特許第5937480号(P5937480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937480
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】油中水型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20160609BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20160609BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160609BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20160609BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20160609BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20160609BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20160609BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20160609BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20160609BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   A61K8/898
   A61Q1/04
   A61K8/34
   A61Q1/08
   A61Q19/00
   A61Q1/02
   A61K8/06
   A61K8/37
   A61K8/19
   A61Q17/04
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-220811(P2012-220811)
(22)【出願日】2012年10月2日
(65)【公開番号】特開2014-73974(P2014-73974A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年6月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 インターネットによる要旨公開 SCCJ第70回HP:http://www.sccj−ifscc.com/event/seminar_report01.php?id=534(2012年6月29日)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 SCCJ研究討論会(第70回)講演要旨集(2012年7月6日)16−17頁、31頁上段に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2012年7月6日大阪国際交流センター(大阪市天王寺区本町8−2−6)において開催された第70回SCCJ研究討論会にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 英美
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−187951(JP,A)
【文献】 特開平05−017324(JP,A)
【文献】 特開2002−193732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D);
(A)25℃において99.5質量%エチルアルコール中に50質量%以上溶解する(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
(B)分子内に1個または2個の水酸基を有する分子量300〜5000の25℃で液状のエステル油
(C)着色剤
(D)エチルアルコール
を含有し、前記成分(A)が、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であることを特徴とする油中水型化粧料。
(a)下記一般式(I)
【化1】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【化2】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【化3】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【化4】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【化5】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
【請求項2】
前記成分(B)の分子内に1個または2個の水酸基を有する分子量300〜5000の25℃で液状のエステル油が、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の油中水型化粧料。
【請求項3】
前記成分(C)の着色剤が、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油中水型化粧料。
【請求項4】
更に、成分(E)として界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の油中水型化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)の含有量が0.1〜10質量%、前記成分(B)の含有量が5〜50質量%、前記成分(C)の含有量が0.1〜30質量%、前記成分(D)の含有量が0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の油中水型化粧料。
【請求項6】
前記油中水型化粧料が、油中水型口唇化粧料であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の油中水型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体、分子内に1個または2個の水酸基を有する分子量300〜5000の25℃で液状のエステル油、着色剤、エチルアルコールを含有する油中水型化粧料に関するものであり、さらに詳しくは伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での色持ちに優れた油中水型化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膜を形成して化粧持ちを得る技術に用いる皮膜形成剤は、主に、油相に溶解する油溶性のものを用いていた、それは、水溶性の皮膜形成剤では、化粧持ちにあまり効果を示さなかったり、塗布部に張り付くようなべたつきの強い皮膜を形成して不自然な化粧膜になってしまったりしていたためである。
そして、耐水性、耐油性、化粧持ち効果や二次付着防止効果に優れる化粧料の具現化技術として、揮発性油分とそれに溶解するシリコーン樹脂などの撥水性ポリマーを配合し、塗布後に揮発性油剤が揮発することによって樹脂の皮膜が形成されるという化粧料が検討されてきた。これらの化粧料は、化粧持ち効果に優れるものの、揮発性油が揮発して化粧効果が発現するまでに時間がかかるという欠点があった。
一方、油中水型化粧料で、特に口唇化粧料においては、光沢やなめらかな伸びを与える技術として、デキストリン高級脂肪酸エステルと水素添加ポリブテンとマルチトールと液状油性物質と水とを配合した技術(例えば、特許文献1参照)が検討されていた。
また、化粧持ち効果や耐移り性を更に向上させるため、揮発性油分と揮発性油分に溶解する撥水性ポリマーと、撥水性ポリマーに被覆されうる粉体と、揮発性油分と相溶性を有する非揮発性油分と水とを配合した技術(例えば、特許文献2参照)や、ハイドロフルオロエーテルとシリコーン系樹脂と顔料と非イオン系界面活性剤と水とを配合した技術(例えば、特許文献3)が検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−165303号公報
【特許文献2】特開平8−225432号公報
【特許文献3】特許第4250545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術で得られる油中水型口唇化粧料は、軽い伸び広がりや密着感といった使用感のよさには優れるものの、化粧膜の耐水性が不十分であるために化粧持ち効果には劣っていた。
また、特許文献2、3の技術では化粧持ち効果や耐移り性には優れるものの、化粧持ち効果を向上させるために油溶性樹脂を多量に配合すると、その感触が化粧料自体の官能に大きく影響し、塗布時の伸び広がりが重くなり均一に塗布できなくなるばかりか、皮膜の硬さに起因する塗布後のつっぱり感や負担感が強くなるという欠点があった。つまり、伸び広がりの軽さや膜の軟らかさといった使用感のよさと、化粧持ち効果を両立した化粧料の具現化は困難であった。
そこで、伸び広がりが軽く、密着感が得られ、化粧膜の軟らかさと経時での色持ちを併せ持つ油中水型化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、水の揮発速度の速さを活かすことができれば、化粧効果の発現が速く得られるため、油系に溶解する皮膜形成剤に替えて、水系に溶解する皮膜形成剤を用いることで皮膜形成速度を向上させ、油相中に水や皮膜形成剤を均一に分散できれば、油中水型化粧料の剤型の安定化と化粧膜の均一性を向上させることができると考えた。また、水系に溶解するが、形成された皮膜は、耐水性、塗布部との親和性、柔軟性が得られる皮膜形成剤を得ることが必要である。
そこで、前記の特性を持つ新規な(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を開発し、このものは、化粧料に含まれる顔料をその皮膜によって物理的に塗布部に密着させるとともに、更に、分子内に水酸基を有するエステル油と組み合わせると顔料表面の水酸基との間に相互作用が働くことで、顔料がより長い時間と塗布部に留まり、高い色持ち効果を発揮することができる。分子内に水酸基を有するエステル油は、さらに該皮膜形成剤を油相中に均一に分散させることが可能であり、油中水型化粧料の剤型の安定化、伸び広がりと化粧膜の均一性を向上させることができ、更に、該皮膜形成剤が均一に分布する化粧膜が形成されるため、該皮膜形成剤と肌との密着性が向上し、化粧膜の軟らかさと経時での色持ちを併せ持つ油中水型化粧料が得られ、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、次の(A)〜(D);
(A)25℃において99.5質量%エチルアルコール中に50質量%以上溶解する(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
(B)分子内に1個または2個の水酸基を有する分子量300〜5000の25℃で液状のエステル油
(C)着色剤
(D)エチルアルコール
を含有する油中水型化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油中水型化粧料は、伸び広がりが軽く、密着感が得られ、化粧膜の軟らかさと経時での色持ちを併せ持つ油中水型化粧料に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油中水型化粧料とは、油を外相とし、内相とした水系成分を乳化あるいは分散させた化粧料をいう。本発明の油中水型化粧料において、水系に含まれる水の含有量は、全成分中0.5〜90質量%が好ましい。(以下単に「%」と示すことがある。)この範囲で用いると、伸び広がりが軽く、密着感が得られ、化粧膜の軟らかさと経時での色持ちを併せ持つ油中水型化粧料を得ることができる。
【0009】
本発明に用いられる成分(A)の25℃において99.5質量%エチルアルコール中に50質量%以上溶解する(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体(以下、単に「特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体」と略すことがある。)は、エチルアルコールに溶解する共重合体で、水を揮発させることで皮膜形成速度を向上させることができ、この特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体が均一に分布する化粧膜が形成されるため、経時での色持ち効果も向上し、得られた化粧膜は柔軟性を有するものになる。
成分(A)は、そのシリコーン骨格由来の滑らかな伸び広がりから、特に動きの多い口唇化粧料に含有した際に伸び広がりの軽さを与えるだけでなく、唇の追従性に富む柔軟で弾力性のある皮膜を形成することから、軟らかく負担感がない化粧膜を形成する。また化粧膜は耐水性を発揮するとともに、唇への親和性が高いことから密着感と経時での化粧膜の持ちにも優れる。
【0010】
成分(A)の特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、少なくとも、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であり、その他、(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを加えて反応させて得られる重合体を包含する。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルを包含することを意味する。
特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、25℃において99.5質量%エチルアルコール中に50質量%以上溶解するものである。
【0011】
各モノマーの仕込割合は、本発明の効果を奏する限り制限はないが、(a)〜(d)のモノマーの全体に対して、(a)=20〜50質量%、(b)=0.5〜4質量%、(c)及び(d)=46〜79.5質量%であり、(c)/(d)=0.5〜1.5であることが好ましい。
(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを使用する場合は、(a)〜(d)のモノマーの合計は、全体の66.5質量%以上であることが好ましい。
なお、本発明において、モノマーの仕込割合とは共重合体中のそれらの組成割合と略同義である。
【0012】
特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、共重合体を20質量%となるように99.5質量%エチルアルコールに溶解させたときのエチルアルコール溶液の、25℃においてB型回転粘度計を用いて測定した粘度(単位mPa・s=CS)は、50〜250、好ましくは、70〜150である。
また、特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体のTgは、好ましくは、−10〜40℃、さらに好ましくは0〜30℃である。
ここで、Tgは下記のFoxの式で算出したTgの値を示す。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+W/Tg
上記式において、WからWは、油中水型化粧料用基剤の合成に使用されるn種のモノマーの各重量分率を示し、TgからTgは、各モノマーのみが重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度を示す。
さらに、特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の種々の形態を包含する。
【0013】
以下に、共重合体の原料であるモノマーについて説明する。
(a)一般式(I)で表されるラジカル重合性モノマー
【0014】
【化1】
【0015】
式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を表し、1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい。具体的には、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−CH−CH(CH)−CH−、−CHCHOCHCHCH−、−CHCHOCH(CH)CH−、−CHCHOCHCHCHOCHCHCH−などが例示される。
R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基;シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、3−シクロペンチルプロピル基、シクロへキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキルアルキル基が挙げられる。
mは5〜100の整数を表す。
【0016】
この式(I)で表わされるモノマーは、たとえば、式(1−a)
【0017】
【化2】
【0018】
で表わされる(メタ)アクリレート置換クロロシラン化合物と式(1−b)
【0019】
【化3】
【0020】
で表わされる片末端水酸基置換ポリシロキサンとを常法に従い、脱塩酸反応させることにより得ることができるが、合成方法は、これに限定されるものではない。
【0021】
式(I)で表されるモノマーとしては、具体例には以下のものが挙げられる。なお以下の式中、Meはメチル基を、n−Buはn−ブチル基を示す。
【0022】
【化4】
【0023】
(b)式(II)又は式(III)で表されるラジカル重合性モノマー
(b)成分は、下記式(II)又は式(III)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
式(II)中、R4は水素原子又はメチル基を表す。
R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−を表す。
Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基を表し、−CH−,−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CH)−CH−等が例示される。
は対アニオンであり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン等が例示される。
【0027】
式(III)中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、n−ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が例示される。
【0028】
(c)式(IV)で表されるラジカル重合性モノマー
【0029】
【化7】
【0030】
式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。
R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表し、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が例示される。
【0031】
(d)式(V)で表されるラジカル重合性モノマー
【0032】
【化8】
【0033】
式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。
R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等が例示される。
【0034】
(e)その他の共重合可能なモノマー
その他の共重合可能なモノマーとしては、以下の物が例示される。
((メタ)アクリル系モノマー)
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸へプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、直鎖状、分岐鎖状又は脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)メタアクリルアミド;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の、環式化合物とメタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のメタアクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル;(メタ)アクリル酸グリセリル、2−メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ビスフェノールF
EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリレート等が例示される。
【0035】
((メタ)アクリル系以外のモノマー)
クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;スチレン等の芳香族ビニル化合物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;スルホン酸基含有単量体としては、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸;α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族ビニル基含有スルホン酸;(メタ)アリルアミン等の1〜3級アミノ基含有不飽和化合物;N,N−ジメチルアミノスチレン等のアミノ基含有芳香族ビニル系化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するウレタンオリゴマー;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するシリコーン化合物;酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が例示される。
【0036】
成分(A)の含有量は、化粧料全量中0.1〜10%が好ましく、更に好ましくは1〜5%である。この範囲で含有すると、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での色持ちの点で特に優れたものになる。成分(A)はそれ単体だけでなく、着色剤や粉体の処理剤として用いて含有しても良い。
【0037】
本発明に用いられる成分(B)の分子内に1個または2個の水酸基を有する分子量300〜5000の25℃で液状のエステル油(以下、単に「分子内に水酸基を有するエステル油」と略すことがある。)は、成分(A)の油相中での分散性を向上することができる。分子量がこの範囲であると、肌や毛髪等の塗布部に対する付着性が高く、油相中に水や皮膜形成剤を均一に分散できる点で好ましい。分子量300未満は、肌や睫毛等に対する付着性が弱く、分子量5000以上では、肌や頭髪に対する付着性が強いため、化粧持ちは向上するものの、使用性が非常に悪くなる。具体的には、例えば乳酸イソステアリル、乳酸オクチルドデシル、乳酸オレイル、乳酸ステアリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。これらの中でもジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリルが肌への親和性および水系成分の分散性向上の点で好ましい。市販品としては「コスモール42」「コスモール43」「コスモール222」、(いずれも日清オイリオグループ社製)が挙げられる。
成分(B)の含有量は、化粧料全量中5〜50%が好ましく、更に好ましくは10〜30%である。この範囲で含有すると伸び広がりの軽さ、密着感、さらには経時での色持ちの点で特に優れたものになる。
成分(B)は必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0038】
本発明に用いられる成分(C)の着色剤は、油中水型化粧料を着色し、塗布部に白色、黒色を含む色を与え、発色の良い化粧膜を付与するものであり、化粧料に通常使用される着色剤であれば、球状、板状、紡錘状、針状等の形状や煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、あるいは多孔質、無孔質等の粒子構造等には特に限定されず、無機有色顔料、有機有色顔料、染料、光輝性顔料、金属類、等を使用することができる。具体的な粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、魚鱗箔、酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有酸化珪素、酸化亜鉛含有酸化珪素等の複合粉体等を例示することができる。なお、これらは、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
このなかでも、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛は、肌への付着性に優れるとともに、発色の良さによる密着感を与える点で好ましい。
【0039】
本発明の油中水型化粧料に用いられる成分(C)の含有量は、化粧料全量中0.1〜30%が好ましく、更に0.5〜25%が好ましい。この範囲であれば、発色の良さによる密着感を与え、経時での色持ちの点で特に優れたものになる。
【0040】
本発明に用いられる成分(D)のエチルアルコールは、成分(A)を溶解する溶媒として使用することができ、化粧効果の発現の早さによる密着感向上の目的で含有されるものである。成分(D)の含有量は、化粧料全量中0.1〜30%が好ましく、更に5〜20%がより好ましい。この範囲であれば、密着感の点で特に優れたものになる。
【0041】
本発明に用いられる成分(E)の界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、着色剤の分散性を向上することで、発色のよさによる密着感の演出と、水系成分の分散性を向上することで化粧膜の均一性を高め、経時での色持ちを向上することを目的として用いられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。これらの界面活性剤は、必要に応じ、1種または2種以上を使用することができる。
本発明に用いられる成分(E)の界面活性剤は、非イオン界面活性剤が好ましく、更にHLB2〜7の親油型界面活性剤が好ましい。また、これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、成分(B)以外のポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物が好ましく、市販品としては、ABIL−EM90(ゴールドシュミット社製)、KF−6028、KF−6038(信越化学工業社製)、コスモール
182V(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。これらは、発色のよさによる密着感の演出と、水系成分の分散性を向上することで化粧膜の均一性を高め経時での色持ちを向上する点で好ましい。
【0042】
本発明の油中水型化粧料に用いられる成分(E)の含有量は、化粧料全量中0.01〜20%が好ましく、更に0.05〜10%がより好ましい。この範囲であれば、着色剤の発色の良さによる密着感を与え、かつ経時での色持ちの点で特に優れたものになる。
【0043】
本発明の油中水型化粧料は、上記の必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば油性成分、皮膜形成性ポリマーエマルション、粉体成分、水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
【0044】
油性成分としては、前述の成分(B)以外で化粧料に使用できるものであれば特に制限されず、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
具体的には、エチレン・プロピレンコポリマー、セレシン、パラフィンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添マイクロクリスタリン、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素類、水添アビエチン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリット等のテルペン系樹脂、アクリル−シリコーングラフト共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル酸アルキルジメチコン共重合体等のシリコーン系樹脂、キャンデリラレジン等のワックス樹脂分、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂等の油溶性樹脂類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。これらの油性成分は必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
【0045】
皮膜形成性ポリマーエマルションとしては、水性の溶媒中に高分子の微粒子が安定に分散した系で、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合することによって得られる液や自然界に存在する乳状の樹液を含むもので、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができる。
例えば、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション等が挙げられ、市販品としては、YODOSOL 32A707、YODOSOL GH810F、YODOSOL GH800F(アクゾノーベル社製)、プレキシトール B−500(ROHM GMBH社製)、リカボンドET−F527(中央理科工業社製)、ビニブラン1080、ビニブラン1128C,ビニブラン1080M,ビニブラン1080T、ビニブランGV−5651、ビニブラン1108S/W(日信化学工業社製)、ANTARA430(ISP社製)が挙げられる。これらのポリマーエマルションは、必要に応じ、1種または2種以上を使用することができる。
【0046】
粉体成分としては、前述の成分(C)以外で化粧料に使用できるものであれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、モンモリロナイト等の粘土鉱物、及びそれらの有機変性物、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体等が挙げられる。これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。なお、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の一種又は二種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0047】
水性成分は、前述の成分(D)以外で水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
【0048】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエチルアルコール、グリコール類等が挙げられる。
【0049】
本発明の油中水型化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば成分(B)と成分(C)の一部と任意の油性成分を均一に混合したものに、成分(A)と成分(C)の残部と成分(D)と任意の水性成分を均一に混合したものを添加し、乳化または分散した後、これを容器または型に充填して得ることができる。
【0050】
本発明の油中水型化粧料としては、特に限定されないが、本発明の化粧料としては、乳液、クリーム、リップクリーム、ハンドクリーム、洗浄剤等のスキンケア化粧料、ファンデーション、メークアップ下地、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメークアップ料等が挙げられる。剤型は液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状等種々の形態を選択することができる。この中でも口唇は粘膜が薄いことから伸び広がりの軽さや膜の軟らかさといった使用感の良さが他の化粧料以上に強く求められるとともに、特に動きの多い部位であることから、効果の発現の早さが求められ、密着感や経時での高い色持ちも同時に求められるという点で、本発明は油中水型口唇化粧料がこのましい。
【実施例】
【0051】
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0052】
1 (メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の製造
[参考製造例1]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注3)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)170gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:31:27:40
(注1)IPA 関東化学株式会社製
(注2)V−601 和光純薬工業株式会社製
(注3)X−22−174DX 信越化学工業社製
(注4)EA 関東化学株式会社社製
(注5)HEMA 関東化学株式会社社製
(注6)MAPTAC エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製,50%水溶液
【0053】
[参考製造例2]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40

(注7)X−24−8201 信越化学工業社製
【0054】
[参考製造例3]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174ASX)(注8)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174ASX=2:31:27:40
(注8)X−22−174ASX 信越化学工業社製
【0055】
[参考製造例4]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40.4g、エチルアクリレート(注4)27.3g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)31.3g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0056】
[参考製造例5]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40g、エチルアクリレート(注4)26g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)30g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)8g、イソプロパノール(注1)120gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=4:26:30:40
【0057】
[参考製造例6]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)20g、エチルアクリレート(注4)41.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)36.5g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:41.5:36.5:20
【0058】
[参考製造例7]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)50g、エチルアクリレート(注4)23g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)25g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)100gを3〜4時間かけて添加した。次いで、IPAに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を96g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:23:25:50
【0059】
[参考製造例8]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)(注9)3.34g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
DADMAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注9)DADMAC 東京化成工業株式会社製,60%水溶液
【0060】
[参考製造例9]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を89g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:30:27:40
【0061】
[参考製造例10]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)35g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:35:32:30
【0062】
[参考製造例11]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:36:32:30
【0063】
[参考製造例12]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)37g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:37:32:30
【0064】
[参考製造例13]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:36:32:30
【0065】
[参考製造例14]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)16g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)42g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を91g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、30℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:16.2:42.4:40.4
【0066】
[参考製造例15]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注7)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)27g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)31g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、15℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0067】
[参考製造例16]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20.2g、エチルアクリレート(EA)(注4)65.7g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)13.1g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、−10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:65.7:13.1:20.2
【0068】
実施例1〜9及び比較例1〜8:油中水型ゲル状口紅
表1に示す組成の油中水型ゲル状口紅を下記の製造方法により調製し、各試料について、イ.伸び広がりの軽さ、ロ.膜の軟らかさ、ハ.密着感、ニ.経時での色持ち、について評価を行い、その結果も併せて表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
*1:参考製造例1の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
*2:RONAFLAIR BLANCSEALSER(メルク社製)
*3:コスモール 43V(日清オイリオグループ社製)
*4:コスモール222(日清オイリオグループ社製)
*5:シリコンKP−541(固形分60%、溶媒:イソプロパノール)
*6:シリコンKF−7312(信越化学工業社製)、50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液
*7:YODOSOL 32A707(固形分45%、アクゾノーベル社製)
*8:レオパールKL2(千葉製粉社製)
*9:AEROSIL300(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(5)を均一に混合する。
B:成分(6)〜(19)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填する。
【0071】
(評価方法)
各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人がイについては塗布中、ハについては塗布直後、ロについては塗布後10分経過後、ニについては塗布後6時間経過した時の状態を観察し、下記絶対評価基準にて6段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。表中に判定結果を記載した。
<官能評価項目>
イ.伸び広がりの軽さ
ロ.膜の軟らかさ
ハ.密着感
ニ.経時での色持ち
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
6点:非常に良好
5点:良好
4点:やや良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
<4段階判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎:5点を超える
○:3点を超える5点以下
△:2点を超える3点以下
×:2点以下
【0072】
表の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜9の油中水型ゲル状口紅は、比較例1〜8の油中水型ゲル状口紅にくらべて、伸び広がりの軽さ、膜の軟らかさ、密着感、経時での色持ちにおいて優れたものであった。
これに対して、成分(A)の特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体を含有しない比較例1はシリコーン骨格由来の滑らかな伸び広がりにかけるため伸び広がりが重く、皮膜が形成されないため密着感に乏しく、経時での色持ちが悪いものであった。
成分(A)のかわりにアクリルシリコーングラフトポリマー溶液を用いた比較例2では、皮膜が硬く唇に負担感を与え、唇への追従性にも乏しいため経時での色持ちにも劣るものであり、含有量を増加させた比較例3においても満足いくものは得られなかった。
トリメチルシロキシケイ酸溶液を用いた比較例4においても、皮膜が硬いために唇に負担感を与えるとともに経時での色持ちにも劣るものであった。
成分(A)のかわりにアクリル酸アルキル共重合体エマルションを用いた比較例5では、シリコーン骨格由来の滑らかな伸び広がりにかけるため伸び広がりが重く、化粧膜も硬く負担感があり、唇への追従性にも乏しいため経時での色持ちの点においても満足のいくものが得られなかった。
成分(B)の分子内に水酸基を有するエステル油を含有しない比較例6は、唇への親和性に劣ることから密着感が乏しく、さらには水系成分の分散性にも劣ることから、経時での色持ちの点においても満足のいくものが得られなかった。
成分(B)の分子内に水酸基を有するエステル油のかわりに、水酸基を有していないエステル油を含有した比較例7では、唇への密着感が乏しく、さらには水系成分の分散性にも劣ることから、経時での色持ちの点においても満足のいくものが得られなかった。
成分(D)のエチルアルコールを含有しない比較例8では、成分(A)が溶解せず化粧液の均一性を著しく損なうため、化粧液を唇に均一に塗布すること自体が困難であった。
【0073】
実施例10:水中油型固形状口紅
(成分) (%)
(1)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *1 0.5
(2)エチルアルコール 1
(3)精製水 0.5
(4)有機変性ベントナイト 1
(5)シリル化処理無水ケイ酸 *10 3
(6)赤色202号 0.5
(7)ベンガラ 0.05
(8)雲母チタン *11 3
(9)フェノキシエタノール 0.5
(10)ジイソステアリン酸ジグリセリル 5
(11)フィッシャートロプシュワックス *12 10
(12)ワセリン 3
(13)メチルフェニルポリシロキサン 残量
(14)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 1
(15)ポリメチルシルセスキオキサン *13 5
*10:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
*11:FLAMENCO ULTRA SPARKLE(社製)
*12:CIREBELLE303(CIREBELLE社製)
*13:SILFROM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(3)を均一に混合する。
B:成分(4)〜(15)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填し、冷却する。
こうして得られた水中油型固形状口紅は、伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での色持ちに優れたものであった。
【0074】
実施例11:油中水型固型状リップクリーム
(成分) (%)
(1)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *14 1
(2)エチルアルコール 0.01
(3)精製水 1
(4)ハチミツ 0.01
(5)パラフィンワックス 10
(6)ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/
ベヘニル) *15 20
(7)2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
(8)リンゴ酸ジイソステアリル 30
(9)イソヘキサデカン*16 残量
(10)酸化チタン*17 0.1
(11)酢酸トコフェロール 0.1
*14:参考製造例2の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
*15:エルデュウPS−306(味の素社製)
*16:イソヘキサデカン(ユニケマ社製)
*17:パーフルオロポリエーテル5%処理
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を均一に混合する。
B:成分(5)〜(11)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填し、冷却する。
こうして得られた油中水型固型状リップクリームは、伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での化粧持ちに優れたものであった。
【0075】
実施例12:油中水型口紅下地
(成分) (%)
(1)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *18 10
(2)エチルアルコール 10
(3)精製水 5
(4)パルミチン酸デキストリン 5
(5)α−オレフィンオリゴマー 残量
(6)セスキオレイン酸ソルビタン 5
(7)アクリルシリコーングラフトポリマー溶液 *19 5
(8)赤色218号 0.05
(9)ポリエチレンテレフタレート粉末 *20 0.1
(10)トリイソステアリン酸ジグリセリル 5
*18:参考製造例3の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
*19:KP−545(固形分30%、溶媒:デカメチルシクロペンタシロキサン)(信越化学工業社製)
*20:スノーリーフP(オーケン社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(3)を均一に混合する。
B:成分(4)〜(10)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填する。
こうして得られた油中水型口紅下地は、伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での色持ちに優れたものであった。
【0076】
実施例13:油中水型日焼け止めクリーム
(成分) (%)
(1)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *21 5
(2)1,3−ブチレングリコール 10
(3)エチルアルコール 3
(4)精製水 5
(5)防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
(6)香料 0.1
(7)ジメチルポリシロキサン(6mm/s:25℃) 10
(8)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体 *19 0.5
(9)デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
(10)疎水化シリカ 0.5
(11)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
(12)イソステアリン酸ジグリセリル 1
(13)低温焼成酸化亜鉛・シリコン・ベンガラ混合物 *22 5
(14)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン *23 1.5
*21:参考製造例4の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
*22:MZY−505FS(テイカ社製)
*23:KF−6028P(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を均一に混合する。
B:成分(7)〜(14)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填する。
こうして得られた油中水型日焼け止めクリームは、伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での化粧持ちに優れたものであった。
【0077】
実施例14:油中水型クリーム状ファンデーション
(成分) (%)
(1)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *24 3
(2)エチルアルコール 5
(3)精製水 残量
(4)ヒアルロン酸 0.01
(5)ポリメチルシルセスキオキサン 5
(6)ジメチルポリシロキサン(6mm/s:25℃) 5
(7)トリオクタン酸グリセリン 8
(8)デカメチルシクロペンタシロキサン 10
(9)グルコース 2
(10)タルク 10
(11)ジイソステアリン酸ジグリセリル 2
(12)酸化チタン 10
(13)雲母チタン 5
(14)ベンガラ 2
(15)黄酸化鉄 3
(16)セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン *25 3
*24:参考製造例5の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
*25:ABIL−EM90(EVONIC GOLDSCHMIDT GMBH社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を均一に混合する。
B:成分(5)〜(16)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填する。
こうして得られた油中水型クリーム状ファンデーションは、伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での色持ちに優れたものであった。
【0078】
実施例15:油中水型クリーム状頬紅
(成分) (%)
(1)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *1 2
(2)特定の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重体 *14 2
(3)エチルアルコール 5
(4)精製水 20
(5)グリシン 0.05
(6)グリセリン 5
(7)エデト酸塩 0.1
(8)乳酸イソステアリル 5
(9)ジイソステアリン酸ジグリセリル 5
(10)ポリメチルシルセスキオキサン粉末 *26 5
(11)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー *27 10
(12)(ジメチコン/ビニルジメチコン)コポリマー *28 5
(13)デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
(14)フェノキシエタノール 0.1
(15)酸化チタン 3
(16)タルク 1
(17)雲母チタン 3
(18)赤色226号 0.2
(19)黄酸化鉄 0.8
(20)酸化チタン被覆ガラスフレーク *29 3
(21)香料 0.1
(22)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン *23 2
*26:TOSPEARL 150KA(平均粒子径3.5〜6.5μm、モメンティヴ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*27:KSP−102(信越化学工業社製)
*28:KSG−16(信越化学社製)
*29:メタシャイン1080(日本板硝子社製)(ジメチルポリシロキサン処理)
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を均一に混合する。
B:成分(8)〜(22)を95℃で均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合分散する。
D:Cを脱泡後、容器に充填する。
こうして得られた油中水型クリーム状頬紅は、伸び広がりが軽く、膜の軟らかさ、密着感、さらには経時での色持ちに優れたものであった。