(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937575
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】メンブレン・リング又は試験帯片リングを製造する方法及びリング・マガジン
(51)【国際特許分類】
A61B 5/151 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
A61B5/14 300D
【請求項の数】27
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-508499(P2013-508499)
(86)(22)【出願日】2011年5月5日
(65)【公表番号】特表2013-528421(P2013-528421A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】EP2011057193
(87)【国際公開番号】WO2011138388
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2014年4月11日
(31)【優先権主張番号】10162064.9
(32)【優先日】2010年5月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100133008
【弁理士】
【氏名又は名称】谷光 正晴
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト ハルティヒ
【審査官】
湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−225936(JP,A)
【文献】
特表2008−529571(JP,A)
【文献】
米国特許第06203649(US,B1)
【文献】
特表2007−535388(JP,A)
【文献】
特開2009−233327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/151
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液を検査する診断の試験デバイスのためのメンブレン・リング又は試験帯片リングを製造する方法であって、
a)平坦な又はテープ形状の出発材料を切断することによって好適に提供される長寸の帯片(26)が、該帯片の長手方向に対して横方向に延在する複数の切れ目(24)によって複数のセグメント(20)へと分割され、
b)前記切れ目(24)が、該切れ目(24)に隣接する前記セグメント(20)間に材料橋絡部(38)が損なわれずに残るように、前記帯片(26)の残り幅に亙ってのみ形成され、
c)前記帯片(26)が、その各端部を相互に結合することにより閉じられてリング(22)を形成し、前記材料橋絡部(38)に向けて延在する前記切れ目(24)の各々の切り込み縁同士が鋭角(α)を画成し、
d)前記リング(22)が、前記試験デバイスのためのメンブレン・リング又は試験帯片リングとして、支持構造(12)内へと挿入され、前記リング(22)が、支持構造を形成するディスク形状のハウジング(12)内へと、前記セグメント(20)の各々が前記ハウジングの1つのチャンバ(14)に対して割当てられるように、挿入される、
方法。
【請求項2】
前記帯片(26)が、材料橋絡部(38)として残存する0.1〜1.0mmの残り幅まで切り込まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記帯片(26)が、前記材料橋絡部(38)が他方の長手方向縁部にて残存するように、該帯片の一方の長手方向縁部から均等に切り込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記帯片(26)が、その長手方向縁部の両方から、材料橋絡部(38)を維持し乍ら、夫々両側から1本のライン上で切り込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記切れ目(24)が、切断用若しくは打抜き用の工具を用いて、又は、レーザ切断により作成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記セグメント(20)が、前記材料橋絡部(38)を通り延在する傾斜用軸線に対して連続的に増大する角度にて傾斜されるように、切り込まれた前記帯片(26)が、リング形成の前に、その長手方向において捻られることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記セグメント(20)が、順次的に平坦なリング表面上に降下載置されると共に、そのようにする上で、傾斜位置から、相互に重なり合う位置へともたらされることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記リング(22)が、前記材料橋絡部(38)が円(46)上に張り亙り、前記帯片(26)の端部同士が該円上で接触するように形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記セグメント(20)がリング形成の間において二つを一組として重なり合わせて降下載置され、前記切れ目(24)の切り込み縁により境界付けられる重なり合い領域(42)が、前記リングの内側部から、夫々の材料橋絡部(38)まで延在することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
隣接する各セグメント(20)が、熱及び/又は圧力の作用下で、重なり合うように相互に結合されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記セグメント(20)を相互に結合する場合、前記リング(22)が同時に前記支持構造(12)に対して取付けられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記出発材料が、反応性の試験用化学物質によって被覆された箔体により、又は、少なくとも部分的に体液に対して透過性であるメンブレンにより形成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記各セグメント(20)が、リング・マガジン(10)において、夫々単一回の試験のための消耗品として配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記帯片(26)には、長手方向縁部から直角に切れ目が作成され、このようにして形成された切れ目の切り込み縁が、夫々、二つを一組として、共通の切り込みラインに対して平行に延在することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記出発材料として、体液を濾過すべく設計されたメンブレン、又は、体液中の分析対象物に対して反応的である試験用化学物質により被覆された箔体が使用されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
支持構造(12)と、
長手方向に対して横方向に延在する複数の切れ目(24)によって複数のセグメント(20)へと分割された長寸の帯片(26)の各端部を相互に結合することにより形成された、体液を検査する診断の試験デバイスのためのリングと、を具備する、体液を検査する診断試験デバイスのためのリング・マガジンであって、
前記切れ目(24)が、該切れ目(24)に隣接する前記セグメント(20)間に材料橋絡部(38)が損なわれずに残るように、前記帯片(26)の残り幅に亙ってのみ形成され、前記材料橋絡部(38)に向けて延在する前記切れ目(24)の各々の切り込み縁同士が鋭角(α)を画成し、前記リング(22)が、前記診断試験デバイスのためのメンブレン・リング又は試験帯片リングとして、前記支持構造(12)内に載置され、前記リング(22)が、前記支持構造を形成するディスク形状のハウジング(12)内で、前記セグメント(20)の各々が前記ハウジングの1つのチャンバ(14)に対して割当てられるように、載置され、
前記セグメント(20)が夫々、単一回の試験のためのフィルタ又は検出要素を形成するリング・マガジン。
【請求項17】
前記支持構造(12)が、体液を移送するための複数の開口(18)を有し、且つ、該開口(18)の各々が、前記メンブレン・リング又は試験帯片リング(22)のセグメント(20)により覆われることを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【請求項18】
前記支持構造(12)が、リング状に配置された複数の試験用チャンバであって、各々が1つのセグメント(20)に対して割当てられる複数の試験用チャンバを備えたディスク形状のハウジング(12)を有することを特徴とする請求項16又は17に記載のリング・マガジン。
【請求項19】
前記セグメント(20)の各々が、体液を吸収するための適用部位を有することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載のリング・マガジン。
【請求項20】
前記メンブレン・リング(22)が、リング状検出要素の前面にフィルタとして載置されることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか一項に記載のリング・マガジン。
【請求項21】
ハウジングと、該ハウジング内に挿入された請求項16乃至20のいずれか一項に記載のリング・マガジンとを具備する、体液を検査するための診断試験デバイス。
【請求項22】
前記帯片(26)が、前記材料橋絡部(38)が他方の長手方向縁部にて残存するように、該帯片の一方の長手方向縁部から均等に配置された切り込み縁を有することを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【請求項23】
前記帯片(26)が、その長手方向縁部の両方から、材料橋絡部(38)を維持し乍ら、夫々両側から1本のライン上に配置された切り込み縁を有することを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【請求項24】
前記リング(22)が、前記材料橋絡部(38)が円(46)上に張り亙り、前記帯片(26)の端部同士が該円上で接触するように形成されていることを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【請求項25】
前記セグメント(20)が二つを一組として重なり合わせて載置され、前記切れ目(24)の切り込み縁により境界付けられる重なり合い領域(42)が、前記リングの内側部から、夫々の材料橋絡部(38)まで延在していることを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【請求項26】
前記各セグメント(20)が、リング・マガジン(10)において、夫々単一回の試験のための消耗品として配置されていることを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【請求項27】
前記帯片(26)が、体液を濾過すべく設計されたメンブレン、又は、体液中の分析対象物に対して反応的である試験用化学物質により被覆された箔体を用いて形成されていることを特徴とする請求項16に記載のリング・マガジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に体液を検査する診断試験デバイスのためのメンブレン・リング又は試験帯片リングを製造する方法に関する。本発明は付加的に、診断試験デバイスのための方法製品としてのリング・マガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的診断の分野において、帯片又はディスクの形態の精密濾過用メンブレンを使用することは知られている。同様に、例えば特許文献1からは、血糖測定のための携帯式デバイスにおいてディスク形状マガジンを使用することも知られている。所定材料製の平坦リングを直接的に切り出すことの不都合は、特に狭幅のリングの場合において非常に顕著である材料の損失である。故に、49mmの外径及び39mmの内径のリングの場合、該リングを切り出す最初の正方形の面積の28.8%のみが使用される。各リングが、可能的である最も稠密な配置において初期面積から切り出されるなら、理論的には多くて33.2%が利用され得るが、実際には更に少ない。メンブレンは高コストなので、特に大量生産される製品に対し、利用可能な面積の歩留まりは重要な経済的役割を果たす。更に、個別的なメンブレン領域の取扱いは、時間が掛かると共に、機械的に過酷であり且つエラーが生じ易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/037192号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づくと、本発明の目的は、先行技術において知られる方法及びデバイスを更に改良し、且つ、診断用途の分野における所定材料の使用量及び消耗品の取扱いを最適化するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、独立的な特許請求項において述べられた各特徴の組み合わせが提案される。従属請求項からは、本発明の有用な実施例及び更なる発展例が導かれる。
【0006】
本発明は、複数の単一回の試験の夫々のための分析材料セグメントを、特にマガジンとして円形配置構成で提供する、という着想に基づいている。故に、方法に関しては、
a)平坦な又はテープ形状の出発材料を切断することにより好適に提供される長寸帯片は、該帯片の長手方向に対して横方向に(すなわち、直角にて、又は、斜めに)延在する複数の切れ目により複数のセグメントへと分割され、
b)上記各切れ目は、該各切れ目に隣接する各セグメント同士の間に材料橋絡部が損なわれずに残るように、上記帯片の変化し得る残り幅に亙ってのみ形成され、
c)上記帯片は、その各端部を相互に結合することにより閉じられてリングを形成し、その場合、上記各材料橋絡部に向けて延在する上記切れ目の各々の切り込み縁同士は鋭角を画成し、
d)上記リングは、上記試験デバイスのためのメンブレン・リング又は試験帯片リングとして、支持構造内へと挿入される、
ことが提案される。
【0007】
このようにして、材料リングを直接的に打抜くことを回避すること、及び、製造プロセスの間において廃棄されるべき材料の量を最小限とすることが可能である。これに加え、例えばロールに依る直線状の事前作成により、自動化が簡素化され得る。同時に、上記のセグメント化によれば特に、複数の単一回の試験への分割が簡素化される。
【0008】
好適実施例に依れば、十分な可撓性を確実とするために、上記帯片は、材料橋絡部として残存する0.1〜1.0mmの残り幅まで切り込まれねばならない。好適には、均一な残り幅が選択される。
【0009】
好適実施例によれば、上記帯片は、上記各材料橋絡部が他方の長手方向縁部にて残存するように、該帯片の一方の長手方向縁部から均等に切り込まれることが規定される。もし上記各材料橋絡部が、次続的に形成される上記リングの外側縁部に位置するなら、各セグメント同士の重なり合いは最大であるが、各材料橋絡部が内側縁部に在る場合には、重なり合いは生じない。
【0010】
更なる有用な変更例に依れば、上記帯片は、その長手方向縁部の両方から、材料橋絡部を維持し乍ら、夫々両側から1本のライン上で切り込まれる。
【0011】
上記各切れ目は好適には、切断用若しくは打抜き用の工具を用いて、又は、レーザ切断により作成され得る。レーザによる上記切れ目は、切り込み縁を圧縮することから、上記材料橋絡部を安定化させる。故に、レーザ切断が好適である。
【0012】
製造技術に関する限り、上記各セグメントが、各材料橋絡部を通り延在する傾斜用軸線に対して連続的に増大する角度にて傾斜されるように、上記切り込まれた帯片は、リング形成の前に、その長手方向において捻られることが好適である。これにより、次続的なリング形成は、各切り込み縁が相互に係合せずに、可能とされる。
【0013】
上記各セグメントは好適には順次的に、段階c)に係るリング形成の間に平坦なリング表面上に降下載置されると共に、そのようにする上で、傾斜位置から、相互に重なり合う位置へともたらされる。
【0014】
上述の方法段階c)において、上記リングは好適には、上記各材料橋絡部が円上に張り亙り、その場合に上記帯片の端部同士は該円上で接触するように形成される。
【0015】
上記方法の製品の別の改良点は、上記各セグメントはリング形成の間において二つを一組として降下載置され、上記各切れ目の切り込み縁により境界付けられる各重なり合い領域は、上記リングの内側部から、夫々の材料橋絡部まで延在する、という点において達成され得る。
【0016】
形成された上記リングを安定化させるために、隣接する各セグメントは、好適には熱及び/又は圧力の作用下で、重なり合うように相互に結合され、特に溶着若しくは接着されるならば好適である。同様に、上記各セグメントを相互に結合する場合、上記リングは同時に上記支持構造に対し、好適にはマガジン内に取付けられるならば好適である。
【0017】
特に好適な用途は、反応性の試験用化学物質により被覆された箔体により、又は、少なくとも部分的に体液に対して透過性であるメンブレンにより形成された出発材料を想定している。メンブレン・リングは好適には、両側的とされた各セグメントの対合的な接触を以て、試験帯片リング上に取付けられ得る。1個のメンブレン・リングの各セグメントに対し、個別的な試験領域が夫々適用されること、又は、その逆も想起され得る。
【0018】
診断用途に関し、上記各セグメントはリング・マガジンにおいて、好適には夫々単一回の試験のための各チャンバ内に分離された消耗品として配備又は配置されることが好適である。斯かるチャンバは各々が好適には、体液を採取するための1つの穿刺要素又はニードル要素を備える。
【0019】
上記閉じリングは好適には、支持構造としてのディスク形状ハウジング内へと、上記セグメントの各々が上記ハウジングの1つのチャンバに対して割当てられるように、挿入される。
【0020】
更なる好適実施例によれば、上記帯片には、長手方向縁部から直角に切れ目が作成され、このようにして形成された切れ目の切り込み縁は夫々、二つを一組として、共通の切り込みラインに対して平行に延在することが規定される。
【0021】
試験帯片リングを実現するために、体液中の分析対象物に対して反応的である試験用化学物質により被覆された箔体が、出発材料として使用される。体液の各成分の選択的な分離のために、メンブレン・リングのための出発材料として、フィルタ・メンブレンを使用することが好適である。
【0022】
本発明はまた、支持構造と、本発明に従い製造されると共に該支持構造内に挿入されたメンブレン・リング又は試験帯片リングとを備えて成る、特に体液を検査する診断試験デバイスのためのリング・マガジンであって、閉じられた円周方向構造として挿入された上記リングは複数の切れ目によりセグメント化された帯片材料から形成され、且つ、材料橋絡部により結合された各セグメントは夫々、単一回の試験のためのフィルタ又は検出要素を形成する、リング・マガジンにも関する。故に、斯かるメンブレン・リング又は試験帯片リングは、長手方向に対して横方向である切り込み縁により各セグメントへと細分された帯片を有し、その場合、各切れ目は、該各切れ目に隣接する各セグメント同士の間に材料橋絡部が元通り残るように、上記帯片の選択的に変化する残り幅に亙ってのみ延在し、且つ、上記帯片は、各材料橋絡部に向けて延在する各切れ目の切り込み縁が夫々鋭角を画成するように、閉じられてリングを形成する。
【0023】
斯かるリング・マガジンの上記支持構造は、体液を移送するための複数の開口又は窓部を有し、その場合、上記各開口は各々、上記メンブレン・リング又は試験帯片リングのセグメントにより覆われる。上記支持構造は好適には、ディスク形状ハウジングにおいてリング状に配置された複数の試験用チャンバであって、各々が好適には穿刺要素を含むと共に、各々が、単一回の試験を実施する上記メンブレン・リング又は試験帯片リングの1つのセグメントに対して割当てられる複数の試験用チャンバを有する。この点に関し、上記セグメントは各々、体液を吸収するための自由適用部位を有さねばならない。
【0024】
本発明の別の見地は、本発明に従うリング・マガジンのセグメント化処理による順次的なセグメントに対して構成された診断試験デバイスに関する。特に、交換可能な上記リング・マガジンは、所定の適用部位にて個々のセグメントを提供するために、斯かる機器において回転され得るか、又は、回転駆動器により回転され得る。
【0025】
本発明は以下において、図面中に概略的に示される代表的実施例に基づき更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】その半分のみが斜視で示された試験帯片リングを備えた診断試験デバイス用リング・マガジンを示す図である。
【
図2】切断された試験帯片を事前作製するデバイスの概略図である。
【
図3】事前作製された試験帯片から試験帯片リングを材料節約的に形成する種々の段階の破断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示されたリング・マガジンは、血糖分析対象物のための(不図示の)携帯分析器内へと消耗品として挿入され得る。この目的のために、それは、円形に配置された複数のチャンバ14であって、径方向外方に押し出され得る穿刺要素16を夫々受容する複数のチャンバ14を含む支持構造としてのディスク形状ハウジング12を備えて成り、その場合、身体穿刺により得られた血液が、試験帯片リング22のセグメント20上での測光的なグルコース検出のために貫通移送されるチャンバ12の各々上にて、ハウジング・カバーには開口18が配備される。上記試験帯片リングは、適用された体液を吸収する乾式の化学試薬層であって、含有されたグルコースの如き分析対象物と反応する化学試薬層を備え得る。メンブレン・リングが、各穿刺要素16と試験リングとの間で血液を移送するフィルタとして取付けられることも想起され得る。
【0028】
可及的に多くの材料を節約するように斯かる試験帯片又はメンブレン・リング22を製造するために、以下において更に説明されるように、複数の切れ目24によりセグメント化された帯片材料から製造されたリングが提供される。これにより、平坦な材料リングを直接的に打抜く必要性が回避され、且つ、製造プロセスの間に廃棄されるべき材料の量は最小限とされる。
【0029】
図2は、切断されたテープ帯片26を示している。この方法において、出発材料としてのテープ28は、供給スプール30から引き出され、搬送ローラ32上を案内される。切断デバイスとしてのレーザ34によれば、帯片26は、レーザ光線36により帯片端部にて所定長さへと切断され得ると共に、切れ目24の導入によりテープ材料には各セグメント20が形成され得る。代替的に、先ず、大きな面積を有する出発材料から複数の帯片を切り出してから、それらに対して横方向の切れ目を配備することも想起され得る。
【0030】
図3に示されたように、示された代表的実施例における帯片26は、両側にて夫々、隣接するセグメント20間にて中央の材料橋絡部38が元通り残るように、長手方向縁部に対して直角に横方向ラインが切り込まれる。また、各材料橋絡部が他方の長手方向縁部の逆端部に配置されるように、上記帯片は一方の長手方向縁部又は側縁部から直角に均等に切り込まれることも可能である。合同である複数のセグメント20を実現するために、帯片26の長手方向で見たときに、各切れ目24は好適には相互から同一距離である。
【0031】
例えば、90μm厚みのテープ材料が、140mmの長さ及び5mmの幅を有する帯片へと切り出され得る一方、各切れ目は、0.2mmの材料橋絡部が残存するように、相互から2.8mmの長手方向距離とされ且つ両方の長手方向縁部から夫々横方向に2.4mmだけ延在する。
【0032】
図4に示されたように、各セグメント20が、各材料橋絡部38を通り延在する長手軸線に対して連続的に増大する角度にて傾斜かつ回動されると共に、対応して、各セグメントが平面視において異なる幅で現れるように、切り込まれた帯片26は、リング形成の前に、その長手方向において捻られる。この措置により、各セグメント20を相互に重なり合わせても干渉することなく、リング形成が可能とされる。
【0033】
図5は、
図3及び
図4に従い事前作製された帯片26からのリング22の形成を示している。この方法において各セグメント20は順次的に、平坦なリング表面上に、且つ、好適にはハウジング・カバー上に直接的に、降下載置される。それらが降下載置されるときに、各セグメント20の傾斜位置は、相互に重なり合う位置へと戻される。そのとき、各切れ目24の対向する切り込み縁40により境界付けられる重なり合い領域42は、リングの内側部44から、夫々の材料橋絡部38まで延在する一方、径方向外方の切り込み縁40は同様に、夫々の材料橋絡部38から始まり、鋭角αにて発散する。このようにして形成されたリング26において、各材料橋絡部は円46上に張り亙り、その場合に帯片36の2つの端部同士は該円のライン上で接触する。
【0034】
各セグメント20は、例えば、適切に構造化されて加熱されたスタンプ部材を用い、又は、透明なスタンプ部材及びレーザ光を用い、熱及び圧力の作用により、夫々の重なり合い領域42において相互に好適に溶着される。