特許第5936969号(P5936969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5936969冷温水供給システムにおける熱源機運転制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936969
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】冷温水供給システムにおける熱源機運転制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   F24F11/02 H
   F24F11/02 102L
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-203914(P2012-203914)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-59091(P2014-59091A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107490
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 鉄郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 裕文
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−313049(JP,A)
【文献】 特開平11−344246(JP,A)
【文献】 特開2007−024466(JP,A)
【文献】 特開2002−162087(JP,A)
【文献】 特開2011−069581(JP,A)
【文献】 特開平08−261544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるエネルギー原単位の蒸気を製造する複数の蒸気発生源と、該蒸気発生源の蒸気により冷温水を製造する複数の熱源機と、を備えた冷温水供給システムにおける熱源機運転制御方法であって、
特定のエネルギー原単位の蒸気発生源の蒸気(以下、特定蒸気という)のみを該熱源機系統に供給するように、予め設定された起動優先順位に従って、各熱源機の起動・停止制御を行うものであり、かつ、
現在運転中の熱源機(k)の能力制御を行う場合において、
該熱源機(k)の現在消費蒸気量Sd(k)と、熱源機(k)が消費可能な最大蒸気量Sd_max(k)と、の差に基づいて、
熱源機ごとに設けた蒸気弁の上限開度(αk)を、予め定めた増加又は減少幅(β%、γ%)づつ、所定の時間ごとに増減制御する
ことを特徴とする冷温水供給システムにおける熱源機運転制御方法。
但し、Sd_max(k)=ΣSs−(ΣSd−Sd(k))
特定蒸気の供給蒸気量総和(ΣSs)、現在運転中の熱源機の消費蒸気量総和(ΣSd)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気を駆動源とする冷温水供給システムの熱源機運転制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分散型電源(コジェネ)の廃熱や蒸気ボイラから供給される蒸気を駆動源とする蒸気焚冷凍機及び蒸気熱交換器を組み合わせた冷温水供給システムが公知である。蒸気焚冷凍機については、効率向上を目的とした技術(例えば特許文献1、2)、部分負荷効率向上を目的とした技術(例えば特許文献3)が提案されている。
蒸気焚冷凍機の運転に際しては、省エネ性向上の観点からエネルギー原単位が相対的に大きい蒸気ボイラによる蒸気よりも、エネルギー原単位が相対的に小さいコジェネ蒸気等を優先活用すべきということになる。
【0003】
一方、従来の蒸気を駆動源とする複数熱源機を備えた冷温水供給システムでは、各蒸気焚冷凍機は個別に出口温度、高温再生器温度・圧力に対応して蒸気弁開度を調整し、また、蒸気熱交換器は出口温度に対応して蒸気弁開度を調整して、それぞれ蒸気投入量を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−56160号公報
【特許文献2】特開2001−56161号公報
【特許文献3】特開2000−283589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような制御を採用すると、蒸気消費量が大きい場合、蒸気系統の圧力低下に伴いエネルギー原単位が相対的に大きな蒸気ボイラが起動することになり、省エネ運転を維持することができないという問題がある。
本発明はこのような課題を解決すべく、エネルギー原単位が相対的に小さい蒸気のみを熱源機側に投入可能とする、省エネ性に優れた熱源機運転制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の内容を要旨とする。すなわち、本願発明に係る冷温水供給システムの熱源機運転制御方法は、
(1)異なるエネルギー原単位の蒸気を製造する複数の蒸気発生源と、該蒸気発生源の蒸気により冷温水を製造する複数の熱源機と、を備えた冷温水供給システムにおける熱源機運転制御方法であって、
特定のエネルギー原単位の蒸気発生源の蒸気(以下、特定蒸気という)のみを該熱源機系統に供給するように、予め設定された起動優先順位に従って、各熱源機の起動・停止制御を行うことを特徴とする冷温水供給システムにおける熱源機運転制御方法。
【0007】
本発明において、「冷温水供給システム」とは、熱源機により製造された冷水又は温水を使用先に配管供給して、空調、温水供給を行うシステムをいう。
「エネルギー原単位」とは、単位生産蒸気量に対する投入一次エネルギー量や、単位生産蒸気量に対する投入エネルギーコストや、単位生産蒸気量に対する投入エネルギーの二酸化炭素排出量を表す指標で、ユーザーが運転の目的に合わせて選択することができる。
【0008】
(2)上記発明において、前記特定蒸気の供給蒸気量総和(ΣSs)が、現在運転中の熱源機の消費蒸気量総和(ΣSd)を上回る場合であって(供給余裕蒸気量:ΔS=ΣSs−ΣSd>0)、現在運転停止中の起動優先順位最上位の熱源機(次発熱源機)を起動させる場合において、
該次発熱源機の運転可能最低蒸気量(Sd_min(k))が、供給余裕蒸気量(ΔS)を上回る場合には、
起動優先順位に拘わらず、最低蒸気量(Sd_min(k))が供給余裕蒸気量(ΔS)以下となる熱源機を、順次繰り上げて起動させる、
ことを特徴とする。
【0009】
熱源機起動には運転可能最低蒸気量が必要であり、この条件を満たさずに運転した場合、当該熱源機は特定蒸気製造量以上に蒸気を消費してしまい、結果的にエネルギー原単位の大きな蒸気(例えばボイラ蒸気)が供給されることになる。
本発明による制御により、熱源機系統は特定蒸気(例えばコージェネ蒸気)のみを最大限活用した運転が可能となる。
また、運転可能最低蒸気量条件を満足する熱源機を1台でも多く運転することにより、特定蒸気を無駄にすることのないオペレーションが可能となり、省エネ性向上を図ることができる。
【0010】
(3)上記各発明において、現在運転中の熱源機(k)の能力制御を行う場合において、
該熱源機(k)の現在消費蒸気量Sd(k)と、熱源機(k)が消費可能な最大蒸気量Sd_max(k)と、の差に基づいて、
熱源機ごとに設けた蒸気弁の上限開度(αk)を、予め定めた増加又は減少幅(β%、γ%)づつ、所定の時間ごとに増減制御することを特徴とする。
但し、Sd_max(k)=ΣSs(i)−(ΣSd(j)−Sd(k))
本発明によれば、熱源機(k)の蒸気弁上限開度(αk)の調整により、特定蒸気の発生量以上に熱源機が蒸気を消費することを防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コージェネ廃熱等、エネルギー原単位の小さな蒸気(特定蒸気)のみを駆動源として熱源機を運転制御するため、省エネルギーや低コスト、二酸化炭素排出量抑制を追求した空調用冷水の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】熱源機運転制御システム1の全体構成を示す図である。
図2】第一の実施形態における運転制御フローを示す図である。
図3(a)】実施例において、供給余裕度(ΔS)が次発機の運転可能最低蒸気量(Sd_min(k))を上回る状態を模式的に示す図である。
図3(b)】同上において、供給余裕度(ΔS)が次発機の運転可能最低蒸気量(Sd_min(k))を下回る状態を模式的に示す図である。
図3(c)】同上において、供給余裕度(ΔS)が次々発機の運転可能最低蒸気量(Sd_min(k))を上回る状態を模式的に示す図である。
図4】k機起動後の蒸気弁開度制御フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施形態についてさらに詳細に説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
<第一の実施形態>
本実施形態は、エネルギー原単位の異なる複数の蒸気駆動源を備えたシステムにおける熱源機台数制御の態様に係る。
図1を参照して、本実施形態に係る熱源機運転制御システム1は、各熱源機側に蒸気を供給する蒸気供給系統1Aと、蒸気を駆動源として冷水・温水を製造して負荷側(図示せず)に供給する熱源機系統1Bと、システム全体の制御を行う制御系統1Cと、により構成されている。
【0014】
蒸気供給系統1Aは、蒸気発生源である複数のCGS(コージェネレーション・システム)4(請求項における特定蒸気)、及び、一又は複数の蒸気ボイラ5と、発生蒸気を一旦貯蔵して熱源機系統1B側に分散供給する供給ヘッダー6と、を主要構成として備えている。
熱源機系統1Bは、複数(n台)の蒸気焚冷凍機2(2(1)〜2(n))(以下、適宜、熱源機2(1)〜2(n)と表記する)と、複数の蒸気熱交換器3と、を主要構成として備えている。
【0015】
熱源機系統1Bの各熱源機には、表1に示す起動優先順位k(k=1〜n)が設定されており、後述する制御フロー(図2)において、各熱源機の起動・停止は同表の優先順位に従って行われるように構成されている。
起動優先順位の設定は、エネルギー原単位に基づき行われる。本実施形態では、エネルギー原単位の小さいコージェネ廃熱蒸気が、特定蒸気として優先される。
なお、表1では蒸気焚冷凍機2(n)が常に熱交換器3より上位に設定されているが、後述するように負荷条件によって熱交換器3が蒸気焚冷凍機2(k)(k≧2)より上位に設定される場合もある。
【0016】
【表1】
【0017】
以上の構成により、蒸気供給系統1Aにおいてコジェネ廃熱又はボイラ加熱により製造した蒸気を、ヘッダー6を介して両系統を結ぶ配管7a乃至7cにより熱源機系統1Bに駆動源として供給し、熱源機系統1Bにおいて冷温水を製造して負荷側(図示せず)に供給するように構成されている。
【0018】
熱源機運転制御システム1の制御系統1Cは、蒸気供給系統1Aの各配管7a経路中に配設される蒸気流量計8aと、熱源機系統1Bの各分岐配管7cに配設される蒸気流量計8b及び蒸気弁9と、これら各流量計及び蒸気弁の計測値に基づいて後述の各演算を行い、熱源機系統1B側に運転指令を行う制御部10と、により構成されている。
制御部10は、表1の起動優先順位に基づいて以下の台数制御、すなわち各熱源機の起動・停止制御を行う。なお、各熱源機の能力制御は、それぞれの出口温度、圧力等に基づいて熱源機ごとに行われる。
【0019】
熱源機運転制御システム1は以上のように構成されており、次に図2を参照して、制御部10が行う熱源機台数制御の態様について説明する。
制御中は蒸気流量計8a、8bにより供給側及び消費側の蒸気流量Ss(i),Sd(j)(i:各蒸気発生源、j:各熱源機)が計測され、制御部10に集められる(S101)。
【0020】
次いで、その現在時点における供給総蒸気量(ΣSs(i))と消費総蒸気量(ΣSd(j))の比較が行われる(S102)。ここに、供給総蒸気量とはコジェネ(CGS4)廃熱(特定蒸気)の総和であり、消費総蒸気量とは熱源機側の消費蒸気量の総和をいう。
ΣSs<ΣSdの場合には(S102においてN)、蒸気供給余力がないため所定時間経過後(S110においてY)、優先度最下位の熱源機を運転停止する(S112)。
【0021】
S102においてY、すなわちΣSs≧ΣSdの場合には、供給余力があるため熱源機2(1)〜2(n)の起動順序フローに移行する(S103〜S109)。
具体的には特定蒸気を使用した運転の可否を、各熱源機(k=1からk=n)について順次判定していく。
以下、フローが進行した状態(k<n;S104においてN)を想定する。供給蒸気量(ΣSs(i))と消費蒸気量(ΣSd(j))の差ΔS(=ΣSs(i)−ΣSd(j))が、熱源機2(k)の最小能力運転に必要な蒸気量(Sd_min(k))以上か否かが判定される(S105)。
【0022】
ΔS≧Sd_min(k)の場合には(S105においてY)、さらに熱源機2(k)が運転中であるか否かが判定される(S106)。運転中ではない場合には(S106においてN)、優先順位に従って次発対象の熱源機を起動させる(S108)。
S106においてY,すなわち熱源機2(k)が運転中の場合には、さらに熱源機2(k)より優先順位下位(k=k+1)について(S107)、上述のフロー(S104〜S106)が適用される。
【0023】
以上の各フロー中、熱源機の起動、停止、増段、減段等に際しては、熱源機タイプにより起動特性、安定化時間等がそれぞれ異なることを考慮して、熱源機タイプごとに予め設定されたステップ移行時間(インターバル)が採用されている(S109)。
【0024】
なお本実施形態では、S102において特定蒸気の供給余力がない場合に、優先度最下位の熱源機を運転停止する例を示したが、運転停止することなく蒸気ボイラ5の蒸気を使用する形態とすることもできる。さらに、蒸気供給可能な別システムと連系制御する形態とすることもできる。
【0025】
<第二の実施形態>
本実施形態は、図2フローのS108において、k機起動後のk機蒸気弁9の開度制御フローに関する。
k機蒸気弁9は、上限開度をαkとして 0%≦αk≦100% の範囲で開度制御される。また、開度を増加又は減少させる場合の幅は、それぞれβ%、γ%に設定されている。なお、β、γは、予め蒸気使用設備の蒸気変化率に対する許容度を考慮して、定めることができる。
【0026】
図3を参照して、k機起動時において(S201)、k機の蒸気弁の上限開度αkは0%であるとする(S202)。以下の説明では、制御が進行した状態(上限開度αk)を想定する。
制御中は蒸気供給系統1A,熱源機系統1Bの蒸気流量計により、k機の消費蒸気量(Sd(k))(S203)、及び、それぞれの各蒸気流量Ss(i),Sd(j)が計測される。次いで、蒸気供給系統内の供給蒸気量(ΣSs(i))と熱源機系統側の消費蒸気量(ΣSd(j))の演算が行われ(S204)、さらに、k機が消費可能な最大蒸気量Sd_max(k)の演算が行われる(S205)。ここに、Sd_max(k)は下式で示される。
Sd_max(k)=ΣSs(i)−(ΣSd(j)−Sd(k))
【0027】
次に、k機について使用可能な最大蒸気量Sd_max(k)と、現在消費蒸気量Sd(k)との比較が行われ、さらなる使用余地の有無が判定される(S206)。
ΔSd(k)(=Sd_max(k)−Sd(k))=0の場合には、現状蒸気弁上限開度αkが維持される(S207)。
ΔSd(k)>0の場合には使用余地があると判定され、蒸気弁上限開度αkがβ%増加される(S208)。
Sd_max(k)<0の場合には使用余地なしと判定され、蒸気弁上限開度αkがγ%減少される(S209)。
【0028】
変更後のαkにより(S210)、上記S203〜S209のフローが繰り返し行われる。なお、本制御中に、ΔS(=ΣSs(i)−ΣSd(j))<0の条件に至った場合には、図2のS102によりk機の運転は停止となる。
【実施例1】
【0029】
次に、第一の実施形態における熱源機運転制御システム1の構成を単純化した例により、図2のS104−S108のフローをさらに詳細に説明する。
本実施例において、蒸気供給系統1Aは3台の蒸気発生源(CGS−1,2)により構成され、各駆動源の発生蒸気量を表2のとおりとする。また、熱源機系統1Bは、2台の蒸気焚冷凍機(NC−1,2)と1台の熱交換器(HEX1)により構成されており、運転時消費蒸気量、起動優先順位を表3のとおりとする。なお、蒸気ボイラについては、本制御には関係しないため無視している。
表2より、特定蒸気の最大蒸気供給量ΣSs(i)は550kg/hである。なお、以下では単位表示を省略し、数量表示のみとする。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
以下、初期状態(S103においてk=1)において熱源機系統側はNC−1のみ稼働の状態を想定し、その消費蒸気量Sd(1)が250、400である2つのケースについて説明する。
(a)ケース1(Sd(1)=250の場合)
S103においてk=1として、ΣSs(i)=550、ΣSd(j)=250であるから、ΔS=550−250=300となり、ΔS>Sd_min(1)、すなわちS105においてYとなる。
【0033】
次いで、k機(k=1)は運転中であるから(S106においてY)、k=2となり(S107)、S104に戻る。k<3であるから(S104おいてY)、さらにS105に進み、ここでΔS=250、Sd_min(2)=200 より、ΔS>Sd_min(2)、すなわちS105においてYとなる。この状態を模式的に示すと、図3(a)の通りであり、
δ=ΔS−Sd_min(2)>0 より、供給余裕があることが分かる。
さらにk機(k=2)は運転中でないから(S106においてN)、k=2であるNC−2が起動となる(S108)。
【0034】
(b)ケース2(Sd(1)=400の場合)
S103においてk=1として、ΣSs(i)=550、ΣSd(j)=400であるから、ΔS=550−400=150となり、ΔS<Sd_min(1)、すなわちS105においてNとなる。
【0035】
次いで、S107にスキップしてk=2となりS104に戻る。k<3であるので(S104においてY)、S105に移行する。ΔS=150、Sd_min(2)=200 より、ΔS<Sd_min(2)(S105においてN)、すなわちNC−2は起動不可となる。この状態を模式的に示すと図3(b)の通りとなる。
さらにS107に進み、k=2+1=3となり、HEX−1の起動判定となる。この場合には、ΔS=550−400=150、Sd_min(3)=100であるから、ΔS>Sd_min(3)、すなわちS105においてYとなる。HEX−1は停止中であるから、これを起動することになる(S108)。この状態を模式的に示すと図3(c)の通りであり、
δ=ΔS−Sd_min(3)>0 より、供給余裕があることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、地域熱供給、業務用・産業用空調・熱供給等、用途を問わず未利用蒸気を駆動源とする冷温水供給システムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・・・熱源機運転制御システム
1A・・・・蒸気供給系統
1B・・・・熱源機系統
1C・・・・制御系統
2・・・・・蒸気焚冷凍機
3・・・・・蒸気熱交換器
4・・・・・CGS(コージェネレーション・システム)
5・・・・・蒸気ボイラ
6・・・・・供給ヘッダー
7a、7b、7c・・・・・蒸気配管
8a、8b・・・・・蒸気流量計
9・・・・・蒸気弁
10・・・・制御部
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4