【実施例】
【0030】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】
1-1. 緑色フィルムコーティング錠の調製
(実施例1)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.55g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを7.95g、二酸化チタンを0.6g、および黄色三二酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌しフィルムコーティング液2を調製した。
【0032】
通常の製法により調製された、粉末セルロース、部分アルファー化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムからなる錠剤1kgを、コーティング装置(LABCOAT M、O'Hara製)に投入し、フィルムコーティング液1を噴霧した。フィルムコーティング液1の噴霧終了後、引き続きフィルムコーティング液2を噴霧しフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
(実施例2)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.475g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.15g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを7.875g、二酸化チタンを0.6g、および黄色三二酸化鉄を0.15g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0035】
実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧してフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
(実施例3)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.4g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.225g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを7.35g、二酸化チタンを1.2g、および黄色三二酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0038】
実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧してフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
(実施例4)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.325g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.3g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを7.875g、二酸化チタンを0.6g、および黄色三二酸化鉄を0.15g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0041】
実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧してフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
(実施例5)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.175g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.45g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを7.275g、二酸化チタンを1.2g、および黄色三二酸化鉄を0.15g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0044】
実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧してフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
(比較例1)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを5.25g、二酸化チタンを3.3g、黒酸化鉄を0.0375g、および黄色三二酸化鉄を0.0375g添加し45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧してフィルムコーティング錠を得た。
【0047】
(比較例2)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロース19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを5.175g、二酸化チタンを3.3g、黒酸化鉄を0.075g、および黄色三二酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧してフィルムコーティング錠を得た。
【0048】
(比較例3)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを4.875g、二酸化チタンを3.6g、黒酸化鉄を0.1125g、および黄色三二酸化鉄を0.0375g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧してフィルムコーティング錠を得た。
【0049】
(比較例4)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを5.1g、二酸化チタンを3.3g、黒酸化鉄を0.15g、および黄色三二酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧してフィルムコーティング錠を得た。
【0050】
(比較例5)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを4.725g、二酸化チタンを3.6g、黒酸化鉄を0.225g、および黄色三二酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例1と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧してフィルムコーティング錠を得た。
比較例1〜5で得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】
1-2. 目視試験
実施例1〜5および比較例1〜5で得られたフィルムコーティング錠の色を、それぞれコーティング組成が同じもの同士について目視で比較したところ、いずれも実施例で得られたフィルムコーティング錠のほうが、よりきれいな緑色であると判断された。
【0053】
1-3. 色調測定
実施例1〜5および比較例1〜5で得られたフィルムコーティング錠の色に関し、色差計(Datacolor International製)を用いて、波長550nm(緑色の波長に相当)の反射率を測定した。結果を表7および
図1のグラフに示す。実施例1〜5で得られたフィルムコーティング錠は、比較例1〜5で得られたフィルムコーティング錠と比べて、波長550nmにおける反射率が高かった。
【0054】
【表7】
【0055】
2-1. フィルムコーティング錠の調製
(実施例6)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.55g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.075g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを8.61825gおよび三二酸化鉄を0.00675g添加し、45分間攪拌しフィルムコーティング液2を調製した。
【0056】
通常の製法により調製された、粉末セルロース、部分アルファー化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムからなる錠剤1kgを、コーティング装置(LABCOAT M、O'Hara製)に投入し、フィルムコーティング液1を噴霧した。フィルムコーティング液1の噴霧終了後、引き続きフィルムコーティング液2を噴霧し赤紫色のフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表8に示す。
【0057】
【表8】
【0058】
(実施例7)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.325g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.3g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを6.795g、二酸化チタンを1.8g、および三二酸化鉄を0.03g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0059】
実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧して赤紫色のフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表9に示す。
【0060】
【表9】
【0061】
(実施例8)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを2.325g、二酸化チタンを6g、および黒酸化鉄を0.3g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを6.81g、二酸化チタンを1.8g、および三二酸化鉄を0.015g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0062】
実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧して赤紫色のフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表10に示す。
【0063】
【表10】
【0064】
(実施例9)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.95g、タルクを2.55g、および二酸化チタンを6g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.95g、タルクを7.2g、二酸化チタンを1.2g、および黄色三二酸化鉄を0.015g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0065】
実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧して黄色のフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表11に示す。
【0066】
【表11】
【0067】
(実施例10)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.95g、タルクを2.55g、および二酸化チタンを6g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液1を調製した。次に、別途用意した精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.95g、タルクを7.935g、二酸化チタンを0.6g、および三二酸化鉄を0.015g添加し、45分間攪拌してフィルムコーティング液2を調製した。
【0068】
実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液1およびフィルムコーティング液2を順に噴霧して赤色のフィルムコーティング錠を得た。得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表12に示す。
【0069】
【表12】
【0070】
(比較例6)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを5.54325g、二酸化チタンを3g、黒酸化鉄を0.075g、および三二酸化鉄を0.00675g添加し45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧して赤紫色のフィルムコーティング錠を得た。
【0071】
(比較例7)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを5.545g、二酸化チタンを3.9g、黒酸化鉄を0.15g、および三二酸化鉄を0.03g添加し45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧して赤紫色のフィルムコーティング錠を得た。
【0072】
(比較例8)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを4.56g、二酸化チタンを3.9g、黒酸化鉄を0.15g、および三二酸化鉄を0.015g添加し45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧して赤紫色のフィルムコーティング錠を得た。
【0073】
(比較例9)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを4.95g、二酸化チタンを3.6g、および黄色三二酸化鉄を0.075g添加し45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧して黄色のフィルムコーティング錠を得た。
【0074】
(比較例10)
精製水210gに、ヒドロキシプロピルセルロースを19.5g、マクロゴール400を1.875g、タルクを5.0175g、二酸化チタンを3.6g、および三二酸化鉄を0.0075g添加し45分間攪拌してフィルムコーティング液を調製した。実施例6と同様に、通常の製法により調製された錠剤1kgをコーティング装置に投入し、フィルムコーティング液を噴霧して赤色のフィルムコーティング錠を得た。
比較例6〜10で得られたフィルムコーティング錠におけるコーティング組成を表13に示す。
【0075】
【表13】
【0076】
2-2. 色差測定試験
実施例6〜10および比較例6〜10で得られたフィルムコーティング錠の色に関し、色差計を用いてフィルムコーティング錠の色を測定した。結果を表14に示す。実施例6〜10で得られたフィルムコーティング錠は、比較例6〜10で得られたフィルムコーティング錠と比べてa値やb値が高く、より鮮やかな色をしていた。
【0077】
【表14】