(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937269
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】無線アンテナを内蔵する近距離無線通信(NFC)コイル
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/30 20060101AFI20160609BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20160609BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
H01Q21/30
H01Q9/16
H01Q7/00
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-503168(P2015-503168)
(86)(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公表番号】特表2015-515209(P2015-515209A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】US2012031328
(87)【国際公開番号】WO2013147823
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コナヌール,アナンド エス.
(72)【発明者】
【氏名】カラカオグル,ウルン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ソーンナン
【審査官】
岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−513464(JP,A)
【文献】
特開平10−327009(JP,A)
【文献】
特開2006−005903(JP,A)
【文献】
Seong-Youp Suh et al.,"A miniaturized dual-band dipole antenna with a modified meander line for laptop computer application in the 2.5 and 5.25 GHz WLAN band ",Antennas and Propagation Society International Symposium 2006, IEEE,2006年,pp.2617 - 2620
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/30
H01Q 7/00
H01Q 9/16
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルバンド電気信号と近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)電気信号とを含む電気信号を搬送、送信又は受信するコイルアンテナと、
前記デュアルバンド電気信号を前記NFC電気信号から分離する1以上の要素と、
前記NFC電気信号を処理するNFCモジュールと、
前記デュアルバンド電気信号を処理するデュアルバンドモジュールと、
を備え、
前記NFCモジュールは、NFC動作中に閉鎖端コイルアンテナを有するように構成される前記コイルアンテナを利用し、
前記デュアルバンドモジュールは、デュアルバンド動作中に前記閉鎖端コイルアンテナのセグメントを再利用し、
前記1以上の要素には、前記コイルアンテナの外側ループに設けられて、前記デュアルバンド動作の間に前記セグメントを再利用できるようにする能動スイッチが含まれ、
前記能動スイッチは、NFC周波数電気信号を処理するときには閉状態であり、
前記能動スイッチは、デュアルバンド周波数電気信号を処理する時には開状態である、
デバイス。
【請求項2】
前記1以上の要素は、前記閉鎖端コイルアンテナの外側ループに設けられるインダクタ受動素子を含み、
前記インダクタ受動素子は、NFC信号を処理するときはショート回路として機能し、デュアルバンド信号を処理するときは開回路として機能するように構成される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記1以上の要素はインダクタ受動素子を含み、
前記インダクタ受動素子は、別個に設けられる中央給電ダイポールアンテナと組み合わされた場合に、2.4GHzのWLANデュアルバンド周波数で共振するセグメントを分離する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記中央給電ダイポールアンテナは、5.2GHzのWLANデュアルバンド周波数電気信号で共振するように構成される、
請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デュアルバンドモジュールは、前記NFCモジュールと組み合わされて単一のモジュールを形成する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記コイルアンテナは、前記デュアルバンドモジュール及び前記NFCモジュールと組み合わされて、単一のモジュールを形成する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1以上の要素には、時間領域において前記デュアルバンド動作の実行と前記NFC動作の実行とを交互に切り替える能動スイッチが含まれる、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デュアルバンドモジュールと前記セグメントとの間のリンクに設けられ、同軸ケーブルリンクの外部導体へのリターン電流を最小限に抑えるように構成されるバラン要素、
を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記NFCモジュールと前記セグメントとの間のリンクに設けられ、同軸ケーブルリンクの外部導体へのリターン電流を最小限に抑えるように構成されるバラン要素、
を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
コンピュータに多重無線信号用の近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)コイルアンテナを利用する方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記コイルアンテナにより、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デュアルバンド電気信号とNFC電気信号とを含む電気信号を搬送、送信又は受信するステップと、
前記WLANデュアルバンド電気信号を前記NFC電気信号から分離するステップと、
ここで前記コイルアンテナは、NFC動作中には多重ループコイルアンテナを含むように構成され、前記コイルアンテナは、WLANデュアルバンド動作中には前記多重ループコイルアンテナの部分配線を再利用するように構成され、
前記多重ループコイルアンテナを利用して、前記NFC動作を実行するステップと、
前記多重ループコイルアンテナの前記部分配線を利用して、前記WLANデュアルバンド動作を実行するステップと、
を含み、
前記分離するステップは、能動スイッチにより、前記WLANデュアルバンド動作中に前記部分配線を分離するステップを含み、
前記能動スイッチは、NFC周波数電気信号を処理するときには閉状態であり、前記能動スイッチは、WLANデュアルバンド周波数電気信号を処理する時には開状態である、プログラム。
【請求項11】
前記分離するステップは、前記多重ループコイルアンテナのインダクタ受動素子により、前記WLANデュアルバンド動作中に前記部分配線を分離するステップを含み、
前記インダクタ受動素子は、13.56MHzのNFC周波数電気信号ではショート回路として機能し、2.4GHzのWLANデュアルバンド周波数電気信号では開回路として機能する、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記多重ループコイルアンテナの前記部分配線は、別個に設けられ2.4GHzのWLANデュアルバンド周波数電気信号で共振する中央給電ダイポールアンテナと組み合わせられる、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項13】
前記中央給電ダイポールアンテナは、5.2GHzのWLANデュアルバンド周波数電気信号で個別に共振するように構成される、
請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記分離するステップは、能動スイッチにより、時間領域において前記デュアルバンド動作の実行と前記NFC動作の実行とを交互に切り替えるステップを含む、
請求項10〜12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
WLANデュアルバンドモジュールと前記部分配線との間のリンクに設けられるバラン要素を用いて、リターン電流を最小限に抑えるステップ、
を更に含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
NFCモジュールと前記多重ループコイルアンテナとの間のバランを用いて、リターン電流を最小限に抑えるステップ、
を更に含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスのアンテナを接続するためのデバイス及び方法に関し、より詳細には、同じコイルアンテナをデバイスの無線通信機能及び近距離接続機能のための内蔵アンテナとして利用するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに近接するデバイス(ポータブル電子デバイス、タブレットコンピュータ等)間の近距離接続(無線電力伝送(Wireless Power Transfer:WPT)や近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)等)を可能にする技術が生まれている。NFCでは、デバイスの無線周波数(Radio Frequency:RF)アンテナを用いて、電磁信号の送受信を行うことができる。ユーザーの要望を理由に(或いは美観上の理由により)、このようなデバイスの多くは小型であり、ますます小型化されている。このようなデバイスでは、横から見た場合のアスペクト比がかなり大きくなる。結果として、このようなデバイスの多くは平坦なアンテナを内蔵し、近距離接続で用いられる放射アンテナとして導電性材料のコイルを用いる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線通信では、無線ローカエルエリアネットワーク(WLAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、LTE(Long Term Evolution)、GPS(Global Positioning System)等に対応する個別の内蔵アンテナ要素が必要となる場合がある。NFCデバイス及び無線通信(WLAN、WWAN等)デバイスの要素(例えばアンテナ)は、デバイス内でかなりの空間を要する場合がある。すなわち、NFCデバイス及び無線通信デバイスは、ごく限られたスペースをデバイスのアンテナのために割いている場合がある。デバイスが薄くなるにつれて、空間の限界は設計上更に厄介なものとなり、内蔵アンテナをデバイスに組み込むと、NFC等の無線通信の性能に支障を来たすおそれがある。したがって、NFCとその他の無線通信とをデバイスで効率的に実行する解決手段が実装される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態は、デバイスのアンテナを接続するためのデバイス及び方法を提供し、より具体的には、同じコイルアンテナをデバイスの無線通信機能及び近距離接続機能のための内蔵アンテナとして利用するためのデバイス及び方法を提供する。
【0005】
一実施形態によれば、デバイスは、デュアルバンド電気信号と近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)電気信号とを含む電気信号を搬送、送信又は受信するコイルアンテナと、該デュアルバンド電気信号を該NFC電気信号から分離する1以上の要素と、該NFC電気信号を処理するNFCモジュールと、該デュアルバンド電気信号を処理するデュアルバンドモジュールと、を備える。該NFCモジュールは、NFC動作中に閉鎖端コイルアンテナを有するように構成される該コイルアンテナを利用する。該デュアルバンドモジュールは、デュアルバンド動作中に該閉鎖端コイルアンテナのセグメントを再利用する。
【0006】
一実施形態によれば、多重無線信号に対応する近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)コイルアンテナを利用する方法は、該コイルアンテナにより、デュアルバンド電気信号とNFC電気信号とを含む電気信号を搬送、送信又は受信するステップを含む。該コイルアンテナは、NFC動作中には連続ループコイルアンテナを含むように構成され、デュアルバンド動作中には該連続ループコイルアンテナの部分配線を再利用するように構成される。また、該方法は、該デュアルバンド電気信号を該NFC電気信号から分離するステップと、該連続ループコイルアンテナを利用して、該NFC動作を実行するステップと、該連続ループコイルアンテナの該部分配線を利用して、該デュアルバンド操作を実行するステップと、を含む
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(A)は、近距離無線通信(NFC)関連機能を実行するための、デバイス間の近距離接続構成の一例を示す図である。(B)は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デュアルバンド動作を含む、デバイス間の無線通信構成の一例を示す図である。
【
図2】同じコイルアンテナを用いる無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デュアルバンドと近距離無線通信とに対応するデバイスの一例を示す図である。
【
図3】受動素子を有するコイルアンテナ構成の一例を示す図である。
【
図4】同じコイルアンテナを用いる無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デュアルバンドと近距離無線通信のための方法を示す図である。 以下に、添付の図面を参照しながら、詳細な説明を記載する。図面中、参照符号の左端の数字は通常、該参照符号が初めて登場した図面を特定する。異なる図面で同じ参照符号が用いられる場合、類似又は同一の項目が示される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本文書は、デバイスのアンテナを接続するための1以上のシステム、装置、方法等を開示する。より具体的には、同じコイルアンテナをデバイスの無線通信機能及び近距離接続機能のための内蔵アンテナとして利用するための1以上のシステム、装置、方法等を開示する。近距離接続には、デバイスの近距離無線通信(NFC)機能及び/又は無線電力伝送(Wireless Power Transfer:WPT)機能が含まれる(例示であり、限定ではない)。無線通信には、WLAN、MAN、WWAN、LTE、GPS、Wi−Fi及び無線通信の他の形態等が含まれる(例示であり、限定ではない)。例えば、WLANでは、NFC関連機能に用いられるコイルアンテナを利用してよい。この例では、WLAN(デュアルバンド)モジュールをNFCモジュールと一体化して、単一のモジュールを形成してよい。該単一のモジュールは、WLANデュアルバンド動作とNFC動作との両方で電気信号を受信、送信又は搬送するコイルアンテナと接続されてよい。一実施例において、WLANデュアルバンド動作は、比較的高周波の電気信号、例えばIEEE802.11n規格に基づく2.4GHz又は5.2GHzの周波数の電気信号で動作してよい。NFC動作は、低周波の電気信号、例えば13.56MHz周波数の電気信号で動作して、NFC関連機能を実行するように構成されてよい。本実施例において、コイルアンテナは、13.56MHz、2.4GHz及び5.2GHzの周波数の電気信号で個別に共振するように構成されてよい。
【0009】
一実施例において、コイルアンテナは、開放端の中央給電ダイポールアンテナ部を有するように構成される。中央給電ダイポールアンテナ部は、WLANデュアルバンド動作で用いられる周波数のひとつである5.2GHzで共振する。WLANデュアルバンドは更に2.4GHzで動作してよいので、コイルアンテナは、NFC関連機能に用いられるコイルアンテナの連続ループのセグメントを分離することにより、2.4GHzで共振するように構成されてよい。すなわち、WLANデュアルバンドによる2.4GHz動作周波数の期間には、NFCコイルアンテナの配線の一部が再利用される。
【0010】
一実施例において、NFCコイルアンテナの分離されたセグメントは、WLANデュアルバンドによる2.4GHzの動作周波数で共振するために、中央給電ダイポールアンテナ部(すなわち、5.2GHz動作周波数に用いられる部分)と組み合わせて利用されてよい。NFC関連機能に関しては、セグメント(すなわち配線の一部)を分離することなく、NFCコイルアンテナ(すなわちコイルアンテナの連続ループ)を用いることができる。他の実施例において、例えばWWAN、LTE、デジタルテレビ(DTV)、GPS等の動作では、コイルアンテナは、WWAN、LTE、DTV、GPS等に要する動作周波数に対応する周波数電気信号で動作するように構成することができる。
【0011】
一実施例において、受動素子又は受動要素(例えばインダクタ)を設けて、WLANデュアルバンド動作の電気信号をNFC動作の電気信号から分離してよい。他の実施例において、ソフトウェアの実施例では、能動素子(例えばスイッチ)を用いて、WLANデュアルバンド電気信号をNFC電気信号から分離してよい。
【0012】
システムの例
図1Aは、近距離接続のためのデバイス配置の一例を示す図である。より具体的には、ユーザーは、近距離接続対応デバイス等のデバイスを、人間工学的に便利な特定の方法で操作したいと望むことがある。このようなデバイスの例としては、携帯電話、セル式携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットコンピュータ、ノートブック、ノートパソコン、ラップトップコンピュータ、マルチメディア再生機器、デジタル音楽プレーヤー、デジタルビデオプレーヤー、ナビゲーション機器、デジタルカメラ等がある。
【0013】
一実施例において、
図1Aは、いわゆる「NFCバンプ」を示す。NFCバンプでは、2人のユーザー(図示なし)が、彼らのNFC対応デバイス102−2,102−4の端部と端部又は頭部と頭部を一緒に「バンプ」して、NFC関連機能(例えば情報共有)を実行することがある。
図1Aに示されるのは、所望されることが多い、NFC関連機能対応のデバイス102を並べる構成である。デバイス102−2,102−4は、NFC関連機能を実行する、閉鎖端の連続ループコイルアンテナ(図示なし)を有してよい。NFC関連機能には、デバイス102間のデータ通信が含まれてよい。例えば、デバイス102−2は、近距離接続動作によって、デバイス102−4に情報を伝送してよい。
【0014】
図1Bは、デバイス102−2とデバイス102−4との間の無線通信のための構成の一例を示す図である。無線通信には、WLAN、MAN、WWAN、LTE、GPS、他のWi−Fi形式の通信等が含まれてよい。例えば、デバイス102−2,102−4は、WLANをその回路構成に適用して、互いに通信してよい。この例において、デバイス102は、WLANデュアルバンド回路(図示なし)を有してよい。WLANデュアルバンド回路は、同じ連続ループコイルアンテナを利用して、WLANデュアルバンド動作を実行する。連続ループコイルアンテナ(図示なし)は、NFC関連機能にコイルアンテナを用いることとは独立して利用されてよい。WLANデュアルバンド動作は、NFC周波数電気信号とは異なる周波数電気信号で動作してよい。
【0015】
一実施例において、デバイス102−2,102−4は、無線通信回路(図示なし)を有してよい。無線通信回路(図示なし)は、周波数電気信号を搬送、送信及び/又は受信するコイルアンテナ(図示なし)を有する。無線通信回路(図示なし)は、1以上の無線規格に従って動作するように構成されてよい。例えば、無線通信回路(図示なし)は、デバイス102−2とデバイス102−4との間で、無線通信リンク104を介して(塔106を経由して)情報を無線伝送するように構成されてよい。無線通信リンク104は、3G、4G又は未来のデジタル無線通信規格のうち少なくとも1つに従って確立される。そのような3G又は4Gの(又は未来の)デジタル無線通信規格には、WiMAX通信規格(例えば、IEEE802.16−2009等のIEEE802.16規格ファミリー)、3GPP(Third Generation Partnership Project)のLTE通信規格及び1以上の他の規格又はプロトコル(現在及び未来)のうち1以上が含まれてよい。ある実施形態において、無線通信回路は、Wi−Fi WLAN規格、例えばIEEE802.11規格ファミリー(例えばIEEE802.11a−1999、802.11b−1999、802.11g−2003、802.11n−2009、802.11−2007)と1以上の他の規格又はプロトコル(現在又は未来)とのうち1以上に従って、情報を無線伝送するように構成されてよい。
【0016】
デバイスの例
図2は、同じコイルアンテナをNFC動作とWLANデュアルバンド動作とに利用するデバイス102−2の例示的実施形態である。一実施例において、無線デバイス102−2は、NFC/WLANコイルアンテナ200、WLANデュアルバンドモジュールとNFCモジュールの組合わせ202及び無線通信回路204を有してよい。
【0017】
一実施例において、NFC/WLANコイルアンテナ200は、デバイス102−2の1つの端部(例えば上端206)に位置付けられてよい。本実施例において、NFC/WLANコイルアンテナ200は、WLAN周波数電気信号及びNFC周波数電気信号での送受信機として機能してよい。NFC/WLANコイルアンテナ200は、5.2GHzの周波数電気信号でWLANデュアルバンド動作を実行するための、別個の開放端中央給電ダイポールアンテナ構造(図示なし)を有するように構成されてよい。2.4GHzの周波数電気信号に関して、NFC/WLANコイルアンテナ200は、NFC関連機能に用いられるNFC/WLANコイルアンテナ200の配線の一部(図示なし)を再利用するように構成されてよい。例えば、NFC/WLANコイルアンテナ200は、NFC関連機能(NFCタグやクレジットカードの読取り、2つのNFC対応デバイス間の「NFCバンプ」を用いた情報の伝送等)のための連続ループコイルアンテナ(図示なし)を有してよい。
【0018】
一実施例において、WLANデュアルバンドモジュールとNFCモジュールの組合わせ202は、NFC/WLANコイルアンテナ200により受信され、送信され且つ/又は搬送される電気信号を処理するように構成されてよい。WLANデュアルバンドモジュールとNFCモジュールの組合わせ202は、WLANデュアルバンドモジュール(図示なし)及びNFCモジュール(図示なし)を有する単一のモジュールである。WLANデュアルバンドモジュール(図示なし)はWLANデュアルバンド電気信号、例えば2.4GHz/5.2GHz周波数電気信号を処理し、NFCモジュール(図示なし)はNFC電気信号、例えば13.56MHz周波数電気信号を処理する。WLANデュアルバンドモジュールとNFCモジュールの組合わせ202は、無線通信回路204に接続されてよい。一実施例において、無線通信回路204は、デバイス102−2での通信パラメータ(送信電力、増幅、動作モード等)を調整するように構成されてよい。
【0019】
更に、デバイス102−2は、1以上のプロセッサ208を有する。プロセッサ208は、信号を処理する単一の処理装置であっても複数の処理装置であってもよく、その全てに、単一若しくは複数のコンピュータ装置又は複数のコアが含まれてよい。プロセッサ208は、1以上のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、中央演算処理装置、状態機械、論理回路等の、動作命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスとして実装されてよい。他の機能として、プロセッサ208は、メモリ210等のコンピュータ可読記憶媒体に格納されるコンピュータ可読命令又はプロセッサアクセス可能命令をフェッチし実行するように構成されてよい。
【0020】
特定の実施例において、メモリ210は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。メモリ210に格納される命令は、プロセッサ208により実行されると、上述した様々な機能を実行させる。例えば、メモリ210には一般に、揮発性メモリと不揮発性メモリ(RAM、ROM等)との両方が含まれてよい。メモリ210は、本明細書において、メモリ又はコンピュータ可読記憶媒体と呼ばれる場合がある。メモリ210は、コンピュータ可読の、プロセッサにより実行可能なプログラム命令を格納することができる。該命令は、プロセッサ208により実行されてよいコンピュータプログラムコードであり、プロセッサ208は、本明細書の実施例に記載の動作及び機能を実行するよう構成される特定の機械である。
【0021】
本明細書に例として記載される無線デバイス102−2は、一部の実施例に適する例であるに過ぎず、本明細書に記載のプロセス、要素及び特徴を実装し得る環境、アーキテクチャ及び枠組みの利用又は機能性の範囲に対する限定を示唆するものではない。
【0022】
一般に、図面を参照して記載される機能はいずれも、ソフトウェア、ハードウェア(例えば、固定の論理回路構成)又はそれらの組み合わせを用いて実装することができる。プログラムコードは、1以上のコンピュータ可読メモリデバイス等のコンピュータ可読記憶デバイスに格納されてよい。よって、本明細書に記載のプロセス及び要素は、コンピュータプログラムにより実装されてよい。上述のように、コンピュータ記憶媒体には、情報(コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールその他データ)の格納に関する任意の方法又は技術で実装される、揮発性媒体、不揮発性媒体、取り外し可能な媒体及び取り外しできない媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体には、例えばRAMやROM、EEPROM、フラッシュメモリ等のメモリ技術、CD−ROMやデジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disk:DVD)等の光学記憶装置、磁気カセットや磁気テープ、磁気ディスク記憶装置等の磁気記憶デバイス、その他コンピュータデバイスによりアクセスされる情報を格納するのに用いることができる任意の媒体が含まれる。
【0023】
受動素子を有するNFC/WLANコイルアンテナの例
図3は、受動素子を有するNFC/WLANコイルアンテナの実施例300を示す図である。近距離接続に関する新たな技術により、デバイス102のユーザーにとって魅力的な多くのエクスペリエンスが可能となる。例えば、NFC/WLANコイルアンテナ200を有するフレキシブルプリント回路(FPC)をデバイス102に組み込むと、デバイス102の厚みが増すのを最小限に抑えることができる。
【0024】
引き続き
図3を参照する。(a)は、WLANデュアルバンドモジュール302及びNFCモジュール304を示す図である。WLANデュアルバンドモジュール302及びNFCモジュール304を一体化して、単一のモジュール(すなわちWLANデュアルバンドモジュールとNFCモジュールの組合わせ202)を形成してよい。一実施例において、WLANデュアルバンドモジュール302は、NFC/WLANコイルアンテナ200を利用して、WLANデュアルバンド電気信号を搬送、送信及び/又は受信するように構成されてよい。一方、NFCモジュール304は、NFC/WLANコイルアンテナ200を独立して利用して、NFC電気信号を搬送、送信及び/又は受信するように構成されてよい。NFCモジュール304がNFC関連機能のためにNFC/WLANコイルアンテナ200を独立して利用する構成は、NFC/WLANコイルアンテナ200に受動素子を設けることにより実装されてよい。
【0025】
一実施例において、WLANデュアルバンドモジュール302は、WLANデュアルバンド動作の際に、高周波電気信号、例えばIEEE802.11n規格に基づく2.4GHz又は5.2GHzの電気信号で動作するように構成されてよい。他の実施例において、WLANデュアルバンドモジュール302は、その要求される機能又は動作に対応できる他の周波数電気信号で動作するように構成されてよい。例えば、WWAN、LTE、DTV、GPS等の動作の場合、WLANデュアルバンドモジュール302は、WWAN、LTE、DTV、GPS等を動作させるのに用いられる周波数で動作するように構成されてよい。この例では、WLANデュアルバンドモジュール302は、NFCモジュール304と同じNFC/WLANコイルアンテナ200を利用(すなわち再利用)してよい。
【0026】
一実施例において、NFC/WLANコイルアンテナ200は、別個の中央給電駆動素子306を有するように構成されてよい。中央給電駆動素子306は、2つの金属コイル導体306−2,306−4を有してよい。該2つの金属コイル導体306−2,306−4は、互いに平行且つ共線的であり、すなわち、ダイポールアンテナ構成のように互いに一直線上にある。本実施例において、WLANデュアルバンドモジュール302は、中央給電駆動素子306を用いて、5.2GHzの周波数電気信号で動作してよい。例えば、WLANデュアルバンドモジュール302は、リンク308を介して、NFC/WLANコイルアンテナ200に接続される。NFC/WLANコイルアンテナ200は、5.2GHz電気信号の場合にのみ、中央給電駆動素子306を動作させるように構成される。この例では、他のNFC関連機能又は2.4GHz周波数電気信号にも、NFC/WLANコイルアンテナ200を同時に利用してよい。一実施例において、
図3の(b)に、5.2GHzの周波数電気信号でWLANデュアルバンドモジュール302により動作される場合のNFC/WLANコイルアンテナ200の構成を示す。本実施例において、中央給電駆動素子306は、5.2GHzの周波数電気信号で共振して、WLAN周波数電気信号を搬送、送信及び/又は受信するように構成される。
【0027】
一実施例において、異なる周波数電気信号を同時に動作させるために、NFC/WLANコイルアンテナ200にインダクタ310等の受動素子を設けてよい。例えば、インダクタ310−2,310−4,310−6を用いて、NFC/WLANコイルアンテナ200を異なる周波数電気信号、例えば2.4GHzと13.56MHzの周波数電気信号で利用してよい。この例では、矩形ループコイルアンテナ部312のリンク316のWLAN供給点に、インダクタ310−6が設けられる。一方、矩形ループコイルアンテナ部312の外側ループ部314−2,314−4の両方に、インダクタ310−2,310−4がそれぞれ設けられる。外側ループ部314−2,314−4の端部は、リンク316のWLAN供給点の反対側に位置する。
【0028】
一実施例において、インダクタ310−2,310−4,310−6は、2.4GHzの周波数電気信号において高いインピーダンス(すなわち高い減衰)を有するように構成されてよい。本実施例において、インダクタ310−2,310−4,310−6は、ほとんど開回路として動作してよい。この目的を達成するために、矩形ループコイルアンテナ部312の一部、例えば外側ループ部314−2,314−4が分離される。一実施例において、中央給電駆動素子306は、外側ループ部314−2,314−4と組み合わされて、WLANデュアルバンドモジュール302の2.4GHz周波数電気信号で共振する。
図3の(c)に、NFC/WLANコイルアンテナ200の構成を示す。該構成では、2.4GHz周波数電気信号のWLANデュアルバンド動作において、中央給電駆動素子306と外側ループ部314とが組み合わせられる。外側ループ部314の長さは、2.4GHz周波数電気信号のWLANデュアルバンド動作において共振するために、動的に調整されてよい。
【0029】
引き続き
図3を参照する。(a)において、インダクタ310−2,310−4,310−6は、NFC動作周波数、例えば13.56MHz周波数電気信号において低いインピーダンス(すなわち低い減衰)を有するように構成されてよい。例えば、インダクタ310−2,310−4,310−6は、矩形ループコイルアンテナ部312をNFC関連機能に利用することができるように、ショート回路として機能してよい。この例では、矩形ループコイルアンテナ部312は、リンク316を介して、NFCモジュール304に接続される。NFCモジュール304は、13.56MHz周波数電気信号で共振するように構成されてよく、よって、13.56MHz周波数電気信号でのNFC関連動作のみが、NFCモジュール304によって処理される。NFC/WLANコイルアンテナ200の中央給電駆動素子306は、2.4GHz又は5.16GHzで共振するように構成され、そのようなものとして、中央給電駆動素子306は、NFC関連動作の間に矩形ループコイルアンテナ部312から独立して動作してよい。一実施例において、
図3の(c)に、13.56MHz周波数電気信号でのNFC関連動作中のNFC/WLANコイルアンテナの構成200を示す。本実施例において、矩形ループコイルアンテナ部312は、NFC関連動作を実行する際に利用され、また、WLANデュアルバンド動作から独立している。
【0030】
一実施例において、リンク308,316の終端のWLAN供給点に、バラン要素316が挿入されてよい。バラン要素316は、リンク308,316で用いられ得る同軸ケーブルの外部導体へのリターン電流を最小限に抑えるために、平衡給電を提供してよい。例えば、バラン要素316は、非平衡の同軸給電を、中央給電駆動素子306に向けて平衡給電に変換する際に用いられる。デバイス102では、必ずしもバラン要素316が用いられるわけではない。バラン要素316が用いられない場合は、リンク308,316で用いられる同軸ケーブルが放射素子として機能してもよく、最終的なアンテナ放射パターンは、デバイス102の筐体内の実際のケーブル経路に基づいて決定される。同様に、バラン要素316は、リンク316の終端のNFC供給点に挿入されてよい。
【0031】
他の実施例において、スイッチ(図示なし)等の能動素子が、インダクタ310−2,310−4,310−6等の受動素子の代わりとなるように構成されてよい。例えば、WLANデュアルバンド動作中、インダクタ310−2,310−4,310−6の代わりに設けられたスイッチ(図示なし)は、開回路を有するように構成されてよい。別の例では、NFC動作中、インダクタ310−2,310−4,310−6の代わりに設けられたスイッチ(図示なし)は、ショート回路を有するように構成されてよい。能動スイッチ(図示なし)は、ソフトウェア機構によって制御されるように構成されてよく、また、デバイス102での使用に基づいて動的に制御されてよい。例えば、中央給電駆動素子306が用いられない(例えば、3G送信に用いられる)場合、NFC/WLANコイルアンテナ200は、主としてNFC関連機能のみに用いられてよい。受動素子(すなわちインダクタ310−2,310−4,310−6)を用いる場合と比較して、能動素子(例えばスイッチ)は、ある時間領域において、ある時間にWLANデュアルバンド動作を実行することと、別の時間にNFC関連機能を実行することとを交互に切り替えるように構成されてよい。
【0032】
プロセスの例
図4は、プロセスチャートの例400を示す図であり、同じアンテナを用いてWLANデュアルバンド動作と近距離無線通信動作とを同時に実行する方法の例を示す。本方法が記載される順序は限定として解釈されるものではなく、記載の方法のブロックのうち任意の数のブロックを任意の順序で組み合わせて、本方法又は代替の方法を実施することができる。また、本明細書に記載の主題の要旨及び範囲から逸脱することなく、個々のブロックを本方法から削除してよい。更に、本方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はその組み合わせで実施されてよい。例えば、コンピュータアクセス可能媒体は、同じコイルアンテナを利用して、WLANデュアルバンド動作とNFC動作とを実施してよい。
【0033】
ブロック402では、コイルアンテナにより、周波数電気信号が搬送、送信又は受信される。一実施例において、コイルアンテナ(例えば、NFC/WLANコイルアンテナ200)は、矩形多重ループコイルアンテナを有してよい。本実施例において、NFC/WLANコイルアンテナ200は、WLANデュアルバンド周波数電気信号及びNFC周波数電気信号を含む周波数電気信号を受信、搬送又は送信してよい。例えば、WLANデュアルバンド周波数電気信号は、WLANデュアルバンド動作を実施するための高周波の電気信号(例えば2.4GHz又は5.2GHz)を含んでよい。一方、NFC電気信号は、NFC関連機能を実施するための低周波の電気信号(例えば13.56MHz)を含んでよい。
【0034】
ブロック404では、WLANデュアルバンド周波数電気信号をNFC周波数電気信号から分離する。NFC電気信号は、WLANデュアルバンド周波数電気信号(すなわち2.4GHz又は5.2GHz)とは異なる動作周波数(すなわち13.56MHz)を有するので、受動素子(例えばインダクタ310)を用いて、WLANデュアルバンド周波数電気信号をNFC周波数電気信号から分離してよい。例えば、受動素子(すなわちインダクタ310)を設けることにより、高周波の電気信号(すなわち2.4GHz又は5.2GHz)で高い減衰(すなわち高いインピーダンス)を得られるようにし、NFC/WLANコイルアンテナ200の部分的再利用(すなわちセグメント314)によりWLANデュアルバンド動作が行えるようにしてよい。
【0035】
一実施例において、NFC/WLANコイルアンテナ200の独立した中央給電駆動素子(例えば中央給電駆動素子306)は、5.2GHz周波数電気信号で共振するように構成されてよい。更に、中央給電駆動素子306は、外側ループ部314と組み合わせられて2.4GHz周波数電気信号で共振するように構成されてよい。別の例において、受動素子(すなわちインダクタ310)を設けることにより、NFC関連機能の期間の13.56MHzの周波数電気信号で低い減衰が得られるようにしてよい。すなわち、インダクタ310は、NFCモジュール(例えばNFCモジュール304)が、WLANデュアルバンド動作に関する2.4GHz又は5.2GHzの周波数電気信号とは独立して13.56MHz周波数電気信号を処理できるよう、13.56MHz周波数電気信号に対するローパスフィルタとして機能してよい。他の実施例において、インダクタ310の代わりに能動スイッチを設けることにより、(例えばソフトウェアアプリケーションによって)WLANデュアルバンド周波数電気信号をNFC周波数電気信号から分離するように構成されてよい。
【0036】
ブロック406では、NFC周波数電気信号を用いて、NFC関連機能を実行する。
【0037】
ブロック408では、WLANデュアルバンド周波数電気信号を用いて、WLANデュアルバンド機能を実行する。
【0038】
本発明に係る実現例を、具体的な実施形態に照らして説明した。これらの実施形態は例示であり、限定を意図するものではない。多くの変形、変更、追加及び改善が可能である。よって、本明細書において単一の例として記載された要素に対して、複数の例が提供され得る。各種要素、動作及びデータストアの境界はある程度任意であり、具体的な例示的構成に照らして特定の動作を説明している。機能性の配置は他にも想定され、それらは以下の特許請求の範囲に包含される。最後に、各種構成において別々の要素として表された構造及び機能性は、構造又は要素の組み合わせとして実装されてよい。これら及び他の変形、変更、追加及び改善は、以下の特許請求の範囲に定められる本発明の範囲に包含される。