(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
(電動モータ)
以下、本実施形態の電動モータについて、図面を参照して説明する。
図1は、電動モータの断面図である。
同図に示す電動モータ1は、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート及びワイパ装置等の駆動用モータとして用いられるブラシ付きのモータである。具体的に、電動モータ1は、ヨーク2、及びブラシホルダ収納部3が一体的に形成されてなるハウジング4と、ハウジング4におけるヨーク2の内側に回転自在に収容されたアーマチュア5と、ハウジング4におけるブラシホルダ収納部3の内側に収納されたブラシホルダユニット6と、を備えている。なお、以下の説明では、アーマチュア5の後述する回転軸7に沿う方向を単に軸方向といい、この軸方向に直交する方向を径方向、軸方向回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
ハウジング4は、例えば鉄等の磁性材からなる板材に深絞りによるプレス加工を施すことによって有底筒状に形成されたものであり、その軸方向の一端側(底壁13側)にヨーク2が、軸方向の他端側(開口部17側)にヨーク2に対して拡径されたブラシホルダ収納部3が形成されている。
ヨーク2の周壁11における内周面には、周方向に沿って複数(例えば、6個)のマグネット12が配設されている。これらマグネット12は、隣接するマグネット12の磁極が異なるように接着剤等により張り付けられている。なお、マグネット12は、ネオジ焼結磁石及びネオジボンド磁石の希土類磁石や、フェライト磁石等が使用され、平板状のセグメント型に形成されている。
【0018】
ヨーク2(ハウジング4)の底壁13には、軸方向の外側に向かって突出するボス部14が形成されている。ボス部14の内側には、アーマチュア5の回転軸7の一端を回転自在に支持するためのすべり軸受15が内嵌固定されている。また、ボス部14の底部には、スラストプレート16が設けられている。スラストプレート16は、スチールボール16aを介して回転軸7のスラスト荷重を受けている。スチールボール16aは、回転軸7とスラストプレート16との間の摺動抵抗を減少させるためのものである。
【0019】
アーマチュア5は、上述した回転軸7と、回転軸7に外挿固定されるアーマチュアコア21と、アーマチュアコア21に対して軸方向の他端側に配置されたコンミテータ22と、を有している。
アーマチュアコア21は、電磁鋼板等の磁性材を積層して形成されたものであって、マグネット12に対応した位置に配置されている。アーマチュアコア21には巻線23が巻回されており、この巻線23の端末部がコンミテータ22に接続されている。
コンミテータ22は、略円柱状の部材であって、その外周面には、板状に形成された不図示のセグメントが複数並設されている。そして、これらセグメントに、巻線23の端末部が接続されている。
【0020】
ブラシホルダ収納部3(ハウジング4)の開口縁部には、電動モータ1を外部機器に固定するための外フランジ部25が設けられている。なお、外部機器としては、例えばウォームギヤを収納する減速機構(不図示)等がある。
外フランジ部25には、ボルト孔25aが周方向に沿って複数個形成されており、これらボルト孔25a内にボルト(不図示)が挿通されて、電動モータ1が外部機器に締結固定される。
【0021】
(ブラシホルダユニット)
図2はブラシホルダユニットの平面図、
図3は斜視図である。
図2,3に示すように、ブラシホルダユニット6は、開口部31aを有する箱状のホルダ本体31を有している。ホルダ本体31は、開口部31aを軸方向の一端側に向けた状態で、軸方向の他端側からハウジング4の開口部17を閉塞するようにブラシホルダ収納部3内に収納されている。
【0022】
ホルダ本体31の底壁32は、ハウジング4の開口部17の形状に対応するように形成されている。本実施形態においては、底壁32は、軸方向から見て略長円形状に形成されており、1対の平坦辺32a,32aと、1対の弧状辺32b,32bと、を有している。そして、これら平坦辺32a、及び弧状辺32bから軸方向の一端側に向かって周壁33が立ち上がり形成されている。この周壁33がブラシホルダ収納部3内に嵌合されている。
【0023】
また、一対の弧状辺32bには、それぞれ底壁32の長手方向外側に向かって舌片部34が2箇所ずつ延出形成されている。この舌片部34は、ブラシホルダ収納部3にブラシホルダユニット6を嵌合組み付けする際、外フランジ部25に当接することにより、ブラシホルダユニット6の軸方向における位置決めを行うためのものである。
【0024】
また、底壁32における径方向の中央部には、略筒状の軸受ハウジング35(
図3参照)が軸方向の他端側に向かって突出形成されており、この軸受ハウジング35内にアーマチュア5の回転軸7の他端側を回転自在に支持するすべり軸受け36が組み付けられている。すべり軸受け36は、外形が略球形状をしており、軸受ハウジング35内に組み付けられた状態で傾動することができる。すべり軸受け36が傾動することで、回転軸7が軸ずれした場合でも摺動抵抗により発生する負荷を最小限に抑制し、回転軸7が効率よく回転できるようにしている。
また、軸受ハウジング35の周壁には、複数のスリット35aが周方向に等間隔で形成されており、軸受ハウジング35の内径とすべり軸受け36の外径の製作誤差をある程度許容できるようになっている。
【0025】
図2に示すように、底壁32における短手方向略中央であって、且つ長手方向両端側、つまり、弧状辺32bの内側には、底壁32から軸方向の一端側に向けて突出するブラシホルダ41が設けられている。ブラシホルダ41は、略直方体の箱状に形成されたものであって、その長手方向両端が開口されている。そして、ブラシホルダ41は、その長手方向が径方向に沿うような向きで配置されている。
【0026】
ブラシホルダ41には、ブラシ42が径方向中央に向かって出没自在に内装されている。このため、ブラシ42は、ホルダ本体31の長手方向両側に、回転軸7を中心して対向配置された状態になっている。
ブラシ42は、略直方体形状をしたカーボン等の導電性材料からなるものである。ブラシ42は、ブラシホルダ41の短手方向に隣接配置されたコイルスプリング43によって径方向の内側、すなわち上述したアーマチュア5のコンミテータ22に向かって付勢されている。
【0027】
ブラシホルダ41には、軸方向の一端側の面(
図2における紙面手前側の面)に、スリット44が長手方向に沿うように形成されている。2つのブラシ42,42には、それぞれスリット44を介してピグテール45a,45bの一端が接続されている。
【0028】
図3に示すように、底壁32における短手方向の内側、つまり平坦辺32a,32aの内側にはそれぞれ軸方向の一端側に向けて窪んだ収納凹部51,51が形成されている。これら収納凹部51,51は、軸方向から見て底壁32の長手方向を長手方向とした長方形状に形成され、これら収納凹部51内にそれぞれ雑防素子であるチョークコイル52a,52bが収納されている。
【0029】
チョークコイル52a,52bは、フェライト等の磁性材料からなる円柱状のコア53に、導線54を巻きつけたものであり、コア53の軸方向を収納凹部51の長手方向に一致させた状態で収納凹部51内に収納されている。チョークコイル52a,52bにおける導線54の一端側は、一対のターミナル55にそれぞれ各別に接続されている。
ターミナル55は、例えば銅等の金属板にプレス加工を施すことで形成されたものであり、底壁32において導線54の一端側に対応する位置に形成されたターミナル取付部56内に取り付けられている。ターミナル55は、ホルダ本体31の底壁32を軸方向に貫通しており、ブラシホルダユニット6の外側で、外部電源から引き回されたハーネス(不図示)等に接続され、外部電源と電気的に接続される。
【0030】
また、
図2,3に示すように、底壁32において、チョークコイル52a,52bの導線54の他端側に対応する位置には、軸方向に沿って貫通する貫通孔58が形成され、これら貫通孔58を通して導線54の他端側が底壁32における軸方向の一端側に引き出されている。
そして、チョークコイル52a,52bのうち、一方のチョークコイル52aにおける導線54の他端側には、上述した各ピグテール45a,45bのうち一方のピグテール45aの他端が接続されている。
【0031】
ここで、チョークコイル52a,52bのうち、他方のチョークコイル52bにおける導線54の他端側には、熱保護素子であるPTCサーミスタ61(以下、サーミスタという)が接続されている。
【0032】
図4は、サーミスタ、及び抵抗体の斜視図である。
図2,4に示すように、サーミスタ61は、温度が上昇するにつれて電気抵抗が増大する素子であり、2枚の電極板63,65と、2枚の電極板63,65の間に配置され、温度が上昇するにつれて電気抵抗が増大する抵抗層64と、により構成されている。
電極板63,65は、鉄や銅等の導電性材料からなる平板であり、平面視L字形状に形成されている。具体的に、電極板63,65は、長方形状の本体部63a,65aと、本体部63a,65aの長手方向(
図4における左右方向)の端部から、短手方向(
図4における上下方向)の一方側に突出する接続部63b,65bと、により形成されている。
抵抗層64は、雲母板やセラミック系材料、樹脂とカーボンの混合材料等の絶縁材料からなる平板状の部材である。
【0033】
サーミスタ61は、長手方向両端において、短手方向の一方側に接続部63b,65bが突出するように、2枚の電極板63,65を表裏反転させて配置し、さらに2枚の電極板63,65の本体部63a,65aで抵抗層64を挟み込むことにより形成されている。これにより、サーミスタ61は、長手方向両端から、それぞれ一対の接続部63b,65bが短手方向の一方側に向けて延出して、全体として平面視でU字形状に形成されている。
【0034】
そして、本実施形態のサーミスタ61には、サーミスタ61を加熱するための抵抗体(加熱手段)66が電気的に直列に接続されている。抵抗体66は、例えばニッケルクロム合金からなる長方形状の板材が、面方向に沿って蛇行して形成されたものである。具体的に、抵抗体66は、蛇行部(本体部)66aと、蛇行部66aの両端からそれぞれ引き出された接続部66b,66cと、を有している。
【0035】
蛇行部66aは、外形が上述した電極板63,65の本体部63a,65aと同等に形成され、長手方向の端部で折り返されながら、短手方向に沿って延在している。そして、この蛇行部66aが、2枚の電極板63,65のうち、一方の電極板63の本体部63aに近接して配置されている。
接続部66bは、上述した電極板63,65の接続部63b,65bと同等の形状に形成され、蛇行部66aの一端側(
図4における上端部側)から短手方向の一方側に向けて突出している。そして、この接続部66bと電極板63の接続部63bとが電気的に接続されている。したがって、抵抗体66は、蛇行部66a、及び接続部66bが電極板63の本体部63a、及び接続部63bを覆うように配置されている。この場合、抵抗体66は電極板63の面積の半分以上を覆っていることが好ましい。
また、抵抗体66の蛇行部66aの表面とサーミスタ61との間は絶縁されていることが好ましい。これは、蛇行部66aがサーミスタ61と導通すると、抵抗体66はサーミスタ61を加熱するための所定の抵抗値を得られなくなることを防ぐためである。
【0036】
また、接続部66cは、蛇行部66aの他端側(
図4における下端部側)から長手方向に沿って引き出された後、短手方向の一方側に向けて延在しており、厚さ方向から見てサーミスタ61と重なり合わない位置に配置されている。なお、各接続部66b、66cの端縁は、同じ高さに配置されている。また、接続部66cの幅は、蛇行部66aの幅以上に形成されていることが好ましい。これにより、上述したピグテール45bの接続面積を確保して、組み付け性を向上できるとともに、接続部66cの抵抗値を抑制できるので、抵抗体66で発生した熱がアーマチュア5側まで伝達するのを抑制できる。
【0037】
このように形成されたサーミスタ61、及び抵抗体66は、ホルダ本体31に形成された取付部62に差込固定されている。この取付部62は、底壁32における一対の平坦辺32a,32aのうちの一方の平坦辺32a寄りの位置に形成され、上述した周壁33とともに軸方向から見て矩形枠状に形成されている。そして、サーミスタ61、及び抵抗体66は、各接続部63b,65b,66b,66cを軸方向の一端側に向けた状態で、軸方向の一端側から取付部62内に差し込まれている。
【0038】
この場合、サーミスタ61は、電極板63,65のうち、電極板65が径方向の内側、つまりブラシ42側を向いた状態で配置され、電極板63が径方向の外側、つまりブラシ42とは反対側を向いた状態で配置されている。したがって、電極板63に貼り付けられた抵抗体66は、サーミスタ61を基準にしてブラシ42とは反対側に配置されている。
そして、抵抗体66の接続部66cは、取付部62の外側に引き出されており、ここに上述した各ピグテール45bのうち他方のピグテール45bの他端が接続されている。
【0039】
このような構成のもと、外部電源から引き回されるハーネスを介してブラシ42に電力が供給されると、ブラシ42がコンミテータ22に摺接することによって、外部電源からの電力がコンミテータ22に供給されるようになっている。これによって巻線23に電流が供給され、アーマチュアコア21に磁界が発生する。この磁界と、マグネット12との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって、アーマチュア5が回転する。
【0040】
この際、外部電源とブラシ42とが、チョークコイル52a,52bを介して接続されているため、アーマチュア5の回転時におけるブラシ42とコンミテータ22のセグメントとの接触、離間によって発生する高周波ノイズを抑制できる。
また、アーマチュア5の回転時に巻線23に電流が流れると、巻線23が発熱するとともに、ブラシ42と外部電源との間に接続されたサーミスタ61も発熱する。サーミスタ61が発熱すると、電気抵抗が増大してブラシ42に流れる電流が除々に減少する。そして、サーミスタ61の温度がある値(OFF温度)まで過熱されると、抵抗値が急激に増加して、巻線23への電流の供給が制限されてOFF状態となる。したがって、電動モータ1の焼損が抑制される。
【0041】
ここで、本実施形態では、サーミスタ61に抵抗体66が電気的に直列に接続されている構成とした。
この構成によれば、外部電源から巻線23に電力が供給されると、抵抗体66にも電流が流れて抵抗体66の温度が上昇することで、サーミスタ61を加熱することができる。これにより、サーミスタ61のトリップタイムを短縮することができ、サーミスタ61を速やかにOFF状態とすることができる。この場合、特にサーミスタ61のOFF温度と、電動モータ1を駆動する雰囲気温度との温度差が大きい低温域においても、電動モータ1の焼損を確実に抑制できる。
しかも、本実施形態の抵抗体66は、蛇行部66aを有しているため、単に平板状の抵抗体を用いる場合に比べて抵抗体66の抵抗値を増加できる。これにより、サーミスタ61をより効率的に加熱することができる。
【0042】
また、本実施形態の抵抗体66は、サーミスタ61を間に挟んで(サーミスタ61を基準にして)ブラシ42とは反対側に配置されているため、抵抗体66で発生した熱がブラシ42に伝わるのを抑制できる。これにより、抵抗体66で発生した熱からブラシ42を保護することが可能になり、抵抗体66の追加に伴うブラシ42への影響を抑えることができる。
さらに、本実施形態の抵抗体66は、電極板63の面積の半分以上を覆っているため、サーミスタ61を効率的に加熱することができる。
【0043】
ところで、サーミスタ61のトリップタイムを短縮するためには、サーミスタ61自体の抵抗値を高くすることも考えられるが、この場合には所望のトリップタイムを確保するためのサーミスタ61の最適な抵抗値を選定することが難しい。
これに対して、本実施形態では、サーミスタ61に抵抗体66を電気的に直列に接続するだけで、低温域におけるトリップタイムの短縮を比較的簡単に実現することができる。これにより、製造効率の低下を抑制した上で、低温域での電動モータ1の焼損を確実に抑制できる。
【0044】
ここで
図5は、低温域において、本実施形態のようにサーミスタ61に抵抗体66を接続した場合(以下、実施例という)と、従来のようにサーミスタ61に抵抗体66を接続していない場合(以下、比較例という)と、でサーミスタ61のトリップタイムの比較したグラフである。なお、
図5では、横軸に時間t(s)を示し、縦軸に温度T(℃)、及び電流I(A)を示している。また、
図5における温度Toはサーミスタ61のOFF温度を示し、温度Thは電動モータ1の焼損温度を示している。
【0045】
図5に示すように、実施例、及び比較例ともに、サーミスタ61の温度上昇に伴い、サーミスタ61の抵抗値が増加してサーミスタ61に流れる電流は減少傾向にあることがわかる。
しかしながら、比較例の場合には、サーミスタ61の温度上昇が実施例に比べて遅く、OFF温度に到達するまでのトリップタイムに、時間t2を要していることが確認できる。この場合には、サーミスタ61がOFF温度に到達するまで電動モータ1には電流が流れ続けるため、電動モータ1の焼損に繋がる虞がある。
【0046】
これに対して、実施例においては、抵抗体66によりサーミスタ61が加熱されるため、サーミスタ61の温度上昇が非常に早く、OFF温度に到達するまでのトリップタイムが比較例に比べて短くなっていることが確認できる(
図5中時間t1)。そして、時間t1においてサーミスタ61がOFF温度に到達すると、サーミスタ61に流れる電流が急激に低下することで、これに伴い電動モータ1の温度が除々に低下していることが確認できる。このように、実施例においては、電動モータ1が焼損温度Thに到達する前にサーミスタ61をOFF状態にすることができるので、電動モータ1の焼損を確実に抑制できる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図6は第2実施形態に係る抵抗体を説明するための図であって、
図2のA部に相当する平面図である。
図7は第2実施形態に係るサーミスタ及び抵抗体の斜視図である。上述した実施形態では、抵抗体66の蛇行部66aとサーミスタ61とが絶縁された上で、重ね合わされている構成について説明したが、本実施形態では蛇行部166aとサーミスタ61とが離間して配置されている点で上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図6,7に示すように、本実施形態の抵抗体166は、上述した第1実施形態と同様に、蛇行部(本体部)166aと、蛇行部166aの両端からそれぞれ引き出された接続部66b,66cと、を有し、サーミスタ61とともに取付部62内に差込固定されている。
【0048】
蛇行部166aは、面方向に沿って蛇行して形成されるとともに、電極板63に対して厚さ方向に間隔Sをあけた状態で、電極板63の面方向に沿って平行に配置されている。
また、接続部66bと蛇行部166aとの間には、厚さ方向のうち蛇行部166aを電極板63に対して離間させる方向に向けて屈曲されたクランク部166dが、接続部66bと蛇行部166aに一体的に形成されている。
さらに、蛇行部166aと電極板63との間には、絶縁材料からなるスペーサ101が配設され、両者間の間隔Sが保持されている。なお、スペーサ101は、ホルダ本体31と一体的に形成されていても、ホルダ本体31と別体で形成されていても構わない。また、図示の例では、取付部62内において周壁部33と蛇行部166aとの間にも、スペーサ102が配設されている。
【0049】
この構成によれば、上述した第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、サーミスタ61が抵抗体166により間隔Sを介して間接的に加熱されることになる。そのため、蛇行部166aとサーミスタ61(電極板63)とを重ね合わせてサーミスタ61を直接的に加熱する構成に比べて、サーミスタ61への熱の移動が緩やかになり、トリップタイムが延長される。これにより、高温域でのトリップタイムが短くなり過ぎるのを抑制して、各温度域でのトリップタイムのバランスを向上させることができる。
なお、本実施形態の抵抗体166を用いた場合では、単に抵抗体166よりも抵抗値の低い抵抗体を用いて、サーミスタ61を直接的に加熱する場合(間隔Sがない場合)に比べて、高温域でのトリップタイムを延長することができた。また、抵抗体166の抵抗値を上述した第1実施形態の抵抗体66と同等に設定した状態で、サーミスタ61の抵抗値を増加させる等し、サーミスタ61自体の発熱量を増加させることで、低温域でのトリップタイムをより短縮させた上で、高温域でのトリップタイムを延長することができた。
【0050】
また、本実施形態では、接続部66bと蛇行部166aとの間に配設されたクランク部166dを介して蛇行部166aと電極板63とを離間させることで、蛇行部166aと電極板63との間隔Sを面方向全体で均一に維持できるため、抵抗体166によりサーミスタ61の面向全体を均一に加熱できる。
さらに、蛇行部166aと電極板63との間にスペーサ101を挟んでいるため、蛇行部166aと電極板63との間の間隔Sを維持できる。そのため、抵抗体166によりサーミスタ61を常に均一に加熱できる。
【0051】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態の電動モータ1は、上述した車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート及びワイパ装置の駆動用に限らず、例えば車両の電動パワーステアリングや車両以外の電装品など、さまざまな装置に適用することが可能である。
また、電動モータ1の連結先はウォームギヤからなる減速機構や、アクチュエータ機構、他の外部機器に連結することが可能である。
また、上述した実施形態では、ブラシ42を一対設けた場合について説明したが、これに限らず、一対以上の複数設けても構わない。
【0052】
また、上述した実施形態では、蛇行部66aを有する抵抗体66を用いる構成について説明したが、これに限らず、種々の形状を適用することが可能である。
この場合、抵抗体66は板材に限らず、ニッケルクロム合金からなる線材等を用いても構わない。また、抵抗体66に用いる材料は、ニッケルクロム合金に限られない。
さらに、サーミスタ61に抵抗体66を直接貼り付けても構わない。また、モールド等によりホルダ本体31側に抵抗体66を取り付け、この抵抗体66とサーミスタ61を電気的に直列接続しても構わない。
また、サーミスタ61、及び抵抗体66をまとめて断熱材により被覆しても構わない。これにより、トリップタイムを更に短縮することができる。
【0053】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。