(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者等は本発明に先立って、低損失のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの開発に従事した。特に、この開発では、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子と平滑インダクターと平滑コンデンサとデカップリングインダクターとデカップリングコンデンサとを具備するスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、ハイサイドスイッチ素子のスイッチング損失を低減することが要求された。
【0011】
図6は、本発明に先立って本発明者等により検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【0012】
図6に示すように、本発明に先立って本発明者等により検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータは、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12と、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2と、平滑インダクターLoutと、平滑コンデンサCoutとコントーラCNTを具備する。更に
図6に示すスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータは、デカップリングインダクターLinと、デカップリングコンデンサCinと、寄生インダクターL11、L12を具備するものである。ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12は同一の素子サイズに設定することも可能であるが、
図6の破線の円形に示したようにトランジスタQ11を大きな素子サイズに設定する一方、トランジスタQ12を小さな素子サイズに設定することが可能である。
【0013】
図6に示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータでは、デカップリングインダクターLinの一端には入力電圧V
INが供給され、デカップリングインダクターLinの他端はNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端に接続され、デカップリングコンデンサCinの他端は接地電位に接続される。ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースはローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のドレインと平滑インダクターLoutの一端に接続され、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のソースは接地電位に接続される。平滑インダクターLoutの他端は平滑コンデンサCoutの一端に接続され、平滑コンデンサCoutの他端は接地電位に接続される。
【0014】
一方、
図6に示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータでは、NチャネルMOSトランジスタQ11はデカップリングコンデンサCinに近接して配置されているのに対し、NチャネルMOSトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinから無視できない距離で離間して配置される。すなわち、
図6の回路図の下部に示したように、NチャネルMOSトランジスタQ11はデカップリングコンデンサCinに近接して配置され、NチャネルMOSトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinから距離で離間して配置される。その結果、
図6に示したように、NチャネルMOSトランジスタQ11のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端との間は1個の寄生インダクターL11のみの小さな寄生インダクターとなるのに対し、NチャネルMOSトランジスタQ12のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端との間は2個の寄生インダクターL11、L12の大きな寄生インダクターとなる。
【0015】
コントーラCNTはNチャネルMOSトランジスタQ11のゲートとNチャネルMOSトランジスタQ11のゲートとに第1ハイサイド駆動信号HG11と第2ハイサイド駆動信号HG12とをそれぞれ供給する一方、NチャネルMOSトランジスタQ2のゲートにローサイド駆動信号LGとを供給する。尚、第1ハイサイド駆動信号HG11と第2ハイサイド駆動信号HG12とは略同相とされて、その一方で第1と第2のハイサイド駆動信号HG11、HG12とローサイド駆動信号LGは略逆相とされる。従って、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12がオン状態に設定される期間ではローサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ2がオフ状態に設定されて、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12がオフ状態に設定される期間ではローサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ2がオン状態に設定される。
【0016】
その結果、平滑インダクターLoutの一端から生成される
図6に示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの出力電圧Voutは、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のオン期間Tonとオフ期間Toffと入力電圧V
INとによって、次式により与えられる。
【0017】
Vout=Ton・V
IN/(Ton+Toff) …(1式)
【0018】
一方、上記特許文献2と上記特許文献3とに記載された並列接続された2個のトランジスタの時間差駆動の技術に従って、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11に対して小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を遅らせてオフ状態に制御する方式を、本発明に先立って本発明者等は検討したものである。
【0019】
図7は、
図6に示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11に対し小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を遅らせてオフ状態に制御する方式を示す動作波形図である。
【0020】
従って、
図7に示したように、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11を駆動するハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングよりも、小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を駆動するハイサイド駆動信号HG12がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングが遅延して設定されたものである。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11がオン状態からオフ状態に変化しても、この変化のタイミングでは小素子サイズのトランジスタQ12がオン状態であるので、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトに維持され、ゼロボルトスイッチング(ZVS:Zero Volt Switching)の動作原理によりスイッチング損失の低減が可能となる。
【0021】
図7には、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の電流波形と、小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の電流波形と、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流波形と、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧波形とが示されている。
【0022】
図7に示したように、ハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングにおいて、デカップリングコンデンサCinに近接して配置されて小さな1個の寄生インダクターL11を有する大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11が減少を開始する。一方、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値は一定値に維持されようとするので、ドレイン電流Ids11の減少と反比例関係で小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12が増加を開始する。しかし、小素子サイズのトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinから無視不可の距離で離間配置されて大きな寄生インダクターL11、L12を有するので、小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の増加が大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の減少と比較して比較的大きな時間で遅延するものとなる。その結果、
図7に示したように、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値が、比較的大きな時間の期間に斜線で示したように一定値よりも大幅に低下するものとなる。従って、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値も、
図7に示したように比較的大きな時間の期間に斜線で示したように一定電圧値の入力電圧V
INよりも大幅に低下するものとなる。すなわち、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値が一定電圧値の入力電圧V
INに維持される場合には、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトに維持されて、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理によりスイッチング損失の低減が可能となる。しかしながら、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値が
図7に示したように比較的大きな時間の期間に斜線で示したように一定電圧値の入力電圧V
INよりも大幅に低下する。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトから大きく逸脱してゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理から大きく逸脱してスイッチング損失の低減が不可能となることが本発明に先立った本発明者等による検討によって明らかとされた。
【0023】
図8は、本発明に先立って本発明者等により検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【0024】
図8に示す本発明に先立って本発明者等によって検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータが、
図6に示した本発明に先立って本発明者等により検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータと相違するのは下記の点である。
【0025】
すなわち、
図8に示す本発明に先立って本発明者等によって検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータでは、NチャネルMOSトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinに近接して配置されているのに対し、NチャネルMOSトランジスタQ11はデカップリングコンデンサCinから無視できない距離で離間して配置される。すなわち、
図8の回路図の下部に示したように小素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinに近接して配置されて、大素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ11はデカップリングコンデンサCinから距離で離間して配置される。その結果、
図8に示したように、小素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ12のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端との間は、1個の寄生インダクターL12のみの小さな寄生インダクターとなる。それに対し、大素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ11のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端との間は、2個の寄生インダクターL11、L12の大きな寄生インダクターとなる。
【0026】
図9は、
図8に示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11に対し小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を遅らせてオフ状態に制御する方式を示す動作波形図である。
【0027】
従って、
図9に示したように、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11を駆動するハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングよりも、小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を駆動するハイサイド駆動信号HG12がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングが遅延して設定されたものである。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11がオン状態からオフ状態に変化しても、この変化のタイミングでは小素子サイズのトランジスタQ12がオン状態であるので、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトに維持され、ゼロボルトスイッチング(ZVS:Zero Volt Switching)の動作原理によりスイッチング損失の低減が可能となる。
【0028】
図9には、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の電流波形と、小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の電流波形と、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流波形と、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧波形とが示されている。
【0029】
図9に示したように、ハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングと比較すると、デカップリングコンデンサCinから無視不可の距離で離間配置され大きな寄生インダクターL11、L12を有する大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11が減少を開始するタイミングは遅延する。一方、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値は一定値に維持されようとするので、ドレイン電流Ids11の減少と反比例の関係で小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12が増加を開始する。一方、小素子サイズのトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinに近接配置されて小さな寄生インダクターL12を有するので、小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の増加が大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の減少と比較して比較的小さな時間で遅延する。その結果、
図9に示したように、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値が、比較的大きな時間の期間に斜線で示したように一定値よりも若干低下するものとなる。従って、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値も、
図9に示したように比較的大きな時間の期間に斜線で示したように一定電圧値の入力電圧V
INよりも若干低下する。すなわち、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値が一定電圧値の入力電圧V
INに維持される場合には、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトに維持され、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理によりスイッチング損失の低減が可能となる。しかし、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値が
図9に示したように比較的大きな時間の期間に斜線で示したように一定電圧値の入力電圧V
INより若干低下する。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトから若干逸脱してゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理から若干逸脱してスイッチング損失の低減が不可能となることが本発明に先立った本発明者等による検討によって明らかとされた。
【0030】
図10は、
図8と
図9に示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、大素子サイズのトランジスタQ11と小素子サイズのトランジスタQ12とを、同一の半導体チップChipに形成した構成を示す図である。
図10の半導体チップChipに示すように、大素子サイズのトランジスタQ11と小素子サイズのトランジスタQ12とは、所定の幅ΔWによって分離して形成されている。大素子サイズのトランジスタQ11は複数のゲートG11と複数のドレインD11と複数のソースS11を含み、小素子サイズのトランジスタQ12は複数のゲートG12と複数のドレインD12と複数のソースS12とを含む。
【0031】
大素子サイズのトランジスタQ11の複数のゲートG11と小素子サイズのトランジスタQ12の複数のゲートG12とは略同一のチャネル長Lを有し、大素子サイズのトランジスタQ11の複数のゲートG11は大きなゲート幅W11を有し、小素子サイズのトランジスタQ12の複数のゲートG12は小さなゲート幅W12を有している。
【0032】
図10に示したように、
図8と全く同様に、小素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ12はデカップリングコンデンサCinに近接して配置されて、大素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ11はデカップリングコンデンサCinから距離で離間して配置される。その結果、
図10に示したように、小素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ12のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端との間は、1個の寄生インダクターL12のみの小さな寄生インダクターとなる。それに対して、大素子サイズのNチャネルMOSトランジスタQ11のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端との間は、2個の寄生インダクターL11、L12の大きな寄生インダクターとなる。
【0033】
その結果、大素子サイズのトランジスタQ11と小素子サイズのトランジスタQ12とが同一の半導体チップChipに形成された
図10に示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいても、
図8と
図9とに示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータと同様な課題が生じるものである。すなわち、
図10に示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータでも、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトから若干逸脱して、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理から若干逸脱してスイッチング損失の低減が不可能となることが本発明に先立った本発明者等による検討によって明らかとされた。
【0034】
このような課題を解決するための手段等を以下に説明するが、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本願において開示される代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0036】
すなわち、代表的な実施の形態による半導体集積回路は、ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)と、ローサイドスイッチ素子(Q2)と、コントローラ(CNT)とを具備する。
【0037】
ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の一端と接地電位との間に、デカップリングコンデンサ(Cin)が接続される。
【0038】
ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)は、電流経路が並列接続された第1トランジスタ(Q11)と第2トランジスタ(Q12)とを含む。
【0039】
ハイサイドスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化する際に、コントローラ(CNT)は第1トランジスタ(Q11)に対して第2トランジスタ(Q12)を遅らせてオン状態からオフ状態に制御する。
【0040】
第1トランジスタ(Q11)と第2トランジスタ(Q12)の各トランジスタは、半導体チップ(Chip1)の内部に複数に分割されて形成される。
【0041】
第1トランジスタ(Q11)が分割された複数の部分第1トランジスタと第2トランジスタ(Q12)が分割された複数の部分第2トランジスタとは、半導体チップ(Chip1)の内部において第1トランジスタ(Q11)と第2トランジスタ(Q12)の配置方向で交互に配置されたことを特徴とする(
図1参照)。
【発明の効果】
【0042】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0043】
すなわち、本半導体集積回路によれば、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理からの逸脱を低減してスイッチング損失を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される代表的な実施の形態についてその概要を説明する。代表的な実施の形態の概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号は、それが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0046】
〔1〕代表的な実施の形態による半導体集積回路は、ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)と、ローサイドスイッチ素子(Q2)と、コントローラ(CNT)とを具備する。
【0047】
前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の一端には、デカップリングインダクター(Lin)を介して入力電圧(V
IN)が供給可能とされ、前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の他端と前記ローサイドスイッチ素子(Q2)の一端とはスイッチングノード(V
SW)に接続され、前記ローサイドスイッチ素子(Q2)の他端は接地電位に接続可能とされる。
【0048】
前記コントローラ(CNT)は、前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)をオン状態とオフ状態に駆動可能である。
【0049】
前記スイッチングノード(V
SW)は、平滑インダクター(Lout)と平滑コンデンサ(Cout)とを含むローパスフィルタに接続可能とされる。
【0050】
前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の前記一端と前記接地電位との間に、デカップリングコンデンサ(Cin)が接続可能とされる。
【0051】
前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)は、前記ハイサイドスイッチ素子の前記一端と前記ハイサイドスイッチ素子の前記他端との間に電流経路が並列接続された第1トランジスタ(Q11)と第2トランジスタ(Q12)とを含む。
【0052】
前記ハイサイドスイッチ素子の前記一端と前記ハイサイドスイッチ素子の前記他端との間をオン状態からオフ状態に変化する際に、前記コントローラ(CNT)は前記第1トランジスタ(Q11)に対して前記第2トランジスタ(Q12)を遅らせて前記オン状態から前記オフ状態に制御する。
【0053】
前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)の各トランジスタは、半導体チップ(Chip1)の内部に複数に分割されて形成される。
【0054】
前記第1トランジスタ(Q11)が分割された複数の部分第1トランジスタと前記第2トランジスタ(Q12)が分割された複数の部分第2トランジスタとは、前記半導体チップ(Chip1)の内部において前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)の配置方向で交互に配置されたことを特徴とするものである(
図1参照)。
【0055】
前記実施の形態によれば、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理からの逸脱を低減してスイッチング損失を低減することができる。
【0056】
好適な実施の形態では、前記ローサイドスイッチ素子は、前記スイッチングノード(V
SW)と前記接地電位との間に電流経路が接続された第3トランジスタ(Q2)を含むことを特徴とするものである(
図1参照)。
【0057】
他の好適な実施の形態は、前記コントローラ(CNT)は、前記第1トランジスタ(Q11)の制御入力端子を駆動する第1ハイサイド駆動信号(HG11)と、前記第2トランジスタ(Q12)の制御入力端子を駆動する第2ハイサイド駆動信号(HG12)と、前記第3トランジスタ(Q2)の制御入力端子を駆動するローサイド駆動信号(LG)とを生成する。
【0058】
前記第1ハイサイド駆動信号(HG11)と前記第2ハイサイド駆動信号(HG12)とは略同相であり、前記第1ハイサイド駆動信号(HG11)および前記第2ハイサイド駆動信号(HG12)と前記ローサイド駆動信号(LG)とは略逆位相であることを特徴とするものである(
図1参照)。
【0059】
更に他の好適な実施の形態では、前記ハイサイドスイッチ素子が前記オン状態であるオン期間(Ton)と、前記ハイサイドスイッチ素子が前記オフ状態であるオフ期間(Toff)と、前記入力電圧(V
IN)によって、前記ローパスフィルタ(Lout、Cout)から生成されるDC−DCコンバータの出力電圧(Vout)が設定されることを特徴とする(
図1参照)。
【0060】
より好適な実施の形態では、前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)と前記第3トランジスタ(Q2)とは、それぞれNチャネルMOSトランジスタであることを特徴とする(
図1参照)。
【0061】
他のより好適な実施の形態では、前記ハイサイドスイッチ素子としての前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)とは第1半導体チップ(Chip1)に形成され、前記ローサイドスイッチ素子としての前記第3トランジスタ(Q2)は第2半導体チップ(Chip2)に形成され、前記コントローラ(CNT)は第3半導体チップ(Chip3)に形成される。
【0062】
前記第1半導体チップ(Chip1)と前記第2半導体チップ(Chip2)と前記第3半導体チップ(Chip3)とは、1個のパッケージ(QFN_PKG)に封止されたことを特徴とするものである(
図3参照)。
【0063】
更に他のより好適な実施の形態では、前記ハイサイドスイッチ素子としての前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)とは、トレンチゲート型Nチャネル縦型MOSトランジスタ構造によって形成されている。
【0064】
前記第1トランジスタ(Q11)の複数のトレンチゲート(G11)と前記第2トランジスタ(Q12)の複数のトレンチゲート(G12)とは、前記第1半導体チップ(Chip1)の内部において前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)の前記配置方向で交互に配置されたことを特徴とする(
図3参照)。
【0065】
別のより好適な実施の形態では、前記ローサイドスイッチ素子としての前記第3トランジスタ(Q2)は、前記トレンチゲート型Nチャネル縦型MOSトランジスタ構造によって形成されたことを特徴とするものである。
【0066】
更に別のより好適な実施の形態では、前記1個のパッケージ(QFN_PKG)と前記デカップリングインダクター(Lin)と前記デカップリングコンデンサ(Cin)と前記平滑インダクター(Lout)と前記平滑コンデンサ(Cout)とは、スイッチング・レギュレータ方式のDC−DCコンバータを構成することを特徴とするものである。
【0067】
更に別のより好適な実施の形態では、前記ハイサイドスイッチ素子としての前記第1トランジスタ(Q11)および前記第2トランジスタ(Q12)と、前記ローサイドスイッチ素子としての前記第3トランジスタ(Q2)と、前記コントローラ(CNT)とは、単一の半導体チップ(Chip)に集積化されて形成される。
【0068】
前記単一の半導体チップ(Chip)は、1個のパッケージ(QFN_PKG)に封止されたことを特徴とするものである(
図4参照)。
【0069】
具体的な実施の形態では、前記ハイサイドスイッチ素子としての前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)とは、プレーナ型Nチャネル横型MOSトランジスタ構造によって形成されている。
【0070】
前記第1トランジスタ(Q11)の複数のゲート(G11)と前記第2トランジスタ(Q12)の複数のゲート(G12)とは、前記単一の半導体チップ(Chip)の内部において前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)の前記配置方向で交互に配置されたことを特徴とするものである。
【0071】
更に他の具体的な実施の形態では、前記ローサイドスイッチ素子としての前記第3トランジスタ(Q2)は、前記プレーナ型Nチャネル横型MOSトランジスタ構造によって前記単一の半導体チップ(Chip)の内部に形成されたことを特徴とするものである。
【0072】
最も具体的な実施の形態では、前記単一の半導体チップ(Chip)と前記デカップリングインダクター(Lin)と前記デカップリングコンデンサ(Cin)と前記平滑インダクター(Lout)と前記平滑コンデンサ(Cout)とは、スイッチング・レギュレータ方式のDC−DCコンバータを構成することを特徴とするものである。
【0073】
〔2〕別の観点の代表的な実施の形態は、ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)と、ローサイドスイッチ素子(Q2)と、コントローラ(CNT)とを具備する半導体集積回路の動作方法である。
【0074】
前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の一端には、デカップリングインダクター(Lin)を介して入力電圧(V
IN)が供給可能とされ、前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の他端と前記ローサイドスイッチ素子(Q2)の一端とはスイッチングノード(V
SW)に接続され、前記ローサイドスイッチ素子(Q2)の他端は接地電位に接続可能とされる。
【0075】
前記コントローラ(CNT)は、前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)をオン状態とオフ状態に駆動可能である。
【0076】
前記スイッチングノード(V
SW)は、平滑インダクター(Lout)と平滑コンデンサ(Cout)とを含むローパスフィルタに接続可能とされる。
【0077】
前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)の前記一端と前記接地電位との間に、デカップリングコンデンサ(Cin)が接続可能とされる。
【0078】
前記ハイサイドスイッチ素子(Q11、Q12)は、前記ハイサイドスイッチ素子の前記一端と前記ハイサイドスイッチ素子の前記他端との間に電流経路が並列接続された第1トランジスタ(Q11)と第2トランジスタ(Q12)とを含む。
【0079】
前記ハイサイドスイッチ素子の前記一端と前記ハイサイドスイッチ素子の前記他端との間をオン状態からオフ状態に変化する際に、前記コントローラ(CNT)は前記第1トランジスタ(Q11)に対して前記第2トランジスタ(Q12)を遅らせて前記オン状態から前記オフ状態に制御する。
【0080】
前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)の各トランジスタは、半導体チップ(Chip1)の内部に複数に分割されて形成される。
【0081】
前記第1トランジスタ(Q11)が分割された複数の部分第1トランジスタと前記第2トランジスタ(Q12)が分割された複数の部分第2トランジスタとは、前記半導体チップ(Chip1)の内部において前記第1トランジスタ(Q11)と前記第2トランジスタ(Q12)の配置方向で交互に配置されたことを特徴とするものである(
図1参照)。
【0082】
前記実施の形態によれば、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理からの逸脱を低減してスイッチング損失を低減することができる。
【0083】
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0084】
[実施の形態1]
《DC−DCコンバータの構成》
図1は、実施の形態1のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【0085】
図1に示すように、実施の形態1によるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータは、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12と、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2と、平滑インダクターLoutと、平滑コンデンサCoutとコントーラCNTを具備する。更に、
図1に示すスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータは、デカップリングインダクターLinと、デカップリングコンデンサCinと、寄生インダクターL11、L12を具備する。従って、デカップリングインダクターLinとデカップリングコンデンサCinとのローパスフィルタ機能によって、入力電圧V
INの高周波リップル成分が低減されたDC入力電圧V
IN´が、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインに供給される。ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12は同一の素子サイズに設定することも可能であるが、
図1の破線の円形に示したようにトランジスタQ11を大きな素子サイズに設定する一方、トランジスタQ12を小さな素子サイズに設定することが可能である。更にローサイドスイッチ素子は、NチャネルMOSトランジスタQ2ではなく、ダイオードを使用することも可能である。好ましくは、電力損失を低減するために低い順方向電圧を持つショットキーダイオードを使用して、そのアノードを接地電位に接続して、そのカソードをハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースに接続する。
【0086】
図1に示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータでは、デカップリングインダクターLinの一端には入力電圧V
INが供給され、デカップリングインダクターLinの他端はNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインとデカップリングコンデンサCinの一端に接続され、デカップリングコンデンサCinの他端は接地電位に接続される。ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースはローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のドレインと平滑インダクターLoutの一端に接続され、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のソースは接地電位に接続される。平滑インダクターLoutの他端は平滑コンデンサCoutの一端に接続され、平滑コンデンサCoutの他端は接地電位に接続される。
【0087】
一方、
図1に示したスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータでは、NチャネルMOSトランジスタQ11とデカップリングコンデンサCinの間の配置距離は、NチャネルMOSトランジスタQ12とデカップリングコンデンサCinの間の配置距離と実質的に等しくなるように、NチャネルMOSトランジスタQ11、Q12とデカップリングコンデンサCinが配置される。すなわち、
図1の回路図の下部に示したように、半導体チップChip1の内部において、NチャネルMOSトランジスタQ11は複数に分割されて形成され、NチャネルMOSトランジスタQ12も複数に分割されて形成されている。ここで、NチャネルMOSトランジスタQ11とデカップリングコンデンサCinとの間の配線距離と配線寄生インダクターとは、NチャネルMOSトランジスタQ11とデカップリングコンデンサCinの間の配置距離に比例する。またNチャネルMOSトランジスタQ12とデカップリングコンデンサCinとの間の配線距離と配線寄生インダクターとは、NチャネルMOSトランジスタQ12とデカップリングコンデンサCinの間の配置距離に比例する。
【0088】
特に、実施の形態1のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの半導体チップChip1では、第1トランジスタQ11と前記第2トランジスタQ12の各トランジスタは、半導体チップChip1の内部に複数に分割されて形成される。
図1に示したように、第1トランジスタQ11が分割された複数の部分第1トランジスタと第2トランジスタQ12が分割された複数の部分第2トランジスタとは、第1トランジスタQ11と第2トランジスタQ12の配置方向で交互に配置される。
【0089】
図1に示した例では、四角形の半導体チップChip1の右側短辺にデカップリングコンデンサCinが配置され、複数に分割されたトランジスタQ11とデカップリングコンデンサCinの間の寄生インダクターと、複数に分割されたトランジスタQ12とデカップリングコンデンサCinの間の寄生インダクターとは実質的に等しくなる。その結果、
図1に示したように、トランジスタQ11とトランジスタQ12との間の寄生インダクターL11の値は実質的に無視可能な値となり、トランジスタQ11、Q12の両ドレインとデカップリングコンデンサCinとの間は1個の寄生インダクターL12のみとなる。その他の例では、四角形の半導体チップChip1の上側長辺にデカップリングコンデンサCinが配置され、トランジスタQ11の分割数とトランジスタQ12の分割数とをそれぞれ10個以上の大きな分割個数に設定する。この場合にも、
図1に示したように、トランジスタQ11とトランジスタQ12との間の寄生インダクターL11の値は実質的に無視可能な値となり、トランジスタQ11、Q12の両ドレインとデカップリングコンデンサCinとの間は1個の寄生インダクターL12のみとなる。
【0090】
コントーラCNTはNチャネルMOSトランジスタQ11のゲートとNチャネルMOSトランジスタQ11のゲートとに第1ハイサイド駆動信号HG11と第2ハイサイド駆動信号HG12とをそれぞれ供給する一方、NチャネルMOSトランジスタQ2のゲートにローサイド駆動信号LGとを供給する。尚、第1ハイサイド駆動信号HG11と第2ハイサイド駆動信号HG12とは略同相とされて、その一方で第1と第2のハイサイド駆動信号HG11、HG12とローサイド駆動信号LGは略逆相とされる。従って、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12がオン状態に設定される期間ではローサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ2がオフ状態に設定されて、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12がオフ状態に設定される期間ではローサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ2がオン状態に設定される。
【0091】
その結果、平滑インダクターLoutの一端から生成される
図1に示した実施の形態1によるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの出力電圧Voutは、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のオン期間Tonとオフ期間Toffと入力電圧V
INとによって、次式により与えられる。
【0092】
Vout=Ton・V
IN/(Ton+Toff) …(2式)
【0093】
《動作波形図》
図2は、
図1に示した実施の形態1によるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、コントローラCNTが大素子サイズに設定されたトランジスタQ11に対し小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を遅らせてオフ状態に制御する方式を示す動作波形図である。尚、トランジスタQ11の素子サイズ(分割個数)は、トランジスタQ12の素子サイズ(分割個数)と同一とすることも可能である。
【0094】
従って、
図2に示したように、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11を駆動するハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングよりも、小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を駆動するハイサイド駆動信号HG12がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングが遅延して設定されたものである。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11がオン状態からオフ状態に変化しても、この変化のタイミングでは小素子サイズのトランジスタQ12がオン状態であるので、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトに維持され、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理によりスイッチング損失の低減が可能となる。
【0095】
図2には、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の電流波形と、小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の電流波形と、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流波形と、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧波形とが示されている。
【0096】
図2に示したように、ハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングにおいて、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11が減少を開始する。一方、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値は一定値に維持されようとするので、ドレイン電流Ids11の減少と反比例関係で小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12が増加を開始する。
【0097】
特に、
図1に示した実施の形態1によるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいては、大素子サイズのトランジスタQ11と小素子サイズのトランジスタQ12とは1個の寄生インダクターL12のみを有して、トランジスタQ11とトランジスタQ12の間の寄生インダクターL11の値は実質的に無視可能な値となる。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の減少速度と小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の増加速度とは、実質的に等しいものとなる。従って、
図2に示したように、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値が、比較的短い時間の期間に斜線で示したように一定値よりも若干低下するものとなる。従って、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値も、
図2に示したように比較的短い時間の期間に斜線で示したように一定電圧値の入力電圧V
INよりも若干低下するものとなる。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトから大きく逸脱することが軽減され、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理からの逸脱に起因するスイッチング損失の低減が可能となるものである。
【0098】
[実施の形態2]
図3は、実施の形態2のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【0099】
図3に示す実施の形態2のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータが、
図1に示した実施の形態1によるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータと相違するのは、下記の点である。
【0100】
図3に示すように、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12と、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2と、コントーラCNTとは、QFN(Quad Flat Package)型パッケージQFN_PKGの封止樹脂内部に封止されている。QFN型パッケージは、矩形パッケージの各辺に複数の金属接続端子が形成されたものである。
【0101】
ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12は第1半導体チップChip1に集積化されて、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2は第2半導体チップChip2に集積化されて、コントーラCNTは第3半導体チップChip3に集積化されている。コントーラCNTの第3半導体チップChip3とハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12の第1半導体チップChip1とは、ハイサイド駆動信号配線HG11、HG12により相互に接続されている。コントーラCNTの第3半導体チップChip3とローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2の第2半導体チップChip2とは、ローサイド駆動信号配線LGにより相互に接続されている。
【0102】
ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12の第1半導体チップChip1を搭載した第1タブリードTab_Lead1は、スイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの配線基板に形成されたDC入力電圧配線V
IN´に電気的に接続される。ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2の第2半導体チップChip2を搭載した第2タブリードTab_Lead2は、スイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの配線基板に形成されたスイッチング電圧配線V
SWに電気的に接続される。コントーラCNTの第3半導体チップChip3は、第3タブリードTab_Lead3に搭載されている。接地配線として機能する第4タブリードTab_Lead4は、スイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの配線基板に形成された接地電位配線GNDに電気的に接続される。DC入力電圧配線V
IN´と接地電位配線GNDには2個のチップコンデンサによって構成されたデカップリングコンデンサCinが接続され、入力電圧配線V
INとDC入力電圧配線V
IN´にはチップインダクターにより構成されたデカップリングインダクターLinが接続されている。
【0103】
また、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインである第1半導体チップChip1の下部底面は、第1タブリードTab_Lead1を介して、配線基板のDC入力電圧配線V
IN´に電気的に接続される。第1半導体チップChip1の上部主面に形成されたトランジスタQ11、Q12のソースは、第1金属リードMetal_Lead1を介して第2タブリードTab_Lead2に電気的に接続される。ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のドレインである第2半導体チップChip2の下部底面は、第2タブリードTab_Lead2に電気的に接続される。第2半導体チップChip2の上部主面に形成されたトランジスタQ2のソースは、第2金属リードMetal_Lead2と第4タブリードTab_Lead4とを介して接地電位配線GNDに電気的に接続される。
【0104】
図3の左下に示したように、第1半導体チップChip1には、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12が集積化されて形成されている。NチャネルMOSトランジスタQ11は複数に分割されて形成されたゲート電極G11を有し、NチャネルMOSトランジスタQ12も複数に分割されて形成されたゲート電極G12を有している。第1ハイサイド駆動信号HG11が供給される第1パッドは
図3では図示されていないがNチャネルMOSトランジスタQ11の複数のゲート電極G11に接続され、第2ハイサイド駆動信号HG12が供給される第2パッドは
図3では図示されていないがNチャネルMOSトランジスタQ12の複数のゲート電極G12に接続される。更に、
図3の左下に示したように、ゲート電極G11とゲート電極G12との間には、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースとしてのN
+領域N
+(Source)が形成されている。
【0105】
図3の右下で詳述するように、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12は、いわゆるトレンチゲート型Nチャネル縦型MOSトランジスタ構造によって形成されている。
【0106】
図3の右下には、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12が集積化されて形成された第1半導体チップChip1の断面構造が示されている。
図3の右下に示したように、第1半導体チップChip1の下部底面はハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインN(Drain)として機能する。NチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインN(Drain)の上部には、P型ウェル領域P−Wellが形成される。P型ウェル領域P−Wellの表面からドレインN(Drain)に到達するように、複数のトレンチ(溝)が形成される。複数のトレンチ(溝)の内部にはゲート絶縁膜とゲート電極とが順次に形成されて、
図3の例では複数のトレンチ(溝)の内部に形成されたゲート電極は、MOSトランジスタQ11のゲート電極G11とMOSトランジスタQ12のゲート電極G12とが順番に反復形成されている。NチャネルMOSトランジスタQ11の複数のゲート電極G11は第1ハイサイド駆動信号HG11が供給される第1パッドに接続され、チャネルMOSトランジスタQ12の複数のゲート電極G12は第2ハイサイド駆動信号HG12が供給される第2パッドに接続される。複数のトレンチ(溝)の間には、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースとしてのN
+領域N
+(Source)が形成されている。
図3の右下では、図示していないが、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2も、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12と全く同様に、いわゆるトレンチゲート型Nチャネル縦型MOSトランジスタ構造によって形成されている。その結果、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2が集積化された第2半導体チップChip2の下部底面は、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のドレインN(Drain)として機能する。
【0107】
第1パッドに高電圧の第1ハイサイド駆動信号HG11が供給される場合には、NチャネルMOSトランジスタQ11の複数のゲート電極G11が形成された複数のトレンチ(溝)の内部側壁のP型ウェル領域P−WellにN型反転チャネルが形成され、NチャネルMOSトランジスタQ11のソースとドレインとの間が電気的に導通状態となる。
【0108】
第2パッドに高電圧の第2ハイサイド駆動信号HG12が供給される場合には、NチャネルMOSトランジスタQ12の複数のゲート電極G12が形成された複数のトレンチ(溝)の内部側壁のP型ウェル領域P−WellにN型反転チャネルが形成され、NチャネルMOSトランジスタQ12のソースとドレインとの間が電気的に導通状態となる。
【0109】
図3に示したように、実施の形態2のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータは、3個のチップChip1、Chip2、Chip3を内蔵するので、比較的高出力電力の用途に使用されることが可能なものである。
【0110】
[実施の形態3]
図4は、実施の形態3のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【0111】
図4に示す実施の形態3のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータが、
図3に示した実施の形態2によるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータと相違するのは、下記の点である。
【0112】
図4に示したように、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12と、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2と、コントーラCNTとは、単一の半導体チップChipに集積化されている。コントーラCNTの複数の外部端子はQFNパッケージQFN_PKGの上辺に形成された複数の金属接続端子に接続されて、ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のドレインはQFNパッケージQFN_PKGの左辺に形成された複数の金属接続端子を介してDC入力電圧配線V
IN´に接続される。ハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースとローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のドレインとは、QFNパッケージQFN_PKGの右辺に形成された複数の金属接続端子を介してスイッチング電圧配線V
SWに電気的に接続される。更に、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2のソースは、QFNパッケージQFN_PKGの下辺に形成された複数の金属接続端子を介して接地電位配線GNDに電気的に接続される。
【0113】
図4の左下に示したように、単一の半導体チップChipには、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12が集積化されて形成されている。NチャネルMOSトランジスタQ11は複数に分割されて形成されたゲート電極G11を有し、NチャネルMOSトランジスタQ12も複数に分割されて形成されたゲート電極G12を有している。第1ハイサイド駆動信号HG11が供給される第1パッドは
図4に図示のようにNチャネルMOSトランジスタQ11の複数のゲート電極G11に接続され、第2ハイサイド駆動信号HG12が供給される第2パッドは
図4に図示のようにNチャネルMOSトランジスタQ12の複数のゲート電極G12に接続される。更に、
図4の左下に示したように、ゲート電極G11とゲート電極G12との間には、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12のソースまたはドレインとしてのN
+領域N
+(Source or Drain)が形成されている。また
図4の左下の例では、MOSトランジスタQ11の2本・1組のゲート電極G11とMOSトランジスタQ12の2本・1組のゲート電極G12とが順番に反復形成されている。
【0114】
図4の右下で詳述するように、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12は、いわゆるプレーナ型Nチャネル横型MOSトランジスタ構造によって形成されている。
【0115】
図4の右下には、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12が集積化されて形成された単一の半導体チップChipの断面構造が示されている。
図4の右下に示したように、単一の半導体チップChipの下部はP型シリコン基板P−Subであり、P型シリコン基板P−Subの上部には、N型不純物層N−Layerが形成される。N型不純物層N−Layerの上部にはP型ウェル領域P−Wellが形成され、P型ウェル領域P−Wellの表面にハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12の複数のゲート絶縁膜と複数のゲート電極の積層構造とソースN
+領域N
+(Source)とドレインN
+領域N
+(Drain)とが形成されている。
図4の右下では、図示していないが、ローサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ2も、ハイサイドスイッチ素子としてのNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12と全く同様に、いわゆるプレーナ型Nチャネル横型MOSトランジスタ構造によって単一の半導体チップChipの内部に形成されている。
【0116】
第1パッドに高電圧の第1ハイサイド駆動信号HG11が供給される場合には、NチャネルMOSトランジスタQ11の複数のゲート電極直下のP型ウェル領域P−Wellの表面にN型反転チャネルが形成され、NチャネルMOSトランジスタQ11のソースとドレインとの間が電気的に導通状態となる。
【0117】
第2パッドに高電圧の第2ハイサイド駆動信号HG12が供給される場合には、NチャネルMOSトランジスタQ12の複数のゲート電極直下のP型ウェル領域P−Wellの表面にN型反転チャネルが形成され、NチャネルMOSトランジスタQ12のソースとドレインとの間が電気的に導通状態となる。
【0118】
図4に示したように、実施の形態3のスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータは、単一の半導体チップChipを内蔵するので、比較的低出力電力の用途に使用されることが可能なものである。
【0119】
《動作波形図》
図5は、
図1と
図3と
図4に示した実施の形態1と実施の形態2と実施の形態3のいずれによるスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、コントローラCNTがハイサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ11、Q12とローサイドスイッチ素子のNチャネルMOSトランジスタQ2とを駆動する動作波形図である。
【0120】
図5に示すように、最初にスイッチング速度が速く小素子サイズに設定されたトランジスタQ12をオフ状態からオン状態に変化するために、コントローラCNTはハイサイド駆動信号HG12をローレベル“L”からハイレベル“H”に変化する。その結果、ハイサイド駆動信号HG12のローレベル“L”からハイレベル“H”への変化に応答して、小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の電流波形と平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流波形とが増加を開始して、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧波形が増加を開始する。
【0121】
その後に、オン抵抗が小さく大素子サイズに設定されたトランジスタQ11をオフ状態からオン状態に変化するために、コントローラCNTはハイサイド駆動信号HG11をローレベル“L”からハイレベル“H”に変化する。その結果、ハイサイド駆動信号HG11のローレベル“L”からハイレベル“H”への変化に応答して、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の電流波形が増加を開始して、更に平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流波形と平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧波形とが2度目の増加を開始する。
【0122】
その後に、大素子サイズに設定されたトランジスタQ11を駆動するハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングよりも、小素子サイズに設定されたトランジスタQ12を駆動するハイサイド駆動信号HG12がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングが遅延して設定される。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11がオン状態からオフ状態に変化してもこの変化のタイミングでは小素子サイズのトランジスタQ12がオン状態であるので、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトに維持され、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理によりスイッチング損失の低減が可能となる。
【0123】
ハイサイド駆動信号HG11がハイレベル“H”からローレベル“L”に変化するタイミングにおいて、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11が減少を開始する。一方、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値は一定値に維持されようとするので、ドレイン電流Ids11の減少と反比例関係で小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12が増加を開始する。
【0124】
特に、
図1と
図3と
図4に示した実施の形態1と実施の形態2と実施の形態3のいずれにおいても、大素子サイズのトランジスタQ11と小素子サイズのトランジスタQ12とは1個の寄生インダクターL12のみを有して、トランジスタQ11とトランジスタQ12の間の寄生インダクターL11の値は実質的に無視可能な値となる。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン電流Ids11の減少速度と小素子サイズのトランジスタQ12のドレイン電流Ids12の増加速度とは、実質的に等しいものとなる。従って、
図5に示したように、平滑インダクターLoutに流れる合計ドレイン電流Ids11+Ids12の電流値が、比較的短い時間の期間に、斜線で示したように一定値よりも若干低下する。従って、平滑インダクターLoutの一端のスイッチング電圧V
SWの電圧値も、
図5に示したように比較的短時間の期間に斜線で示したように一定電圧値の入力電圧V
INより若干低下するものとなる。その結果、大素子サイズのトランジスタQ11のドレイン・ソース間電圧がゼロボルトから大きく逸脱することが軽減され、ゼロボルトスイッチング(ZVS)の動作原理からの逸脱に起因するスイッチング損失の低減が可能となるものである。
【0125】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0126】
例えば、ハイサイドスイッチ素子としてのトランジスタQ11、Q12とローサイドスイッチ素子としてのトランジスタQ2とは、NチャネルMOSトランジスタのみに限定されるものではない。すなわち、ハイサイドスイッチ素子としてのトランジスタQ11、Q12とローサイドスイッチ素子としてのトランジスタQ2とは、NPN型バイポーラトランジスタで構成することも可能であり、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成することも可能である。