(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水抜き孔は、前記凸部を鉛直方向に沿って貫通するように形成されており、その内部にラビリンス部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動モータ。
前記コネクタ部の付け根部の周囲には、前記水抜き孔の開口縁部に対応する箇所に、前記シール部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動モータ。
前記水抜き孔は、水平方向の最小隙間が3.2mm以上、鉛直方向の最小隙間が4mm以上となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか1項に記載の電動モータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、ヨークの底面に、排水用の孔が直接形成されているので、例えば電動モータに、下方から高圧洗浄による水が飛散した場合、電動モータ内部に水が浸入し易い。つまり、下方からの高圧洗浄等による水の飛散に対し、電動モータの防水性が悪いという課題がある。
これに対し、ヨークに形成された排水用の孔に、ドレインチューブ等を取り付けることも考えられる。しかしながら、このように構成した場合であっても、高圧洗浄時にドレインチューブの取り付け部分から水が浸入する恐れがある。
【0006】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、下方からの高圧洗浄等による水の飛散に対し、防水性を向上させることができる電動モータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動モータは、内周面に複数の磁極が設けられている筒部を有するヨークと、前記ヨークの径方向内側に配置され、前記ヨークに対して回転自在に設けられたアーマチュアと、前記ヨークの開口部端に配置され、前記アーマチュアに給電を行うためのブラシが保持されているブラシホルダと、前記ヨークの開口部を前記ブラシホルダの外側から覆うように設けられたブラケットとを備え、前記ブラシホルダの外側部に、前記ブラシと外部電源とを電気的に接続するためのコネクタ部を、前記ヨークの筒部よりも径方向外側に向かって突設し、少なくとも前記コネクタ部の付け根部の周囲にシール部を設け、前記アーマチュアが鉛直方向に沿うように、且つ前記ブラケットが鉛直方向下方に向くように配置された電動モータであって、前記ブラケットの前記コネクタ部の鉛直方向下方に対応する部位に、前記シール部よりも前記アーマチュアの軸に対して径方向外側に突出する凸部を設け、この凸部により、前記コネクタ部の鉛直方向下部の側面を覆うと共に、前記凸部に、この凸部と前記コネクタ部との間に侵入した水を排水するための水抜き孔を形成したことを特徴とする。
【0008】
このように、水が浸入し易いコネクタ部の鉛直方向下方を凸部で覆うことにより、下方からの高圧洗浄等による水の飛散に対し、電動モータの防水性を向上させることができる。
また、仮に凸部とコネクタ部との間に水が浸入した場合であっても、凸部に水抜き孔が形成されているので、電動モータ内に水が溜まることなく、効率よく排水させることができる。このため、さらに、電動モータの防水性を向上させることができる。
【0009】
本発明に係る電動モータは、前記コネクタ部を、前記ブラシホルダの外側部から前記アーマチュアの軸に対して径方向外側に向かって突出し、前記付け根部を有するベース部と、このベース部の先端から前記アーマチュアの軸方向に向かって屈曲形成された屈曲部と、この屈曲部の先端に設けられ、前記外部電源から延びるコネクタが嵌着される嵌着部とにより構成し、前記凸部の前記水抜き孔が形成されている箇所よりも先端側に、鉛直方向に沿う防水壁を設け、この防水壁により、少なくとも前記屈曲部の一部が覆われていることを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、下方からの高圧洗浄等によって飛散した水が、コネクタ部と凸部との間に侵入してしまうのを、防水壁によって確実に防止することができる。このため、より確実に、電動モータの防水性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る電動モータは、前記水抜き孔は、前記凸部を鉛直方向に沿って貫通するように形成されており、その内部にラビリンス部を有していることを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、凸部とコネクタ部との間の水が浸入した場合であっても、効率よく排水することができる。また、水抜き孔を介して内部に水が浸入してしまうことを防止することができる。
【0013】
本発明に係る電動モータは、前記コネクタ部の付け根部の周囲には、前記水抜き孔の開口縁部に対応する箇所に、前記シール部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、ブラシホルダとコネクタ部とシール部とによって袋小路となる箇所が形成されるのを防止できる。換言すれば、ブラシホルダとコネクタ部との間に、水が溜まってしまう箇所が形成されてしまうのを防止できる。このため、電動モータの防水性をさらに向上させることができる。
【0015】
本発明に係る電動モータは、前記水抜き孔は、水平方向の最小隙間が3.2mm以上、鉛直方向の最小隙間が4mm以上となるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
このように構成することで、水抜き孔内に水が溜まってしまうことを防止でき、水抜き孔を通る水を確実に排水させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ブラケットに形成された凸部によって、下方からの高圧洗浄等による水の飛散に対し、電動モータの防水性を向上させることができる。また、仮に凸部とコネクタ部との間に水が浸入した場合であっても、凸部に水抜き孔が形成されているので、電動モータ内に水が浸入することなく、効率よく排水させることができる。このため、さらに、電動モータの防水性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(電動モータ)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電動モータの縦断面図、
図2は、電動モータをブラケット側からみた正面図である。
図1、
図2に示すように、電動モータ1は、車両(不図示)のディファレンシャル装置80に設けられ、このディファレンシャル装置80内のオイルに与圧を付与するために設けられたオイルポンプ81を駆動するためのものである。
【0020】
電動モータ1は、有底円筒形状のヨーク2と、このヨーク2内に回転自在に支持されているアーマチュア3と、ヨーク2の開口部2a側端に配置されたブラシホルダ17と、ヨーク2の開口部2aをブラシホルダ17の外側から覆うように設けられたブラケット18とを有している。そして、電動モータ1は、ディファレンシャル装置80の上方の位置に、アーマチュア3の回転軸5が鉛直方向に沿うように、且つブラケット18が鉛直方向下方を向くように配置されている。
【0021】
ヨーク2の筒部2bには、内周面に複数の永久磁石4が周方向に磁極が順番になるように設けられている。また、ヨーク2の開口部2aには、径方向外側に向かって屈曲延出する外フランジ部22が一体成形されている。この外フランジ部22に、ブラシホルダ17が載置される。さらに、ヨーク2の底部2cには、径方向中央に軸方向上方に向かって突出する軸受ハウジング21が一体成形されており、ここにアーマチュア3の回転軸5の上端を回転自在に支持するための軸受16が圧入されている。
【0022】
アーマチュア3は、回転軸5の他に、この回転軸5に外嵌固定されているアーマチュアコア6と、アーマチュアコア6の後述するティース9に巻装されている複数のアーマチュアコイル7と、回転軸5のアーマチュアコア6よりもブラシホルダ17側に外嵌固定されているコンミテータ13とを有している。アーマチュアコア6は、リング状の金属鋼板8を軸方向に複数枚積層したものである。金属鋼板8の外周部にはT字型のティース9が周方向に沿って等間隔に複数形成されている。
【0023】
複数枚の金属鋼板8を回転軸5に外嵌することにより、アーマチュアコア6の外周には隣接するティース9間に蟻溝状のスロット(不図示)が形成されている。各ティース9には、不図示のスロットに絶縁部材を介してエナメル被覆の巻線12が巻装されている。これにより、アーマチュアコア6の外周に複数のアーマチュアコイル7が形成される。
【0024】
コンミテータ13は、ヨーク2の開口部2aからやや突出した位置に配置されている。コンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が複数設けられている。セグメント14は、軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に固定されている。各セグメント14のアーマチュアコア6側端には、径方向外側に折り返す形で折り曲げられたライザ15が一体成形されている。
【0025】
各ライザ15には、巻線12の端末部が掛け回わされ、この端末部がヒュージング等の溶接手段により電気的に接合されている。これにより、セグメント14とこれに対応する巻線12とが電気的に接続される。また、セグメント14には、ブラシホルダ17に保持されているブラシ41(
図3、
図4参照)の先端が摺接されている。
【0026】
(ブラシホルダ)
図3は、ブラシホルダの斜視図である。
図1、
図3に示すように、ブラシホルダ17は、例えば、絶縁性の樹脂により形成されたものであって、略円板状に形成されたホルダ本体42と、ホルダ本体42の一側に一体成形されたコネクタ部43とを有している。
尚、電動モータ1は、コネクタ部43が配置されている側を後側、コネクタ部43が配置されている側とは反対側を単に前側、前側を向いて右側を単に右側、前側を向いて左側を単に左側など称して説明する場合がある。
【0027】
ホルダ本体42の外径は、ヨーク2の開口部2aの内径よりもやや大きく設定されている。ホルダ本体42のヨーク2側の端面42bのうち、外周面42a寄りの部位は、ヨーク2の外フランジ部22に当接した状態になっている。
【0028】
また、ホルダ本体42の端面42bには、ヨーク2の開口部2aにインロー嵌合するヨーク側インロー部47が立設されている。一方、ホルダ本体42のヨーク2とは反対側、つまり、ブラケット18側の端面42cには、ブラケット18にインロー嵌合するブラケット側インロー部57が立設されている。
そして、ホルダ本体42は、外周面42a寄りの端面42bがヨーク2の外フランジ部22に当接し、ヨーク側インロー部47の外周面47aがヨーク2の筒部2bの内周面に当接した状態になる。
【0029】
ここで、ホルダ本体42の外周面42a寄りの端面42b及びヨーク側インロー部47の外周面47aには、それぞれ通気溝48が一連に形成されている。すなわち、通気溝48は、ホルダ本体42の外周面42a寄りの端面42bに形成された第1溝48aと、ヨーク側インロー部47の外周面47aに形成された第2溝48bとで構成されており、これら第1溝48aと第2溝48bとが連通されている。
この通気溝48が形成されることにより、ヨーク2の開口部2aにブラシホルダ17を載置した状態であっても、ヨーク側インロー部47の内周面47b側とホルダ本体42の外周面42aとが連通される。
【0030】
また、ホルダ本体42の径方向中央には、コンミテータ13を挿入可能な挿入孔44が形成されている。ホルダ本体42の端面42bには、挿入孔44を挟んで両側に、ブラシ41を収納可能な一対のブラシボックス45,45が対向配置されている。ブラシボックス45は、ホルダ本体42から立ち上がり、ホルダ本体42の径方向に沿って延在する一対の側壁45a,45aと、これら側壁45a,45aのホルダ本体42とは反対側の側縁間に跨る上壁45bとが一体成形されたものである。
【0031】
そして、ブラシボックス45とホルダ本体42とにより、断面四角形状の収納部46が形成され、ここにブラシ41が径方向中央側に向かって出没自在に収納される。
また、ホルダ本体42の端面42bには、ブラシボックス45よりも前方に、それぞれ支柱54が立設されている。これら支柱54には、それぞれねじりコイルばね55が挿入されている。
【0032】
ねじりコイルばね55の一端は、ブラシ41の基端側を押圧するように当接している。これにより、ブラシ41には、常に径方向内側に向かって押圧力が付勢されるので、コンミテータ13のセグメント14に、ブラシ41の先端が確実に摺接する。
また、ブラシボックス45の上壁45bには、スリット49が形成されている。このスリット49を介してブラシ41に一端が接続されたピグテール50が延びている。ピグテール50の他端は、コネクタ部43に設けられている端子51に接続されている。
【0033】
コネクタ部43は、ホルダ本体42の一側から、ヨーク2の筒部2bよりも径方向外側に向かって延出するベース部91と、ベース部91の先端に設けられた屈曲部92と、屈曲部92の先端に設けられた嵌着部93とが一体成形されたものであって、これらベース部91、屈曲部92及び嵌着部93内に、端子51が敷設されている。
【0034】
ベース部91は、左右方向の幅が前後方向の幅よりも長くなるように、板状に形成されている。また、屈曲部92は、ベース部91の先端から軸方向ヨーク2側、つまり、軸方向上方に向かって屈曲するように形成されている。
さらに、嵌着部93は、不図示の外部電源から延びる外部コネクタが嵌着可能なように筒状に形成され、開口を上側に向けた状態になっている。そして、嵌着部93内に端子51の一端が露出されている。
【0035】
一方、ホルダ本体42のコネクタ部43側には、端子51に対応する部位に露出窓56が形成されており、この露出窓56を介して端子51の他端が露出されている。そして、この端子51の他端の露出した部位に、ピグテール50の一端が接続されている。
【0036】
(シール部)
図4は、ブラシホルダ及びブラケットの分解斜視図、
図5は、ヨーク、ブラシホルダ及びブラケットの縦断面図である。
図4、
図5に示すように、ブラシホルダ17には、ゴム材からなるシール部30が設けられている。シール部30は、ホルダ本体42の外周面42a寄りの端面42bに取り付けられる第1シール本体31と、コネクタ部43におけるベース部91の付け根部91aに取り付けられる第2シール本体32とが一体成形されたものである。
【0037】
第1シール本体31は、ホルダ本体42の端面42bと接触するホルダ本体パッキン33を有している。ホルダ本体パッキン33は、ブラシホルダ17のホルダ本体42と、ヨーク2の外フランジ部22(
図1参照)との間に挟持されるようになっている。ホルダ本体パッキン33は、この外周部がヨーク2の外フランジ部22の外周縁よりもやや径方向内側に位置するように形成されている。
そして、ホルダ本体パッキン33の外周部には、ホルダ本体Oリング34が一体成形されている。ホルダ本体Oリング34は、ヨーク2の外フランジ部22と、後述するブラケット18の開口部61aの周縁部64との間に挟持され、シール性を確保するためのものである。
【0038】
第2シール本体32は、ベース部91における付け根部91aの周囲を取り囲むように形成されたグロメット35と、さらにこのグロメット35の周囲を取り囲むように形成されたコネクタOリング36とが一体成形されたものである。これらグロメット35及びコネクタOリング36は、ベース部91と、ヨーク2の外フランジ部22との間、及びベース部91と、ブラケット18との間に挟持されてシール性を確保するためのものである。
【0039】
このような構成のもと、ブラシホルダ17にシール部30を取り付けるには、まず、第2シール本体32の第1シール本体31側からコネクタ部43の嵌着部93を通す。そして、コネクタ部43のベース部91に第2シール本体32を装着した後、ホルダ本体42の外周面42a寄りの端面42bに、第1シール本体31を取り付ける。これにより、ブラシホルダ17へのシール部30の取り付けが完了する。
【0040】
(ブラケット)
図1、
図3〜
図5に示すように、ブラケット18は、例えば、アルミダイキャストによって形成されたものであって、ブラシホルダ17を外側から覆うように略お椀状に形成されている。そして、ブラケット18は、ブラシホルダ17を収納するブラシホルダ収納部61と、ブラシホルダ収納部61よりも底部18a側に、段差により縮径形成されているパッキン配置部62と、パッキン配置部62よりも底部18a側に、段差により縮径形成されているブラシホルダ内嵌部63とを有している。
【0041】
そして、ブラケット18は、ブラシホルダ収納部61の開口部61aをヨーク2側に向けた状態で配置されており、開口部61aの周縁部64と、ヨーク2の外フランジ部22とが当接するようになっている。また、ブラケット18の外周面18bには、3つの台座部65が周方向にほぼ等間隔に設けられている。各台座部65は、ブラケット18と一体成形されている。各台座部65には、不図示のボルトを挿通可能な挿通孔65aと、ヨーク2を固定するための雌ネジ部65bとが形成されている。
【0042】
一方、ヨーク2の外フランジ部22にも不図示のボルトを挿通可能な挿通孔22aとブラケット18の雌ネジ部65bに対応した位置に不図示の挿通孔が形成されている。そして、ヨーク2は不図示のねじがヨーク2の挿通孔を介してブラケット18の雌ネジ部65bに螺合されて固定される。また、これらブラケット18の挿通孔65aと、ヨーク2の挿通孔22aとに不図示のボルトが挿通され、ディファレンシャル装置80に形成されている不図示の雌ネジ部にボルトが締結固定されることにより、電動モータ1が固定される。
【0043】
また、ブラケット18の外周面18bには、径方向外側に向かって突出する断面略四角状の突出部66が一体成形されている。この突出部66の断面中央には、突出部66の長手方向に沿って通気路67が形成されている。通気路67の先端側は、突出部66の先端で開口されている一方、通気路67の基端側は、ブラシホルダ内嵌部63の内周面で開口されている。これにより、ブラケット18の内外が通気路67を介して連通される。
【0044】
さらに、通気路67には、ブラケット18の外側からブリーザパイプ90が圧入固定されている。ブリーザパイプ90は、略L字状に形成されており、その先端が鉛直方向上方を向くように取り付けられ、先端にブリーザホース(不図示)が取付けられ、車体上方に向かって配置されている。これにより、電動モータ1の内部に、ブリーザパイプ90の開口を介して水や油が侵入してしまうのを防止できる。
【0045】
ブラシホルダ収納部61の内径は、ブラシホルダ17のホルダ本体42の外径よりも若干大きくなる程度に設定されている。これにより、ブラシホルダ収納部61にブラシホルダ17が収納される。ブラシホルダ17が収納された状態では、ブラシホルダ17のホルダ本体42の外周面42aと、ブラシホルダ収納部61の内周面との間に、若干の隙間が形成される。
【0046】
また、ブラケット18の周縁部64の内縁側には、シール部30のホルダ本体Oリング34を受け入れ可能なOリング溝69が形成されている。ブラケット18のブラシホルダ収納部61にブラシホルダ17が収納された状態では、Oリング溝69にホルダ本体Oリング34が載置されるようになっている。これにより、ヨーク2の外フランジ部22とブラケット18の周縁部64との間のシール性が確保される。
【0047】
図5に詳示するように、ブラシホルダ収納部61よりも底部18a側に形成されているパッキン配置部62には、底面62aの内周面62b側に、軸方向から平面視した場合、円環状の凹部71が形成されている。これにより、パッキン配置部62全体としては2段構造になっている。そして、パッキン配置部62の底面62aには、2段構造に対応するように形成されたブラケットパッキン70が載置されている。
【0048】
このブラケットパッキン70上に、ブラシホルダ17におけるホルダ本体42の端面42cが載置される。また、ブラシホルダ17におけるホルダ本体42の端面42cには、ブラケット18の凹部71に対応する部位に、円環部76が立ち上がり形成されている。この円環部76がブラケット18の凹部71に臨まされており、ブラケットパッキン70に円環部76の先端が接触した状態になっている。
【0049】
すなわち、ブラシホルダ17は、ヨーク2とブラケット18とに、それぞれシール部30とブラケットパッキン70とを介して保持された状態になっている。換言すれば、ブラシホルダ17は、シール部30とブラケットパッキン70とによって、ヨーク2とブラケット18との間にフローティング状態で保持された状態になっている。
【0050】
また、シール部30の第1シール本体31が、ブラシホルダ17のホルダ本体42と、ヨーク2の外フランジ部22(
図1参照)との間を挟持するホルダ本体パッキン33と、ホルダ本体42よりも径方向外側に位置するヨーク2の外フランジ部22とブラケット18の周縁部64との間に挟持されてシール性を確保するホルダ本体Oリング34と、により構成されている。このため、所謂2重シール構造で電動モータ1内部の気密性が確保される。
【0051】
パッキン配置部62よりも底部18a側に形成されているブラシホルダ内嵌部63には、ブラシホルダ17のブラケット側インロー部57がインロー嵌合されている。
また、ブラシホルダ内嵌部63には、径方向中央に軸受ハウジング72が一体成形されている。この軸受ハウジング72には、回転軸5の下端側を回転可能に支持するための軸受73が保持されている。
【0052】
さらに、ブラケット18の底部18aには、筒状のシール保持部74が軸方向下方に向かって立設されている。このシール保持部74に、オイルシール75が取り付けられている。回転軸5の下端は、軸受73及びオイルシール75を介してディファレンシャル装置80側に向かって延出している。そして、回転軸5の下端には、ジョイント部材83を介してオイルポンプ81の駆動軸84が連結されている。
【0053】
(凸部)
図6は、
図1のA矢視図である。
ここで、
図4〜
図6に示すように、ブラケット18の外周面18bには、コネクタ部43に対応する箇所に、径方向外側に向かって突出する凸部101が一体成形されている。凸部101の左右方向の幅は、コネクタ部43のベース部91の左右方向の幅よりも大きく形成されている。そして、凸部101の大部分に、コネクタ部43のベース部91及び屈曲部92を受け入れる凹部102が形成されている。
【0054】
すなわち、凸部101は、ベース部91の付け根部91aに取り付けられる第2シール本体32よりも径方向外側に突出するように設けられている。そして、凸部101により、ベース部91の下側面91b及び屈曲部92のベース部91との接続部周辺が覆われた状態になっている。
【0055】
凹部102の後側には、凸部101の厚さ方向、つまり、鉛直方向に貫通する水抜き孔103が形成されている。水抜き孔103の開口部103aの左右方向の幅は、凹部102の幅と略一致するように形成されている。
すなわち、水抜き孔103は、開口部103aが左右方向に長くなるように略長方形状に形成されており、前側面103bと、この前側面103bに対向する後側面103cと、前側面103bと後側面103cとを連結し、左右方向で対向する右側面103d及び左側面103eとを有している。
【0056】
ここで、水抜き孔103は、前側面103bの上縁部の位置が、シール部30のコネクタOリング36の位置とほぼ一致するように形成されている。
また、水抜き孔103の前側面103bには、下部に後方に向かって突出する第1凸条部104が形成されている。第1凸条部104は、水抜き孔103の左右方向全体に渡って形成されている。
【0057】
さらに、凸部101の後端下部には、第1凸条部104よりも下側に向かって突出する張出部107が一体成形されている。そして、この張出部107の後側面103cに、前方に向かって突出する第2凸条部105が形成されている。第2凸条部105も水抜き孔103の左右方向全体に渡って形成されている。
これら2つの凸条部104,105によって、水抜き孔103には、ラビリンス部106が形成される。
【0058】
ここで、水抜き孔103の後側面103cと第1凸条部104との間の隙間S1(換言すれば、水抜き孔103の水平方向の最小隙間S1)は、
S1≧3.2mm・・・(1)
を満たすように設定されている。
また、ブラケット18のブラシホルダ収納部61に、ブラシホルダ17を収納した状態において、コネクタ部43のベース部91と第1凸条部104との間の隙間S2(換言すれば、水抜き孔103の鉛直方向の最小隙間S2)は、
S2≧4mm・・・(2)
を満たすように設定されている。
【0059】
図7に基づいて、式(1)、式(2)について詳述する。
図7は、水抜き孔の水平方向の最小隙間及び鉛直方向の最小隙間を決定するための説明図である。
同図に示すように、水平方向の最小隙間S1が3.2mmよりも小さい場合、水滴Wの表面張力によって、最小隙間S1の両側面に水滴Wが跨るように存在してしまう。このため、最小隙間S1に水滴Wが溜まってしまう。これに対し、水平方向の最小隙間S1が3.2mmに達すると、水滴Wが切れ、両側面のそれぞれに水滴Wが形成される。このため、最小隙間S1に水滴Wが溜まることなく、最小隙間S1を水滴Wが通過していく。
【0060】
一方、鉛直方向の最小隙間S2が4mmよりも小さい場合、水滴Wの表面張力によって、最小隙間S2の両側面に水滴Wが跨るように存在してしまう。このため、最小隙間S2に水滴Wが溜まってしまう。これに対し、鉛直方向の最小隙間S2が4mmに達すると、水滴Wが切れ、両側面のそれぞれに水滴Wが形成される。このため、最小隙間S2に水滴Wが溜まることなく、最小隙間S2を水滴Wが通過していく。
【0061】
このようなことから式(1)及び式(2)を決定した。そして、水平方向の最小隙間S1が式(1)を満たし、且つ鉛直方向の最小隙間S2が式(2)を満たすことにより、水抜き孔103内の水滴Wがスムーズに通過できる。
【0062】
また、
図4、
図6に詳示するように、ブラケット18の凸部101の後端には、コネクタ部43の屈曲部92の周囲を取り囲むように、防水壁108が設けられている。より具体的には、防水壁108は、凹部102の後端側周縁から鉛直方向に沿うように立ち上がり形成されており、後方から見て略コの字状になっている。防水壁108は、凹部102とコネクタ部43との間に水が入りにくくするための壁である。
【0063】
(電動モータ及びオイルポンプの動作)
このような構成のもと、ブラシホルダ17のコネクタ部43に、外部電源から延びる外部コネクタ(何れも不図示)を嵌着させると、端子51、ピグテール50、ブラシ41、及びコンミテータ13のセグメント14を介してアーマチュアコイル7に電流が供給される。すると、アーマチュアコア6の各ティース9に磁界が発生し、この磁界とヨーク2の永久磁石4とに磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、アーマチュア3が回転し、さらにアーマチュア3の回転軸5に連結されているオイルポンプ81の駆動軸84が回転し、オイルポンプ81が駆動する。
【0064】
(ブラケットの凸部の作用)
次に、
図8に基づいて、ブラケット18のコネクタ部43に対応する箇所に形成されている凸部101の作用について説明する。
図8は、凸部の作用説明図である。
ここで、同図に示すように、例えば、電動モータ1のコネクタ部43の周辺に、下方から高圧洗浄等による水が飛散した場合について説明する。
【0065】
このような場合、コネクタ部43のベース部91の下側面91b及び屈曲部92のベース部91との接続部周辺が凸部101により覆われた状態になっているので、ベース部91に直接水がかかることがなく、また、シール部30の第2シール本体32付近にも直接水がかかることがない。このため、コネクタ部43(ブラシホルダ17)とブラケット18との間から、電動モータ1の内部に水が浸入してしまうことを防止できる。
【0066】
また、ブラケット18の凸部101の後端に、防水壁108が設けられている。ここで、防水壁108は、コネクタ部43の屈曲部92の周囲を取り囲むように形成されている。つまり、電動モータ1を斜め下方から見たとき、防水壁108は、コネクタ部43のベース部91と、凸部101に形成された凹部102との間を閉塞した状態になっている。このため、さらに、コネクタ部43(ブラシホルダ17)とブラケット18との間から水が浸入しにくくなっている。
【0067】
次に、仮にコネクタ部43と凸部101との間に水が浸入した場合について説明する。
このような場合、凸部101に水抜き孔103が形成されているので、この水抜き孔103を通って水滴Wが下方に垂れ落ちる。このため、コネクタ部43と凸部101との間に水が溜まり、ブラケット18が腐食等してしまうことを防止できる。
【0068】
また、水抜き孔103は、前側面103bの上縁部の位置が、シール部30のコネクタOリング36の位置とほぼ一致するように形成されている。このため、コネクタ部43のベース部91(下側面91b)と、凸部101と、シール部30のコネクタOリング36とによって、袋小路となる箇所が形成されない。換言すれば、コネクタ部43のベース部91と凸部101との間に、水滴Wが溜まってしまう箇所が形成されない(
図8のA部参照)。このため、水抜き孔103に水滴Wが留まることなく、下方へと垂れ落ちる。
【0069】
さらに、水抜き孔103の後側面103cと第1凸条部104との間の隙間S1が式(1)を満たすように設定され、コネクタ部43のベース部91と第1凸条部104との間の隙間S2が式(2)を満たすように設定されているので、水抜き孔103内を水滴Wがスムーズに通過する。つまり、水抜き孔103内に水滴Wが溜まることなく、下方へと垂れ落ちる。
【0070】
ここで、水抜き孔103は、凸部101の厚さ方向、つまり、鉛直方向に貫通するように形成されているので、下方から高圧洗浄等による水が飛散した場合、水抜き孔103の下方から水が浸入する恐れがある。しかしながら、水抜き孔103の下部には、ラビリンス部106が形成されているので、水抜き孔103の下方から水が浸入しにくくなる。
【0071】
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、ブラケット18の外周面18bに、コネクタ部43に対応する箇所に凸部101を一体成形したので、水が浸入し易いコネクタ部43の鉛直方向下方の防水性を向上させることができる。また、凸部101に水抜き孔103を形成しているので、コネクタ部43と凸部101との間に水が溜まるのを防止でき、効率よく排水させることができる。このため、下方からの高圧洗浄等による水の飛散に対し、電動モータ1の防水性を向上させることが可能になる。
【0072】
また、凸部101の後端に、コネクタ部43の屈曲部92の周囲を取り囲むように鉛直方向に沿って立ち上がる防水壁108を設けたので、コネクタ部43と凸部101との間に水が浸入してしまうことを、より確実に防止できる。
さらに、水抜き孔103の下部にラビリンス部106が形成されているので、水抜き孔103の下方から水の浸入を抑制でき、さらに、電動モータ1の防水性を向上させることが可能になる。
【0073】
そして、水抜き孔103は、前側面103bの上縁部の位置が、シール部30のコネクタOリング36の位置とほぼ一致するように形成されているので、コネクタ部43のベース部91と凸部101との間に、水滴Wが溜まってしまう箇所が形成されてしまうことを防止できる。このため、水抜き孔103に水滴Wが留まることなく、下方へと排水することができ、ブラケット18の腐食等を防止することが可能になる。
【0074】
また、水抜き孔103の後側面103cと第1凸条部104との間の隙間S1が式(1)を満たすように設定され、コネクタ部43のベース部91と第1凸条部104との間の隙間S2が式(2)を満たすように設定されているので、水抜き孔103内の水滴Wを、スムーズに下方へと排水することができる。このため、ブラケット18の腐食等を確実に防止することができる。
【0075】
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ディファレンシャル装置80に電動モータ1を組み付け、この電動モータ1を、ディファレンシャル装置80内に設けられているオイルポンプ81を駆動するために用いる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途で電動モータ1を用いることができる。
【0076】
また、上述の実施形態では、ブラシホルダ17にシール部30を設け、このシール部30が、ホルダ本体42に取り付けられる第1シール本体31とコネクタ部43のベース部52に取り付けられる第2シール本体32とが一体成形されたものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第1シール本体31と第2シール本体32とを別体で構成してもよい。
【0077】
さらに、上述の実施形態では、凸部101の厚さ方向、つまり、鉛直方向に貫通するように、水抜き孔103を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、水抜き孔103は、コネクタ部43と凸部101との間に侵入した水を排水できる構造になっていればよい。