(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1の技術によれば、合流部の冷水又は温水温度を設定値に調整することは可能となるが、冷水及び温水について合流部温度をともに標準出口温度に調整する技術に関しては開示がない。
本発明はこのような課題を解決すべく、冷水及び温水の合流部温度をともに設定値(標準出口温度)に調整可能とする冷温水供給システムの運転制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の内容を要旨とする。すなわち、本願発明に係る冷温水供給システムの運転制御方法は、
(1)いずれも1以上の冷温水同時供給熱源機と、冷水熱源機と、温水熱源機と、を備え、
各熱源機で作られる冷水又は温水をそれぞれ合流させて、負荷側に分配供給する冷温水供給システムにおいて、
1以上の冷水熱源機又は温水熱源機の少なくともいずれか一方の熱源機が運転中の場合には、
冷温水同時供給熱源機について、冷水又は温水のいずれか一方の負荷を充足するように運転するとともに、
当該運転中熱源機(以下、安定化熱源機という)について、不足する他方の負荷を補完するように運転する、ことを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)の発明において、前記他方の負荷の補完を、合流部における温水又は冷水の温度を所定の供給温度範囲に維持するように、前記安定化熱源機の出口温度を制御することにより行う、ことを特徴とする。
【0008】
(3)上記(1)、(2)の発明において、前記安定化熱源機が冷水熱源機である場合において、各冷水熱源機について所定の時間間隔で、
前回の合流部冷水温度(Tcs(r-1))(r:繰り返し回数)と、各熱源機の冷水出口設定温度(CT(r-1))、に対応して定まる前回冷水状態(Sm(r-1):m=1〜4)、及び、
今回の合流部冷水温度(Tcs(r))
に基づいて、今回の各熱源機の冷水出口設定温度(CT(r))を定めることを繰り返し行うことにより、合流部冷水温度(Tcs)を目標とする冷水温度範囲に制御する、ことを特徴とする。
【0009】
(4)上記(1)、(2)の発明において、前記安定化熱源機が温水熱源機である場合において、各温水熱源機について所定の時間間隔で、
前回の合流部温水温度(Ths(r-1))(r:繰り返し回数)と、各熱源機の温水出口設定温度(HT(r-1))の標準温度(HTs)からの偏差と、に対応して定まる前回温水状態(Sm(r-1):m=5〜8)、及び、
今回の合流部温水温度(Ths(r))
に基づいて、今回の各熱源機の温水出口設定温度(HT(r))を定めることを繰り返し行うことにより、
合流部温水温度(Ths)を目標とする温水温度範囲に制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、冷温水同時供給熱源機から供給される冷水又は温水の温度が成り行きとなっても、合流部における冷水又は温水ヘッダーの温度を目標値に近づけるように、安定化熱源機の出口設定温度を制御することにより、空調対象の建物等に安定した温度の冷温水の供給が可能となる。これにより、冷温水温度管理が厳しい建物等に対しても、省エネ性に優れる冷温水同時供給熱源機の導入が可能となる。
また、電動の冷温水同時供給熱源機を用いたシステムでは、蓄熱槽を用いて冷水温度の確保を実現しているが、放熱ロスがあり省エネの観点では望ましくない場合もある。
本発明によれば、リアルタイムに他の熱源機を活用して冷温水温度を確保することができるため、供給温度を安定的に確保しつつ、高い省エネ性を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る冷温水供給システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】冷温水供給システム1の運転制御フローを示す図である。
【
図3】冷温水同時供給熱源機2の温水主モード運転時における冷水熱源機3による冷水温度安定化制御フローを示す図である。
【
図4(a)】冷水出口設定温度の設定フロー(その1)を示す図である。
【
図4(b)】冷水出口設定温度の設定フロー(その2)を示す図である。
【
図4(c)】冷水出口設定温度の設定フロー(その3)を示す図である。
【
図4(d)】冷水出口設定温度の設定フロー(その4)を示す図である。
【
図4(e)】冷水出口設定温度の設定フロー(その5)を示す図である。
【
図5(a)】前回冷水状態Sm(r-1)、及び、今回冷水往ヘッダー温度(Tcs)と目標温度(Tt)からの乖離温度と、出口設定温度(CT_j)の関係を示す図(テーブルA)である。
【
図5(b)】冷水往ヘッダー温度(Tcs)状態に対応する安定化熱源機の出口設定温度(CT_j)の制御態様を示す図である。
【
図6】冷温水同時供給熱源機2の冷水主モード運転時における温水熱源機4による温水温度安定化制御フローを示す図である。
【
図7(a)】温水出口設定温度の設定フロー(その1)を示す図である。
【
図7(b)】温水出口設定温度の設定フロー(その2)を示す図である。
【
図7(c)】温水出口設定温度の設定フロー(その3)を示す図である。
【
図7(d)】温水出口設定温度の設定フロー(その4)を示す図である。
【
図7(e)】温水出口設定温度の設定フロー(その5)を示す図である。
【
図8(a)】前回温水状態Sm(r-1)、及び、今回温水往ヘッダー温度(Ths)と目標温度(Tt')からの乖離温度と、出口設定温度(HT_k)の関係を示す図(テーブルB)である。
【
図8(b)】温水往ヘッダー温度(Ths)状態に対応する安定化熱源機の出口設定温度(HT_k)の制御態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態についてさらに詳細に説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
図1を参照して、本実施形態に係る冷温水供給システム1は、冷水・温水を製造して負荷側に供給する熱源機系統1Aと、熱源機系統1Aで作られた冷水・温水を消費する負荷系統1Bと、熱源機系統1Aに属する各熱源機2,3,4で作られた冷水・温水を集約して負荷系統1Bに分配供給し、また、負荷系統1Bからの還水を集約して熱源機系統1Aに還流させる供給系統1Cと、システム全体の制御を行う制御系統1Dと、により構成されている。
【0013】
<システム構成>
熱源機系統1Aは、いずれも1台以上の冷温水同時供給熱源機2(例えば吸収冷温水機:以下、冷温水熱源機2、又は、熱源機2と略記する場合がある)と、冷水熱源機(例えば電動チラー)3と、温水熱源機(例えば温水ボイラー)4と、により構成されている。
【0014】
負荷系統1Bは、例えば地域熱供給、業務用、産業用等の複数の需要家群(需要家9(1)〜9(n))により構成されている。
供給系統1Cは、各熱源機で製造された冷水又は温水を集約して各需要家に分配する往水側冷水ヘッダー5、温水ヘッダー7と、各需要家からの還水を集約して各熱源機に還流させる還水側冷水ヘッダー6、温水ヘッダー8と、各熱源機と各ヘッダーとを結ぶ一次側配管群と、各需要家と各ヘッダーとを結ぶ二次側配管群と、により構成されている。
【0015】
往水側冷水ヘッダー5、温水ヘッダー7には、ヘッダー内の冷水温度Tcs又は温水温度Ths を計測する温度計13、14が、それぞれ配設されている。
需要家9(1)〜9(n)と還水側冷水ヘッダー6を結ぶ還水配管6a(1)〜6a(n)には、それぞれ流量計Fc(i)(i=1〜n)が介装されている。また、需要家9(1)〜9(n)と還水側温水ヘッダー8を結ぶ還水配管8a(1)〜8a(n)には、それぞれ流量計Fh(i)(i=1〜n)が介装されている。
【0016】
さらに、各熱源機と往水側ヘッダー5,7とを結ぶ一次側往水配管2a、2b、3a、4aには、それぞれ一次循環ポンプ10a乃至10dが介装されている。また、往水側ヘッダー5,7と需要家9(1)〜9(n)とを結ぶ二次側往水配管5a(1)〜5a(n)、及び7a(1)〜7a(n)には、それぞれ二次循環ポンプ11(i)、12(i)が介装されている。
【0017】
冷温水供給システム1の制御系統1Dは、熱源機系統1Aの配管経路中に配設される冷水流量計Fc(i)及び温水流量計Fh(i)、ヘッダー温度計13,14と、これら各流量計及び温度計の計測値に基づいて、熱源機系統1A側に以下の運転指令を行う統合制御装置15と、により構成されている。
【0018】
<基本制御フロー>
冷温水供給システム1は以上のように構成されており、次に
図2を参照して統合制御装置15が行う冷温水供給温度の安定化制御の態様について説明する。
制御中は冷水熱源機3、温水熱源機4の運転状況の確認が行われる(S101)。具体的には、まずいずれかの冷水熱源機3が運転中か否かが判定される(S102)。
冷水熱源機3が運転中の場合には(S102においてY)、さらにいずれかの温水熱源機4が運転中か否かが判定される(S103)。
【0019】
両熱源機がともに運転中である場合には(S103においてY)、冷温水熱源機2が供給する冷水又は温水のいずれか一方の出口温度が成り行きになっても、冷水熱源機3又は温水熱源機4により補完可能であるため、冷温水熱源機2は現在の運転モードを継続する(S104)。
ただし、冷温水供給温度の安定化制御の開始時(運転制御フローの第1サイクル目:Z=1(S100))は、ユーザーが冷温水同時供給熱源機の運転モードを指定する、または、往水側と還水側の冷水ヘッダーの温度差と冷水側流量計により演算される熱量(建物の冷房需要)、および、往水側と還水側の温水ヘッダーの温度差と温水側流量計により演算される熱量(建物の暖房需要)、とを比較し、需要の大きいほうを冷温水同時供給熱源機の運転モードとする(例えば、冷房需要が暖房需要を上回る場合には、冷温水同時供給熱源機は冷房主モードで運転される)(S100a、S100b)。
S103においてN、すなわち冷水熱源機3のみ運転中の場合には、冷水熱源機3のみが安定化機として補完可能であるため、冷温水熱源機2は温水負荷を充足させるための温水主モードで運転する(S105)。この場合の冷水熱源機3による冷水温度安定化制御の詳細内容については後述する。
【0020】
S102においてN、すなわち冷水熱源機3が運転停止状態の場合には、いずれかの温水熱源機4が運転中か否かが判定される(S106)。運転中である場合には(S106においてY)、温水熱源機4のみ安定化機として補完可能であるため、冷温水熱源機2は冷水主モードで運転する(S108)。この場合の温水熱源機4による温水温度安定化制御の詳細内容についても後述する。
【0021】
S106においてN、すなわち冷水熱源機3、温水熱源機4のいずれもが運転停止状態の場合には、安定化機として補完可能な熱源機が存在しないため(S107)、他の手段、例えば他系統システムからの融通等を行うことになる。なお、実際にはこのような状態が発生しないように設計段階で考慮されている。
冷温水熱源機2の運転モードを更新し、所定のタイマー設定時間(t1)経過後(S109においてY)、Z=Z+1(S110)としてS101に戻り、上記ステップを繰り返し行う。
【0022】
<冷水温度安定化制御>
次に、冷温水熱源機2が温水主モードで運転している場合の、冷水熱源機3による冷水温度安定化制御の内容について説明する。
図2のS105において、冷温水熱源機2が温水主モード運転の場合には、
図3のS201に移行し、統合制御装置15は運転中の冷水熱源機3を安定化機に指定する(S202)。次に、制御繰り返し回数の初期値としてr=1に設定する(S203)。以下の説明では、便宜的に制御が一定回数繰り返された状態(r=r)を想定する。
【0023】
まず、少なくとも1台の冷水熱源機3が運転中か否かが判定される(S204)。運転中でない場合には(S204においてN)、S208にスキップする。
運転中である場合には(S204においてY)、今回の冷水ヘッダー温度(請求項の合流部冷水温度に該当)(Tcs(r))が測定される(S205)。
次いで、後述する
図4(a)〜4(e)のフローに従い、今回の熱源機出口設定温度(CT(r))を決定する(S206)。
【0024】
CT(r)決定後、制御安定のためのタイマー(t2:例えば0〜60分)経過後に(S207においてY)、本制御を継続する場合は(S208においてY)、r=r+1に更新して(S209)、上記制御を繰り返し行う。何らかの理由により本制御を継続しない場合には(S208においてN)、本制御を終了する(S210)。
【0025】
以下、熱源機出口設定温度(CT(r))の具体的決定方法について説明する。
冷水往ヘッダー温度(Tcs(r))と、各熱源機の冷水出口設定温度(CT(r))に対応して、表1の通り冷水状態(Sm(r):m=1〜4)を定義する。Sm(r)は
図5(b)のように示される。
【0027】
同表において使用する記号の内容は以下の通りである。
Tt:Tcsの目標温度(ユーザーが任意に設定可能)
x:Ttからの乖離温度(0〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
y:Ttからの乖離温度(0〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
z:Ttからの乖離温度(y〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
CT_j:各安定化機の出口設定温度
CTs_j:各安定化機の標準出口設定温度
(jは安定化機の番号。なお、各機で異なる標準出口設定温度を採用してもよい)
α:CTs_jからの下げ温度(0〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
β:CTs_jからの下げ温度(α〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
【0028】
次に、各安定化熱源機(1〜j)について、前回(r−1)の冷水状態(Sm(r−1)=S1〜S4)に対応して、
図4(a)乃至4(e)の各フローに従って、今回の出口設定温度を決める。例えば
図4(a)を参照して、前回の冷水状態がS1である場合には(S302においてY)、S3010(
図4(b))に移行する(S303)。さらに
図4(b)を参照して、Tcs≦Tt+yか否かを判定する(S3011)。
【0029】
Tcs≦Tt+yの場合には(S3011においてY)、出口設定温度(CT(r))をCT_j=CTs_jに設定する(S3012)。これに伴い、次回冷水状態Sm(r)=S1となる(S3013)。
Tcs>Tt+yの場合には(S3011においてN)、出口設定温度(CT(r))をCT_j=CTs_j−αに設定する(S3015)。これに伴い、次回冷水状態Sm(r)=S3となる(S3016)。
【0030】
前回冷水状態がS2乃至S4の場合についても、S1の場合と同様に
図4(c)乃至4(e)のフローに従い今回の出口設定温度を定める。
【0031】
以上の結果を纏めると、前回冷水状態(Sm(r-1))、及び、今回の冷水往ヘッダー温度(Tcs(r))と目標温度(Tt)からの乖離温度との大小関係に従い、出口設定温度(CT(r))は
図5(a)のテーブルAの通り示される。
このような制御により、各安定化熱源機の出口設定温度と冷水往ヘッダー温度とは、時間的経過に伴い
図5(b)の太線の経路で制御され、目標とする冷水温度範囲に維持されることになる。
以上の制御により、冷温水同時供給熱源機から製造される成り行き温度の冷水を、他の冷水熱源機により補完することができ、システム全体として冷水供給温度の安定化が可能となる。
【0032】
<温水温度安定化制御>
次に、冷温水熱源機2が冷水主モードで運転している場合の、温水熱源機4による温水温度安定化制御の内容について説明する。
図2のS108において、冷温水熱源機2が冷水主モード運転の場合には、
図6のS401に移行し、統合制御盤15は運転中の温水熱源機4を安定化機に指定する(S402)。次に、制御繰り返し回数の初期値としてr=1に設定する(S403)。以下の説明では、制御が一定回数繰り返された状態(r=r)を想定する。
【0033】
まず、少なくとも1台の温水熱源機4が運転中か否かが判定される(S404)。運転中でない場合には(S404においてN)、S408にスキップする。
運転中である場合には(S404においてY)、今回の温水ヘッダー温度(請求項の合流部温水温度に該当)(Ths(r))が測定される(S405)。
次いで、後述する
図7(a)〜7(e)のフローに従い、今回の熱源機出口設定温度(HT(r))を決定する(S406)。
【0034】
HT(r)決定後、制御安定のためのタイマー(t3:例えば0〜60分)経過後に(S407においてY)、本制御を継続する場合は(S408においてY)、r=r+1に更新して(S409)、上記制御を繰り返し行う。何らかの理由により本制御を継続しない場合には、(S408においてN)本制御を終了する(S410)。
【0035】
以下、熱源機出口設定温度(HT(r))の具体的決定方法について説明する。
温水往ヘッダー温度(Ths(r))と、各熱源機の温水出口設定温度(HT(r))に対応して、表2の通り温水状態(Sm(r):m=5〜8)を定義する。Sm(r)は
図8(b)のように示される。
【0037】
同表において使用する記号の内容は以下の通りである。
Tt':Thsの目標温度(ユーザーが任意に設定可能)
x:Tt'からの乖離温度(0〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
y:Tt'からの乖離温度(0〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
z:Tt'からの乖離温度(y〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
HT_k:各安定化機の出口設定温度
HTs_k:各安定化機の標準出口設定温度
(kは安定化機の番号。なお、各機で異なる標準出口設定温度を採用してもよい)
α:HTs_kからの上げ温度(0〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
β:HTs_kからの上げ温度(α〜3℃: ユーザーが任意に設定可能)
なお、x、y、z、α、βについては、上述の冷水温度安定化制御において用いた値と異なっていてもよい。
【0038】
次に、各安定化熱源機(1〜k)について、前回(r−1)の温水状態(Sm(r−1)=S5〜S8)に対応して、
図7(a)乃至7(e)の各フローに従って、今回の出口設定温度を定める。例えば
図7(a)を参照して、前回の温水状態がS5である場合には(S502においてY)、S5010(
図7(b))に移行する(S503)。さらに
図7(b)を参照して、Ths≧Tt’−yか否かを判定する(S5011)。
【0039】
Ths≧Tt’−yの場合には(S5011においてY)、出口設定温度(HT(r))をHT_k=HTs_kに設定する(S5012)。これに伴い、次回温水状態Sm(r)=S5となる(S5013)。
Ths<Tt’−yの場合には(S5011においてN)、出口設定温度(HT(r))をHT_k=HTs_k+αに設定する(S5015)。これに伴い、次回温水状態Sm(r)=S7となる(S5016)。
【0040】
前回温水状態がS6乃至S8の場合も、S5の場合と同様に
図7(c)乃至7(e)のフローに従い今回の出口設定温度を定める。
以上の結果を纏めると、前回温水状態(Sm(r-1))、及び、今回の温水往ヘッダー温度(Ths(r))と目標温度(Tt')からの乖離温度との大小関係に従い、出口設定温度(HT(r))は
図8(a)のテーブルBの通り示される。
【0041】
このような制御により、各安定化熱源機の出口設定温度と温水往ヘッダー温度とは、時間的経過に伴い
図8(b)の太線の経路で制御され、目標とする温度範囲に維持されることになる。
以上の制御により、冷温水同時供給熱源機から製造される成り行き温度の温水を、他の温水熱源機により補完することができ、システム全体として温水供給温度の安定化が可能となる。