【実施例1】
【0026】
図1〜
図6を参照して本発明の第1実施例を説明する。
図1は、本実施例によるユーザが任意で指定するトレンド表示画面を選択するための方法を示す。
【0027】
画面選択装置14は、第1押釦群140と、第2押釦群141とを備える。第1押釦群140の中には、通常モードからトレンド表示モードに移行させるための押釦1400が設けられている。モード移行釦1400は、例えば、第1押釦群140を構成する複数の押釦のうち未使用の押釦を利用して設けることができる。第2押釦群141内の未使用の押釦をモード移行釦1400として使用する構成でもよい。制御機器操作スイッチ13のうち未使用のスイッチをモード移行釦1400として使用する構成でもよい。
【0028】
通常モードでは、
図8,
図9で述べたように、第1押釦群140は画面種別を選択するための画面種別選択機能(第1機能)を提供し、第2押釦群141は画面番号を選択するための画面番号選択機能(第2機能)を提供する。
【0029】
ユーザがモード移行釦1400を押すと、第1押釦群140は、画面種別選択機能に代えて、時間軸を選択するための時間軸選択機能(第3機能)を提供する。同様に、第2押釦群141は、画面番号選択機能に代えて、グループ番号を選択するためのグループ番号選択機能(第4機能)を提供する。
【0030】
トレンド表示モードに移行した状態で、ユーザは、第1押釦群140の中から、所望の時間軸に対応する押釦を選択する。さらに、ユーザは、第2押釦群141の中から、所望の監視パラメータグループに対応する押釦を選択する。これにより、プラント監視装置1は、指定されたパラメータグループに関するデータを、指定された時間軸で、表示装置12に表示する。
【0031】
従って、本実施例では、時間軸を選択するための押釦数N1とグループ番号を選択するための押釦数N2との積の値(=N1×N2)だけ、表示するパラメータグループを監視盤10上で直ちに選択することができる。
【0032】
図3は、プラント監視装置1のシステム構成を示す。プラント監視装置1は、例えば、監視盤10と、プロセス入出力装置20と、サーバ30と、クライアント端末40とを備える。
【0033】
監視盤10は、ユーザにより操作され、かつ監視されるもので、監視卓本体11と、監視卓本体11の奥側に配置された表示装置12と、表示装置12の手前に位置して監視卓本体11の上面に配置された制御機器操作スイッチ13および画面選択装置14とを備えている。
【0034】
プロセス入出力装置20は、通信線51を介して監視盤10と接続されており、他の通信線52を介してサーバ30と接続されている。プロセス入出力装置20は、監視盤10と画面選択装置14等との間の入出力を橋渡しする。
【0035】
サーバ30は、監視対象の画面データを生成等するための装置である。サーバ30の詳細は、
図4で後述する。サーバ30は、画面データを通信線53を介して表示装置12に出力し、表示させる。
【0036】
さらに、サーバ30には、設定変更等を行うためのクライアント端末40が接続されている。クライアント端末40は、例えばディスプレイ装置のような情報出力装置41と、ポインティングデバイス(例えばマウスまたはタブレット等)およびキーボードのような情報入力装置42とを備える。
【0037】
図4を参照してサーバ30の構成例を説明する。サーバ30は、マイクロプロセッサとメモリおよび通信インターフェース回路などを備えたコンピュータシステムである。マイクロプロセッサがメモリに記憶された所定のコンピュータプログラムを実行することで、以下の機能が実現される。画面選択装置14への押釦操作に対応する信号は、プロセス入出力装置20を介してサーバ30に入力される。
【0038】
釦対応表示画面管理情報32は、通常モードにおける画面選択装置14の押釦の組合せと表示すべき画面との対応関係とを管理する情報である。釦対応トレンド管理情報36は、トレンド表示モードにおける画面選択装置14の押釦の組合せと表示すべきトレンド表示画面との対応関係を管理する情報である。
【0039】
表示画面決定処理31は、画面選択装置14への押釦操作に基づいて、釦対応表示画面管理情報32または釦対応トレンド管理情報36を参照することで、表示すべき画面を決定する。
【0040】
表示画面決定処理31は、プロセス入出力装置20を介して、操作された押釦に組み込まれているランプを点灯させる。つまり、例えば、第1押釦群140および第2押釦群141は、LEDランプなどを内蔵した照光式押釦スイッチとして構成されている。誤操作を防止するためのスイッチカバーを備えても良い。
【0041】
表示画面決定処理31により表示すべき画面が決定されると、表示データ編集処理33またはトレンドデータ編集処理34のいずれかが画面表示データを編集して、表示装置12に送信し、表示させる。
【0042】
表示データ編集処理33は、監視対象の測定データを格納するデータベース35などを用いて、決定された表示画面を作成するための画面表示データを編集し、その画面表示データを監視盤10の表示装置12に送信する。
【0043】
トレンドデータ編集処理34も、データベース35などを用いて、決定されたパラメータグループのトレンドデータを編集して、表示装置12に送信し、表示させる。
【0044】
図5は、画面選択装置14の機能割り付けをユーザに案内するための割り付けガイド画面G1の例である。
【0045】
ユーザがモード移行釦1400を押すと、モード移行釦1400のランプが点灯し、さらに、サーバ30から表示装置12に割り付けガイド画面G1の画面表示データが送信されて表示される。
【0046】
割り付けガイド画面G1では、図中左側に示す第1釦群140と、図中右側に示す第2釦群141のそれぞれの押釦について、その役割(機能)が表示される。第1押釦群140を構成する押釦には、例えば、20分、60分、120分、240分などの時間軸を選択するための機能が割り当てられる。なお、同一値の時間軸を複数の押釦に割り当ててもよい。
【0047】
第2押釦群141は、登録済みのグループの一覧を表示するための一覧ボタン「00」と、登録済みのパラメータグループをそれぞれ個別に指定するためのグループ番号選択釦「01」〜「15」を有する。
【0048】
ユーザは、
図5に示す割り付けガイド画面G1を参考にして、所望の画面を選択し、表示装置12に表示させる。
【0049】
図6は、本実施例による画面選択処理を示すフローチャートである。本処理はサーバ30により実行される。
【0050】
サーバ30は、プロセス入出力装置20を介して、画面選択装置14による入力信号を取得し、モード移行釦1400が選択されたか否か、つまりトレンド表示モードに移行したか判定する(S10)。
【0051】
モード移行釦1400が選択されていない場合(S10:NO)、通常モードとなる。サーバ30の表示データ編集処理33は、画面選択装置14により選択される画面種別(S11)および画面番号(S12)に基づいて、画面表示データを編集し(S13)、表示装置12に送信して表示させる(S14)。
【0052】
モード移行釦1400が選択された場合(S10:YES)、通常モードからトレンド表示モードに移行する。サーバ30のトレンドデータ編集処理34は、画面選択装置14により選択される時間軸(S15)およびグループ番号(S16)に基づいて、画面表示データ(トレンドデータ)を編集し(S17)、その画面表示データを表示装置12に送信して表示させる。
【0053】
より詳しくは、サーバ30は、モード移行釦1400が選択されている場合、第1押釦群140からの入力信号を時間軸の選択信号として理解し、かつ、第2押釦群141からの入力信号をパラメータグループの番号として理解する。サーバ30は、釦対応トレンド管理情報36を参照して、トレンド表示するパラメータグループおよび表示の時間軸を決定する。
【0054】
このように構成される本実施例によれば、モード移行釦1400を設け、通常モードからトレンド表示モードに移行させて、画面選択装置14を構成する第1押釦群140および第2押釦群141に割り当てられる機能を変更する。本実施例では、トレンド表示モードに移行した場合、第1押釦群140の機能を時間軸選択に変更し、第2押釦群141をグループ選択に変更する。従って、ユーザは、登録された複数のパラメータグループの中から所望のパラメータグループを一つ選択し、そのパラメータグループについてのトレンドを所望の時間軸で表示させることができる。この結果、本実施例では、ユーザは、トレンド表示画面を容易に選択して表示させることができ、監視作業の効率および使い勝手が向上する。
【実施例2】
【0055】
図7は、第2実施例に係る画面選択方法を示す説明図である。第2押釦群141Aは、パラメータグループを指定するためのグループ番号の桁数に応じたサブグループに分けられている。
図7の例では、「01」〜「09」の押釦がグループ番号の百の位に対応し、それに続く「10」〜「19」の押釦がグループ番号の十の位に対応し、それに続く「20」〜「29」の押釦がグループ番号の一の位に対応する。
【0056】
例えば、「01」釦が操作されるとグループ番号の百の位は1になり、「10」釦が操作されるとグループ番号の十の位は0になり、「22」釦が操作されるとグループ番号の一の位は2となる。従って、この場合、グループ番号が「102」のパラメータグループが選択されたことになる。
【0057】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、グループ番号の各位ごとに数値を指定するため、同じ釦数であっても第1実施例よりも多くのグループに対応できる。
図7に示す例では、999個のパラメータグループに対応することができる。それら999個のパラメータグループは、第1押釦群140で指定される時間軸に従って表示される。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。