(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記視認部は、夫々が確認面として機能する複数の透明平袋を有し、各透明平袋の開口端は、互いに接着され離脱不能になっており、複数の透明平袋の全部または一部の他端は前記遮蔽部が捲られることによって引き出し可能であり、各透明平袋が前記確認面を形成することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の封筒。
【背景技術】
【0002】
一般に、通信販売などにおいては、注文主(受取側)と販売者(発送側)との間で、注文した品物(注文品)と受け取った品物(内容物)とが異なるということでトラブルが発生する場合が多々ある。この場合、通常は、受取側で封筒を開けて、内容物を取り出した時点で、内容物が注文品と異なることを認識する。
【0003】
しかしながら、封筒から内容物を取り出してしまうと、その時点で、その封筒に記載されている送り先(受取側),送り元(発送側)の情報と、内容物との関係(一体性)が断たれてしまう。このため、受取側である注文主が注文した品物と受け取った品物とが異なることを主張しても、販売者側からすれば、内容物は本当に自分がその注文主宛に送ったものかどうかの疑義が生じる。
【0004】
なお、送り先(受取側)や送り元(発送側)等の封筒記載情報は商品取引上の両者間を結び付ける情報であり、送り元(発送側)の情報は販売者と封筒との関係を結び付ける情報でもある。ここで問題となるのは、内容物の取り出しが可能な状態にまで開封した時点で封筒と内容物との関係(一体性)が断たれてしまうことにある。
【0005】
特に、このような封筒と内容物との一体性が断たれてしまうと、同様の内容物、たとえば期限付きのクーポン券などの場合は、本当にそのときに発送されたクーポン券なのか、過去に送られたクーポン券なのかの証明が難しい。原因は販売者側による封筒への内容物の入れ間違えのみならず、受取側が同じような商品を頻繁に購入するような場合、注文主の錯誤の可能性もあるため、両者納得のいく解決が難しい。そのうえで、封筒としての機能及び体裁を維持したままその内容物を配送することができ、かつ、受取後には内容物を取り出すことができないという意味での未開封(確認展開)状態で内容物の確認をすることができ、しかも、受取側と発送側との関係、並びに、発送側と封筒との関係、がそれぞれにそのまま一体化していないと、結果的に売り手と買い手との相互関係(売買契約関係)を証明することも困難となり、両者納得のいく解決が難しくなる。
【0006】
もちろん、封筒の一部または全部を透明にして内容物を外部から確認可能にすることも考えられるが、セキュリティや個人情報保護の観点から問題になる。
【0007】
セキュリティや個人情報保護については、たとえば特許文献1では、開封予定線を保護シートで保護することによってセキュリティを高め、開封作業を行いやすい貴重品封筒が提案されている。しかし、特許文献1の技術では、受取側で内容物の取り出しが可能な状態にまで開封をした時点で、封筒と内容物との一体性が断たれ、果たしてその内容物がその封筒で送られたものかどうかという確証がなくなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、封筒を用いた品物の販売等において、注文主(受取側)と販売者(発送側)との間で、注文した品物(注文品)と受け取った品物(内容物)とが一致していることを確認し得て、万が一に内容物が不一致であった場合でも、その後の交換や返品等の手続き等を円滑に行うためには、
(1)販売者(発送側)が品物を発送してから注文主(受取側)が受け取るまでは、セキュリティや個人情報保護を確保した状態で封筒としての機能・体裁が維持されていること、
(2)封筒と内容物との一体性が確保された状態で内容物の確認ができること、
(3)注文主(受取側)と販売者(発送側)との相互関係が立証可能な程度に維持されていること、
(4)販売者と封筒との相互関係が立証可能な程度に維持されていること、
が望ましい。
なお、この(3)と(4)とは、例えば、差出人と受取人とを特定する情報(住所・氏名(会社名)又は会員番号等の識別情報が封筒から分離していなければ、立証は可能と考えられる。
さらに、
(5)注文主(受取側)にとってみれば、内容物が注文した品物であることの必要最小限の確認事項(この項目だけ確認できていれば安心という程度)は何なのか、販売者(発送側)にとってみれば内容物が注文された品物であるか否かを注文主(受取側)に必要最小限で確認してほしい事項は何なのかを、例えば、チェック項目的に提示することができれば、より一層好ましい。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、封筒と内容物との一体性を維持したまま、受取側で内容物を確認することができ、しかも、封筒に記載されている送り先や送り元等の封筒記載情報と封筒との関係を維持したまま、受取側での内容物を確認することのできる封筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係わる封筒は、透明な確認面を通して、収納されている内容物を取り出すことなく内容物の全容を確認できる視認部と、前記確認面を蔽い、封筒表面を形成する遮蔽部と、を有する封筒であって、前記遮蔽部は、少なくとも一辺は前記視認部から分離不能である一方、他辺は前記視認部から分離可能であり、分離可能な部分が捲られることによって前記確認面が露出可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
ここで、透明とは、肉眼によって、内容物を確認できる程度の透明性があれば足り、いわゆる半透明や無色透明、有色透明を含む趣旨である。
【0013】
また、遮蔽部は封筒表面を形成するため、郵送先や差出人の住所等を記載することになるので、配送中は容易に捲れないようにして開封前の状態を維持できることが必要になる。その一方で、受取側で遮蔽部を容易に捲ることができるようにしておかなければならない。
【0014】
これを実現するためには、遮蔽部を視認部の確認面に擬似接着するという手法と、ミシン目によって遮蔽部を視認部から分離可能にしておくという手法が有効ある。ここで、擬似接着とは、一度剥がすと二度と接着できない性質の擬似接着樹脂層を介した接着方法を意味する。いずれの手法を採用するにしても、遮蔽部が視認部から分離できない辺を設けておくことが好ましい。
【0015】
また、視認部の確認面を覆う透明な材料としては透明シートを用いるのが良い。これにより、遮蔽部が封筒から完全に分離する構成ではないため、遮蔽部の表面に送り先や送り元等の封筒記載情報を記載(一部を含む)していたとしても、その封筒記載情報と封筒との関係が維持される。さらに、封筒から内容物が取り出せない状態で確認面から内容物を確認することができるため、封筒と内容物との一体性も維持することができる。
【0016】
なお、透明シートに代えて、透明平袋を用いることができる。透明平袋は透明シートを2枚合わせて平袋状にしたものであるので、夫々の平面を遮蔽部を捲ることによって形成される窓を覆うように封筒内側から貼着することによって、透明な確認面を実現することができる。
【0017】
また、本発明に係わる封筒の視認部は、夫々が確認面として機能する複数の透明平袋を有し、各透明平袋の開口端は、互いに接着され離脱不能になっており、複数の透明平袋の全部または一部の他端は前記遮蔽部が捲られることによって引き出し可能であり、各透明平袋が前記確認面を形成することを特徴とする。
【0018】
透明シートに代えて透明平袋を使用することにより、透明平袋自体で容易に内容物を取り出せない構造を実現することができる。このため、複数の透明平袋を封筒内に収納することによって複数の品物を郵送し、受取側は、各透明平袋の開口端を一体として封緘した状態で封筒から引き出すことにより、個々の内容物の確認をすることができる。なお、封筒が複数の透明平袋を内包する場合、透明平袋の一部だけを引き出し可能にして、視認できるようにしておき、残りの部分は封筒を開封しなければ、引き出せない構造にしても良い。
【0019】
ところで、受取人は郵送物に外見上の異常を発見すれば、その時点で受取を拒否できるが、外見は異常なく遮蔽部を捲ってはじめて確認面に異常があり、かつ品物が注文品と異なっていることを発見したような場合は問題となる。このため、送り主が遮蔽部に影響を与えずに確認面(すなわち透明シート,透明平袋)のみを切断できない構造になっているのが望ましい。
【0020】
上記の擬似接着によって、密着した構造を実現できるので、送り側において、封筒内側から確認面を切断したときに確認面の切断位置に対応する遮蔽部上の位置にも痕がついてしまい、内側から(すなわち封緘前に)切断されたことが容易に把握できる。一方、確認面のみが切断されておれば、受取側で内容物を入れ替えたとことが明らかになるので、取引の安全を担保することができる。
【0021】
したがって、最初から切断線によって遮蔽部と視認部を分離しておく場合のみならず、ミシン目によって分離可能にしておく場合にも、視認部の確認面と遮蔽部とを擬似接着しておくのが好ましい。
【0022】
また、遮蔽部に影響を与えずに確認面のみを切断することができない構造としては、透明平袋を封筒内側と略同一形状にしておいて、透明平袋と封筒内側の隙間を小さくしたり、伸縮性を有する透明平袋を使用したりすることも有効である。これにより、加工しようとすると不可逆的に形状が変化するので、悪意による加工を防止することができる。
【0023】
なお、遮蔽部における視認部から分離可能な辺に形成されるミシン目とは、断続又は連続したスリット状の何れであっても良いが、遮蔽部が封筒本体と一体である場合には、ミシン目を介して封筒内部と外部とが連通した状態となる。このため、例えば、雨天等によって水滴がミシン目から封筒内部に入り込んでしまうと、内容物が濡れてしまう。そこで、遮蔽部は、一辺及び他辺よりも外側で且つその全周に跨って連続して封筒内側に接着すれば、ミシン目から浸入した水滴により内容物を濡らしてしまうことを抑制することができる。なお、上述したように遮蔽部を確認面に擬似接着した場合にも、水滴が封筒内部に浸入することを効率良く抑制することができる。
【0024】
また、遮蔽部は、例えば、封筒の宛名書きをする面を封筒表面、反対側を封筒裏面とした場合、そのいずれか一面又は両面に設けることができる。
【0025】
ここで、内容物を封筒内部から取り出せる状態の開封(取出開封)とはせずに封筒と内容物との一体性を維持したままの開封(確認展開)で受取側が内容物の確認(すなわち内容物が注文品に相違ないか否かの確認)をする際には、例えば、内容物の種類に応じて、注文主(受取側)は内容物が注文した品物であるかが納得できる程度とするのが好ましい。同様に、販売者(発送側)においても、注文された品物を間違えなく発送したことを主張し得る程度とするのが好ましい。
【0026】
そこで、その双方が納得又は主張し得る程度に内容物を確認できる大きさに視認部を設定するのが好ましい。そして、その内容物を確認するための情報(例えば、内容物がコンサートチケットであれば、公演名、公演日時、座席番号、名義、枚数、等)を確認情報として遮蔽部の内面(封筒の内側になる面)に印刷等で設けることで、遮蔽部を捲くりあげた時には、内容物の確認を、その確認情報に基づいてチェックすることができる。また、その確認情報をチェック項目的にすれば、受取側と発送側の双方が内容物の納得及び主張をし易くすることができる。
【0027】
なお、例えば、内容物として2枚のコンサートチケットを同封した場合には、そのチケットの表面(確認事項が記載された面)をそれぞれ封筒両面側とし、遮蔽部を封筒両面に設けることで、2枚のコンサートチケットを確認展開状態で確認することができると同時に、その各内面に設けられた確認情報により、2枚を独立して確認することができる。また、チケットの表面と裏面の両面に確認事項が記載されている場合も、その両方の確認事項を視認することができる。
【0028】
ここで、例えば、内容物に記載の文字の上下方向を基準として、実際の確認状態のときに、内容物の上下方向と遮蔽部を捲り上げたときの確認に有用な情報の上下方向とが一致していれば、確認情報(チェック項目)と内容物の情報とを照合しやすく、効率的かつ容易に確認することができる。なお、遮蔽部の捲り上げる方向は、封筒の長手方向・小口方向の何れであっても良い。また、遮蔽部の表面側に送り先や送り元の一部(例えば、住所・名前・社名等)が記載されていても、その文字の上下方向と内容物の上下方向とが一致している必要は無いが、内容物に応じて一致させれば、より利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のごとく、本発明の封筒においては、遮蔽部と視認部を完全には分離できない構成にし、かつ遮蔽部を捲ることによって露出する確認面を通して内容物の視認ができるので、遮蔽部表面に記載された送り側、受取側の情報と内容物との一体性を維持しつつ、受取側で内容物が注文品と相違していないかを確認することができる。また遮蔽部によって内容物は遮蔽されるので配送時のセキュリティや個人情報を保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に本発明に係る封筒の実施の形態を図面に基づいて説明する。
以下、内容物としてチケットやクーポン券、封筒として紙製のいわゆる和封筒を例に実施の形態を説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の封筒における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0032】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による封筒の展開図である。
図1において、封筒1は、長方形の表紙部10を中心に、その周囲4辺には、裏紙部20、表紙部10を挟んで裏紙部20の反対側に側辺封止用舌片50、残る2辺のうち一辺(図中左側)には内容物90を出し入れするための開口側舌片30、その反対側(図中右側)には底辺封止用舌片40が一体形成されている。
【0033】
封筒1の表紙部10には、切断線14a,14b,14cによって幅広帯状の遮蔽部11が形成され、裏紙部20にも同様に切断線24a,24b,24cによって幅広帯状の遮蔽部21が形成されている。なお、
図1中、遮蔽部11と遮蔽部21を斜線部で示している。本実施の形態では、遮蔽部11と遮蔽部21は、3辺が封筒の側辺および底辺に平行に切断されており、開口側の他の一辺は切断されていない。
【0034】
表紙部10と裏紙部20の境界である折曲線29に対称に遮蔽部11と遮蔽部21が形成されており、封筒1の完成状態では遮蔽部21は、遮蔽部11と対向する位置になる。
【0035】
遮蔽部11は、
図3に示すように内容物90を表示するための表示窓(確認面)15を覆うものであり、表紙部10の両側辺に沿って、一対の平行な切断線14a,14cと、底辺に平行に切断線14a,14cの末端を繋ぐ切断線14bにより形成されている。
【0036】
また、遮蔽部21は、内容物90を表示窓15とは反対側から表示するための表示窓(確認面)25を覆うものであり、裏紙部20の両側辺に沿って、一対の平行な切断線24a,24cと、底辺に平行に切断線24a,24cの末端を繋ぐ切断線24bにより形成されている。
【0037】
本実施の形態では、両側辺と底辺の3辺に切断線を設け、上辺の開口側には、切断線を設けていない。これにより、切断線に沿って、遮蔽部11,21を捲っても、遮蔽部11,21が封筒本体(すなわち表紙部10と裏紙部20)から完全に分離することを防ぐことができる。
【0038】
なお、上記の効果を奏するためには、少なくとも一辺に、分離不能な箇所が存在すれば足り、開口側でなく、一方の側辺あるいは、底辺側に切断線が存在しない箇所を設けるようにしても良い。
【0039】
このような遮蔽部11,21は、封筒1の表紙部10,裏紙部20のほぼ全域に形成して、切断線を捲ることにより大きな表示窓15,25を形成できるようにする。なお、表示窓15、25を通して内容物90が確認できれば足りるので、遮蔽部11,21の大きさや形状は、内容物の大きさや形状によって任意に変えることができる。例えば、内容物の全容ではなく、主要部分のみを確認できれば足りる場合は、内容物の全容は表示されないが、その主要部分の全てが表示されるのに十分な大きさの表示窓を確保できればよい。なお、内容物90の両面を確認する必要がなく、片面のみを確認すれば足りるような場合は、表示窓は、表紙部10または裏紙20部の一方のみに設けるようにしても良い。
【0040】
また、
図1において、遮蔽部11,21の全域に及ぶように透明平袋60がそれぞれ貼着されている。すなわち、封筒1の表紙部10の幅広の遮蔽部11の裏側(封筒を形成して内側になる部分)に、切断線に沿って遮蔽部11を捲ることにより形成される表示窓15を完全に覆うように透明平袋60が配置され、表示窓15の外周部分(図中網がけ部分)に糊付けされている。裏紙部20側の面についても同様に表示窓25の外周部分に糊付けされている。
【0041】
封筒1を製造する場合、一辺が開口している透明平袋60の開口端を封筒1の開口側舌片30側に合わせる。なお、裏紙部20には、図示するように凹部70を設けておいて、透明平袋60の開口端の一定範囲が凹部70から出るように位置決めをして、透明平袋60を遮蔽部11(表示窓15)の外周に貼着する。
【0042】
また、透明平袋60と遮蔽部11,21は、ホットメルト接着剤や感圧接着剤等を用いて擬似接着する。なお、擬似接着技術は、WO2007/013185号公報、特開平9−263743号公報等に記載されている従来技術を用いることができる。
【0043】
擬似接着は、
図4に示すように、透明平袋60の上下両面に、あらかじめ透明平袋と遮蔽部11,21の形状に合わせた接着用シート61との間で擬似接着をさせておき、接着用シート61は遮蔽部11,21に糊付け(本接着)し、透明平袋60の接着用シートからはみ出した部分は遮蔽部の外側周辺(
図1中の網がけ部分)に糊付けするようにしても良い。なお、擬似接着は、人為的な力によって封筒が破れることなく接着面を剥がすことができる程度の接着力であるのに対して、本接着は、剥がそうとすると封筒が破れてしまう程度の接着力である点で異なっている。
【0044】
そして、裏紙部20を折曲線29に沿って折り曲げ、表紙部10と重ねた後に、底辺封止用舌片40と側辺封止用舌片50を折り曲げて、裏紙部20に糊付けする。これによって、封筒が完成する。
【0045】
図2に封筒1の完成図を示す。なお、最終的に
図2に示すような形状になればよいので、折り曲げの順序や接着方法は上述に限らない。たとえば、底辺封止用舌片40または側辺封止用舌片50を先に折り曲げ、これらの上から裏紙部20を接着するようにしても良い。
【0046】
次に、上記の構成を有する封筒1の使用方法を説明する。発送側は、封筒1の所定位置に送り先と送り元の情報をそれぞれ記載する。たとえば、封筒の表紙部10にあて先(送り先情報)を記載し、裏紙部20に差出人の住所等(送り元情報)を記載する。なお、記載場所はこれに限らず、たとえば送り元情報は、表紙部10に記載しても良い。
【0047】
そして、
図5に示すようにチケットやクーポン券などの郵送品(内容物)90を封筒1の透明平袋60に入れて、開口側舌片30を裏紙部20側へ折り曲げて糊付けすることによって封緘する。
【0048】
受取側は、封筒1を受け取ると、封筒1の開口側舌片30を開けずに、封筒1の遮蔽部11,21の切断線に沿って遮断部を透明平袋60から剥がしながら捲っていく。
【0049】
図2,
図3を用いてより詳しく説明すると、表紙部10,裏紙部20ともに、3辺の切断線14a〜14c,24a〜24cに沿ってそれぞれ遮蔽部11,21を剥がしながら、切断線の無い側へ遮蔽部11,21を折り曲げる。これにより、
図3(a)(b)に示すように、表示窓(確認面)15,25が露出する。この表示窓(確認面)15,25は、それぞれ透明平袋60の表面で覆われており、受取側は、両表示窓(確認面)を通して、内容物を表面側、裏面側の両方から確認することができる。
【0050】
なお、
図3において、封筒1のうち遮蔽部11,21以外の要素によって視認部80が構成されている。遮蔽部11,21を捲り上げた状態では、視認部80に収納されている内容物を取り出すことができないようになっているが、受取側は内容物を取り出さなくても表示窓(確認面)を通して内容物の確認をすることができる。
【0051】
(他の実施例1)
上記は視認部に透明平袋を用いるようにしたが、透明平袋に代えて、透明シートを使用するようにしても良い。
【0052】
図6は透明シートを用いた場合の展開図である。
図1との違いは、透明平袋60の代わりに透明シート13,23を用いたことである。
【0053】
より具体的に説明すると、遮蔽部11,21(すなわち表示窓15,25)の全域に及ぶように透明シート13,23がそれぞれ貼着されている。すなわち、封筒1の表紙部10の幅広の遮蔽部11の裏側(封筒を形成して内側になる部分)から遮蔽部11を完全に覆うように透明シート13が配置され、遮蔽部11との間では擬似接着、遮蔽部11の外側周辺との間では糊付け(本接着)されている。裏紙部20側の透明シート23についても同様に、遮蔽部21との間で擬似接着、その外側周辺との間では糊付け(本接着)されている。
【0054】
なお、透明シート13,23は、遮蔽部11,21を全体として覆う一枚のシートであっても良い。
【0055】
以上、本実施の形態によれば、受取側で封筒から内容物を取り出すことなく、確認することができる。また、表紙部と裏紙部の両方に遮蔽部を設けて、対向する位置に表示窓を形成可能にすることにより、送り主は内容物の表裏や向きを考えることなく、封筒に入れることができる。さらに、表示窓を表紙部,裏紙部のほぼ全域に設けることによって、内容物の種類や確認を要する情報がどの位置にあるかを考えることなく、封筒を利用することができる。
【0056】
さらに、遮蔽部が封筒本体から切り離されないように形成されているので、送り先情報、送り元情報、および配達された内容物の関係を維持したまま、内容物の確認を行うことができる。これにより、発送側と受取側の無用のトラブルを回避することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、開封前は視認部の確認面が、遮蔽部に密着した状態になるので、封筒の内側から刃物などで、透明平袋の確認面を切断しようとしても、遮蔽部側に多少なりとも痕が残る。このため、たとえば、送り主が確認面に切れ目を入れて、本来の注文品と異なる品物を郵送し、受取側が品物を入れ替えたというような主張ができなくなり、取引の信頼性を担保することができる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図7に本実施の形態による封筒の展開図を示す。
図1との違いは、切断線14a〜14c,24a〜24cの代わりにミシン目12a〜12c,22a〜22cにしたことである。その他は、
図1と同様であるので、同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
第1の実施の形態同様、遮蔽部11,21の一辺には、ミシン目を設けていない。なお、上記の他の実施例1と同様に透明平袋60に代えて透明シート13,23を用いることもできる。
【0060】
図7の構成を有する封筒1を使用した場合、受取側は、表紙部10,裏紙部20ともに、3辺のミシン目12a〜12c,22a〜22cに沿って遮蔽部11,21を切断し、ミシン目の無い側へ遮蔽部11,21を折り曲げる。これにより、
図3(a)(b)に示すように、表示窓15,25が形成される。この表示窓15,25は、それぞれ透明平袋60の表面で覆われており、受取側は、表示窓15,25を通して、内容物を表面側、裏面側の両方から確認することができる。
【0061】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。さらに、ミシン目によって遮断部を分離可能にしているので、配送時に誤って遮断部が剥がれることがなく、第1の実施の形態よりも配送時の安全性を担保することができる。
【0062】
また、本実施の形態による擬似接着の強度は、透明平袋あるいは透明シートと遮蔽部との密着性を保つことができれば足りるので、第1の実施の形態に比べて、接着力は弱くても良く、接着力の許容範囲が広くなる。
【0063】
なお、本実施の形態において、透明平袋あるいは透明シートと遮蔽部とを擬似接着しなくても、遮蔽部外側周辺を本接着しておけば実用可能であるが、密着性を担保するためには擬似接着しておくのが好ましい。
【0064】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との主な違いは、第1の実施の形態では、内容物は基本的に1つであり、その表裏両方の確認を可能にしたものであるが、本実施の形態は、送り先情報と送り元情報との一体性を維持しながら複数の内容物の確認を可能にしたものである。また、本実施の形態は、封筒1の裏紙部20のみに幅広帯状の遮蔽部21を形成し、送り先情報等を記載する表紙部10には、遮蔽部や表示窓は形成しない。第1または第2の実施の形態と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図8において、複数の透明平袋60の開口端は、封筒1の開口側舌片30側に配置され、複数重ねられて、開口端周辺は表紙部10および隣接する各透明平袋60との間で糊付けされている。透明平袋60と裏紙部20との間では糊付けされていない。また透明平袋60の開口端周辺以外の箇所についても糊付けされていない。
【0066】
複数の透明平袋60は、表紙部10に対して垂直になるようにその開口端を揃えてもよいが、表紙部10に接する透明平袋60を最下側にした場合、上にいくにしたがって(裏紙部20に近づくにしたがって)、封筒の底辺方向へ透明平袋60の開口端位置をずらしながら、隣接する透明平袋間を接着するようにすると良い。これにより、透明平袋60に郵送品を入れ易くなる。
【0067】
透明平袋60のサイズは、封筒内側のサイズと略同一にしておくのが良い。これにより、送り主が、透明平袋60を意図的に刃物で切断使用とした場合に、必ず封筒にも痕が付くので発送側の悪意を証明することが容易になり、取引の安全を担保することができる。さらに、伸縮性すなわち外力によって伸びる特性のある透明平袋を使用することにより、より封筒本体を傷つけずに透明平袋のみを切ることは困難になり、加工しようとすると不可逆的に形状が変化するので不正な加工の検出が容易になる。また、悪意による加工を抑制する効果もある。この場合、透明平袋と遮蔽部との間の擬似接着を省略することも可能である。これは、第1、第2の実施の形態においても同様である。
【0068】
なお、好ましくは、
図9に示すように、各ミシン目22a〜22cの先端および交点から外側に向けて、ミシン目による切込線22dを設けるのが良い。これにより、受取側において内容物90のサイズに応じて、切込線22dのミシン目を切断して表示窓25を広げることにより内容物90の収納された透明平袋60を引き出しやすくなる。
【0069】
また、上記第2の実施の形態と同様に、裏紙部20には凹部70が設けられており、裏紙部20側の透明平袋開口端周辺の一定範囲が凹部70から出るように配置されている。
【0070】
封筒1を製造する場合、裏紙部20を折曲線29に沿って折り曲げ、表紙部10と重ねた後に、底辺封止用舌片40と側辺封止用舌片50を折り曲げて、裏紙部20に糊付けする。以上の手順により封筒が完成する。折り曲げの順序や接着方法は上述に限らない。
【0071】
図10に封筒1の完成図を示す。
図10(a)に示すように表紙部10には、ミシン目で形成される遮蔽部11が設けられていない。なお、内容物のサイズや数量によっては、
図13に示すように封筒1にマチ26を設けるようにしても良い。この場合、表示部10あるいは裏紙部20にミシン目を設けることに代えて、マチ26の両側辺と底辺にミシン目を設けるようにしても良い。
【0072】
次に、上記の構成を有する封筒1の使用方法を説明する。発送側は、封筒1の表紙部10の所定位置に送り先と送り元の情報をそれぞれ記載する。そして、
図11に示すように複数のチケットやクーポン券などの郵送品を封筒1の透明平袋60に一枚ずつ入れて、開口側舌片30を裏紙部20側へ折り曲げて糊付けすることによって封緘する。
【0073】
受取側は、封筒裏面側の遮蔽部21のミシン目に沿って切断していく。
図10(b)を参照すれば、裏紙部20の3辺のミシン目22a〜22cに沿って遮蔽部21を切断し、ミシン目の無い側に折り曲げる。これにより受取人は、形成される表示窓25から透明平袋60を引き出す。封筒1の表示窓25から複数の透明平袋60を引き出した状態を
図12に示す。この図において、封筒1のうち、遮蔽部21以外の要素で視認部80が構成されている。また、各透明平袋60が確認面を形成しており、受取人はこの確認面を通して、内容物を確認することができる。
【0074】
複数の透明平袋60は、それぞれ上方側の開口端周辺のみ隣接する透明平袋との間で接着されており、また、両端の透明平袋60は、封筒の内側に接着されている。このため、受取人は、透明平袋60の下側を持って、表示窓25から引き出して一枚ずつ捲ることができるので、それぞれの透明平袋60に収納されている内容物90を表面および裏面の両方から確認することができる。また、透明平袋60の開口端側は封筒内で接着されており、透明平袋60の開口部分を開くことができないので、封筒から内容物を出し入れすることはできない。なお、袋間および袋と遮蔽部との間は、擬似接着しておいても良いし、袋のサイズを封筒内側と略同一にしたり、伸縮性のある袋を採用したりすることによって接着を省略することもできる。
【0075】
また、内容物90の両面を確認する必要がなく、片面のみを確認すれば足りるような場合は、透明平袋60と表紙部10,裏紙部20との間は本接着するようにしても良い。この場合、遮蔽部21を捲り上げたときに、遮蔽部21に接する一の透明平袋60は遮蔽部21に貼着された状態で一緒に捲られ、透明平袋60の接着面と反対側の面を通して、内容物90を視認することができる。表紙部10に本接着されている透明平袋60についても同様に、接着面と反対側の面を通して、内容物90を視認することができる。
【0076】
以上、本実施の形態によれば、一つの封筒で複数の郵送品を送る場合であっても、送り先情報、送り元情報、および配達された各内容物の関係を維持したまま、内容物の確認を行うことができる。これにより、送り主と受取側の無用のトラブルを回避することができる。また、本実施の形態は、透明平袋60を窓25から引き出して内容物を確認するので、内容物はチケットやクーポン券などの平面物に限らず、封筒に収納できる立体物でも良いことは明らかである。
【0077】
なお、本実施の形態では、表紙部に送り先情報、送り元情報の両方を記載することにしているが、裏面部に特段記載をする必要のある情報が存在しない場合は、4辺すべてにミシン目を設けて、遮蔽部21が完全に切り離されるようにしても良い。
【0078】
[第4の実施の形態]
図14〜
図17は、その封筒1の第4の実施形態を示す。なお、
図14〜
図17において、上記実施の形態と同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0079】
封筒1は、本実施の形態では、表紙部10及び裏紙部20のそれぞれに、透明な表示窓(確認面)15及び表示窓(確認面)25を通して、収納されている内容物(図示せず)に応じて、その内容物を取り出すことなく、かつ、内容物の少なくとも必要最小限の範囲を確認(視認)できる大きさとされた視認部80の表示窓15及び表示窓25を蔽い、封筒表面の少なくとも一部を形成する遮蔽部11及び遮蔽部21と、を有する。
【0080】
遮蔽部11及び遮蔽部21は、
図14,
図15の二点鎖線で示す一辺12d及び一辺22dが表紙部10及び裏紙部20の各視認部80から分離不能である一方、他辺はミシン目12a,12b,12c及びミシン目22a,22b,22cによって視認部80から分離可能であり、このミシン目12a,12b,12c及びミシン目22a,22b,22cで視認部80から遮蔽部11及び遮蔽部21を分離させつつ捲ることによって封筒1の内側に配置された透明シート13及び透明シート23の一部が表示窓15及び表示窓25として露出可能に形成されている。
【0081】
また、遮蔽部11及び遮蔽部21は、封筒1の表紙部10及び裏紙部20のそれぞれにミシン目12a,12b,12c及びミシン目22a,22b,22cを形成することで常時(分断前)は表紙部10及び裏紙部20と一体となっている。さらに、封筒1の表側である表紙部10に設けられた遮蔽部11の表面には、例えば、注文主特定情報を兼ねた受取人の住所・氏名、発送側特定情報を兼ねた販売者(配送センターや支店等を含む)の住所・会社名等が記入可能となっている。なお、封筒1の裏面である裏紙部20に設けられた遮蔽部21の表面に、遮蔽部11及び遮蔽部21を捲って内容物を確認する旨の注意書きや捲り方法等を文字やイラスト等を用いて印刷しても良い。また、遮蔽部11を封筒1から切り離してしまった場合の補助として、遮蔽部21の表面(裏面でも良い)に注文者の会員番号や販売者の社名やロゴ等を記入しても良い。
【0082】
透明シート13及び透明シート23は、一辺12dと一辺22d及びミシン目12a,12b,12c及びミシン目22a,22b,22cの外側で且つその全周に跨って連続して封筒1の内側で接着部Pにより接着されている。これにより、ミシン目12a,12b,12c及びミシン目22a,22b,22cから水滴が浸入しても封筒1の内部との密閉性を確保することができ、内容物が濡れてしまうことを抑制することができる。なお、透明シート13及び透明シート23は、少なくとも一方を透明平袋60としても良い。
【0083】
表示窓15及び表示窓25は、ミシン目12a,12b,12c及びミシン目22a,22b,22cを視認部80から分離させつつ捲ることによって視認部80の内側に形成される窓縁15a及び窓縁25aよりも外周で封筒1の内側に表面が貼着された透明シート13,23の一部(露出部分)によって構成されている。
【0084】
一方、遮蔽部11及び遮蔽部21の各内面には、
図15に示すように、少なくとも内容物の確認に有用な情報、すなわち注文主(受取側)向けの情報を印刷した確認情報部17及び確認情報部27が設けられている。この際、内容物として、例えば、1枚のコンサートチケット等であった場合、遮蔽部11及び遮蔽部21は、その何れか一方で良く、上述した確認情報部17及び確認情報部27も対応する遮蔽部11又は遮蔽部21の一方側にのみ設けられる。
【0085】
確認情報部17及び確認情報部27としては、内容物がコンサートチケットであった場合、注文したチケット内容の必要最小限の確認事項、例えば、公演名(演奏者名等でも良い)、公演日時、座席番号、名義等をチェック項目として記載している。なお、この必要最小限の確認事項とは、内容物に応じて任意である。また、表紙部10及び裏紙部20のそれぞれに遮蔽部11及び遮蔽部21を配置した場合、2枚のチケットを封入することができる。この場合、各チケットは、その表面(確認事項が記載されている面)が透明シート13及び透明シート23から見えるように、互いに背中合わせに封入される。このため、
図16に示すように、封入前の封筒1の開口側舌片30の裏面には、チケット封入方法(背中合わせ)等の販売者(発送側)向けの情報を印刷するのが望ましい。なお、開口側舌片30の表面に、開封(取出開封)前に遮蔽部11及び遮蔽部21を捲ってチケットを確認する旨の注意書き等を印刷するのが望ましい。さらに、確認情報部17及び確認情報部27には、枚数の確認をチェック項目として設けるのが望ましい。なお、全く別のコンサートチケットを購入した場合を想定し、確認情報部17及び確認情報部27は、一方の記載を省略せずに、それぞれ同一のチェック項目を設けている。さらに、確認情報部17及び確認情報部27には、確認事項に関するチェック項目とは別に、例えば、チケット内容確認やその後の手続き(交換等を含む)等をインターネット上で行うための2次元バーコード等を併記するなどの応用も可能である。また、遮蔽部11及び遮蔽部21を封筒1の表紙部10及び裏紙部20に設けた場合、封筒1を横長として遮蔽部11及び遮蔽部21を小口方向に捲り上げた確認展開時に確認情報部17及び確認情報部27の文字の上下方向がチケットの文字の上下方向と一致するように、一方の印刷の天地を逆(遮蔽部11又は遮蔽部21の天地を含む)とするのが好ましい。さらに、この天地は封筒1の天地(住所等の文字の上下方向を基準)とも同じとするのが望ましい。
【0086】
このような構成においては、
図16に示す状態で内容物を封入して、注文主へと発送(投函)する。この際、遮蔽部11及び遮蔽部21が一辺12d、22dにより封筒1から分断(切り離し)されていないため、販売者(発送側)が品物を発送してから注文主(受取側)が受け取るまでは、セキュリティや個人情報保護を確保した状態で封筒1としての機能・体裁を維持している。
【0087】
注文主は、
図17(a)に示す配送状態では、封筒1に封入された内容物を確認することはできない。したがって、
図17(b)に示すように、ミシン目12a,12b,12c(又はミシン目22a,22b,22c)から遮蔽部11(又は遮蔽部21)を捲り上げ、視認部80を開封した確認展開状態として内容物を確認する。
【0088】
このような構成においては、注文主は、内容物を封筒1から取り出せる状態ではないため、封筒と内容物との一体性が確保された状態での内容物の確認ができる。
【0089】
さらに、遮蔽部11(又は遮蔽部21)は、一辺12d(又は一辺22d)により封筒1(表紙部10又は裏紙部20)から完全に切り離され難くなっているため、例え、注文主(受取側)や販売者(発送側)の住所・氏名(会社名)等が遮蔽部11(又は遮蔽部21)に記入されていても、封筒1と分断(切り離し)されず、情報としての一体化を維持することができる。
【0090】
本実施の形態では、一方の遮蔽部10に注文主(受取側)と販売者(発送側)の双方の住所・氏名(会社名)等が記入されるため、注文主(受取側)と販売者(発送側)との相互関係が立証可能な程度に維持されていると同時に、販売者と封筒1との相互関係も立証可能な程度に維持されている。
【0091】
しかも、遮蔽部11(又は遮蔽部21)を捲り上げた際には、その裏面側に内容物の確認を促すチェック項目的に確認情報部17(又は確認情報部27)が印刷されているため、注文主は、内容物を封筒から取り出すことなく、そのチェック項目にしたがって内容物の確認をすることができる。
【0092】
特に、遮蔽部11(又は遮蔽部21)の内面に、注文主(受取側)向けの情報を印刷するので、本封筒を例えば取引仲介業者のような販売者とは独立した業者が各販売者に配布することにより、販売者(発送側)は注文主(受取側)向けの情報を見たり改ざんしたりすることができないので、取引の安全を担保することができる。逆に、販売者(発送側)にとってみれば、開封(取出開封)後にあっては、注文主(受取側)は内容物の確認をして了承したものとみなすことができるので、本封筒を用いて安心して取引を行うことができる。
【0093】
さらに、封筒1の開口側舌片30の裏面に、販売者(発送側)向けの情報を印刷することによって、封緘前に販売者に注意喚起を促すことができる一方、その情報は受取側では内容物確認時に見ることができないので、発送側、受取側の双方にとって利便性の高い封筒を実現することができる。
【0094】
以上、第1乃至第4の実施の形態では、本発明を和封筒に適用した場合を例に説明したが、洋封筒など封筒全般に対して適用可能である。また、接着手段は、糊付けに代えて粘着テープその他の従来の接着手段を用いても良いことは明らかである。なお、洋封筒の場合には、その封筒表面側にのみ遮蔽部を設ける場合に適しているが、内容物に応じては、洋封筒の裏面の折り合わせを利用して遮蔽部を構成することにより、取出開封状態とせずに確認展開状態として封筒両面に遮蔽部を設けることも可能である。