特許第5937388号(P5937388)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937388
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20160609BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20160609BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20160609BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20160609BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20160609BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160609BHJP
【FI】
   F21S8/10 152
   F21S8/10 160
   F21V19/00 110
   F21V19/00 450
   F21V23/00 150
   F21V29/503
   F21V29/70
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-65093(P2012-65093)
(22)【出願日】2012年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-197008(P2013-197008A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】塚本 広徳
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−212039(JP,A)
【文献】 特開2007−207528(JP,A)
【文献】 特開2008−288221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10 − 8/12
F21V 19/00
F21V 23/00 − 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源が内部に配置されたランプボデイと、
前記光源に対して供給される駆動電流の導電路として機能する導電パターンを有し一端部に前記導電パターンに接続された電極部が形成された回路基板と、
前記ランプボデイに連結されたソケットと、
前記回路基板の電極部に接続され弾性変形可能な接続端子部と電源プラグが接続されるプラグ接続部とを有し前記ソケット内に配置される接点部材とを備えており、
前記回路基板が前記接続端子部の弾性によって押さえられて前記接点部材に保持されるようにしており、
非導電性材料によって形成され前記ソケット内に保持される接点ホルダーが設けられており、
前記接点部材が前記接点ホルダーに結合されて前記ソケットの内部に配置されるようにしており、
前記接点ホルダーに抜け止め部が形成されており、
前記接点部材に弾性変形可能な弾性係合部が設けられており、
前記弾性係合部が前記抜け止め部に係合されて前記接点部材が前記接点ホルダーに結合されるようにしている
ことを特徴とする車輌用灯具。
【請求項2】
前記回路基板の少なくとも前記一端部に、一方の面上に前記電極部が形成された絶縁部と前記絶縁部の他方の面に接し金属材料によって形成された放熱部とが設けられており、
前記放熱部が前記接続端子部の弾性によって導電性を有しない部分に押し付けられるようにしている
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記ソケットが前記ランプボデイと一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車輌用灯具に関する。詳しくは、ランプボデイに連結されたソケットに挿入されて配置される接点部材に弾性変形可能な接続端子部を設け、接続端子部の弾性によって回路基板が接点部材に保持されるようにして作業性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には、例えば、カバーとランプボデイによって構成された灯具外筐の内部に光源が配置され、駆動電流の導電路として機能する導電パターンを有する回路基板を介して光源に電源回路から駆動電流が供給されるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、灯具外筐の内部に光源が搭載された回路基板が配置され、回路基板に接続されたハーネスがランプボデイから引き出されて電源回路に接続されている。
【0004】
【特許文献1】特開2010−73620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、ハーネスによって回路基板を介して光源に駆動電流を供給する構造にされているため、ハーネスを半田付けによって回路基板に接続する作業やハーネスをランプボデイの内外において引き回す作業が必要である。
【0006】
従って、回路基板に関する作業が面倒であり作業時間も長く、回路基板の組付等に関する作業性が悪いと言う問題がある。
【0007】
そこで、本発明車輌用灯具は、回路基板の組付等に関する作業性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
車輌用灯具は、上記した課題を解決するために、光を出射する光源と、前記光源が内部に配置されたランプボデイと、前記光源に対して供給される駆動電流の導電路として機能する導電パターンを有し一端部に前記導電パターンに接続された電極部が形成された回路基板と、前記ランプボデイに連結されたソケットと、前記回路基板の電極部に接続され弾性変形可能な接続端子部と電源プラグが接続されるプラグ接続部とを有し前記ソケット内に配置される接点部材とを備えており、前記回路基板が前記接続端子部の弾性によって押さえられて前記接点部材に保持されるようにしており、非導電性材料によって形成され前記ソケット内に保持される接点ホルダーが設けられており、前記接点部材が前記接点ホルダーに結合されて前記ソケットの内部に配置されるようにしており、前記接点ホルダーに抜け止め部が形成されており、前記接点部材に弾性変形可能な弾性係合部が設けられており、前記弾性係合部が前記抜け止め部に係合されて前記接点部材が前記接点ホルダーに結合されるようにしているものである。
【0009】
従って、車輌用灯具にあっては、電極部に接続された弾性を有する接続端子部によって回路基板が押さえられる。また、接点部材の形状や大きさに応じて接点ホルダーの形状及び大きさを設計することにより、接点部材をその形状や大きさに拘わらずソケットに保持することが可能であり、接点部材の設計の自由度の向上を図ることができる。また、接点部材の接点ホルダーへの結合を簡単かつ確実に行うことができると共に接点部材の接点ホルダーに対する安定した結合状態を確保することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明車輌用灯具は、光を出射する光源と、前記光源が内部に配置されたランプボデイと、前記光源に対して供給される駆動電流の導電路として機能する導電パターンを有し一端部に前記導電パターンに接続された電極部が形成された回路基板と、前記ランプボデイに連結されたソケットと、前記回路基板の電極部に接続され弾性変形可能な接続端子部と電源プラグが接続されるプラグ接続部とを有し前記ソケット内に配置される接点部材とを備えており、前記回路基板が前記接続端子部の弾性によって押さえられて前記接点部材に保持されるようにしており、非導電性材料によって形成され前記ソケット内に保持される接点ホルダーが設けられており、前記接点部材が前記接点ホルダーに結合されて前記ソケットの内部に配置されるようにしており、前記接点ホルダーに抜け止め部が形成されており、前記接点部材に弾性変形可能な弾性係合部が設けられており、前記弾性係合部が前記抜け止め部に係合されて前記接点部材が前記接点ホルダーに結合されるようにしていることを特徴とする。
【0011】
従って、光源への駆動電流の供給のためのハーネスを用いる必要がなく、ハーネスを半田付けによって回路基板に接続する作業やハーネスをランプボデイの内外において引き回す作業が必要とされないため、回路基板の組付等に関する作業性の向上を図ることができる。また、接点部材の形状や大きさに応じて接点ホルダーの形状及び大きさを設計することにより、接点部材をその形状や大きさに拘わらずソケットに保持することが可能であり、接点部材の設計の自由度の向上を図ることができる。また、接点部材の接点ホルダーへの結合を簡単かつ確実に行うことができると共に接点部材の接点ホルダーに対する安定した結合状態を確保することができる。
【0016】
請求項に記載した発明にあっては、前記回路基板の少なくとも前記一端部に、一方の面上に前記電極部が形成された絶縁部と前記絶縁部の他方の面に接し金属材料によって形成された放熱部とが設けられ、前記放熱部が前記接続端子部の弾性によって導電性を有しない部分に押し付けられるようにしている。
【0017】
従って、回路基板における短絡の発生を防止することができる。
【0018】
請求項に記載した発明にあっては、前記ソケットが前記ランプボデイと一体に形成されている。
【0019】
従って、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
【0021】
尚、以下の説明においては、光源が向く方向、即ち、光源から光が出射される方向を前方として前後上下左右の方向を示すものとする。
【0022】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0023】
車輌用灯具1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプボデイ2とランプボデイ2の開口面を閉塞するカバー3とを備えている。ランプボデイ2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0024】
ランプボデイ2の後面部2aには後方へ突出されたソケット6が連結されている。尚、ソケット6はランプボデイ2とは別部材によって形成されていてもよく、また、ランプボデイ2と一体に形成されていてもよい。ソケット6がランプボデイ2と一体に形成されることにより、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0025】
灯室5からソケット6の内部に亘る位置には回路基板7が配置されている。回路基板7は後端部を除く部分が灯室5に配置された図示しない取付部材に取り付けられている。回路基板7としては、例えば、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板や屈曲性に富むフレキシブル基板等の各種が用いられる。
【0026】
回路基板7は絶縁部7aと絶縁部7aの上面に形成された導電パターン7bと絶縁部7aの下面側に積層された金属材料によって形成された放熱部7cとを有している。回路基板7の後端部には導電パターン7bに接続された電極部7d、7dが左右に離隔して形成されている。尚、放熱部7cは熱伝導性の高い樹脂材料によって形成されていてもよい。
【0027】
回路基板7の上面における前端寄りの位置には光源8が搭載されている。光源8としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられている。光源8には図示しない電源回路から回路基板7を介して駆動電流が供給され、供給された駆動電流によって光源8から光が出射される。このとき回路基板7が発熱するが、発生した熱は放熱部7cから放出されて回路基板7及び光源8の温度上昇が抑制される。
【0028】
灯室5にはリフレクター9が配置され、リフレクター9は内面が反射面9aとして形成されている。
【0029】
光源8から出射された光はリフレクター9の反射面9aで反射されカバー3を透過されて前方へ向けて照射される。
【0030】
ソケット6はL字状の略角筒状に形成され灯室5に連通されている(図1乃至図3参照)。ソケット6は上下に延び下方に開口された略角筒状の第1の筒部10と第1の筒部10の上半部における前面から前方へ突出され前方に開口された第2の筒部11とから成り、第2の筒部11の前端がランプボデイ2に連続されている。
【0031】
第1の筒部10の前面部には横長の基板挿通孔10aが形成され、基板挿通孔10aは第2の筒部11に連通されている(図2参照)。第1の筒部10の後面部における内面には前方へ突出され左右に延びる係止突部12が設けられている。係止突部12には上方を向く係止面12aと上方へ行くに従って前方へ変位する傾斜面12bとが上下に離隔して形成されている。
【0032】
ソケット6における第1の筒部10の上半部には接点ホルダー13が配置される。接点ホルダー13は樹脂等の非導電性材料によって形成され、図2及び図4に示すように、前後方向を向くベース面部14とベース面部14の上端部から前方へ突出された第1の保持部15とベース面部14の下端部から前方へ突出された第2の保持部16とから成る。
【0033】
ベース面部14には挿入孔14a、14aが左右に離隔して形成されている。
【0034】
第1の保持部15には下方及び前方に開口された挿入溝17、17が左右に離隔して形成されている。挿入溝17、17を形成する後面は抜け止め部17a、17aとして形成されている。第1の保持部15の下面側には下方へ突出された保持突部18、18、18が左右に離隔して設けられている。左右両側に位置された保持突部18、18にはそれぞれ内方及び前後に開口された保持溝18a、18aが形成され、中央に位置された保持突部18にはそれぞれ左方又は右方及び前後に開口された保持溝18a、18aが形成されている。
【0035】
第2の保持部16には前方に開口された基板挿入溝16aが形成されている。基板挿入溝16aは左右両端部を除き上方に開口されている。第2の保持部16の下面側には後方及び下方に開口された配置用凹部16b、16bが左右に離隔して形成されている。
【0036】
接点ホルダー13には接点部材19、19が結合される。接点部材19は金属等の板状の導電性材料が所定の形状に加工されて形成されている。
【0037】
接点部材19は前後方向を向く中間面部20と中間面部20の上端部から前方へ突出された係合面部21と中間面部20の下端部から前方へ突出された連結面部22と係合面部21の前端部に連続する接続端子部23と連結面部22の前端部から下方へ突出されたプラグ接続部24とから成る。
【0038】
中間面部20には一部が切り起こされることにより第1の弾性係合部20aが設けられている。第1の弾性係合部20aは下方へ行くに従って後方へ変位するように傾斜されている。
【0039】
係合面部21には一部が切り起こされることにより第2の弾性係合部21aが設けられている。第2の弾性係合部21aは後方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜されている。係合面部21にはそれぞれ左右に突出された被保持片21b、21bが設けられている。
【0040】
接続端子部23は係合面部21に対して下方側へ折り曲げられ、後方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜された折返し部23aと折返し部23aの後縁に連続され後方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜された先端部23bとから成る。
【0041】
プラグ接続部24は略下半部が二重に折り返された重ね部24aとして設けられている。
【0042】
接点部材19、19は左右に並んだ状態で接点ホルダー13に後方から挿入されて結合される。接点部材19は係合面部21の第2の弾性係合部21aと被保持片21b、21bがそれぞれ挿入溝17と保持溝18a、18aに挿入され、連結面部22が配置用凹部16bに挿入されて接点ホルダー13に結合される。
【0043】
接点部材19が接点ホルダー13に結合されるときには、第2の弾性係合部21aが第1の保持部15における下面の前端部に摺接されて弾性変形され、この前端部を乗り越えたところで弾性復帰されて挿入溝17に挿入される。
【0044】
接点部材19が接点ホルダー13に結合された状態においては、第2の弾性係合部21aが挿入溝17の抜け止め部17aに係止され、被保持片21b、21bがそれぞれ保持溝18a、18aに嵌合され、連結面部22が配置用凹部16bに嵌合されて配置される。このときプラグ接続部24の重ね部24aは接点ホルダー13の下面より下方に位置される。
【0045】
上記のように、第2の弾性係合部21aが挿入溝17の抜け止め部17aに係止されることにより、接点ホルダー13からの接点部材19の脱落が防止される。
【0046】
接点ホルダー13に結合された接点部材19、19は接点ホルダー13とともにソケット6に下方から挿入される。接点部材19、19が接点ホルダー13とともにソケット6に挿入されていくときには、第1の弾性係合部20a、20aが係止突部12の傾斜面12bに摺接されて弾性変形され、係止突部12を乗り越えたところで弾性復帰されて係止面12aに係止される。
【0047】
上記のように、第1の弾性係合部20a、20aが係止突部12の係止面12aに係止されることにより、ソケット6からの接点部材19、19と接点ホルダー13の脱落が防止され、接点部材19、19と接点ホルダー13がソケット6の内部において保持される。
【0048】
接点ホルダー13がソケット6の内部に保持された状態においては、第1の保持部15と第2の保持部16の各前面がソケット6の前面部に押し付けられる。
【0049】
上記のように接点部材19、19と接点ホルダー13がソケット6の内部において保持された状態において、回路基板7の一端部(後端部)が基板挿通孔10aを前方から挿通され、接点部材19、19の接続端子部23、23と接点ホルダー13の第2の保持部16との間に挿入される。回路基板7の電極部7d、7dにはそれぞれ接続端子部23、23が弾性により押し付けられ、回路基板7の放熱部7cが第2の保持部16に押し付けられる。
【0050】
従って、回路基板7は接続端子部23、23の弾性によって押さえられて接点部材19、19に保持される。
【0051】
ソケット6の内部には電源回路に接続された電源プラグ25が挿入され、電源プラグ25は接点部材19、19のプラグ接続部24、24に接続される。従って、光源8には電源プラグ25、接点部材19、19及び回路基板7を介して電源回路から駆動電流が供給可能とされる。
【0052】
上記したように、接点部材19、19は接点ホルダー13に結合されてソケット6の内部に配置されるため、接点部材19、19の形状や大きさに応じて接点ホルダー13の形状及び大きさを設計することにより、接点部材19、19をその形状や大きさに拘わらずソケット6に保持することが可能である。
【0053】
従って、接点ホルダー13を用いることにより、接点部材19、19の設計の自由度の向上を図ることができる。
【0054】
また、接点ホルダー13に抜け止め部17a、17aが形成され、第2の弾性係合部21a、21aがそれぞれ抜け止め部17a、17aに係合されて接点部材19、19が接点ホルダー13に結合される。
【0055】
従って、接点部材19、19の接点ホルダー13への結合を簡単かつ確実に行うことができると共に接点部材19、19の接点ホルダー13に対する安定した結合状態を確保することができる。
【0056】
さらに、ソケット6に係止面12aを有する係止突部12が設けられ、第1の弾性係合部20a、20aが係止面12aに係合されて接点部材19、19と接点ホルダー13がソケット6の内部において保持されるため、接点部材19、19及び接点ホルダー13のソケット6への保持を簡単かつ確実に行うことができる。
【0057】
次に、ソケット及び接点部材の変形例について説明する(図5及び図6参照)。
変形例に係るソケット6Aはランプボデイ2の後面部2aに連結されている。尚、ソケット6Aはランプボデイ2とは別部材によって形成されていてもよく、また、ランプボデイ2と一体に形成されていてもよい。ソケット6Aがランプボデイ2と一体に形成されることにより、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
ソケット6Aが連結されるランプボデイ2には、後面部に挿通孔2b、2bが左右に離隔して形成されている。
【0059】
ソケット6Aは後面部2aから前方へ突出された略角筒状の第1の筒部10Aと後面部2aから後方へ突出された略角筒状の第2の筒部11Aとから成り、第1の筒部10Aと第2の筒部11Aがランプボデイ2の挿通孔2b、2bによって連通されている。
【0060】
第1の筒部10Aには前方に開口された横長の基板挿入穴10bが形成されている。第1の筒部10Aには前方に開口された部材配置穴10c、10cが左右に離隔して形成され、部材配置穴10c、10cは基板挿入穴10bに交差して位置され一部が基板挿入穴10bと共通にされている。
【0061】
第1の筒部10Aの上面部にはそれぞれ下方及び前方に開口され前後に延びる前側挿入溝10d、10dが左右に離隔して形成されている。第1の筒部10Aの上面部にはそれぞれ前側挿入溝10d、10dの後側に離隔して下方に開口され前後に延びる後側挿入溝10e、10eが形成されている。前側挿入溝10d、10dと後側挿入溝10e、10eは、それぞれ部材配置穴10c、10cに連通されている。
【0062】
第1の筒部10Aの上面部には前側挿入溝10d、10dと後側挿入溝10e、10eの間にそれぞれ係止突部26、26が設けられている。係止突部26には後方を向く係止面26aと係止面26aの前側に位置され後方へ行くに従って下方へ変位する傾斜面26bとが形成されている。
【0063】
第1の筒部10Aには前方へ突出された保持突部27、27が左右に離隔して設けられ、保持突部27、27はそれぞれ部材配置穴10c、10cにおける下端側に寄った位置に設けられている。保持突部27、27は横幅が部材配置穴10c、10cの左右方向における幅より小さくされている。
【0064】
変形例に係る接点部材19A、19Aは金属等の板状の導電性材料が所定の形状に加工されて形成されている。
【0065】
接点部材19Aは左右方向を向き左右に離隔して位置された側面部20A、20Aと側面部20A、20Aの上端部間を連結するように設けられた係合面部21Aと側面部20A、20Aの下端部間を連結するように設けられた連結面部22Aと係合面部21Aの前端部に連続する接続端子部23と係合面部21Aの上端部から後方へ突出されたプラグ接続部24とから成る。
【0066】
側面部20A、20Aにはそれぞれ前方に開口された挿入用切欠20b、20bが形成されている。
【0067】
係合面部21Aには一部が切り起こされることにより弾性係合部21cが設けられている。弾性係合部21cは前方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜されている。
【0068】
接点部材19A、19Aは左右に並んだ状態でそれぞれソケット6Aの部材配置穴10c、10cに前方から挿入される。接点部材19A、19Aがソケット6Aに挿入されていくときには、弾性係合部21c、21cがそれぞれ前側挿入溝10d、10dに挿入されると共に保持突部27、27がそれぞれ側面部20A、20Aの間に挿入される。
【0069】
弾性係合部21cが前側挿入溝10dに挿入されていくと、弾性係合部21cは係止突部26の傾斜面26bに摺接されて弾性変形され、係止突部26を乗り越えたところで弾性復帰され後側挿入溝10eに挿入されて係止面26aに係止される。
【0070】
上記のように、弾性係合部21cが係止突部26の係止面26aに係止されることにより、ソケット6Aからの接点部材19Aの脱落が防止され、接点部材19Aがソケット6Aの内部において保持される。
【0071】
接点部材19A、19Aがソケット6Aの内部に保持された状態においては、連結面部22A、22Aが保持突部27、27の下側に挿入されると共にプラグ接続部24、24がそれぞれ挿通孔2b、2bを挿通されて第2の筒部11Aの内部に位置される。
【0072】
接点部材19A、19Aがソケット6Aの内部において保持された状態において、回路基板7の一端部(後端部)が基板挿入穴10bに前方から挿入され、接点部材19A、19Aの接続端子部23、23とソケット6Aの保持突部27、27との間に挿入される。回路基板7は後端部が接点部材19A、19Aの挿入用切欠20b、20bに挿入され後端面が側面部20A、20Aに接した状態とされ、電極部7d、7dにそれぞれ接続端子部23、23が弾性により押し付けられ、放熱部7cが保持突部27、27に押し付けられる。
【0073】
従って、回路基板7は接続端子部23、23の弾性によって押さえられて接点部材19A、19Aに保持される。
【0074】
ソケット6Aの第2の筒部11Aには電源プラグ25が挿入され、電源プラグ25は接点部材19A、19Aのプラグ接続部24、24に接続される。従って、光源8には電源プラグ25、接点部材19A、19A及び回路基板7を介して電源回路から駆動電流が供給可能とされる。
【0075】
上記したように、接点部材19A、19Aは接点ホルダーが用いられることなくソケット6Aに保持されるため、接点ホルダーを有しない分、部品点数の削減による車輌用灯具1の製造コストの低減を図ることができる。
【0076】
また、ソケット6Aに係止面26a、26aを有する係止突部26、26が設けられ、弾性係合部21c、21cが係止面26a、26aに係合されて接点部材19A、19Aがソケット6Aの内部において保持されるため、接点部材19A、19Aのソケット6Aへの保持を簡単かつ確実に行うことができる。
【0077】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、回路基板7が接点部材19、19又は接点部材19A、19Aに設けられた接続端子部23、23の弾性によって押さえられて接点部材19、19又は接点部材19A、19Aに保持される。
【0078】
従って、光源8への駆動電流の供給のためのハーネスを用いる必要がなく、ハーネスを半田付けによって回路基板に接続する作業やハーネスをランプボデイの内外において引き回す作業が必要とされないため、回路基板7の組付等に関する作業性の向上を図ることができる。
【0079】
また、回路基板7をソケット6、6Aに挿入する作業のみにより、回路基板7と接点部材19、19、19A、19Aとの接続を行うことができるため、接続作業に関する作業性の向上による車輌用灯具1の製造コストの低減を図ることができる。
【0080】
さらに、回路基板7は放熱部7cが接続端子部23、23の弾性によって導電性を有しない部分、即ち、接点ホルダー13の第2の保持部16又はソケット6Aの保持突部27、27に押し付けられるため、回路基板7における短絡(ショート)の発生を防止することができる。
【0081】
尚、回路基板7においては、放熱部7cがソケット6、6Aに挿入される側の端部を含む少なくとも一部に設けられていてもよい。
【0082】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1図2乃至図6と共に本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略断面図である。
図2】ソケットに接点ホルダーと接点部材が挿入されて配置された状態を示す拡大断面図である。
図3】ソケットと回路基板とプラグを示す拡大分解斜視図である。
図4】ソケットと接点ホルダーと接点部材を示す拡大分解斜視図である。
図5図6と共にソケットと接点部材の変形例を示すものであり、本図は、ソケットに接点部材が挿入されて配置された状態を示す拡大断面図である。
図6】ソケットと接点部材を示す拡大分解斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
1…車輌用灯具、2…ランプボデイ、6…ソケット、7…回路基板、7a…絶縁部、7b…導電パターン、7c…放熱部、7d…電極部、8…光源、13…接点ホルダー、17a…抜け止め部、19…接点部材、21a…第2の弾性係合部、23…接続端子部、24…プラグ接続部、25…電源プラグ、6A…ソケット、19A…接点部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6