(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937568
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】海苔と穀物シートとを利用した海苔スナック及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23G 3/00 20060101AFI20160609BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20160609BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20160609BHJP
【FI】
A23G3/00
A23L7/10 Z
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-255704(P2013-255704)
(22)【出願日】2013年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-117280(P2014-117280A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2013年12月17日
(31)【優先権主張番号】61/738,687
(32)【優先日】2012年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2013-0109209
(32)【優先日】2013年9月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チュン スヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク チョドン
(72)【発明者】
【氏名】イ チャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】アン チョンソク
(72)【発明者】
【氏名】クウォン ソンヒ
(72)【発明者】
【氏名】シン ソンウ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ソヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンヒ
【審査官】
坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−109127(JP,A)
【文献】
実開平04−043986(JP,U)
【文献】
韓国公開特許第10−2000−0065416(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2001−0010920(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2005−0072639(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2003−0035702(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 3/00
A23L 7/10
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS(STN)
FOOD SCIENCE AND TECHNOLOGY ABSTRACTS/FOODLINE(ProQuest Dialog)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物シートに接合液を塗布する段階であって、前記接合液が、水、食塩水及び糖液から選択される、前記段階と、
接合液が塗布された穀物シートの上に海苔を載せる段階と、
前記穀物シートと海苔とを押して接合させ、二重シートを形成する段階と、
前記二重シートの上にオイルを塗布する段階と、
前記塗布されたオイルにシーズニングを振り掛ける段階と、
前記シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く段階と、
を含む、海苔スナックの製造方法。
【請求項2】
前記穀物シートと海苔とを押して接合させ二重シートを形成するとき、ローラやプレス器を使用することを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ローラやプレス器の表面に特定形状を刻む、あるいは屈曲を加え、前記特定の形状または屈曲が、前記二重シートの表面に反映される、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く前に切断する段階をさらに含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記シートを切断する段階が、ローラカッティング、超音波振動カッティングまたはレーザカッティングによって行われる、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記穀物シートが、澱粉100重量部に対して、米粉を1ないし100重量部を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記穀物シートが、海老、胡麻、黒ごま、海苔パウダー、煮干類、イカ、及びそれらの組み合わせから選択された原材料を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記糖液が、砂糖、マルチトール、ポリグリシトール、オリゴ糖、蜂蜜、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択された糖の水溶液である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記接合液が、さらに加味剤を含んでもよい、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記加味剤が、レモン濃縮液、生姜濃縮液、梅濃縮液、緑茶粉末、桂皮シロップ、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記オイルが、とうもろこし油、大豆油、キャノーラ油、ぶどう種子油、ひまわり油、ごま油、エゴマ油、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記オイルに、バニラ、桂皮、バター、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択されるものを添加する、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記オイルに抗酸化剤を添加する、請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
前記抗酸化剤が、ハーブ抽出物、茶カテキン、トコフェロール、グレープフルーツ抽出物、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記シーズニングが、砂糖、塩、胡椒、ウコン、わさび、緑茶、焼肉、キムチ、トッポッキ、ライム及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
前記焼く段階が、200〜270℃のオーブンで焼くか、あるいは150〜380℃の過熱水蒸気オーブンで焼く段階である、請求項1に記載の海苔スナックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔スナックの製造方法に関し、さらに具体的には、海苔スナック製造に有用な穀物シートを利用して製造される新たな海苔スナック及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海苔は、アジア人の食卓に頻繁に上がる大衆的な食品である。海苔は、他の一般の海藻類に比べて、タンパク質含有量が高く、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなどのアミノ酸が多い。また、食物纎維含有量も高く、健康食であると知られており、成人病抑制、スキンケア、癌予防などに役に立つ栄養素をおしなべて備えた優秀な海藻食品である。
【0003】
伝統的に海苔は、乾かした海苔をそのまま焼く、または油と塩とをつけて焼き、適切な大きさに切断しておかずとして食べるか、あるいは海苔巻きを作って食べるか、あるいはビビンバやトック汁のつまとして利用するか、それ以外にも、海苔プガク(kimbugak)にされる。
【0004】
本発明と類似した製品として、海苔を利用した伝統スナックである海苔プガクがある。海苔プガクは、その製造方法が地域ごとに異なるが、一般的に、乾かした海苔に、味付けしたもち米糊を塗り、その上に別の海苔を付け、その上にもち米糊をさらに塗り、ごまなどの様々なつまを振り掛けた後、日陰で一日二日乾燥させ、適当な大きさに切断して完成するか、あるいはそれを油で揚げて完成する。
【0005】
従来、海苔プガクを製造する多様な方法が開発されている。
【0006】
特許文献1は、野菜類、香辛料、醤油、煮干、干し海老、海老塩辛、魚醤油などを含む調味液をもち米糊に加え、味を向上させた海苔プガクの製造方法を開示している。
【0007】
特許文献2は、もち米糊に貝汁を添加して味をつけ、これを乾燥海苔に塗った後、乾燥する前にコロイドシルバーを噴射することを含む、コロイドシルバーが含有された海苔プガクの製造方法を開示している。
【0008】
特許文献3は、ナツメ、緑茶、桑の葉、高麗人参、きのこ、枸杞の実、サンシュユのうち少なくとも一つを、粉末または粒子状に含むもち米糊を利用して、少なくとも2枚の海苔を接合させた後、乾燥後に揚げる海苔プガクの製造方法を開示している。
【0009】
特許文献4は、海苔と海苔との間に乾燥果物類、乾燥種子類、乾燥ユクポ類、乾燥オポ類などを付着させて乾燥させた後、切断、包装する二重海苔の製造方法を開示している。
【0010】
このように、海苔プガク及び海苔スナック製品の多様な製造方法が開発されたが、油で揚げた製品であるために、カロリーが高く、さらに保存期間が6ヵ月未満と短いことから経済性に乏しく、輸出に大きな障壁になる。また、油で揚げずに乾燥だけして製造された海苔プガクは、切断面が鋭利であり、摂取時に、口の中の粘膜を損傷させる恐れがあり、硬くて噛み切りにくい特性を有するので、食べ難いという短所がある。従って、さらに製造しやすく、保存性と、パリッとした噛み心地が向上した海苔スナックの開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許公開2001−0010920号公報
【特許文献2】韓国特許公開2003−0035702号公報
【特許文献3】韓国特許公開2005−0072639号公報
【特許文献4】韓国特許公開2000−0065416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、既存の海苔プガクのような伝統海苔スナックが有している短所である保存性及び味品質が向上した海苔スナックを、新たな材料及び製法を利用して提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面は、穀物シートを海苔と接合させて得た二重シート(sheet)を焼いて製造した海苔スナックを提供する。
【0014】
本発明の他の一側面は、穀物シートに接合液を塗布する段階と、接合液が塗布された穀物シートの上に海苔を載せる段階と、前記穀物シートと海苔とを押して接合させ、二重シートを形成する段階と、前記二重シートの上にオイルを塗布する段階と、前記塗布されたオイルにシーズニングを振り掛ける段階と、前記シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く段階と、を含む、海苔スナックの製造方法を提供する。
【0015】
より具体的には、本発明は以下を提供する。
[1]穀物シートを海苔と接合させて得た二重シートを焼いて(roasting)製造した海苔スナック。
[2]前記穀物シートが、澱粉100重量部に対して、米粉を1〜100重量部含む、[1]に記載の海苔スナック。
[3]前記穀物シートが、海老、胡麻、黒ごま、海苔パウダー、煮干類、イカ、及びそれらの組み合わせから選択された原材料を約2重量%含む、[1]に記載の海苔スナック。
[4]前記二重シートにオイルを塗布し、シーズニングを振り掛けた後で焼くことにより製造される、[1]に記載の海苔スナック。
[5]前記穀物シートと海苔とが、水、食塩水及び糖液から選択された接合液で接合されている、[1]に記載の海苔スナック。
[6]前記糖液が、砂糖、マルチトール、ポリグリシトール、オリゴ糖、蜂蜜、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択された糖の水溶液である、[5]に記載の海苔スナック。
[7]前記接合液が、さらに加味剤を含んでもよい、[5]に記載の海苔スナック。
[8]前記加味剤が、レモン濃縮液、生姜濃縮液、梅濃縮液、緑茶粉末、桂皮シロップ、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、[7]に記載の海苔スナック。
[9]前記オイルが、とうもろこし油、大豆油、キャノーラ油、ぶどう種子油、ひまわり油、ごま油、エゴマ油、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、[4]に記載の海苔スナック。
[10]前記オイルが、バニラ、桂皮、バター、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される少なくとも一つのものをさらに含む、[9]に記載の海苔スナック。
[11]前記オイルが、抗酸化剤をさらに含む、[9]に記載の海苔スナック。
[12]前記抗酸化剤が、ハーブ抽出物、茶カテキン、トコフェロール、グレープフルーツ抽出物、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、[11]に記載の海苔スナック。
[13]前記シーズニングが、砂糖、塩、胡椒、ウコン、わさび、緑茶、焼肉、キムチ、トッポッキ、ライム及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される、[4]に記載の海苔スナック。
[14]200〜270℃のオーブンで焼くか、あるいは150〜380℃の過熱水蒸気オーブンで焼くことにより製造される、[1]に記載の海苔スナック。
[15]穀物シートに接合液を塗布する段階と、
接合液が塗布された穀物シートの上に海苔を載せる段階と、
前記穀物シートと海苔とを押して接合させ、二重シートを形成する段階と、
前記二重シートの上にオイルを塗布する段階と、
前記塗布されたオイルにシーズニングを振り掛ける段階と、
前記シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く段階と、
を含む、[1]〜[14]のうち、いずれか1つに記載の海苔スナックの製造方法。
[16]前記穀物シートと海苔とを押して接合させ二重シートを形成するとき、ローラやプレス器を使用することを含む、[15]に記載の製造方法。
[17]前記ローラやプレス器の表面に特定形状を刻む、あるいは屈曲を加え、前記特定の形状または屈曲が、前記二重シートの表面に反映される、[16]に記載の製造方法。
[18]前記シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く前に切断する段階をさらに含む、[17]に記載の製造方法。
[19]前記シートを切断する段階が、ローラカッティング、超音波振動カッティングまたはレーザカッティングによって行われる、[18]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明による海苔スナックは、オーブンで焼いて製造されるので、口当たりがぱりっとしており、流通期限も、従来の海苔スナックの1.5倍以上延長が可能である。オーブンで焼く場合、穀物シートが海苔と共に焼かれ、さらにぱりっとした口当たりと、穀物シート固有の香ばしい味とが向上し、香ばしい海苔スナックが製造される。従って、従来海苔にもち米糊を塗布して乾燥させた後で製造した海苔プガクの場合と異なり、硬くなくてぱりっとした口当たりを有することができるというところが特徴である。さらに重要なことは、油で揚げずに、このようなぱりっとした口当たりを有することができ、従来油で揚げて製造される海苔プガクに比べて、保存性が高くて品質維持期間が長いという点である。しかる後、本発明が目的とする保存性及びぱりっとした口当たりにいずれもすぐれる海苔スナックが製造される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一具現例による海苔スナックの製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の一具現例による海苔スナックの模式図である。
【
図3】本発明の他の具現例による海苔スナックの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0019】
本発明で使用される全ての技術用語は、取り立てて定義されない以上、本発明の関連分野で通常の当業者が一般的に理解するような意味で使用される。また、本明細書には、望ましい方法や試料が記載されるが、それと同様であるか、あるいは同等なものも本発明の範疇に含まれる。本明細書に引用文献として記載される全ての刊行物の内容は、本発明に全体が参照として統合される。
【0020】
本発明者らは、既存海苔スナック製品が有している短所である短い品質維持期限を延長させ、口当たりをぱりっとしたものに向上させた海苔スナックの開発のために研究した。その結果、従来海苔プガクの製造に使用されなかった穀物シートを海苔と接合させ、得られた海苔及び穀物シートで作った二重シートを、油で揚げずに焼くことにより、海苔スナックを製造する新たな方法を考案するに至った。かような方法で製造された海苔スナックは、油で揚げないことから保存性が高いだけではなく、穀物シートが海苔と共に焼かれ、従来の海苔にもち米糊を塗って乾燥させた場合と異なり、硬くなくて柔らかく、ぱりっとした口当たりを有する。しかる後、従来の海苔プガクの問題点であった低い保存性あるいは硬い口当たりという問題を解決することが可能になった。
【0021】
従って、本発明は、一側面において、穀物シートを海苔と接合させて得た二重シートを焼いて製造した海苔スナックを提供する。
【0022】
本明細書で、用語「穀物シート」とは、任意の形態の薄シート(sheet)であり、米粉(rice powder)及び/または澱粉のような穀物と水とで製造したものである。前記穀物シートは、澱粉パウダーに、さらに米粉が混合されて製造されたものである。また、海老、胡麻、黒ごま、海苔パウダー、煮干類、イカ、またはそれらの組み合わせなどの原材料(raw material)を追加し、原材料特有の味を追加して歯応えを向上させる。
【0023】
前記穀物シートは、例えば、澱粉の含量100重量部に対して、米粉の含量が1〜100重量部であり、望ましくは、1〜50重量部であり、さらに望ましくは、澱粉100重量部に対して、米粉約20重量部である。前記米粉用の米は、白米、玄米、赤米、緑米及び/またはもち米であり得る。前記澱粉は、じゃがいも澱粉、さつまいも澱粉、タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得、望ましくは、タピオカ澱粉が選択され得る。本発明の一具現例によれば、タピオカ澱粉100重量部に対して、米粉30重量部の比率で製造された穀物シートが利用される。前記穀物シートは、市中で販売される穀物シート製品を購入して使用するか、あるいは従来公知の方法を利用して、直接製造して使用することもできる。
【0024】
前記二重シートを構成する穀物シート及び海苔は、1枚ずつ使用することもできるが、互いに重なった1枚以上のシートとして使用することもできる。
【0025】
従って、本発明による海苔スナックは、穀物シート(3)及び海苔(1)が1枚ずつ使用され、接合液(2)がこれらの間に存在する
図2のような模式図に示され得、または、穀物シート(3)2枚が海苔(1)1枚の両面に接合液(2)を介して接合された、
図3のような模式図に示され得る。または、海苔2枚が穀物シート1枚の両面に接合された形態を有することもできる。
【0026】
前記二重シートを製造するために、穀物シートを海苔と接合させる方法は、特別に制限されるものではなく、食品学的に許容される任意の方法を利用して遂行することができる。具体的には、前記穀物シート及び海苔を、水、食塩水、澱粉水及び糖液から選択された接合液を媒介にして接合する。穀物シートに接合液を塗布した後、海苔を積層させることにより、または反対に、海苔に接合液を塗布した後、穀物シートを積層させることにより、二重シートを製造する。穀物シート及び海苔の特性上、穀物シートを水のみに浸して海苔を付けても、容易に接合される。
【0027】
前記食塩水の濃度は、特別に制限されるものではなく、製造する海苔スナックの塩味(saltiness)によって、当業者が適切に選択することができる。塩も、その種類が特別に制限されるものではなく、一般の塩、天日塩、竹塩、海藻塩、加工塩など当業者が適切に選択することができる。
【0028】
前記糖液は、食品学的に許容される任意の糖が利用され、多糖類、オリゴ糖類、二糖類、または単糖類のいずれもが可能である。具体的には、前記糖液として、砂糖、マルチトール(maltitol)、ポリグリシトール、オリゴ糖、蜂蜜、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択された糖の水溶液が利用される。前記糖液の濃度は、特別に限定されるものではなく、当業者が適切に選択することができる。
【0029】
前記接合液は、前記水、食塩水、澱粉水または糖液以外に、さらに加味剤を含んでもよい。加味剤を追加することにより、海苔スナックにさらに所望の味を付け加えることができる。前記加味剤は、食品学的に許容される任意の加味剤が利用され、レモン濃縮液、生姜濃縮液、梅濃縮液、緑茶粉末、桂皮シロップ、海老エキス、かつおぶし抽出物、ハーブエキス、焼肉やライムなどの味シーズニング(flavor seasoning)から選択される。
【0030】
本発明の一具現例による海苔スナックは、前記穀物シートを海苔と接合させて得た二重シートにオイルを塗布し、シーズニングを振り掛けた後で焼いて製造する。前記オイルを塗布することにより、海苔スナックの風味を増進させることができ、シーズニングを振り掛けることにより、シーズニングの種類によって、多様な味を付け加えることができる。
【0031】
前記オイルは、食品学的に許容される任意のオイルが使用され、具体的には、とうもろこし油、大豆油、キャノーラ油、ぶどう種子油、ひまわり油、ごま油、エゴマ油(perilla seed oil)、またはそれらの組み合わせが利用される。前記オイルに、さらにバニラ、桂皮またはバターなどを添加することにより、味を向上させる、および風味を増進させることもできる。前記オイルに抗酸化剤を付加し、保存性を高めることもできる。かような抗酸化剤は、当技術分野で、オイルの酸化を抑制すると知られている任意の抗酸化剤が利用され、例えば、ハーブ抽出物、グレープフルーツ抽出物、茶抽出物、トコフェロール、茶カテキンなどが利用される。
【0032】
前記シーズニングは、製造する海苔スナックの味の種類に合うシーズニングを選択する。前記シーズニングは、食品学的に許容されるものであるならば、特別に制限されるものではなく、具体的には、砂糖、塩、胡椒、ウコン(tumeric)、わさび、緑茶、焼肉、キムチ、トッポッキ、ライム、及びそれらの組み合わせから構成された群から選択される。シーズニングの特性によって、オーブン焼き工程の前後でその工程段階を調節する。
【0033】
前記本発明による海苔スナックは、任意の方法で焼いて製造され、オーブンで焼くことが望ましく、具体的には、200〜270℃のオーブンで焼く、あるいは150〜380℃の過熱水蒸気オーブンで焼くことができる。
【0034】
前記海苔スナックは、焼く前に適切な大きさ及び形に切り、所望の形及び大きさを有する海苔スナックにすることもできる。
【0035】
本発明は、他の一側面において、穀物シートに接合液を塗布する段階と、接合液が塗布された穀物シートの上に海苔を載せる段階と、前記穀物シートと海苔とを押して接合させ、二重シートを形成する段階と、前記二重シートの上にオイルを塗布する段階と、前記塗布されたオイルにシーズニングを振り掛ける段階と、前記シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く段階とを含む、前記本発明の一側面による海苔スナックの製造方法を提供する。
【0036】
前記穀物シートと海苔とを押して接合させるとき、接合のための任意の方法が利用され、例えば、ローラやプレス器を使用することができる。このとき、ローラやプレス器の表面に、特定形状を刻む、あるいは屈曲を加え、二重シートが形成されるとき、二重シートの表面に前記特定形状あるいは屈曲が反映され、最終的に製造される海苔スナックに、特定形状または屈曲が刻まれる。前記ローラやプレス器は、食品製造分野に汎用される機器であり、当技術分野で周知されているものである。
【0037】
前記製造方法は、シーズニングが振り掛けられたシートをオーブンで焼く前に、切断する段階をさらに含んでもよい。かような切断によって、所望の大きさ及び形の海苔スナックを製造する。前記海苔スナックが焼かれた後、適切な大きさに切ることもできるが、焼いた後に切る場合には、切れ屑が生ずることがあり、所望の形に切り難いという傾向がある。前記切断は、任意の方法が利用され、具体的には、ローラカッティング、超音波振動カッティングまたはレーザカッティング法が利用されるが、かような方法は、当技術分野において公知である。
【0038】
前記シートをオーブンで焼く段階で、一具現例によれば、200〜270℃のオーブンで焼くか、あるいは150〜380℃の過熱水蒸気オーブンで焼くことができる。
【0039】
一具現例によれば、オーブンにおいて、穀物シート側の温度と、海苔側の温度とを異ならせて設定し、焼く効を最大化することができる。なぜならば、二重シートを構成する海苔及び穀物シートは、互いに材質が異なるので、最適の焼き温度が異なるためである。例えば、穀物シート側の温度は、約240〜260℃、海苔側の温度は、約210〜230℃に調整する。製品がオーブンを通過する時間は、約30秒〜3分とすることができる。オーブンに熱風を供給すれば、さらに等しく焼くことができる。
【0040】
オーブンの温度を調節することができない場合には、約210℃のオーブンにおいて出る熱風の強さを、約7(穀物シート):3(海苔)に調節して焼くことができる。
【0041】
前記製造方法でオーブンで焼き、海苔スナックを製造した後には、海苔スナックの熱気を冷まして包装する。
【0042】
本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明し、それら実施例は、添付された図面に図示されており、実施例全体にわたって、同一参照番号は、同一要素を示す。それと係わって、本発明の実施例は、異なる形態を有することができ、ここに示した説明に限られるものであると解釈されることがあってはならない。従って、下記実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0043】
実施例1:海苔スナックの製造
穀物シートを投入した後、接合液として、一般飲用水(精製水)を穀物シートの上に、適切に塗布した。その後、海苔1枚をその上に載せ、ローラを利用して接合させて二重シートを形成した。その後、前記二重シートに、ハーブ抽出物1重量%を含むとうもろこし油を塗布し、焼肉シーズニングを適切に振り掛けた。その後、ローラカッティングを利用して、4x4cmサイズに切った。その後、オーブン温度を、穀物ペーパーが触れる面は、250℃、海苔が触れる面は、220℃に調整し、二重シートをしてオーブンを通過させ、通過時間は1分にした。また、通過させるとき、形態の変化が起きないように、特殊製作された二重コンベヤを使用した。しかる後、製造された海苔スナックを室温に冷却して完成した。
【0044】
実施例2:海苔スナックの製造(2)
二重シートをオーブンで焼くとき、過熱水蒸気を使用して、内部温度は、180℃、過熱水蒸気の温度は、350℃にセッティングし、40秒間通過させて焼くことを除いて、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0045】
実施例3:海苔スナックの製造(3)
接合液として、15重量%の食塩水を使用することを除いては、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0046】
実施例4:海苔スナックの製造(4)
接合液として、濃縮レモン汁を5重量%含んだ一般飲用水を使用することを除いては、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0047】
実施例5:海苔スナックの製造(5)
とうもろこし油の代わりに、キャノーラ油とごま油とを5:5で混ぜた混合油を使用することを除いては、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0048】
実施例6:海苔スナックの製造(6)
接合液として、とうもろこし油の代わりに、ハイオレイックひまわり油を使用し、ハーブ抽出物と茶抽出物とを(ひまわり油の0.2%)混ぜて使用したことを除いては、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0049】
実施例7:海苔スナックの製造(7)
前記穀物シートの上下に海苔を付け、サンドイッチ形式の海苔スナックになるように形態を作ったことを除いては、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0050】
実施例8:海苔スナックの製造(8)
前記海苔の上下に穀物シートを付け、サンドイッチ形式の海苔スナックになるように形態を作ったことを除いては、前記実施例1と同一の方法で海苔スナックを製造した。
【0051】
本明細書に示した例示的な実施例は、ただ本発明を説明するためのものであり、制限するためのものではないということを理解しなければならない。それぞれの実施例での特徴または様相の記載は、他の実施例での他の類似した特徴または様相に使用可能であると、典型的に認識されなければならない。
【0052】
本発明の一つ以上の実施例は、図面を参照して記載したが、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨及び範囲を外れない限り、形態及び詳細事項の多様な変化が起こりうるということを当業者は理解するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の海苔スナックは、保存性と味が向上した海苔スナックであり、食品産業分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 海苔
2 接合液
3 穀物シート