【実施例】
【0194】
以下の表2は、市販のまたは以下に記載の方法の1つにより製造した、ブロックを構築するカルボン酸のリストを含む。
【0195】
表2:ブロックを構築するカルボン酸
【0196】
【表2】
1.A−3:1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−シクロプロパンカルボン酸の製造
【0197】
【化29】
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−アセトニトリル(5.10g,31.7mmol)、1−ブロモ−2−クロロエタン(9.00mL,109mmol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.181g,0.795mmol)の混合物を、70℃で加熱し、次いで50%(wt/wt)の水酸化ナトリウム水溶液(26mL)を混合物にゆっくり加えた。反応系を70℃で18時間攪拌し、次いで130℃で24時間加熱した。黒褐色の反応混合物を、水(400mL)で希釈し、等容積の酢酸エチルで1回、および等容積のジクロロメタンで1回抽出した。塩基性の水溶液を、濃塩酸で酸化してpHを1未満とし、析出物をろ過し、1Mの塩酸で洗浄した。固体物をジクロロメタン(400mL)に溶解し、等容積の1M塩酸で2回、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回抽出した。有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固し、白色からわずかに灰白色の固体(5.23g,80%)を得た。ESI−MSm/z計算値:206.1、測定値:207.1(M+l)
+2.37分の保持時間。
【0198】
【化30】
2.A−1:1−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸の製造
【0199】
【化31】
ステップa:2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチルエステル
アセトニトリル(30mL)およびトリエチルアミン(10mL)を含有する、5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール(11.8g,50.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4,5.78g,5.00mmol]メタノール(20mL)溶液を、一酸化炭素の雰囲気(55PSI)下、75℃(油浴温度)で15時間攪拌した。冷却した反応混合物を、ろ過し、ろ液を蒸発乾固した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、粗2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチルエステル(11.5g)を得、これを次のステップに直接使用した。
【0200】
ステップb:(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−メタノール
20mLの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解した粗2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチルエステル(11.5g)を、0℃で、リチウムアルミニウムハイドライド(4.10g,106mmol)の無水THF(100mL)懸濁液にゆっくり加えた。次いで、混合物を室温に暖めた。室温で1時間攪拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、水(4.1g)、次いで水酸化ナトリウム(10%水溶液,4.1mL)で処理した。得られたスラリーをろ過し、THFで洗浄した。合わせたろ液を、蒸発乾固し、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−メタノール(7.2g,38mmol,2ステップで76%)を、無色油状物として得た。
【0201】
ステップc:5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール
塩化チオニル(45g,38mmol)を、(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−メタノール(7.2g,38mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に、0℃でゆっくり加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、次いで蒸発乾固した。残渣を、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)とジクロロメタン(100mL)との間で分配した。分離した水層をジクロロメタン(150mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固し、粗5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール(4.4g)を得、これをこれを次のステップで直接使用した。
【0202】
ステップd:(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−アセトニトリル
粗5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール(4.4g)およびシアン化ナトリウム(1.36g,27.8mmol)の混合物を、ジメチルスルホキシド(50mL)中、室温で一晩攪拌した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固し、粗(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−アセトニトリル(3.3g)を得、これを次のステップで直接使用した。
【0203】
ステップe:1−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル
水酸化ナトリウム(50%水溶液,10mL)を、粗(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−アセトニトリル、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(3.00g,15.3mmol)および1−ブロモ−2−クロロエタン(4.9g,38mmol)の混合物に、70℃でゆっくりと加えた。
【0204】
混合物を70℃で一晩攪拌し、その後反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固し、粗1−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリルを得、これを次のステップで直接使用した。
【0205】
ステップf:1−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸
1−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル(直前のステップからの粗生成物)を、10%水酸化ナトリウム水溶液(50mL)中で2.5時間還流した。冷却した反応混合物を、エーテル(100mL)で洗浄し、水相を2Mの塩酸でpH2の酸性とした。析出した固体をろ過し、1−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸を白色固体(0.15g,4ステップで1.6%)として得た。ESI−MSm/z計算値:242.04,測定値:241.58(M+l)
+;
【0206】
【化32】
以下の表3は、市販のまたは以下に記載の方法の1つにより製造した、ブロックを構築するアミンのリストを含む。
【0207】
表3:ブロックを構築するアミン
【0208】
【表3-1】
【0209】
【表3-2】
3.B−2:2−tert−ブチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−アミンの製造
【0210】
【化33】
ステップa:6−クロロ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミン
6−クロロ−ピリジン−3−イルアミン(10.0g,77.8mmol)のEtOH(150mL)溶液に、Ag
2SO
4(12.1g,38.9mmol)およびI
2(23.7g,93.4mmol)を室温で加えた。混合物を20℃で一晩攪拌した。溶剤を真空下、蒸発によって除去した。水(100mL)およびEtOAc(200mL)は、残渣に加えた。有機層を分離し、水層をEtOAc(100mL×3)で抽出した。組合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、粗生成物を得、これを、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル7:1)で精製し、6−クロロ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミン(17.1g,86%)を得た。
【0211】
【化34】
ステップb:6−クロロ−2−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イルアミン
6−クロロ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミン(16.0g,62.7mmol)のトルエン(160mL)および水(80mL)溶液に、Et
3N(12.7g,125mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(2.2g,3.1mmol)、CuI(238mg,1.3mmol)および3,3−ジメチル−ブチ−1−ン(7.7g,94mmol)を、N
2雰囲気下で順番に加えた。反応混合物を70℃で3時間加熱し、室温に放冷した。得られた混合物を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、6−クロロ−2−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イルアミン(11.5g,88%)を得、これを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
ステップc:N−[6−クロロ−2−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イル]−ブチルアミド
6−クロロ−2−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イルアミン(11.5g,55.2mmol)およびピリジン(13.1g,166mmol)のCH
2Cl
2(150mL)溶液に、ブチリルクロリド(6.5g,61mmol)を、0℃で滴下した。混合物を室温に暖め、この温度で一晩攪拌した。水(50mL)を−0℃で滴下した。得られた混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、粗N−[6−クロロ−2−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イル]−ブチルアミド(16g)を得、これを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0212】
【化35】
ステップd:2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
粗N−[6−クロロ−2−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イル]−ブチルアミド(16g)のDMF(150mL)溶液に、t−BuOK(12.4g,110mmol)を室温で加えた。混合物を70℃で1時間加熱した。溶剤を真空下、蒸発によって除去した。水(100mL)および酢酸エチル(200mL)を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、粗生成物を得、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル10:1)で精製し、2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(10.8g,2ステップ:94%)を得た。
【0213】
【化36】
ステップe:2−tert−ブチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−アミン
500mLのオートクレーブで、2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(5.0g,24mmol)およびCuSO
4・5H
2O(0.5g,2.0mmol)のアンモニア水(200mL)およびCH
3OH(100mL)溶液を、180℃で加熱し(この温度で、オートクレーブ内の圧力は、約2MPaであった)、10時間攪拌した。混合物を室温に放冷した。溶剤を真空下、蒸発によって除去した。得られた混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、粗生成物を得、これを分取HPLCで精製し、2−tert−ブチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−アミン(1.15g,26%)を得た。
【0214】
【化37】
4.B−3:2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミンの製造
【0215】
【化38】
ステップa:(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH
2Cl
2(200mL)中の6−クロロピリジン−3−アミン(30.0g,0.23mol)、DMAP(1g)およびEt
3N(41.7g,0.47mol)の混合物に、Boc
2O(54.5g,0.25mol)を0℃で加えた。混合物を室温に暖め、一晩攪拌した。混合物を飽和NaHCO
3溶液で洗浄した。水溶液をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を、ブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、tert−ブチル6−クロロピリジン−3−イルカルバメート(50.0g,94%)を得、これを次の反応で直接使用した。
【0216】
【化39】
ステップb:(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
TMEDA(1.45g,12.5mmol)の乾燥Et
2O(30mL)溶液に、n−BuLi(5.0mL,12.5mmol)を−78℃で滴下した。混合物を−78℃で0.5時間攪拌した。(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.14g,5.0mmol)の乾燥Et
2O(10mL)溶液を、反応混合物に、−78℃で滴下し、得られた混合物を−78℃で1時間攪拌し続けた。I
2(1.52g,6.0mmol)の乾燥Et
2O(10mL)溶液を、−78℃で滴下した。混合物をこの温度で1時間攪拌し続けた。反応を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチした。有機層を分離し、水相を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下蒸発させ、残渣を得、これをカラム(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製し、(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.75g,30%)を得た。
【0217】
【化40】
ステップc:[6−クロロ−4−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(23.3g,65.6mmol)、3,3−ジメチル−ブチ−1−ン(53.8g,0.656mol)、CuI(623mg,3.3mmol)およびトリエチルアミン(13.3g,0.13mol)のトルエン(150mL)および水(50mL)脱酸素化溶液に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(2.30g,3.28mmol)を、N
2下で加えた。混合物を、70℃で加熱し、24時間攪拌した。固体をろ取し、酢酸エチル(200mL×3)で洗浄した。ろ液を減圧蒸発させ、残渣を得、これを、カラム(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製し、[6−クロロ−4−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(15.8g,78%)を得た。
【0218】
【化41】
ステップd:2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
THF(200mL)中の[6−クロロ−4−(3,3−ジメチル−ブチ−1−ニル)−ピリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(15.8g,51mmol)およびTBAF(26.6g,0.1mol)の混合物を、還流温度で24時間加熱した。冷却後、混合物を氷水に注ぎ入れ、CH
2Cl
2(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧蒸発させ、残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製し、2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(9.2g,87%)を得た。
【0219】
【化42】
ステップe:2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン
2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(5.0g,24mmol)のNH
3・H
2O(400mL)溶液に、CuSO
4・5H
2O(595mg,2.39mmol)を加えた。混合物を200℃(圧力:3MPa)で24時間加熱した。冷却後、混合物をCH
2Cl
2(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧蒸発させ、残渣を得、これをカラム(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製し、2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン(1.2g,27%)を得た。
【0220】
【化43】
5.B−1:2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミンの製造
【0221】
【化44】
ステップa:3−ブロモ−5−ニトロピリジン−2−アミン
5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミン(30g,0.22mol)の酢酸(200mL)溶液に、10℃で、Br
2(38g,0.24mol)を滴下した。添加後、混合物を20℃で30分攪拌した。該固体をろ過し、次いで酢酸エチル(200mL)に溶解した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液でpH8〜9の塩基性とした。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空濃縮し、3−ブロモ−5−ニトロピリジン−2−アミン(14.8g,32%)を得た。
【0222】
【化45】
ステップb:3−(3,3−ジメチルブチ−1−ニル)−5−ニトロピリジン−2−アミン
3−ブロモ−5−ニトロピリジン−2−アミン(1.0g,4.6mmol)のトルエン/水(5mL/2.5mL)溶液に、Et
3N(1.2mL,9.2mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.3g,0.46mmol)、CuI(35mg,0.18mmol)および3,3−ジメチルブチ−1−ン(0.75g,9.2mmol)を、N
2保護下、順番に加えた。混合物を70℃で2.5時間加熱した。固体をろ過し、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空濃縮し、3−(3,3−ジメチルブチ−1−ニル)−5−ニトロピリジン−2−アミン(0.9g,90%)を得た。
【0223】
【化46】
ステップc:2−tert−ブチル−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
3−(3,3−ジメチルブチ−1−ニル)−5−ニトロピリジン−2−アミン(0.4g,1.8mmol)およびTBAF(1.9g,7.3mmol)のTHF(10mL)溶液を、還流温度で一晩加熱した。反応混合物を真空で濃縮して乾固し、残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空濃縮し、2−tert−ブチル−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.25g,63%)を得た。
【0224】
【化47】
ステップd:2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
2−tert−ブチル−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(2.3g,0.01mol)のMeOH(50mL)溶液に、ラネーNi(0.23g,10%)を、N
2保護下に加えた。混合物を、水素雰囲気(1気圧)下、30℃で1時間攪拌した。触媒をろ取し、ろ液を真空で濃縮して乾固した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル1:2)で精製し、2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン(1.4g,70%)を得た。
【0225】
【化48】
6.B−5:2−エチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミンの製造
【0226】
【化49】
ステップa:(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH
2Cl
2(200mL)中の6−クロロ−ピリジン−3−アミン(30.0g,230mmol)、DMAP(1.0g)およびEt
3N(41.7g,470mmol)の混合物に、Boc
2O(54.5g,250mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に暖め、一晩攪拌した。得られた混合物を、飽和NaHCO
3溶液、およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル10/1)で精製し、tert−ブチル6−クロロピリジン−3−イル−カルバメート(40.0g,76%)を得た。
【0227】
【化50】
【0228】
【化51】
ステップb:(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
TMEDA(25.4g,219.3mmol)の乾燥THF(300mL)溶液に、n−BuLi(87.7mL,219.3mmol)を−78℃で滴下し、混合物をこの温度で0.5時間攪拌した。(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(20g,87.7mmol)のTHF(170mL)溶液を、当該反応混合物に−78℃で滴下し、得られた混合物を、−78℃で1時間攪拌し続けた。次いで、I
2(26.7g,105.3mmol)の乾燥THF(170mL)溶液を、−78℃で滴下した。1時間後、反応を、飽和NH
4Cl水溶液(300mL)でクエンチした。有機層を分離し、水相を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,10/1)で精製し、(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(7g,22.7%)を得た。
【0229】
【化52】
ステップc:tert−ブチル4−(ブチ−1−ニル)−6−クロロピリジン−3−イルカルバメート
(6−クロロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(6.0g,16.9mmol)、1−ブチン(9g,169mmol)、CuI(160.1mg,0.84mmol)およびトリエチルアミン(3.4g,33.2mmol)のトルエン(40mL)および水(14mL)脱酸素溶液に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(592mg,0.84mmol)を、オートクレーブ中、N
2下で加えた。混合物を70℃に加熱し、24時間攪拌した。固体をろ取し、酢酸エチル(60mL×3)で洗浄した。ろ液を減圧蒸発させ、残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,10/1)で精製し、tert−ブチル4−(ブチ−1−ニル)−6−クロロピリジン−3−イルカルバメート(3.5g,74%)を得た。
【0230】
【化53】
ステップd:2−エチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
THF(60mL)中のtert−ブチル4−(ブチ−1−ニル)−6−クロロピリジン−3−イルカルバメート(3.5g,12.5mmol)およびTBAF(6.65g,25mmol)の混合物を、還流温度で24時間加熱した。冷却後、混合物を氷水に注ぎ入れ、CH
2Cl
2(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧蒸発した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,10/1)で精製し、2−エチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(2.0g,89%)を得た。
【0231】
【化54】
ステップe:2−エチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン
2−エチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(1.3g,7.19mmol)のEtOH(20mL)、CuSO
4・5H
2O(179mg,0.72mmol)およびNH
3−H
2O(60ml)懸濁液を、オートクレーブ(100mL)に加えた。反応系を、200℃および2MPaで10時間攪拌した。反応系を25℃に冷却し、水でクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧蒸発した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,10/1)で精製し、2−エチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン(190mg,16%)を得た。
【0232】
【化55】
7.B−6:2−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミンの製造
【0233】
【化56】
ステップa:6−クロロ−4−((1−メチルシクロプロピル)エチニル)ピリジン−3−アミン
6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−アミン(7.0g,28mmol)のEt
3N(100mL)溶液に、1−エチニル−1−メチル−シクロプロパン(11.0g,137mmol)、CuI(0.53g,2.8mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(1.9g,2.8mmol)を、N
2雰囲気下で加えた。混合物を一晩還流し、H
2O(100mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として石油エーテル中3%のEtOAc)によって精製し、6−クロロ−4−((1−メチルシクロプロピル)エチニル)ピリジン−3−アミン(3.0g,53%)を得た。
【0234】
【化57】
ステップb:5−クロロ−2−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
6−クロロ−4−((1−メチルシクロプロピル)エチニル)ピリジン−3−アミン(3.0g,15mmol)のDMF(50mL)溶液に、t−BuOK(3.3g,29mmol)をN
2雰囲気下加えた。混合物を、80℃で一晩加熱し、H
2O(100mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル中3%EtOAc)で精製し、5−クロロ−2−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(2.2g,73%)を得た。
【0235】
【化58】
ステップc:2−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン
100mLのオートクレーブ中で、5−クロロ−2−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(1.0g,4.9mmol)およびCuSO
45H
2O(100mg,0.4mmol)のアンモニア水(60mL)およびEtOH(20mL)溶液を200□に加熱し、この温度で8時間攪拌した。混合物を室温に放冷した。アルコールを真空除去した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として、ジクロロメタン中2%のCH
3OH)で精製し、2−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン(250mg,27%)を得た。
【0236】
【化59】
8.B−7:2−シクロブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミンの製造
【0237】
【化60】
ステップa:エチニルシクロブタンの製造
n−BuLiを、6−クロロヘキ−1−シン(10.0g,86mmol)のTHF(100mL)溶液に、−78℃で滴下した。混合物を、−78℃で20分攪拌した後、40℃まで暖め、その温度で3日間攪拌した。反応をNH
4Clの飽和水溶液でクエンチし、エーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、エーテルを蒸留により除去し、エチニルシクロブタンのTHF溶液を得、これをステップbで使用した。
【0238】
ステップb:tert−ブチル6−クロロ−4−(シクロブチルエチニル)ピリジン−3−イルカルバメート
tert−ブチル6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルカルバメート(7.0g,19.8mmol)のEt
3N(100mL)溶液に、エチニルシクロブタンのTHF溶液(ステップaで製造)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(1.8g,2.1mmol)およびCuI(400mg,2.1mmol)を加えた。反応混合物を、25℃で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として、石油エーテル中の5〜10%の酢酸エチル)で精製し、tert−ブチル6−クロロ−4−(シクロブチルエチニル)ピリジン−3−イルカルバメート(3.6g,60%の収率)を得た。
【0239】
【化61】
ステップc:5−クロロ−2−シクロブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
tert−ブチル6−クロロ−4−(シクロブチルエチニル)ピリジン−3−イルカルバメート(2.6g,8.5mmol)のDMF(50mL)溶液に、t−BuOK(1.9g,16mmol)を加えた。反応混合物を、90℃で2時間攪拌した。混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として石油エーテル中5〜10%の酢酸エチル)で精製し、5−クロロ−2−シクロブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンの純生成物(0.9g,53%の収率)を得た。
【0240】
【化62】
ステップd:2−シクロブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン
5−クロロ−2−シクロブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(200mg,0.97mmol)のEtOH(10mL)およびNH
3・H
2O(30mL)溶液に、CuSO
4・5H
2O(30mg,0.12mmol)を加えた。反応混合物を、3MPa下、180℃で16時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。抽出物を乾燥し、真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として酢酸エチル中5〜10%のMeOH)で精製し、純粋な2−シクロブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン(40mg,22%の収率)を得た。
【0241】
【化63】
【0242】
【化64】
9.B−8の製造
【0243】
【化65】
ステップa:tert−ブチル6−クロロピリジン−3−イル−カーバメート
CH
2Cl
2(200mL)中の6−クロロ−ピリジン−3−アミン(30.0g,230mmol)、DMAP(1.0g)およびEt
3N(41.7g,470mmol)の混合物に、Boc
2O(54.5g,250mmol)を、0℃で加えた。反応混合物を室温に暖め、一晩攪拌した。得られた混合物を、飽和NaHCO
3水溶液およびブライン(100mL)で洗浄し、有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、真空蒸発し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,10/1)で精製し、tert−ブチル6−クロロピリジン−3−イル−カーバメート(40.0g,76%)を得た。
【0244】
【化66】
ステップb:tert−ブチル6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルカーバメート
TMEDA(25.4g,219.3mmol)の乾燥THF(300mL)溶液に、n−BuLi(87.7mL,219.3mmol)を−78℃で滴下し、混合物を、この温度で0.5時間攪拌した。tert−ブチル6−クロロピリジン−3−イル−カーバメート(20g,87.7mmol)のTHF(170mL)溶液を、反応混合物に−78℃で滴下し、得られた混合物を−78℃で1時間攪拌し続けた。次いで、I
2(26.7g,105.3mmol)の乾燥THF(170mL)溶液を、−78℃で滴下した。1時間後、反応を飽和NH
4Cl水溶液(300mL)でクエンチした。有機層を分離し、水相をEtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧濃縮し、残渣を得、これを、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,10/1)で精製し、tert−ブチル6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルカーバメート(10.0g,33%)を得た。
【0245】
【化67】
ステップc:6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−アミン
tert−ブチル6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルカーバメート(10.0g,28mmol)の3MのHCl(600mL)溶液を、60℃で12時間加熱した。混合物を室温に放冷し、飽和NaHCO
3で処理してpH=8とした。水層を、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として石油エーテル中10%の酢酸エチル)で精製し、6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−アミン(6.6g,93%)を得た。
【0246】
【化68】
ステップd:2−(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルアミノ)エタノール
6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−アミン(6.5g,25.5mmol)のCH
3OH(1500mL)溶液に、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)アセタルデヒド(18.0g,103mmol)を加えた。次いで、トリフルオロ酢酸(150mL)およびNaBH
3CN(8.0g,127mmol)を、0℃でゆっくり加えた。混合物を25℃に暖め、攪拌をさらに12時間続けた。混合物を減圧濃縮し、NaOH(3M)で処理してpH=8とした。水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥した。溶剤を真空濃縮し、粗生成物、2−(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルアミノ)エタノール(14.5g)を得、これを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0247】
ステップe:2−(6−クロロ−4−(3,3−ジメチルブチ−1−ニル)ピリジン−3−イルアミノ)エタノール
2−(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルアミノ)エタノール(14.5g,49mmol)のEt
3N(200mL)溶液に、3,3−ジメチルブチ−1−ン(12.0g,146mol)、CuI(0.9g,4.9mmol)およびPd(PPh
3)Cl
2(3.4g,4.9mmol)を、N
2雰囲気下で加えた。混合物を一晩還流し、H
2O(100mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として石油エーテル中3%の酢酸エチル)で精製し、2−(6−クロロ−4−(3,3−ジメチルブチ−1−ニル)ピリジン−3−イルアミノ)エタノール(3.6g,29%)を得た。
【0248】
【化69】
ステップf:2−(2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)エタノール
2−(6−クロロ−4−(3,3−ジメチルブチ−1−ニル)ピリジン−3−イルアミノ)エタノール(3.6g,14.3mmol)のDMF(100mL)溶液に、t−BuOK(3.1g,28mol)を、N
2雰囲気下で加えた。混合物を80℃で12時間加熱し、次いでH
2O(200mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をEtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として、石油エーテル中、3%の酢酸エチル)で精製し、2−(2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)エタノール(1.6g,44%)を得た。
【0249】
【化70】
ステップg:2−(5−アミノ−2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)エタノール
100mLのオートクレーブ中、2−(2−tert−ブチル−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)エタノール(350mg,1.39mmol)およびCuSO
4・5H
2O(35mg,1.4mmol)の混合物を、アンモニア水(14mL)およびCH
3OH(7ml)中で、120℃に14時間で加熱した。混合物を25℃に放冷した。メタノールを真空下、蒸発によって除去し、得られた混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出剤として、ジクロロメタン中5%のCH
3OH)で精製し、2−(5−アミノ−2−tert−ブチル−lH−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)エタノール(50mg,16%)を得た。
【0250】
【化71】
10.1−(ベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)−N−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの製造
【0251】
【化72】
2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン(325mg,0.158mmol)および1−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボン酸(300mg,1.58mmol)を、トリエチルアミン(659μL,0.470mmol)を含有するアセトニトリル(10mL)に溶解した。O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(608mg,1.60mmol)を混合物に加え、得られた溶液を16時間攪拌し、その間に大量の析出物が形成された。反応混合物をろ過し、フィルターケーキをアセトニトリルで洗浄し、次いで乾燥し、1−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−N−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(397mg,67%)を得た。ESI−MSm/z計算値:377.2,測定値;378.5(M+l)
+;保持時間:1.44分。
【0252】
【化73】
11.N−(2−tert−ブチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの製造
【0253】
【化74】
HATU(38mg,0.10mmol)を、1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボン酸(24mg,0.10mmol)、2−(5−アミノ−2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−l−イル)エタノール(23mg,0.10mmol)およびトリエチルアミン(42μL,0.30mmol)のDMF(1mL)溶液に加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物をろ過し、逆相HPLC(0.035%TFAを含む10〜99%CH
3CN−H
2O)で精製し、N−(2−tert−ブチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドを得た。ESI−MSm/z計算値:457.2,測定値:458.5(M+l)
+。保持時間:1.77分。
【0254】
【化75】
12.N−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの製造
【0255】
【化76】
HATU(31mg,0.083mmol)を、1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボン酸(18mg,0.075mmol)、2−tert−ブチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−アミン(16mg,0.083mmol)およびトリエチルアミン(21μL,0.15mmol)のDMF(1mL)溶液に加えた。反応系を60℃で18時間攪拌した。混合物をろ過し、逆相HPLC(0.035%TFAを含む10〜99%CH
3CN−H
2O)で精製し、N−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドを、TFA塩として得た。ESI−MSm/z計算値:413.2,測定値:414.1(M+l)
+。保持時間:2.86分。
【0256】
13.N−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの製造
【0257】
【化77】
HATU(31mg,0.083mmol)を、1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボン酸(18mg,0.075mmol)、2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−アミン(16mg,0.083mmol)およびトリエチルアミン(21μL,0.15mmol)のDMF(1mL)溶液に加えた。反応系を、60℃で18時間攪拌した。混合物をろ過し、逆相HPLC(0.035%TFAを含む10〜99%CH
3CN−H
2O)で精製し、N−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][l,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドを、TFA塩として得た。ESI−MSm/z計算値:413.2,測定値:414.3(M+l)
+。保持時間:3.25分。
【0258】
14.追加の化合物の製造
表3の化合物は、実施例10〜13で概要を示したカップリング反応を使用し、酸AおよびアミンBから製造した。
【0259】
表3
【0260】
【表3-3】
【0261】
【表3-4】
先の実施例に従って製造した本発明の化合物の特性データを以下に示す。
【0262】
表4
【0263】
【表4】
化合物のΔF508−CFTR修正特性を検出し、測定するためのアッセイ
化合物のΔF508−CFTR調節特性をアッセイするための膜電位光学的方法
該アッセイは、NIH3T3細胞における機能的ΔF508−CFTR増加の読み出しとして、蛍光プレートリーダー(たとえば、FLIPR III,Molecular Devices社)を使用し、蛍光電圧検知染料を利用して、膜電位の変化を測定する。応答用の駆動力は、先に細胞を化合物で処理し、次いで電圧検知染料を含ませた後、単一液体追加ステップにより、チャネル活性化とともに塩素イオン勾配の作成である。
【0264】
修正化合物の同定
ΔF508−CFTRに関連する輸送欠陥を修正する小分子を同定するために、単一追加HTSアッセイフォーマットを作った。細胞を含有するアッセイプレートを、37℃、5%CO
2、湿度90%の組織培養インキュベーターで、約2〜4時間培養する。次いで、細胞をアッセイプレートの底に付着させ、いつでも化合物に曝露させる状態とする。
【0265】
細胞を、37℃、5%CO
2、湿度90%の組織培養インキュベーター中、試験化合物の存在下または不存在下(ネガティブコントロール)で、血清のない培地中、16〜24時間培養した。次いで、細胞をクレブス・リンゲル液で3回濯ぎ、電圧検知再分布染料を含ませた。ΔF508−CFTRを活性化するために、10μMのホルスコリンおよびCFTR増強剤、ゲニステイン(20μM)を、Cl
−のない培地とともに、各ウェルに加えた。Cl
−のない培地の添加によりΔF508−CFTR活性に応答して、Cl
−排出が促進され、得られた膜の脱分極を、電圧センサー染料を使用して、光学的にモニターした。
【0266】
増強剤化合物の同定
ΔF508−CFTRの増強剤を同定するために、二重付加HTSアッセイフォーマットを作った。このHTSアッセイは、蛍光電圧検知染料を利用して、温度修正されたΔF508CFTR NIH3T3細胞内のΔF508CFTRの開閉(コンダクタンス)の増加に関する測定値として、FLIPR III上の膜電位の変化を測定する。応答用の駆動力は、先に細胞を増強剤化合物(またはDMSOビヒクルコントロール)で処理し、次いで再分布染料を含ませた後、FLIPR IIIのような蛍光プレートリーダーを使用する単一液体追加ステップにおけるチャネル活性化を伴うCl
−イオン勾配と、ホルスコリンである。
【0267】
溶液:
浴溶液#1:(単位:mM)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl
2 2、MgCl
2 1、HEPES10、NaOHでpH7.4
塩素イオンのない浴溶液:浴溶液#1中のクロリド塩を、グルコン酸塩で置換する。
【0268】
細胞培養
ΔF508−CFTRを安定に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学的測定のために使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、2mMのグルタミン、10%のウシ胎児血清、1×NEAA、β−ME、1×ペン/連鎖球菌(pen/strep)、および25mMのHEPESを加えたダルベッコー修飾イーグル培地、5%CO
2および湿度90%、37℃で維持する。全ての光学的アッセイについて、細胞を、384−ウェルマトリゲル被覆プレートに約20,000個/ウェルで播種し、37℃で2時間培養し、その後、増強剤アッセイについては、27℃で24時間培養した。修正アッセイについては、細胞を27℃または37℃で、化合物とともにおよびなしで、16〜24時間培養する。
【0269】
化合物のΔF508−CFTR調節特性をアッセイするための電気生理学的アッセイ
1.ウッシングチャンバーアッセイ
ウッシングチャンバー試験を、ΔF508−CFTRを発現する、偏光された気管上皮細胞上で行い、さらに、光学的アッセイで同定されたΔF508−CFTRモジュレーターにさらに特徴づけを行った。非CFおよびCF気管上皮を気管支内組織から単離し、先に記載したように培養し(Galietta,L.J.V.,Lantero,S.,Gazzolo,A.,Sacco,O.,Romano,L.,Rossi,G.A.,&Zegarra−Moran,O.(1998)In Vitro Cell.Dev.Biol.34,478−481)、先にNIH3T3でコンディショニングした培地でプレコートした、Costar(登録商標)Snapwell(商標)フィルターに平板培養した。4日後、先端の培地(apical media)を除去し、使用する前に、細胞を空気液体界面で、>14日間成長させた。これにより、繊毛のある、完全に分化した円筒細胞の単分子層を得、これは、気管上皮に典型的な特徴である。いかなる公知の肺疾患も持たない非喫煙者から、非CF HBEを単離した。ΔF508−CFTRに関して同型接合患者から、CF−HBEを単離した。
【0270】
Costar(登録商標)Snapwell(商標)細胞培養挿入物上で成長したHBEを、ウッシングチャンバー(Physiologic Instruments社,San Diego,CA)に固定し、経上皮抵抗および短絡回路電流を、基底面からアピカルまでのCl
−勾配(basolateral to apical Cl
−gradient)(I
SC)の存在下、電圧−クランプシステム(Department of
Bioengineering,University of Iowa,IA)を使用して測定した。簡単に言うと、HBEを、電圧−クランプ記録状態(V
hold=0mV)下、37℃で調べた。基底面溶液は、145のNaCl、0.83のK
2HPO
4、3.3のKH
2PO
4、1.2のMgCl
2、1.2のCaCl
2、10のグルコース、10のHEPES(pHはNaOHで7.35に調整)(単位:mM)を含有し、アピカル溶液は、145のNaグルコナート、1.2のMgCl
2、1.2のCaCl
2、10のグルコース、10のHEPES(pHはNaOHで7.35に調整)(単位:mM)を含有していた。
【0271】
修正化合物の同定
典型的なプロトコルは、頂端膜Cl
−濃度勾配に対する基底面を利用した。この勾配を設定するため、正常な信号機を側底膜上で使用し、一方、アピカルNaClを等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4に滴定)で置き換え、上皮を横切る大きなCl
−濃度勾配を得た。全ての実験は、無処理の単分子層で行った。ΔF508−CFTRを完全に活性化するために、ホルスコリン(10μM)、PDE阻害剤、IBMX(100μM)およびCFTR増強剤、ゲニステイン(50μM)を、アピカル側に加えた。
【0272】
他の細胞のタイプで観察されるように、ΔF508−CFTRを発現する疾患CF患者(CF−HBE)から単離した、FRT細胞およびヒト気管支上皮細胞の低温培養により、細胞質膜中のCFTRの機能的密度は増加する。修正化合物の活性を測定するため、細胞を、試験化合物とともに、37℃で24〜48時間培養し、次いで、記録する前に、3回洗浄した。化合物で処理した細胞中のcAMP−およびゲニステイン−介在I
scを、37℃コントロールに、ノーマライズし、wt−HBEにおけるCFTR活性のパーセント活性として表わした。修正化合物による細胞の予備培養により、cAMP−およびゲニステイン−介在I
scは、37℃コントロールに比較して、大きく増加していた。
【0273】
増強剤化合物の同定
典型的なプロトコルは、頂端膜Cl
−濃度勾配に対する基底面を利用した。この勾配を設定するため、正常な信号機を側底膜上で使用し、一方、アピカルNaClを等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4に滴定)で置き換え、上皮を横切る大きなCl
−濃度勾配を得た。ホルスコリン(10μM)および全ての試験化合物を、細胞培養挿入物のアピカル側に加えた。推定上のΔF508−CFTR増強剤の効力を、公知の増強剤、ゲニステインと比較した。
【0274】
2.パッチ−クランプ記録
ΔF508−NIH3T3細胞中の総Cl
−電流を、先に記載した、有孔パッチ記録形状(Rae,J.,Cooper,K.,Gates,P.,& Watsky,M.(1991)J.Neurosci.Methods37,15−26)を使用してモニターした。電圧−クランプ記録を、Axopatch200Bパッチ−クランプ増幅器(Axon Instruments社,Foster City,CA)を使用して22℃で行った。ピペット溶液は、150のN−メチル−D−グルカミン(NMDG)−Cl、2のMgCl
2、2のCaCl
2、10のEGTA、10のHEPESおよび240μg/mlのアンホテリシン−B(pHをHClで7.35に調整)(単位:mM)を含有していた。細胞外培地は、150のNMDG−Cl、2のMgCl
2、2のCaCl
2、10のHEPES(pHをHClで7.35に調整)(単位:mM)を含有していた。パルス発生、データ取得および分析は、Clampex8(Axon Instruments社)とともに、Digidata1320A/Dインターフェースを備えるPCを使用して行った。ΔF508−CFTRを活性化するため、10μMのホルスコリンおよび20μMのゲニステインを、浴に加え、電流−電圧関係を30秒ごとにモニターした。
【0275】
修正化合物の同定
細胞質膜内で機能的ΔF508−CFTRの密度を増やす修正化合物の活性を測定するために、修正化合物で24時間処理した後、先に記載した有孔パッチ記録方法を使用して、電流密度を測定した。ΔF508−CFTRを完全に活性化するための、10μMのホルスコリンおよび20μMのゲニステインを細胞に加えた。我々の記録条件下で、27℃での24時間培養後の電流密度は、37℃で24時間培養後に観察された電流密度より高かった。これらの結果は、細胞質膜内のΔF508−CFTRの密度における低温培養の公知の効果と一致している。CFTR電流密度における修正化合物の効果を測定するため、細胞を、37℃で24時間10μMの試験化合物とともに培養し、電流密度を、27℃および37℃コントロールと比較した(%活性)。記録する前に、細胞を、細胞外記録培地で3回洗浄し、残っているいかなる試験化合物も除去した。10μMの修正化合物を用いた予備培養により、37℃コントロールと比較して、cAMPおよびゲニステイン依存性電流は、大きく増加した。
【0276】
増強剤化合物の同定
ΔF508−CFTRを安定的に発現する、NIH3T3細胞中のマクロΔF508−CFTR Cl
−電流(I
ΔF508)を増やすΔF508−CFTR増強剤の能力も、有孔パッチ記録方法を使用して調べた。光学的アッセイから同定される増強剤は、I
ΔF508における用量依存性増加、および光学的アッセイにおいて観察される類似の潜在能および効力を誘起した。調べた全ての細胞において、増強剤適用の前および間の逆転電位は、−30mVの付近であり、これは、計算E
Cl(−28mV)である。
【0277】
細胞培養
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、全細胞記録をするために使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、2mMのグルタミン、10%のウシ胎児血清、1×NEAA、β−ME、1×ペン/連鎖球菌、および25mMのHEPESを加えたダルベッコー修飾イーグル培地、5%CO
2および湿度90%、37℃で維持する。全細胞記録のために、2,500〜5,000個の細胞を、ポリ−L−リシン被覆カバーガラスに播種し、27℃で24〜48時間培養し、その後増強剤の活性を試験するために使用する。修正剤の活性を測定するために、修正化合物とともにまたはなしで、37℃でインキュベートする。
【0278】
3.単一チャネル記録
NIH3T3細胞で発現される、wt−CFTRと温度修正ΔF508−CFTRとの開閉活性を、Axopatch200Bパッチ−クランプ増幅器(Axon Instruments社)を使用する、先に記載した切除したインサイドアウトの膜パッチ記録(Dalemans,W.,Barbry,P.,Champigny,G.,Jallat,S.,Dott,K.,Dreyer,D.,Crystal,R.G.,Pavirani,A.,Lecocq,J−P.,Lazdunski,M.(1991)Nature354,526−528)を使用して観察した。ピペットは、150のNMDG、150のアスパラギン酸、5のCaCl
2、2のMgCl
2および10のHEPES(単位:mM)(pHをトリス塩基で7.35に調整)を含有していた。浴は、150のNMDG−Cl、2のMgCl
2、5のEGTA、10のTESおよび14のトリス塩基(単位:mM)(pHをHClで7.35に調整)を含有していた。切除後、wt−およびΔF508−CFTRの両方を、1mMのMg−ATP、75nMのcAMP−依存性タンパク質キナーゼの触媒サブユニット(PKA;Promega社Madison,WI)および10mMのNaFを加え、電流ランダウンを阻止するタンパク質ホスファターゼを抑制することによって活性化した。ピペット電流は、80mVに維持した。チャネル活性を、≦2個の活性チャネルを含有する膜パッチから分析した。同時開口の最大数を、実験中の活性チャネルの数とした。単一チャネル電流振幅を測定するために、120秒からΔF508−CFTR活性を記録したデータを、「オフライン」下、100Hzでフィルターにかけた。次いで、Bio−Patch分析ソフトウェア(Bio−Logic社France)を使用する複数のガウス機能を持つ、全点振幅ヒストグラムを構築するために、使用した。総微視的電流および開確率(P
o)を、120秒のチャネル活性から測定した。P
oは、Bio−Patchソフトウェアを使用して、または関係式:P
o=I/i(N)(式中、I=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、およびN=パッチ中の活性チャネルの数)から求めた。
【0279】
細胞培養
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除した膜パッチ−クランプ記録するために使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、2mMのグルタミン、10%のウシ胎児血清、1×NEAA、β−ME、1×ペン/連鎖球菌、および25mMのHEPESを加えたダルベッコー修飾イーグル培地、5%CO
2および湿度90%、37℃で維持する。単一チャンネル記録のために、2,500〜5,000個の細胞を、ポリ−L−リシン被覆カバーガラスに播種し、27℃で24〜48時間培養し、その後使用した。
【0280】
表1の化合物は、先に記載したアッセイにおいて測定されたように、修正活性を発揮することがわかった。
【0281】
本発明の化合物は、ATP結合カセット輸送体のモジュレーターとして有用である。先に記載した手順を使用することで、本発明の化合物の活性、すなわちEC50を測定し、表5に示す。
【0282】
表5
【0283】
【表5】