特許第5936911号(P5936911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936911
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】プラント監視装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   G05B23/02 V
   G05B23/02 301T
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-112136(P2012-112136)
(22)【出願日】2012年5月16日
(65)【公開番号】特開2013-239057(P2013-239057A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 里美
(72)【発明者】
【氏名】照山 明弘
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雄一
【審査官】 谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−224120(JP,A)
【文献】 特開2008−234025(JP,A)
【文献】 特開2010−112584(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/016610(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの監視を行うプラント監視装置であって、
表示装置と、
プラントの監視または制御に関する画面を選択するための画面選択装置と、
前記画面選択装置により選択された画面の表示データを生成し、前記表示装置に表示させる制御装置とを備え、
前記画面選択装置は、画面を選択するための第1機能を提供する第1押釦群と、画面を選択するための第2機能を提供する第2押釦群と、前記第1押釦群の機能を前記第1機能から第3機能に切り替え、かつ、前記第2押釦群の機能を前記第2機能から第4機能に切り替えるための機能切替押釦とを含んでおり、
前記制御装置は、
前記機能切替押釦が操作されて前記機能の切替が指示されたか否か判定し、
前記機能の切替が指示されていない場合、前記第1機能を提供する前記第1押釦群の中から選択される所定の第1押釦と、前記第2機能を提供する前記第2押釦群の中から選択される所定の第2押釦とに基づいて所定の画面を選択し、該所定の画面を表示するための所定の表示データを生成して前記表示装置に送信することで、前記所定の画面を前記表示装置に表示させ、
前記機能の切替が指示された場合、前記第3機能を提供する前記第1押釦群の中から選択される他の所定の第1押釦と、前記第4機能を提供する前記第2押釦群の中から選択される他の所定の第2押釦とに基づいて他の所定の画面を選択し、該他の所定の画面を表示するための他の所定の表示データを生成して前記表示装置に送信することで、前記他の所定の画面を前記表示装置に表示させる、
プラント監視装置。
【請求項2】
前記第1機能は、前記第1押釦群に、複数の画面メニューを割り当てる機能であり、
前記第2機能は、前記第2押釦群に、前記複数の画面メニュー毎に予め設定される複数の画面を割り当てる機能であり、
前記第3機能は、前記第1押釦群に、複数の時間周期を割り当てる機能であり、
前記第4機能は、前記第2押釦群に、前記プラントに関する監視パラメータの組合せから構成される複数のグループを割り当てる機能である、
請求項1に記載のプラント監視装置。
【請求項3】
前記他の所定の画面は、前記複数の時間周期のうち前記他の所定の第1押釦により選択される時間周期で、前記複数のグループのうち前記他の所定の第2押釦により選択されるグループに含まれる監視パラメータの組合せの時間変化を表示する画面である、
請求項2に記載のプラント監視装置。
【請求項4】
前記第4機能を提供する前記第2押釦群は、グループを指定するためのグループ番号の桁数に応じた複数のサブグループに分けられており、前記複数のサブグループから選択される第2押釦の組合せによって、前記複数のグループの中から所望のグループを選択するためのグループ番号が決定される、
請求項3に記載のプラント監視装置。
【請求項5】
前記第1押釦群および前記第2押釦群は、複数の押釦スイッチから構成される、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプラント監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、発電所、上下水処理場、製鉄所、石油化学プラントなどの各種プラントでは、プラント監視装置を設けて、監視対象のパラメータ(例えば、温度、圧力、電圧、電流など)を監視する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−27903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラントの適切な監視に必要なパラメータの組合せは、プラントの種類および状況等によって変化する。従って、できるだけ多くのパラメータの組合せについて監視できることが好ましいが、従来のプラント監視装置は、画面選択構造の柔軟性に欠けており、監視可能なパラメータの組合せの数も十分用意されていないことがある。
【0005】
本発明は、上記の課題に着目してなされたもので、その目的は、画面選択の柔軟性を実現することができ、より多くの監視パラメータの組合せの時間変化をより簡単な操作で表示することができるようにしたプラント監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に従うプラント監視装置は、表示装置と、プラントの監視または制御に関する画面を選択するための画面選択装置と、画面選択装置により選択された画面の表示データを生成し、表示装置に表示させる制御装置とを備え、画面選択装置は、画面を選択するための第1機能を提供する第1押釦群と、画面を選択するための第2機能を提供する第2押釦群と、第1押釦群の機能を第1機能から第3機能に切り替え、かつ、第2押釦群の機能を第2機能から第4機能に切り替えるための機能切替押釦とを含んでおり、制御装置は、機能切替押釦が操作されて機能の切替が指示されたか否か判定し、機能の切替が指示されていない場合、第1機能を提供する第1押釦群の中から選択される所定の第1押釦と、第2機能を提供する第2押釦群の中から選択される所定の第2押釦とに基づいて所定の画面を選択し、該所定の画面を表示するための所定の表示データを生成して表示装置に送信することで、所定の画面を表示装置に表示させ、機能の切替が指示された場合、第3機能を提供する第1押釦群の中から選択される他の所定の第1押釦と、第4機能を提供する第2押釦群の中から選択される他の所定の第2押釦とに基づいて他の所定の画面を選択し、該他の所定の画面を表示するための他の所定の表示データを生成して表示装置に送信することで、他の所定の画面を表示装置に表示させる。
【0007】
第1機能は、第1押釦群に、複数の画面メニューを割り当てる機能であってもよく、第2機能は、第2押釦群に、複数の画面メニュー毎に予め設定される複数の画面を割り当てる機能であってもよく、第3機能は、第1押釦群に、複数の時間周期を割り当てる機能であってもよく、第4機能は、第2押釦群に、プラントに関する監視パラメータの組合せから構成される複数のグループを割り当てる機能であってもよい。
【0008】
他の所定の画面は、複数の時間周期のうち他の所定の第1押釦により選択される時間周期で、複数のグループのうち他の所定の第2押釦により選択されるグループに含まれる監視パラメータの組合せの時間変化を表示する画面として構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画面選択方法を示す説明図である。
図2】プラントを監視するための監視盤の側面図である。
図3】プラント監視装置のシステム構成図である。
図4】サーバの機能構成図である。
図5】押釦の割り付けを案内するためのガイド画面の例である。
図6】画面選択処理を示すフローチャートである。
図7】第2実施例に係り、押釦の役割を示す説明図である。
図8】比較例による画面選択方法を示す説明図である。
図9】比較例による画面選択処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、後述のように、画面選択装置に含まれる第1釦群および第2釦群の機能を切り替えるための機能切替ボタンを設ける。機能切替釦により機能を切り替えた場合は、複数の時間周期のうち所望の時間周期を第1釦により選択し、かつ、複数のグループのうち所望の監視パラメータの組合せを第2釦により選択する。
【0011】
これにより、本実施形態によれば、所望のグループを所望の時間周期で監視するための画面を容易に選択することができ、監視作業の作業性および使い勝手が向上する。
【0012】
実施例を説明する前に、図8および図8を参照して比較例の構成を説明する。図8の上側には、ユーザが任意で指定するトレンド画面のパラメータグループG11,G12,...が示されている。パラメータグループは、例えば、電圧、電流、周波数、温度等のプラント監視装置の監視パラメータを一つまたは複数有する。ユーザは、クライアント端末40を用いて、パラメータグループを事前に登録することができ、また、登録済みのパラメータグループを修正することができる。
【0013】
パラメータグループは、異なる時間周期(時間軸T1,T2等)毎に作成される。監視対象のパラメータの組合せが同一であっても、時間軸が異なれば、違うパラメータグループとなる。時間軸ごとにそれぞれ一定数のパラメータグループを登録可能である。
【0014】
画面選択装置14Pは、複数の押釦群140P,141Pを備える。各押釦群140P,141Pはそれぞれ複数ずつの押釦スイッチから構成される。押釦スイッチは、ユーザにより手動操作されるハードスイッチであり、画面上の操作で作動するソフトスイッチとは異なる。
【0015】
一方の押釦群140Pは、画面の種別を選択するための押釦群である。他方の押釦群141Pは、画面番号を選択するための押釦群である。ユーザ任意指定トレンド画面の各時間軸毎に、画面種別を選択するための押釦と画面番号を選択するための押釦との組み合わせが予め定められている。ユーザが画面種別選択用の押釦と画面番号選択用の押釦とを操作することで、その組合せに対応する時間軸に固定的に指定してあるグループ(例えば先頭など)のパラメータグループがトレンドが表示される。トレンド表示とは、パラメータグループに含まれる各監視パラメータの、所定の時間軸に基づく時間変化を表示することを意味する。
【0016】
図8の例では、ユーザは、画面種別選択用押釦群140Pの中から画面種別「#3」を押して、さらに、画面番号選択用押釦群141Pの中から「05」を押した場合、プラント監視装置の表示装置12には、プラント構成図などが表示される。ユーザが画面番号「06」の押釦を押すと、例えばパラメータグループG11の時間変化を示す画面が表示装置12に表示される。同様に、ユーザが画面番号「07」の押釦を押すと、別のパラメータグループG21の時間変化を示す画面が表示装置12に表示される。
【0017】
このように、ユーザは、プラント監視装置に組み込まれた表示装置12に画面を表示する場合、監視盤に設けられた表示画面選択専用のハードスイッチ140P,141Pを選択する。
【0018】
ここで、図2を参照して監視盤の構成を説明する。監視盤10は、監視卓本体11と、監視卓本体11の後部側に設けられる表示装置12と、表示装置12の前方に位置して監視卓本体11の上面に設けられる制御機器操作スイッチ13および画面選択装置14とを備える。実施例における画面選択装置14と比較例における画面選択装置14Pとは、その内容が異なるが、監視盤10における配置関係は同一であるため、図2の構成を用いて説明する。
【0019】
図2に示すように、表示装置12の手前に位置する限られた空間には、制御機器を操作するための各種操作スイッチ13と、複数の押釦群からなる画面選択装置14Pとが配置されている。このような物理的制限のために、画面を選択するための専用ハードスイッチを大幅に拡張したり、ポインティングデバイスおよびキーボードなどの入力装置を机上に設置することが難しい。さらに、ユーザから表示装置12までの距離も離れているため、表示装置12をタッチパネルとして構成したとしても、ユーザが表示装置12の画面に触れて操作するのは難しい。
【0020】
このような物理的制約上、画面選択装置14Pでは、監視画面の番号を押釦(ハードスイッチ)に割り付けており、ユーザは、その番号に対応する押釦を選択することで、所望の画面を表示装置12に表示させる。
【0021】
図9は、画面を選択する方法を示す。プラント監視装置は、押釦群140Pからの押釦入力に基づいて画面種別を決定し(S11)、さらに,別の押釦群141Pからの押釦入力に基づいて画面番号を決定する(S12)。プラント監視装置は、画面表示データを編集し(S13)、その画面表示データを表示装置12に送信して画面表示を要求する(S14)。
【0022】
プラント監視上、トレンド表示によるパラメータの監視は重要であり、一般的に、予め目的に合ったパラメータの組み合わせを固定でトレンド表示するための画面も数種類用意されている。ユーザは、プラントの状態に応じてどの画面を表示するかを決定する。
【0023】
その他に、よりきめ細かい状況に合わせて様々なパラメータをトレンド監視したいという要求もある。そのため図8に示すように、ユーザが任意に監視パラメータをグルーピングして指定することができるというトレンド表示画面を用意している。このトレンド表示画面では、ユーザが指定した監視パラメータのうち予め指定したグループ(先頭グループなど)が固定で表示される。それ以外の他のパラメータグループについては、ユーザのデスクに設置された専用クライアント端末40でのみ監視することができる。また、監視パラメータグループの指定も、クライアント端末40から実施する。
【0024】
プラント監視上、監視盤10に組み込まれた表示装置12における、ユーザが任意に指定するトレンド表示による監視は、重要である。クライアント端末40にも表示機能はあるが、監視盤10には制御機器操作スイッチ13なども設けられており、即座に対応できるため、表示装置12が監視の中心となる。その一方、監視すべきパラメータは、プラントの状況によって変化するが、図8に示す画面選択方式において、プラントの状況により監視パラメータを変化させるには、その都度専用クライアント端末40で指定し直す必要があり、即座に対応することが難しく、使い勝手が低い。
【0025】
そこで、本実施形態では、以下に述べるように、ユーザが任意に指定するトレンド表示画面を容易かつ速やかに選択することができ、プラントの状況に即応して監視することができ、使い勝手が向上するプラント監視装置を提供する。
【実施例1】
【0026】
図1図6を参照して本発明の第1実施例を説明する。図1は、本実施例によるユーザが任意で指定するトレンド表示画面を選択するための方法を示す。
【0027】
画面選択装置14は、第1押釦群140と、第2押釦群141とを備える。第1押釦群140の中には、通常モードからトレンド表示モードに移行させるための押釦1400が設けられている。モード移行釦1400は、例えば、第1押釦群140を構成する複数の押釦のうち未使用の押釦を利用して設けることができる。第2押釦群141内の未使用の押釦をモード移行釦1400として使用する構成でもよい。制御機器操作スイッチ13のうち未使用のスイッチをモード移行釦1400として使用する構成でもよい。
【0028】
通常モードでは、図8図9で述べたように、第1押釦群140は画面種別を選択するための画面種別選択機能(第1機能)を提供し、第2押釦群141は画面番号を選択するための画面番号選択機能(第2機能)を提供する。
【0029】
ユーザがモード移行釦1400を押すと、第1押釦群140は、画面種別選択機能に代えて、時間軸を選択するための時間軸選択機能(第3機能)を提供する。同様に、第2押釦群141は、画面番号選択機能に代えて、グループ番号を選択するためのグループ番号選択機能(第4機能)を提供する。
【0030】
トレンド表示モードに移行した状態で、ユーザは、第1押釦群140の中から、所望の時間軸に対応する押釦を選択する。さらに、ユーザは、第2押釦群141の中から、所望の監視パラメータグループに対応する押釦を選択する。これにより、プラント監視装置1は、指定されたパラメータグループに関するデータを、指定された時間軸で、表示装置12に表示する。
【0031】
従って、本実施例では、時間軸を選択するための押釦数N1とグループ番号を選択するための押釦数N2との積の値(=N1×N2)だけ、表示するパラメータグループを監視盤10上で直ちに選択することができる。
【0032】
図3は、プラント監視装置1のシステム構成を示す。プラント監視装置1は、例えば、監視盤10と、プロセス入出力装置20と、サーバ30と、クライアント端末40とを備える。
【0033】
監視盤10は、ユーザにより操作され、かつ監視されるもので、監視卓本体11と、監視卓本体11の奥側に配置された表示装置12と、表示装置12の手前に位置して監視卓本体11の上面に配置された制御機器操作スイッチ13および画面選択装置14とを備えている。
【0034】
プロセス入出力装置20は、通信線51を介して監視盤10と接続されており、他の通信線52を介してサーバ30と接続されている。プロセス入出力装置20は、監視盤10と画面選択装置14等との間の入出力を橋渡しする。
【0035】
サーバ30は、監視対象の画面データを生成等するための装置である。サーバ30の詳細は、図4で後述する。サーバ30は、画面データを通信線53を介して表示装置12に出力し、表示させる。
【0036】
さらに、サーバ30には、設定変更等を行うためのクライアント端末40が接続されている。クライアント端末40は、例えばディスプレイ装置のような情報出力装置41と、ポインティングデバイス(例えばマウスまたはタブレット等)およびキーボードのような情報入力装置42とを備える。
【0037】
図4を参照してサーバ30の構成例を説明する。サーバ30は、マイクロプロセッサとメモリおよび通信インターフェース回路などを備えたコンピュータシステムである。マイクロプロセッサがメモリに記憶された所定のコンピュータプログラムを実行することで、以下の機能が実現される。画面選択装置14への押釦操作に対応する信号は、プロセス入出力装置20を介してサーバ30に入力される。
【0038】
釦対応表示画面管理情報32は、通常モードにおける画面選択装置14の押釦の組合せと表示すべき画面との対応関係とを管理する情報である。釦対応トレンド管理情報36は、トレンド表示モードにおける画面選択装置14の押釦の組合せと表示すべきトレンド表示画面との対応関係を管理する情報である。
【0039】
表示画面決定処理31は、画面選択装置14への押釦操作に基づいて、釦対応表示画面管理情報32または釦対応トレンド管理情報36を参照することで、表示すべき画面を決定する。
【0040】
表示画面決定処理31は、プロセス入出力装置20を介して、操作された押釦に組み込まれているランプを点灯させる。つまり、例えば、第1押釦群140および第2押釦群141は、LEDランプなどを内蔵した照光式押釦スイッチとして構成されている。誤操作を防止するためのスイッチカバーを備えても良い。
【0041】
表示画面決定処理31により表示すべき画面が決定されると、表示データ編集処理33またはトレンドデータ編集処理34のいずれかが画面表示データを編集して、表示装置12に送信し、表示させる。
【0042】
表示データ編集処理33は、監視対象の測定データを格納するデータベース35などを用いて、決定された表示画面を作成するための画面表示データを編集し、その画面表示データを監視盤10の表示装置12に送信する。
【0043】
トレンドデータ編集処理34も、データベース35などを用いて、決定されたパラメータグループのトレンドデータを編集して、表示装置12に送信し、表示させる。
【0044】
図5は、画面選択装置14の機能割り付けをユーザに案内するための割り付けガイド画面G1の例である。
【0045】
ユーザがモード移行釦1400を押すと、モード移行釦1400のランプが点灯し、さらに、サーバ30から表示装置12に割り付けガイド画面G1の画面表示データが送信されて表示される。
【0046】
割り付けガイド画面G1では、図中左側に示す第1釦群140と、図中右側に示す第2釦群141のそれぞれの押釦について、その役割(機能)が表示される。第1押釦群140を構成する押釦には、例えば、20分、60分、120分、240分などの時間軸を選択するための機能が割り当てられる。なお、同一値の時間軸を複数の押釦に割り当ててもよい。
【0047】
第2押釦群141は、登録済みのグループの一覧を表示するための一覧ボタン「00」と、登録済みのパラメータグループをそれぞれ個別に指定するためのグループ番号選択釦「01」〜「15」を有する。
【0048】
ユーザは、図5に示す割り付けガイド画面G1を参考にして、所望の画面を選択し、表示装置12に表示させる。
【0049】
図6は、本実施例による画面選択処理を示すフローチャートである。本処理はサーバ30により実行される。
【0050】
サーバ30は、プロセス入出力装置20を介して、画面選択装置14による入力信号を取得し、モード移行釦1400が選択されたか否か、つまりトレンド表示モードに移行したか判定する(S10)。
【0051】
モード移行釦1400が選択されていない場合(S10:NO)、通常モードとなる。サーバ30の表示データ編集処理33は、画面選択装置14により選択される画面種別(S11)および画面番号(S12)に基づいて、画面表示データを編集し(S13)、表示装置12に送信して表示させる(S14)。
【0052】
モード移行釦1400が選択された場合(S10:YES)、通常モードからトレンド表示モードに移行する。サーバ30のトレンドデータ編集処理34は、画面選択装置14により選択される時間軸(S15)およびグループ番号(S16)に基づいて、画面表示データ(トレンドデータ)を編集し(S17)、その画面表示データを表示装置12に送信して表示させる。
【0053】
より詳しくは、サーバ30は、モード移行釦1400が選択されている場合、第1押釦群140からの入力信号を時間軸の選択信号として理解し、かつ、第2押釦群141からの入力信号をパラメータグループの番号として理解する。サーバ30は、釦対応トレンド管理情報36を参照して、トレンド表示するパラメータグループおよび表示の時間軸を決定する。
【0054】
このように構成される本実施例によれば、モード移行釦1400を設け、通常モードからトレンド表示モードに移行させて、画面選択装置14を構成する第1押釦群140および第2押釦群141に割り当てられる機能を変更する。本実施例では、トレンド表示モードに移行した場合、第1押釦群140の機能を時間軸選択に変更し、第2押釦群141をグループ選択に変更する。従って、ユーザは、登録された複数のパラメータグループの中から所望のパラメータグループを一つ選択し、そのパラメータグループについてのトレンドを所望の時間軸で表示させることができる。この結果、本実施例では、ユーザは、トレンド表示画面を容易に選択して表示させることができ、監視作業の効率および使い勝手が向上する。
【実施例2】
【0055】
図7は、第2実施例に係る画面選択方法を示す説明図である。第2押釦群141Aは、パラメータグループを指定するためのグループ番号の桁数に応じたサブグループに分けられている。図7の例では、「01」〜「09」の押釦がグループ番号の百の位に対応し、それに続く「10」〜「19」の押釦がグループ番号の十の位に対応し、それに続く「20」〜「29」の押釦がグループ番号の一の位に対応する。
【0056】
例えば、「01」釦が操作されるとグループ番号の百の位は1になり、「10」釦が操作されるとグループ番号の十の位は0になり、「22」釦が操作されるとグループ番号の一の位は2となる。従って、この場合、グループ番号が「102」のパラメータグループが選択されたことになる。
【0057】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、グループ番号の各位ごとに数値を指定するため、同じ釦数であっても第1実施例よりも多くのグループに対応できる。図7に示す例では、999個のパラメータグループに対応することができる。それら999個のパラメータグループは、第1押釦群140で指定される時間軸に従って表示される。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
1:プラント監視装置、10:監視盤、11:監視卓本体、12:表示装置、13:制御機器操作スイッチ、14:画面選択装置、30:サーバ、40:クライアント端末、140:第1押釦群、141:第2押釦群、1400:モード移行釦
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9