特許第5936807号(P5936807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5936807磁気的に制御された予圧力を有する切断器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936807
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】磁気的に制御された予圧力を有する切断器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   A61B17/32 330
【請求項の数】29
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2009-540390(P2009-540390)
(86)(22)【出願日】2007年11月29日
(65)【公表番号】特表2010-511484(P2010-511484A)
(43)【公表日】2010年4月15日
(86)【国際出願番号】US2007085862
(87)【国際公開番号】WO2008082826
(87)【国際公開日】20080710
【審査請求日】2010年11月19日
【審判番号】不服2014-18080(P2014-18080/J1)
【審判請求日】2014年9月10日
(31)【優先権主張番号】11/566,738
(32)【優先日】2006年12月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504048135
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ラファル・ジェジエルスキ
【合議体】
【審判長】 山口 直
【審判官】 熊倉 強
【審判官】 竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平5−45239(JP,U)
【文献】 実開平5−29509(JP,U)
【文献】 国際公開第99/13790(WO,A1)
【文献】 米国特許第6689146(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸を備えるハンドピースと共に使用するための切断器具であって、
第1の永久磁石を備える外側管状部材と、
第2の永久磁石を備え、前記外側管状部材内に摺動可能に配置された内側管状部材とを備え、
前記内側管状部材が前記外側管状部材内に摺動可能に配置されると、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石の間に空隙が存在すると共に、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石との間に力が生成され、前記空隙は、前記力が、前記内側管状部材が前記外側管状部材に接触するような、或いは前記内側管状部材が前記ハンドピースの前記駆動軸に対して与圧するような予圧力を前記内側管状部材と前記外側管状部材との間に生成するように、設定されていることを特徴とする切断器具。
【請求項2】
前記力が引力からなることを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項3】
前記力が反発力からなることを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項4】
前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石が異なる極性を有することを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項5】
前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石が同じ極性を有することを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項6】
前記空隙が約0.025mm(0.001インチ)から約7.620mm(0.300インチ)であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の切断器具。
【請求項7】
前記第1の永久磁石が前記外側管状部材に結合されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項8】
前記第1の永久磁石が前記外側管状部材のハブに結合されるようになっていることを特徴とする請求項7に記載の切断器具。
【請求項9】
前記第2の永久磁石が前記内側管状部材に結合されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項10】
前記第2の永久磁石が前記内側管状部材のハブに結合されるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の切断器具。
【請求項11】
前記内側管状部材と前記外側管状部材の両方が永久磁気材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
【請求項12】
前記内側管状部材のハブと前記外側管状部材のハブの両方が永久磁気材料を含むことを特徴とする請求項11に記載の切断器具。
【請求項13】
前記内側管状部材の前記ハブの前記永久磁気材料と前記外側管状部材の前記ハブの前記永久磁気材料が同じ極性を有することを特徴とする請求項12に記載の切断器具。
【請求項14】
前記内側管状部材の前記ハブの前記永久磁気材料と前記外側管状部材の前記ハブの前記永久磁気材料が異なる極性を有することを特徴とする請求項12に記載の切断器具。
【請求項15】
切断器具の外側管状部材と内側管状部材との間に力を生成する方法であって、
第1の永久磁石を前記外側管状部材に結合する段階と、
第2の永久磁石を前記内側管状部材に結合する段階と、
前記内側管状部材を前記外側管状部材内に摺動可能に配置して、前記外側管状部材と前記内側管状部材との間に力を生成する段階であって、前記力が、前記内側管状部材と駆動軸とが係合された状態で前記内側管状部材と前記駆動軸との間に予圧力を生成するようになっている、段階と、を含み、
前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石の間に空隙が存在し、前記空隙は、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石との間の力が、前記内側管状部材が前記外側管状部材に接触するような、或いは前記内側管状部材が前記駆動軸に対して与圧するような予圧力を前記内側管状部材と前記外側管状部材との間に生成するように、設定されていることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記力が引力からなることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記力が反発力からなることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石が同じ極性を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石が異なる極性を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の永久磁石が前記外側管状部材のハブに結合されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の永久磁石が前記内側管状部材のハブに結合されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の永久磁石を前記外側管状部材に結合し、前記第2の永久磁石を前記内側管状部材に結合する段階が、機械的結合、永久的な磁気結合、または接合を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
外側管状部材と、
永久磁石を備え、前記外側管状部材内に摺動可能に配置された内側管状部材とを備え、
前記内側管状部材とハンドピースが係合されると、前記内側管状部材の前記永久磁石と前記ハンドピースの永久磁石との間に空隙が存在すると共に、前記内側管状部材の前記永久磁石と前記ハンドピースの前記永久磁石との間に力が生成され、前記空隙は、前記力が、前記内側管状部材が前記外側管状部材に接触するような、或いは前記内側管状部材が前記ハンドピースの駆動軸に対して与圧するような予圧力を前記内側管状部材と前記ハンドピースとの間に生成するように、設定されていることを特徴とする切断器具。
【請求項24】
前記力は反発力であることを特徴とする請求項23に記載の切断器具。
【請求項25】
前記力は引力であることを特徴とする請求項23に記載の切断器具。
【請求項26】
前記外側管状部材上の永久磁石をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の切断器具。
【請求項27】
前記外側管状部材上の前記永久磁石と前記内側管状部材上の前記永久磁石が同じ極性を含むことを特徴とする請求項26に記載の切断器具。
【請求項28】
前記外側管状部材が保持形状を備え、前記保持形状が前記外側管状部材と前記内側管状部材の結合を行うようになっていることを特徴とする請求項23に記載の切断器具。
【請求項29】
前記空隙が約0mm(0インチ)から約7.620mm(0.300インチ)であることを特徴とする請求項23から28のいずれか一項に記載の切断器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に切断器具に関し、より詳細には、協働して体組織を切断または切除する遠位端を備える細長い内側および外側の管状部材を有する外科用切断装置に関する。
【0002】
本出願は、参照により開示の全体が本明細書中に組み込まれている、2006年12月5日に出願した米国特許出願公開第11/566,738号のPCT国際出願である。
【背景技術】
【0003】
細長い外科用切断器具は、内視鏡手術、すなわち関節鏡視下手術など非観血的手術を行う際に使用されてきた。図1は非観血的手術で使用される外科用切断装置10を示す。切断装置10は、切断ポートあるいは窓を形成する側壁および/または端壁内の開口部13を有する遠位端12で終端する細長い外側管状部材11、ならびに、外側管状部材11内に同軸に配置され、外側管状部材11の遠位端12の開口部13に隣接するように配置された遠位端21を有する細長い内側管状部材20(図2)を有する。内側管状部材20の遠位端21は、外側管状部材11の遠位端12の開口部13を介して組織と係合し、多くの場合は開口部13と協働して組織をせん断または切断するための表面または縁部22を有する。真空源(図示せず)が切断装置10に結合され、装置10から組織および組織の周囲の洗浄流体を吸引する。それぞれ外側管状部材11および内側管状部材20は、その近位端14,23にプラスチック製ハブ15,24を有する。内側管状部材20のハブ24は、ハブ24を通って横方向に延びる通路25を有し、内側管状部材20はハブ24の軸方向の孔26を通って延びて通路25と連通している。部分28内の駆動タング27は、ハンドピース(図示せず)によって駆動されるように適合される。ハンドピースは、ハンドピース上の指作動スイッチによって制御される小さい電動機をその中に有する。コンソール上の1つまたは複数の足踏スイッチがハンドピースに電力を供給する。図1および図2は、先端支持切断装置として当業界で周知の切断装置の構成要素を示す。
【0004】
図3および図4は、バリ切断装置として当業界で周知の切断装置の構成要素を示す。バリ切断装置30も、切断ポートあるいは窓を形成する側壁および/または端壁内の開口部33を有する遠位端32で終端する細長い外側管状部材31、ならびに、外側管状部材31内に同軸に配置され、外側管状部材31の遠位端32の開口部33に隣接するように配置された遠位端41を有する細長い内側管状部材40(図4)を有する。内側管状部材40の遠位端41は、外側管状部材31の遠位端32の開口部33を介して組織を穿孔かつ粉砕し、多くの場合は開口部33と協働して組織をせん断または切断するためのらせん状の溝付き表面または縁部42を有する。内側管状部材40は、通常は、ハンドピース上の指作動スイッチによって制御される小さい電動機をその中に有するハンドピースによって、その近位端43で同様に回転式に駆動される。コンソール上の1つまたは複数の足踏スイッチがハンドピースに電力を供給する。
【0005】
現在、先端支持切断装置とバリ切断装置の両方の設計は、内側管状部材(20,40)に統合された圧縮ばねおよびハウジングアセンブリ(28,45)、またはハンドピースユニット(図示せず)の駆動軸アセンブリに統合された圧縮ばねを使用する。圧縮ばねおよびハウジングアセンブリ28が内側管状部材20に統合される場合、先端支持切断装置の場合は、内側管状部材20の外側先端面29が外側管状部材11の内側先端面16に対して与圧される。バリ切断装置は、内側と外側の先端面(46,35)の間に接触がないため、スラストワッシャ34を使用して、内側管状部材40を外側管状部材31に対して与圧する。スラストワッシャ34は高分子材料の円形部片である。しかし、ワッシャ34は他の形状またはタイプの材料でもよい。
【0006】
いずれの切断装置でも、予圧力は切断装置がハンドピースユニットに係合された後にだけ生成される。予圧力は、内側および外側の管状部材など構成要素を互いに対して与圧する際に加えられる力である。与圧の大きさは、切断装置の構成要素とハンドピースユニットの寸法の偏差による。切断装置がハンドピースに係合されない場合、内側管状部材を外側管状部材内に保持する手段は存在しない。さらに、スラストワッシャ構成では、バリ切断装置が過剰に撥水し焼け付きやすくなる。使用の際は、特にバリ装置では、ハンドピースユニットが内側管状部材を外側管状部材に対して駆動し、ワッシャが破壊され、ワッシャからの破砕された材料の小片が駆動タング/ハンドピースの連結部内に留まり、場合によっては、真空による組織および洗浄流体の吸入が妨げられる。こういうことが起きると、この領域の流体の量が十分でなくなるために、駆動タング/ハンドピースのインターフェースが過熱されて、駆動タング/ハンドピースが焼け付き、駆動タングが溶融される恐れがある。
【0007】
圧縮ばねがハンドピースユニットの駆動軸アセンブリに統合される場合は、切断装置がハンドピースユニットから係合解除されても、内側管状部材を保持する問題が発生しない。図5で示したように、保持装置51がハブ外側管状部材50に統合されて、内側管状部材62(図6)が外側管状部材52内に保持される。さらに、図6で示したように、内側管状部材62は近位端64に溝63を有し、内側管状部材62が外側管状部材52内に配置された場合に、その溝63内に保持装置51が担持されて、内側管状部材62を保持する。図5および6で示した器具は先端支持切断器具である。しかし、保持装置をバリ切断器具で使用することもできる。駆動軸アセンブリに統合された圧縮ばねを有する設計は、圧縮ばねおよび駆動軸の寸法に限界があるため、小さい径の切断装置の適用例では不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第11/566,738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
予圧力をより正確に制御することができる切断装置が当技術分野で依然として求められている。さらに、駆動軸ユニットの物理的制約を考慮する必要性を回避した設計を有する切断装置が求められている。また、製造が比較的簡単で低コストの切断装置も求められている。最後に、スラストワッシャの使用に依存しないバリ切断装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の問題を考慮して開発されたものである。
【0011】
一態様では、本発明は、第1の磁石を有する外側管状部材、および第2の磁石を有する内側管状部材を備え、内側管状部材が外側管状部材内に摺動可能に配置される切断器具に関する。内側管状部材が外側管状部材内に摺動可能に配置されると、第1の磁石と第2の磁石の間に力が生成される。一実施形態では、力は引力であり、引力が内側管状部材と外側管状部材の間に予圧力を生成する。他の実施形態では、力は反発力であり、内側管状部材と駆動軸が係合されると、反発力が内側管状部材と駆動軸の間に予圧力を生成する。
【0012】
他の実施形態では、第1の磁石と第2の磁石は異なる極性を有する。他の実施形態では、第1の磁石と第2の磁石は同じ極性を有する。他の実施形態では、第1の磁石と第2の磁石の間に空隙が存在し、空隙は約0.001インチから0.300インチである。一実施形態では、第1の磁石は外側管状部材または外側管状部材のハブに結合される。他の実施形態では、第2の磁石は内側管状部材または内側管状部材のハブに結合される。他の実施形態では、内側管状部材と外側管状部材の両方が磁気材料を含む。他の実施形態では、内側管状部材のハブと外側管状部材ハブの両方が磁気材料を含む。他の実施形態では、内側管状部材のハブの磁気材料と外側管状部材のハブの磁気材料が同じ極性を有する。一実施形態では、内側管状部材のハブの磁気材料と外側管状部材のハブの磁気材料が異なる極性を有する。
【0013】
他の態様では、本発明は、第1の磁石を有する外側管状部材、および第2の磁石を有する内側管状部材を有し、内側管状部材が外側管状部材内に摺動可能に配置される外科用切断器具に関する。内側管状部材が外側管状部材内に摺動可能に配置されると、第1の磁石と第2の磁石の間に力が生成される。
【0014】
他の実施形態では、本発明は、切断器具の外側管状部材と内側管状部材の間に力を生成する方法に関する。この方法は、第1の磁石を外側管状部材に結合する段階、第2の磁石を内側管状部材に結合する段階、および内側管状部材を外側管状部材内に摺動可能に配置して、外側管状部材と内側管状部材の間に力を生成する段階を含む。
【0015】
一実施形態では、力は引力であり、引力が内側管状部材と外側管状部材の間に予圧力を生成する。他の実施形態では、力は反発力であり、内側管状部材と駆動軸が係合されると、反発力が内側管状部材と駆動軸の間に予圧力を生成する。他の実施形態では、第1の磁石と第2の磁石は異なる極性を有する。他の実施形態では、第1の磁石と第2の磁石は同じ極性を有する。他の実施形態では、第1の磁石は外側管状部材のハブに結合される。一実施形態では、第2の磁石は内側管状部材のハブに結合される。他の実施形態では、第1の磁石の外側管状部材への結合、および第2の磁石の内側管状部材への結合は、機械的結合、磁気結合、または接合を含む。
【0016】
他の態様では、本発明は、外側管状部材、および磁石を備える内側管状部材を備え、内側管状部材が外側管状部材内に摺動可能に配置される切断器具に関する。内側管状部材とハンドピースが係合されると、内側管状部材の磁石とハンドピースの磁石の間に力が生成される。一実施形態では、力は反発力であり、反発力が内側管状部材と外側管状部材の間に予圧力を生成する。他の実施形態では、力は引力であり、引力が内側管状部材とハンドピースの間に予圧力を生成する。
【0017】
他の実施形態では、切断器具はさらに外側管状部材上の磁石を備え、外側管状部材上の磁石と内側管状部材上の磁石は同じ極性を含む。他の実施形態では、外側管状部材が保持形状を備え、保持形状が外側管状部材と内側管状部材の結合を行う。他の実施形態では、約0インチから0.300インチの空隙が内側管状部材の磁石とハンドピースの磁石の間に存在する。
【0018】
本発明のさらなる特徴、態様、および利点、ならびに本発明のさまざまな実施形態の構造および操作を添付の図面を参照して以下に詳細に記載する。
【0019】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、記載と併せて本発明の実施形態を示し、本発明の原理を説明する働きをするものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】外科用切断器具の一実施形態を示す図である。
図2図1で示した外科用切断器具の内側管状部材を示す図である。
図3】外科用切断器具の他の実施形態を示す図である。
図4図3で示した外科用切断器具の内側管状部材を示す図である。
図5】外科用切断装置の外側管状部材の保持リングを示す図である。
図6】外科用切断装置の内側管状部材の近位端にある溝を示す図である。
図7】本開示の切断器具を示す断面図である。
図8】本開示の先端支持切断器具を示す断面図である。
図9】本開示のバリ切断器具を示す断面図である。
図10】本開示の切断装置の作製方法を示す図である。
図11】本開示の先端支持切断器具の他の実施形態を示す断面図である。
図12】本開示のバリ切断器具の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
同様の番号が同様の要素を示す添付の図面を参照すると、図7は、本開示の切断器具100を示す断面図である。器具100は、外側管状部材101および内側管状部材103を備える。外側管状部材101と内側管状部材103は共に管状部材101,103の近位端106,108に結合されたハブ105,107を備える。管状部材101,103は鋼またはステンレス鋼など金属材料からなり、ハブ105,107は高分子材料から成形される。内側管状部材103は、上述し、図8および図9で示したように、外側および内側の管状部材101,103の遠位端が位置合わせされるように外側管状部材101内に摺動可能に配置される。遠位端の位置合わせによって、上記のように、内側管状部材103の駆動タング109がハンドピース(図示せず)によって駆動されると、外側および内側の管状部材101,103が組織を切断または切除することができるようになる。外側管状部材101は第1の磁石110を備え、内側管状部材103は第2の磁石111を備える。磁石110,111は外側および内側の管状部材101,103に結合される。しかし、磁石110,111を管状部材101,103のハブ105,107に結合してもよい。第1の磁石110および第2の磁石111は外側管状部材101と内側管状部材103の間に力を生成する。この開示で使用される磁石は永久磁石である。しかし、電磁石、または他の当業者に周知の磁石など他のタイプの磁石を使用してもよい。
【0022】
図8で示し、上述したように、先端支持切断器具200で使用される場合、磁石201,202は、第1の磁石201と第2の磁石202の間に引力203が生成されるように配置される。引力203は、磁石が異なる極性を有するためであり、外側管状部材204と内側管状部材205の間に予圧力209を生成する。本発明の目的のため、異なる極性を有する磁石を、内側管状部材205上の磁石202の北極に対向する南極を有する外側管状部材204上の磁石201として、または内側管状部材205上の磁石202の南極に対向する北極を有する外側管状部材204上の磁石201として規定することができる。当業者に周知の他の構成を使用することもできる。空隙206も磁石201と202の間に存在する。この空隙206は、内側管状部材205の外面先端部208を外側管状部材204の内面先端部207と確実に接触させるものである。磁石201,202の物理的特性が固定されていると仮定すると、内側管状部材205と外側管状部材204の間に生成される予圧力は、磁石201,202の極性およびその間の空隙206に依存する。ハンドピース構成要素の寸法の偏差は、与圧の大きさに影響を与えないため、予圧力をより正確に制御することができる。さらに、切断器具がハンドピースユニットに係合されてもされなくても、切断器具が与圧された状態にあるため、内側管状部材保持形状が不要である。それによって、外側管状部材のハブおよびシールの設計を単純にすることができる。
【0023】
図9で示し、上述したように、バリ切断器具300で使用される場合、反発力303が磁石301と302の間に生成される。反発力303は、駆動軸313と内側管状部材304のハブ312が係合されると、内側管状部材304とハンドピース311の駆動軸313の間に予圧力310を生成する。反発力303は同じ極性を有する磁石によるものである。本発明の目的のため、同じ極性を有する磁石を、両方が互いに対向する南極または北極を有する磁石301,302として規定することができる。当業者に周知の他の構成を使用することもできる。空隙306も磁石301と302の間に存在する。空隙306により、内側管状部材の予圧310の方向が逆になり、すなわち内側管状部材が、外側管状部材のハブのスラスト面ではなく、ハンドピース311の駆動軸313に対して与圧されるため、スラストワッシャの必要性が回避される。スラストワッシャが除去されるため、内側管状部材と外側管状部材の接触が回避され、それによって撥水および/または焼付の危険性が最低限に抑えられる。磁石301,302の物理的特性が固定されていると仮定すると、予圧力310は磁石面の間の空隙306の大きさに依存する。
【0024】
内側管状部材304と外側管状部材305を分離させる反発力303の方向により、Oリングの壁に配置されたタブを有する修正されたOリングなど、保持形状307の使用が有利である。これを外側管状部材305のハブ309の設計に組み込むことができる。内側管状部材304は、内側管状部材304が外側管状部材305内に配置された場合に、保持形状307が担持されて内側管状部材304を保持する溝308を有する。保持形状は、外側管状部材305のハブ309の材料に組み込まれたセンサ磁石の使用を含むこともできる。こうしたセンサ磁石は、内側管状部材304に結合される磁石301とは異なる極性を有して、センサ磁石と内側管状部材の磁石301の間に引力が生成されるようにする。しかし、内側管状部材を外側管状部材内に保持する任意の保持形状を使用することができる。両方の態様の磁石の間に存在する空隙は、約0.001インチから約0.300インチである。
【0025】
図10で示したように、切断器具の外側管状部材と内側管状部材の間に力を生成する方法400は、第1の磁石を外側管状部材に結合する段階401、第2の磁石を内側管状部材に結合する段階402、および内側管状部材を外側管状部材内に摺動可能に配置して、外側管状部材と内側管状部材の間に力を生成する段階403を含む。磁石を外側および内側の管状部材のハブに結合することもできる。
【0026】
本開示の磁石はハブまたは部材に生体適合性の非毒性接着グルーで結合される。磁石の結合は、機械的結合、磁気結合、接合、または磁石の外側および内側の管状部材のハブへの埋込みを含むこともできる。機械的結合は、スナップ嵌め、またはハブ上のタブ設計の使用を含むことができるが、当業者に周知の他の機械的手段を含むことができる。磁気結合は、磁石の内側または外側の管状部材のハブへの結合を含むことができ、ハブは磁気材料から製造される。本開示の目的のため、磁気材料は、高分子結合磁気材料、高分子材料に埋め込まれた磁石を有する高分子材料、または当業者に周知の任意の他のタイプの磁気材料を含むことができる。高分子結合磁気材料は、磁石と磁気材料の間に引力が生成されるように、磁石と異なる極性を有することができる。カスタマイズされた、あるいは工業プレス加工で、磁石をハブに押し込むことによって、または高分子材料および磁石を型に配置し、次いでハブを形成することによって、磁石をハブ内に成形することによって、磁石をハブに埋め込むこともできる。
【0027】
さらに、磁気結合は、金属など非磁気化材料の構成要素をどちらかの管状部材のハブに埋め込むこと、および磁石を構成要素上に配置して、磁石と部材の磁気結合を行うことを含むこともできる。上記の方法の生体適合性の非毒性接着グルーでの接着結合によって、またはろう付け、あるいは溶接、具体的には摩擦もしくはスピン溶接によって、磁石をハブに接合することができる。
【0028】
本発明の一代替実施形態は、図7で示したように、個々の磁石の機能性が外側および内側の管状部材101,103の成形高分子ハブアセンブリ105,107に組み込まれるように磁気化された高分子結合磁気材料の使用を含む。他の代替実施形態は、ばね、または抵抗性あるいは可撓性の性質を有する任意の他の材料など可撓性もしくは圧縮性の部材を内側または外側の管状部材のハブに組み込むこと、および予圧力を内側および/または外側の管状部材に加える圧縮流体のポケットを含む。
【0029】
磁石をバリおよび先端支持の切断器具で使用する代替実施形態が図11および図12に示されている。図11では、先端支持切断器具500は、内側管状部材503のハブ502の近位端に配置された磁石501を備える。ハンドピース514もハンドピース514の内部または外部にある磁石505を備える。ハンドピース514の磁石505と内側管状部材503の磁石501は同じ極性を含み、器具500を使用する準備の際にハンドピース514がハブ502上に配置されると、反発力506が磁石501と505の間に生成される。駆動軸504はハンドピース514内に配置され、使用中に内側管状部材503を回転式に駆動する。ハンドピース514が器具500に連結されると、内側管状部材503の外側先端面509が外側管状部材507の内側先端面510に対して与圧されるため、内側管状部材503と外側管状部材507の間に予圧力511が生成される。Oリングの壁に配置されたタブを有する修正されたOリングなど保持形状508が、器具500がハンドピース514と係合されていない場合に、内側管状部材503と外側管状部材507の分離を阻止するために必要とされる。これを外側管状部材507のハブ512の設計に組み込むことができる。内側管状部材503は、内側管状部材503が外側管状部材507内に配置された場合に、保持形状508が担持されて内側管状部材503を保持する溝510を有する。約0インチから約0.300インチの空隙513が磁石(501,505)の間に存在する。
【0030】
図12はバリ切断器具600を示す図である。図11の先端支持切断器具500と同様に、磁石601が内側管状部材603のハブ602の近位端に配置される。やはり上で論じたように、ハンドピース614もハンドピース614の外部または内部に配置された磁石605を備える。ハンドピース614の磁石605と内側管状部材603の磁石601は異なる極性を含み、器具600を使用する準備の際にハンドピース614がハブ602上に配置されると、引力606が磁石601と605の間に生成される。駆動軸604はハンドピース614内に配置され、使用中に内側管状部材603を回転式に駆動する。この引力606はハンドピース614と内側管状部材603の間の予圧力である。
【0031】
磁石607を外側管状部材608に含めて、内側管状部材603に対するスラスト面として働かせることができる。磁石607は、内側管状部材603の磁石601と同じ極性を含んで、磁石601と607、したがって内側と外側の管状部材603と608の間に反発力613が生成されるようにする。使用中の器具600の方向で、内側管状部材603の磁石601とハンドピース614の磁石605の間に引力606が存在し、内側管状部材603の磁石601と外側管状部材608の磁石607の間に反発力613が存在するため、内側管状部材603が外側管状部材608に押し付けられないようにすることができる。したがって、スラストワッシャを磁石607の代わりに使用することができる。しかし上記のように、スラストワッシャは撥水の恐れがあり、磁石がなお好ましい。さらに、上記の保持形状611を使用して、内側管状部材603を外側管状部材608内に保持することができる。約0インチから約0.300インチの空隙612が磁石(601,605)の間に存在する。
【0032】
図11図12の両方の切断装置で、磁石を上記の方法でハンドピースおよび内側管状部材に結合することができる。磁石は永久磁石であるが、他のタイプの磁石を使用することもできる。
【0033】
本発明の目的から、ハンドピースの外部または内部に配置された磁石とは、磁石を、ハンドピースの外面上、ハンドピースの材料の中、ハンドピースの内面上、または、限定的ではないが、駆動軸を含むハンドピースの内部に位置する任意の部分に配置することができることを指す。
【0034】
本開示の上記の利点の他に、本開示の切断器具は、ハンドピース内に組織が捕獲される危険性を低減するものであり、したがって、圧縮ばねおよびハウジングアセンブリなど外部の構成要素を含まず、それらが組織の流路に直接存在するため、ハンドピースの保守が低減される。さらに、本開示の磁石を内側および外側の管状部材の構成の識別に使用して、現在の識別能力を拡大することができる。
【0035】
上記を考慮して本開示の幾つかの利点が獲得され得られるであろう。
【0036】
実施形態は本発明の原理および本発明の実際の適用を最良に説明するために選択され記載されたものであり、それによって、当業者が企図される特定の使用に適したさまざまな実施形態でさまざまな修正と共に本開示を最良に使用することができるようにするものである。
【0037】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載し図で示した構成および方法にさまざまな修正を加えることができ、上記に含まれ、または添付の図面で示した内容は全て限定的ではなく例示であると解釈すべきである。したがって、本発明の広がりおよび範囲は、上記の例示の実施形態のどれにも限定されず、本明細書に添付された特許請求の範囲および等価のものだけに定義されるものである。
【符号の説明】
【0038】
10,30,100,200,300,500,600 切断器具
11,31,52,101,204,305,507,608 外側管状部材
12,21,32,41 遠位端
13,33 開口部
14,23,43,64,106,108 近位端
15,24,50,105,107,309,312,502,512,602 ハブ
16,46,207,510 内側先端面
20,40,62,103,205,304,503,603 内側管状部材
22,42 縁部
25 通路
26 孔
27,109 駆動タング
28,45 ハウジングアセンブリ
29,35,208,509 外側先端面
34 スラストワッシャ
51 保持装置
63,308,510 溝
110,111,201,202,301,302,501,505,601,605,607 磁石
203,606 引力
206,306,513,612 空隙
209,310,511 予圧力
303,506,613 反発力
307,508,611 保持形状
311,514,614 ハンドピース
313,504,604 駆動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12