する。一実施形態では、配列番号1、3、6、7、8、10、および12に示した可変軽鎖領域の少なくとも10の連続したアミノ酸、ならびに/または配列番号2、4、5、9、11、および13に示した可変重鎖領域の少なくとも10のアミノ酸を含む融合ポリペプチドが提供される。他の実施形態では、可変軽鎖領域の少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、もしくは少なくとも約30の連続したアミノ酸、および/または可変重鎖領域の少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、もしくは少なくとも約30の連続したアミノ酸を含む融合ポリペプチドが提供される。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号1と2、3と4、3と5、6と5、7と5、8と9、10と11、および12と13の中から選択される配列対のいずれかに示した軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、1つまたは複数のCDRを含む。さらに他の実施形態では、融合ポリペプチドは、CDR H3(VH CDR3)および/またはCDR L3(VL CDR3)を含む。本発明の目的に関して、融合タンパク質は、1種または複数の抗体、および天然分子内に結合されていない別のアミノ酸配列、例えば、異種配列、または別の領域からの相同配列を含有する。例示的な異種配列としては、それだけに限らないが、FLAGタグまたは6Hisタグなどの「タグ」がある。タグは、当技術分野で周知である。
【0170】
融合ポリペプチドは、当技術分野で公知の方法によって、例えば、合成的に、または組換えで作り出すことができる。一般に、本発明の融合タンパク質は、本明細書に記載の組換え法を使用して、これらをコードするポリヌクレオチドを調製し、発現させることによって作製されるが、これらは、例えば、化学合成を含めた当技術分野で公知の他の手段によっても調製することができる。
【0171】
本発明は、固体支持体へのカップリングを促進する作用物質(ビオチンまたはアビジンなど)にコンジュゲートした(例えば、連結した)抗体を含む組成物も提供する。単純性のために、これらの方法が本明細書に記載のTrop−2抗体の実施形態のいずれかに適用されるという理解で、一般に、抗体に言及する。コンジュゲーションは一般に、本明細書に記載のこれらのコンポーネントを連結することを指す。連結(これは一般に、少なくとも投与のために、近接会合でこれらのコンポーネントを固定することである)は、任意の数の方法で実現され得る。例えば、作用物質と抗体との直接反応は、それぞれが他方の置換基と反応することができる置換基を有する場合、可能である。例えば、一方上の求核基、例えば、アミノ基またはスルフヒドリル基などは、他方上のカルボニル含有基、例えば、無水物もしくは酸ハロゲン化物など、または良好な脱離基(例えば、ハロゲン化物)を含有するアルキル基と反応することができる。
【0172】
本発明は、本発明の抗体をコードする単離ポリヌクレオチド、ならびにこのポリヌクレオチドを含むベクターおよび宿主細胞も提供する。
【0173】
したがって、本発明は、以下、すなわち、m7E6、h7E6、h7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、h7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h7E6_SVGN、m6G11、h6G11、h6G11_FKG_SFのうちのいずれか、またはTrop−2に結合する能力を有するこれらの任意の断片もしくは部分をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド(または医薬組成物を含めた組成物)を提供する。
【0174】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の抗体(抗体断片を含む)およびポリペプチド、例えば、エフェクター機能を損なった抗体およびポリペプチドなどのいずれかをコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、当技術分野で公知の手順によって作製し、発現させることができる。
【0175】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドのいずれかを含む組成物(医薬組成物など)を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の抗体のいずれかをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む。さらに他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号15および配列番号14、すなわち、
m7E6重鎖可変領域
CAGGTCCAACTGCAGGAATCAGGTCCAGGCCTGGTGAAACCGTCTGAAACCCTGAGCCTGACATGCACCGTGAGCGGTGGTAGTATTAGCTCTTACGGCGTCCATTGGATCCGTCAACCGCCTGGTAAAGGTCTGGAATGGATTGGCGTGATCTGGACCGGTGGTAGCACCGACTATAACAGCGCACTGATGAGCCGCGTGACCATCTCGGTAGACACGTCGAAAAACCAGTTCAGCCTGAAACTGAGCAGCGTGACCGCCGCGGATACCGCTGTTTATTACTGCGCACGCGACGGGGATTATGATCGCTACACCATGGATTATTGGGGCCAGGGTACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号15)
m7E6軽鎖可変領域
GACATTGTGCTGACACAGTCTCCTGCTTCCTTAGCTGTATCTCTGGGGCAGAGGGCCACCATCTCATGCAGGGCCAGCAAAAGTGTCAGTACATCTGGCTATAGTTATATGCACTGGTACCAACAGAAACCAGGACAGCCACCCAAACTCCTCATCTATCTTGCATCCAACCTAGAATCTGGGGTCCCTGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACCCTCAACATCCATCCTGTGGAGGAGGAGGATGCTGCAACCTATTACTGTCAGCACAGTAGGGAGCTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAGATCAAA(配列番号14)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0176】
他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号17および配列番号16、すなわち、
h7E6重鎖可変領域
CAGGTCCAACTGCAGGAATCAGGTCCAGGCCTGGTGAAACCGTCTGAAACCCTGAGCCTGACATGCACCGTGAGCGGTGGTAGTATTAGCTCTTACGGCGTCCATTGGATCCGTCAACCGCCTGGTAAAGGTCTGGAATGGATTGGCGTGATCTGGACCGGTGGTAGCACCGACTATAACAGCGCACTGATGAGCCGCGTGACCATCTCGGTAGACACGTCGAAAAACCAGTTCAGCCTGAAACTGAGCAGCGTGACCGCCGCGGATACCGCTGTTTATTACTGCGCACGCGACGGGGATTATGATCGCTACACCATGGATTATTGGGGCCAGGGTACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号17)
h7E6軽鎖可変領域
GATATCGTAATGACCCAATCTCCGGATTCGCTGGCGGTATCACTGGGCGAACGTGCCACGATTAACTGCCGTGCAAGCAAATCAGTGTCGACCTCCGGCTACAGCTATATGCACTGGTATCAACAGAAACCGGGCCAGCCGCCGAAACTGCTGATCTATCTGGCTAGCAACCTGGAGAGCGGTGTGCCTGATCGCTTTAGTGGCTCCGGTAGCGGTACCGATTTCACGCTGACCATCAGCTCCCTGCAGGCAGAAGACGTGGCCGTGTATTATTGTCAGCACAGCCGTGAGCTGCCGTATACTTTTGGCCAGGGGACAAAACTGGAAATCAAA(配列番号16)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0177】
さらに他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号18および配列番号16、すなわち、
h7E6_SVG重鎖可変領域
CAGGTCCAACTGCAGGAATCAGGTCCAGGCCTGGTGAAACCGTCTGAAACCCTGAGCCTGACATGCACCGTGAGCGGTGGTAGTATTAGCTCTTACGCGTCCATTGGATCCGTCAACCGCCTGGTAAAGGTCTGGAATGGATTGGCGTGATCTGGACCAGTGGTGTGACCGACTATAACAGCGCACTGATGGGCCGCGTGACCATCTCGGTAGACACGTCGAAAAACCAGTTCAGCCTGAAACTGAGCAGCGTGACCGCCGCGGATACCGCTGTTTATTACTGCGCACGCGACGGGGATTATGATCGCTACACCATGGATTATTGGGGCCAGGGTACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号18)
h7E6_SVG軽鎖可変領域
GATATCGTAATGACCCAATCTCCGGATTCGCTGGCGGTATCACTGGGCGAACGTGCCACGATTAACTGCCGTGCAAGCAAATCAGTGTCGACCTCCGGCTACAGCTATATGCACTGGTATCAACAGAAACCGGGCCAGCCGCCGAAACTGCTGATCTATCTGGCTAGCAACCTGGAGAGCGGTGTGCCTGATCGCTTTAGTGGCTCCGGTAGCGGTACCGATTTCACGCTGACCATCAGCTCCCTGCAGGCAGAAGACGTGGCCGTGTATTATTGTCAGCACAGCCGTGAGCTGCCGTATACTTTTGGCCAGGGGACAAAACTGGAAATCAAA(配列番号16)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0178】
他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号18および配列番号19、すなわち、
h7E6_SVGL重鎖可変領域
CAGGTCCAACTGCAGGAATCAGGTCCAGGCCTGGTGAAACCGTCTGAAACCCTGAGCCTGACATGCACCGTGAGCGGTGGTAGTATTAGCTCTTACGCGTCCATTGGATCCGTCAACCGCCTGGTAAAGGTCTGGAATGGATTGGCGTGATCTGGACCAGTGGTGTGACCGACTATAACAGCGCACTGATGGGCCGCGTGACCATCTCGGTAGACACGTCGAAAAACCAGTTCAGCCTGAAACTGAGCAGCGTGACCGCCGCGGATACCGCTGTTTATTACTGCGCACGCGACGGGGATTATGATCGCTACACCATGGATTATTGGGGCCAGGGTACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号18)
h7E6_SVGL軽鎖可変領域
GATATCGTAATGACCCAATCTCCGGATTCGCTGGCGGTATCACTGGGCGAACGTGCCACGATTAACTGCCGTGCAAGCAAATCAGTGTCGACCTCCTTGTACAGCTATATGCACTGGTATCAACAGAAACCGGGCCAGCCGCCGAAACTGCTGATCTATCTGGCTAGCAACCTGGAGAGCGGTGTGCCTGATCGCTTTAGTGGCTCCGGTAGCGGTACCGATTTCACGCTGACCATCAGCTCCCTGCAGGCAGAAGACGTGGCCGTGTATTATTGTCAGCACAGCCGTGAGCTGCCGTATACTTTTGGCCAGGGGACAAAACTGGAAATCAAA(配列番号19)。
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0179】
さらに他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号18および配列番号20、すなわち、
h7E6_SVGN重鎖可変領域
CAGGTCCAACTGCAGGAATCAGGTCCAGGCCTGGTGAAACCGTCTGAAACCCTGAGCCTGACATGCACCGTGAGCGGTGGTAGTATTAGCTCTTACGCGTCCATTGGATCCGTCAACCGCCTGGTAAAGGTCTGGAATGGATTGGCGTGATCTGGACCAGTGGTGTGACCGACTATAACAGCGCACTGATGGGCCGCGTGACCATCTCGGTAGACACGTCGAAAAACCAGTTCAGCCTGAAACTGAGCAGCGTGACCGCCGCGGATACCGCTGTTTATTACTGCGCACGCGACGGGGATTATGATCGCTACACCATGGATTATTGGGGCCAGGGTACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号18)
h7E6_SVGN軽鎖可変領域
GATATCGTAATGACCCAATCTCCGGATTCGCTGGCGGTATCACTGGGCGAACGTGCCACGATTAACTGCCGTGCAAGCAAATCAGTGTCGACCTCCAATTACAGCTATATGCACTGGTATCAACAGAAACCGGGCCAGCCGCCGAAACTGCTGATCTATCTGGCTAGCAACCTGGAGAGCGGTGTGCCTGATCGCTTTAGTGGCTCCGGTAGCGGTACCGATTTCACGCTGACCATCAGCTCCCTGCAGGCAGAAGACGTGGCCGTGTATTATTGTCAGCACAGCCGTGAGCTGCCGTATACTTTTGGCCAGGGGACAAAACTGGAAATCAAA(配列番号20)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0180】
他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号25および配列番号20、すなわち、
h6G11_FKG_SF重鎖可変領域
CAGGTGCAGTTGGTTCAGAGCGGCGCGGAAGTCAAGAAACCCGGCGCCTCCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCTACACCTTCACCAGTTATTGGATTAACTGGGTGCGCCAGGCCCCAGGCCAGGGGCTGGAGTGGATGGGAAACATCTTCCCATCTGACTCTTACAGCAACTATAATAAGAAATTTAAGGATCGCGTAACAATGACCCGTGACACCAGCACCAGCACTGTTTACATGGAGCTGAGTTCTCTGCGTTCTGAAGATACCGCCGTGTACTACTGCGCACGCGGTTCCGGGTTCGATTACTGGGGCCAGGGGACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号25)
h6G11_FKG_SF軽鎖可変領域
GAGATCGTGCTGACCCAAAGTCCAGCCACCCTTTCCCTGTCTCCAGGCGAACGCGCAACCCTGAGCTGCCGCGCTTCTCAGACCATTGGTACCTCCATTCATTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAAGCCCCGCGTCTGCTGATCTATTACGCCTCAGAAAGTATTTCAGGCATCCCCGCTCGCTTCTCCGGCTCCGGCAGCGGAACCGACTTCACACTTACAATCTCTAGTTTGGAGCCAGAAGACTTCGCCGTTTACTACTGTTCGCAGTCTTTTAGCTGGCCATTTACCTTTGGCCAGGGCACGAAGCTGGAAATCAAG(配列番号26)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0181】
他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号22および配列番号21、すなわち、
m6G11重鎖可変領域
CAGGTCCAACTGCAGCAGCCTGGGGCTGAGCTGGTGAGGCCTGGGGCTTCAGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATAAACTGGGTGAAGCAGAGGCCTGGACATGGCCTTGAGTGGATCGGAAATATTTATCCTTCTGATAGTTATTCTAACTACAATCAAAAGTTCAAGGACAAGGCCACATTGACTGTAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGGTCAGCAGCCCGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTACGTACGGTAGTAGCTTTGACTACTGGGGCCAAGGCACCACGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号22)
m6G11軽鎖可変領域
GACATCTTGCTGACTCAGTCTCCAGCCATCCTGTCTGTGAGTCCAGGAGAAAGAGTCAGTTTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGACCATTGGCACAAGCATACACTGGTATCAGCAAAGAACAAATGGTTCTCCAAGGCTTCTCATAAAGTATGCTTCTGAGTCTATCTCTGGGATCCCTTCCAGGTTTAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTTACTCTTAGCATCAACAGTGTGGAGTCTGAAGATATTGCAGATTATTACTGTCAACAAAGTAATAGCTGGCCATTCACGTTCGGCTCGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA(配列番号21)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0182】
他の実施形態では、組成物は、以下の配列番号24および配列番号23、すなわち、
h6G11重鎖可変領域
CAGGTGCAGTTGGTTCAGAGCGGCGCGGAAGTCAAGAAACCCGGCGCCTCCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCTACACCTTCACCAGTTATTGGATTAACTGGGTGCGCCAGGCCCCAGGCCAGGGGCTGGAGTGGATGGGAAACATCTACCCATCTGACTCTTACAGCAACTATAATCAGAAATTTAAGGATCGCGTAACAATGACCCGTGACACCAGCACCAGCACTGTTTACATGGAGCTGAGTTCTCTGCGTTCTGAAGATACCGCCGTGTACTACTGCGCACGCGGTTCCAGTTTCGATTACTGGGGCCAGGGGACCCTGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号24)
h6G11軽鎖可変領域
GAGATCGTGCTGACCCAAAGTCCAGCCACCCTTTCCCTGTCTCCAGGCGAACGCGCAACCCTGAGCTGCCGCGCTTCTCAGACCATTGGTACCTCCATTCATTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAAGCCCCGCGTCTGCTGATCTATTACGCCTCAGAAAGTATTTCAGGCATCCCCGCTCGCTTCTCCGGCTCCGGCAGCGGAACCGACTTCACACTTACAATCTCTAGTTTGGAGCCAGAAGACTTCGCCGTTTACTACTGTCAGCAGTCTAACAGCTGGCCATTTACCTTTGGCCAGGGCACGAAGCTGGAAATCAAG(配列番号23)
に示したポリヌクレオチドのいずれか、または両方を含む。
【0183】
発現ベクター、およびポリヌクレオチド組成物の投与は、本明細書にさらに記載されている。
【0184】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのいずれかを作製する方法を提供する。
【0185】
任意のこのような配列に相補的なポリヌクレオチドも本発明によって包含される。ポリヌクレオチドは、一本鎖(コードまたはアンチセンス)であっても、二本鎖であってもよく、DNA(ゲノム、cDNA、または合成)であっても、RNA分子であってもよい。RNA分子には、イントロンを含有し、1対1の様式でDNA分子に対応するHnRNA分子、およびイントロンを含有しないmRNA分子が含まれる。追加のコード配列または非コード配列が本発明のポリヌクレオチド内に存在してもよいが、その必要はなく、ポリヌクレオチドは、他の分子および/または支持材に連結されていてもよいが、その必要はない。
【0186】
ポリヌクレオチドは、天然配列(すなわち、抗体またはその部分をコードする内因性配列)を含むことができ、またはこのような配列のバリアントを含むことができる。ポリヌクレオチドバリアントは、コードされるポリペプチドの免疫反応性が天然の免疫反応性分子と比べて減少しないように、1つまたは複数の置換、付加、欠失、および/または挿入を含有する。コードされるポリペプチドの免疫反応性に対する効果は、一般に、本明細書に記載するように評価することができる。バリアントは、好ましくは、自然抗体またはその部分をコードするポリヌクレオチド配列と、少なくとも約70%の同一性、より好ましくは、少なくとも約80%の同一性、さらにより好ましくは、少なくとも約90%の同一性、最も好ましくは、少なくとも約95%の同一性を呈する。
【0187】
2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列は、2つの配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸の配列が、以下に記載するように、最大対応に関してアラインメントされたとき同じである場合、「同一」であると言われる。2つの配列間の比較は、一般に、比較ウィンドウにわたって配列を比較して、配列類似性の局所領域を同定および比較することによって実施される。「比較ウィンドウ」は、本明細書において、少なくとも約20の連続した位置、通常30〜約75、または40〜約50のセグメントを指し、この中で1つの配列を同じ数の連続した位置の参照配列と、2つの配列を最適にアラインメントさせた後に比較することができる。
【0188】
比較するための配列の最適なアラインメントは、バイオインフォマティクスソフトウェアのLasergene一式内のMegalignプログラム(DNASTAR,Inc.、Madison、WI)を使用して、デフォルトのパラメータを使用して行うことができる。このプログラムは、以下の参考文献に記載されたいくつかのアラインメントスキームを具現する:Dayhoff,M.O.、1978、A model of evolutionary change in proteins − Matrices for detecting distant relationships. In Dayhoff,M.O.(編)、Atlas of Protein Sequence and Structure、National Biomedical Research Foundation、Washington DC、5巻、増補3、345〜358頁;Hein J.、1990、Unified Approach to Alignment and Phylogenes、626〜645頁、Methods in Enzymology、183巻、Academic Press,Inc.、San Diego、CA;Higgins,D.G.およびSharp,P.M.、1989、CABIOS、5:151〜153;Myers,E.W.およびMuller W.、1988、CABIOS、4:11〜17;Robinson,E.D.、1971、Comb.Theor.、11:105;Santou,N.、Nes,M.、1987、Mol.Biol.Evol.、4:406〜425;Sneath,P.H.A.およびSokal,R.R.、1973、Numerical Taxonomy the Principles and Practice of Numerical Taxonomy、Freeman Press、San Francisco、CA;Wilbur,W.J.およびLipman,D.J.、1983、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA 80:726〜730。
【0189】
好ましくは、「配列同一性のパーセンテージ」は、少なくとも20の位置の比較のウィンドウにわたって2つの最適にアラインメントされた配列を比較することによって求められ、ここで、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのための参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較して、20パーセント以下、通常5〜15パーセント、または10〜12パーセントの付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。パーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両配列内で起こる位置の数を求めてマッチした位置の数を得、マッチした位置の数を参照配列(すなわち、ウィンドウサイズ)内の位置の総数で除し、結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算される。
【0190】
バリアントは、加えて、または代わりに、天然遺伝子またはその部分もしくは相補鎖に実質的に相同である。このようなポリヌクレオチドバリアントは、自然抗体(または相補配列)をコードする天然に存在するDNA配列に、中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる。
【0191】
適当な「中程度にストリンジェントな条件」は、5×SSC、0.5%のSDS、1.0mMのEDTA(pH8.0)の溶液中での予洗、50℃〜65℃、5×SSCで一晩のハイブリダイゼーション、その後の0.1%のSDSを含有する2×、0.5×、および0.2×SSCのそれぞれを用いた65℃で20分間の2回の洗浄を含む。
【0192】
本明細書において、「高度にストリンジェントな条件」または「高ストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度および高温、例えば、50℃で、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを使用し、(2)ハイブリダイゼーションの間に、42℃で、ホルムアミド、例えば、0.1%のウシ血清アルブミンを含む50%(v/v)のホルムアミド/0.1%のフィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムを含むpH6.5の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液などの変性剤を使用し、または(3)42℃で0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)および55℃で50%のホルムアミド中での洗浄、その後の55℃でEDTAを含有する0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄を伴った、42℃で、50%のホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%のSDS、および10%のデキストラン硫酸を使用するものである。当業者は、プローブ長などの要因に対応するために、必要に応じてどのように温度、イオン強度などを調整するかを認識するであろう。
【0193】
遺伝子コードの縮退の結果として、本明細書に記載のポリペプチドをコードする多くのヌクレオチド配列が存在することを、当業者が理解することになる。これらのポリヌクレオチドのいくつかは、任意の天然遺伝子のヌクレオチド配列に対して最小の相同性を持つ。それにもかかわらず、コドン使用頻度の差異に起因して変化するポリヌクレオチドは、本発明によって具体的に企図されている。さらに、本明細書に提供するポリヌクレオチド配列を含む遺伝子の対立遺伝子は、本発明の範囲内である。対立遺伝子は、ヌクレオチドの1つまたは複数の突然変異、例えば、欠失、付加、および/または置換などの結果として変更されている内因性遺伝子である。得られるmRNAおよびタンパク質は、変更された構造または機能を有し得るが、その必要はない。対立遺伝子は、標準技法(ハイブリダイゼーション、増幅、および/またはデータベース配列比較など)を使用して同定することができる。
【0194】
本発明のポリヌクレオチドは、化学合成、組換え法、またはPCRを使用して得ることができる。化学的なポリヌクレオチド合成の方法は、当技術分野で周知であり、本明細書で詳細に記載する必要はない。当業者は、所望のDNA配列を生成するために、本明細書に提供する配列、および市販のDNAシンセサイザーを使用することができる。
【0195】
組換え法を使用してポリヌクレオチドを調製するために、本明細書でさらに論じるように、所望の配列を含むポリヌクレオチドを適当なベクター中に挿入することができ、ベクターを次に、複製および増幅のために適当な宿主細胞内に導入することができる。ポリヌクレオチドは、当技術分野で公知の任意の手段によって宿主細胞内に挿入することができる。細胞は、直接取込み、エンドサイトーシス、トランスフェクション、F−接合、または電気穿孔により、外因性ポリヌクレオチドを導入することによって形質転換される。導入された後、外因性ポリヌクレオチドは、非組込みベクター(プラスミドなど)として細胞内で維持し、または宿主細胞ゲノム中に組み込むことができる。このように増幅されたポリヌクレオチドは、当技術分野で周知の方法によって宿主細胞から単離することができる。例えば、Sambrookら、1989を参照。
【0196】
代わりに、PCRにより、DNA配列の複製が可能になる。PCR技術は、当技術分野で周知であり、米国特許第4,683,195号、同第4,800,159号、同第4,754,065号、および同第4,683,202号、ならびにPCR:The Polymerase Chain Reaction、Mullisら編、Birkauswer Press、Boston、1994に記載されている。
【0197】
RNAは、適切なベクター中で単離DNAを使用し、適当な宿主細胞内にこれを挿入することによって得ることができる。細胞が複製し、DNAがRNAに転写される場合、次いで、例えば、Sambrookら、1989、上記に示されているように、当業者に周知の方法を使用してRNAを単離することができる。
【0198】
適当なクローニングベクターを標準技法によって構築することができ、または当技術分野で利用可能な多数のクローニングベクターから選択することができる。選択されるクローニングベクターは、使用されるように意図された宿主細胞によって変更することができるが、有用なクローニングベクターは一般に、自己複製する能力を有することになり、特定の制限エンドヌクレアーゼに対する単一標的を有することができ、かつ/またはベクターを含有するクローンの選択に使用することができるマーカー用遺伝子を担持することができる。適当な例としては、プラスミドならびに細菌ウイルス、例えば、pUC18、pUC19、Bluescript(例えば、pBS SK+)およびその誘導体、mp18、mp19、pBR322、pMB9、ColE1、pCR1、RP4、ファージDNA、ならびにpSA3およびpAT28などのシャトルベクターがある。これらの、および多くの他のクローニングベクターは、市販供給業者、例えば、BioRad、Strategene、およびInvitrogenから入手可能である。
【0199】
発現ベクターは一般に、本発明によるポリヌクレオチドを含有する複製可能ポリヌクレオチドコンストラクトである。発現ベクターは、エピソームとして、または染色体DNAの一体部分として宿主細胞内で複製可能でなければならないことが暗示されている。適当な発現ベクターとしては、それだけに限らないが、プラスミド、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルスを含めたウイルスベクター、コスミド、およびPCT公開第WO87/04462号に開示された発現ベクター(複数可)がある。ベクターコンポーネントとして一般に、それだけに限らないが、以下、すなわちシグナル配列、複製起点、1つまたは複数のマーカー遺伝子、適当な転写制御エレメント(プロモーター、エンハンサー、およびターミネーターなど)の1つまたは複数を挙げることができる。発現(すなわち、翻訳)のために、1つまたは複数の翻訳制御エレメント、例えば、リボソーム結合部位、翻訳開始部位、および終止コドンなども通常必要とされる。
【0200】
対象とするポリヌクレオチドを含有するベクターは、電気穿孔、塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン、または他の物質を使用するトランスフェクション;微粒子銃;リポフェクション;および感染(例えば、この場合、ベクターは、ワクシニアウイルスなどの感染性病原体である)を含めたいくつかの適切な手段のいずれかによって宿主細胞内に導入することができる。ベクターまたはポリヌクレオチドを導入する選択は、宿主細胞の特徴に依存することになることが多い。
【0201】
本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのいずれかを含む宿主細胞も提供する。異種DNAを過剰発現することができる任意の宿主細胞を、対象とする抗体、ポリペプチド、またはタンパク質をコードする遺伝子を単離する目的に使用することができる。哺乳動物宿主細胞の非限定例としては、それだけに限らないが、COS、HeLa、およびCHO細胞がある。PCT公開第WO87/04462号も参照。適当な非哺乳動物宿主細胞としては、原核生物(大腸菌(E.coli)またはB.サチリス(B.subtilis)など)、および酵母(S.セレビシエ(S.cerevisiae)、S.ポンベ(S.pombe)、またはK.ラクチス(K.lactis)など)がある。好ましくは、宿主細胞は、存在する場合、宿主細胞中の対象とする、対応する内因性抗体またはタンパク質のレベルより、約5倍高い、より好ましくは10倍高い、さらにより好ましくは20倍高いレベルでcDNAを発現する。Trop−2またはTrop−2ドメイン(例えば、ドメイン1〜4)への特異的結合のための宿主細胞のスクリーニングは、イムノアッセイまたはFACSによって行われる。対象とする抗体またはタンパク質を過剰発現する細胞を同定することができる。
【0202】
Trop−2抗体コンジュゲート
本発明は、本明細書に記載のTrop−2抗体またはその抗原結合断片のコンジュゲート(または免疫複合体)であって、抗体または抗原結合断片は、直接に、またはリンカーを介して間接的に、標的免疫療法用作用物質(例えば、細胞毒性剤)にコンジュゲートしている(例えば、抗体−薬剤コンジュゲート)、コンジュゲートも提供する。例えば、腫瘍(例えば、Trop−2発現腫瘍)への細胞毒性剤部分の標的化局所送達のために、本明細書に記載のTrop−2抗体またはその抗原結合断片に細胞毒性剤を連結またはコンジュゲートすることができる。
【0203】
細胞毒性剤または他の治療剤を抗体にコンジュゲートするための方法は、様々な刊行物に記載されている。例えば、リシン側鎖アミンによって、またはコンジュゲーション反応が起こるように鎖間ジスルフィド結合を低減することにより活性化されたシステインスルフヒドリル基によって、抗体中に化学修飾を行うことができる。例えば、Tanakaら、FEBS Letters、579:2092〜2096、2005、およびGentleら、Bioconjugate Chem.、15:658〜663、2004を参照。規定された化学量論比を有する特定の薬剤コンジュゲーションのために抗体の特定の部位で遺伝子工学的に改変された反応性システイン残基も記載されている。例えば、Junutulaら、Nature Biotechnology、26:925〜932、2008を参照。アシルドナーグルタミン含有タグ、またはトランスグルタミナーゼおよびアミンの存在下でポリペプチドの遺伝子工学的な改変によって反応性にされた(すなわち、アシルドナーとして共有結合を形成する能力)内因性グルタミンを使用するコンジュゲーション(例えば、反応性アミンを含み、またはこれに結合した細胞毒性剤)も、国際特許出願第PCT/IB2011/054899号(WO2012/059882)に記載されている。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、抗体の特定の部位(例えば、カルボキシル末端、アミノ末端、またはTrop−2抗体中の別の部位)で遺伝子工学的に改変されたアシルドナーグルタミン含有タグを含む。いくつかの実施形態では、タグは、アミノ酸グルタミン(Q)またはアミノ酸配列GGLLQGG(配列番号78)、LLQGA(配列番号79)、GGLLQGA(配列番号81)、LLQ、LLQGPGK(配列番号90)、LLQGPG(配列番号91)、LLQGPA(配列番号92)、LLQGP(配列番号93)、LLQP(配列番号94)、LLQPGK(配列番号95)、LLQGAPGK(配列番号96)、LLQGAPG(配列番号97)、LLQGAP(配列番号98)、LLQX
1X
2X
3X
4X
5(式中、X
1は、GもしくはPであり、X
2は、A、G、Pであるかもしくは存在せず、X
3は、A、G、K、Pであるかもしくは存在せず、X
4は、K、Gであるかもしくは存在せず、X
5は、Kであるかもしくは存在しない)(配列番号88)、またはLLQX
1X
2X
3X
4X
5(式中、X
1は、任意の天然に存在するアミノ酸であり、X
2、X
3、X
4、およびX
5は、任意の天然に存在するアミノ酸であるかもしくは存在しない)(配列番号89)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、抗体の特定の部位で遺伝子工学的に改変されたアシルドナーグルタミン含有タグであって、Trop−2抗体の軽鎖カルボキシル末端で遺伝子工学的に改変されたアミノ酸配列GGLLQGG(配列番号78)を含む、タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、抗体の特定の部位で遺伝子工学的に改変されたアシルドナーグルタミン含有タグであって、Trop−2抗体の軽鎖カルボキシル末端で遺伝子工学的に改変されたアミノ酸配列GGLLQGA(配列番号81)を含む、タグを含む。他の実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、抗体の特定の部位で遺伝子工学的に改変されたアシルドナーグルタミン含有タグであって、Trop−2抗体の重鎖カルボキシル末端で遺伝子工学的に改変されたアミノ酸配列LLQGA(配列番号79)を含み、重鎖カルボキシル末端のリシン残基は、欠失している、タグを含む。他の実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、抗体の特定の部位で遺伝子工学的に改変されたアシルドナーグルタミン含有タグであって、Trop−2抗体の重鎖カルボキシル末端で遺伝子工学的に改変されたアミノ酸配列LLQを含み、重鎖カルボキシル末端のリシン残基は、欠失している、タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、Trop−2抗体の297位でアスパラギン(N)からグルタミン(Q)へのアミノ酸置換を含む。
【0205】
アシルドナーグルタミン含有タグ、および、アミノ酸欠失、挿入、置換、突然変異、またはこれらの任意の組合せである、抗体の222位、340位、または370位(
EU番号付けスキーム)でのアミノ酸修飾を含む単離抗体も提供される。したがって、いくつかの実施形態では、Trop−2抗体の特定の部位で(例えば、重鎖もしくは軽鎖のカルボキシル末端で、または別の部位で)コンジュゲートされたアシルドナーグルタミン含有タグ(例えば、Q、GGLLQGG(配列番号78)、LLQGA(配列番号79)、GGLLQGA(配列番号81)、LLQ、LLQGPGK(配列番号90)、LLQGPG(配列番号91)、LLQGPA(配列番号92)、LLQGP(配列番号93)、LLQP(配列番号94)、LLQPGK(配列番号95)、LLQGAPGK(配列番号96)、LLQGAPG(配列番号97)、LLQGAP(配列番号98)、LLQX
1X
2X
3X
4X
5(式中、X
1は、GもしくはPであり、X
2は、A、G、Pであるかもしくは存在せず、X
3は、A、G、K、Pであるかもしくは存在せず、X
4は、K、Gであるかもしくは存在せず、X
5は、Kであるかもしくは存在しない)(配列番号88)、またはLLQX
1X
2X
3X
4X
5(式中、X
1は、任意の天然に存在するアミノ酸であり、X
2、X
3、X
4、およびX
5は、任意の天然に存在するアミノ酸であるかもしくは存在しない)(配列番号89)、ならびに抗体の222位、340位、または370位(
EU番号付けスキーム)でのアミノ酸修飾を含む本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートが提供される。いくつかの実施形態では、アミノ酸修飾は、リシンからアルギニンへの置換(例えば、K222R、K340R、またはK370R)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、Trop−2抗体軽鎖のC末端で遺伝子工学的に改変された配列GGLLQGG(配列番号78)、および抗体の222位(
EU番号付けスキーム)でのリシンからアルギニンへのアミノ酸置換を含む、アシルドナーグルタミン含有タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、Trop−2抗体軽鎖のC末端で遺伝子工学的に改変された配列GGLLQGA(配列番号81)、および抗体の222位(
EU番号付けスキーム)でのリシンからアルギニンへのアミノ酸置換を含む、アシルドナーグルタミン含有タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、Trop−2抗体重鎖のC末端で遺伝子工学的に改変された配列LLQGA(配列番号79)、および抗体の222位(
EU番号付けスキーム)でのリシンからアルギニンへのアミノ酸置換を含み、重鎖カルボキシル末端のリシン残基は、欠失している、アシルドナーグルタミン含有タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、Trop−2抗体重鎖のC末端で遺伝子工学的に改変された配列LLQ、および抗体の222位(
EU番号付けスキーム)でのリシンからアルギニンへのアミノ酸置換を含み、重鎖カルボキシル末端のリシン残基は、欠失している、アシルドナーグルタミン含有タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTrop−2抗体またはコンジュゲートは、Trop−2抗体の297位で遺伝子工学的に改変されたグルタミン、および抗体の222位(
EU番号付けスキーム)でのリシンからアルギニンへのアミノ酸置換を含むアシルドナーグルタミン含有タグを含む。
【0206】
本発明のTrop−2抗体または抗原結合断片にコンジュゲートされ得る作用物質としては、それだけに限らないが、細胞毒性剤、免疫調節剤、造影剤、治療用タンパク質、バイオポリマー、またはオリゴヌクレオチドがある。
【0207】
細胞毒性剤の例としては、それだけに限らないが、アントラサイクリン、オーリスタチン、ドラスタチン、CC−1065、デュオカルマイシン、エンジイン、ゲルダナマイシン、メイタンシン、ピューロマイシン、タキサン、ビンカアルカロイド、SN−38、ツブリシン、ヘミアステルリン、およびこれらの立体異性体、アイソスター、類似体、または誘導体がある。
【0208】
アントラサイクリンは、細菌ストレプトミセス(Streptomyces)に由来し、広範囲のがん、例えば、白血病、リンパ腫、乳房、子宮、卵巣、および肺のがんなどを治療するのに使用されている。例示的なアントラサイクリンとしては、それだけに限らないが、ダウノルビシン、ドキソルビシン(すなわち、アドリアマイシン)、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、およびミトキサントロンがある。
【0209】
ドラスタチン、ならびにこれらのペプチド類似体および誘導体、オーリスタチンは、抗がん活性および抗真菌活性を有することが示されている高度に強力な抗有糸分裂剤である。例えば、米国特許第5,663,149号、およびPettitら、Antimicrob.Agents Chemother.、42:2961〜2965、1998を参照。例示的なドラスタチンおよびオーリスタチンとしては、それだけに限らないが、ドラスタチン10、オーリスタチンE、オーリスタチンEB(AEB)、オーリスタチンEFP(AEFP)、MMAD(モノメチルオーリスタチンDまたはモノメチルドラスタチン10)、MMAF(モノメチルオーリスタチンFまたはN−メチルバリン−バリン−ドライソロイイン−ドラプロイン−フェニルアラニン)、MMAE(モノメチルオーリスタチンEまたはN−メチルバリン−バリン−ドライソロイイン−ドラプロイン−ノルエフェドリン)、5−ベンゾイル吉草酸−AEエステル(AEVB)、および他の新規オーリスタチン(米国出願第61/561,255号、および同第61/676,423号に記載されたものなど)がある。いくつかの実施形態では、オーリスタチンは、以下の構造を有する、0101(2−メチルアラニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド)である:
【0211】
デュオカルマイシンおよびCC−1065は、細胞傷害性効力を有するDNAアルキル化剤である。BogerおよびJohnson、PNAS、92:3642〜3649、1995を参照。例示的なドラスタチンおよびオーリスタチンとしては、それだけに限らないが、(+)−デュオカルマイシンAおよび(+)−デュオカルマイシンSA、ならびに(+)−CC−1065がある。
【0212】
エンジインは、9員環および10員環、または共役三重−二重−三重結合の環系の存在のいずれかを特徴とする、一クラスの抗腫瘍細菌産物である。例示的なエンジインとしては、それだけに限らないが、カリケアマイシン、エスペラマイシン、およびジネマイシンがある。
【0213】
ゲルダナマイシンは、Hsp90(熱ショックタンパク質90)に結合し、抗腫瘍薬として使用されているベンゾキノンアンサマイシン抗生物質である。例示的なゲルダナマイシンとしては、それだけに限らないが、17−AAG(17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン)および17−DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン)がある。
【0214】
メイタンシンまたはこれらの誘導体メイタンシノイドは、チューブリン重合の阻害により有糸分裂の間に微小管形成を阻害することによって、細胞増殖を阻害する。Remillardら、Science、189:1002〜1005、1975を参照。例示的なメイタンシンおよびメイタンシノイドとしては、それだけに限らないが、メルタンシン(DM1)およびその誘導体、ならびにアンサミトシンがある。
【0215】
タキサンは、抗チューブリン剤または有糸分裂阻害剤として作用するジテルペンである。例示的なタキサンとしては、それだけに限らないが、パクリタキセル(例えば、TAXOL(登録商標))およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))がある。
【0216】
ビンカアルカロイドも抗チューブリン剤である。例示的なビンカアルカロイドとしては、それだけに限らないが、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンがある。
【0217】
いくつかの実施形態では、作用物質は、免疫調節剤である。免疫調節剤の例としては、それだけに限らないが、ガンシクロビル、エタネルセプト、タクロリムス、シロリムス、ボクロスポリン、シクロスポリン、ラパマイシン、シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキセート、糖質コルチコイドおよびその類似体、サイトカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、腫瘍壊死因子(TNF)、造血因子、インターロイキン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、およびIL−21)、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)および顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF))、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、−β、および−γ)、「S1因子」と呼ばれる幹細胞増殖因子、エリスロポエチン、ならびにトロンボポエチン、またはこれらの組合せがある。
【0218】
いくつかの実施形態では、作用物質は、造影剤(例えば、フルオロフォア、もしくはPET(ポジトロン放出断層撮影)標識、SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影)標識)、またはMRI(磁気共鳴画像法)標識である。
【0219】
フルオロフォアの例としては、それだけに限らないが、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)(例えば、5−FITC)、フルオレセインアミダイト(FAM)(例えば、5−FAM)、エオシン、カルボキシフルオレセイン、エリトロシン、Alexa Fluor(登録商標)(例えば、Alexa350、405、430、488、500、514、532、546、555、568、594、610、633、647、660、680、700、または750)、カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)(例えば、5−TAMRA)、テトラメチルローダミン(TMR)、およびスルホローダミン(SR)(例えば、SR101)がある。
【0220】
いくつかの実施形態では、治療用もしくは診断用放射性同位体または他の標識(例えば、PETもしくはSPECT標識)は、本明細書に記載のTrop−2抗体または抗原結合断片へのコンジュゲーションのために作用物質中に組み込むことができる。放射性同位体または他の標識の例としては、それだけに限らないが、
3H、
11C、
13N、
14C、
15N、
15O、
35S、
18F、
32P、
33P、
47Sc、
51Cr、
57Co、
58Co、
59Fe、
62Cu、
64Cu、
67Cu、
67Ga、
68Ga、
75Se、
76Br、
77Br、
86Y、
89Zr、
90Y、
94Tc、
95Ru、
97Ru、
99Tc、
103Ru、
105Rh、
105Ru、
107Hg、
109Pd、
111Ag、
111In、
113In、
121Te、
122Te、
123I、
124I、
125I、
125Te、
126I、
131I、
131In、
133I、
142Pr、
143Pr、
153Pb、
153Sm、
161Tb、
165Tm、
166Dy、
166H、
167Tm、
168Tm、
169Yb、
177Lu、
186Re、
188Re、
189Re、
197Pt、
198Au、
199Au、
201Tl、
203Hg、
211At、
212Bi、
212Pb、
213Bi、
223Ra、
224Ac、および
225Acがある。
【0221】
いくつかの実施形態では、作用物質は、それだけに限らないが、毒素、ホルモン、酵素、および増殖因子を含めた治療用タンパク質である。
【0222】
毒素タンパク質(またはポリペプチド)の例としては、それだけに限らないが、ジフテリア(例えば、ジフテリアA鎖)、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素およびエンドトキシン、リシン(例えば、リシンA鎖)、アブリン(例えば、アブリンA鎖)、モデッシン(例えば、モデッシンA鎖)、α−サルシン、アレウリテス・フォルジ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、リボヌクレアーゼ(RNase)、DNase I、ブドウ球菌エンテロトキシン−A、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルス剤タンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、フィトラカ・アメリカナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ツルレイシ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害剤、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、トリコテセン、阻害剤シスチンノット(ICK)ペプチド(例えば、セラトトキシン)、ならびにコノトキシン(例えば、KIIIAまたはSmIIIa)がある。
【0223】
いくつかの実施形態では、作用物質は、生体適合性ポリマーである。本明細書に記載のTrop−2抗体または抗原結合断片を生体適合性ポリマーにコンジュゲートさせて、血清半減期および生物活性を増大させ、かつ/またはin vivo半減期を延長することができる。生体適合性ポリマーの例としては、水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体など、および双性イオン含有生体適合性ポリマー(例えば、ホスホリルコリン含有ポリマー)がある。
【0224】
いくつかの実施形態では、作用物質は、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドである。
【0225】
別の態様では、本発明は、式:抗体−(アシルドナーグルタミン含有タグ)−(リンカー)−(細胞毒性剤)を有する、本明細書に記載の抗体または抗原結合断片のコンジュゲートであって、アシルドナーグルタミン含有タグが、抗体または抗原結合断片の特定の部位(例えば、重鎖もしくは軽鎖のカルボキシル末端または別の部位)で遺伝子工学的に改変されており、リンカー(例えば、1種または複数の反応性アミン(例えば、第一級アミンNH
2)を含有するリンカー)にコンジュゲートしており、リンカーが、細胞毒性剤(例えば、MMADまたは0101などの他のオーリスタチン)にコンジュゲートしている、コンジュゲートを提供する。
【0226】
1種または複数の反応性アミンを含有するリンカーの例としては、それだけに限らないが、アセチル−リシン−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル(AcLys−VC−PABC)、またはアミノPEG6−プロピオニルがある。例えば、WO2012/059882を参照。
【0227】
いくつかの実施形態では、アシルドナーグルタミン含有タグは、GGLLQGG(配列番号78)、LLQGA(配列番号79)、GGLLQGA(配列番号81)、LLQ、LLQGPGK(配列番号90)、LLQGPG(配列番号91)、LLQGPA(配列番号92)、LLQGP(配列番号93)、LLQP(配列番号94)、LLQPGK(配列番号95)、LLQGAPGK(配列番号96)、LLQGAPG(配列番号97)、LLQGAP(配列番号98)、LLQX
1X
2X
3X
4X
5(式中、X
1は、GもしくはPであり、X
2は、A、G、Pであるかもしくは存在せず、X
3は、A、G、K、Pであるかもしくは存在せず、X
4は、K、Gであるかもしくは存在せず、X
5は、Kであるかもしくは存在しない)(配列番号88)、またはLLQX
1X
2X
3X
4X
5(式中、X
1は、任意の天然に存在するアミノ酸であり、X
2、X
3、X
4、およびX
5は、任意の天然に存在するアミノ酸であるかもしくは存在しない)(配列番号89)を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、1)抗体−LLQGA(配列番号79)−AcLys−VC−PABC−0101、2)抗体−LLQGA(配列番号79)−AcLys−VC−PABC−MMAD、3)抗体−LLQX
1X
2X
3X
4X
5(配列番号88)−AcLys−VC−PABC−0101、4)抗体−LLQX
1X
2X
3X
4X
5(配列番号88)−AcLys−VC−PABC−MMAD、5)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−AcLys−VC−PABC−0101、および6)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−AcLys−VC−PABC−MMADである。いくつかの実施形態では、例えば、LLQ、配列番号79、90、91、92、93、94、95、96、97、または98を含むアシルドナーグルタミン含有タグは、抗体の重鎖のC末端で遺伝子工学的に改変されており、C末端のリシン残基は、欠失している。他の実施形態では、アシルドナーグルタミン含有タグ(例えば、GGLLQGG(配列番号78))は、抗体の軽鎖のC末端で遺伝子工学的に改変されている。抗体の例としては、それだけに限らないが、h7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、およびh7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h7E6SVGN、h6G11、またはh6G11_FKG_SFがある。
【0229】
一変形形態では、コンジュゲートは、222位でリシンからアルギニンへのアミノ酸置換をさらに含む。したがって、例えば、コンジュゲートは、1)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−AcLys−VC−PABC−MMADであり、K222Rを含み、2)抗体−GGLLQGG(配列番号78)−AcLys−VC−PABC−0101であり、K222Rを含み、3)抗体−LLQGA(配列番号79)−AcLys−VC−PABC−0101であり、K222Rを含み、4)抗体−LLQGA(配列番号79)−AcLys−VC−PABC−MMADであり、K222Rを含み、5)抗体−LLQX
1X
2X
3X
4X
5(配列番号88)−AcLys−VC−PABC−MMADであり、K222Rを含む。いくつかの実施形態では、例えば、LLQ、配列番号79、90、91、92、93、94、95、96、97、または98を含むアシルドナーグルタミン含有タグは、抗体の重鎖のC末端で遺伝子工学的に改変されており、C末端のリシン残基は、欠失している。他の実施形態では、アシルドナーグルタミン含有タグ(例えば、GGLLQGG(配列番号78))は、抗体の軽鎖のC末端で遺伝子工学的に改変されている。抗体の例としては、それだけに限らないが、h7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、およびh7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h6G11、またはh6G11_FKG_SFがある。
【0230】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の抗体または抗原結合断片のコンジュゲートであって、N297Q位およびK222R位のアミノ酸置換、アミノ−PEG6−プロピオニルを含むリンカー、および細胞毒性剤(例えば、MMADまたは他のオーリスタチン)を含む、コンジュゲートを提供する。例えば、コンジュゲートは、アミノ−PEG6−プロピオニルおよびMMADにコンジュゲートしているh7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、h7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h6G11、またはh6G11_FKG_SF、またはアミノ−PEG6−プロピオニルおよび0101にコンジュゲートしているh7E6_SVG、h7E6_SVG1、h7E6_SVG2、h7E6_SVG3、h7E6_SVG4、h7E6_SVG5、h7E6_SVG6、h7E6_SVG7、h7E6_SVG8、h7E6_SVG9、h7E6_SVG10、h7E6_SVG11、h7E6_SVG12、h7E6_SVG13、h7E6_SVG14、h7E6_SVG15、h7E6_SVG16、h7E6_SVG17、h7E6_SVG18、h7E6_SVG19、h7E6_SVG20、h7E6_SVG21、h7E6_SVG22、h7E6_SVG23、h7E6_SVG24、h7E6_SVG25、h7E6_SVG26、h7E6_SVG27、h7E6_SVG28、h7E6_SVG29、h7E6_SVG30、h7E6_SVG31、h7E6_SVG32、h7E6_SVGL、h7E6_SVGL1、h7E6_SVGL2、h7E6_SVGL3、h7E6_SVGL4、h7E6_SVGL5、h6G11、またはh6G11_FKG_SFである。
【0231】
Trop−2抗体およびこれらの抗体コンジュゲートを使用する方法
本発明の抗体および抗体コンジュゲートは、それだけに限らないが、治療的処置方法および診断的処置方法を含めた、様々な用途で有用である。
【0232】
一態様では、本発明は、対象におけるTrop−2発現に関連した状態を治療するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象におけるTrop−2発現に関連した状態を治療する方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む有効量の組成物(例えば、医薬組成物)を投与するステップを含む。Trop−2発現に関連した状態としては、それだけに限らないが、異常なTrop−2発現、変化した、もしくは異所性のTrop−2発現、Trop−2過剰発現、および増殖性障害(例えば、がん)がある。
【0233】
したがって、いくつかの実施形態では、対象におけるがんを治療する方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む有効量の組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。本明細書において、がんとしては、それだけに限らないが、膀胱、乳房、子宮頸部、絨毛癌、大腸、食道、胃、グリア芽細胞腫、頭頸部、腎臓、肺、口腔、卵巣、膵臓、前立腺、および皮膚のがんがある。いくつかの実施形態では、Trop−2発現腫瘍を有する対象における腫瘍増殖または進行を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む有効量の組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。他の実施形態では、対象におけるTrop−2発現がん細胞の転移を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む有効量の組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。他の実施形態では、対象におけるTrop−2発現腫瘍退縮を誘導する方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む有効量の組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0234】
別の態様では、Trop−2発現に関連する状態を検出、診断、および/または監視する方法が提供される。例えば、本明細書に記載のTrop−2抗体は、造影剤および酵素−基質標識などの検出可能部分で標識することができる。本明細書に記載の抗体は、in vivoイメージング(例えば、PETもしくはSPECT)などのin vivo診断アッセイ、または染色試薬に使用することもできる。
【0235】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、追加の形態の療法で対象を治療するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の形態の療法は、それだけに限らないが、化学療法、放射線、手術、ホルモン療法、および/または追加の免疫療法を含めた追加の抗がん療法である。
【0236】
いくつかの実施形態では、追加の形態の療法は、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートに加えて、1種または複数の治療剤を投与するステップを含む。治療剤としては、それだけに限らないが、第2抗体(例えば、抗VEGF抗体、抗HER2抗体、抗CD25抗体、および/または抗CD20抗体)、血管新生阻害剤、細胞毒性剤、抗炎症剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、シスプラチン、ドキソルビシン、プレドニゾン、マイトマイシン、プロゲステロン、タモキシフェン、またはフルオロウラシル)がある。
【0237】
Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、任意の適当な経路を介して個体に投与することができる。本明細書に記載の例は、利用可能な技法を限定するように意図されておらず、例示するものであるように意図されていることが当業者によって理解されるべきである。したがって、いくつかの実施形態では、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、公知の方法、例えば、ボーラスのような静脈内投与、またはある時間にわたる持続注入によるもの、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、頭蓋内、経皮、皮下、関節内、舌下、滑液包内や、ガス注入を介した、クモ膜下、経口、吸入、または局部的の経路によるものなどに合わせて個体に投与される。投与は、全身的、例えば、静脈内投与であっても、局在的であってもよい。ジェット噴霧器および超音波噴霧器を含めた液体製剤用市販噴霧器は、投与に有用である。液体製剤を直接噴霧することができ、凍結乾燥粉末を再構成後に噴霧することができる。代わりに、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、フルオロカーボン製剤および定量吸入器を使用してエアロゾル化することができ、凍結乾燥し、粉砕した粉末として吸入することができる。
【0238】
一実施形態では、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、部位特異的、または標的化局所的送達技法を介して投与される。部位特異的、または標的化局所的送達技法の例としては、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの様々な移植可能なデポー源、または局所的送達カテーテル、例えば、注入カテーテル、留置カテーテル、もしくはニードルカテーテルなど、合成移植片、外膜ラップ、シャントおよびステントもしくは他の埋め込み型デバイス、部位特異的担体、直接注入、または直接塗布がある。例えば、PCT公開第WO00/53211号および米国特許第5,981,568号を参照。
【0239】
Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの様々な製剤を投与に使用することができる。いくつかの実施形態では、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、そのまま投与してもよい。いくつかの実施形態では、Trop−2抗体(またはTrop−2抗体コンジュゲート)および薬学的に許容できる賦形剤は、様々な製剤でのものであり得る。薬学的に許容できる賦形剤は、当技術分野で公知であり、薬理学的に有効な物質の投与を促進する相対的に不活性な物質である。例えば、賦形剤は、形態もしくは粘稠度を与え、または希釈剤として作用することができる。適当な賦形剤としては、それだけに限らないが、安定化剤、湿潤剤および乳化剤、モル浸透圧濃度を変更するための塩、封入剤、緩衝剤、および皮膚浸透エンハンサーがある。非経口および非経口ではない(nonparenteral)薬物送達用賦形剤および製剤は、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、20版、Mack Publishing、2000に示されている。
【0240】
いくつかの実施形態では、これらの作用物質は、注入(例えば、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内など)による投与用に製剤化される。したがって、これらの作用物質は、薬学的に許容できるビヒクル、例えば、生理食塩水、リンガー液、デキストロース溶液などと組み合わせることができる。特定の投薬レジメン、すなわち、用量、タイミング、および繰り返しは、特定の個体およびその個体の病歴に依存する。
【0241】
本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、注入(例えば、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内など)によるものを含めた、任意の適当な方法を使用して投与することができる。Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、本明細書に記載するように、吸入を介して投与することもできる。一般に、Trop−2抗体およびTrop−2抗体コンジュゲートを投与するために、最初の候補投与量を約2mg/kgとすることができる。本発明の目的に関して、一般的な1日投与量は、上述した要因に応じて、約3μg/kg〜約30μg/kg〜約300μg/kg、〜約3mg/kg、〜約30mg/kg、〜約100mg/kgまたはそれ以上のいずれかの範囲となり得る。例えば、約1mg/kg、約2.5mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、および約25mg/kgの投与量を使用することができる。状態に応じて数日間またはそれ以上にわたって投与を繰り返すことに関して、治療は、症状の所望の抑制が起こるまで、または例えば、腫瘍増殖/進行もしくはがん細胞の転移を阻害し、もしくは遅延させるのに十分な治療レベルが実現されるまで持続される。例示的な投薬レジメンは、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの約2mg/kgの初期用量、その後の約1mg/kgの毎週の維持用量、またはその後の1週間おきの約1mg/kgの維持用量の投与を含む。他の例示的な投薬レジメンは、漸増用量(例えば、1mg/kgの初期用量、および1週間またはそれより長い時間おきに1回または複数のより高い用量への段階的増加)の投与を含む。他の投薬レジメンも、開業医が実現するように望む薬物動態学的減衰のパターンに応じて有用であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、1週間に1〜4回の投薬が企図されている。他の実施形態では、1カ月に1回、または隔月もしくは3ヶ月毎に1回の投薬が企図されている。この療法の進行は、慣例的な技法およびアッセイによって容易に監視される。投薬レジメン(使用されるTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む)は、経時的に変更することができる。
【0242】
本発明の目的に関して、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの適切な投与量は、使用されるTrop−2抗体もしくはTrop−2抗体コンジュゲート(またはその組成物)、治療される症状のタイプおよび重症度、作用物質が治療目的に投与されるか否か、以前の療法、患者の病歴および作用物質に対する応答、投与される作用物質の患者のクリアランス速度、ならびに主治医の自由裁量に依存する。一般に、臨床医は、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを、投与量が所望の結果を実現するものに到達するまで投与する。用量および/または頻度は、治療の過程にわたって変更することができる。半減期などの経験的な考慮事項は一般に、投与量の決定に寄与する。例えば、ヒト免疫系と適合した抗体、例えば、ヒト化抗体または完全ヒト抗体などを、抗体の半減期を延ばし、抗体が宿主の免疫系によって攻撃されるのを防止するために使用することができる。投与の頻度は、療法の過程にわたって決定および調整することができ、症状の治療および/または抑制および/または緩和および/または遅延、例えば、腫瘍増殖阻害または遅延などに必ずではないが一般に基づく。代わりに、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの持続的連続的放出製剤が適切となり得る。徐放を実現するための様々な製剤およびデバイスが当技術分野で公知である。
【0243】
一実施形態では、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの投与量は、Trop−2抗体またはそのTrop−2抗体コンジュゲートの1回または複数の投与を受けている個体において経験的に求めることができる。個体は、漸増投与量のTrop−2抗体またはTrop−2アンタゴニストを投与される。効力を評価するために、疾患のインジケータを追跡することができる。
【0244】
本発明の方法によるTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの投与は、例えば、レシピエントの生理的条件、投与の目的が治療的であるか、または予防的であるか、および熟練した開業医に公知の他の要因に応じて、連続的であっても、断続的であってもよい。Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの投与は、予め選択された時間にわたって本質的に連続的であってもよく、または間隔を置いた一連の投薬におけるものであってもよい。
【0245】
いくつかの実施形態では、複数種のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートが存在し得る。少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、またはそれ以上のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートが存在し得る。一般に、これらのTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートは、互いに悪影響しない相補的な活性を有することができる。例えば、以下のTrop−2抗体、すなわち、Trop−2上の1つのエピトープに向けられた第1Trop−2抗体およびTrop−2上の異なるエピトープに向けられた第2Trop−2抗体の1種または複数を使用することができる。
【0246】
本発明によって使用されるTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの治療製剤は、凍結乾燥製剤または水性液剤の形態で、所望の程度の純度を有する抗体を、任意選択の薬学的に許容できる担体、賦形剤、または安定剤(Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21版、Mack Publishing、2005)と混合することによって、貯蔵用に調製することができる。許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに無毒性であり、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸など;塩化ナトリウムなどの塩;アスコルビン酸およびメチオニンを含めた抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルもしくはプロピルパラベンなど;カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなど;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリシンなど;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含めた単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート化剤;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなど;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);ならびに/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)などを含むことができる。
【0247】
Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含有するリポソームは、Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:3688、1985;Hwangら、Proc.Natl Acad.Sci.USA、77:4030、1980;ならびに米国特許第4,485,045号、および同第4,544,545号に記載されたものなどの、当技術分野で公知の方法によって調製される。循環時間が増強されたリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびPEG−誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いて、逆相蒸発法によって生成することができる。リポソームは、所望の直径を有するリポソームを生じるように、規定孔サイズのフィルターを通して押し出される。
【0248】
活性成分は、コロイド薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)内で、またはマクロエマルジョン内で、例えば、コアセルベーション技法によって、または界面重合によって調製されるマイクロカプセル、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン−マイクロカプセル、およびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に封入することもできる。このような技法は、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21版、Mack Publishing、2005に開示されている。
【0249】
徐放配合物を調製することができる。徐放配合物の適当な例には、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、これらのマトリックスは、造形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態にある。徐放マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸と7エチル−L−グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフェア)など、スクロースアセテートイソブチレート、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸がある。
【0250】
in vivo投与に使用される製剤は、滅菌されていなければならない。これは、例えば、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。治療用Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲート組成物は一般に、滅菌したアクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針で穿孔可能なストッパーを有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアル内に入れられる。
【0251】
本発明による組成物は、経口、非経口もしくは直腸投与、または吸入もしくはガス注入による投与のための単位剤形、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤もしくは懸濁剤、または坐剤などであり得る。
【0252】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主な活性成分は、薬学的担体、例えば、慣例的な錠剤化成分、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、またはガムなど、および他の薬学的希釈剤、例えば、水と混合されて、本発明の化合物、または無毒性の薬学的に許容できるその塩の均質な混合物を含有する固体予備製剤組成物が形成される。これらの予備製剤組成物が均質であるという場合、活性成分が組成物全体にわたって均等に分散されており、その結果、組成物が同様に有効な単位剤形、例えば、錠剤、丸剤、およびカプセル剤などに容易にさらに分割され得ることを意味する。次いで、この固体予備製剤組成物は、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含有する上述したタイプの単位剤形にさらに分割される。新規組成物の錠剤または丸剤は、持続性作用の利点をもたらす剤形を提供するために、被覆または他の方法で調合することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内側投与および外側投与コンポーネントを含むことができ、後者は、前者の上の外被の形態である。2つのコンポーネントは、胃内での崩壊に耐える機能を果たし、内側コンポーネントがインタクトで十二指腸内に入り、または放出が遅延されることを可能にする腸溶性層によって分離することができる。様々な材料を、このような腸溶性層または被覆に使用することができ、このような材料には、多数のポリマー酸ならびにシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような材料とのポリマー酸の混合物が含まれる。
【0253】
適当な表面活性剤としては、特に、非イオン性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween(商標)20、40、60、80、または85)、および他のソルビタン(例えば、Span(商標)20、40、60、80、または85)などがある。表面活性剤を含む組成物は、好都合には、0.05〜5%の間の表面活性剤を含むことになり、0.1〜2.5%の間であり得る。必要であれば、他の成分、例えば、マンニトールまたは他の薬学的に許容できるビヒクルを添加することができることが理解されるであろう。
【0254】
適当なエマルジョンは、市販の脂肪エマルジョン、例えば、Intralipid(商標)、Liposyn(商標)、Infonutrol(商標)、Lipofundin(商標)、およびLipiphysan(商標)などを使用して調製することができる。活性成分を、予備混合エマルジョン組成物中に溶解させることができ、または代わりに、活性成分を、油(例えば、ダイズ油、サフラワー油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、または扁桃油)、ならびにリン脂質(例えば、卵リン脂質、ダイズリン脂質、またはダイズレシチン)および水と混合して形成されたエマルジョン中に溶解させることができる。エマルジョンの張性を調整するために、他の成分、例えば、グリセロールまたはグルコースを添加してもよいことが理解されるであろう。適当なエマルジョンは一般に、最大20%の油、例えば、5〜20%の間の油を含有することになる。脂肪エマルジョンは、0.1〜1.0μm、特に0.1〜0.5μmの間の脂肪滴を含み、5.5〜8.0の範囲内のpHを有することができる。
【0255】
エマルジョン組成物は、Trop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートをIntralipid(商標)またはそのコンポーネント(ダイズ油、卵リン脂質、グリセロール、および水)と混合することによって調製されるものであり得る。
【0256】
吸入またはガス注入用組成物は、薬学的に許容できる水性溶媒もしくは有機溶媒、またはこれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末を含む。液体または固体組成物は、上記に示した適当な薬学的に許容できる賦形剤を含有し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、局所的または全身的効果のために、経口呼吸経路または鼻呼吸経路によって投与される。好ましくは滅菌した薬学的に許容できる溶媒中の組成物は、ガスを使用して霧状化することができる。霧状化溶液は、噴霧器から直接吸い込むことができ、または噴霧器をフェイスマスク、テント、もしくは間欠的陽圧呼吸機に取り付けてもよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから、好ましくは経口的または経鼻的に投与することができる。
【0257】
組成物
本発明の方法で使用される組成物は、有効量の本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む。このような組成物の例および製剤方法も、先のセクションおよび以下に記載されている。いくつかの実施形態では、組成物は、1種または複数のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを含む。例えば、Trop−2抗体は、ヒトTrop−2を認識する。いくつかの実施形態では、Trop−2抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、Trop−2抗体は、所望の免疫応答、例えば、抗体媒介溶解またはADCCなどを誘発することができる定常領域を含む。他の実施形態では、Trop−2抗体は、望まれない、または望ましくない免疫応答、例えば、抗体媒介溶解またはADCCなどを誘発しない定常領域を含む。他の実施形態では、Trop−2抗体は、抗体の1つまたは複数のCDR(1つ,2つ、3つ、4つ、5つ、またはいくつかの実施形態では、6つすべてなどのCDR)を含む。
【0258】
組成物は、複数種のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲート(例えば、Trop−2の異なるエピトープを認識するTrop−2抗体の混合物)を含み得ることが理解される。他の例示的な組成物は、同じエピトープ(複数可)を認識する複数種のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲート、またはTrop−2(例えば、ヒトTrop−2)の異なるエピトープに結合するTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの異なる種を含む。
【0259】
本発明で使用される組成物は、凍結乾燥製剤または水性液剤の形態で、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または安定剤(Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21版、2005、Lippincott Williams and Wilkins,Ed.K.E.Hoover)をさらに含むことができる。許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、投与量および濃度でレシピエントに無毒性であり、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸など;アスコルビン酸およびメチオニンを含めた抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルもしくはプロピルパラベンなど;カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなど;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリシンなど;グルコース、マンノース、もしくはデキストランを含めた単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート化剤;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなど;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);ならびに/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)などを含むことができる。薬学的に許容できる賦形剤は、本明細書でさらに記載されている。
【0260】
キット
本発明は、本方法で使用するためのキットも提供する。本発明のキットは、本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲート、および本明細書に記載の本発明の方法のいずれかによって使用するための指示書を含む、1つまたは複数の容器を含む。一般に、これらの指示書は、上述した治療的処置のためにTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートを投与する説明を含む。
【0261】
本明細書に記載のTrop−2抗体またはTrop−2抗体コンジュゲートの使用に関する指示書は、一般に、意図される治療のための投与量、投薬スケジュール、および投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、マルチドーズパッケージ)、またはサブユニット用量のものであり得る。本発明のキット内に供給される指示書は、一般に、ラベルまたは添付文書(例えば、キット内に含まれる紙シート)での書面による指示書であるが、機械可読な指示書(例えば、磁気または光記憶ディスクで携帯される指示書)も許容できる。
【0262】
本発明のキットは、適当な包装内にある。適当な包装としては、それだけに限らないが、バイアル、ボトル、広口瓶、フレキシブル包装(例えば、密封されたマイラーバッグまたはビニール袋)などがある。特定のデバイス、例えば、吸入器、経鼻投与デバイス(例えば、アトマイザ)、またはミニポンプなどの注入デバイスなどと組み合わせて使用するためのパッケージも企図されている。キットは、滅菌したアクセスポートを有することができる(例えば、容器は皮下注射針で穿孔可能なストッパーを有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。容器も、滅菌したアクセスポートを有することができる(例えば、容器は皮下注射針で穿孔可能なストッパーを有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1種の活性剤は、Trop−2抗体である。容器は、第2医薬活性剤をさらに含むことができる。
【0263】
キットは、追加のコンポーネント、例えば、緩衝液および解釈情報などを任意選択により提供することができる。通常、キットは、容器、および容器上の、またはこれに付随したラベルまたは添付文書(複数可)を含む。
【0264】
突然変異および修飾
本発明のTrop−2抗体を発現させるために、VHおよびVL領域をコードするDNA断片を、上述した方法のいずれかを使用して最初に得ることができる。様々な修飾、例えば、突然変異、置換、欠失、および/または付加も、当業者に公知の標準方法を使用して、DNA配列中に導入することができる。例えば、突然変異誘発は、PCR媒介突然変異誘発などの標準方法を使用して実施することができ、PCR媒介突然変異誘発では、突然変異したヌクレオチドがPCRプライマー中に組み込まれ、その結果、PCR産物が所望の突然変異または部位特異的突然変異誘発を含有する。
【0265】
行うことができる1つのタイプの置換は、例えば、別の残基、例えば、限定することなく、アラニンまたはセリンなどに化学反応性であり得る、抗体中の1つまたは複数のシステインを変更することである。例えば、非カノニカルシステインの置換が存在し得る。置換は、可変ドメインのCDRもしくはフレームワーク領域内、または抗体の定常領域内で行うことができる。いくつかの実施形態では、システインは、カノニカルである。
【0266】
抗体は、例えば、抗体の結合性を変更するために、例えば、重鎖および/または軽鎖の可変ドメイン内で修飾することもできる。例えば、Trop−2に対する抗体のK
Dを増減し、k
offを増減し、または抗体の結合特異性を変更するために、CDR領域の1つまたは複数内で突然変異を行うことができる。部位特異的突然変異誘発における技法は、当技術分野で周知である。例えば、Sambrookら、およびAusubelら、上記を参照。
【0267】
修飾または突然変異をフレームワーク領域または定常領域内で行って、Trop−2抗体の半減期を延ばすこともできる。例えば、PCT公開第WO00/09560号を参照。フレームワーク領域または定常領域内での突然変異を行って、抗体の免疫原性を変更し、別の分子への共有結合性もしくは非共有結合性結合のための部位を提供し、または補体結合、FcR結合、および抗体依存性細胞媒介性細胞傷害などの性質を変更することもできる。本発明によれば、単一抗体は、可変ドメインのCDRもしくはフレームワーク領域の任意の1つまたは複数内、または定常領域内に突然変異を有することができる。
【0268】
「生殖系列化(germlining)」として公知のプロセスでは、VHおよびVL配列中のある特定のアミノ酸を突然変異させて、生殖系列VHおよびVL配列中に天然に見つかるものとマッチさせることができる。特に、抗体が投与されるときの免疫原性のリスクを低減するために、VHおよびVL配列中のフレームワーク領域のアミノ酸配列を突然変異させて、生殖系列配列とマッチさせることができる。ヒトVHおよびVL遺伝子についての生殖系列DNA配列は、当技術分野で公知である(例えば、「Vbase」ヒト生殖系列配列データベースを参照;Kabat、E.A.ら、1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH刊行物番号91−3242;Tomlinsonら、J.Mol.Biol.、227:776〜798、1992;およびCoxら、Eur.J.Immunol.、24:827〜836、1994も参照)。
【0269】
行うことができる別のタイプのアミノ酸置換は、抗体中の潜在的なタンパク質分解部位を除去することである。このような部位は、可変ドメインのCDRもしくはフレームワーク領域内または抗体の定常領域内に存在し得る。システイン残基を置換し、タンパク質分解部位を除去すると、抗体生成物中の不均質性のリスクを減少させ、したがってその均質性を増大させることができる。別のタイプのアミノ酸置換は、潜在的なアミド分解部位を形成するアスパラギン−グリシン対を、これらの残基の一方または両方を変更することによって排除することである。別の例では、本発明のTrop−2抗体の重鎖のC末端リシンを切断することができる。本発明の様々な実施形態では、Trop−2抗体の重鎖および軽鎖は、シグナル配列を任意選択により含む場合がある。
【0270】
本発明のVHおよびVLセグメントをコードするDNA断片が得られた後、これらのDNA断片を、標準的な組換えDNA技法によってさらに操作して、例えば、可変領域遺伝子を全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子、またはscFv遺伝子に変換することができる。これらの操作では、VLまたはVHコードDNA断片は、抗体定常領域などの別のタンパク質をコードする別のDNA断片、または可動性リンカーに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結した」は、本脈絡において使用する場合、2つのDNA断片によってコードされるアミノ酸配列がインフレームのままであるように2つのDNA断片が接合されていることを意味するように意図されている。
【0271】
VH領域をコードする単離DNAは、VHコードDNAを、重鎖定常領域(CH1、CH2、およびCH3)をコードする別のDNA分子に作動可能に連結することによって、完全長重鎖遺伝子に変換することができる。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、当技術分野で公知であり(例えば、Kabat,E.A.ら、1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH刊行物番号91−3242を参照)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅によって得ることができる。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM、またはIgD定常領域とすることができるが、最も好ましくはIgG1またはIgG2定常領域である。IgG定常領域配列は、異なる個体の中で存在することが知られている様々な対立遺伝子またはアロタイプ、例えば、Gm(1)、Gm(2)、Gm(3)、およびGm(17)などのいずれかであり得る。これらのアロタイプは、IgG1定常領域中の天然に存在するアミノ酸置換を代表する。Fab断片重鎖遺伝子に関して、V
HコードDNAは、重鎖CH1定常領域のみをコードする別のDNA分子に作動可能に連結することができる。CH1重鎖定常領域は、重鎖遺伝子のいずれかに由来し得る。
【0272】
VL領域をコードする単離DNAは、VLコードDNAを軽鎖定常領域、CLをコードする別のDNA分子に作動可能に連結することによって、完全長軽鎖遺伝子(およびFab軽鎖遺伝子)に変換することができる。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当技術分野で公知であり(例えば、Kabat,E.A.ら、1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH刊行物番号91−3242を参照)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅によって得ることができる。軽鎖定常領域は、κまたはλ定常領域とすることができる。κ定常領域は、異なる個体の中で存在することが知られている様々な対立遺伝子、例えば、Inv(1)、Inv(2)、およびInv(3)のいずれかであり得る。λ定常領域は、3種のλ遺伝子のいずれかに由来し得る。
【0273】
scFv遺伝子を作り出すために、VHおよびVLコードDNA断片は、可動性リンカーをコードする、例えば、アミノ酸配列(Gly
4−Ser)
3、(配列番号80)をコードする別の断片に、VHおよびVL配列が、VLおよびVH領域が可動性リンカーによって接合された連続した単鎖タンパク質として発現され得るように作動可能に連結される(例えば、Birdら、1988、Science、242:423〜426;Hustonら、1988、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:5879〜5883;McCaffertyら、1990、Nature 348:552〜554を参照)。単鎖抗体は、単一のVHおよびVLのみが使用される場合、一価であり得、2つのVHおよびVLが使用される場合、二価であり得、または2つを超えるVHおよびVLが使用される場合、多価であり得る。Trop−2および別の分子に特異的に結合する二重特異性抗体または多価抗体を生成することができる。
【0274】
別の実施形態では、別のポリペプチドに連結した本発明のTrop−2抗体のすべてまたは一部を含む融合抗体またはイムノアドヘシンを作製することができる。別の実施形態では、Trop−2抗体の可変ドメインのみがポリペプチドに連結される。別の実施形態では、Trop−2抗体のVHドメインは、第1ポリペプチドに連結され、一方、Trop−2抗体のVLドメインは、VHおよびVLドメインが互いに相互作用して抗原結合部位を形成することができる様式で第1ポリペプチドと会合する第2ポリペプチドに連結される。別の好適な実施形態では、VHドメインは、VHおよびVLドメインが互いに相互作用することができるように、リンカーによってVLドメインから分離される。次いで、VH−リンカー−VL抗体は、対象とするポリペプチドに連結される。さらに、2つ(またはそれ以上)の単鎖抗体が互いに連結された融合抗体を作り出すことができる。これは、単一ポリペプチド鎖上に二価もしくは多価抗体を作り出したい場合、または二重特異性抗体を作り出したい場合、有用である。
【0275】
他の実施形態では、Trop−2抗体コード核酸分子を使用して他の修飾抗体を調製することができる。例えば、「カッパボディ」(Illら、Protein Eng.、10:949〜57、1997)、「ミニボディ」(Martinら、EMBO J.、13:5303〜9、1994)、「ダイアボディ」(Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444〜6448、1993)、または「ジャヌシン(Janusin)」(Trauneckerら、EMBO J.、10:3655〜3659、1991およびTrauneckerら、Int.J.Cancer(補遺)、7:51〜52、1992)を、本明細書の教示に従って、標準的な分子生物学的技法を使用して調製することができる。
【0276】
二重特異性抗体または抗原結合断片は、ハイブリドーマの融合、またはFab’断片の連結を含めた様々な方法によって生成することができる。例えば、Songsivilai&Lachmann、Clin.Exp.Immunol.、79:315〜321、1990、Kostelnyら、J.Immunol.、148:1547〜1553、1992を参照。さらに、二重特異性抗体を「ダイアボディ」または「ジャヌシン」として形成することができる。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、Trop−2の2つの異なるエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、上述した修飾抗体は、本明細書に提供されるTrop−2抗体に由来する可変ドメインまたはCDR領域の1つまたは複数を使用して調製される。
【0277】
本発明の代表的な材料は、2012年4月26日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託した。ATCC受託番号PTA−12872を有するベクターは、ヒト化Trop−2抗体重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドであり、ATCC受託番号PTA−12871を有するベクターは、ヒト化Trop−2抗体軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドである。寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約およびその下の規定(ブダペスト条約)の条項下で行った。これにより、寄託日から30年間、寄託物の生存培養が保証される。寄託物は、ブダペスト条約の条項、ならびにPfizer,Inc.とATCCとの契約の対象であって、関係する米国特許の発行の後、または米国もしくは外国特許出願の公共への公開の後のいずれか早い方に、公共に寄託物の培養の子孫の永続的および非制限的利用可能性を保証し、米国特許法第122条およびこれに準じた長官規則(886OG638を特に参照して連邦規則法典第37巻第1.14条を含む)によって、米国特許商標庁長官が権利を有すると決定したものへの子孫の利用可能性を保証する、契約の対象の下でATCCによって利用可能にされることになる。
【0278】
本願の代理人は、寄託した材料の培養物が、適当な条件下で培養されたとき、死滅し、または失われ、もしくは破壊された場合、通知された後、材料を別の同じものに即座に置き換えることに同意している。寄託した材料の利用可能性は、任意の政府の権限下でその特許法に従って付与された権利に違反した本発明の実施のライセンスと解釈されるべきでない。
【0279】
以下の実施例は、例示的な目的だけのために提供されており、本発明の範囲を決して限定するように意図されていない。実際に、本明細書に示し、記載したものに加えて、本発明の様々な修正形態が、前述の説明から当業者に明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に入る。
【実施例】
【0280】
(実施例1)
組換え抗Trop−2マウス抗体の抗体結合親和性決定
ハイブリドーマから生成される抗Trop−2マウス抗体の親和性を、研究グレードCM5センサーチップ(Biacore(商標)AB、Uppsala、スウェーデン−現在、GEHealthcare)を備えた表面プラズモン共鳴Biacore(商標)2000または3000バイオセンサーで測定した。抗マウスIgGをCM5センサー表面に最初にアミンカップリングさせた。次いで、様々な抗Trop−2マウスIgGを抗マウスIgGによって捕捉させた。Trop−2−Fc融合タンパク質のパパイン消化から調製した単量体Trop−2細胞外ドメインを、3倍希釈系列で分析物として注入した。抗Trop−2マウス抗体の親和性は、7.5〜31.8nMの範囲である。表4。
【0281】
【表4】
【0282】
(実施例2)
組換え抗Trop−2マウス抗体のドメインマッピング
ドメインマッピングを、Trop−2細胞外ドメインをTrop−1(EpCAM)またはマウスTrop−2等価領域と交換することによって行った。
図4〜5を参照。抗Trop−2抗体3E9、6G11、7E6、および18B1(組換えマウスIgG2aとして発現された)は、ヒトTrop−1にもマウスTrop−2にも結合せず、一方、15E2は、マウスTrop−2に結合するがヒトTrop−1に結合しない。これらのハイブリッドタンパク質を、293F細胞内でヒトFc融合タンパク質として発現させた。抗Trop−2抗体のこれらのドメインハイブリッドへの結合を、Biacoreによって決定した。抗Trop−2抗体によるある特定のヒトTrop−2ドメインの認識は、ドメイン交換により結合が喪失または低減するとき、定義した。抗Trop−2抗体クローン3E9、7E6、および15E2は、ドメイン3および4に結合し、一方、クローン6G11および18B1は、ドメイン1に結合する。表5。Trop−2の異なるドメインの定義は、例えば、Chongら、J.Biol.Chem.、276(8):5804〜13、2001に見つけることができる。
【0283】
【表5】
【0284】
(実施例3)
Colo205異種移植片モデルを用いたIn Vivo効力試験
抗Trop−2マウスIgGのin vivo効力試験を、標的発現colo205異種移植片モデルを用いて実施した。100万のcolo205大腸がん細胞を、生後5〜8週のnu/nuマウスの皮下に移植した(0日目)。翌日(1日目)に体重によって動物をランダム化して、異なる処置コホート(対照IgG、7E6、15E2、または18B1群;n=10/群)にした。異なる処置コホートおよび対照mIgGからの20mg/kgの抗Trop−2抗体を、ボーラス尾静脈注射によって週3回、合計12回にわたって投与した。すべての実験動物を体重変化について毎日監視した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週2回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。TGI(%腫瘍増殖阻害)を[1−腫瘍サイズ(処置群)/腫瘍サイズ(対照群)]×100として求めた。表6および
図1は、抗Trop−2抗体7E6、15E2、および18B1が、Colo205異種移植片腫瘍増殖をin vivoで阻害することを示す。
【0285】
【表6】
【0286】
(実施例4)
A431異種移植片モデルを用いたIn Vivo効力試験
a)抗Trop−2抗体7E6、15E2、および18B1によるA431異種移植片腫瘍増殖の阻害
抗Trop−2マウスIgGのin vivo効力試験を、標的発現A431異種移植片モデルを用いて実施した。200万のA431類表皮がん細胞を、生後5〜8週のnu/nuマウスの皮下に、腫瘍サイズが約100mm
3に到達するまで移植した。動物を腫瘍サイズによってランダム化し、投薬をボーラス尾静脈注射によって行った。抗Trop−2抗体は、293Fの一過性発現から組換えマウスIgG2a抗体として発現させた。20mg/kgの抗Trop−2抗体(18B1、15E2、および7E6組換えmIgG2a)、または対照IgGを、ボーラス尾静脈注射によって週2回、合計6回にわたって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週2回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。TGI(%腫瘍増殖阻害)を[1−腫瘍サイズ(処置群)/腫瘍サイズ(対照群)]×100として求めた。表7Aおよび
図2Aは、抗Trop2抗体7E6、15E2、および18B1が、A431異種移植片腫瘍増殖をin vivoで阻害することを示す。
【0287】
【表7】
【0288】
b)用量応答試験における抗Trop−2抗体7E6によるA431異種移植片腫瘍増殖の阻害
上記実施例4aに記載の同じ異種移植片モデルを使用して、様々な用量の抗Trop−2 7E6抗体(5、10、および20mg/kg)、または20mg/kgの対照IgGを、ボーラス尾静脈注射によって週2回、合計6回にわたって投与した。表7Bおよび
図2Bは、様々な用量の7E6によるin vivoでのA431異種移植片腫瘍増殖の阻害を示す。
【0289】
【表8】
【0290】
c)抗Trop−2抗体6G11、7E6、および18B1によるA431異種移植片腫瘍増殖の阻害
同様に、実施例4a)に記載したA431異種移植片モデルにおいて、すべてmIgG2として組換えで発現させた20mg/kgの抗Trop−2抗体(6G11、7E6、および18B1、ならびに対照IgG)を、ボーラス尾静脈注射によって週1回、合計3回にわたって投与した。表7Cおよび
図2Cは、抗Trop2抗体6G11、7E6、および18B1が、A431異種移植片腫瘍増殖をin vivoで阻害することを示す。
【0291】
【表9】
【0292】
(実施例5)
ヒト化抗Trop−2抗体−7E6の抗体結合親和性決定
キメラおよびヒト化抗Trop−2 7E6抗体の親和性を、研究グレードCM4センサーチップ(Biacore(商標)AB、Uppsala、スウェーデン−現在、GEHealthcare)を備えた表面プラズモン共鳴Biacore(商標)T200バイオセンサーで測定した。ヒトTrop−2−hFcまたはカニクイザルTrop−2−hFcタンパク質を、抗ヒトFcとカップリングしたCM5 EDAチップ37センサー表面上で捕捉した。キメラおよびヒト化7E6組換えFab断片を、3倍希釈系列として注射した。表8Aおよび表8Bは、ヒト化抗Trop−2 7E6抗体の、それぞれヒトTrop−2タンパク質およびカニクイザルTrop−2タンパク質への親和性測定値を示す。
【0293】
【表10】
【0294】
【表11】
【0295】
(実施例6)
ヒト化抗Trop−2抗体−6G11の抗体結合親和性決定
ヒト化6G11抗体の親和性を、研究グレードCM5センサーチップ(Biacore(商標)AB、Uppsala、スウェーデン−現在、GEHealthcare)を備えた表面プラズモン共鳴Biacore(商標)2000バイオセンサーで測定した。ヒトTrop−2−mFcタンパク質を、抗マウスFcとカップリングしたCM5チップ上で捕捉した。ヒト6G11_WTまたはヒト6G11_FKG_SFキメラFab断片を、3倍希釈系列として注射した。表9は、ヒト化抗Trop−2 6G11抗体のヒトTrop−2タンパク質への親和性測定値を示す。
【0296】
【表12】
【0297】
(実施例7)
Trop−2陽性および陰性腫瘍細胞に対するマウスおよびヒト化抗Trop−2抗体のフローサイトメトリー
a)7E6
マウスキメラおよびヒト化抗Trop−2 7E6抗体(ヒトIgG1サブタイプ内で発現させた)の結合を、Trop−2発現(A431およびColo205)ならびに非発現(SW620)細胞について、フローサイトメトリーによって評価した。A431細胞染色に関して、200,000細胞を、結合緩衝液(PBS(リン酸緩衝溶液)+0.5%のBSA(ウシ血清アルブミン))100μL中で、抗体0.5μgとともにインキュベートし、その後Jackson immunoresearch Laboratories(West Grove、PA)製Dylight488コンジュゲートヤギ抗ヒト(Fab’)
2−特異的二次抗体とともにインキュベートした。Colo205およびSW620細胞に関して、300,000細胞を、一次抗体1μgとともに、その後Jackson immunoresearch Laboratories(West Grove、PA)製AlexaFluor 647抗ヒト(Fab’)
2−特異的二次抗体とともに使用した。表10は、マウス7E6およびヒト化7E6抗体によるTrop−2陽性腫瘍細胞に対する少なくとも約93%の結合を示す。
【0298】
【表13】
【0299】
b)6G11
実施例7a)と同様に、キメラマウスおよびヒト化抗Trop−2 6G11抗体(ヒトIgG1サブタイプ内で発現させた)の結合を、Trop−2発現(A431およびColo205)ならびに非発現(SW620)細胞について、フローサイトメトリーによって評価した。300,000細胞を、一次抗体1μg、その後AlexaFluor 647抗ヒト(Fab’)
2−特異的二次抗体とともに使用した。表11は、マウス6G11およびヒト化6G11抗体によるTrop−2陽性腫瘍細胞に対する少なくとも約99%の結合を示す。
【0300】
【表14】
【0301】
(実施例8)
A431細胞に対するキメラおよびヒト化抗Trop−2 7E6 hIgG1抗体のADCC活性
キメラマウス(h7E6−WT)ならびにヒト化抗Trop−2 7E6ヒトIgG1抗体(h7E6_SVG(VH領域)、h7E6_L(VL領域)、ならびにh7E6−SVGL(VHおよびVL領域の両方))のADCC(抗体依存性細胞傷害)活性を、cytoTox96非放射性細胞傷害性アッセイキット(Promega、Madison WI)を用いて求めた。標的発現A431細胞を、アッセイの前日に10,000細胞/ウェルで播種した。ドナーPBMC(凍結保存した末梢血単核細胞)を、フィコール勾配によって単離し、X−VIVO培地(Lonza、Wakersville、MO)中で、37℃で一晩培養した。翌日、抗体を
図3に示した濃度でウェルに添加し、その後RPMI+5%のFBS(ウシ胎児血清)中の500,000PBMC細胞(E:T=50:1)を添加した。抗EGFR(上皮成長因子受容体)抗体(ERBITUX(登録商標)、Imclone、Bridgewater、NJ)をアッセイの陽性対照として使用した。次いでプレートを37℃で4時間インキュベートした。3時間半の時点で、溶解液20μLを、標的細胞単独のウェルに添加した。プレートを8000rpmで3分間回転させた後、上清50μLを別のプレートに移した。次いで基質50μlを各ウェルに添加し、プレートを、暗所で、室温で30分間インキュベートした。Promega(Madison、WI)製停止液50μLを各ウェル添加することによって、反応を停止した。次いで、分光光度計(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)を用いて490nmでプレートを読み取った。特異的溶解のパーセンテージ(%)を以下の式で計算した:
%特異的溶解=(処置LDH(乳酸脱水素酵素)放出−標的細胞自発的LDH放出−効果細胞自発的LDH放出)/(標的細胞最大LDH放出−標的細胞自発的LDH放出)×100
【0302】
図3は、キメラマウスおよびヒト化抗Trop−2 7E6 IgG1抗体がともに、A431細胞内でADCC殺傷を誘導したことを示す。
【0303】
(実施例9)
Trop−2陽性細胞内の抗Trop−2ADCの細胞傷害性
表12に示したように、キメラマウス(6G11および7E6)ならびにヒト化抗Trop−2(h7E6−SVG、h7E6−SVGL、およびh7E6−SVGN)抗体を、グルタミン含有トランスグルタミナーゼ(「Q」)タグ(例えば、TG1、LCQ03、およびTG6は、それぞれ、配列番号75,(LLQGG)、78(GGLLQGA)、および79(LLQGA)に対応する)で遺伝子工学的に改変され、AcLys−vcMMAD(アセチル−リシン−バリン−シトルリン−MMAD)、アミノカプロイル−vc−PABC−MMAD(アミノカプロイル−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル−MMAD)、またはAcLys−vc−PABC−MMAD(アセチル−リシン−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル−MMAD)とコンジュゲートしたヒトIgG1サブタイプとして発現させた。一例では、トランスグルタミナーゼタグは、抗体の軽鎖または重鎖C末端で遺伝子工学的に改変することができ、他の例では、トランスグルタミナーゼタグ(例えば、Q)は、ヒトIgGの297位(
EU番号付けスキーム)などの抗体の別の部位で遺伝子工学的に改変される。例えば、野生型アミノ酸アスパラギン(N)は、Trop−2抗体の297位でグルタミンと置換される(N297Q)。次いで、MMADへの抗Trop−2抗体コンジュゲーションを、特定の部位(例えば、抗体の重鎖もしくは軽鎖のカルボキシル末端もしくはアミノ末端、297位、または別の部位)でグルタミン含有タグを担持する抗Trop−2抗体と、ペイロード(例えば、MMAD)のアミン含有誘導体との間の微生物トランスグルタミナーゼ触媒アミド基転移反応を介して実現した。場合によっては、カルボキシル末端(
EU番号付けスキームによる447位)の野生型アミノ酸リシンを欠失させ、Q−タグと置き換えた。他の例では、222位、340位、または370位(
EU番号付けスキームによる)の野生型アミノ酸リシンを、アミノ酸アルギニンと置き換えた(「K222R」、「K340R」、または「K370R」)。例えば、K222R置換は、より均質な抗体とペイロードのコンジュゲート、抗体とペイロードとのより良好な分子間架橋、および/または抗体軽鎖のC末端上のグルタミンタグとの鎖間架橋の著しい減少をもたらすという意外な効果を有することが判明した。アミド基転移反応では、抗体上のグルタミンは、アシルドナーとして作用し、アミン含有化合物は、アシルアクセプター(アミンドナー)として作用した。1.67〜4.04μMの濃度の精製抗Trop−2抗体を、6.2〜8.8のpH範囲の、150〜900mMのNaCl、および25mMのMES、HEPES[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸]、またはTris HCl緩衝液中で、0.225〜0.545%(w/v)のストレプトベルチシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)トランスグルタミナーゼ(ACTIVA(商標)、Ajinomoto、日本)の存在下で、167〜404μMの間の範囲で、20〜100M過剰のアシルアクセプターとともにインキュベートした。反応条件を個々のアシルアクセプター誘導体について調整し、最適な効率および特異性は一般に、150mMのNaCl、25mMのTris HCl、pH8.8中の2.87μMの抗体、287μMの誘導体、および0.378%(w/v)のトランスグルタミナーゼで観察された。室温で2.5時間インキュベートした後、GE Healthcareから市販されている親和性クロマトグラフィーなどの当業者に公知の標準的な親和性クロマトグラフィー法を使用して、MabSelect樹脂(GE Healthcare、Waukesha、WI)上で抗体を精製した。
【0304】
標的発現(A431、BxPC3、CAPAN−2、およびColo205)または非発現(SW620)細胞を、処置の24時間前に、2000細胞/ウェルで白色壁透明底プレート上に播種した。4倍連続希釈した抗体−薬剤コンジュゲートを用いて三つ組で細胞を処置した。処置して96時間後に、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay 96(Promega、Madison WI)によって細胞生存能を求めた。相対的な細胞生存能を、未処置対照のパーセンテージとして求めた。IC50をPrismソフトウェアによって計算した。表12は、トランスグルタミナーゼタグによってMMADにコンジュゲートしたキメラマウスおよびヒト化抗Trop−2 7E6抗体が、Trop−2発現細胞内で強力な細胞殺傷活性を発揮することを示す。
【0305】
【表15-1】
【0306】
【表15-2】
【0307】
(実施例10)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、BxPC3異種移植片モデルにおいて長期間の腫瘍退縮を誘導した
対照抗体hIgG1−TG1−vcMMAD(「NNCTG1−vcMMAD」)、およびトランスグルタミナーゼを介して1)LCQ03−AcLys−vc−PABC−MMAD K222Rバリアントまたは2)TG6−AcLys−vc−PABC−MMADとコンジュゲートされたキメラ抗Trop−2抗体7E6のin vivo効力試験を、標的発現BxPC3異種移植片モデルを用いて実施した。h7E6−K222R−LCQ03−AcLys−vc−PABC−MMADバリアントコンジュゲートに関して、抗Trop−2抗体中の野生型アミノ酸リシンが、
EU番号付けスキームによる222位でアミノ酸アルギニンと置換されている(すなわちK222R)。LCQ03は、配列番号78(GGLLQGG)に対応し、TG6は、配列番号79(LLQGA)に対応する。トランスグルタミナーゼタグLCQ03およびTG6を使用してTrop−2抗体をコンジュゲートする一般的な方法は、実施例9に記載されている。200万のBxPC3がん細胞を、生後5〜8週のCB17 SCIDマウスの皮下に、腫瘍サイズが約250mm3に到達するまで移植した。動物を腫瘍サイズによってランダム化し、投薬をボーラス尾静脈注射によって行った。3mg/kgの対照hIgG1、キメラh7E6−K222R−LCQ03−AcLys−vc−PABC−MMADバリアント、またはキメラ7E6−TG6−AcLys−vc−PABC−MMADを、ボーラス尾静脈注射によって1回、合計1回にわたって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm3に到達する前に試験を終わらせた。単回投与のAcLys−vc−PABC−MMADとコンジュゲートしたキメラ抗Trop−2抗体7E6は、長期間の腫瘍退縮をもたらした。
図8を参照。
【0308】
(実施例11)
Trop−2陽性細胞内の抗Trop−2−ADCの細胞傷害性
陰性対照(NNC)およびヒト化抗Trop−2(h7E6SVG)抗体を、指定されたように、重鎖(TG6(配列番号79))、軽鎖(LCQ03(配列番号78)およびLCQ04(配列番号79))のC末端で、グルタミン含有トランスグルタミナーゼタグで、または重鎖のCH2/ヒンジドメイン内のN297Q/K222R突然変異で遺伝子工学的に改変され、AcLys−vc−PABC−0101(「vc0101」またはアセチル−リシン−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル−(2−メチルアラニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド))またはアミノカプロイル−PEG6(プロピレングリコール)
6−プロピオニル)−MMADとコンジュゲートしたヒトIgG1サブタイプとして発現させた。2−メチルアラニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドは、米国出願第61/561,255号および同第61/676,423号に記載された新規オーリスタチンである。トランスグルタミナーゼタグを使用してTrop−2抗体をコンジュゲートする方法は、実施例9に記載されている。標的発現または非発現(SW620)細胞を、処置の24時間前に、1ウェル当たり2000(A431、BxPC3、NCI−H292、NCI−H1650、MDA−MB−468、およびSW620)、2500(Calu−3)、または3000(OVCAR3およびSKBR3)細胞で白色壁透明底プレート上に播種した。4倍連続希釈した抗体−薬剤コンジュゲートを用いて三つ組で細胞を処置した。処置して96時間後に、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay 96(Promega、Madison WI)によって細胞生存能を求めた。相対的な細胞生存能を、未処置対照のパーセンテージとして求めた。IC50をGraphPad Prism5ソフトウェアによって計算し、総Abの濃度(nM)として表現した。表13は、トランスグルタミナーゼタグによってvc0101またはPEG6−MMADにコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2 7E6抗体が、Trop−2発現細胞内で強力な細胞殺傷活性を発揮することを示す。
【0309】
【表16】
【0310】
(実施例12)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、膵臓腫瘍BxPC3異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮を誘導した
Trop−2 ADCのin vivo効力試験を、標的発現BxPC3異種移植片モデルを用いて実施した。200万のBxPC3膵がん細胞を、生後5〜8週のCB17/SCIDマウスの皮下に、腫瘍サイズが300〜400mm
3に到達するまで移植した。動物を腫瘍サイズによってランダム化し、単回投与の1)TG6−AcLys−vc−PABC−0101(
図9Aに表したTG6−AcLys−vc−0101に等しい)、2)N297Q/K222R−PEG6−MMAD((プロピレングリコール)
6−プロピオニル−MMAD)、および3)LCQ04−K222R−vc−PABC0101(
図9Cに表したLCQ04/K222R−vc0101に等しい)、LCQ04は、配列番号79(LLQGA)に対応する)とコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体、ならびに対照コンジュゲートを、ボーラス尾静脈注射によって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。
図9A〜9Cは、単回投与の1)TG6−AcLys−vc−PABC−0101、2)N297Q/K222R−PEG6−MMAD、および3)LCQ04−K222R−vc−PABC0101とコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体が、膵臓腫瘍BxPC3異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮をもたらすことを示す。
【0311】
(実施例13)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、大腸腫瘍Colo205異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮を誘導した
Trop−2 ADCのin vivo効力試験を、標的発現colo205異種移植片モデルを用いて実施した。300万のcolo205大腸がん細胞を、生後5〜8週のnu/nuマウスの皮下に、腫瘍サイズが約300mm
3に到達するまで移植した。動物を腫瘍サイズによってランダム化し、単回投与の6mg/kgの1)TG6−AcLys−vc−PABC−0101(
図10に表したTG6−vc−0101に等しい)、および2)重鎖のヒンジ/CH2ドメイン内にK222R置換を有するLCQ03−vc−PABC−0101(
図10に表したLCQ03/K222R−vc0101に等しく、LCQ03は、配列番号78(GGLLQGG)に対応する)とコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体、ならびに対照コンジュゲート(IgG−vc−PABC−0101)を、ボーラス尾静脈注射によって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。
図10は、単回投与の1)TG6−AcLys−vc−PABC−0101、および2)重鎖のヒンジ/CH2ドメイン内にK222R置換を有するLCQ03−vc−PABC−0101とコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体が、大腸腫瘍Colo205異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮をもたらしたことを示す。
【0312】
(実施例14)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、卵巣PDX Ova196756異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮を誘導した
TG6−vc−0101とコンジュゲートしたヒト化抗Trop2抗体(h7E6SVG)を使用するTrop−2 ADCのin vivo効力試験を、標的発現卵巣がん患者由来異種移植片モデル(PDX Ova196756)を用いて実施した。この腫瘍試料を外科標本から得、NSGマウス(Jackson Laboratories、Bar Harbor、Maine)内で増殖させた。効力試験のために、およそ1〜2mm
3の腫瘍断片を、CB17/SCIDマウスの外側側腹部の皮下に移植した。腫瘍サイズが約400mm
3に到達した際、動物を腫瘍サイズによってランダム化し、単回投与のh7E6SVG−TG6−AcLys−vc−PABC−0101(0.75mg/kgおよび1.5mg/kg;
図11に表したTG6−vc0101に等しい)、ならびに対照コンジュゲート(1.5mg/kg;
図11に表したIgG−vc−PABC−0101またはIgG−vc0101)を、ボーラス尾静脈注射によって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。
図11は、単回投与のTG6−AcLys−vc−PABC−0101とコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体が、卵巣PDX Ova196756異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮をもたらしたことを示す。
【0313】
(実施例15)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、Pan0146膵臓PDXモデルにおいて腫瘍退縮を誘導するのにゲムシタビンより優れた効力を示す
TG6−vc0101とコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体(h7E6SVG)を使用するTrop−2 ADCのin vivo効力試験を、Jackson Laboratories(Bar Harbor、Maine)製の標的発現膵がん患者由来異種移植片モデル(PDX Pan0146)を用いて実施した。効力試験のために、1〜2mm
3の腫瘍断片を、動物の外側側腹部の皮下に移植した。腫瘍サイズが約300mm
3に到達した際、動物を腫瘍サイズによってランダム化し、h7E6SVG−TG6−AcLys−vc−PABC−0101および対照コンジュゲートを、ボーラス尾静脈注射によって投与した。
図12A:単回投与のh7E6SVG−TG6−AcLys−vc−PABC−0101(図でh7E6SVG−TG6−vc0101と示されている)および対照コンジュゲートを指定した用量で投与した。ゲムシタビンは、毎週2回、合計6回にわたって75mg/kgで投与した。
図12B:h7E6SVG−TG6−AcLys−vc−PABC−0101を、0.75mg/kgを毎週1回で4回にわたって、1.5mg/kgを隔週で2回にわたって、または3.0mg/kgの単回投与で投与した。ゲムシタビンは、毎週1回、75mg/kgで4回にわたって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。データは、TG6−AcLys−vc−PABC−0101とコンジュゲートしたヒト化抗Trop2抗体が、Pan0146膵臓PDXモデルにおいて腫瘍退縮を誘導するのに、ゲムシタビンより優れた効力を有し、h7E6SVG−TG6−AcLys−vc−PABC−0101を連続的に投薬すると、膵臓PDX Pan0146異種移植片モデルにおいて腫瘍退縮が持続したことを示す。
【0314】
(実施例16)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、膵臓Pan144607 PDXモデルにおいて腫瘍退縮を誘導する
vc0101またはPEG6MMADとコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体(h7E6SVG)を使用するTrop−2 ADCのin vivo効力試験を、標的発現膵がん患者由来異種移植片モデル(PDX Pan144607)を用いて実施した。この腫瘍試料を外科標本から得、NSGマウス(Jackson Laboratories、Bar Harbor、Maine)内で増殖させた。効力試験のために、およそ1〜2mm
3の腫瘍断片を、CB17/SCIDマウスの外側側腹部の皮下に移植した。腫瘍サイズが約300mm
3に到達した際、動物を腫瘍サイズによってランダム化し、1.5、3.0、および6.0mg/kgの単回投与のh7E6SVG−N297Q/K222R−PEG6MMAD、ならびに対照コンジュゲートを、ボーラス尾静脈注射によって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。
図13は、単回投与のPEG6−MMADとコンジュゲートしたヒト化抗Trop2抗体が膵臓Pan144607 PDXモデルにおいて腫瘍退縮をもたらしたことを示す。
【0315】
(実施例17)
抗Trop−2 7E6オーリスタチンコンジュゲートは、膵臓Pan0135 PDXモデルにおいて腫瘍退縮を誘導する
PEG6MMADとコンジュゲートしたヒト化抗Trop−2抗体(h7E6SVG)を使用するTrop−2 ADCのin vivo効力試験を、Jackson Laboratories製の標的発現膵がん患者由来異種移植片モデル(PDX Pan0135)を用いて実施した。効力試験のために、およそ1〜2mm
3の腫瘍断片を、動物の外側側腹部の皮下に移植した。腫瘍サイズが約300mm
3に到達した際、動物を腫瘍サイズによってランダム化し、6mg/kgのh7E6SVG−N297Q/K222R−PEG6MMAD、および対照コンジュゲートを、単回投与でボーラス尾静脈注射によって投与した。腫瘍体積をキャリパーデバイスで週1回測定し、以下の式、すなわち、腫瘍体積=(長さ×幅
2)/2で計算した。腫瘍体積が2000mm
3に到達する前に試験を終わらせた。
図14は、単回投与のPEG6−MMADとコンジュゲートしたヒト化抗−Trop2抗体が、膵臓Pan0135 PDXモデルにおいて腫瘍退縮をもたらしたことを示す。
【0316】
(実施例18)
ヒト化抗Trop−2抗体の抗体結合親和性決定
Fab/ヒトTrop2−ECD(細胞外ドメイン)相互作用の分析を、GLCセンサーチップを備えたBio−Rad Proteon XPR36表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサー(Bio−Rad、Hercules、CA)を使用して実施した。アッセイ温度は25℃であり、アッセイ緩衝液は、10mMのリン酸ナトリウム、150mMのNaCl、0.05%のTween−20、pH7.4であった。アミンカップリングしたFabのアレイを、Abdicheら(Anal.Biochem.、411:139〜151(2011))に記載の方法を使用して調製した。各分析サイクルにおいて、一価ヒトTrop2−ECD抗原を、固定化されたFab上に30μL/分で3分間流し、その後15分間緩衝液で洗浄してFab/Trop2複合体の解離を監視した。Pierce IgG溶出緩衝液:4MのNaCl(Pierce、Rockford、IL)の2:1混合物(体積による)の18秒の注入を3回使用して、センサー表面を分析サイクル間で再生させた。結合および再生サイクルを、6、30、および150nMのヒトTrop2−ECD濃度で繰り返した。得られたデータを、Proteon評価ソフトウェアを使用して、1:1のラングミュア結合モデルにフィッティングした。結果を以下の表に表す。
【0317】
【表17】
【0318】
開示される教示を、様々な用途、方法、キット、および組成物を参照して説明してきたが、本明細書の教示および以下の請求項に係る発明から逸脱することなく、様々な変更および改変を行うことができることが理解されるであろう。前述の例は、開示される教示をより良好に例示するために提供されており、本明細書に提示した教示の範囲を限定するように意図されていない。本教示を、これらの例示的な実施形態の観点から説明してきたが、当業者は、これらの例示的な実施形態の多数の変形形態および修正形態が過度の実験を伴うことなく可能であることを容易に理解するであろう。すべてのこのような変形形態および修正形態は、本教示の範囲内にある。
【0319】
特許、特許出願、論文、教科書などを含めた本明細書に引用されたすべての参考文献、およびこれらに引用された参考文献は、これらがまだ組み込まれていない程度まで、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。それだけに限らないが、定義された用語、用語の使用法、記載した技法などを含めて、組み込まれた文献および同様の資料の1つはまた複数が本願と異なり、または矛盾する場合、本願が支配する。
【0320】
前述の記述および実施例は、本発明のある特定の具体的な実施形態を詳述し、本発明者らが企図した最良の形態を記載するものである。前述のことが本文内でいかに詳述されているようであっても、本発明は、多くの方法で実行することができ、本発明は、添付の特許請求の範囲およびこれらの任意の均等物に従って解釈されるべきであることが理解されるであろう。