(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記フロント部は、上記LED基板の前方に距離を置いて配置されるフロント中央部と、上記LED基板の左方に距離を置いて配置されるフロント左部と、上記LED基板の右方に距離を置いて配置されるフロント右部と、を備え、
上記開口の左に設けられる上記第1領域が上記カバーと上記フロント左部の間の空間を介して上記フロント中央部に対向し、上記開口の右に設けられる上記第1領域が上記カバーと上記フロント右部の間の空間を介して上記フロント中央部に対向している、請求項2に記載の照明装置。
上記フロント部の内面と上記LED基板の前方の上記カバーの内面は粗面に形成され、上記背面部の粗面は上記フロント部と上記カバーの粗面に比べて粗く形成されている、請求項5に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1(A)は浴室用の照明装置1の斜視図、
図1(B)は照明装置1の左側面図、
図1(C)は照明装置1の平面図である。
図2は照明装置1の分解図である。
図3は照明装置1の横の断面図、
図4は照明装置1の縦の断面図である。照明装置1は、壁の室内側の面に固定される本体10と、本体10に着脱自在に取り付けられるグローブ20とを備えている。
【0015】
図1(B)及び(C)と
図2で、二点鎖線は取付面としての浴室の壁面50を表す。また、
図1(B)の矢印Cの方向から照明装置1を眺めた場合に対向する側を正面、向かって左側を照明装置1の左側、上側を照明装置1の上側とし、壁から室内の中心へ向かう方向を照明装置1の前方とする。図中の矢印Xが照明装置1の前方、矢印Yが照明装置1の右方、矢印Zが照明装置1の上方、に向いた方向である。
【0016】
本体10は
図3及び
図4に示すようにベース110とヒートシンク120とLED基板130とカバー140とを備えている。
【0017】
ベース110は合成樹脂を成型して円板状に形成されている。ベース110の円形の周縁がグローブ20の開口226の縁に当たるように形成されている。ベース110は、後述するグローブ20の爪部224Cを入れて、グローブ20をベース110に取り付ける突起部117を備えている。なお、ベース110の形状は図示例に限定されるものではなく、例えば外形が矩形に形成されて内側の領域にグローブ20の開口226の縁と合わさる部分を備えた構成でもよい。
【0018】
ヒートシンク120はアルミニウム製でベース110に固定されている。ヒートシンク120はLED基板130をベース110の前方に配置する取付面を備えている。LED基板130は複数のLEDと配線が形成された基板とを備えている。
【0019】
LED基板130はヒートシンク120に取り付けられて壁面50と平行に配置される。カバー140は合成樹脂を成型し、透明に構成されている。カバー140はLED基板130から前方へ離れた位置でLED基板130と平行に形成されたカバー前部141を備えている。カバー140はカバー前部141の周縁をベース側へ延長させてベース110に取り付けられて、LED基板130とヒートシンク120を覆う。カバー前部141はベース110の周縁の大きさに比べて小さく形成されている。ヒートシンク120の内側の領域には、図示を省略する、LED基板130を制御する電源基板や端子台等が配置される。
【0020】
本体10は、ベース110の裏側の面と壁面50との間にシート状パッキン193を入れて螺子195で壁面50に固定される。
【0021】
グローブ20は、本体10のカバー140の前方と上下及び左右の周囲とを覆うように構成されている。グローブ20は、カバー140をグローブ20の内側へ入れるための開口226を備えている。
【0022】
図5(A)はグローブ20の正面図、(B)は背面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は平面図、(F)は底面図である。グローブ20はフロント部210とリア部220とから構成されている。フロント部210は、透光性を有する材質で不透明に構成され、例えば乳白色に着色されている。リア部220は透明性を有する材質で構成され、例えば無色透明に構成されている。
【0023】
フロント部210とリア部220とがつながる部分は境界を構成し、
図5(A)の正面視で、グローブの表面に線として現れる。以下、この線をフロント部210とリア部220の境界として説明をする。境界は、上下の方向に延びた縦ラインL1,L2と左右の方向に延びた横ラインL3,L4とを備えている。縦ラインL1,L2は直線を構成し、上端を本体10のLED基板130より高い位置に配置し下端をLED基板130より低い位置に配置して、高さを揃えてLED基板130の左側と右側に配置される。横ラインL3,L4は前方へ凹型な曲線を構成し、左側の縦ラインL1の端と右側の縦ラインL2の端とをつなぐように設けられて、一方の横ラインL3はLED基板130より高い位置に配置され、他方の横ラインL4はLED基板130より低い位置に配置される。正面視で、一対の縦ラインL1,L2と一対の横ラインL3,L4とが矩形状に連なるように配置される。横ラインL3,L4は、
図5(E)及び(F)に示すように、左右の端から中間へ近づくにつれて端と同じ高さで後方へ水平にずれて中間が最も後方に配置される前方へ凹型な曲線を成す。
【0024】
図5(A)の正面視で、縦ラインL1,L2は本体10の上下の方向の寸法より大きく設定され、横ラインL3,L4は本体10の左右の方向の寸法より大きく設定されている。
【0025】
図6(A)はフロント部210の正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図、(E)は底面図である。フロント部210は、LED基板130及びカバー前部141の前方に配置されるフロント中央部211と、フロント中央部211の上下左右の周囲にそれぞれ配置されるフロント左部212と、フロント右部213と、フロント上部214及びフロント下部215を備えている。フロント中央部211と、フロント左部212と、フロント右部213と、フロント上部214及びフロント下部215との間は、曲面に形成されている。図示例では、各部の境界を一点鎖線で表している。
【0026】
フロント中央部211は、正面視、一点鎖線の境界で示されるように矩形状を成し、LED基板130及びカバー140の前方を覆う。
【0027】
フロント中央部211は、周りのフロント左部212とフロント右部213とフロント下部215と比較して、緩やかな曲面として構成されている。また、フロント中央部211は、上部側が下部側より前方にずれて配置されて全体的に傾斜して、前方の下方へ光を配光するように構成されている。
【0028】
フロント左部212とフロント右部213とは対称に形成されていて、フロント中央部211から左右にそれぞれ延長し、さらに互いの間隔が広がりながら後方へ延びている。
【0029】
フロント左部212は照明装置1から見て右前方の領域へ配光するようフロント中央部211に対して傾斜した面に形成されている。フロント左部212は壁に対して垂直になる面を備えていない。壁に垂直な面とはグローブ20の左右の方向に法線の方向が一致する面を言う。フロント右部213は、照明装置1から見て左前方へ配光する傾斜面に形成されている。
【0030】
フロント部210の左右の端を成すフロント左部212とフロント右部213の端部は、上下方向に真っ直ぐに延びた縁を形成する。以下、それぞれフロント左縁212A、フロント右縁213Aと呼ぶ。フロント左縁212Aとフロント右縁213Aとが、リア部220に接続する。
【0031】
フロント左縁212Aとフロント右縁213Aとは、フロント中央部211の上下方向の寸法よりも長く形成されていて、上端がフロント中央部211よりも上方に配置され、下端がフロント中央部211よりも下方に配置されている。
【0032】
フロント中央部211と左右のフロント左部212及びフロント右部213とが、グローブの正面と左右の側面とを構成して、LED基板130の前方と左右の外側を覆う。
【0033】
フロント上部214は、天井へ配光するように、前側が後側より低くなる傾斜面に形成されている。傾斜面の上端がフロント部210の上縁を構成する。以下、フロント上縁214Aと呼ぶ。
【0034】
フロント上縁214Aは、正面視で水平方向に真っ直ぐに延びた縁として形成されている。フロント上縁214Aの両端がフロント左縁212Aとフロント右縁213Aとにつながっている。フロント上縁214Aは平面視で後方に湾曲した縁として形成されていて、フロント上縁214Aの中間を境に左右対称に形成され、左右の端から中間に近づくにつれて水平に壁側へ近づくように、後方へ膨らむ弧状に形成されている。フロント上縁214Aは、フロント左縁212Aとフロント右縁213Aとのつながり部分を除いて、フロント左縁212Aとフロント右縁213Aよりも後方にずれて配置されている。フロント上縁214Aはリア部220に接続する。
【0035】
フロント下部215は、照明装置1の下方の領域へ配光するよう、湾曲した面に形成されている。フロント下部215の下端がフロント部210の下縁を構成する。以下、フロント下縁215Aと呼ぶ。
【0036】
フロント下縁215Aは、フロント上縁214Aと同じように、正面視で水平方向に真っ直ぐに延びた縁として形成されている。フロント下縁215Aの両端がフロント左縁212Aとフロント右縁213Aとにつながっている。フロント下縁215Aは、フロント左縁212Aとフロント右縁213Aとのつながり部分を除いて、フロント左縁212Aとフロント右縁213Aよりも後方へ突出する弧状の縁に形成されている。フロント下部215も、フロント上部214と同様に、グローブ20の前後方向で、フロント左部212とフロント右部213との端の位置を超えて壁寄りの位置まで広がっている。フロント下縁215Aは、フロント上縁214Aと、上下方向に距離を置いて平行に設けられている。フロント下縁215Aはリア部220に接続する。
【0037】
フロント部210は、フロント中央部211と、その周りのフロント左部212とフロント右部213とフロント上部214及びフロント下部215とで、前面を前方へ膨らんだ凸面に形成され、背面を後方へ口を開いた凹面に形成され、ほぼ全体に亘って厚みを均一に構成されている。後方に開いた口が、フロント中央部211の周りに配置されたフロント左部212とフロント右部213とフロント上部214及びフロント下部215の各縁(フロント左縁212Aとフロント右縁213Aとフロント上縁214A及びフロント下縁215A)で形成される。開口は、図示を省略するが、フロント部210を背面視した場合、矩形状に形成され、上下の各縁が平行に形成され、左右の縁が平行に形成されている。このフロントの開口を塞ぐように、リア部220が設けられている。
【0038】
図7(A)はリア部220の正面図、(B)は右側面図、(C)は底面図である。
図8(A)は
図7(A)のE−E線に沿ったリア部220の断面図、(B)は
図7(A)のF−F線に沿ったリア部220の断面図、(C)は(A)の二点鎖線の円Gで囲う部分の拡大図である。
【0039】
リア部220は、フロント部210の開口を構成する縁と合わさりグローブ20の背面を構成しフロント部210と共に内部に本体10のカバー140を収容する領域を構成する背面部221と、背面部221の周囲に設けられた突出部225と、背面部221に形成されフロント部210とリア部220とで囲われたグローブ20の内側へ本体10のカバー140を入れる開口226と、を備えている。
【0040】
背面部221は、
図8(C)に示すように、壁側へ光を配光する透過部222と、透過部222の外側の縁を構成しフロント部210とつながる接続部223と、透過部222の内側の縁を構成しグローブ20を本体10へ取り付ける際に本体10に当たる当接部224と、を備えている。
【0041】
図9は背面部221の透過部222を説明するための図であり、背面部221の透過部222は、正面視で後述の第1領域から第3領域によって構成されており、これらの領域が、
図9に破線で模式的に示す矩形の接続部223と円形の当接部224との間で広がっている。透過部222は、
図8(A)及び(B)に示すように前方へ向けて凹型に窪んだ曲面に形成されている。
【0042】
背面部221の接続部223は、開口226の左方に設けられた背面左縁223Aと、開口226の右方に設けられた背面右縁223Bと、開口226の上方に設けられた背面上縁223Cと、開口226の下方に設けられた背面下縁223Dと、から構成されている。
【0043】
背面左縁223Aはフロント部210のフロント左縁212Aに対応して形成され、背面右縁223Bはフロント部210のフロント右縁213Aに対応して形成され、背面上縁223Cはフロント部210のフロント上縁214Aに対応して形成され、背面下縁223Dはフロント部210のフロント下縁215Aに対応して形成されている。
【0044】
背面左縁223Aと背面右縁223Bとは、
図7(A)に示すように、上下の方向に沿って真っ直ぐに形成され、背面上縁223Cと背面下縁223Dとは左右の方向に沿って形成されている。さらに背面上縁223Cは、
図8(B)に示すように、左右の端から中間へ近づくにつれて後方へ水平にずれて中間が最も後方に位置する凹型なラインに形成されている。背面下縁223Dは、背面上縁223Cの下方で背面上縁223Cと平行に配置され、凹型なラインに形成されている。背面左縁223Aと背面右縁223Bと背面上縁223Cと背面下縁223Dとが連なり、背面部221を正面視した場合、背面部221の輪郭を矩形に構成する。
【0045】
フロント部210のフロント左縁212Aとフロント右縁213Aとフロント上縁214A及びフロント下縁215Aが、リア部220の背面左縁223Aと背面右縁223Bと背面上縁223C及び背面下縁223Dに合わさって、フロント部210とリア部220との境界が構成される。フロント部210とリア部220の内側には本体10を収容する空間が構成される。
【0046】
フロント部210の縁がつながる接続部223は、
図8(C)に示すように、透過部222に比べて肉厚に形成されている。接続部223は透過部222の2倍から3倍程度の厚みを有する。接続部223の断面形状は、本体側を向いた本体対向部301と、壁側を向いた壁対向部302と、本体と反対の外側を向いた外側対向部303と、照明装置1の前方を向いた前方対向部304と、を備えて、長方形状に形成されている。接続部223は、壁対向部302の本体寄りの端で透過部222につながっている。
【0047】
溝部310が接続部223の前方対向部304に形成されている。フロント部210の縁が溝部310に入れられる。溝部310は、背面左縁223A、背面右縁223B、背面上縁223Cと背面下縁223Dに沿って形成されている。フロント左縁212Aとフロント右縁213Aとフロント上縁214A及びフロント下縁215Aの先端部が溝部310に入るように、溝の幅,深さやその向きが調整されて形成されている。
【0048】
背面部221の当接部224は、開口226の縁を構成すると共に、本体10のベース110への取り付けのために利用される。開口226は円形に形成され、
図7(A)に示すようにリア部220を正面視した場合の中央に円の中心を合わせて配置されている。
【0049】
当接部224は、
図8(C)に示すように、透過部222より厚く形成されていて、ベース110の周縁と合わさるように構成されている。当接部224は、後方へ、さらに開口226の内側の方向へ、例えば透過部222の厚みの2倍から3倍程度の肉厚に形成されている。当接部224は、後端224Aを環状の端面に形成されていて、内面224Bを円筒状に形成されている。複数の爪部224Cは、
図7に示すように開口226の中心まわりに所定の距離を置いて、内面224Bから開口226の中心へ向けてそれぞれ突出している。
【0050】
当接部224は、
図8(A)及び(B)に示すように、背面部221の接続部223より後方に配置されている。
【0051】
接続部223と当接部224との位置関係について詳述する。接続部223の内、左縁223Aと背面右縁223Bとは、
図8(A)に断面で表されるように中間部分を開口226から離して配置されている。背面上縁223Cと背面下縁223Dとは、
図8(B)に断面で表されるように中間部分を開口226に寄せて配置されている。
【0052】
図8(A)では左右の方向に沿った直線距離で開口226の中心から左縁223A又は背面右縁223Bの中間部分までの距離をD1とし、
図8(B)では上下の方向に沿った直線距離で開口226の中心から背面上縁223C又は背面下縁223Dの中間部分までの距離をD2とすると、距離D1が距離D2に比べて大きく設定されている。
【0053】
さらに、
図8(A)では前後方向に沿った直線距離で開口226の中心から左縁223A又は背面右縁223Bの中間部分までの距離をD3とし、
図8(B)では前後方向に沿った直線距離で開口226の中心から背面上縁223C又は背面下縁223Dの中間部分までの距離をD4とすると、距離D3が距離D4に比べて大きく設定されている。
【0054】
背面部221の外側の接続部223は、内側の当接部224との位置や間隔が部分的に異なるように配置されていて、透過部222が接続部223と当接部224との間に広がっている。
【0055】
背面部221の透過部222について詳述する。背面部221の透過部222は3種類の領域に区分される。透過部222は、
図9に示すように、背面左縁223A又は背面右縁223Bと開口226との間の第1領域と、背面左縁223A又は背面右縁223Bと背面上縁223C又は背面下縁223Dとで構成されるコーナー部と開口226との間の第2領域と、背面上縁223C又は背面下縁223Dと開口226との間の第3領域とによって構成されている。
図7(A)では第1領域から第3領域の境界を一点鎖線で表している。
【0056】
第1領域が開口226の左と右とに設けられている。第3領域は開口226の上と下に設けられている。第2領域は、第1領域の上と下でさらに第3領域の左と右とに設けられている。
【0057】
第1領域は、第2領域と第3領域に比べて面積を大きく形成されている。なお、第3領域は第2領域に比べて面積を大きく形成されている。
【0058】
透過部222は、左右の方向で開口226から外側へ離れるにしたがって、壁との間隔が次第に広がるように傾斜している。第1領域は、第2領域と第3領域とに比べて壁に対する角度(以下、傾斜角度と呼ぶ。)が大きくなるように形成されている。
図8(B)に示す角度θは、第1領域の傾斜角度を示しており、図中の破線は透過部222と壁面50とを模式的に表している。また、第1領域は、高さ方向で、中間部分が高い側と低い側に比べて傾斜角度が大きくなるよう形成されている。
図8(A)に断面で表される中間部分は、例えば30度に設定されている。なお、第2領域は第3領域に比べて傾斜角度が大きく設定されている。
【0059】
背面部221の透過部222は、フロント部210の内面に対向するように形成されている。第1領域の内面は、フロント部210のフロント中央部211の内面に向けた凹型の曲面に形成されている。
【0060】
透過部222の外装を呈する外側の面は壁側を向いていて、透過部222はフロント部210のフロント中央部211とフロント左部212及びフロント右部213と同様に、壁に垂直な面を備えずに構成されている。
【0061】
突出部225は、
図8(C)に示すように、接続部223から外側へ延長して形成されている。突出部225は、
図5に示すように、正面視でフロント部210で覆われずに構成されている。突出部225は、背面左縁223Aからは左方へ、背面右縁223Bからは右方へ、背面上縁223Cからは上方へ、背面下縁223Dからは下方へ、それぞれ突出している。接続部223からの突出量はいずれも同じに設定されて、正面視でフロント部210のまわりに枠型に配置される。
【0062】
背面上縁223Cに沿って設けられる突出部225は、湾曲した面を形成している。左右の方向で中間部分が左右の端より後方に配置され、前方へ向けて凹型な面を形成している。突出部225は、背面上縁223Cが背面左縁223Aと背面右縁223Bとつながる角部よりさらに外側まで延びている。背面下縁223Dに沿って設けられる突出部225は、背面上縁223Cに沿って設けられた突出部225と同様に、前方へ向けて凹型な面を構成する。
【0063】
背面上縁側と背面下縁側の突出部225は左右の端部の位置を揃えて上下に並んで設けられていて、これらをつなぐように、背面左縁223Aと背面右縁223Bから延長した突出部225が設けられている。背面左縁側と背面右縁側の突出部225は、
図8(C)に示すように、先端部225Aは、接続部223とつながる根本部分より前方にずれて配置されている。
【0064】
グローブ20のフロント部210とリア部220とは合成樹脂を成型して構成されている。グローブ20は、凸側の面を前方へ向けたフロント部210と凸側の面を後方へ向けたリア部220とを重ね合わせ溶着などで一体にして、構成される。
【0065】
背面部221の寸法は、前後方向で、フロント部210の寸法より短く設定されていて、グローブ20を本体10に取り付けた場合にフロント部210とリア部220との境界が本体10のLED基板130よりも壁に近い位置に配置される。また、フロント部210とリア部220との境界の内、左側と右側の縦ラインL1,L2を通る壁に平行な面(
図3で一点鎖線で示す仮想の面60)を想定した場合、この面60との間の角度θ′は背面部221の第1領域がフロント左部212及びフロント右部213に比べて小さく設定されている。
【0066】
本体10は、
図2に示すように、ベース110の裏側の面を壁に当てた状態で螺子195で壁に固定される。グローブ20は、当接部224をベース110の周縁に当て、爪部224Cを突起部117で押さえて、本体10に取り付けられる。
【0067】
照明装置1が壁に取り付けられた状態で、
図3に示すように、リア部220の接続部223(背面左縁223Aと背面右縁223B)が、ベース110及び開口226と前後ろに並ばないように、LED基板130の左側と右側でベース110及び開口226の斜め前方の位置に配置される。接続部223(背面左縁223Aと背面右縁223B)は、ベース110の上下の端を越えて、上下の方向に沿ってのびている。さらに接続部223(背面左縁223Aと背面右縁223B)はLED基板130の位置からずらして配置されており、LED基板130に比べて壁との距離が短く設定されている。フロント部210とリア部220との境界として、縦ラインL1,L2が背面左縁223Aと背面右縁223Bに沿って配置されている。
【0068】
リア部220の接続部223(背面上縁223Cと背面下縁223D)が、ベース110及び開口226と前後ろに並ばないように、LED基板130より高い位置と低い位置に配置される。背面上縁223Cと背面下縁223Dは
図3に示すように中間部分が壁側へ近づくような凹型のラインを成すように形成されていて、
図4に断面で示す中間部分が開口226にほぼ隣接し、さらに壁に近接して配置される。フロント部210とリア部220との境界として、横ラインL3,L4が背面上縁223Cと背面下縁223Dに沿って配置されている。
【0069】
開口226の中心から縦ラインL1,L2の中間部分までの距離が開口226の中心から横ラインL3,L4の中間部分までの距離より大きく設定される。
【0070】
背面部221の透過部222が壁に対向する。透過部222の内、第1領域は、第2領域と第3領域に比べて、壁面50に対する傾きを大きく形成されて、
図3に示すように、背面部221と壁面50との間の空間S1,S2が開口226から左右の方向で、外側へ離れるにしたがって広がる。
【0071】
図3に示すように、フロント左部212とフロント右部213とがカバー140の斜め前方に距離を置いて配置されていて、背面部221の第1領域は、フロント左部212及びフロント右部213とカバー140との間の空間S3,S4を介して、内面を本体10のLED基板130の前方に配置されたフロント中央部211に対向する。
【0072】
上記のように、壁に取り付けた照明装置1からの光は、本体10のカバー140を通り、グローブ20に達する。光がグローブ20で拡散されて、照明装置1は外部を照らす。照明装置1は、グローブ20のフロント部210を通して前方を照らすことに加えて、グローブ20のフロント部210で反射された光をグローブ20のリア部220を通して壁側を照らす。リア部220の内、広く形成された第1領域が壁に対向しつつ、左右の外側で壁面50との間隔が次第に大きくなるので、照明装置1の横方向(左側及び右側)へ照射される。
【0073】
照明装置1によれば、前方へ向かって湾曲させたフロント部210を乳白色で側面まで構成して、LED基板130の前方から横方向までを覆っている。さらに、グローブ20の背面を構成するリア部220を透明にすると共に、LED132の位置から壁側へずれて配置され、フロント部210とは反対側の後方へ向かって凸型に湾曲させて壁に近づけた形に構成されている。よって、入浴者が光源を直視して眩しさを感じることを防止できる。
【0074】
さらに、乳白色のフロント部210に加えて透明のリア部220の第1領域からも照明装置1の左右の方向へ配光することができる。グローブ20を乳白色だけで構成した照明装置1に比べて、透明のリア部220を通して室内を照らすので、入浴者が眩しさを感じることなく浴室を明るくすることができる。
【0075】
入浴者が背面部221を直視しづらくするよう突出部225が背面部221の外側に配置されているので、入浴者が背面部221からの光で眩しさを感じことを低減できる。
【0076】
(第1変形例)
本発明の実施形態の第1変形例の照明装置は、上記の照明装置1の構成に加えて、リア部220の背面部221に粗面の処理が施されている。リア部220の背面部221は、内面の全体に、例えばシボ加工が施されて、微細な凹凸が背面部221の内面の全域に隙間なく複数形成されている。
【0077】
リア部220の背面部221が粗面に形成されることで、透明に構成されたリア部220から眩しい光の照射を低減できる。
【0078】
(第2変形例)
本発明の実施形態の第2変形例の照明装置は、上記の第1変形例の構成に加えて、フロント部210と本体10のカバー140とに粗面の処理が施されている。フロント部210は、内面の全体にシボ加工が施され、本体10のカバー140はLED基板130と対向するカバー前部141の内面の全体にシボ加工が施されている。フロント部210と本体10のカバー140とに形成された粗面は、リア部220の内面の粗面に比べて粗さが異なる。リア部220の粗面を構成する凹凸の形状がフロント部210と本体10のカバー140とに比べて大きな形状を有して、リア部220の粗面が粗く形成されている。
【0079】
カバー140の粗面によって光源からの光をフロント部210の内面に広く拡散させることができる。フロント部210の粗面によって、照明装置1の前方へ照射させる光の明るさを緩和させることができる。リア部220はフロント部210よりも粗く形成された粗面によって、フロント部210よりもシャープな光を壁側へ照射することができる。
【0080】
(第3変形例)
本発明の実施形態の第3変形例の照明装置は、上記の実施形態等の構成に加えて、突出部225の先端部225Aに粗面の処理が施されている。LED132からの光が、
図8(C)に示す本体対向部301から接続部223に入り、突出部225の先端部225Aから外部へ照射される。光は先端部225Aの粗面によって、突出部225から出る光の眩しさを低減できる。
【0081】
(その他)
本実施形態の照明装置は、取付面として浴室に限らず、洗面所等の屋内或いは屋外で上下の方向に広がった外壁等の取付面に取り付けて使用することができる。
【解決手段】取付面50に固定される本体10と本体10に取り付けられるグローブ20を備え、グローブ20は透光性を有するフロント部210と透明性を有するリア部220とを備え、フロント部210とリア部220との境界は、上下の方向に沿った直線を構成し高さを揃えてLED基板130の左側と右側に配置される一対の縦ラインL1,L2と、前方へ凹型な曲線を構成し、左側の縦ラインL1の端と右側の縦ラインL2の端とをつなぐように設けられる一対の横ラインと、から構成され、背面部と取付面50との間の空間S1,S2が開口226から左右の方向で外側へ離れるにしたがって広がる。