【実施例】
【0064】
実施例1A:PDL20配合物
[0060]ポリラクチド(PDL20)(40g、18.1重量%)を(GBL)(180g)に溶解した。GSID26−1(トリス(4−(4−アセチルフェニルチオ)フェニル)スルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドBASF)(0.8g、0.4重量%)を、ポリラクチド溶液に加えた。E−タイプ粘度計で粘度を決定し、25℃において20.0Pa.sであることを見いだした。
実施例1B:ウエハの仮接着プロセスの評価
[0061]実施例1Aの配合物を8インチのガラスウエハ上にスピンコーティングし、その後、コーティングしたウエハを120℃で5分間ソフトベークした後、220℃で5分間ハードベークして、厚さ40μmの皮膜を得た。その後、170℃の温度に設定したSB−8e基材接着装置(Suss MicroTec)を用い、減圧下(10
−2mbar)で0.2MPaの圧力を5分間施用して、コーティングしたガラスウエハにデバイスウエハを接着した。接着した試料を目視検査し、ボイドは観察されなかった。検査後、デバイスウエハをDFG8540自動表面研削装置(Disco)上に載せ、50μmの厚さまで薄化した。その後、MA−8暴露ツール(Suss MicroTec)を用いて、接着した堆積物を、ガラスウエハ側を通して365nmの波長で2000mJ/cm
2の線量に暴露した。その後、2.0mm/秒のスライドオフ速度および170℃の温度に設定したEVG805ウエハ剥離装置(EV Group、オーストリア)を用いて、スライドオフ法により、薄化したデバイスウエハを続いてガラスウエハから剥離した。デバイスおよびガラスウエハ上の残留物を、25℃において攪拌しつつGBL中でソーキングすることにより除去した。
実施例2A:ウエハの仮接着プロセスの評価
[0062]実施例1Aの配合物を8インチのガラスウエハ上にスピンコーティングし、該ガラスウエハをデバイスウエハに接着し、該デバイスウエハを薄化して、ハードベークを実施しなかった点を除き実施例1Bの方法を用いてガラスウエハから剥離した。デバイスおよびガラスウエハ上の残留物を、25℃において攪拌しつつGBL中でソーキングすることにより除去した。
実施例3:ポリ(ラクチド)溶液およびそれから形成した皮膜の評価
[0063]特定のポリマーを特定の溶媒に溶解することにより、いくつかのポリマー溶液を調製した(以下の表2参照)。100%のDL含有率を有する各溶液の場合、溶媒とポリマーの混合物を室温においてボトルローラーで一晩回転させることにより、溶解を実現した。DL含有率が100%未満である各溶液では、50℃に設定した電気加熱マントルでボトルを加熱しつつ溶媒とポリマーの混合物を機械的攪拌機で一晩混合することにより、溶解を実現した。溶液の外観を目視検査して、混合物が透明であるか、曇っているか、またはゲルを含有しているかを決定した。
【0065】
[0064]Brewer ScienceからのCEE−spiner上に載せた4インチのシリコンウエハの中心上に、約5gの各ポリマー溶液をボトルから手で分取した。各ポリマー組成物の分取が終了した後、1000rpm/秒〜1400rpmの速度でウエハを傾斜(ramp)させた。30秒後、ウエハの回転を止め、ウエハを120℃のホットプレート上に20分間置いて残留溶媒を除去して、固体状皮膜を生じさせた。該皮膜を目視検査して、皮膜が平滑であるか粗いかを決定した。
【0066】
[0065]その後、ウエハ表面のウエハ中心付近にブレードを用いて、皮膜に手で傷を付けた。KLA−TENCOR Alpha−step500プロファイラーを用いて、厚さの1回測定を実施した。結果については表2参照。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例4.Mwに対する紫外線暴露の影響
[0066]NMP中のPLDL7017およびGSID26−1の配合物(20%TS(全固形分)、0.5phr GSID26−1)を調製し、3つの4インチSiウエハのそれぞれの上にスピンコーティングした。コーティング後、各ウエハを120℃で20分間ソフトベークし、皮膜の厚さを40μmと決定した。配合物中のポリマーのM
wを、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて決定した。第1のウエハ上の皮膜を210℃で5分間ハードベークした。第2のウエハ上の皮膜を200℃で5分間ハードベークした。その後、これら2つのウエハからの皮膜の一部をウエハから掻き取り、掻き取った各部分のM
wをGPCを用いて決定した。
【0069】
[0067]GBL中のPDL20およびGSID26−1の配合物(20%TS、0.5phr GSID26−1)を調製し、3つの4インチSiウエハのそれぞれの上にスピンコーティングした。コーティング後、各ウエハを120℃で20分間ソフトベークし、皮膜の厚さを40μmと決定した。配合物中のPDL20のM
wを、GPCを用いて決定した。第1のウエハ上の皮膜を170℃で5分間ハードベークした。第2のウエハ上の皮膜を180℃で5分間ハードベークした。その後、これら2つのウエハからの皮膜の一部をウエハから掻き取り、掻き取った各皮膜のM
wをGPCを用いて決定した。
紫外線の暴露:
[0068]その後、上部にPLDL7017/GSID26−1配合物をスピンして皮膜を形成してある第3のウエハを、AB−Mマスクアライナーを用いて、365nmの波長で2J/cm
2の線量に暴露し、続いて200℃で5分間ハードベークした。その後、皮膜の一部をウエハから掻き取り、掻き取った部分のM
wをGPCを用いて決定した。
【0070】
[0069]その後、上部にPDL20/GSID26−1配合物をスピンして皮膜を形成してある第3のウエハを、AB−Mマスクアライナーを用いて、365nmの波長で0.1J/cm
2の線量に暴露し、続いて170℃で5分間ハードベークした。その後、皮膜の一部をウエハから掻き取り、掻き取った部分のM
wをGPCを用いて決定した。
【0071】
[0070]6つのウエハのそれぞれの結果を以下の表3に提供する:
【0072】
【表3】
【0073】
実施例5
[0071]GBL中のPDL20およびGSID26−1の配合物(20%TS、2phr GSID26−1)を調製し、4インチSiウエハ上にスピンコーティングした。コーティング後、ウエハを120℃で20分間ベークして残留GBLを除去し、365nmの波長を有する2000mJ/cm
2の化学線に全体的に暴露し、暴露後、N
2をパージしたオーブンにおいて200℃で15分間ベークした。最初のベーク後、2000mJ/cm
2の暴露後、および2回目のベーク後に基材および皮膜の重量を決定すると、それぞれ8.66g、8.66gおよび8.66gであった。上記ポリマー組成物の2つの追加的試料を、スピンコーティングにより4インチSiウエハ上にキャストした。その後、皮膜の一部を試料の1つから掻き取り、掻き取った部分のM
wをGPCを用いて決定すると316800であった。第2の試料を、AB−Mマスクアライナーを用いて、365nmの波長で2000mJ/cm
2の線量に暴露し、続いて200℃で15分間ハードベークした。その後、皮膜の一部をウエハから掻き取り、掻き取った部分のM
wをGPCを用いて決定すると25500であった。
実施例6A.ランダムMMA−MAAコポリマー
[0072]メタクリル酸メチル−メタクリル酸(80/20)コポリマー(5g、Monomer−Polymer and Dajac Labs、製品番号9425)を十分なシクロペンタノンに溶解して、40重量パーセント溶液を得た。約2gのこの溶液を4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを1000rpmで30秒間スピンした。該ウエハを120℃で20分間ベークした。得られた亀裂のない皮膜は厚さ48μmと決定された。
【0074】
[0073]2回目分のメタクリル酸メチル−メタクリル酸(80/20)コポリマーをシクロペンタノン(17g)に溶解して、15重量パーセント溶液を得た。この溶液のそれぞれ約2gを、2つの4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを500rpmで70秒間スピンした。該ウエハを130℃で2分間ベークした。一方のウエハを、Electro−lite電球(部品#82058)を備えるElectro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood System中で暴露した(248nmで1J/cm
2)。その後、このウエハを150℃で15分間にわたりポストエクスポージャーベークした。暴露したウエハおよび暴露していないウエハのそれぞれからポリマー試料を掻き取った。これら2つのポリマー試料のGPC分析は、ポリマーの暴露部分のMwがポリマーの暴露していない部分と比較して実質的に低下していることを示した。別個の実験でもう1つウエハを調製し、上記のように暴露した後、GPC分析に付した。
【0075】
【表4】
【0076】
[0074]4インチのシリコンウエハの重量を、小数点以下4桁の化学天秤で測定した。上記15重量%溶液の一部を、500rpmで30秒間にわたりシリコンウエハ上にスピンコーティングした。120℃で20分間のポストアプライベーク(post apply bake)後、ウエハの重量を決定した。ウエハ全体を、Electro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood System中で暴露した(248nmで2J)。暴露後にウエハの重量を決定した。その後、該ウエハを150℃で15分間にわたりポストエクスポージャーベークした。ウエハの重量をもう一度決定した。
【0077】
【表5】
【0078】
[0075]上の表の結果から計算すると、ウエハ上のポリマーの重量は、ポストアプライベーク後で0.7189g;暴露後で0.7116g;そしてポストエクスポージャーベーク後で0.6605gであった。プロセス全体を通して、減少した材料の総量は最小限であり、0.0584gまたは約8%であった。
実施例6B.
[0076]メタクリル酸メチル−メタクリル酸(80/20)コポリマーの3つの15重量パーセントポリマー溶液を上記のように調製した後、各溶液に、CPTX(1−クロロ−4−プロポキシ−9H−チオキサントン、Lambson Group Inc.)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(Sigma Aldrich)およびベンゾフェノンのうち1つを、ポリマーの重量に基づき1パーセント加えた。約2gのこれらの各溶液を、別個の3つの4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを500rpmで70秒間スピンした。該ウエハを130℃で2分間ポストアプライベークした。該ウエハを、ABMマスクアライナーを用いて暴露した(365nmで1J/cm
2の線量)。その後、、該ウエハを150℃で15分間ポストエクスポージャーベークした。各ウエハからポリマー試料を掻き取り、GPCに付した。その後、実験を2回、1回は10J/cm
2の暴露線量で、1回は暴露なしで、繰り返し、暴露していない試料についてはウエハをポストエクスポージャーベークしなかった。各ウエハからポリマー試料を掻き取り、GPCに付した。これらの実験の結果を以下の表に示す。
【0079】
【表6】
【0080】
[0077]表4に示すように、248nmでの暴露は、分子量の著しい減少をもたらす。表5は、248nmの光への暴露が、ポストエクスポージャーベーク後であってもポリマー重量の過度の減少を引き起こさないことを示しており、表6は、光増感剤を用いていても、365nmでの暴露がMwの低下をもたらさないことを示している。したがって、溶融粘度および剥離温度における期待した低下は、365nmでの暴露では起こらないと予想される。
実施例6C:
[0078]上記15重量%溶液のそれぞれ約2gを、2つの4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを500rpmで70秒間スピンした。該ウエハを130℃で2分間ベークした。一方のウエハを、ABMマスクアライナーを365nmバンドパスフィルターなしで用いて暴露した(248nmで1J/cm
2)。もう一方のウエハを、ABMマスクアライナーを365nmバンドパスフィルターなしで用いて暴露した(248nmで10J/cm
2)。両ウエハからポリマー試料を掻き取った。これら2つのポリマー試料のGPC分析は、両ポリマーのMwが入手したままのポリマーから大きく変化していないことを示した。
【0081】
【表7】
【0082】
実施例7.
[0079]メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルトリブロックコポリマー(KurarayからのLA2250、LA4285およびLA2140e)をシクロペンタノン溶液に溶解して、40重量%溶液を作製した。約2gの各溶液を4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを500rpmで70秒間スピンした。該ウエハを120℃で5分間ベークした。得られた亀裂のない皮膜の皮膜厚さを形状測定(profilometry)により決定した。
【0083】
【表8】
【0084】
[0080]上記のようなシクロペンタノン中の40重量%メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルトリブロックコポリマー(KurarayからのLA4285)溶液の約2gを、2つの4インチのシリコンウエハのそれぞれの中心上に手で分取した。該ウエハを500rpmで70秒間スピンした。該ウエハを120℃で5分間ベークした。一方のウエハを、Electro−lite電球(部品#82058)を備えるElectro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood System中で暴露した(248nmで2J/cm
2)。その後、このウエハを150℃で15分間にわたりポストエクスポージャーベークした。暴露したウエハおよび暴露していないウエハからポリマー試料を掻き取った。これら2つのポリマー試料のGPC分析は、ポリマーの暴露部分のM
wがポリマーの暴露していない部分と比較して実質的に低下していることを示した。
【0085】
【表9】
【0086】
[0081]ABMマスクアライナーを365nmバンドパスフィルターなしで用いて暴露を実施した(248nmで2J/cm
2)点を除き、上記実験を繰り返した。暴露したポリマーおよび暴露していないポリマーのGPCの結果を、以下の表10に示す。
【0087】
【表10】
【0088】
[0082]表9および10のデータは、Electro−Cure Flood Systemを用いて暴露したポリマーでは分子量が低下したが、ABMマスクアライナーを用いて暴露したポリマーの分子量は影響を受けなかったことを示している。
【0089】
[0083]上記結果は予想外だったので、次の実験を実施して、Electro−lite電球(部品#82058)を備えるElectro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood Systemを用いた暴露と365nmバンドパスフィルターなしでABMマスクアライナーを用いた暴露のウエハ温度を比較した。ブランクのシリコンウエハおよびFisher Scientific Traceable Noncontact Infrared Thermometerを用いて暴露を実施して、暴露前後のシリコンウエハの温度を測定した。表11に見られるように、UV Flood Systemを用いて暴露したウエハの温度は、マスクアライナーを用いて暴露したウエハの温度より63℃高かった。したがって、暴露と熱の組み合わせにより、Mwの実質的低下がもたらされたと考えられる。
【0090】
【表11】
【0091】
実施例8:
[0084]非晶質コポリエステルであるRV270(Toyobo America,Inc.)の適量をGSID26−1(トリス(4−(4−アセチルフェニルチオ)フェニル)スルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド、BASF)の0.5重量%ポリマーと一緒にシクロペンタノンに溶解して、46重量パーセント溶液を得た。約2gのこの溶液を4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを1800rpmで30秒間スピンした。該ウエハを120℃で5分間ベークすると、厚さ50μmで亀裂のない皮膜が得られた。
【0092】
[0085]上記RV270溶液の一部を、2つのシリコンウエハのそれぞれの上に上記方法でスピンコーティングした。一方のウエハをAB−Mマスクアライナーシステムで暴露し(365nmで2J/cm
2)、もう一方のウエハは暴露しなかった。その後、暴露したウエハをCEE 1300Xホットプレート上で200℃で5分間ポストエクスポージャーベークした。暴露したウエハおよび暴露していないウエハからポリマー試料を掻き取った。表12に示すこれら2つのポリマー試料のGPC分析は、暴露したポリマーのM
wが暴露していないポリマーのM
wより実質的に低下していることを示した。
【0093】
【表12】
【0094】
実施例9:
[0086]非晶質コポリエステルであるGK880(Toyobo America,Inc.)の適量をGSID26−1の1.5重量%ポリマーと一緒にシクロペンタノンに溶解して、48重量パーセント溶液を得た。約2gのこの溶液を4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを1800rpmで30秒間スピンした後、120℃で5分間ベークすると、厚さ30μmで亀裂のない皮膜が得られた。
【0095】
[0087]上記GK880溶液の一部を、2つのシリコンウエハのそれぞれの上に上記方法でスピンコーティングした。一方のウエハをAB−Mマスクアライナーシステムで暴露し(365nmで2J/cm
2)、もう一方のウエハは暴露しなかった。その後、暴露したウエハをCEE 1300Xホットプレート上で200℃で5分間ポストエクスポージャーベークした。暴露したウエハおよび暴露していないウエハからポリマー試料を掻き取った。表13に示すこれら2つのポリマー試料のGPC分析は、暴露したポリマーのM
wが暴露していないポリマーのM
wより実質的に低下していることを示した。
【0096】
【表13】
【0097】
[0088]4インチのシリコンウエハの重量を、小数点以下4桁の化学天秤で測定した。RV270溶液の一部を上記方法でシリコンウエハに施用した。120℃、5分間のポストアプライベーク後、ウエハの重量を決定した。ウエハ全体を、バンドパスフィルターを付けたABMマスクアライナーを用いて暴露した(365nmで2J/cm
2)。暴露後にウエハの重量を決定した。その後、該ウエハをCEE 1300Xホットプレート上で200℃で5分間にわたりポストエクスポージャーベークした。ウエハの重量をもう一度決定した。表14に示すように、ウエハ+ポリマーの重量は実質的に変化していない。
【0098】
【表14】
【0099】
実施例10:
[0089]1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、および2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールのターポリマーを、以下に記載するような触媒縮合反応下で調製した。乾燥ボックス中で、3つのモノマー(すべてSigma Aldrichから購入した)を重量測定し、攪拌子を備える250mLの丸底フラスコに加えた。モノマー混合物は、25.0g(0.145mol)の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、13.0g(0.076mol)の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および25.3g(0.243mol)の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを含有していた。その後、0.073gのトリエチルアミンおよび0.26gのチタン(IV)2−エチル−ヘキシルオキシドをそれぞれ加えた。N
2雰囲気下で減圧を制御することができるように反応フラスコを減圧ラインに接続して、反応装置をフード内で組み立てた。反応混合物を1atmで200℃に100分間加熱し、反応からの水を冷却トラップに収集した。その後、圧力を4Torrに低下させ、反応をさらに2時間保持した。温度をさらに230℃に上昇させ、圧力をさらに0.5Torrに低下させ、そのままさらに6時間反応させた後、反応を停止させた。GPC分析は、62226のMw、31234のMnおよび1.99のPDIを有する生成物を示した。
【0100】
【化5】
【0101】
[0090]上記ターポリマーの皮膜形成特性を試験するために、適量をシクロヘキサノンに溶解して45重量%溶液を得た。その後、該溶液を0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、一部をシリコンウエハ上に手で分取し、ウエハ上で700rpmで30秒間スピンコーティングした。120℃で5分間ベークした後、亀裂のない40μmの皮膜が得られた。
【0102】
[0091]その後、該ターポリマー溶液の一部をさらに、248nmでの暴露のためのTPS−C1(5phr)および365nmでの暴露のためのGSID26−1(2phr)の一方と、それぞれ配合した。その後、シリコンウエハを上記のように各溶液でコーティングし、つぎに、それぞれに応じて248nm(2J/cm
2)および365nm(2J/cm
2)で暴露した。TPS−C1を用いた配合物の場合、Electro−lite電球(部品#82058)を備えるElectro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood Systemを暴露に用いた。GSID26−1を用いた配合物の場合、バンドパスフィルターを備えるAB−Mマスクアライナーシステムを暴露に用いた。各ポリマーの分子量を暴露前後でGPC分析により決定した。それぞれ表15および16に報告する。
【0103】
【表15】
【0104】
【表16】
【0105】
[0092]2phrのGSID26−1添加を有するターポリマー配合物のMwの低下は予想より少なかったので、8.3phrのGSID26−1を有する配合物を調製した。これは、この添加量が、もう一方の配合物における5phrのTPSC−1添加のモル当量であるためである。この新規溶液でコーティングしたウエハを調製し、前記のように暴露し、暴露した試料および暴露していない試料の分子量を決定した。表17に示すように、暴露したポリマーにより示されるM
wは、表15で報告した5phrのTPS−C1溶液で見られた低下と実質的に同等であった(31%対28%)。
【0106】
【表17】
【0107】
実施例11:
[0093]エチルセルロース(15g、Aldrich、48%エトキシ含有率)をトルエン(68g)とエタノール(17g)の80:20混合物に溶解して、15重量パーセント溶液を得た。約2gのこの溶液を4インチのシリコンウエハの中心上に手で分取した。該ウエハを500rpmで70秒間スピンした。該ウエハを120℃で5分間ベークすると、厚さ22μmで亀裂のない皮膜が得られた。
【0108】
[0094]他のエチルセルロース配合物を、溶媒としてのNMP/ブタノールおよび TPS−C1光酸発生剤(PAG)を用いて、以下のように調製した:エチルセルロース(1.00g、Aldrich、48%エトキシ含有率)をTPS−C1(0.05g)と一緒にNMP(3.2g)およびブタノール(0.8g)に溶解して、ポリマーに対し約5重量%のPAGを含むエチルセルロースの約20重量%溶液を生じさせた。
【0109】
[0095]その後、この第2の配合物を上記のようにシリコンウエハ上にスピンコーティングし、ウエハの半分をElectro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood System中で暴露し(248nmで2J/cm
2)、残りの半分は暴露しなかった。その後、ウエハ全体を150℃で15分間ポストエクスポージャーベークした。ウエハの暴露した部分および暴露していない部分からポリマー試料を掻き取り、それぞれのMwをGPC分析により決定した。各試料の分子量を以下の表18に示す。
【0110】
【表18】
【0111】
[0096]表からわかるように、暴露したポリマーは実質的なM
wの低下を示した。
[0097]4インチのシリコンウエハの重量を、小数点以下4桁の化学天秤で測定した。第2のエチルセルロース溶液の一部を、上記のようにシリコンウエハ上にスピンコーティングした。120℃で5分間のポストアプライベーク後、ウエハの重量を測定した。その後、ウエハ全体を、Electro−lite電球(部品#82058)を備えるElectro−lite Corporation Electro−Cure 4001 UV Flood System中で暴露し(248nmで2J)、ウエハの重量を測定した。その後、該ウエハを150℃で15分間にわたりポストエクスポージャーベークし、ウエハの重量をもう一度測定した。いくつかの重量を以下の表19に示す。
【0112】
【表19】
【0113】
[0098]表19のデータが示すように、ポリマーの全体的重量減少は最小限である。
[0099]第2のエチルセルロース配合物の一部を上記のようにシリコンウエハ上にスピンコーティングした。ウエハの2分の1を、365nmバンドパスフィルターなしでABMマスクアライナーで暴露し(248nmで2J/cm
2)、残りの半分は暴露しなかった。その後、ウエハ全体を150℃で15分間ポストエクスポージャーベークした。ウエハの暴露した部分および暴露していない部分からポリマー試料を掻き取り、それぞれのMwをGPC分析により決定した。各試料の分子量を以下の表20に示す。
【0114】
【表20】
【0115】
[00100]表20のデータが示すように、暴露したポリマー試料と暴露していないポリマー試料でM
wは実質的に変化していない。
実施例12:二層例
[00101]第1のポリマー層:市販のポリ(ラクチド)(PLD20;PURAC biochem BV)(40g、22.1重量%)をガンマ−ブチロラクトン(GBL)(140g)に溶解した。トリス(4−(4−アセチルフェニルチオ)フェニル)スルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(GSID26−1;BASF)(0.8g、0.4重量%)をポリ(ラクチド)溶液に加えた。粘度は、E−タイプ粘度計で決定して、25℃において20Pasであった。
【0116】
[0100]第2のポリマー層:ヘキシルノルボルネンおよびAOAOノルボルネンから誘導されるノルボルネンタイプのポリマーを、周知のビニル付加重合(米国特許公報第8053515号および米国特許公報第7932161号参照。これらの関連部分を本明細書中で参考として援用する)により調製し、メシチレンに溶解して、非感光性ポリマー溶液を形成した。
【0117】
[0101]第1のポリマー層の配合物を8インチのガラスウエハ上にスピンコーティングした。コーティングしたウエハを180℃のオーブンで20分間ソフトベークして、5μmの皮膜を得た。第2のポリマー層の配合物を第1のポリマー層上にスピンコーティングして、二重コーティングしたガラスウエハを得た。その後、二重コーティングしたガラスウエハを120℃のオーブンで20分間ソフトベークして、ウエハ上に厚さ70μmの二層皮膜を生じさせた。
【0118】
[0102]その後、250℃において基材接着装置SB−8e(Suss MicroTec)を用い、減圧下(10
−2mbar未満)で0.6MPaの圧力を5分間施用して、コーティングしたウエハ(第2のポリマー層)にデバイスウエハを接着した。接着したウエハ堆積物をガラスウエハを介して目視検査し、ボイドは観察されなかった。
【0119】
[0103]検査後、ウエハ堆積物を、デバイスウエハをウエハ薄化のための位置にしてウエハ研削装置DFG8540(Disco)上に載せた後、50μmの最終厚さまで薄化した。研削装置から取り出した後、、MA−8(Suss MicroTec)マスクアライナーを用いて、ウエハ堆積物を、ガラスウエハを介して化学線に暴露した;暴露線量は365nmの波長で2000mJ/cm
2であった。その後、2.0mm/秒のスライドオフ速度および160℃の温度に設定したEVG805剥離装置(EV group)を用いて、スライドオフ法により、薄化したデバイスウエハをガラスウエハから剥離した。
【0120】
[0104]デバイスおよびガラスウエハ上の残留物を、すべての残留物が除去されるまで、25℃において攪拌しつつGBL中でソーキングすることにより除去した。
[0105]ここまでで、本開示が、デバイスウエハとガラス基材の間に仮(剥離性)接着を形成するために有利に採用することができるさまざまなタイプのポリマーを明示していることを、理解すべきである。さらに、仮接着が形成する温度以下の温度で、そのような剥離をもたらすことができることが示された。さらに、さまざまなポリマータイプが、ガラス基材からのデバイスウエハの剥離をもたらす解重合を経ることができることが示された。これに関し、そのような解重合は、ポリマーのM
wの著しい低下およびそれに付随するポリマー粘度の低下により特徴付けられ、したがって、スライドオフ剥離または楔による剥離(wedge-off debonding)のいずれかを達成することが可能になる。解重合を経ることができる代表的なポリマーのタイプとしては、限定されるものではないが、PLAポリマー、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリメタクリレート、ポリノルボルネン、アルキルセルロース、およびそれらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0121】
[0106]本開示では特定の態様に関し説明してきたが、そのさまざまな修正が、本明細書を読むことにより当業者に明らかになるであろうことを、理解すべきである。したがって、上記さまざまな態様の開示は、そのような修正を包含するものであり、したがって、添付する特許請求の範囲内に必然的に含まれることを、理解すべきである。例えば、上記実施例では特定のスピンコーティングのパラメーターを提供したが、当業者なら、そのようなパラメーター(例えば、分取体積および方法、キャスティング溶媒の選択、粘度、排気、加速度、スピン速度および時間)を変動させることにより、先に開示したものより厚いまたは薄い接着層を形成することが可能であることを、理解するであろう。