(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1基板と対向し、前記ナノカプセル液晶層を介して設けられた第2基板を含み、前記第1基板上に薄膜トランジスタが設けられ、前記第2基板上にカラーフィルターが設けられる、請求項1に記載の液晶表示装置。
前記第1基板と対向し、前記ナノカプセル液晶層を介して設けられた第2基板を含み、前記第1基板上に薄膜トランジスタが設けられ、前記薄膜トランジスタの上部にカラーフィルターが設けられる、請求項1に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施例について詳細に説明する。
【0039】
図3は、本発明に係る液晶表示装置の斜視図である。
【0040】
図3に示すように、本発明に係る液晶表示装置は、ナノカプセル液晶層200を介してアレイ基板112とカラーフィルター基板114が対面合着された液晶パネル110を必須要素とする。
【0041】
下部基板またはアレイ基板と呼ばれる第1基板112の一面には複数のゲート配線116とデータ配線118が縦横に交差し、画素領域Pを定義する。
【0042】
これら両配線116、118の交差地点には薄膜トランジスタTが備えられ、各画素領域Pに設けられた透明画素電極124と一対一対応して接続される。
【0043】
また、ナノカプセル液晶層200を介して第1基板112と対面する第2基板114は、上部基板またはカラーフィルター基板と呼ばれる。その一面には第1基板112のゲート配線116とデータ配線118、そして薄膜トランジスタTなどの非表示要素を遮りながら画素電極124のみを露出するよう、画素領域Pを囲む格子状のブラックマトリクス132が設けられる。
【0044】
また、その格子内部に、各画素領域Pに対応して、順次繰り返し配列されるR(red)、G(green)、B(blue)カラーフィルター134と、これらを全て覆う透明共通電極136が設けられる。
【0045】
さらに図面には明確に示していないが、第1基板112は第2基板114より大きい面積を有しているため、第1及び第2基板112、114を合着する際に第1基板112の縁部が外部に露出される。ここにはそれぞれ複数のデータ配線118に連結された複数のデータパッド118aと、複数のゲート配線116に連結された複数のゲートパッド(図示せず)とが位置する。
【0046】
したがって、薄膜トランジスタTのオン・オフ信号がゲート配線116に順次スキャン印加されて、選択された画素領域Pの画素電極124にデータ配線118の画像信号が伝達されると、画素電極124と共通電極136との間の垂直電界によってその間のナノカプセル液晶層200の液晶分子220が駆動され、それによる光の透過率変化で様々な画像を表示することができる。
【0047】
そして、かかる液晶パネル110の各外面には、特定光のみを選択的に透過させる第1及び第2偏光板120、130が取り付けられる。第1偏光板120は第1方向の偏光軸を有し、第2偏光板130は第1方向に垂直な第2方向の偏光軸を有する。
【0048】
さらに、液晶パネル110が示す透過率差が外部へ発現できるよう、その背面から光を供給するバックライトユニット160が備えられる。
【0049】
バックライトユニット160は、光を発する光源(図示せず)の位置によって側光型(side type)と直下型(direct type)に分けられる。側光型は、液晶パネル110に対し、その後方の一側面から出射した光源(図示せず)の光を別途の導光板(図示せず)で屈折させ、液晶パネル110に入射させる。直下型は、液晶パネル110の背面に複数の光源(図示せず)を直接配置し、光を入射させる。
【0050】
本発明は、両方とも利用可能である。
【0051】
光源(図示せず)は陰極電極蛍光ランプ(cold cathode fluorescent lamp)や外部電極蛍光ランプ(external electrode fluorescent lamp)のような蛍光ランプを用いることができる。または、かかる蛍光ランプの他に、発光ダイオードランプ(light emitting diode lamp)をランプとして用いることもできる。
【0052】
本発明に係る液晶表示装置100の最も特徴的なことは、ナノカプセル液晶層200を第1基板112と第2基板114との間に介在して形成したことである。
【0053】
ナノカプセル液晶層200は、内部が液晶分子220で満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散し、ナノカプセル液晶層200の光透過量を変更することで画像を表示する。
【0054】
かかるナノカプセル液晶層200は等方性(isotropic)液晶である。等方性液晶は、電圧が印加されていないときは3次元または2次元において光学的等方性を有するが、電界を印加すると、画素電極124と共通電極136とに印加される電圧差に比例するピクセル電圧の電界方向に垂直な方向に複屈折が生じる性質を持つ。
【0055】
したがって、電圧印加時には光学的一軸性を示し、透過率に視野角依存性が生じる。
【0056】
電圧印加時に規則的に配列される液晶分子は、第1及び第2偏光板120、130の偏光軸とそれぞれ45度を成すように配列される。
【0057】
それについてさらに詳細に説明する。本発明のナノカプセル液晶層200は液晶分子220をナノサイズのカプセル230にカプセル化し、液晶分子220はナノカプセル230内で不規則に配列される。
【0058】
ナノカプセル液晶層200内において、ナノカプセル230は5体積%〜95体積%に形成することができる。好ましくはナノカプセル230をナノカプセル液晶層200の25体積%〜65体積%に形成し、残部をバッファー層210とする。
【0059】
バッファー層210は、透明若しくは半透明な材質で、水溶性、脂溶性若しくは混合された性質にすることができる。また、温度や紫外線などにより、硬化することができる。
【0060】
かかるバッファー層210は強度を向上させ、硬化時間を短縮するため、添加物が含まれても良い。
【0061】
そして、ナノカプセル230の直径は1nm〜320nmにすることができるが、好ましくは30nm〜100nmに形成する。
【0062】
ナノカプセル230を可視光線の波長(320nm)以下のサイズに形成することにより、屈折率による光学的変化が発生することなく、光学的等方性を有することができる。また、可視光線により、散乱の影響を最小化することができる。
【0063】
特に、ナノカプセル230を100nm以下に形成する場合は、高コントラスト比を有することができる。
【0064】
このようにナノカプセル230内に不規則に配列された液晶分子220とナノカプセル230は、互いに屈折率が相異するため、液晶分子220とナノカプセル230との間の界面において光散乱が発生する。
【0065】
したがって、光がその界面を通過する際、界面で光が散乱し、有白色の不透明な状態となる。
【0066】
しかし、ナノカプセル液晶層200に電圧を印加すると、各ナノカプセル230内部を満たした液晶分子220が規則的に整列することになる。
【0067】
その結果、液晶分子220の屈折率が変化するが、ナノカプセル230と、規則的に配列された液晶分子220とに最大限に類似した屈折率値を持たせることにより、ナノカプセル230と液晶分子220との間の界面における光散乱を最小化することができる。
【0068】
したがって、ナノカプセル液晶層200は透明に見えるようになる。
【0069】
ナノカプセル230の屈折率と液晶分子220の屈折率との差は、±0.1以内であることが好ましい。そのとき、液晶分子220の平均屈折率(n)は、[(ne(液晶分子の長軸方向の屈折率)+2no(液晶分子の短軸方向の屈折率))/3]に定義することができる。
【0070】
したがって、ナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置100は、電圧のオン・オフによって透過量が変化するディスプレイ用素子に適用することができる。
【0071】
特に、本発明の液晶表示装置100は、電界を印加する際、第1基板112と第2基板114との間に介在されたナノカプセル液晶層200の液晶分子220をダイナミックに回転させることにより、応答時間が向上する効果を有することになる。
【0072】
また、ナノカプセル液晶層200は光学的異方性(optical anisotropic)のある初期配向が存在しないため、配向する必要がない。よって、表示装置に配向膜を備える必要がなく、ラビング工程など配向膜の工程を行う必要がない。
【0073】
さらに、本発明のナノカプセル液晶層200は、ナノカプセル230が液晶物質からなるバッファー層210内に分散して位置する場合、プリンティング方法、コーティング法、滴下法で形成し、ナノカプセル230がフィルム形状のポリマーからなるバッファー層210内に分散して位置する場合は、ラミネーション工程で形成することにより、第1基板112と第2基板114との間における液晶層(
図1の50)が充填される離隔間隔のためのギャップを形成する工程を省略することができる。また、液晶層(
図1の50)の液晶漏れを防止するためのシールパターン(
図1の70)を形成する工程も省略することができる。
【0074】
その結果、工程の効率性を向上させることができる。
【0075】
そして、配向膜(
図1の31a、31b)工程を省略することで、本発明の液晶表示装置を曲面型表示装置やフレキシブル表示装置に適用しても、ラビング軸がずれ、液晶分子220の配列がずれたりすることによって発生し得る光漏れが発生しなくなる。
【0076】
したがって、本発明の液晶表示装置は、タッチ型表示装置、曲面型表示装置、そしてフレキシブル表示装置にも適用可能という長所を有する。
【0077】
図4a〜4bは、一般的な液晶表示装置と本発明に係る液晶表示装置における、外力による影響を示した図面である。
【0078】
図4aを参照すると、従来の液晶表示装置はタッチなどの外力が与えられる場合、液晶分子の配列に影響が及ぶ。外力によって液晶分子の配列がずれた結果、光軸がずれて光漏れ70が発生する。
【0079】
一方、
図4bを参照すると、本発明に係るナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置100は、外力が与えられても液晶分子220がナノカプセル230内部に位置し、可視光線の波長より小さいサイズで形成されるため、可視光線の影響が及ばず、外力による光漏れが発生しない。
【0080】
したがって、本発明の液晶表示装置100がフレキシブル表示装置に適用され、外力が与えられても、可視光波長より小さいナノサイズのナノカプセル230は可視光の影響を受けないため、外力による光漏れも防止することができる。
【0081】
一方、本発明の液晶表示装置100は、ナノカプセル230内部に満たされた液晶分子220が負(−)の誘電率異方性を有するネガティブ型ネマティック液晶分子220からなることを特徴とする。
【0082】
ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136とに印加される電圧差に比例するピクセル電圧の電界方向に垂直な方向に、液晶分子220が配列される。
【0083】
即ち、本発明の液晶表示装置100のナノカプセル液晶層200は、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がナノカプセル230によってカプセル化された状態からなり、かかるナノカプセル液晶層200は、電圧が印加されていないときは光学的等方性を有し、電圧が印加されると、電界方向に垂直な方向に配列され、光学的異方性を有する。
【0084】
本発明のナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置100は様々な実施例で具現化することができる。以下、各実施例について、さらに詳しく説明する。
【0085】
<第1実施例>
図5a〜5bは、本発明の第1実施例に係るナノカプセル液晶層を備える液晶表示装置を示した模式図である。
【0086】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置100は、液晶パネル110と、その背面から光を供給するバックライトユニット160とからなる。液晶パネル110は、ナノカプセル液晶層200を介して対面する第1及び第2基板112、114、そして第1及び第2基板112、114の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏光板120、130を含む。
【0087】
液晶パネル110は垂直電界方式であり、第1基板112の内面には薄膜トランジスタ(
図3のT)と画素電極124が設けられており、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図3の132)及びカラーフィルター134、そして共通電極136が設けられている。また、第2基板114の内面にはブラックマトリクス132及びカラーフィルター134を覆うオーバーコート層(図示せず)が設けられても良い。
【0088】
画素電極124と共通電極136の下部には、それぞれ画素電極124と共通電極136の長さ方向に沿って複数の突起150が帯状に隣接して配列される。複数の突起150は、山と谷が繰り返されている形で配列される。
【0089】
突起150は、透明絶縁材質からなる。複数の突起150は頂点から所定角度で傾いた第1及び第2傾斜面からなるが、画素電極124の下部に形成される突起150の傾斜面と、共通電極136の下部に形成される突起150の傾斜面は、互いに対面するよう、平行に対応して形成される。
【0090】
かかる複数の突起150のため、複数の突起150の上部に設けられる画素電極124と共通電極136も、複数の突起150の傾斜面に沿って山と谷が繰り返される形で傾斜面が互いに対面するよう、平行に対応して形成される。
【0091】
即ち、画素電極124は下部に形成される複数の突起150によって頂点から所定角度で傾いた第1及び第2傾斜面が複数構成される。また、共通電極136も下部に形成される複数の突起150によって頂点から所定角度で傾いた第1及び第2傾斜面が複数構成される。
【0092】
そのとき、画素電極124の傾斜面と共通電極136の傾斜面は互いに対面するよう、平行に対応して形成されるため、画素電極124の傾斜面と共通電極136の傾斜面との間の離隔間隔は同一に形成される。
【0093】
このように画素電極124と共通電極136が傾斜面を有するように設けられることにより、画素電極124と共通電極136との間に形成される電界は、画素電極124と共通電極136の傾斜面に垂直に形成される。
【0094】
したがって、ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136に電圧が印加されると、画素電極124と共通電極136に印加される電圧差に比例するピクセル電圧の電界方向に対して垂直になるよう、第1基板に対し、1〜5度のチルト角を有して並んで配列される。
【0095】
即ち、ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、第1及び第2基板112、114に垂直な垂直電界に対して垂直に配列され、電界方向に垂直な方向に屈折率が発現する。
【0096】
したがって、最大輝度を実現するため、第1及び第2偏光板120、130の偏光軸は、電界方向に対して垂直に配列される液晶分子220とそれぞれ45度を成すように取り付けられる。
【0097】
そして、バックライトユニット160は、自然光に近い散乱光を液晶パネル110へ供給する。
【0098】
図5aに示すように、電圧がオフ状態のとき、バックライトユニット160からの散乱光は、第1偏光板120によってその偏光軸と平行な線形偏光のみ透過する。
【0099】
しかし、ナノカプセル液晶層200は、電圧がオフの状態においてはネガティブ型ネマティック液晶分子220が任意の方向に不規則に配列されており、ネガティブ型ネマティック液晶分子220とそれをカプセル化するナノカプセル230とが互いに異なる屈折率異方性を有するため、光学的等方性を有することになる。
【0100】
したがって、第1偏光板120を透過した線形偏光はナノカプセル液晶層200をそのまま通過するが、第1偏光板120の偏光軸と垂直な第2偏光板130を通過できず、遮断されてブラックを表示することになる。
【0101】
次に、
図5bに示すように、画素電極124と共通電極136に電圧を印加すると、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成す電界方向に対して垂直になるよう、第1基板112に対し、1〜5度のチルト角を有して並んで配列される。
【0102】
したがって、ナノカプセル液晶層200は、光学的異方性を発現することになる。
【0103】
その結果、バックライトユニット160からの散乱光は、第1偏光板120によってその偏光軸と平行な線形偏光のみ透過し、他は吸収される。そして、第1偏光板120を透過した線形偏光のうち、ネガティブ型ネマティック液晶分子220と平行な線形偏光がナノカプセル液晶層200を通過する。
【0104】
また、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光のうち、第2偏光板130の偏光軸と平行な線形偏光が第2偏光板130を透過し、ホワイトを表示する。
【0105】
前述したように、本発明の第1実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136が傾斜面を有するように形成し、ネガティブ型ネマティック液晶分子220が画素電極124と共通電極136とが成す電界方向に対して垂直になるよう、第1基板112に対し、1〜5度のチルト角を有して並んで配列されるようにすることで、ネガティブ型ネマティック液晶分子220をさらに均一に並べて配列することができる。
【0106】
即ち、画素電極124と共通電極136が傾斜面を有しない場合、ナノカプセル230内で任意の方向に不規則に配列されているネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136との間に形成される電界方向に対し、垂直に配列される過程において方向性がないため、互いにぶつかってしまう。
【0107】
ネガティブ型ネマティック液晶分子220が配列過程でぶつかるため、均一に並んで配列できず、その結果、光漏れが発生する。
【0108】
そして、光漏れは輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を引き起こす。
【0109】
しかし、本発明の第1実施例のように画素電極124と共通電極136の下部に複数の突起150を形成し、画素電極124と共通電極136が傾斜面を有するように形成することにより、ナノカプセル230内で任意の方向に不規則に配列されていたネガティブ型ネマティック液晶分子220は、傾斜面に対して垂直に形成される電界によって一定方向に、より簡単に回転して配列される。
【0110】
したがって、ネガティブ型ネマティック液晶分子220が配列過程においてぶつかり、配列がずれる問題を未然に防止することができ、配列のずれによる光漏れも防止することができる。
【0111】
その結果、液晶表示装置100の透過率を向上させる効果を有する。
【0112】
また、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成す電界方向に対して垂直になるよう、第1基板112に対し、1〜5度のチルト角を有して並んで配列されるので、回転がより簡単に行われ、応答時間がさらに向上する。
【0113】
前述したように、本発明の第1実施例に係る液晶表示装置100は、不規則に配列されたネガティブ型ネマティック液晶分子220で内部が満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散したナノカプセル液晶層200を、第1基板112と第2基板114との間に介在させることで、一般的な液晶表示装置(
図1の10)に比べ、応答時間が向上する効果がある。
【0114】
また、ナノカプセル液晶層200は光学的異方性のある初期配向が存在しないため、配向する必要がない。よって、表示装置に配向膜(
図1の31a、31b)を備える必要も、ラビング工程など配向膜の工程を行う必要もない。
【0115】
さらに、本発明のナノカプセル液晶層200は、ナノカプセル230が液晶物質からなるバッファー層210内に分散して位置する場合、プリンティング方法、コーティング法、滴下法で形成し、ナノカプセル230がフィルム形状のポリマーからなるバッファー層210内に分散して位置する場合は、ラミネーション工程で形成することにより、第1基板112と第2基板114との間における液晶層(
図1の50)が充填される離隔間隔のためのギャップを形成する工程を省略することができる。また、液晶層(
図1の50)の液晶漏れを防止するためのシールパターン(
図1の70)を形成する工程も省略することができる。
【0116】
その結果、工程の効率性を向上させることができる。
【0117】
そして、配向膜工程を省略することで、本発明の液晶表示装置100を曲面型表示装置やフレキシブル表示装置に適用しても、ラビング軸がずれ、液晶分子の配列がずれることによって発生し得る光漏れが発生しなくなる。
【0118】
したがって、本発明の液晶表示装置100は、タッチ型表示装置、曲面型表示装置、そしてフレキシブル表示装置にも適用可能という長所を有する。
【0119】
特に、本発明の第1実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136が傾斜面を有するように形成することにより、ネガティブ型ネマティック液晶分子220が配列過程においてぶつかり、配列がずれる問題を未然に防止することができ、ネガティブ型ネマティック液晶分子220配列のずれによる光漏れを防止することができる。
【0120】
その結果、液晶表示装置100の透過率を向上させる効果を有する。
【0121】
また、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成す電界方向に対して垂直になるよう、第1基板112に対し、1〜5度のチルト角を有して並んで配列されるので、回転がより簡単に行われ、応答時間をさらに向上させることができる。
【0122】
一方、本発明の第1実施例に係る液晶表示装置100は、
図6に示すように、第1基板112上に薄膜トランジスタ(
図3のT)とカラーフィルター134が設けられるCOT(color filter on transistor)構造にしても良い。
【0123】
即ち、
図3及び
図6を参照すると、第1基板112上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して、互いに垂直に交差して画素領域Pを定義するゲート配線116とデータ配線118が設けられ、ゲート配線116とデータ配線118の交差領域には、薄膜トランジスタTが設けられる。薄膜トランジスタTの上部には、保護膜(図示せず)を介して、画素領域Pのみを露出するよう、ブラックマトリクスが格子状に構成され、画素領域P上には、順次繰り返し配列されるR(red)、G(green)、B(blue)カラーフィルター134が設けられる。
【0124】
そして、第1基板112の画素領域Pには、複数の突起150によって傾斜面を有する画素電極124が設けられ、第2基板114上には、複数の突起150によって画素電極124の傾斜面と対面するよう、平行に対応する傾斜面を有する共通電極136が設けられる。
【0125】
一方、
図7に示すように、COT構造では、第2基板114を省略することもできる。第2基板114を省略する場合、共通電極136は、第2偏光板130の内面に形成することができる。
【0126】
<第2実施例>
図8a〜8bは、本発明の第2実施例に係るナノカプセル液晶層を備える液晶表示装置を示した模式図である。
【0127】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置(
図3の100)は、液晶パネル110と、その背面から光を供給するバックライトユニット160とからなる。液晶パネル110は、ナノカプセル液晶層200を介して対面する第1及び第2基板112、114、そして第1及び第2基板112、114の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏光板120、130を含む。
【0128】
液晶パネル110は垂直電界方式であり、第1基板112の内面には薄膜トランジスタ(
図3のT)と画素電極124が設けられており、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図3の132)及びカラーフィルター134、そして共通電極136が設けられている。また、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図3の132)及びカラーフィルター134を覆うオーバーコート層(図示せず)が設けられても良い。
【0129】
ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、第1及び第2基板112、114に垂直な垂直電界に対して垂直に配列され、電界方向に垂直な方向に屈折率が発現する。
【0130】
したがって、最大輝度を実現するため、第1及び第2偏光板120、130の偏光軸は、電界方向に対して垂直に配列される液晶分子220とそれぞれ45度を成すように取り付けられる。
【0131】
そして、バックライトユニット160は、自然光に近い散乱光を液晶パネル110へ供給する。
【0132】
本発明の第2実施例における特徴は、第2基板114と第2偏光板130との間に位相遅延フィルム170が位置することである。
【0133】
位相遅延フィルム170は、1/4の位相遅延値を有するλ/4波長板(quarter wave plate、QWP)からなる。
【0134】
図8aに示すように、電圧がオフ状態のとき、バックライトユニット160からの散乱光は、第1偏光板120によってその偏光軸と平行な線形偏光のみ透過する。
【0135】
しかし、ナノカプセル液晶層200は、電圧がオフの状態においてはネガティブ型ネマティック液晶分子220が任意の方向に不規則に配列されており、ネガティブ型ネマティック液晶分子220とそれをカプセル化するナノカプセル230とが互いに異なる屈折率異方性を有するため、光学的等方性を有することになる。
【0136】
したがって、第1偏光板120を透過した線形偏光はナノカプセル液晶層200をそのまま通過するが、第1偏光板120の偏光軸と垂直な第2偏光板130を通過できず、遮断されてブラックを表示することになる。
【0137】
次に、
図8bに示すように、画素電極124と共通電極136に電圧を印加すると、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成す電界方向に対して垂直になるよう、並んで配列される。
【0138】
したがって、ナノカプセル液晶層200は、光学的異方性を発現することになる。
【0139】
その結果、バックライトユニット160からの散乱光は、第1偏光板120によってその偏光軸と平行な線形偏光のみ透過し、他は吸収される。そして、第1偏光板120を透過した線形偏光のうち、ネガティブ型ネマティック液晶分子220と平行な線形偏光がナノカプセル液晶層200を通過する。
【0140】
また、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光は、位相遅延フィルム170を通じて円偏光に変調された後、第2偏光板130を透過する過程において第2偏光板130の偏光軸と平行な線形偏光に変調され、第2偏光板130を透過する。
【0141】
したがって、ホワイトを表示することになる。
【0142】
本発明の第2実施例に係る液晶表示装置100は、第2基板114と第2偏光板130との間に位相遅延フィルム170を介在することにより、光漏れを発生しなくなる。また、輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を引き起こすことがない。
【0143】
これについてさらに詳細に説明すると、ナノカプセル230内で任意の方向に不規則に配列されているネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136との間に形成される電界方向に対し、垂直に配列される過程において方向性がないため、互いにぶつかってしまう。
【0144】
ネガティブ型ネマティック液晶分子220が配列過程でぶつかるため、均一に並んで配列できず、その結果、光漏れが発生する。そして、光漏れは輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を引き起こす。
【0145】
しかし、本発明の第2実施例に係る液晶表示装置100は、第2基板114と第2偏光板130との間に、1/4の位相遅延値を有するλ/4波長板(QWP)からなる位相遅延フィルム170を介在することにより、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光を、位相遅延フィルム170を通じて円偏光に変調した後、変調された円偏光状態の光が第2偏光板130を透過するようにすることで、光漏れを防止することができる。
【0146】
したがって、光漏れによる輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を未然に防止することができる。
【0147】
前述したように、本発明の液晶表示装置100は、応答時間が向上する効果がある。また、配向膜(
図1の31a、31b)工程やギャップ形成工程、シールパターン(
図1の70)の形成工程を省略することができ、工程の効率性を向上させることができる。
【0148】
そして、本発明の液晶表示装置100は、タッチ型表示装置、曲面型表示装置、そしてフレキシブル表示装置にも適用可能という長所を有する。
【0149】
特に、本発明の第2実施例に係る液晶表示装置100は、第2基板114と第2偏光板130との間に位相遅延フィルム170を介在することにより、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光を、位相遅延フィルム170を通じて円偏光に変調した後、変調された円偏光状態の光が第2偏光板130を透過するようにすることで、光漏れを防止することができる。
【0150】
したがって、光漏れによる輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を未然に防止することができる。
【0151】
一方、本発明の第2実施例に係る液晶表示装置100は、
図9に示すように、第1基板112上に薄膜トランジスタ(
図3のT)とカラーフィルター134が設けられるCOT構造にしても良い。
【0152】
即ち、
図3及び
図9を参照すると、第1基板112上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介し、互いに垂直に交差して画素領域Pを定義するゲート配線116とデータ配線118が設けられ、ゲート配線116とデータ配線118の交差領域には、薄膜トランジスタTが設けられる。薄膜トランジスタTの上部には、保護膜(図示せず)を介し、画素領域Pのみを露出するよう、ブラックマトリクス132が格子状に構成され、画素領域P上には、順次繰り返し配列されるR(red)、G(green)、B(blue)カラーフィルター134が設けられる。
【0153】
そして、第1基板112の画素領域P上には画素電極124が設けられ、第2基板114上には共通電極136が設けられる。
【0154】
一方、
図10に示すように、COT構造では、第2基板114を省略することもできる。
【0155】
第2基板114を省略する場合、位相遅延フィルム170は、第2偏光板130とナノカプセル液晶層200との間に介在することができる。そして、共通電極136は、位相遅延フィルム170の内面に形成することができる。
【0156】
<第3実施例>
図11aは、本発明の第3実施例に係るナノカプセル液晶層を備える液晶表示装置を示した模式図である。
【0157】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置(
図3の100)は、液晶パネル110と、その背面から光を供給するバックライトユニット160とからなる。液晶パネル110は、ナノカプセル液晶層200を介して対面する第1及び第2基板112、114、そして第1及び第2基板112、114の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏光板120、130を含む。
【0158】
液晶パネル110は垂直電界方式であり、第1基板112の内面には薄膜トランジスタ(
図3のT)と画素電極124が設けられており、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図3の132)及びカラーフィルター134、そして共通電極136が設けられている。
【0159】
また、第2基板114の内面にはブラックマトリクス132及びカラーフィルター134を覆うオーバーコート層(図示せず)が設けられても良い。
【0160】
本発明の第3実施例における特徴は、画素電極124と共通電極136がそれぞれ第1スリット180aと第2スリット180bを含んで設けられることである。
【0161】
即ち、画素電極124は離隔して複数の第1スリット180aを構成し、共通電極136も離隔して複数の第2スリット180bを構成する。
【0162】
複数の第1スリット180aの幅は、複数の各画素電極124の幅より非常に狭い。即ち、複数の画素電極124の幅が複数の第1スリット180aの幅より数倍〜数十倍程度大きく形成される。
【0163】
そして、第1及び第2スリット180a、180bは、上下に交互するように配置される。それぞれの第1スリット180aは、それに隣接した第2スリットを介して位置した共通電極の中央に位置するように設けられる。一方、第2スリット180bは、それに最も隣接した二つの第1スリット180aの間に位置する画素電極124の中央に位置するように構成されることを特徴とする。
【0164】
したがって、画素電極124及び共通電極136に電圧を印加すると、本発明の第3実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136との間において第1及び第2基板112、114に垂直な方向から外れてフリンジフィールドを具現化する。
【0165】
その結果、ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136との間のフリンジフィールドに垂直に配列され、フリンジフィールドに垂直な方向に屈折率が発現する。
【0166】
したがって、ナノカプセル液晶層200は、光学的異方性を発現することになる。
【0167】
その結果、バックライトユニット160からの散乱光は、第1偏光板120によってその偏光軸と平行な線形偏光のみ透過し、他は吸収される。そして、第1偏光板120を透過した線形偏光のうち、ネガティブ型ネマティック液晶分子220と平行な線形偏光がナノカプセル液晶層200を通過する。
【0168】
また、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光のうち、第2偏光板130の偏光軸と平行な線形偏光が第2偏光板130を透過し、ホワイトを表示することになる。
【0169】
本発明の第3実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136に形成されたスリット180a、180bによってフリンジフィールドを具現化し、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がフリンジフィールドに垂直になるよう、並んで配列されることで、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がさらに均一に並んで配列され得る。
【0170】
即ち、ナノカプセル230内で任意の方向に不規則に配列されていたネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136との間に形成されるフリンジフィールドによって一定方向に、より簡単に回転して配列される。
【0171】
したがって、ネガティブ型ネマティック液晶分子220が配列過程においてぶつかり、配列がずれる問題を未然に防止することができ、配列のずれによる光漏れも防止することができる。
【0172】
その結果、液晶表示装置100の透過率を向上させる効果を有する。
【0173】
また、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成すフリンジフィールドに対して垂直になるよう並んで配列されるので、回転がより簡単に行われ、応答時間がさらに向上する。
【0174】
前述したように、本発明の液晶表示装置100は、応答時間が向上する効果がある。また、配向膜(
図1の31a、31b)工程やギャップ形成工程、シールパターン(
図1の70)の形成工程を省略することができ、工程の効率性を向上させることができる。
【0175】
そして、本発明の液晶表示装置100は、タッチ型表示装置、曲面型表示装置、そしてフレキシブル表示装置にも適用可能という長所を有する。
【0176】
特に、本発明の第3実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136に形成されたスリット180a、180bによってフリンジフィールドを具現化し、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がフリンジフィールドに垂直になるよう並んで配列されることで、光漏れを防止することができる。
【0177】
したがって、光漏れによる輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を未然に防止することができる。
【0178】
本発明の第3実施例に係る液晶表示装置100は、各ネガティブ型ネマティック液晶分子220が第2基板114上に形成された第2スリット180bに対応し、規則的な一貫した配列を有する。そのため、
図11bに示すように、第2基板114上に形成された第2スリット180bを画素領域P内において上下に曲がった形にさせることで、各画素領域P内において上下左右に異なる四つのドメインを具現化することができる。
【0179】
また、図面に示していないが、第2基板114上に形成された第2スリット180bを一つの画素領域内に複数構成し、複数の第2スリット180bを各画素領域内において上下に曲がった形にさせることで、第2スリット180bの個数の4倍に該当するマルチドメインを構成することもできる。
【0180】
<第4実施例>
図12aは、本発明の第4実施例に係るナノカプセル液晶層を備える液晶表示装置を示した模式図である。
【0181】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備える液晶表示装置(
図3の100)は、液晶パネル110と、その背面から光を供給するバックライトユニット160とからなる。液晶パネル110は、ナノカプセル液晶層200を介して対面する第1及び第2基板112、114、そして第1及び第2基板112、114の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏光板120、130を含む。
【0182】
液晶パネル110は垂直電界方式であり、第1基板112の内面には薄膜トランジスタ(
図3のT)と画素電極124が設けられており、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図3の132)及びカラーフィルター134、そして共通電極136が設けられている。
【0183】
また、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図3の132)及びカラーフィルター134を覆うオーバーコート層(図示せず)が設けられても良い。
【0184】
本発明の第4実施例における特徴は、画素電極124が画素スリット190aを含み、共通電極136には複数の共通突起190bが設けられることである。
【0185】
即ち、画素電極124は離隔して複数の画素スリット190aを構成し、共通電極136上には複数の共通突起190bが離隔して形成されている。
【0186】
複数の共通突起190bの断面は三角形であるが、半円や半楕円形などであっても良い。
【0187】
複数の共通突起190b及び画素スリット190aは、平面から見て画素領域内で互いに並んで配置される。断面から見ると、液晶層200を基準にしてその上部・下部が交互にジグザグ状に、第1及び第2基板112、114上に形成される。
【0188】
即ち、画素スリット190aは上部にある複数の共通突起190bの間の離隔領域に対応して形成されており、複数の共通突起190bのそれぞれは下部の画素スリット190aを介して位置する画素電極124の中央にそれぞれ位置するよう形成される。
【0189】
したがって、画素電極124及び共通電極136に電圧を印加すると、本発明の第4実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136との間において第1及び第2基板112、114に垂直な方向から外れてフリンジフィールドを具現化する。
【0190】
その結果、ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136との間のフリンジフィールドに垂直に配列され、フリンジフィールドに垂直な方向に屈折率が発現する。
【0191】
したがって、ナノカプセル液晶層200は、光学的異方性を発現することになる。
【0192】
その結果、バックライトユニット160からの散乱光は、第1偏光板120によってその偏光軸と平行な線形偏光のみ透過し、他は吸収される。そして、第1偏光板120を透過した線形偏光のうち、ネガティブ型ネマティック液晶分子220と平行な線形偏光がナノカプセル液晶層200を通過する。
【0193】
また、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光のうち、第2偏光板130の偏光軸と平行な線形偏光が第2偏光板130を透過し、ホワイトを表示することになる。
【0194】
本発明の第4実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136に形成された画素スリット190aと、共通突起190bによって画素電極124と共通電極136がフリンジフィールドを具現化し、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がフリンジフィールドに垂直になるよう、並んで配列されることで、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がさらに均一に並んで配列され得る。
【0195】
即ち、ナノカプセル230内で任意の方向に不規則に配列されていたネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136との間に形成されるフリンジフィールドによって一定方向により簡単に回転して配列される。
【0196】
したがって、ネガティブ型ネマティック液晶分子220が配列過程においてぶつかり、配列がずれる問題を未然に防止することができ、配列のずれによる光漏れも防止することができる。
【0197】
その結果、液晶表示装置(
図2の100)の透過率を向上させる効果を有する。
【0198】
また、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成すフリンジフィールドに対して垂直になるよう並んで配列されるので、回転がより簡単に行われ、応答時間がさらに向上する。
【0199】
前述したように、本発明の液晶表示装置100は、応答時間が向上する効果がある。また、配向膜(
図1の31a、31b)工程やギャップ形成工程、シールパターン(
図1の70)の形成工程を省略することができ、工程の効率性を向上させることができる。
【0200】
そして、本発明の液晶表示装置100は、タッチ型表示装置、曲面型表示装置、そしてフレキシブル表示装置にも適用可能という長所を有する。
【0201】
特に、本発明の第4実施例に係る液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136に形成された画素スリット190aと、共通突起190bによって画素電極124と共通電極136がフリンジフィールドを具現化し、ネガティブ型ネマティック液晶分子220がフリンジフィールドに垂直になるよう並んで配列されることで、光漏れを防止することができる。
【0202】
したがって、光漏れによる輝度不均一及び均一な画像を具現化できないという問題を未然に防止することができる。
【0203】
本発明の第4実施例に係る液晶表示装置100は、各ネガティブ型ネマティック液晶分子220が各共通突起190bに対応し、規則的な一貫した配列を有する。そのため、
図12bに示すように、第2基板114上に形成された共通突起190bを画素領域P内において上下に曲がった形にさせることで、各画素領域P内において上下左右に異なる四つのドメインを具現化することができる。
【0204】
以下に記述する本発明の第5及び第6実施例に係る液晶表示装置は、反射型液晶表示装置に関する。
【0205】
<第5実施例>
図13は、本発明の第5実施例に係る反射型液晶表示装置を示した斜視図である。
【0206】
液晶表示装置100は、液晶パネル110と、偏光板130と、位相差板175と、反射板140とからなる。
【0207】
まず、液晶パネル110は画像表現において中核的な役割を担う部分であって、ナノカプセル液晶層200を介して対面合着された第1及び第2基板112、114を含む。
【0208】
下部基板、またはアレイ基板と呼ばれる第1基板112の一面には複数のゲート配線116とデータ配線118が縦横に交差し、画素領域Pを定義する。
【0209】
これらの両配線116、118の交差地点には薄膜トランジスタTが備えられ、各画素領域Pに設けられた透明画素電極124と一対一で対応して接続する。
【0210】
また、ナノカプセル液晶層200を介して第1基板112と対面する第2基板114は、上部基板またはカラーフィルター基板と呼ばれる。その一面には第1基板112のゲート配線116とデータ配線118、そして薄膜トランジスタTなどの非表示要素を遮りながら画素電極124のみを露出するよう、画素領域Pを囲む格子状のブラックマトリクス132が設けられる。
【0211】
また、その格子内部に、各画素領域Pに対応して、順次繰り返し配列されるR(red)、G(green)、B(blue)カラーフィルター134と、これらを全て覆う透明共通電極136が設けられる。
【0212】
さらに、図面には明確に示していないが、第1基板112は第2基板114より大きい面積を有しているため、第1及び第2基板112、114を合着する際に第1基板112の縁部が外部に露出される。ここにはそれぞれ複数のデータ配線118に連結された複数のデータパッド118aと、複数のゲート配線116に連結された複数のゲートパッド(図示せず)とが位置する。
【0213】
したがって、薄膜トランジスタTのオン・オフ信号がゲート配線116に順次スキャンされて印加され、選択された画素領域Pの画素電極124にデータ配線118の画像信号が伝達されると、画素電極124と共通電極136との間の垂直電界によってその間のナノカプセル液晶層200の液晶分子220が駆動され、それによる光の透過率変化で様々な画像を表示することができる。
【0214】
そして、かかる液晶パネル110の第2基板114の外面には、特定光のみを選択的に透過させる偏光板130が取り付けられる。
【0215】
第2基板114と偏光板130との間には、位相差板175が位置する。位相差板175は、線偏光を円偏光に変換するよう、四分の一波長板からなる。
【0216】
位相差板175の屈折率は、屈折率nx、ny、nzがnx=ny>nzを満たすことが好ましい。即ち、二つの水平軸の屈折率、nxとnyは同一であり、かつ垂直軸の屈折率、nzは水平軸の屈折率のnx、nyより小さい値を有することが好ましい。一方、位相差板175は、偏光板130と一体に形成しても良い。
【0217】
そして、第1基板112の外面には反射板140が位置する。反射板140は、外部からの外部光を反射して液晶パネル110へ光を供給することで、液晶パネル110が示す透過率差が外部へ発現できるようにする。
【0218】
反射板140は、反射率を高めるため、アルミニウムなどの金属材質からなっても良く、反射電極の形態で第1基板112とナノカプセル液晶層200との間に位置しても良い。
【0219】
反射板140が反射電極の形態で第1基板112とナノカプセル液晶層200との間に位置する場合、乱反射できるよう、反射電極をエンボス(embossing)状に形成することができる。
【0220】
本発明に係る反射型液晶表示装置100の最も特徴的なことは、ナノカプセル液晶層200を第1基板112と第2基板114との間に介在して形成したことである。
【0221】
ナノカプセル液晶層200は、内部が液晶分子220で満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散し、ナノカプセル液晶層200の光透過量を変更することで画像を表示する。
【0222】
かかるナノカプセル液晶層200は等方性液晶である。等方性液晶は、電圧が印加されていないときは3次元または2次元において光学的等方性を有するが、電界を印加すると、画素電極124と共通電極136とに印加される電圧差に比例するピクセル電圧の電界方向に垂直若しくは水平方向に複屈折が生じる性質を持つ。
【0223】
即ち、ナノカプセル230内部に満たされた液晶分子220が、負(−)の誘電率異方性を有するネガティブ型ネマティック液晶分子220からなる場合、液晶分子220は電界方向に垂直な方向に配列され、複屈折が発生する。一方、ナノカプセル230内部に満たされた液晶分子220が、正(+)の誘電率異方性を有するポジティブ型ネマティック液晶分子220からなる場合、液晶分子220は電界方向に平行な方向に配列され、複屈折が発生する。
【0224】
したがって、かかるナノカプセル液晶層200は、電圧印加時には光学的一軸性を示す。
【0225】
それについてさらに詳細に説明する。本発明のナノカプセル液晶層200は、液晶分子220をナノサイズのカプセル230でカプセル化するが、液晶分子220はナノカプセル230内で不規則に配列される。
【0226】
ナノカプセル液晶層200内においてナノカプセル230は5体積%〜95体積%に形成することができる。好ましくはナノカプセル230をナノカプセル液晶層200の25体積%〜65体積%に形成し、残部をバッファー層210とする。
【0227】
バッファー層210は、透明若しくは半透明な材質で、水溶性、脂溶性若しくは混合された性質にすることができる。また、温度や紫外線などにより、硬化することができる。
【0228】
かかるバッファー層210は強度を向上させ、かつ硬化時間を短縮するため、添加物が含まれても良い。
【0229】
そして、ナノカプセル230の直径は1nm〜320nmにすることができるが、好ましくは30nm〜100nmに形成する。
【0230】
ナノカプセル230を可視光線の波長(320nm)以下のサイズに形成することにより、屈折率による光学的変化が発生することなく、光学的等方性を有することができる。また、可視光線により、散乱の影響を最小化することができる。
【0231】
特に、ナノカプセル230を100nm以下に形成する場合は、高コントラスト比を有することができる。
【0232】
ナノカプセル230を含むナノカプセル液晶層200の厚さ、即ち、セルギャップは1μm〜10μmにすることができるが、好ましくは2μm〜5μmに形成する。
【0233】
ナノカプセル液晶層200のセルギャップが2μm以下の場合、光の透過率差を外部に発現し難しくなる。また、5μm以上の場合は、電極124、136間の間隔が広くなり、高い消費電力が求められる。さらに、液晶パネル110の全体厚が厚くなり、最近求められている傾向及び薄型の反射型液晶表示装置を具現化し難いという問題を引き起こすことがある。
【0234】
このようにナノカプセル230内に不規則に配列された液晶分子220とナノカプセル230は、互いに屈折率が相異するため、液晶分子220とナノカプセル230との間の界面において光散乱が発生する。
【0235】
したがって、光がその界面を通過する際、界面で光が散乱し、有白色の不透明な状態となるが、ナノカプセル液晶層200は光学的等方性を有するので、光はかかるナノカプセル液晶層200をそのまま通過する。
【0236】
しかし、ナノカプセル液晶層220に電圧を印加すると、各ナノカプセル230内部を満たした液晶分子220が規則的に整列することになる。
【0237】
その結果、液晶分子220の屈折率が変化するが、ナノカプセル230と、規則的に配列された液晶分子220とに最大限に類似した屈折率値を持たせることにより、ナノカプセル230と液晶分子220との間の界面における光散乱を最小化することができる。
【0238】
したがって、ナノカプセル液晶層200は透明に見えるようになり、複屈折が発生する。
【0239】
ナノカプセル230の屈折率と液晶分子220の屈折率との差は、±0.1以内であることが好ましい。そのとき、液晶分子220の平均屈折率(n)は、[(ne(液晶分子の長軸方向の屈折率)+2no(液晶分子の短軸方向の屈折率))/3]に定義することができる。
【0240】
したがって、ナノカプセル液晶層200を備える反射型液晶表示装置100は、電圧のオン・オフによって透過量が変化するディスプレイ用素子に適用することができる。
【0241】
特に、ナノカプセル液晶層200は光学的異方性のある初期配向が存在しないため、配向する必要がない。よって、表示装置に配向膜を備える必要も、ラビング工程など配向膜の工程を行う必要もない。
【0242】
さらに、本発明のナノカプセル液晶層200は、ナノカプセル230が液晶物質からなるバッファー層210内に分散して位置する場合、プリンティング方法、コーティング法、滴下法で形成し、ナノカプセル230がフィルム形状のポリマーからなるバッファー層210内に分散して位置する場合は、ラミネーション工程で形成することにより、第1基板112と第2基板114との間における液晶層(
図1の50)が充填される離隔間隔のためのギャップを形成する工程を省略することができる。また、液晶層の液晶漏れを防止するためのシールパターンを形成する工程も省略することができる。
【0243】
その結果、工程の効率性を向上させることができる。
【0244】
また、かかる反射型液晶表示装置100は、外力が与えられても液晶分子220がナノカプセル230内部に位置し、可視光線の波長より小さいサイズで形成されるため、可視光線の影響が及ばず、外力による光漏れが発生しない。したがって、本発明の液晶表示装置100がフレキシブル表示装置に適用され、外力が与えられても、可視光波長より小さいナノサイズのナノカプセル230は可視光の影響を受けないため、外力による光漏れも防止することができる。
【0245】
さらに、本発明の反射型液晶表示装置100は、電界を印加する際、第1基板112と第2基板114との間に介在されたナノカプセル液晶層200の液晶分子220を、従来の反射型液晶表示装置の液晶層に比べてダイナミックに回転させることにより、応答時間が向上する効果を有する。
【0246】
図14a〜14bは、本発明の第5実施例に係るナノカプセル液晶層を備える反射型液晶表示装置の画像具現原理を概略的に示した模式図である。そして、
図15a〜15bは、
図14a〜14bにおける透過光の特性を説明するための光透過図である。
【0247】
本発明の第5実施例に係る反射型液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136が垂直電界を成す液晶パネル110を一例に挙げて説明する。液晶分子220は、負(−)の誘電率異方性を有するネガティブ型ネマティック液晶分子からなる。
【0248】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備える反射型液晶表示装置100は、外部光の入射方向に近づくように偏光板130が配置され、位相差板175と液晶パネル110と反射板140とが順次配置される。
【0249】
位相差板175は、第2基板114とナノカプセル液晶層200との間に介在されても良い。また、反射板140は、反射電極の形態で第1基板112とナノカプセル液晶層200との間に位置しても良い。
【0250】
液晶パネル110は、ナノカプセル液晶層200を介して対面合着された第1及び第2基板112、114を含む。そして、液晶パネル110は垂直電界方式であり、第1基板112の内面には薄膜トランジスタ(
図13のT)と画素電極124が設けられており、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図13の132)及びカラーフィルター134、そして共通電極136が設けられている。
【0251】
また、第2基板114の内面にはブラックマトリクス132及びカラーフィルター134を覆うオーバーコート層(図示せず)が設けられても良い。
【0252】
ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、第1及び第2基板112、114に垂直な垂直電界に対して垂直に配列され、電界方向に垂直な方向に屈折率が発現する。
【0253】
図14a及び
図15aを参照すると、ナノカプセル液晶層200は、液晶パネル110に電圧がかかっていない状態においてはネガティブ型ネマティック液晶分子220が任意の方向に不規則に配列されており、ネガティブ型ネマティック液晶分子220とそれをカプセル化するナノカプセル230とが互いに異なる屈折率異方性を有するため、光学的等方性を有することになる。
【0254】
したがって、外部からの光が偏光板130を透過する際、その偏光軸と平行な第1線形偏光のみ透過し、他は吸収される。そして、第1線形偏光は位相差板175を通過する際、円形偏光、例えば左円偏光に変換される。
【0255】
左円偏光された光はナノカプセル液晶層200をそのまま通過し、ナノカプセル液晶層200を通過した光は反射板140によって反射され、右円偏光に変換される。
【0256】
右円偏光された光はそのままナノカプセル液晶層200を通過し、そのまま位相差板175を通過するが、位相差板175を通過する過程において第1線形偏光に垂直な第2線形偏光に変換される。
【0257】
その結果、位相差板175を通過した第2線形偏光は偏光板130を透過できず、遮断されてブラックを表示することになる。
【0258】
次に、
図14b及び
図15bに示すように、画素電極124と共通電極136に電圧を印加すると、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成す電界方向に対して垂直になるよう、並んで配列される。
【0259】
したがって、ナノカプセル液晶層200は、光学的異方性を発現することになる。
【0260】
したがって、外部からの光が偏光板130を透過する際、その偏光軸と平行な第1線形偏光のみ透過し、他は吸収される。そして、第1線形偏光は位相差板175を通過する際、円形偏光、例えば左円偏光に変換される。
【0261】
左円偏光された光は、ナノカプセル液晶層200を通過する過程においてナノカプセル液晶層200によって位相遅延される。その結果、第1線形偏光と垂直な第2線形偏光のみナノカプセル液晶層200を通過することになる。
【0262】
ナノカプセル液晶層200を通過した第2線形偏光は、反射板140によって反射された後、ナノカプセル液晶層200を通過する過程において右円偏光に位相遅延される。また、右円偏光された光は、位相差板175を透過する際に第1線形偏光に変換された後、偏光板130を透過してホワイトを表示することになる。
【0263】
<第6実施例>
図16a〜16bは、本発明の第6実施例に係るナノカプセル液晶層を備える反射型液晶表示装置の画像具現原理を概略的に示した模式図である。
【0264】
本発明の第6実施例に係る反射型液晶表示装置100は、画素電極124と共通電極136が水平電界を成す液晶パネル110を一例に挙げて説明する。液晶分子220は、正(+)の誘電率異方性を有するポジティブ型ネマティック液晶分子からなる。
【0265】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備える反射型液晶表示装置100は、外部光の入射方向に近づくように偏光板130が配置され、位相差板175と液晶パネル110と反射板140とが順次配置される。
【0266】
位相差板175は、第2基板114とナノカプセル液晶層200との間に介在されても良い。また、反射板140は、反射電極の形態で第1基板112とナノカプセル液晶層200との間に位置しても良い。
【0267】
液晶パネル110は、ナノカプセル液晶層200を介して対面合着された第1及び第2基板112、114を含む。そして、液晶パネル110は水平電界方式であり、第1基板112の内面には薄膜トランジスタ(
図13のT)と画素電極124、そして画素電極124から一定間隔離隔して共通電極136が設けられており、第2基板114の内面にはブラックマトリクス(
図13の132)及びカラーフィルター134が設けられている。
【0268】
また、第2基板114の内面にはブラックマトリクス132及びカラーフィルター134を覆うオーバーコート層(図示せず)が設けられても良い。
【0269】
ナノカプセル液晶層200のネガティブ型ネマティック液晶分子220は、第1及び第2基板112、114に平行な水平電界に対して水平に配列され、電界方向に水平な方向に屈折率が発現する。
【0270】
図16aのように、液晶パネル110に電圧がかかっていない状態では、外部からの光が偏光板130を透過できず、遮断されてブラックを表示することになる。
【0271】
そして、
図16bのように画素電極124と共通電極136に電圧を印加し、水平電界が形成されると、ネガティブ型ネマティック液晶分子220は、画素電極124と共通電極136が成す電界方向に均一に整列される。
【0272】
したがって、外部からの光は偏光板130と位相差板175、そしてナノカプセル液晶層200を透過し、反射板140によって反射された後、再びナノカプセル液晶層200と位相差板175、そして偏光板130を透過し、ホワイトを表示することになる。
【0273】
一方、本発明の第5及び第6実施例に係る反射型液晶表示装置100は、第1基板112上に薄膜トランジスタTとカラーフィルター134が設けられるCOT構造にしても良い。
【0274】
即ち、
図13を参照すると、第1基板112上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介し、互いに垂直に交差して画素領域Pを定義するゲート配線116とデータ配線118が設けられ、ゲート配線116とデータ配線118の交差領域には、薄膜トランジスタTが設けられる。薄膜トランジスタTの上部には、保護膜(図示せず)を介し、画素領域Pのみを露出するよう、ブラックマトリクス132が格子状に構成され、画素領域P上には、順次繰り返し配列されるR(red)、G(green)、B(blue)カラーフィルター134が設けられる。
【0275】
そして、第1基板112の画素領域Pには画素電極124が設けられ、第1基板112まは第2基板114上には、画素電極124に対応する共通電極136が設けられる。
【0276】
一方、かかるCOT構造では、第2基板114を省略することもできる。第2基板114を省略する場合、第5実施例のような垂直電界モードにおいては、共通電極136を位相差板175の内面に形成することができる。
【0277】
前述したように、本発明の実施例に係る反射型液晶表示装置100は、不規則に配列されたネマティック液晶分子220で内部が満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散したナノカプセル液晶層200を、第1基板112と第2基板114との間に介在することで、従来の液晶表示装置に比べ、応答時間が向上する効果がある。
【0278】
また、ナノカプセル液晶層200は光学的異方性のある初期配向が存在しないため、配向する必要がない。よって、表示装置に配向膜を備える必要も、ラビング工程など配向膜の工程を行う必要もない。
【0279】
さらに、本発明のナノカプセル液晶層200は、ナノカプセル230が液晶物質からなるバッファー層210内に分散して位置する場合、プリンティング方法、コーティング法、滴下法で形成し、ナノカプセル230がフィルム形状のポリマーからなるバッファー層210内に分散して位置する場合は、ラミネーション工程で形成することにより、第1基板112と第2基板114との間における液晶層が充填される離隔間隔のためのギャップを形成する工程を省略することができる。また、液晶層の液晶漏れを防止するためのシールパターンを形成する工程も省略することができる。
【0280】
その結果、工程の効率性を向上させることができる。
【0281】
また、かかる反射型液晶表示装置100は、外力が与えられても液晶分子220がナノカプセル230内部に位置し、可視光線の波長より小さいサイズで形成されるため、可視光線の影響が及ばず、外力による光漏れが発生しない。したがって、本発明の液晶表示装置100がフレキシブル表示装置に適用され、外力が与えられても、可視光波長より小さいナノサイズのナノカプセル230は可視光の影響を受けないため、外力による光漏れも防止することができる。
【0282】
以下に記述する本発明の第7〜第11実施例に係る液晶表示装置は、フレキシブル液晶表示装置に関する。
【0283】
<第7、第8及び第9実施例>
図17a〜17bは、本発明の第7実施例に係るナノカプセル液晶層を備えるフレキシブル液晶表示装置の画像具現原理を概略的に説明するための模式図である。また、
図17c〜17dは、それぞれ本発明の第8及び第9実施例に係るナノカプセル液晶層を備えるフレキシブル液晶表示装置を概略的に示した図面である。
【0284】
図面に示すように、フレキシブル液晶表示装置は、液晶パネル110とバックライトユニット160とからなる。
【0285】
まず、液晶パネル110は画像表現において中核的な役割を担う部分であって、基板112上にナノカプセル液晶層200が設けられる。
【0286】
アレイ基板と呼ばれる基板112の一面には、図面には示していないが、ゲート絶縁膜を介して互いに垂直に交差し、画素領域を定義するゲート配線とデータ配線が設けられる。ゲート配線とデータ配線との交差領域には薄膜トランジスタが備えられ、薄膜トランジスタ上部には、保護膜を介してブラックマトリクスが画素電極のみを露出するよう、格子状で構成される。また、画素領域上には、順次繰り返し配列されるR(red)、G(green)、B(blue)カラーフィルター134が設けられる。
【0287】
カラーフィルター134の上部には薄膜トランジスタと連結される画素電極124と、画素電極124と一定間隔離隔して共通電極136が設けられる。
【0288】
したがって、画素電極124と共通電極126との間の水平電界によってその間のナノカプセル液晶層200の液晶分子220が駆動され、それによる光の透過率変化で様々な画像を表示することができる。
【0289】
そして、ナノカプセル液晶層200の上部には、特定光のみを選択的に透過させる偏光板130が取り付けられる。
【0290】
さらに、液晶パネル110が示す透過率差が外部へ発現できるよう、その背面から光を供給するバックライトユニット160が備えられる。
【0291】
バックライトユニット160は、一縁部の長さ方向に沿って配列されるLEDアセンブリ129と、反射偏光フィルムと、白色または銀色の反射板125と、かかる反射板125上に位置する導光板123と、その上部に介在される光学シート121とを備える。
【0292】
LEDアセンブリ129はバックライトユニット160の光源であって、導光板123の入光面に対面するよう、導光板123の一側に位置する。かかるLEDアセンブリ129は、複数のLED129aと複数のLED129aが一定間隔離隔して装着されるPCB129bとからなる。
【0293】
かかるLEDアセンブリ129のLED129aの前方にバー形状の反射偏光フィルム127が位置する。反射偏光フィルム127はLED129aからの光のうち、特定線形偏光のみを通過させ、残部は反射して再生させる。それにより、本発明のフレキシブル液晶表示装置の光効率をさらに向上させることができる。
【0294】
反射偏光フィルム127は、互いに異なる屈折率を示す誘電体薄膜の積層構造内に、一定偏光軸を有する偏光子が内在されてなる。若しくはベースフィルム上に反射率の高いアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)などの微細線形金属パターンを一方向に並んで配列したワイヤグリッド偏光子などからなっても良い。
【0295】
かかる反射偏光フィルム127は、液晶パネル110の上部に位置する偏光板130の偏光軸と垂直な偏光軸を有する。
【0296】
したたって、LEDアセンブリ129からの光は全て導光板123の内部に入射し、光を損失することなく、全て液晶パネル110へ提供される。
【0297】
即ち、LEDアセンブリ129からの光は反射偏光フィルム127により、反射偏光フィルム127の偏光軸と同一偏光軸を有する光のみを透過させ、残部は反射させる。LED129aからの光のうち、第1偏光は反射偏光フィルム127を透過し、導光板123の入光面を通して導光板123の内部に入射する。一方、第1偏光に垂直な第2偏光は反射偏光フィルム127によって反射された後、散乱光として再生される。
【0298】
散乱光として再生された光のうち、第1偏光は再び反射偏光フィルム127を透過する。また、第2偏光は再び散乱光として再生され、光効率が向上することになる。
【0299】
そして、反射偏光フィルム127を透過した特定線形偏光は、導光板123内を通過する際に複数の全反射によって導光板123の広い領域にムラなく広がる。その結果、液晶パネル110に面光源が提供される。
【0300】
かかる導光板123は、均一な面光源を供給するため、下部面に特定形状のパターンを含むことができる。
【0301】
反射板125は導光板123の背面に位置し、導光板123の下部面を通過した光を液晶パネル110側に反射させることにより、光の輝度を向上させる。
【0302】
導光板123の上部の光学シート121は、拡散シートと少なくとも一つの集光シートなどを含み、導光板123を通過した光を拡散または集光して、さらに均一な面光源が液晶パネル110に入射するようにする。
【0303】
バックライトユニット160の光源としてLED129aの他にも陰極電極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプのような蛍光ランプを用いることができる。
【0304】
一方、液晶パネル110とバックライトユニット160は、ラミネーション工程で一体にモジュール化することができる。液晶パネル110とバックライトユニット160をラミネーション工程により一体化する過程において、液晶パネル110とバックライトユニット160との間に粘着剤(図示せず)を介在し、液晶パネル110とバックライトユニット160との間のエアーギャップを塞いで光損失の発生を防止することができる。
【0305】
本発明に係るフレキシブル液晶表示装置において最も特徴的なことは、基板112上にナノカプセル液晶層200を設けたことである。
【0306】
ナノカプセル液晶層200は、内部が液晶分子220で満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散し、ナノカプセル液晶層200の光透過量を変更することで画像を表示する。
【0307】
かかるナノカプセル液晶層200は等方性液晶である。等方性液晶は、電圧が印加されていないときは3次元または2次元において光学的等方性を有するが、電界を印加すると、画素電極124と共通電極136とに印加される電圧差に比例するピクセル電圧の電界方向に垂直若しくは水平方向に複屈折が生じる性質を持つ。
【0308】
即ち、ナノカプセル230内部に満たされた液晶分子220が、負(−)の誘電率異方性を有するネガティブ型ネマティック液晶分子220からなる場合、液晶分子220は電界方向に垂直な方向に配列され、複屈折が発生する。一方、ナノカプセル230内部に満たされた液晶分子220が、正(+)の誘電率異方性を有するポジティブ型ネマティック液晶分子220からなる場合、液晶分子220は電界方向に平行な方向に配列され、複屈折が発生する。
【0309】
したがって、かかるナノカプセル液晶層200は、電圧印加時には光学的一軸性を示す。
【0310】
それについてさらに詳細に説明する。本発明のナノカプセル液晶層200は、液晶分子220をナノサイズのカプセル230でカプセル化するが、液晶分子220はナノカプセル230内で不規則に配列される。
【0311】
ナノカプセル液晶層200内においてナノカプセル230は5体積%〜95体積%に形成することができる。好ましくはナノカプセル230をナノカプセル液晶層200の25体積%〜65体積%に形成し、残部をバッファー層210とする。
【0312】
バッファー層210は、透明若しくは半透明な材質で、水溶性、脂溶性若しくは混合された性質にすることができる。また、温度や紫外線などにより、硬化することができる。
【0313】
かかるバッファー層210は強度を向上させ、かつ硬化時間を短縮するため、添加物が含まれても良い。
【0314】
そして、ナノカプセル230の直径は1nm〜320nmにすることができるが、好ましくは30nm〜100nmに形成する。
【0315】
ナノカプセル230を含むナノカプセル液晶層200の厚さ、即ち、セルギャップは1μm〜10μmにすることができるが、好ましくは2μm〜5μmに形成する。
【0316】
ナノカプセル液晶層200のセルギャップが2μm以下の場合、光の透過率差を外部に発現し難しくなる。また、5μm以上の場合は、画素電極124と共通電極136との間の間隔が広くなり、高い消費電力が求められる。さらに、液晶パネル110の全体厚が厚くなり、最近求められている傾向及び薄型のフレキシブル液晶表示装置を具現化し難いという問題を引き起こすことがある。
【0317】
一方、ナノカプセル230を可視光線の波長(320nm)以下のサイズに形成することにより、屈折率による光学的変化が発生せず、光学的等方性を有することができる。また、可視光線により、散乱の影響を最小化することができる。
【0318】
特に、ナノカプセル230を100nm以下に形成する場合は、高コントラスト比を有することができる。
【0319】
図17aのように、液晶パネル110に電圧がかかっていない状態においては液晶分子220が任意の方向に不規則に配列されており、液晶分子220とそれをカプセル化するナノカプセル230とが互いに異なる屈折率異方性を有するため、光学的等方性を有することになる。
【0320】
したがって、バックライトユニット160からの線形偏光はナノカプセル液晶層200をそのまま通過するが、バックライトユニット160からの線形偏光の偏光軸と垂直な偏光板130を通過できず、遮断されてブラックを表示することになる。
【0321】
そして、
図17bに示すように、画素電極124と共通電極136に電圧を印加し、水平電界が形成されると、液晶分子220は電界方向に均一に整列される。その結果、バックライトユニット160からの線形偏光のうち、液晶分子220と平行な線形偏光がナノカプセル液晶層200を通過する。
【0322】
また、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光のうち、偏光板130の偏光軸と平行な線形偏光が偏光板130を透過し、ホワイトを表示する。
【0323】
ナノカプセル230の屈折率と液晶分子220の屈折率との差は、±0.1以内であることが好ましい。そのとき、液晶分子220の平均屈折率(n)は、[(ne(液晶分子の長軸方向の屈折率)+2no(液晶分子の短軸方向の屈折率))/3]に定義することができる。
【0324】
したがって、ナノカプセル液晶層200を備えるフレキシブル液晶表示装置は、電圧のオン・オフによって透過量が変化するディスプレイ用素子に適用することができる。
【0325】
また、かかるナノカプセル液晶層200は光学的異方性のある初期配向が存在しないため、配向する必要がない。よって、表示装置に配向膜を備える必要も、ラビング工程など配向膜の工程を行う必要もない。
【0326】
さらに、本発明のナノカプセル液晶層200は、ナノカプセル230が液晶物質からなるバッファー層210内に分散して位置する場合、プリンティング方法、コーティング法、滴下法で形成し、ナノカプセル230がフィルム形状のポリマーからなるバッファー層210内に分散して位置する場合は、ラミネーション工程で形成することにより、従来の第1基板と第2基板との間における液晶層が充填される離隔間隔のためのギャップを形成する工程を省略することができる。また、液晶層の液晶漏れを防止するためのシールパターンを形成する工程も省略することができる。
【0327】
その結果、工程の効率性を向上させることができる。
【0328】
また、かかるフレキシブル液晶表示装置は、外力が与えられても液晶分子220がナノカプセル230内部に位置し、可視光線の波長より小さいサイズで形成されるため、可視光線の影響が及ばず、外力による光漏れが発生しない。したがって、本発明の液晶表示装置がフレキシブル表示装置に適用され、外力が与えられても、可視光波長より小さいナノサイズのナノカプセル230は可視光の影響を受けないため、外力による光漏れも防止することができる。
【0329】
特に、本実施例に係るフレキシブル液晶表示装置は、LEDアセンブリ129の前方に反射偏光フィルム127を位置させることで、バックライトユニット160から線形偏光が液晶パネル110へ供給され、従来の液晶表示装置に比べて一つの偏光板を省略することができる。
【0330】
したがって、本実施例に係るフレキシブル液晶表示装置は、第2基板(
図2の4)及び一つの偏光板(
図2の20)を共に省略することができ、液晶パネル110の全体厚を低減することができる。よって、軽量及び薄型の液晶表示装置を提供すると共に柔軟性を有するフレキシブル表示装置に適用することもできる。
【0331】
一方、前述のようにフレキシブル液晶表示装置は、ナノカプセル液晶層200が液晶物質またはフィルム状のバッファー層210内に分散して形成される。したがって、
図17cに示すように、第8実施例に係るフレキシブル液晶表示装置が提示され得る。この場合、液晶パネル110のナノカプセル液晶層200をバックライトユニット160に向けて形成することができる。また、偏光板130は基板112の上部に位置するよう、形成することができる。
【0332】
そして、ナノカプセル液晶層200をバックライトユニット160に向けて形成する場合、基板112が上部に位置し、
図17dに示すように、第9実施例に係るフレキシブル液晶表示装置が提示され得る。この場合、基板112の上部に第1電極151と、絶縁膜155と、第2電極153と、タッチ基板157とを含むタッチパネル150を設けることができる。したがって、フレキシブル液晶表示装置をタッチ用表示装置に適用することもできる。
【0333】
一方、前述の第7〜第9実施例において、反射偏光フィルム127の他、導光板123の内部にワイヤグリッド格子を設けることにより、特定線形偏光のみが導光板123を透過して液晶パネル110へ供給されるようにすることができる。若しくは、導光板123の上部に偏光分離層を位置させ、特定線形偏光のみが導光板123を透過して液晶パネル110へ供給されるようにすることもできる。
【0334】
<第10実施例>
図18は、本発明の第10実施例に係るナノカプセル液晶層を備えるフレキシブル液晶表示装置を概略的に示した図面である。
【0335】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備えるフレキシブル液晶表示装置は、液晶パネル110とその背面から光を供給するバックライトユニット160とからなる。液晶パネル110は、薄膜トランジスタ及びカラーフィルター134が設けられた基板112上に形成されたナノカプセル液晶層200を含む。
【0336】
基板112上には、画素電極124と共通電極136とが設けられる。
【0337】
ナノカプセル液晶層200は、内部が液晶分子220で満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散し、ナノカプセル液晶層200の光透過量を変更することで画像を表示する。
【0338】
そして、ナノカプセル液晶層200の上部には、特定光のみを選択的に透過させる偏光板130が取り付けられる。また、液晶パネル110の背面にはバックライトユニット160が備えられ、液晶パネル110へ光を供給する。
【0339】
バックライトユニット160は、一縁部の長さ方向に沿って配列される非極性若しくは半極性(non−polar or semi−polar)LED300と、白色若しくは銀色の反射板125と、かかる反射板125上に位置する導光板123と、その上部に介在される光学シート121とを含む。
【0340】
非極性若しくは半極性LED300は光源であって、導光板123の入光面と対面するよう、導光板123の一側に位置する。
【0341】
非極性若しくは半極性LED300は、特定方向に偏光された光を放出する特性を有する。
【0342】
かかる非極性若しくは半極性LED300は、c−軸方向に成長した化合物半導体層を備える極性(polar)LEDとは区別される。例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaNなどのGaN系列の窒化物半導体層を、GaN基板のm−面若しくはa−面上に成長させることで、自発分極(spontaneous polarization)若しくはピエゾ分極(piezoelectrice polarization)のない非極性LEDまたは半極性LEDを製造することができる。
【0343】
また、窒化物半導体を用いたLEDは、窒化物半導体の組成比を調節することで、紫外線ないし可視光線領域内で求められる波長の光を放出するよう、製造することができる。
【0344】
そして、非極性若しくは半極性LED300からの特定線形偏光は、導光板123内を通過する際に複数の全反射によって導光板123の広い領域にムラなく広がる。その結果、液晶パネル110に面光源が提供される。
【0345】
かかる導光板123は、均一な面光源を供給するため、下部面に特定形状のパターンを含むことができる。
【0346】
反射板125は導光板123の背面に位置し、導光板123の下部面を通過した光を液晶パネル110側に反射させることにより、光の輝度を向上させる。
【0347】
導光板123の上部の光学シート121は、拡散シートと少なくとも一つの集光シートなどを含み、導光板123を通過した光を拡散または集光して、さらに均一な面光源が液晶パネル110に入射するようにする。
【0348】
液晶パネル110に電圧がかかっていない状態においては液晶分子220が任意の方向に不規則に配列されており、液晶分子220とそれをカプセル化するナノカプセル230とが互いに異なる屈折率異方性を有するため、光学的等方性を有することになる。したがって、バックライトユニット160からの線形偏光はナノカプセル液晶層200をそのまま通過するが、バックライトユニット160からの線形偏光の偏光軸と垂直な偏光板を通過できず、遮断されてブラックを表示することになる。
【0349】
そして、画素電極124と共通電極136に電圧を印加し、水平電界が形成されると、液晶分子220は電界方向に均一に整列される。その結果、バックライトユニット160からの線形偏光のうち、液晶分子220と平行な線形偏光がナノカプセル液晶層200を通過する。また、ナノカプセル液晶層200を透過した線形偏光のうち、偏光板130の偏光軸と平行な線形偏光が偏光板130を透過し、ホワイトを表示する。
【0350】
<第11実施例>
図19aは、本発明の第11実施例に係るナノカプセル液晶層を備えるフレキシブル液晶表示装置を概略的に示した図面である。
図19bは、
図19aの光繊維タイプの導光板の光繊維を概略的に示した斜視図である。
【0351】
図面に示すように、ナノカプセル液晶層200を備えるフレキシブル液晶表示装置は、液晶パネル110とその背面から光を供給するバックライトユニット160とからなる。液晶パネル110は、薄膜トランジスタ及びカラーフィルター134が設けられた基板112上に形成されたナノカプセル液晶層200を含む。
【0352】
基板112上には、画素電極124と共通電極136とが設けられる。
【0353】
ナノカプセル液晶層200は、内部が液晶分子220で満たされたナノカプセル230がバッファー層210に分散し、ナノカプセル液晶層200の光透過量を変更することで画像を表示する。
【0354】
そして、ナノカプセル液晶層200の上部には、特定光のみを選択的に透過させる偏光板130が取り付けられる。また、液晶パネル110の背面にはバックライトユニット160が備えられ、液晶パネル110へ光を供給する。
【0355】
バックライトユニット160は、一縁部の長さ方向に沿って配列される非極性若しくは半極性LED300と、白色若しくは銀色の反射板125と、かかる反射板125上に位置する光繊維タイプの導光板400と、その上部に介在される光学シート121とを含む。
【0356】
反射板125は光繊維タイプの導光板400の背面に位置し、光繊維タイプの導光板400の下部面を通過した光を液晶パネル110側に反射させることにより、光の輝度を向上させる。
【0357】
光繊維タイプの導光板400の上部の光学シート121は、拡散シートと少なくとも一つの集光シートなどを含み、導光板400を通過した光を拡散または集光して、さらに均一な面光源が液晶パネル110に入射するようにする。
【0358】
非極性若しくは半極性LED300は光源であって、光繊維タイプの導光板400の入光面と対面するよう、導光板400の一側に位置する。
【0359】
非極性若しくは半極性LED300は、特定方向に偏光された光を放出する特性を有する。
【0360】
そして、非極性若しくは半極性LED300からの特定線形偏光は、光繊維タイプの導光板400内を通過する際に複数の全反射によって光繊維タイプの導光板400の広い領域にムラなく広がる。その結果、液晶パネル110に面光源が提供される。
【0361】
光繊維タイプの導光板400は、複数の光繊維410からなる光繊維束が並んで配列され、板体(plate)を形成するように構成される。
【0362】
導光板400を構成するそれぞれの光繊維410は、
図19bに示すように、中心部のコア411と、コア411の外周面を囲むクラッド413とからなる。
【0363】
クラッド413は、光ガイド部413aと光発散部413bとからなる。光ガイド部413aは、屈折率(n2)がコア411の屈折率(n1)に比べて小さいため、内部光を全反射する。光発散部413bは、屈折率(n3)がコア411の屈折率(n1)に比べて大きい、または同様なため、内部光を外部へ出射させる。
【0364】
コア411の屈折率(n1)と、クラッド413の光ガイド部413a及び光発散部413bの屈折率(n2、n3)は、空気の屈折率より大きい、1.2〜1.6程度である。
【0365】
即ち、非極性若しくは半極性LED300からの特定線形偏光が光繊維410のコア411の内部を全反射しながら通過する際、光の一部が任意の位置で光繊維410の外側に出射するよう、コア411を囲むクラッド413の屈折率を、一定位置、即ち、光発散部413bで異なるように構成する。
【0366】
光繊維410においてクラッド413の屈折率がコア411の屈折率より小さい場合、コア411内部の光は全反射しながら通過することができる。しかし、任意の位置でクラッド413の屈折率がコア411の屈折率より大きくなると、全反射条件が満たされないため、コア411内部を通過する光の一部が光繊維410の外部へと出射できるようになる。
【0367】
光ガイド部413aと光発散部413bは、クラッド413の最も外側層からクラッド413の内側面まで接するように構成される。
【0368】
かかる構造の光繊維410を二つ以上の複数に束ねて光繊維タイプの導光板400を構成し、導光板400の一側から光を入射させると、光繊維410の長さ方向における任意の位置で光が出射するバックライトユニット160を構成することができる。
【0369】
本発明の第11実施例に係るフレキシブル液晶表示装置は、ナノカプセル液晶層200が光学的異方性のある初期配向を有しないため、配向する必要がなく、よって、表示装置に配向膜を備える必要も、ラビング工程など配向膜の工程を行う必要もない。
【0370】
さらに、本発明のナノカプセル液晶層200は、ナノカプセル230が液晶物質からなるバッファー層210内に分散して位置する場合、プリンティング方法、コーティング法、滴下法で形成し、ナノカプセル230がフィルム形状のポリマーからなるバッファー層210内に分散して位置する場合は、ラミネーション工程で形成することにより、第1基板(
図2の2)と第2基板(
図2の4)との間における液晶層が充填される離隔間隔のためのギャップを形成する工程を省略することができる。また、液晶層の液晶漏れを防止するためのシールパターンを形成する工程も省略することができる。
【0371】
その結果、工程の効率性を向上させることができる。
【0372】
また、かかるフレキシブル液晶表示装置は、外力が与えられても液晶分子220がナノカプセル230内部に位置し、可視光線の波長より小さいサイズで形成されるため、可視光線の影響が及ばず、外力による光漏れが発生しない。したがって、本発明の液晶表示装置がフレキシブル表示装置に適用され、外力が与えられても、可視光波長より小さいナノサイズのナノカプセル230は可視光の影響を受けないため、外力による光漏れも防止することができる。
【0373】
さらに、本発明のフレキシブル液晶表示装置は、特定線形偏光を出射する非極性若しくは半極性LED300を備えることで、バックライトユニット160から線形偏光が液晶パネル110へ供給され、従来の液晶表示装置に比べて一つの偏光板を省略することができる。
【0374】
したがって、本実施例に係るフレキシブル液晶表示装置は、第2基板(
図2の4)及び一つの偏光板(
図2の20)を共に省略することができ、液晶パネル110の全体厚を低減することができる。よって、軽量及び薄型のフレキシブル液晶表示装置を提供すると共に柔軟性を有するフレキシブル表示装置に適用することもできる。また、非極性若しくは半極性LED300からの特定線形偏光が入射する導光板400を光繊維タイプにすることで、薄型化した高効率のバックライトユニット160を備えることができ、曲げたり巻いたりすることができるフレキシブル表示装置に適用することもできる。
【0375】
一方、本発明の第7〜第9実施例においても導光板(
図2c〜2dの123)を光繊維タイプにすることができる。さらに、本発明の第10及び第11実施例においては、ナノカプセル液晶層200をバックライトユニット160に向けて位置させることができる。
【0376】
また、本発明の第10及び第11実施例において、液晶パネル110とバックライトユニット160は、ラミネーション工程で一体にモジュール化することができる。液晶パネル110とバックライトユニット160をラミネーション工程により一体化する過程において、液晶パネル110とバックライトユニット160との間に粘着剤(図示せず)を介在し、液晶パネル110とバックライトユニット160との間のエアーギャップを塞いで光損失の発生を防止することができる。
【0377】
本発明は前記実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。