(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
離型層表面における剥離力が、常温測定時において10mN/25mm以上、100mN/25mm以下であり、70℃20時間加熱後の測定時において10mN/25mm以上、100mN/25mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用透明粘着シート用離型フィルムの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<離型フィルム>
本発明の離型フィルムは、基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された離型層とからなる離型フィルムである。
以下、本発明の離型フィルムを構成する各構成成分について説明する。
【0010】
<基材フィルム>
(ポリエステル)
本発明における基材フィルムは、耐熱性や剛性、品質等に優れ、OCAに適していることから、ポリエステルフィルムが好ましい。
本発明において、かかるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、第1成分としてのジカルボン酸成分および第2成分としてのグリコール成分からなる。ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を例示できる。特に、基材フィルムの機械特性に優れるという観点から、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。また、グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を例示できる。特に、基材フィルムの剛直性に優れるという観点から、エチレングリコールが好ましい。
【0011】
上記のポリエステルは、さらに第3成分として、さらに上記ジカルボン酸成分の少なくとも1つ、あるいはグリコール成分の少なくとも1つを共重合したコポリエステルであっても良い。かかる第3成分としては、第1成分として選択されたジカルボン酸成分あるいは第2成分として選択されたグリコール成分とは異なる共重合成分を選択することができる。また、第3成分としては、三官能以上の多価カルボン酸成分あるいはポリオール成分を含んでも良いが、その場合の共重合量は、得られるポリエステルが実質的に線状となる範囲(例えば5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以下、特に好ましくは1モル%以下)で少量共重合したポリエステルであることが好ましい。以上のような本発明におけるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0012】
かかるポリエステルは常法により作ることができ、本発明における離型フィルムに使用されるポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノール中、25℃における固有粘度)は、0.55dl/g以上、0.57dl/g以下であることが好ましい。これにより基材フィルムとした後の固有粘度を、後述する範囲にすることが容易となる。
【0013】
(屈折率)
本発明における基材フィルムは、フィルム面内における最大の屈折率nTDが1.672〜1.687であり、フィルム厚み方向の屈折率nZが1.492〜1.496であり、nTDとnZとが、nZ≦0.444×nTD+0.750(式1)の関係式を満たすことが必要である。屈折率が上記態様であると、OCAの打ち抜き性が良好となる。ここで、フィルム面内における最大の屈折率とは、フィルム面内において屈折率が最大になる方向の屈折率を示す。かかる方向は、一般的にはフィルムの製膜機械軸方向(縦方向または長手方向またはMDと呼称する場合がある。)と直交する方向(横方向または幅方向またはTDと呼称する場合がある。)となり、好ましい。
【0014】
nTDが高すぎると、打ち抜き性には大きな問題は生じないが、一方で、基材フィルムの製膜が困難となり生産性が落ちる場合があり、更に、離型フィルムが避けやすくなり、OCA製造工程上でも取り扱い性に劣るという問題が生じる。そのためnTDは、1.686以下が好ましく、1.685以下がより好ましく、1.684以下がさらに好ましい。他方、低すぎると、打ち抜き性が劣るばかりではく、基材フィルムの厚み斑の悪化という問題も生じる。かかる観点から、nTDは、好ましくは1.674以上、より好ましくは1.675以上、さらに好ましくは1.676以上である。
また、nZは、高すぎると打ち抜き性が劣る問題が生じ、他方、低すぎると面配向が高くなり過ぎて、基材フィルムが切断し易くなる問題が生じる。かかる観点から、nZは、好ましくは1.493以上であり、また、好ましくは1.495以下である。
【0015】
さらに、nTDが上記範囲内であっても、比較的低い領域においては、nZが高すぎると打ち抜き性に劣る傾向となる。nZが高いということは、全体として面配向が低い傾向となるためである。すなわち、式1において、左辺が右辺より大きいと、打ち抜き性が劣る問題が生じる。好ましくはnZ≦0.5×nTD+0.656の関係式を満たすことである。また、面配向が低いと、フィルムの結晶化にも影響を与え、それによる打ち抜き性の向上効果にも影響を与える場合がある。
基材フィルムの屈折率を上記態様とすることは、すなわち離型フィルムの屈折率を上記態様とすることとなる。基材フィルムの屈折率を上記態様とするには、例えば、基材フィルムの製膜において、後述する好ましい延伸条件を採用すればよい。
【0016】
(固有粘度)
本発明における基材フィルムは、固有粘度(オルトクロロフェノール中、25℃)が0.53〜0.58dl/gである。本発明においては、基材フィルムの屈折率が上述態様であると同時に、固有粘度が上記数値範囲にあると、OCA製造時の打ち抜き工程での打ち抜き性が良好となる。基材フィルムの固有粘度が上記範囲より低いと、基材フィルムの製膜が困難となり生産性が落ちる場合がある。よって好ましくは0.54dl/g以上、より好ましくは0.55dl/g以上である。他方、基材フィルムの固有粘度が上記範囲より高い場合は、基材フィルムのコシが強すぎて、打ち抜き性が悪くなる。よって好ましくは0.57dl/g以下、より好ましくは0.56dl/g以下である。
【0017】
(サブピーク温度Tsm)
基材フィルムのサブピーク温度(Tsm、単位:℃)は、227℃以上、245℃以下であることが好ましい。これによりOCA打ち抜き性の向上効果を高くすることができる。Tsmは、低すぎると打ち抜き生が悪化する傾向にある。かかる観点から、Tsmは、さらに好ましくは230℃以上である。他方、高すぎると、基材フィルムの結晶化が進みすぎ、機械的強度が下がってしまう。かかる観点から、Tsmは、より好ましくは242℃以下、さらに好ましくは239℃以下である。
なお、上記Tsmを達成する為には、後述する基材フィルムの好ましい製造方法を採用すればよい。
【0018】
(密度)
基材フィルムの密度は、1.401g/cm
3以上、1.410g/cm
3以下であることが好ましい。これによりOCA打ち抜き性の向上効果を高くすることができる。密度は低すぎると打ち抜き性が悪化する傾向にある。かかる観点から、密度は、より好ましくは1.402g/cm
3以上である。他方、高すぎると、フィルムが脆くなり、打ち抜き、裁断時などの取り扱い性が低下するため好ましくない。かかる観点から、密度は、より好ましくは1.408g/cm
3以下、さらに好ましくは1.406g/cm
3以下である。
なお、上記密度を達成するためには、後述する基材フィルムの好ましい製造方法を採用すればよい。
【0019】
(表面粗さ)
本発明においては、OCA粘着層のヘーズ上昇を防ぐ為に、離型層表面における10点平均粗さRzが650nm以上、1200nm以下であることが好ましい。このためには、基材フィルム表面(離型層を形成する側の表面であって、離型層を形成する前の表面)における10点平均粗さRzは、600nm以上、1200nmの範囲であることが好ましく、基材フィルムの10点平均粗さRzを上記数値範囲とすることによって、離型層形成後の離型フィルム表面(離型層表面)におけるRzを調整しやすくなり、離型フィルムを剥離した後のOCAのヘーズが上昇するのを防ぐことができる。
基材フィルムの10点平均10点Rzを上記数値範囲とするためには、基材フィルムに無機又は有機物の粒子を添加することで調整することができる。又、回転冷却ドラムへの接地面も重要であり、接地面は非接地面よりも平滑になる傾向がある。
【0020】
(粒子)
本発明において基材フィルムに含有することが好ましい粒子としては、有機粒子、無機粒子のいずれであっても良いが、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子、硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、カオリン粒子、タルク粒子等のような無機粒子、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等のような有機粒子が挙げられる。有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、エチレン−プロピレンターポリマー粒子、オレフィン系アイオノマー粒子等のような他の樹脂粒子も挙げられる。これらのうち1種又は2種以上用いてもよい。本発明においては、より好ましい表面粗さ、光線透過率、ヘーズ値が得られるという観点から、無機粒子が好ましい。とりわけ、酸化チタン粒子、シリカ粒子が好ましい。また、基材フィルム中にボイドが形成され難く、透明性に優れるという点、また、適した表面態様が得やすいという点から、塊状粒子が好ましい。とりわけ好ましい粒子は、塊状シリカ粒子である。
【0021】
基材フィルムにおける粒子の平均粒径は、0.1μm以上、3μm以下が好ましい。また、含有量は、基材フィルムの質量を基準として、0.02質量%以上、0.08質量%以下が好ましい。このような態様とすることによって、基材フィルム表面におけるRzを、上述したごとく本発明における好ましい範囲としやすくなり、それにより本発明における好ましい離型層表面のRzを達成しやすくなる。平均粒径が大きすぎたり、含有量が多すぎたりすると、Rzが大きくなりすぎる傾向にあり、他方平均粒径が小さすぎたり、含有量が少なすぎたりすると、Rzが小さくなりすぎる傾向にある。このような観点から、平均粒径は、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上がさらに好ましく、2.5μm以下がより好ましく、2.0μm未満がさらに好ましい。また含有量は、0.025質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、0.07質量%以下がより好ましく、0.06質量%以下がさらに好ましい。
【0022】
本発明においては、異なる種類や、異なる粒子径の2種以上の粒子を併用することができる。例えば、比較的粒径の大きな塊状粒子と、比較的粒径の小さな粒子、好ましくは球状粒子を併用することができる。これにより、比較的小さな粒子によりフィルム表面に微細な凹凸が形成され、滑り性の向上効果が高くなり好ましい。
【0023】
(積層構成)
また、本発明における基材フィルムは、単層フィルムであってもよいし、離型層を形成する表面となる表層と芯層とを有する、2層以上の積層フィルムであってもよい。例えば、2〜5層の積層フィルム(例えば、表層/芯層の2層構成や、表層/芯層/表層の3層構成、表層/芯層1/芯層2/表層の4層構成等)が好ましく、特に、表層と芯層とからなる3層フィルム(表層/芯層/表層の構成)であることが好ましく、これにより、表層に含有される粒子による表面突起形成と、芯層に含有される粒子による芯層からの突き上げによる表面突起形成との両方を調整できるようになり、Rzをより達成しやすくなる。
【0024】
かかる積層フィルムにおいても、粒子の平均粒径の好ましい範囲は単層の場合と同様である。また、含有量については、表層においては、表層の質量を基準として0.01質量%以上、0.03質量%以下であることが好ましい。また、芯層においては、芯層の質量を基準として0.03質量%以上、0.09質量%以下であることが好ましい。これによりRzを達成しやすくなる。
【0025】
また、積層フィルムの場合、離型層側となる表層の厚み(1層の厚み)は、1〜8μmであることが好ましく、さらに好ましくは2〜5μmであり、上述した粒子の態様と合わせて、Rzが達成しやすくなる。また、芯層の厚み(複数の芯層を有する場合は、それらの合計の厚み)は、15〜186μmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜175μmである。このような態様とすることで、離型層を形成する側のフィルム表面に、芯層が含有する粒子に起因する突起が形成されて、Rzがより達成しやすくなる。
又、基材フィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等の添加剤を含有することもできる。
【0026】
<離型層>
本発明における離型層は、付加型シリコーン及び縮合型シリコーンを用いることができるが、生産性の点から、反応の速い付加型シリコーンが好ましく用いられる。縮合型シリコーンは、生産時に十分に硬化しにくいため、離型層を形成する工程内の搬送ローラーにシリコーンが転写し、堆積し、堆積したシリコーンがフィルムに再度移行することにより異物欠点となる場合がある。また、離型性の点からも、樹脂変性シリコーンは、OCAのセパレーターとして用いられる離型フィルムとして好適に用いられる剥離力領域を達成することが比較的困難である。このような観点からも、付加型シリコーンが好適に用いられる。
【0027】
本発明における離型層の厚みは、0.01〜1μmが好ましい。離型層の厚みが上記数値範囲にあると、OCAのセパレーター用として適した離型性を得ることが容易となる。このような観点から、厚みは、さらに好ましくは0.05〜0.5μm、特に好ましくは0.08〜0.3μmである。
【0028】
<離型フィルムの製造方法>
(基材フィルムの製造方法)
本発明における基材フィルムは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。かかる二軸延伸フィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、ポリエステルからなる二軸延伸フィルムの場合は、まず、ポリエステルを乾燥する。かかる乾燥においては、例えば乾燥機内の湿度を調整する等によりポリエステル中の水分含有量を調整することができ、それにより得られるフィルムの固有粘度を調整することができる。次いで、Tm〜(Tm+70)℃の温度(ただし、Tmはポリエステルの融点(単位:℃)を表す。)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、20〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、次いで、該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(ただし、Tgはポリエステルのガラス転移点温度(単位:℃)を表す。)で縦方向に2.5〜8.0倍、好ましくは2.9〜5.0倍、さらに好ましくは3.2〜4.0倍の倍率で延伸し、横方向に3.3〜4.5倍、好ましくは3.4〜4.0倍で延伸し、225〜245℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造できる。延伸倍率を上記数値範囲とすることによって、厚み斑をより小さくすることができるばかりでなく、本発明が規定する屈折率の態様としやすくなり、良好な打ち抜き性が得やすくなる。又、熱固定温度を上記範囲とすることで、本発明が好ましく規定する密度を得ることができ、打ち抜き性をさらに良いものとすることができる。熱固定条件については、基材フィルムのサブピーク温度が227℃以上、さらには230℃以上、また、245℃以下、より好ましくは242℃以下、さらには239℃以下となる条件が好ましい。例えば上記温度範囲である。このようなサブピーク温度とすることによって、打ち抜き性の向上効果を高くすることができる。
【0029】
なお、本発明における基材フィルムの厚みは、基材フィルムとして適度なコシがあれば特に限定されないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上である。他方、厚すぎると打ち抜き加工性の向上効果が低くなる傾向にあり、好ましくは177μm以下、より好ましくは125μm以下、さらに好ましくは100μm以下、特に好ましくは70μm以下である。このような範囲であると、OCAセパレーターとして好適である。
【0030】
(離型層の形成方法)
本発明における離型層は、離型層を構成する各構成成分を含有する塗液(以下、離型層塗液と呼称する場合がある。)を、基材フィルム上に塗布し、乾燥、硬化することによって形成する。塗布する面は、離型層表面のRzを好ましい値にしやすいという観点から、基材フィルムにおいて、樹脂をダイより押し出して、回転冷却ドラムに接した側の面が好ましい。
【0031】
離型層塗液を基材フィルムに塗布するための塗布方法としては、公知の任意の塗布方法が適用でき、例えばグラビアロールコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法、ドクターブレード法等を単独または組み合わせて適用することができる。また、ハジキなど塗布外観の安定性を向上させる目的で、塗液には若干量の界面活性剤を含有させることができる。
【0032】
離型層塗液を塗布後、乾燥、および硬化する条件としては、100℃以上、180℃以下の温度で10秒以上、120秒以下の時間加熱することが好ましく、110℃以上、160℃以下の温度で20秒以上、90秒以下の時間加熱することがさらに好ましく、120℃以上、140℃以下の温度で30秒以上、60秒以下の時間加熱することが特に好ましい。上記のごとく乾燥条件を採用することによって、離型層の強度をより高くすることができ、更にはポリエステルフィルムの熱シワの発生を抑えることができる。
【0033】
<離型フィルムの特性>
(突き刺し強度測定時の伸び)
本発明の離型フィルムは、先端径4mmの突き刺し治具を用いて測定した突き刺し強度測定時の伸びの値が8.5mm以下であることが好ましい。このような態様であると、打ち抜き性に優れる。突き刺し時の伸びが大きすぎると、打ち抜き性に劣る。このような観点から、上記突き刺し時の伸びは、より好ましくは8.2mm以下、さらに好ましくは8.0mm以下である。打ち抜き性の観点からは、かかる伸びの値は小さい方がこのましく、その下限は好ましくは0mmである。
上記のような突き刺し時の伸びは、基材フィルムの製膜条件を調整することにより達成でき、例えば延伸倍率を高く、結晶化温度を高くすることにより、伸びは小さくなる傾向にある。
【0034】
(剥離力)
本発明における離型フィルムは、離型層表面における常温剥離力(常温測定時における剥離力)が10mN/25mm以上、100mN/25mm以下であることが好ましい。常温剥離力が上記数値範囲にあると、OCA粘着層との剥離力が安定し、またOCAセパレーターとして適度な剥離力で剥離することができる。常温剥離力が低すぎると、OCAの製造工程でOCA粘着層と離型フィルムとの間で浮きが生じ易くなる傾向にある。このような観点から、常温剥離力は、より好ましくは20mN/25mm以上、さらに好ましくは30mN/25mm以上である。他方、高すぎると、セパレーターとしての離型フィルムを剥離する際に、離型フィルムとOCA粘着層との界面で上手く剥がれずに、キャリアフィルムとOCA粘着層との界面から先に剥がれてしまう等の問題が生じてしまう。このような観点から、常温剥離力は、より好ましくは80mN/25mm以下、さらに好ましくは60mN/25mm以下、特に好ましくは50mN/25mm以下である。
【0035】
また、離型層表面における加熱剥離力(70℃20時間加熱後測定における剥離力)は、10mN/25mm以上、100mN/25mm以下であることが好ましい。加熱剥離力が上記数値範囲にあると、高温に晒されたとしてもOCA粘着層との剥離力が安定し、また高温に晒されたとしてもOCAセパレーターとして適度な剥離力で剥離することができる。加熱剥離力が低すぎると、OCAの製造工程でOCA粘着層と離型フィルムとの間で浮きが生じ易くなる傾向にある。このような観点から、加熱剥離力は、より好ましくは20mN/25mm以上、さらに好ましくは30mN/25mm以上、特に好ましくは40mN/25mm以上である。他方、高すぎるとセパレーター剥離時に、セパレーターとOCA粘着層との界面で上手く剥がれずに、キャリアフィルムとOCA粘着層との界面から先に剥がれてしまう問題が生じてしまう。このような観点から、加熱剥離力は、より好ましくは80mN/25mm以下、さらに好ましくは70mN/25mm以下、特に好ましくは60mN/25mm以下である。
【0036】
このように、常温剥離力と加熱剥離力との剥離力差が小さいことは、OCAセパレーターとして特に好適である。かかる剥離力差は、好ましくは20mN/25mm以下、より好ましくは15mN/25mm以下、さらに好ましくは12mN/25mm以下、特に好ましくは10mN/25mm以下である。
【0037】
上記剥離力は、離型層の態様を適宜調整することにより達成することができる。すなわち、離型層がシリコーン系である場合は、用いられるシリコーンの架橋点を少なくしたり、塗膜厚みを厚くしたりすると、常温剥離力は高くなる傾向にある。また、残存するSi−Hを減少させると、加熱剥離力は低くなる傾向にあり、残存するSi−Hを多くすると、加熱剥離力は高くなる傾向にある。
【0038】
(残留接着率)
本発明における離型フィルムの離型層表面における残留接着力は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。残留接着率の値が前記範囲であると、離型層からの移行成分が少なく、品質のより優れた、すなわち接着性のより安定したOCAを得ることができる。
かかる残留接着率は、離型層からの移行成分を低減することにより達成できる。例えば、未反応成分を低減させたり、架橋反応を十分に進行させたりすればよい。
【0039】
(密着性)
本発明における離型フィルムは、基材フィルムへの離型層の密着性にも優れたものであることが望ましい。離型層の密着性が悪いと、ハンドリングの際の擦れにより離型層が脱落したり、OCAから離型フィルムを剥離した際にOCA面に離型層が転写することがあり好ましくない。離型層の基材フィルムに対する密着性を高くするには、基材フィルムにあらかじめ密着向上の前処理を行う、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の方法があり、本発明においてはこれらを採用することが好ましい。
【0040】
(光学用透明粘着シート)
以上のような本発明の離型フィルムを用いて、光学用透明粘着シート(OCA)を作成することができる。かかるOCAは、OCA粘着層の両面に離型フィルムを有する積層体の構成を有する。かかる積層体における離型フィルムの少なくとも一方として、本発明の離型フィルムを採用することが好ましい。とりわけ、セパレーター(軽剥離)側の離型フィルムとして、本発明の離型フィルムを採用することが好ましい。
【実施例】
【0041】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
【0042】
(1)剥離力
(1−1)常温剥離力
サンプルフィルムの離型層表面にポリエステル粘着テープ(No.31B、日東電工株式会社製)を貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着した後、離型層と粘着テープとの剥離カ(単位:mN/25mm)を引張り試験機にて測定した。剥離角度は180度、ヘッドスピードは300mm/分とした。任意の5箇所の平均値として、常温剥離力を求めた。
【0043】
(1−2)加熱剥離力
サンプルフィルムの離型層表面にポリエステル粘着テープ(No.31B、日東電工株式会社製)を貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着した後、サンプル上に20g/cm
2の重りを乗せて70℃のオーブンで20時間加熱した後、取り出して室温にて冷ました後に、上記と同様にして離型層と粘着テープとの剥離力(単位:mN/25mm)を引張り試験機にて測定した。任意の5箇所の平均値として、加熱剥離力求めた。
【0044】
(2)残留接着率
ポリエステル粘着テープ(No.31B、日東電工株式会社製)を、JIS G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後、それを剥離して剥離力を測定し、基礎接着力(f
0)(単位:N/25mm)とした。次に新しいポリエステル粘着テープをサンプルフィルムの離型層表面に5kgの圧着ローラーで圧着した後、30秒間放置してから粘着テープを剥がした。そして、この剥がしたポリエステル粘着テープを前記ステンレス板に貼り付け、それを剥離して剥離力を測定し残留接着力(f)(単位:N/25mm)とした。得られた基礎接着力(f
0)と残留接着カ(f)とから下記式を用いて残留接着率を求めた。
残留接着率(%)=(f/f
0)×100
本発明において残留接着力は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であり、離型層からの移行成分が少なく、品質のより優れた(接着性のより安定した)OCAを得ることができる。
【0045】
(3)密着性
離型フィルムを作成した後、サンプルを温度23℃、相対湿度55%RHの環境下で24時間放置した。次いで、経時処理後のサンプルについて、離型層表面を親指で10回強く擦り、ラブオフテストを実施した。この時、親指はあらかじめエタノールを含ませたガーゼでよく拭き、脱脂してから上記作業を実施した。得られたラブオフテスト後のサンプルについて、親指で擦った部分における離型層の状態を目視観察し、以下の基準に従って判定した。
○ :目視にて、離型層に曇りが観測されない。
△ :目視にて、離型層に多少の曇りが観測された。
× :目視にて、離型層に曇りが観測された。
さらに、親指で擦った部分にセロハン粘着テープを貼り付け、それを剥離する際の引っ掛かりの度合いについて、以下の基準に従って評価した。引っ掛かりがあるということは、離型層が除去されてしまったことを意味する。
○ :セロハン粘着テープを剥離する際に、引っ掛かりが無い。
△ :セロハン粘着テープを剥離する際に、多少の引っ掛かりがある。
× :セロハン粘着テープを剥離する際に、引っ掛かりがある。
××:セロハン粘着テープを剥離する際に、強い引っ掛かり(離型層が無い部分と同等の引っ掛かり)がある。
【0046】
(4)屈折率
得られたポリエステルフィルムについて、フィルム面内において、縦方向を90度、横方向を0度として、円方向に10度毎の屈折率、および厚み方向の屈折率をアッベ法(NaD線)にて測定した。フィルム面内においては、得られた値の内最大の値を、フィルム面内における最大の屈折率nTDとした。なお、屈折率の測定は、フィルム製膜において、回転冷却ドラムに接した側の面において行った。
【0047】
(5)OCA加工適正
(5−1)OCAの作成
平坦なガラス基板上に、キャリアフィルム用離型フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社制、品番:A31−125μm)を、離型面を上にして置き、該離型フィルムの四辺に厚さ2.0mmのスペーサーを置いて成形下型とし、該離型フィルムの中心部に、混合、脱泡した未硬化の液状シリコーンゲル(旭化成ワッカーシリコーン(株)社製、品番:SLJ3363)を、気泡を巻き込まないように流し入れ、次いで、気泡を巻き込まないように、セパレーター用離型フィルムとしての本発明の離型フィルムの離型面を前記液状シリコーンゲル原料表面に接触被覆し、次いで、セパレーター用離型フィルムの上から上押し型となる平坦なガラス板を乗せて、手で押してスペーサー厚みに成形した。次に、前記成形工程のガラス板型とともに、前記シリコーンゲル原料を熱風式オーブン中で70℃1時間加熱硬化させ、その後、オーブンから取り出してガラス基板を取り外して、室温まで自然冷却し、OCA(キャリアフィルム用離型フィルム/OCA粘着層/セパレーター用離型フィルムの構成)を得た。なお、OCA粘着層は厚みが300μmとなるよう調整した。
【0048】
(5−2)打ち抜き性評価
上記により得られたOCAを、本発明の離型フィルム(軽剥離セパレーター)側から、片刃打ち抜き加工した。打ち抜きサンプルを10点作成し、打ち抜き後のサンプルの状態を以下の基準で評価した。
◎ :全てのサンプルで打ち抜き面に離型フィルム及びOCAの変形が見られず、打ち抜き性が極めて良好。
○ :8点以上のサンプルで打ち抜き面に離型フィルム及びOCAの変形が見られず、打ち抜き性が良好。
△ :6点以上のサンプルで打ち抜き面に離型フィルム及びOCAの変形が見られず、打ち抜き性がやや良好。
× :半数以上のサンプルに打ち抜き面に離型フィルム及びOCAの変形が見られ、打ち抜き性が不良。
××:全てのサンプルに打ち抜き面に離型フィルム及びOCAの変形が見られ、打ち抜き性が特に不良。
【0049】
(6)ガラス転移点温度(Tg)、融点(Tm)、サブピーク温度(Tsm)
樹脂サンプルの場合は試料10mg、フィルムサンプルの場合は試料20mgを、パーキンエルマー社製のDSC装置(示差走査熱量計)にセットし、室温から20℃/分で300℃まで昇温し、サブピーク温度(Tsm)(単位:℃)を測定した。次いで、試料を300℃の温度で5分間保持した後、液体窒素中で急冷し、この急冷試料を10℃/分で300℃付近まで昇温してガラス転移温度(Tg)(単位:℃)、融点(Tm)(単位:℃)を測定した。
【0050】
(7)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
【0051】
(8)密度
硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管で、25℃での浮沈法により測定した。
【0052】
(9)粒子の平均粒径
試料台上に、粒子の粉体を個々の粒子ができるだけ重らないように散在させ、金スパッター装置によりこの表面に金薄膜蒸着層を厚み200〜300オングストロームで形成し、走査型電子顕微鏡を用いて1万〜3満倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少なくとも110個の粒子について、長径(Dli)、短径(Dsi)、および面積円相当径(Di)を求めた。
粒子の個数nとし、上記で得られた値を下記式に用いて、面積相当粒径(Di)の数平均値を平均粒径(D)とした。
【0053】
【数1】
【0054】
(10)突き刺し強度測定時の伸び
食品衛生法の突き刺し強度試験測定方法に準じて、得られたフィルムサンプルを内径32mmの治具を用いて面状に固定し、サンプル面に垂直に、先端形状が直径4mmの半円形の針を毎分50±0.5mmの速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大フィルム伸び(単位:mm)を測定し、突き刺し時の伸びとした。
【0055】
[実施例1]
(基材フィルム)
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)(ガラス転移点温度Tg=78℃、融点Tm=258℃、DSC法による。)を100質量部、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素微粒子を0.05質量部の割合にて混合し、乾燥し、2軸タイプエスクトルーダーにて溶融混合し、冷却ドラム上に押出し、未延伸シートを得た。続いて、かかる未延伸シートを、90℃で縦延伸倍率3.2倍、130℃で横延伸倍率4.4倍に延伸した後、熱固定温度240℃で4秒間熱処理し、厚さ50μの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。なお、得られたフィルムの固有粘度が0.56dl/gとなるように、ペレットの乾燥条件を調整した。
【0056】
(離型層)
メチルエチルケトン(MEK)70質量部とトルエン30質量部とからなる混合溶剤に、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製:LTC310)6質量部を溶解し、触媒(東レ・ダウコーニング株式会社製:NC−25)をシリコーン100質量部に対し2質量部の割合で混合して離型層塗液を作成した。この離型層塗液を常法のロールコートにより、上記で得られたポリエステルフィルムの冷却ドラムに接触した面上に塗布し、130℃の乾燥温度にて30秒乾燥し、乾燥膜厚みが0.10μmの離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0057】
[実施例2]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.5倍、横延伸倍率を4.7倍とし、熱固定温度を244℃とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。
得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0058】
[実施例3]
(基材フィルム)
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)(ガラス転移点温度Tg=78℃、融点Tm=258℃、DSC法による。)を100質量部、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素微粒子を0.02質量部の割合にて混合したものを表層側ポリエステル(A)とし、同様のポリエチレンテレフタレートペレットに、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素粒子を0.08質量部の割合にて混合したものを芯層側ポリエステル(B)として準備した後、各ポリエステルを乾燥し、ポリエステル(A)を第1の押し出し機に、ポリエステル(B)を第2の押し出し機に供給し、溶融状態にして、3層フィードブロック装置を使用して、ポリエステル(A)を表層として2層に分岐させ、ポリエステル(B)を芯層として1層に分岐させ、表層/芯層/表層の3層積層状態の溶融体として冷却ドラム上に押出し、未延伸シートを得た。続いて、かかる未延伸シートを90℃で縦延伸倍率3.2倍、130℃で横延伸倍率4.5倍に延伸した後、熱固定温度240℃、4秒間熱処理し、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。尚、両表層の厚みが2.5μm、芯層の厚みが45μmとなるよう制御した。
【0059】
(離型層)
得られたポリエステルフィルムに、実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0060】
[実施例4]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.4倍、横延伸倍率を4.3倍とし、熱固定温度を240℃とし、又、フィルムの固有粘度が0.55dl/gとなるようペレットの乾燥条件を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得て、得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0061】
[実施例5]
基材フィルムの熱固定温度を228℃とした以外は比較例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0062】
[実施例6]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.3倍、横延伸倍率を4.1倍とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得て、得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0063】
[比較例1]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.5倍、横延伸倍率を4.0倍とし、熱固定温度を234℃とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0064】
[比較例2]
基材フィルムの熱固定温度を240℃とした以外は比較例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0065】
[比較例3]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.5倍、横延伸倍率を3.8倍とし、熱固定温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0066】
[比較例4]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.1倍、横延伸倍率を4.8倍とし、熱固定温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を塗工しようとしたところ、フィルムの破断が多発し、離型フィルムサンプルを得ることができなかった。
【0067】
[比較例5]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.0倍、横延伸倍率を3.3倍とし、熱固定温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0068】
[比較例6]
フィルムの固有粘度が0.59dl/gとなるようペレットの乾燥条件を調整した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0069】
[比較例7]
フィルムの固有粘度が0.52dl/gとなるようペレットの乾燥条件を調整した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を塗工しようとしたところ、フィルムの破断が多発し、離型フィルムサンプルを得ることができなかった。
【0070】
[比較例8]
基材フィルムの縦延伸倍率を3.0倍、横延伸倍率を4.1倍とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得て、得られたフィルムに実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表1に示す。
【0071】
【表1】