【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、第1の発明の水力発電装置は、
複数の回転軸を介して上下方向に巡回可能なループ状に張設されたコンベヤと、
該コンベヤの周方向に沿って所定ピッチで配設されており、それぞれが開口部を上方へ向けてバランスするように、前記回転軸に平行な支軸を介して該コンベヤに対し相対回転自在に支持された複数のバケットと、
前記コンベヤの上部に到来した前記バケットの前記開口部に水を供給する水供給部と、
前記コンベヤの下部に到来した前記バケットを、前記支軸を介して回動させることにより、前記開口部から水を取り出す水取出部と、
いずれかの前記回転軸に連結された発電機とを備えている。
【0009】
ここで、特に限定されないが、前記開口部が上方を向いて安定的にバランスするように、前記バケットの反開口部側に錘を設けることを例示する。
【0010】
この構成によれば、前記バケットは、前記開口部を上方へ向けてバランスするように構成されているので、次の作用効果が得られる。
(1)前記水取出部により回動させられているときを除けば、前記バケットにいつでも水を注ぎ込むことができるので、従来よりも該バケットに時間をかけて水を注ぎ込むことができ、該バケット内に効果的に水を貯留させることができる。
(2)前記コンベヤの下降経路が垂直である必要がなく、傾斜していても構わないので、設置場所の選択の自由度が大きい。
【0011】
第2の発明の水力発電装置としては、前記第1の発明において、
前記バケットは、前記支軸を軸心とするとともに前記ピッチ以下の直径からなる円柱形に収容可能に形成された
態様を例示する。
【0012】
この構成によれば、隣接する前記バケットが、巡回経路における直線状の経路で並んだ状態で、互いに干渉し合うことなく、前記支軸を中心に回転可能に構成することができる。
【0013】
第3の発明の水力発電装置としては、前記第2の発明において、
前記バケットは、前記円柱形をその軸心上で2分割した半円柱形に形成され、
前記開口部は、該半円柱形における2分割面の略全体が開口してなるように形成された
態様を例示する。
【0014】
この構成によれば、前記開口部を大きく形成することができ、前記バケットに対し水を出し入れし易くすることができる。
【0015】
第4の発明の水力発電装置としては、前記第3の発明において、
前記コンベヤは、その巡回経路における上部に2以上の前記バケットが水平に並ぶことが可能な上部水平経路を含み、
前記水供給部は、前記上部水平経路にある前記バケットに対して水を供給するように構成された
態様を例示する。
【0016】
この構成によれば、前記上部水平経路を設けることにより、それぞれの前記バケットに対して水を供給可能な状態を、従来よりも延長することができる。
【0017】
第5の発明の水力発電装置としては、前記第4の発明において、
前記上部水平経路における前記バケットに対し、前記支軸を中心とする回動を防止するように構成された回動防止部を備えた態様を例示する。
【0018】
この構成によれば、前記水供給部から供給される水が、前記上部水平経路における前記バケットに注ぎ込まれたときに、該バケットが回動して水が溢れることを防止することができる。
【0019】
第6の発明の水力発電装置としては、前記第4又は5の発明において、
前記水供給部は、前記上部水平経路にある前記バケットに先行して下降する前記バケットに対しても水を供給するように構成された
態様を例示する。
【0020】
この構成によれば、前記先行して下降するバケットに追加的に水を供給することができる。
【0021】
第7の発明の水力発電装置としては、前記第4〜6のいずれかの発明において、
前記上部水平経路の下方に設けられ、該上部水平経路における前記バケット同士の隙間から落下する水を前記下降するバケットに流し込むようにガイドするガイド部を備えた
態様を例示する。
【0022】
この構成によれば、前記上部水平経路における前記バケット同士の隙間から落下する水を有効利用することができる。
【0023】
第8の発明の水力発電装置としては、前記第1〜7のいずれかの発明において、
前記水取出部は、前記バケットが、水の取り出し時の前記回動した姿勢から、前記開口部を上方へ向けてバランスした姿勢に復帰するときの振れ動きを防止する振れ防止部を備えた
態様を例示する。
【0024】
この構成によれば、前記振れ動きによる前記コンベヤにおけるエネルギーの損失を抑制することができる。