【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、本発明の目的は、後縁、前縁、内端、外端、吸込み側と一致する上面、および圧迫側と一致する底面を含む、入射流から揚力を生成するための翼を提供することによって達成される。
【0012】
「揚力」は、翼に作用する入射流によって生成された任意の力と定義されることができる。
【0013】
入射流は任意の流体で構成することができる。流体は、任意の組成の気体または液体とすることができる。例えば、気体は空気とすることができ、あるいは液体は水、特に海水とすることができる。
【0014】
入射流は、流体が翼に対して移動することから生じることができる。あるいは、入射流は、翼が流体に対して移動することから生じることもできる。
【0015】
前縁は翼の前端に位置しており、流れを、上面をたどる流れと底面をたどる流れとに分離する。
【0016】
後縁は翼の後端に位置しており、分離された流れは上面および底面の上を通過してから後縁で合流する。
【0017】
翼の内端は翼の根端に面することができる。外端は翼の先端に面することができる。前縁、後縁、内端および外端は上面および底面を取り囲み、上面および底面は分離された面になる。
【0018】
翼は、横断面において、翼形の前縁と後縁との間の直線によって画定される翼弦線を有する翼形をさらに含む。
【0019】
翼形は断面で見られる翼の形状である。翼形は任意の形状とすることができる。翼形の形状は、翼形の形状に応じて揚力分布を提供する。翼形はよく知られており、翼形の形状はNACA番号で表されることが多い。
【0020】
翼形は、上面が底面での圧力より低い圧力になる吸込み側と一致するように設計される。底面は、上面での圧量より高い圧力になる圧迫側と一致する。
【0021】
翼形は、上面の上の前縁と後縁との間の距離が底面の上の前縁と後縁との間の距離より大きくなるように、上反りにされることが好ましい。
【0022】
これは、翼が揚力を生成することができるという利点を有する。さらなる利点は、上反りにされた翼形が、上面と底面との間に収納に使用されうる容積を与えることができることである。例えば、この容積は、ケーブルおよびワイヤを案内しかつ/または制御サーボなどの制御機構を置くために使用されることができる。
【0023】
断面で見られるように、揚力は入射流に対する翼の迎え角によっても生成されうる。迎え角は、翼の翼弦線と、翼と入射流との間の相対運動を表すベクトルと、の間の角度である。
【0024】
翼は、翼弦線と直交する、内端から外端に向かって延びるスパン方向も含む。
【0025】
正のスパン方向は、内端から外端に向かって外に向けられる。
【0026】
前縁は、内端と外端との間のキンク(kink)を含む。
【0027】
キンクは、180°未満の角度を有するとともに、翼弦線と平行な前進方向を指す形状を有することが好ましい。前進方向は、後縁から前縁に向かって延びる。
【0028】
入射流が前縁のキンクに達したときに、翼の上面をたどるキンク渦が生成される。キンク渦はスピニング流れ(spinning flow)である。スピニング流れは乱流または層流でもよい。キンク渦は、内端に面している側でキンクを通過する流れが外端に面している側を通過する流れとは異なる圧力を有するので、生成されることができる。キンク渦は、流れと上面との間の流れの分離を遅らせる。さらに、キンク渦は、流れがスピニングするためにより大きなエネルギーを含んでいるので、キンク渦は上面に付着し、後縁に向かって上面をたどる。キンク渦は上面に付加的な表面を形成する。このことは、キンク渦を覆う層流をもたらすことができる。層流は、キンク渦が存在しなかったときに比べて前縁から後縁に向かってより長い距離を移動しなければならない。これにより上面と底面との間の圧力差が大きくなり、付加的な揚力をもたらす。
【0029】
前縁は、スパン方向に対して0°〜90°の角度を呈する、キンクに向かって延びる内端とキンクとの間の前方スイープ部をさらに含む。
【0030】
前縁は、キンクに向かって延び、かつ、内端に面している前方スイープ部を含む。正の延長部が内端からキンクに向かって画定され、前進方向にスパン方向と正の角度を成す。前進方向は、流れの上流側、すなわち後縁から前縁に向かう方向を指す。
【0031】
別の実施形態では、スパン方向に対する前方スイープ部の角度は0°〜60°であり、別の実施形態では0°〜45°であり、別の実施形態では0°〜30°であり、別の実施形態では5°〜30°である。
【0032】
前縁は、スパン方向に対して0°〜−90°の角度を呈する、キンクから延びるキンクと外端との間の後方スイープ部を含む。
【0033】
前縁は、キンクから外端に向かって延びる後方スイープ部を含む。正の延長部がキンクから外端に向かって画定され、後退方向にスパン方向と負の角度を成す。後退方向は、流れの下流側、すなわち前縁から後縁に向かう方向を指す。
【0034】
別の実施形態では、スパン方向に対する後方スイープ部の角度は0°〜−60°であり、別の実施形態では0°〜−45°であり、別の実施形態では0°〜−30°であり、別の実施形態では−5°〜−30°である。
【0035】
上面は、キンクと外端との間の前縁部の間に少なくとも部分的に位置し、かつ、前縁と後縁との間に位置する、揚力を制御するための流量制御手段を備える。
【0036】
キンクの角度は180°未満であること、すなわち、前方スイープ部と後方スイープ部との間の角度は180°未満であることが好ましい。
【0037】
付加的な揚力をもたらすことができるキンク渦が生成されうることが有利である。
【0038】
キンク渦中に流量制御手段を置くことにより、付加的な揚力は流量制御手段によって制御されることができる。キンク渦は付加的な揚力を生成するので、流量制御手段を用いてキンク渦を妨げることは、揚力の変化をもたらすという点で最適となりうる。
【0039】
キンクによって生成されたキンク渦はキンクの下流側の上面をたどるので、流量制御手段を前縁と後縁との間に、すなわち前縁部の後方に置くことが最適となりうる。「後方」は、後縁に向かう下流側と定義される。前縁部は、キンクと外端との間を外端に向かって延びる。
【0040】
流れを制御することにより、具体的には、流量制御手段を用いてキンク渦を妨げることにより、揚力の変化は最適に生成されることができる。翼形によって生成される揚力が制御されうるだけでなく、キンク渦によって生成される付加的な揚力も制御されうる。これにより、揚力の同じ変化を生成するために必要な流量制御手段は、流量制御手段がキンク渦の外側に位置する場合に比べて小さくすることができる。流量制御が小さくなることにより、揚力の変化に対する十分な制御性を保ちながら、重量を減じ、複雑性を減少し、かつコストを低減することができる。
【0041】
流量制御手段は、ヒンジ付き表面を含むことが好ましい。
【0042】
第1の位置にあるヒンジ付き表面は、上面と共に滑らかな表面を形成する。第1の位置では、入射流には上面にでこぼこが見えず、流れは上面をたどることができる。ヒンジ付き表面は回転されて第2の位置とすることができ、ヒンジ付き表面は上面を妨げる。例えば、第2の位置にあるヒンジ付き表面は、上面と共に0°より大きい角度を成す。キンク渦には上面にでこぼこが見えて、キンク渦が妨げられ、キンク渦から付加的な揚力をもたらさない翼になる。したがって、第2の位置では揚力の変化が起こり、揚力を減少させる。このことは、後縁のフラップまたは補助翼が不要となりうるように、揚力の変化がヒンジ付き表面を使用することによって制御されうるという利点を有する。
【0043】
前方スイープ部は後方スイープ部より急勾配であることが好ましい。このため、キンクは外端よりも内端の近くに位置することになる。このことは、キンクのところで生成されたキンク渦が後縁および外端に向かって上面をたどることができるという利点を有する。外側に移動するキンク渦は、より高い付加的な揚力をもたらすことができる。
【0044】
一実施形態では、流量制御手段は後縁の前に位置する。「前に(before)」は、後縁に対して上流側の前縁に向かう流れと定義される。したがって、流量制御手段は前縁と後縁との間に位置する。流量制御手段は上面によって取り囲まれる。流量制御手段は翼の後縁の一部ではない。
【0045】
このことは、流量制御手段は、流量制御手段がキンクからさらに離れて位置する場合に比べてより小型かつ軽量になりうるという利点を有する。流量制御手段はキンク渦の起点により近接し、付加的な揚力の制御がより効果的になる。これにより、揚力に対して同じまたは十分な制御性を保ちながら、必要な流量制御手段を小さくすることができる。
【0046】
一実施形態では、キンクは内端と外端との間の直線の実質的に3分の1のところに位置し、直線はスパン方向と平行である。
【0047】
この直線の3分の1のところにキンクを配置すると、前方スイープ部は後方スイープ部より急勾配になる。これにより、キンク渦は、上面を外端に向かって、すなわちそれほど急勾配でない後方スイープ部に向かってたどることになる。このことは、キンク渦が外端の方へ向けられることができ、上面をたどるのに十分なスペースが利用可能となりうるという利点を有する。キンク渦が上面をたどる長さが長くなるほど、生成されうる付加的な揚力が大きくなる。この実施形態では、キンクの位置は、キンク渦によって生成される付加的な揚力を最適なものにするとともに、揚力の最適な変化が流量制御手段によって制御されうるという利点を有する。
【0048】
別の実施形態では、前方スイープ部は、スパン方向に対して5°〜40°の前方角を呈する。
【0049】
この範囲の角度は、この範囲の角度により、有意なキンク渦、すなわち上面をたどるのに十分なエネルギーを含むことができるキンク渦を生成できることになるという利点を有する。
【0050】
別の実施形態では、後方スイープ部は、スパン方向に対して−5°〜−40°の後方角を呈する。
【0051】
この範囲の角度は、この範囲の角度により、有意なキンク渦、すなわち上面をたどるのに十分なエネルギーを含むことができるキンク渦を生成できることになるという利点を有する。
【0052】
別の実施形態では、流量制御手段は、キンクと外端との間の前縁部の後方に完全に位置する。
【0053】
したがって、上面に含まれる流量制御手段は、外側に、すなわちキンクから見て外端の方に位置する。
【0054】
このことは、外側へ移動するキンク渦にとって特に有利である。この渦の場合、内側に、すなわちキンクから見て内端の方に部分的に位置する流量制御手段を有する必要はない。このことは、流量制御手段が揚力に対する十分な制御性を保ちながら重量を軽くすることができるという利点を有する。
【0055】
流量制御手段が、前縁と、前縁及び後縁の中間にある基準線との間に位置する、前記請求項の一項に記載の翼。
【0056】
基準線は上面を前縁と後縁との間で分割する。流量制御手段を基準線と前縁との間に配置すると、流量制御手段は後縁よりも前縁に近接する。このことは、キンク渦がキンクの比較的近くで妨げられうるという利点を有する。キンク渦は前縁から後縁に向かって下流に移動するので、キンク渦は流量制御手段によって比較的早く妨げられることができる。このことは、キンク渦が流量制御手段の上を移動せず、その結果、揚力の制御性の効果が低下しうるというリスクを低減することができる。したがって、キンク渦を早期に妨げると、制御性の安全性および確実性を高めることができる。
【0057】
一実施形態では、流量制御手段はヒンジ付き表面を含む。
【0058】
このことは、後縁のフラップまたは補助翼が不要となりうるように、揚力の変化がヒンジ付き表面によって制御されうるという利点を有する。
【0059】
別の実施形態では、ヒンジ付き表面は上面の10分の1未満である。したがって、ヒンジ付き表面の最大面積は上面の10分の1である。
【0060】
このことは、ヒンジ付き表面がキンク渦を妨げるのみに十分となりうるので、さらに大きいヒンジ付き表面が不要となりうるという利点を有する。
【0061】
別の実施形態では、ヒンジ付き表面は上面の20分の1を超える部分を覆う。したがって、ヒンジ付き表面の最小面積は上面の20分の1である。
【0062】
このことは、最小面積のヒンジ付き表面で、揚力の変化の十分な制御性を保ちながら、翼のスパン全体にわたって広がる後縁補助翼と比較して有意な重量減少が得られうるという利点を有する。
【0063】
内端において翼形が上反りにされ、外端において翼形が半対称である、前記請求項の一項に記載の翼。
【0064】
翼形の形状は、内端から外端に向かってスパン方向に沿って変化する。翼形は内端で上反りにされる。上反りの翼形により、共に前縁から始まり後縁で終わる湾曲した上面および湾曲した底面となる。上面での曲率は底面での曲率より大きくなり、その結果、上面は吸込み側になり、底面は圧迫側になる。外端において補助翼は半対称である。半対称の翼形により、共に前縁から始まり後縁で終わる湾曲した上面および平坦な底面となる。この場合もやはり、上面が吸込み側になり、底面が圧迫側になる。
【0065】
翼形を内端から外端にかけて変化させることの利点は、これにより翼が加速または減速されたときの性能を向上させることができるようになることである。例えば、翼が並進および/または回転の増大によって突然加速されたときに、上面および底面の上の流れは大きく変化する可能性がある。内端に上反りのプロファイルを有し、外端に半対称のプロファイルを有すると、翼で加速を変化させている間に両端の少なくとも一方の近傍で安定した流れをもたらすことができる。
【0066】
別の実施形態では、翼形の厚みはスパン方向に沿って外端に向かって減少する。
【0067】
翼形の厚みは、スパン方向に対して垂直な断面において、上面と底面との間の最大距離である。翼形の厚みを減少させることにより、翼の厚みは減少する。
【0068】
このことは、キンク渦が外端に向かって、すなわち翼の厚みが薄くなる方へ外側に移動するのを強制されうるという利点を有する。別の利点は、翼の厚みを薄くしていくことで、十分な構造的安定性を保ちながら翼の重量を軽くすることができることである。
【0069】
本発明は、入射流から揚力を生成するための翼を備える空中輸送手段にも関する。
【0070】
空中輸送手段は、有人または無人の空中輸送手段(UAV)とすることができる。空中輸送手段はよく知られている。鳥の飛行を模倣しようとする多くの試みがある。特に、鳥の羽ばたき翼を模倣しようとする多くの試みがある。鳥の翼は、自由先端と鳥の体に回転可能に固定された根端とを有する。鳥の翼の羽ばたき中に3つの特徴的な運動を確認することができる。
【0071】
第1の運動は先端の上下運動を反復することであり、根端は鳥の体に回転可能に固定される。第1の運動中、鳥の翼は、根端付近の、翼弦線と平行な軸線を中心に回転する。
【0072】
第2の運動は、スパン方向と平行な軸線を中心とする正回転および逆回転を反復することである。根端が本体に回転可能に固定され、かつ、先端が自由であるので、鳥の翼にねじれが現れる。
【0073】
第3の運動は、根端に対する先端の内方変位および外方変位を反復することである。この第3の運動は、ローイング運動のように見える。
【0074】
例えば、国際特許公開第2008/125868号パンフレットは、鳥の飛行を模倣したUAVを示している。このUAVは、第3の運動を模倣することができる、すなわち、このパンフレットは、スパンおよびスイープを調整することができる調整可能な翼を示している。翼の調整は、UAVを制御するために、すなわち、UAVをローリングおよびヨーイングさせるためにも使用される。
【0075】
一般に、空中輸送手段の制御は、ローリング、ヨーイングおよびピッチングのための制御を含む。ローリングは、長手方向軸線を中心とする回転と一致する。ヨーイングは、垂直軸線を中心とする回転と一致し、ピッチングは、垂直軸線および水平軸線に対する直交軸線を中心とする回転と一致する。
【0076】
他の刊行物からは、第1の運動および第2の運動を模倣することができるUAVなどの空中輸送手段が知られている。空中輸送手段を制御するために、すなわち空中輸送手段をローリングおよびヨーイングさせるために、反復運動の頻度の変化が使用される。
【0077】
これらの空中輸送手段の欠点は、羽ばたき翼の動力学のために制御するのが複雑であることである。
【0078】
本発明の一目的は、この欠点を解消すること、または少なくとも使用可能な代替手段を提供することである。
【0079】
特に、本発明の一目的は、空中輸送手段のロールおよびヨーに関して制御を簡素化にすることである。
【0080】
本発明によれば、本発明の目的は、フレームと、フレームに対して少なくとも1つの翼を羽ばたかせるための羽ばたき機構と、を備える空中輸送手段を提供することによって達成される。
【0081】
フレームは、推進手段、通信手段、案内および制御手段、ペイロード、または飛行に必要な他の手段を備えるのに適した、人工鳥の本体または任意の体とすることができる。
【0082】
一実施形態では、フレームは、飛行に必要な手段を内側に備えるための胴体である。
【0083】
別の実施形態では、フレームは、飛行に必要な手段を担持するための任意の体とすることができる。この手段の担持は体の外側または内側とすることができる。
【0084】
この実施形態の利点は、人間が飛行機またはヘリコプタに比べて比較的低いエネルギー量を使って空気によって輸送されうること、とすることができる。別の利点は、本発明による翼が、従来の翼を固定した空中輸送手段より低い騒音を可能にすることができることである。翼を固定した空中輸送手段による推進にはプロペラまたはタービンを必要とすることがある。少なくとも1つの翼を羽ばたかせるのは、比較的低くてよい頻度で行われることができる。羽ばたき機構の運動はプロペラまたはタービンの運動に比べて少ないので、よりエネルギー効率が高く、かつ、より騒音が低い推進をもたらすことができる。
【0085】
フレームは、人間によって着用されるバックパックであることが好ましい。このことは、人間の安全な輸送が可能となりうるという利点を有する。
【0086】
羽ばたき機構および翼が設けられたバックパックは、危険な状況が起きたときのフェイルセーフ解決策を可能にすることができる。例えば、危険な状況は推進の不調を含む。このような状況では、キンクおよび流量制御手段を備える翼は、人間を安全に飛ばすのに十分な揚力および制御を提供する。別の例で、危険な状況が人間と翼との間の接触を含む場合、人間に及ぼされる力は、プロペラ駆動の空中輸送手段によって人間に及ぼされる力よりずっと小さい。このことは墜落のリスクを低減することができる。
【0087】
羽ばたき機構は、少なくとも第1の運動、第2の運動および第3の運動のうちの1つを実行するのに適している。
【0088】
空中輸送手段はさらに、前述の諸実施形態のうちの1つによる翼を少なくとも1つを備える。
【0089】
前縁上にキンクを有する翼にキンク渦を妨げるのに適した流量制御手段を組み合わせるようにすると、ロールおよびヨーに関して制御性能を向上させた空中輸送手段を提供することができる。別の利点は、空中輸送手段のピッチングに水平尾翼しか必要ないことである。流量制御手段にキンク付き翼を組み合わせると、空中輸送手段はロールとヨーを組み合わせた運動を実行することが可能になる。
【0090】
本発明は回転翼用の羽根にも関する。風力タービンでは、タービンを駆動するために回転翼が使用される。これらの回転翼は、入射空気流により揚力を生成する羽根を2枚以上備えることが多い。入射空気流が大きい場合、回転翼は、空気流が小さい場合に比べてより速く回転することができる。
【0091】
これらの風力タービンの欠点は、回転速度を制動したり低下させたりするのにエネルギーを消費することである。
【0092】
本発明の一目的は、この欠点を解消すること、または少なくとも使用可能な代替手段を提供することである。
【0093】
特に、本発明の一目的は、回転速度をエネルギーに関してより効率的に制動したり低下させたりすることである。
【0094】
本発明によれば、本発明の目的は、前述の諸実施形態のうちの1つによる翼を少なくとも1つ備える、回転翼用の羽根を提供することによって達成され、流量制御手段は流れを妨げるための通気孔を含む。
【0095】
キンクとキンク渦中に置かれる流量制御手段とを備える羽根は、回転速度をより効率的に低下させることができる。キンク渦を妨げることにより、より小さい揚力が生成され、その結果、回転速度を制動したり低下させたりすることになる。
【0096】
本発明は、前述の諸実施形態のいずれかによる翼の使用にも関する。
【0097】
本発明のこれらおよびその他の実施形態ならびに本発明による方法は、従属請求項に記載されている。