特許第5936756号(P5936756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5936756
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】情報配信装置及び商品販売支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160609BHJP
【FI】
   G06Q30/02 338
   G06Q30/02 470
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-125985(P2015-125985)
(22)【出願日】2015年6月23日
【審査請求日】2015年7月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507197270
【氏名又は名称】株式会社にしがき
(74)【代理人】
【識別番号】100114476
【弁理士】
【氏名又は名称】政木 良文
(72)【発明者】
【氏名】西垣 俊平
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−285324(JP,A)
【文献】 特開2002−170028(JP,A)
【文献】 特開2004−326303(JP,A)
【文献】 特開2010−186451(JP,A)
【文献】 特開2003−115025(JP,A)
【文献】 特開2014−123346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブページデータを構成するために必要なデータを記録するデータベースと、
前記データベースから必要なデータを読み出して前記ウェブページデータを構成するデータ処理部と、
前記データ処理部が構成した前記ウェブページデータを、通信ネットワークを介して端末に対して送信するとともに、前記端末から送信される当該端末におけるウェブページに対する操作内容を表す操作内容データを、前記通信ネットワークを介して受信する通信部と、を備え、
前記データ処理部は、店舗で販売される第1商品を特定するための情報を表す第1商品画像と、前記店舗で精算処理に使用される読取装置に読み取られることで前記第1商品の特売価格が認識される第1商品コード画像と、が組み合わせられたクーポン画像が含まれる第1ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータと、少なくとも1つの前記第1商品画像が含まれる第2ウェブページを表す前記ウェブページデータと、を構成するものであって、
前記通信部が、複数の前記第1商品画像が含まれる前記第2ウェブページを表す前記ウェブページデータを前記端末に対して送信した後に、当該端末から送信される複数の前記第1商品を選択する旨の前記第2ウェブページに対する操作内容を表す前記操作内容データを受信した場合、前記データ処理部は、選択された全ての前記第1商品の前記クーポン画像が含まれる前記第1ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成することを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
前記第1商品コード画像の少なくとも一部に、前記第1商品の前記特売価格を表す符号が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記第1ウェブページには保存ボタンが含まれており、前記端末で前記保存ボタンが実行されると、前記第1ウェブページに含まれている前記クーポン画像を表す情報が、前記端末のcookie情報に付加されるように、前記第1ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータが構成され、
前記第2ウェブページには再表示ボタンが含まれており、
前記データ処理部は、前記端末から送信される前記再表示ボタンを実行する旨の前記第2ウェブページに対する操作内容を表す前記操作内容データを前記通信部が受信すると、前記端末の前記cookie情報を参照することで、前記端末における前記保存ボタンの実行時に前記第1ウェブページに含まれていた前記クーポン画像を表す情報を認識して、当該クーポン画像が含まれる第3ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記データ処理部は、
第2商品を特定するための情報を表す第2商品画像と、前記端末を操作する者による所定の意思表示を受け付けるリクエストボタンと、を含む第4ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成するとともに、
前記端末から送信される前記リクエストボタンを実行する旨の前記第4ウェブページに対する操作内容を表す前記操作内容データを前記通信部が受信した回数であるリクエスト回数を、計数することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項5】
前記データ処理部は、前記リクエスト回数が所定の閾値回数を超えると、予め設定されている通知先に対して通知を行うことを特徴とする請求項に記載の情報配信装置。
【請求項6】
前記データ処理部は、前記第1ウェブページを完全には表示することができない特定の端末に対して、前記第1ウェブページではなく、前記第1商品画像によって構成される簡易クーポン画像が含まれる第5ウェブページを当該端末で表示するための前記ウェブページデータを構成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項7】
前記端末で操作される前の前記第2ウェブページには、前記第1商品画像と1対1で対応する選択ボタンと、選択確定ボタンと、が含まれており、
前記第2ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータが、
前記第2ウェブページを表示する前記端末で前記選択ボタンが実行されると、当該選択ボタンが対応する前記第1商品画像の表示状態が変化するとともに当該第1商品画像に対応する選択解除ボタンが表示され、前記端末で前記選択解除ボタンが実行されると、当該選択解除ボタンに対応する前記第1商品画像の表示状態が元の状態に戻るとともに当該選択解除ボタンが表示されなくなり、さらに、
前記選択ボタンの実行によって、少なくとも1つの前記第1商品画像の表示状態が変化している状態で、前記端末で前記選択確定ボタンが実行されると、前記選択ボタンの実行によって表示状態が変化している前記第1商品画像が表す前記第1商品を選択する旨の前記第2ウェブページに対する前記操作内容データが、前記端末から送信されて前記通信ネットワークを介して前記通信部で受信されるように、
構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項8】
前記第1商品画像に文字が含まれるとともに、前記第1商品コード画像がバーコードの画像であり、
前記クーポン画像は、前記第1商品画像における前記文字の字送り方向と前記第1商品コード画像における前記バーコードのバー配列方向とが平行になり、前記第1商品画像及び前記第1商品コード画像が前記字送り方向及び前記バー配列方向に対して垂直となる方向に並ぶように組み合わせられて構成されており、
前記第1ウェブページに複数の前記クーポン画像が含まれる場合、当該クーポン画像が前記字送り方向及び前記バー配列方向に対して垂直となる方向に一列に並べられて配置されることで、前記第1商品画像及び前記第1商品コード画像が交互に並ぶように配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項9】
前記データ処理部は、前記店舗毎に異なる前記ウェブページデータを構成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の情報配信装置と、
前記データベースを参照して値札を作製するラベルライタと、を備え、
前記ラベルライタは、前記データベースに情報が記録されている前記第1商品の前記値札を作製する際に、前記第1商品であることを表す印を付加した前記値札を作製することを特徴とする商品販売支援システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信ネットワークを介して端末に情報を配信する情報配信装置と、当該情報配信装置を利用した商品販売支援システムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小売業や、飲食・宿泊提供業などのサービス業など、様々な業種において、インターネット等の通信ネットワークを利用した顧客の誘引が行われている。例えば、顧客において有益な情報を、通信ネットワークを介して顧客の端末に送信することによって、店舗の利用の促進を図ることが行われている。
【0003】
具体的に例えば、特許文献1では、商品の割引情報を表すバーコードを含むクーポン画像を配信するオンラインクーポン配布システムが提案されている。このシステムでは、顧客が、自己が所有する移動電話を用いて、当該移動電話宛に送られてきたメールに記載のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすると、当該移動電話に対してクーポン画像が送信される。そして、顧客は、店舗での精算処理時において、当該クーポン画像を表示した状態の当該移動電話を従業員に提示することによって、割引を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−303297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において提案されているオンラインクーポン配布システムでは、精算処理時にクーポン画像を表示した状態の移動端末の提示を受けた従業員が、キャッシュレジスタに対して複雑かつ多くの操作を行う必要がある。具体的に例えば、当該従業員は、(1)キャッシュレジスタに対して正規の価格を入力するかキャッシュレジスタによって商品のバーコードを読み取る、(2)キャッシュレジスタの動作モードを変更してクーポン画像を読み取るモードにする、(3)キャッシュレジスタによってクーポン画像を読み取る、という3つの操作を順番に行う必要がある。そのため、精算処理の迅速性及び円滑性が損なわれるという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、精算処理の迅速性及び円滑性を損なうことなく、顧客に対して有益な情報を配信することで顧客を誘引する情報配信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、ウェブページデータを構成するために必要なデータを記録するデータベースと、前記データベースから必要なデータを読み出して前記ウェブページデータを構成するデータ処理部と、前記データ処理部が構成した前記ウェブページデータを、通信ネットワークを介して端末に対して送信する通信部と、を備え、前記データ処理部は、店舗で販売される第1商品を特定するための情報を表す第1商品画像と、前記店舗で精算処理に使用される読取装置に読み取られることで前記第1商品の特売価格が認識される第1商品コード画像と、が組み合わせられたクーポン画像が含まれる第1ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成することを特徴とする情報配信装置を提供する。
【0008】
この情報配信装置によれば、店頭表示価格と、クーポン画像で設定する特売価格と、の二重価格を設定することが可能になる。そのため、第1ウェブページを見た顧客を店舗に誘引するとともに、ウェブページの閲覧を促進することが可能になる。さらに、店舗における精算処理では、従業員が、顧客から提示された端末に表示されている(または、顧客から提示された紙に印刷されている)第1商品コード画像を読み取るという1回の操作のみで、第1商品の精算処理を行うことができる。
【0009】
また、上記特徴の情報配信装置において、前記第1商品コード画像の少なくとも一部に、前記第1商品の前記特売価格を表す符号が含まれていると、好ましい。
【0010】
この情報配信装置によれば、第1商品コード画像を読み取るのみで、即座に第1商品の特売価格を認識することが可能になる。したがって、POS(Point Of Sales)システムを構成するデータベースにおいて複雑な設定をすることなく、簡易な方法で二重価格を設定することが可能になる。
【0011】
また、上記特徴の情報配信装置において、前記通信部は、前記端末から送信される前記端末における前記ウェブページに対する操作内容を表す操作内容データを、前記通信ネットワークを介して受信するものであり、前記データ処理部は、少なくとも1つの前記第1商品画像が含まれる第2ウェブページを表す前記ウェブページデータを構成した後に、前記端末から送信される少なくとも1つの前記第1商品を選択する旨の前記操作内容データを前記通信部が受信すると、選択された前記第1商品の前記クーポン画像が含まれる前記第1ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成すると、好ましい。
【0012】
この情報配信装置によれば、第1ウェブページにおいて、顧客が選択した第1商品のクーポン画像のみが端末に表示される。そのため、全ての第1商品のクーポン画像を表示する場合(特に、第1商品が数十種類などの多数になる場合)と比較して、第1ウェブページを小さくすることができる。したがって、店舗で精算処理をする際に、従業員が読み取るべきクーポン画像を発見し易くすることが可能になるため、精算処理の迅速性及び円滑性が損なわれることを効果的に抑制することが可能になる。
【0013】
さらに、上記特徴の情報配信装置において、前記第1ウェブページには保存ボタンが含まれており、前記端末で前記保存ボタンが実行されると、前記第1ウェブページに含まれている前記クーポン画像を表す情報が、前記端末の識別情報に付加されるように、前記第1ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータが構成され、前記データ処理部は、前記端末から送信される保存した前記クーポン画像を再表示する旨の前記操作内容データを前記通信部が受信すると、前記端末の前記識別情報を参照して、前記端末における前記保存ボタンの実行時に前記第1ウェブページに含まれていた前記クーポン画像が含まれる第3ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成すると、好ましい。
【0014】
この情報配信装置によれば、顧客がクーポン画像を別途保存したり印刷したりする手間を省くことが可能になる。特に、顧客が、店舗に赴いて精算処理を行うまでの間に、端末(特に、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末)を自由に使用することが可能になる。
【0015】
また、上記特徴の情報配信装置において、前記通信部は、前記端末から送信される前記端末における前記ウェブページに対する操作内容を表す操作内容データを、前記通信ネットワークを介して受信するものであり、前記データ処理部は、第2商品を特定するための情報を表す第2商品画像と、前記端末を操作する者による所定の意思表示を受け付けるリクエストボタンと、を含む第4ウェブページを前記端末で表示するための前記ウェブページデータを構成するとともに、前記端末から送信される前記リクエストボタンを実行する旨を表す前記操作内容データを前記通信部が受信した回数であるリクエスト回数を、計数すると、好ましい。
【0016】
この情報配信装置によれば、店舗の担当者が、第2商品の販売方針を決定する際に、顧客の第2商品に対する評価を参酌することが可能になる。したがって、店舗の担当者が、顧客の声を反映した販売方針を決定することが可能になる。
【0017】
さらに、上記特徴の情報配信装置において、前記データ処理部は、前記リクエスト回数が所定の閾値回数を超えると、予め設定されている通知先に対して通知を行うと、好ましい。
【0018】
この情報配信装置によれば、店舗の担当者が、第2商品のリクエスト回数が増大したことを迅速に知ることができる。そのため、第2商品の販売方針を迅速に決定することが可能になる。
【0019】
また、上記特徴の情報配信装置において、前記データ処理部は、前記第1ウェブページを完全には表示することができない特定の端末に対して、前記第1ウェブページではなく、前記第1商品識別画像によって構成される制限クーポン画像が含まれる第5ウェブページを当該端末で表示するための前記ウェブページデータを構成すると、好ましい。
【0020】
この情報配信装置によれば、フィーチャーフォンなどの第1ウェブページを完全には表示することができない端末であっても、端末に則した形態で利用することが可能になる。
【0021】
また、本発明は、上記の情報配信装置を利用した商品販売方法であって、店舗で販売のために展示する前記第1商品に対して、前記第1商品であることを表す印を付加することを特徴とする。
【0022】
この商品販売方法によれば、従業員において、精算処理をしようとしている商品が第1商品であるか否かを明確に認識することが可能になる。また、顧客において、第1商品ではない商品を第1商品であると誤って認識することを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
上記特徴の情報配信装置によれば、特売価格を設定したクーポン画像を含む第1ウェブページを顧客の端末に送信することで、顧客を誘引することができる。さらに、従業員は、顧客から提示された第1コード画像を読み取るという1回の操作のみで、迅速かつ円滑な精算処理を行うことができる。したがって、精算処理の迅速性及び円滑性を損なうことなく、顧客に対して有益な情報を配信することで顧客を誘引することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る情報配信装置の全体構成例について示すブロック図。
図2】端末に表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図。
図3】端末に表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図。
図4】端末において図2の選択確定ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図。
図5図4の保存ボタンを実行したことがある端末において表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図。
図6】端末において図5の再表示ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図。
図7】特定端末に表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図。
図8】特定端末において図7の第2商品表示ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図。
図9】特定端末において図7の第1商品表示ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図。
図10】特定端末において図8の選択確定ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図。
図11】第1商品の店舗での展示方法の一例について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<全体構成例>
最初に、本発明の実施形態に係る情報配信装置の全体構成例について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報配信装置の全体構成例について示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報配信装置1は、データベース11と、データ処理部12と、通信部13と、を備える。情報配信装置1は、インターネット等の通信ネットワークNを介して、端末Tに対してウェブページデータ(端末Tでウェブページを表示するためのデータ)を送信する。
【0027】
データベース11は、例えばハードディスクや半導体メモリ等を備えた記録装置によって構成され、種々のデータを記録する。特に、データベース11は、HTML(Hyper Text Markup Language)等の所定の言語で記載されたソースデータや画像データなど、ウェブページデータを構成するために必要なデータを記録する。
【0028】
データ処理部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置やメモリ等の記憶装置などによって構成され、種々の処理を行う。特に、データ処理部12は、データベース11から必要なデータを読み出してウェブページデータを構成する処理を行う。
【0029】
通信部13は、無線または有線の送受信を行うために必要な処理(例えば、符号化処理、変調処理、復調処理、復号化処理など)を行う通信装置によって構成され、通信ネットワークNを介して端末Tとの間でデータの送受信を行う。特に、通信部13は、通信ネットワークNを介して、データ処理部12が構成したウェブページデータを端末Tに対して送信するとともに、端末Tから送信される、端末Tにおけるウェブページに対する操作内容を表す操作内容データを受信する。
【0030】
<第1動作例>
次に、図1に示した本発明の実施形態に係る情報配信装置1の動作例について説明する。なお、以下では、端末Tに表示されるウェブページの具体例を挙げて、情報配信装置1の動作について説明する。また、以下では説明を簡略化するために、端末Tと情報配信装置1との間におけるデータの送受信の説明において、通信ネットワークNに関する説明を省略する。
【0031】
また、本発明の実施形態に係る情報配信装置1では、アクセスしてきた端末Tの種類に応じて、データ処理部12が異なるウェブページデータを構成し、当該ウェブページデータを通信部13が端末Tに対して送信する。そこで、最初に、端末Tがパソコン、スマートフォン、タブレット端末などの高度なブラウジング(例えば、パソコンと同じフルブラウジング)が可能な端末である場合における、情報配信装置1の動作例について、図面を参照して説明する。
【0032】
図2及び図3は、端末に表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図である。なお、紙面の都合上、図2及び図3では、1つのウェブページを2つの図面に分断して示している。
【0033】
図2及び図3に示すウェブページ(第2ウェブページ及び第4ウェブページに相当)において、領域A11,A13,A15は、広告を表示する領域である。例えば、端末Tにおいて、領域A11,A13,A15に表示されている広告を実行する操作(例えば、クリックやタップなどの操作。以下同じ。)が行われると、当該広告に対応した外部のURL(情報配信装置1とは異なるウェブサーバのURL)にアクセスするように、ウェブページデータを構成してもよい。また例えば、端末Tにおいて、領域A11,A13,A15に表示されている広告を実行する操作が行われると、その旨の操作内容データが端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータを構成してもよい。この場合、当該操作内容データを通信部13が受信すると、データ処理部12がデータベース11に記録されている当該広告に対応するウェブページデータを読み出し、通信部13が当該ウェブページデータを端末Tに対して送信する。また例えば、領域A11,A13,A15において、単に広告用の画像が表示される(端末Tにおける操作を受け付けない)ように、ウェブページデータを構成してもよい。
【0034】
領域A16は、ウェブページのメニューを表示する領域である。領域A16には、メニューを構成するそれぞれの選択肢を表すメニューボタンP161と、SNS(Social Networking Service)と連携するSNSボタンP162と、が含まれる。例えば、端末Tにおいて、メニューボタンP161を実行する操作が行われると、その旨の操作内容データが端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている。そして、当該操作内容データを通信部13が受信すると、データ処理部12が、データベース11に記録されているメニューボタンP161に対応するウェブページデータを読み出し、通信部13が当該ウェブページデータを端末Tに対して送信する。また例えば、端末Tにおいて、SNSボタンP162を実行する操作が行われると、SNSボタンP162に対応したSNSにおいて、図2及び図3に示すウェブページが紹介されるように、ウェブページデータが構成されている。
【0035】
領域A14は、顧客のリクエストを受け付けるための領域である。領域A14には、リクエスト対象の商品(以下、「第2商品」という)を特定するための情報を表す画像である第2商品画像P141,P142と、リクエストボタンP143と、リクエストボタンP143が実行された回数を表すリクエストカウンタP144と、が含まれている。
【0036】
例えば、第2商品は、特売するか否かを検討している商品(後述する第1商品の候補となる商品)や、店舗での取り扱いを検討している商品など、今後の販売方針が未定の商品である。
【0037】
第2商品画像P141は、第2商品の外観を写真や絵で表した画像である。また、第2商品画像P142は、第2商品の商品名などの情報を文字で表した画像である。第2商品画像P141,142は、店舗の従業員及び顧客が第2商品を特定することができる情報を表すものであれば、どのような画像であってもよい。例えば、第2商品画像P141が無く、第2商品画像P142のみであってもよい。
【0038】
リクエストカウンタP144は、端末TにおいてリクエストボタンP143が実行された回数であるリクエスト回数を表した画像であり、当該リクエスト回数はデータ処理部12によって計数される。例えば、端末TにおいてリクエストボタンP143が実行されると、その旨の操作内容データが端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている。そして、当該操作内容データを通信部13が受信する回数を、データ処理部12がリクエスト回数として計数する。なお、同じ端末Tにおいて、リクエストボタンP143が複数回実行された場合、データ処理部12が、そのまま複数回として計数してもよいし、全てをまとめて1回として計数してもよいし、所定の時間内(例えば、60分間)に行われた複数回の実行に限りまとめて1回として計数してもよい。ただし、データ処理部12が、複数回の実行を1回としてまとめて計数する場合、端末Tを識別する必要がある。この場合、データ処理部12が、例えば端末TのIPアドレスやcookie情報を参照することで、端末Tを識別してもよい。また、データ処理部12によるリクエスト回数の計数結果を表すデータは、適宜データベース11に記録される。
【0039】
このように、第2商品のリクエスト回数を計数すると、店舗の担当者が、第2商品の販売方針を決定する際に、顧客の第2商品に対する評価を参酌することが可能になる。したがって、店舗の担当者が、顧客の声を反映した販売方針を決定することが可能になる。
【0040】
また、リクエスト回数が所定の閾値回数を超えると、データ処理部12が、予め設定されている通知先に対して通知を行うようにすると、好ましい。具体的に例えば、データ処理部12が、リクエスト回数が所定の閾値回数を超えたことを検出すると、データベース11に記録してある店舗の担当者のメールアドレスに対して、通信部13を介して所定のメールが送信されるように処理してもよい。
【0041】
このように構成すると、店舗の担当者が、第2商品のリクエスト回数が増大したことを迅速に知ることができる。そのため、第2商品の販売方針を迅速に決定することが可能になる。
【0042】
領域A12は、クーポン画像(詳細については後で図4を参照して説明する)を表示する商品を顧客に選択させるための領域である。領域A12には、クーポン画像の対象商品(以下、「第1商品」という)を特定するための情報を表す画像である第1商品画像P121,P122と、クーポン画像の閲覧数を表す閲覧カウンタP123と、選択ボタンP124と、選択解除ボタンP125と、選択確定ボタンP126と、再表示ボタンP127(詳細については後で図5を参照して説明する)と、が含まれている。
【0043】
第1商品画像P121は、第1商品の外観を写真や絵で表した画像である。また、第1商品画像P122は、第1商品の商品名や特売価格などの情報を文字で表した画像である。なお、第1商品画像P122として表されている第1商品の特売価格は、第1商品の店頭表示価格よりも安価な価格である。また、第1商品画像P121,122は、店舗の従業員及び顧客が第1商品を特定することができる情報を表すものであれば、どのような画像であってもよい。例えば、第1商品画像P121が無く、第1商品画像P122のみであってもよい。また、第1商品画像P122が、店頭表示価格や割引率などを表す文字をさらに含んでいてもよい。
【0044】
閲覧カウンタP123は、端末Tにおいてクーポン画像として表示された第1商品毎の回数を表した画像であり、当該回数はデータ処理部12によって計数される。なお、1つの端末Tにおいて、同じ第1商品のクーポン画像が複数回表示された場合、データ処理部12が、複数回として計数してもよいし、全てをまとめて1回として計数してもよいし、所定の時間内(例えば、60分間)に行われた複数回の表示をまとめて1回として計数してもよい。ただし、データ処理部12が、複数回の表示を1回としてまとめて計数する場合、端末Tを識別する必要がある。この場合、データ処理部12が、例えば端末TのIPアドレスやcookie情報を参照することで、端末Tを識別してもよい。また、データ処理部12によるクーポン画像の表示回数の計数結果を表すデータは、適宜データベース11に記録される。
【0045】
端末Tにおいて、選択ボタンP124が実行されると、選択解除ボタンP125が表示されるとともに、第1商品画像P121,P122、閲覧カウンタP123及び選択ボタンP124が暗く表示された状態(図中の「山形県産さくらんぼ」及び「食パン」参照)になるように、ウェブページデータが構成されている。さらに、この状態で選択解除ボタンP125が実行されると、選択解除ボタンP125が表示されなくなるとともに、第1商品画像P121,P122、閲覧カウンタP123及び選択ボタンP124が元の状態で表示されるように、ウェブページデータが構成されている。
【0046】
そして、端末Tにおいて、選択確定ボタンP126が実行されると、選択ボタンP124が実行された状態(図中の「山形県産さくらんぼ」及び「食パン」参照)となっている第1商品を表す操作内容データが、端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている、そして、当該操作内容データを通信部13が受信すると、データ処理部12が、データベース11に記録されている必要なデータを読み出して、選択された第1商品のクーポン画像が含まれたウェブページを端末Tで表示するためのウェブページデータを構成し、通信部13が当該ウェブページデータを端末Tに対して送信する。
【0047】
図4は、端末において図2の選択確定ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図である。図4に示すウェブページ(第1ウェブページに相当)において、領域A21,A23は、図2及び図3に示した領域A11,A13,A15と同様の領域であるため、説明を省略する。また、領域A24は、図3に示した領域A16と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0048】
領域A22は、クーポン画像を表示するための領域である。領域A22には、第1商品画像P221,P222と、所定の読取装置に読み取られることで第1商品の特売価格が認識される第1商品コード画像P223と、保存ボタンP224と、が含まれている。なお、第1商品画像P221,P222は、図2に示した第1商品画像P121,P122と同様の画像である。また、クーポン画像とは、第1商品画像P221,P222と、第1商品コード画像P223と、を組み合わせた画像である。
【0049】
第1商品コード画像P223は、例えばPOSシステムを構成するキャッシュレジスタにおいて読み取られることで、当該キャッシュレジスタにおいて第1商品の特売価格が認識される。第1商品コード画像P223は、典型的にはバーコードや二次元コードを表す画像であり、光学式の読取装置によって読み取られる。なお、図4及びその他の図面では、第1商品コード画像として、バーコードを例示している。
【0050】
また、第1商品コード画像P223は、例えば価格情報を表す符号を含むインストアコード(店舗で発行されて当該店舗内でのみ通用するコード)を表す画像である。このように、第1商品コード画像P223の少なくとも一部に、第1商品の特売価格を表す符号が含まれているように構成すると、第1商品コード画像P223を読み取るのみで、即座に第1商品の特売価格を認識することが可能になる。したがって、POSシステムを構成するデータベースにおいて複雑な設定をすることなく、簡易な方法で二重価格を設定することが可能になる。
【0051】
顧客は、図4に示すウェブページが表示された状態の端末Tを、店舗での精算処理時において従業員に対して提示する。当該従業員は、端末Tに表示された第1商品画像P221,P222に基づいて、顧客が持ってきた商品が第1商品であるか否かを確認する。そして、顧客が持ってきた商品が第1商品であれば、当該商品に取り付けられている店頭表示価格を表す値札の代わりに、端末Tに表示された第1商品コード画像P223を読み取ることで、精算処理を行う。これにより、顧客は、店頭表示価格よりも安価である特売価格で、第1商品を購入することができる。また、顧客が、店舗での精算処理時において、端末Tを提示する代わりに、図4に示すウェブページを印刷した紙を提示した場合も、同様の精算処理が行われる。
【0052】
このように、本発明の実施形態に係る情報配信装置1は、クーポン画像が含まれるウェブページを端末Tで表示するためのウェブページデータを送信することによって、店頭表示価格と、クーポン画像で設定する特売価格と、の二重価格を設定することが可能になる。そのため、ウェブページを見た顧客を店舗に誘引するとともに、ウェブページの閲覧を促進することが可能になる。
【0053】
さらに、店舗における精算処理では、従業員が、顧客から提示された端末Tに表示されている(または、顧客から提示された紙に印刷されている)第1商品コード画像を読み取るという1回の操作のみで、第1商品の精算処理を行うことができる。したがって、精算処理を迅速かつ円滑に行うことが可能になる。
【0054】
以上のように、本発明の実施形態に係る情報配信装置1は、精算処理の迅速性及び円滑性を損なうことなく、顧客に対して有益な情報を配信することで顧客を誘引することが可能である。
【0055】
特に、図2及び図3に示したような、クーポン画像を表示すべき第1商品を選択するウェブページを端末Tに表示することによって、図4に示すウェブページにおいて、顧客が選択した第1商品のクーポン画像のみが端末Tに表示されることになる。そのため、全ての第1商品のクーポン画像を表示する場合(特に、図2に例示する場合とは異なり、第1商品が数十種類などの多数になる場合)と比較して、第1ウェブページを小さくすることができる。したがって、店舗で精算処理をする際に、従業員が読み取るべきクーポン画像を発見し易くすることが可能になるため、精算処理の迅速性及び円滑性が損なわれることを効果的に抑制することが可能になる。
【0056】
また、端末Tにおいて、保存ボタンP224が実行されると、選択表示したクーポン画像を表す情報(例えば、第1商品やクーポン画像の管理番号などを表す情報)が、端末Tのcookie情報に付加されるように、ウェブページデータが構成されている。なお、端末Tにおいて保存ボタンP224が実行された場合、保存完了を示すメッセージが端末Tに表示されるように、ウェブページデータが構成されていてもよい。
【0057】
図5は、図4の保存ボタンを実行したことがある端末において表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図である。なお、図5に示すウェブページは、図2及び図3に示したウェブページと同様のトップページであり、図2及び図3に示したウェブページと同様の領域を含む。そのため、図5では、図3に示した領域A13〜A16と同様の領域の表示を省略している。また、図5に示す領域A31は、図2に示した領域A11と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0058】
図5に示すように、図4の保存ボタンP244を実行したことがある端末T(過去に選択表示したクーポン画像を表す情報がcookie情報に付加されている端末)では、再表示ボタンP327が実行可能な状態となる。これに対して、図4の保存ボタンP244を実行したことがない端末T(過去に選択表示したクーポン画像を表す情報がcookie情報に付加されていない端末)では、図1に示したように、再表示ボタンP127が実行不可能な状態(例えば、グレーアウトで表示され、操作を受け付けない状態)となる。このように、端末Tのcookie情報によって再表示ボタンP127,P327の状態が異なるように、図2及び図3並びに図5に示すウェブページ(トップページ)を端末Tに表示するためのウェブページデータが構成されている。
【0059】
端末Tにおいて、再表示ボタンP327を実行する操作が行われると、その旨の操作内容データが端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている。そして、当該操作内容データを通信部13が受信すると、データ処理部12は、端末Tのcookie情報を参照することで、端末Tにおいて保存された第1商品を認識する。さらに、データ処理部12は、データベース11に記録されている必要なデータを読み出して、当該第1商品のクーポン画像が含まれるウェブページを端末Tで表示するためのウェブページデータを構成し、通信部13が当該ウェブページデータを端末Tに対して送信する。
【0060】
図6は、端末において図5の再表示ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図である。図6に示すウェブページ(第3ウェブページに相当)において、領域A41,A43は、図2及び図3に示した領域A11,A13,A15と同様の領域であるため、説明を省略する。また、領域A44は、図3に示した領域A16と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0061】
領域A42は、保存したクーポン画像を表示するための領域である。なお、領域A42に表示されるクーポン画像も、第1商品画像P421,P422と、第1商品コード画像P423と、を組み合わせた画像であり、図4に示したクーポン画像と同様である。
【0062】
このように、端末Tにおけるウェブページ上の操作によってクーポン画像の保存を可能にすることで、顧客がクーポン画像を別途保存したり印刷したりする手間を省くことが可能になる。特に、顧客が、店舗に赴いて精算処理を行うまでの間に、端末T(特に、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末)を自由に使用することが可能になる。
【0063】
なお、端末Tのcookie情報に付加される、過去に選択表示したクーポン画像を表す情報は、所定の時点(例えば、深夜0時などの特定の時点や、記録してから24時間などの所定の時間が経過した時点)の到来によって消去されるように構成してもよい。このように構成すると、例えば、使用期限の過ぎた古いクーポン画像や、端末Tの誤操作などによって保存されたクーポン画像が、いつまでも端末Tで表示され得ることを防止することが可能になる。
【0064】
また、上述の動作例では、端末Tのcookie情報を利用してクーポン画像の保存を実現するとしたが、保存すべきクーポン画像を表す情報をデータベース11に記録してもよい。ただし、この場合、端末Tにおいて保存ボタンP224(図4参照)を実行する際に、端末Tから情報配信装置1に対して、保存すべきクーポン画像を表す情報を送信する必要がある。これに対して、端末Tのcookie情報を利用する上述の動作例の場合、端末Tにおいて保存ボタンP224を実行しても、端末Tから情報配信装置1に対して情報を送信する必要がなく、処理を簡略化することができるため、好ましい。
【0065】
また、図6では、広告を表示する領域A41,A43を含むウェブページを例示している。ただし、従業員がクーポン画像を迅速かつ円滑に読み取る観点から、図6に示すような最終的なクーポン画像が表示されるウェブページにおいては、広告を表示する領域A41,A43が含まれないようにすると、好ましい。
【0066】
また、図4の保存ボタンP224と、図2及び図5の再表示ボタンP127,P327と、を実行する操作によって実現されるクーポン画像の保存は、上述のように、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末において利用されると好適である。そのため、クーポン画像の印刷が想定されるパソコンなどの端末では、図4の保存ボタンP224と、図2及び図5の再表示ボタンP127,P327と、がウェブページに含まれないように、データ処理部12がパソコンなどの端末用のウェブページデータを構成してもよい。
【0067】
<第2動作例>
次に、端末Tがフィーチャーフォンなどの簡易的なブラウジングのみが可能な端末(例えば、パソコンと同じフルブラウジングが不可能な端末。以下、「特定端末」という。)である場合における、情報配信装置1の動作例について、図面を参照して説明する。なお、以下では、上述した図2図6に示したウェブページと異なる点について中心に説明する。
【0068】
図7は、特定端末に表示されるウェブページ(トップページ)の一例について示す図である。図7に示すウェブページにおいて、領域A51,A53,A55は、図2及び図3に示した領域A11,A13,A15と同様の領域であるため、説明を省略する。また、領域A56は、特定端末による操作が考慮されている(例えば、ダイヤルキーでメニューボタンを実行可能になっている)点を除いて、図3に示した領域A16と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0069】
図2及び図3に示したウェブページとは異なり、図7に示すウェブページには、第1商品及び第2商品に関する画像やボタンが含まれていない。その代わりに、領域A52において、第1商品に関する画像等を表示するための第1商品表示ボタンP521が設けられている。また、領域A54において、第2商品に関する画像等を表示するための第2商品表示ボタンP541が設けられている。
【0070】
端末Tにおいて、第2商品表示ボタンP541を実行する操作が行われると、その旨の操作内容データが端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている。
【0071】
図8は、特定端末において図7の第2商品表示ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図である。図8に示すウェブページにおいて、領域A61,A63は、図2及び図3に示した領域A11,A13,A15と同様の領域であるため、説明を省略する。また、領域A62は、図3に示した領域A14と同様の領域であるため、説明を省略する。また、領域A64は、図7に示した領域A56と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0072】
また、端末Tにおいて、第1商品表示ボタンP521を実行する操作が行われると、その旨の操作内容データが端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている。
【0073】
図9は、特定端末において図7の第1商品表示ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図である。なお、紙面の都合上、図9に示すウェブページにおいて、図7に示した領域A56と同様の領域である領域A74については、大部分の表示を省略している。また、図9に示すウェブページにおいて、領域A71,A73は、図2及び図3に示した領域A11,A13,A15と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0074】
領域A72は、図2及び図3に示した領域A12と同様に、クーポン画像(ただし、本動作例では簡易クーポン画像。詳細については図10を参照して後述する。)を表示すべき第1商品を顧客に選択させるための領域である。領域A72には、図2及び図3に示した第1商品画像P121,P122、閲覧カウンタP123及び選択確定ボタンP126に相当する、第1商品画像P721,P722、閲覧カウンタP723及び選択確定ボタンP725が含まれている。しかし、領域A72には、図2及び図3に示した選択ボタンP124及び選択解除ボタンP125と、再表示ボタンP127に相当するボタンが、含まれていない。
【0075】
領域A72では、第1商品の選択及び選択解除が、チェックボックスP724に対する操作によって行われる。チェックボックスP724は、端末Tにおいて実行される毎に、オン及びオフの2つの状態を繰り返す。図9に示す例では、「山形県産さくらんぼ」及び「食パン」のチェックボックスP724がオンの状態(選択されている状態)を表しており、「りんご」及び「しいたけ」のチェックボックスP724がオフの状態(選択されていない状態)を表している。
【0076】
端末Tにおいて、選択確定ボタンP725が実行されると、チェックボックスP725がオンの状態(図中の「山形県産さくらんぼ」及び「食パン」参照)となっている第1商品を表す操作内容データが、端末Tから情報配信装置1に対して送信されるように、ウェブページデータが構成されている、そして、当該操作内容データを通信部13が受信すると、データ処理部12が、データベース11に記録されている必要なデータを読み出して、選択された第1商品の簡易クーポン画像(詳細については図10を参照して後述)が含まれたウェブページを端末Tで表示するためのウェブページデータを構成し、通信部13が当該ウェブページデータを端末Tに対して送信する。
【0077】
図10は、特定端末において図8の選択確定ボタンを実行した場合に表示されるウェブページの一例について示す図である。図10に示すウェブページ(第5ウェブページに相当)において、領域A81,A83は、図2及び図3に示した領域A11,A13,A15と同様の領域であるため、説明を省略する。また、領域A84は、図7に示した領域A56と同様の領域であるため、説明を省略する。
【0078】
領域A82は、簡易クーポン画像を表示するための領域である。領域A82には、第1商品画像P821,P822と、閲覧カウンタP823と、が含まれている。なお、第1商品画像P821,P822及び閲覧カウンタP823は、図9に示した第1商品画像P721,P722及び閲覧カウンタP723と同様の画像である。また、簡易クーポン画像とは、第1商品画像P821,P822によって構成される画像である。
【0079】
顧客は、図10に示すウェブページが表示された状態の端末Tを、店舗での精算処理時において従業員に対して提示する。当該従業員は、端末Tに表示された第1商品画像P821,P822に基づいて、顧客が持ってきた商品が第1商品であるか否かを確認する。そして、顧客が持ってきた商品が第1商品であれば、商品に取り付けられている値札に記載の店頭表示価格の代わりに、端末Tに表示された簡易クーポン画像に記載の特売価格をキャッシュレジスタに入力することで、精算処理を行う。これにより、顧客は、店頭表示価格よりも安価である特売価格で、第1商品を購入することができる。
【0080】
このように、本発明の実施形態に係る情報配信装置1では、端末Tがフィーチャーフォンなどの特定端末であっても、端末Tに則した形態で利用することができる。
【0081】
なお、端末Tがフィーチャーフォンなどの特定端末であっても、キャッシュレジスタで読み取り可能な第1商品コード画像P223(図4参照)を表示可能であるならば、図10に示す領域A82において、第1商品コード画像P223を表示してもよい。
【0082】
<第1商品の展示方法>
上述のように、本発明の実施形態に係る情報配信装置1を利用する場合、第1商品について二重価格(店頭表示価格及び特売価格)が発生する。このような状況では、従業員が、第1商品である商品の精算処理をする際に、当該商品が第1商品であることを看過して、クーポン画像ではなく当該商品の値札を誤って読み取ることが懸念される。また、第1商品ではない商品の精算処理をする際に、当該商品が第1商品であると誤認して、クーポン画像を誤って読み取ることが懸念される。また、顧客が、第1商品ではない商品を第1商品であるとして誤って認識する(例えば、第1商品がさくらんぼである場合において、顧客がさくらんぼと間違えてアメリカンチェリーを第1商品であると認識する)ことなども懸念される。
【0083】
そこで、店舗において第1商品を展示する場合は、従業員及び顧客に対して第1商品であることをアピールするために、第1商品であることを表す印を付加すると、好ましい。この印の具体例について、図面を参照して説明する。
【0084】
図11は、第1商品の店舗での展示方法の一例について示す図である。図11(a)は、第1商品の値札の一例について示した平面図である。図11(b)は、第1商品を展示する陳列台の一例について示した斜視図である。
【0085】
図11(a)に示す第1商品の値札50には、商品名及び店頭表示価格を表す文字51と、キャッシュレジスタ等の読み取り装置によって読み取られることで第1商品の店頭表示価格が認識されるコード52と、第1商品であることを示す印(図示の例では「(W)」)53と、が印刷されている。
【0086】
このように、精算処理時に従業員が必ず見る値札50に対して、第1商品であることを示す印53を付加することによって、従業員において、精算処理をしようとしている商品が第1商品であるか否かを明確に認識することが可能になる。
【0087】
上記のような印53を含む値札50は、例えば、POSシステムとは独立したラベルライタを使用する場合、商品名の最後に印53が挿入されるように当該ラベルライタを操作することで、作製することができる。また例えば、POSシステムを構成するデータベースに記録されているデータを参照するラベルライタを使用する場合、当該データベースに記録する商品名の最後に印53を挿入することで、作製することができる。
【0088】
ところで、商品の流通の便宜のために登録された全国共通のコード(例えば、JANコード)を有する商品の場合、通常、店舗においてインストアコードを発行することなく、POSシステムを構成するデータベースに当該商品の店頭表示価格を記録する。この場合、キャッシュレジスタが当該商品のコードを読み取ると、POSシステムを構成するデータベースに記録されている当該商品の店頭表示価格が読み出されることで、キャッシュレジスタにおいて当該商品の店頭表示価格が認識される。
【0089】
このような全国共通のコードを有する商品の場合も、図11(a)に示す商品と同様に、印53が付加されたインストアコードを発行してもよいし、商品の外装(特に、コードの付近)にシールなどを付加してもよい。しかし、これらの作業は、本来は不要なものであるため、商品を陳列する従業員の負担が大きくなり得る。また、全国共通のコードが登録されている商品は、通常、他の商品との差別化のために、一見して認識し易い外装になっている。そのため、全国共通のコードが登録されている商品については、当該商品が第1商品であることを記載したビラをキャッシュレジスタの周辺に掲示するなど、従業員に対する注意喚起で足りる。
【0090】
したがって、全国共通のコードを有する商品に対しては印53を付加せず、生鮮食品などのインストアコードを発行する必要がある商品についてのみ印53を付加した値札50を発行すると、好ましい。
【0091】
なお、印53は1種類に限られず、第1商品の種類毎に異なる複数種類の印を設定してもよい。例えばこの場合、図4及び図10に示したクーポン画像及び簡易クーポン画像にも値札50と同様の印を付加するとともに、同種の第1商品の値札50に付加される印53とクーポン画像及び簡易クーポン画像に付加される印とが一致するように構成してもよい。このように構成すると、精算処理をする従業員は、第1商品の値札50とクーポン画像及び簡易クーポン画像との両者に付加されている印が一致するか否かを確認することのみで、第1商品とクーポン画像及び簡易クーポン画像とが対応しているか否かを容易に確認することが可能になる。
【0092】
また、図11(b)に示す、第1商品を展示する陳列台60では、第1商品を表すPOP(Point Of Purchase)広告から成る印61が付加されている。
【0093】
このように、顧客が商品を選択する際に目に入るように、陳列台60に第1商品であることを示す印61を付加することによって、顧客において、第1商品ではない商品を第1商品であると誤って認識することを抑制することが可能になる
【0094】
<変形等>
[1] 複数の店舗を有する会社において情報配信装置1を使用する場合、データ処理部12が、店舗毎に異なるウェブページデータを構成するようにしてもよい。さらにこの場合、データ処理部12が、情報配信装置1にアクセスしてきた端末Tの位置情報を取得して、当該端末Tの位置に最も近い店舗のウェブページを構成してもよい。
【0095】
また、この場合、全ての店舗で共通するクーポン画像を発行してもよいし、一部または全部の店舗において異なるクーポン画像を発行してもよい。このとき、クーポン画像を構成する第1商品コード画像P223(図4参照)は、店舗情報を含まない構成として全ての店舗で使用可能としてもよいし、店舗情報を含み特定の店舗でのみ使用可能としてもよい。
【0096】
[2] 情報配信装置1を構成するデータベース11を、POSシステムを構成するデータベースと共通化してもよいし、POSシステムを構成するデータベースと連携するように構成してもよい。
【0097】
この場合、1つのデータベースに第1商品の情報を記録するだけで、図4及び図10に示したようなクーポン画像及び簡易クーポン画像を含むウェブページが端末Tに表示されるようになるとともに、POSシステムを構成するデータベースに記録されているデータを参照するラベルライタを用いて図11(a)に示すような印53が付加された値札50を作製することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、インターネット等の通信ネットワークを介して端末に情報を配信する情報配信装置と、当該情報配信装置を利用した商品販売支援システムに利用することができる。特に、当該情報配信装置及び当該商品販売支援システムは、小売業に適用すると好適である。
【符号の説明】
【0099】
1 情報配信装置
11 データベース
12 データ処理部
13 通信部
P121,P122,P221,P222,P421,P422 第1商品画像
P721,P722,P821,P822 第1商品画像
P223,P423 第1商品コード画像
P141,P142,P221,P222 第2商品画像
P143 リクエストボタン
P224 保存ボタン
P127,P327 再表示ボタン
N 通信ネットワーク
T 端末
53,61 印
【要約】
【課題】 精算処理の迅速性及び円滑性を損なうことなく、顧客に対して有益な情報を配信することで顧客を誘引する情報配信装置を提供する。
【解決手段】 情報配信装置1は、ウェブページデータを構成するために必要なデータを記録するデータベース11と、データベース11から必要なデータを読み出してウェブページデータを構成するデータ処理部12と、データ処理部12が構成したウェブページデータを、通信ネットワークNを介して端末Tに対して送信する通信部13と、を備える。データ処理部12は、第1商品を表す第1商品画像と、所定の読取装置に読み取られることで第1商品の販売価格が認識される第1商品コード画像と、が組み合わせられたクーポン画像が含まれる第1ウェブページを端末Tで表示するためのウェブページデータを構成する。
【選択図】 図1
図1
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図2