(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5937266
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】指掛けバンド
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-241863(P2015-241863)
(22)【出願日】2015年12月11日
【審査請求日】2015年12月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515345322
【氏名又は名称】荒井 達美
(74)【代理人】
【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
(72)【発明者】
【氏名】荒井 達美
【審査官】
山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0091312(US,A1)
【文献】
米国特許第8616423(US,B2)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0252786(US,A1)
【文献】
特開2014−179835(JP,A)
【文献】
特開2012−142810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00−15/08
A45F 3/00
3/02
3/04
3/12
G06F 1/00
1/16− 1/18
15/02−15/14
H04M 1/02− 1/23
H05K 5/00− 5/06
7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面が第1の膜で覆われ他面が第2の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第1の引掛け部と、片面が第3の膜で覆われ他面が第4の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第2の引掛け部と、一方の先端が前記第1の膜に連続し他方の先端が前記第3の膜に連続する長尺形状の第1のバンド部と、一方の先端が前記第2の膜に連続し他方の先端が前記第4の膜に連続する長尺形状の第2のバンド部とを備え、且つ弾性を有する指掛けバンドであって、
前記第1の引掛け部と前記第1及び第2の膜がタッチパネルを備えた4角板形状のコンピュータ機器の第1の角部に弾性をもって係合し、前記第2の引掛け部と前記第3及び第4の膜が前記コンピュータ機器の前記第1の角部と対角線方向の第2の角部に弾性をもって係合し、前記第1及び第2のバンド部が前記コンピュータ機器の裏面に位置するように、前記コンピュータ機器に取り付けられることを特徴とする指掛けバンド。
【請求項2】
片面が第1の膜で覆われ他面が第2の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第1の引掛け部と、片面が第3の膜で覆われ他面が第4の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第2の引掛け部と、片面が第5の膜で覆われ他面が第6の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第3の引掛け部と、片面が第7の膜で覆われ他面が第8の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第4の引掛け部と、前記第1、第3、第5及び第7の膜にそれぞれ連続する4つの先端を有する4つ足形状の第1のバンド部と、前記第2、第4、第6及び第8の膜にそれぞれ連続する4つの先端を有する4つ足形状の第2のバンド部とを備え、且つ弾性を有する指掛けバンドであって、
前記第1の引掛け部と前記第1及び第2の膜がタッチパネルを備えた4角板形状のコンピュータ機器の第1の角部に弾性をもって係合し、前記第2の引掛け部と前記第3及び第4の膜が前記コンピュータ機器の前記第1の角部と対角線方向の第2の角部に弾性をもって係合し、前記第3の引掛け部と前記第5及び第6の膜が前記コンピュータ機器の第3の角部に弾性をもって係合し、前記第4の引掛け部と前記第7及び第8の膜が前記コンピュータ機器の前記第3の角部と対角線方向の第4の角部に弾性をもって係合し、前記第1及び第2のバンド部が前記コンピュータ機器の裏面に位置するように、前記コンピュータ機器に取り付けられることを特徴とする指掛けバンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートホン等のタッチパネルを備えたコンピュータ機器を片手で保持して片手で操作できるようにした指掛けバンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートホンにはその外形とほぼ同じ大きさの表示パネルが装備され、その表示パネルは同時にタッチパネルとなっている。そして、そのタッチパネルは、右利きの人の場合は、左手でスマートホン全体を保持して表示パネルを上方に向けた状態で右手の指で操作する必要があり、両手が必要となる。つまり、スマートホンは通常では片手では操作することができない。
【0003】
そこで、スマートホンを片手で操作できるように、スマートホンをハードケースに取り付け、そのハードケースに指掛けバンドを取り付けたものが、例えば特許文献1で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3191944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の指掛けバンドを使用するには、スマートホンに取り付けられるハードケースが必ず必要となる。
【0006】
本発明の目的は、ハードケースを使用せずともスマートホン等のタッチパネルを備えたコンピュータ機器を片手で操作できるようにした指掛けバンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、片面が第1の膜で覆われ
他面が第2の膜で覆われた
半リング形状又は完全リング形状の第1の引掛け部と、片面が第
3の膜で覆われ
他面が第4の膜で覆われた
半リング形状又は完全リング形状の第2の引掛け部と、一方の先端が前記第1の膜に連続し他方の先端が前記第
3の膜に連続する長尺形状の第1のバンド部と
、一方の先端が前記第2の膜に連続し他方の先端が前記第4の膜に連続する長尺形状の第2のバンド部とを備え、且つ弾性を有する指掛けバンドであって、前記第1の引掛け部と前記第1
及び第2の膜がタッチパネルを備えた4角板形状のコンピュータ機器の第1の角部に弾性をもって係合し、前記第2の引掛け部と前記第
3及び第4の膜が前記コンピュータ機器の前記第1の角部と対角線方向の第2の角部に弾性をもって係合し、前記第1
及び第2のバンド部が前記コンピュータ機器の裏面に位置するように、前記コンピュータ機器に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2にかかる発明は、
片面が第1の膜で覆われ他面が第2の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第1の引掛け部と、片面が第3の膜で覆われ他面が第4の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第2の引掛け部と、片面が第5の膜で覆われ他面が第6の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第3の引掛け部と、片面が第7の膜で覆われ他面が第8の膜で覆われた半リング形状又は完全リング形状の第4の引掛け部と、前記第1、第3、第5及び第7の膜にそれぞれ連続する4つの先端を有する4つ足形状の第1のバンド部と、前記第2、第4、第6及び第8の膜にそれぞれ連続する4つの先端を有する4つ足形状の第2のバンド部とを備え、且つ弾性を有する指掛けバンドであって、前記第1の引掛け部と前記第1及び第2の膜がタッチパネルを備えた4角板形状のコンピュータ機器の第1の角部に弾性をもって係合し、前記第2の引掛け部と前記第3及び第4の膜が前記コンピュータ機器の前記第1の角部と対角線方向の第2の角部に弾性をもって係合し、前記第3の引掛け部と前記第5及び第6の膜が前記コンピュータ機器の第3の角部に弾性をもって係合し、前記第4の引掛け部と前記第7及び第8の膜が前記コンピュータ機器の前記第3の角部と対角線方向の第4の角部に弾性をもって係合し、前記第1及び第2のバンド部が前記コンピュータ機器の裏面に位置するように、前記コンピュータ機器に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、タッチパネルを備えたコンピュータ機器に取り付けた指掛けバンドのバンド部とそのコンピュータ機器の裏面との間に親指以外の1又は2以上の指をかけることにより、そのコンピュータ機器を片手で保持しながら当該片手の親指でそのコンピュータ機器のタッチパネルを操作することができることはもちろんのこと、指掛けバンドのコンピュータ機器への取り付けに従来のような保護用ハードカバーを用いる必要はなく、しかもコンピュータ機器の角部分を指掛けバンドの引掛け部で衝撃に対して保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施例の指掛けバンドを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b断面図である。
【
図2】
図1の指掛けバンドをスマートホンに取り付けた説明図である。
【
図3】本発明の第2の実施例の指掛けバンドの断面図である。
【
図4】本発明の第3の実施例の指掛けバンドの平面図である。
【
図5】本発明の第4の実施例の指掛けバンドを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施例>
図1に本発明の第1の実施例の指掛けバンド100Aを示す。11,13は引掛け部であり、それぞれ厚みがHの半リング形状(馬蹄形状)に形成されている。この引掛け部11,13は、その片面の全面が膜21,23によって覆われている。31はバンド部であり、一方の先端は引掛け部11の半リング形状の開放側において膜21に連続し、他方の先端は引掛け部13の半リング形状の開放側において膜23に連続するように、長尺形状に形成されている。膜21,23及びバンド部31は1枚の膜で形成できる。この指掛けバンド100Aの全体は、例えばシリコンゴムで形成することにより、引掛け部11と膜21の組、引掛け部13と膜23の組、バンド部31のすべてに弾性を持たせることができ、矢印P方向に伸縮させることが可能となる。
【0014】
図2はこの指掛けバンド100Aをスマートホン200の裏面210に取り付けた状態を示す図である。この取り付けは、引掛け部11の内側(膜21のない側)と引掛け部13の内側(膜23のない側)を、スマートホン200の4つの角部201,202,203,204の内の対角線方向の角部201と角部203にそれぞれ引っ掛けて行う。
【0015】
これにより、指掛けバンド100Aは、スマートホン200の裏面210に弾性を持って伸長した状態で斜めに取り付けられる。そして、指掛けバンド100Aのバンド部31とスマートホン200の裏面210との間には、引掛け部11,13の厚みHに相当する空間が形成される。
【0016】
そこで、スマートホン200の裏面210において、その厚みHの空間に例えば右手の中指や薬指を挿入すれば、そのスマートホン200を裏面210から右手で保持できる。このとき、右手の親指は自由であり、スマートホン200の表側のタッチパネルに届くので、そのタッチパネルを操作することができる。さらに、スマートホン200の第1及び第3の角部201,203は指掛けバンド100の引掛け部11,13及び膜21,23で保護されるので、スマートホン200が落下した際にその角部201,203を保護することができる。なお、211はスマートホン200のカメラレンズである。
【0017】
<第2の実施例>
図3に本発明の第2の実施例の指掛けバンド100Bを示す。本実施例の指掛けバンド100Bは、第1の実施例で説明した指掛けバンド100Aに追加して、引掛け部11の膜21の側と反対側を膜21’で覆い、引掛け部13の膜23の側と反対側を膜23’で覆い、さらにそれら膜21’、23’と連続するようにバンド部31’を設けたものである。なお、この指掛けバンド100Bも全体の材質はシリコンゴムである。
【0018】
指掛けバンド100Bをこのような構造にすると、指掛けバンド100Bの両面が膜21,23,21’,23’やバンド部31,31’で覆われるので、指掛けバンド100Aよりも補強される。また、引掛け部11は膜12,21’で両面が覆われ、引掛け部13も膜23,23’で両面が覆われて、それらの面に直交する方向に対する弾性反発力が大きくなるので、スマートホン200の角部201,203に引っ掛け部11,13を引掛けた際のその角部201,203の衝突に対する保護機能が強化される。なお、親指以外の指は、バンド部31、31’の間に挿入することも、あるいは2枚のバンド部31、31’とスマートホン200の裏面210との間に挿入することもできる。
【0019】
<第3の実施例>
図4に本発明の第3の実施例の指掛けバンド100Cを示す。本実施例の指掛けバンド100Cは、第1の実施例の指掛けバンド100Aを発展させて、引掛け部12,14を新たに追加して設けて、その片面を膜22,24で覆う。さらに、4つの先端が引掛け部11,12,13,14の膜21,22,23,24のそれぞれに連続するような4つ足形状のバンド部32を設けたものである。なお、この指掛けバンド100Cも全体の材質はシリコンゴムである。
【0020】
指掛けバンド100Cをこのような構造にすると、第1の実施例の指掛けバンド100Aのようにスマートホン200に引っ掛けた際にそのスマートホン200を片手で操作できる他に、スマートホン200の4つの角部201〜204が膜21〜24でそれぞれ覆われるので、衝突に対してその保護がほぼ完璧となる。
【0021】
なお、スマートホン200のカメラレンズ211がバンド部32で隠れる場合は、バンド部32をそのカメラレンズ211が露出するような形状にしておけばよい。また、第2の実施例の指掛けバンド100Bのように、この指掛けバンド100Cの引掛け部11〜14の膜21〜24の反対面を膜(図示せず)で覆い、バンド部32の裏面も別のバンド部(図示せず)で覆うことができ、これにより指掛けバンドのすべての強度を高めることができる。
【0022】
<第4の実施例>
図5に本発明の第4の実施例の指掛けバンド100Dを示す。本実施例の指掛けバンド100Dは、第1の実施例の指掛けバンド100Aの半リング形状の引掛け部11,13を、完全リング形状の引掛け部11A、13Aに置き換えたものである。この場合でも、第1の実施例の指掛けバンド100Aと同様な作用効果を得ることができる。第2、第3の実施例の指掛けバンド100B,100Cにおいても、同様に、半リング形状の引掛け部11,12,13,14を完全リング形状の引掛け部に置き換えることができる。
【0023】
<その他の実施例>
なお、以上の各実施例では、引掛け部と膜の組とバンド部とを伸縮する同じ材質(シリコンゴム)で製造する場合について説明したが、これに限られず、引掛け部と膜の組は伸縮する材質で製造しバンド部は伸縮しない材質で製造することができ、逆に、引掛け部と膜の組は伸縮しない材質で製造しバンド部は伸縮する材質で製造することができる。つまり、指掛けバンドが全体において伸縮性を備えるようにすればよい。
【0024】
また、以上の実施例では、指掛けバンド100A,100B,100C,100Dをスマートホン200に取り付ける場合について説明したが、スマートホン200以外でも、タッチパネルを備えた4角板形状の他のコンピュータ機器であれば、同様に取り付けてその操作性を向上させると共に保護機能向上を図ることができる。
【0025】
さらに、以上の説明ではスマートホン200を片手で操作できる利点を説明したが、両手を使用する使用方法にも適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0026】
100A,100B,100C,100D:指掛けバンド
11,12,13,14,11A,13A:引掛け部
21,22,23,24,21’,23’:膜
31,31’,32:バンド部
200:スマートホン
201,202,203,204:角部
210:裏面、211:カメラレンズ
【要約】
【課題】ハードケースを使用せずともスマートホン等のタッチパネルを備えたコンピュータ機器を片手で操作できるようにした指掛けバンドを提供する。
【解決手段】指掛けバンド100Aは、片面が膜21で覆われたリング形状の引掛け部11と、片面が膜23で覆われたリング形状の引掛け部13と、一方の先端が膜21に連続し他方の先端が膜23に連続する長尺形状のバンド部31とを備え、且つ弾性を有する。引掛け部11と膜21がスマートホン200の角部201に係合し、引掛け部13と膜23がスマートホン200の角部201と対角線方向の角部203に係合し、バンド部31がスマートホン200の裏面210に位置するようスマートホン200に取り付ける。
【選択図】
図2