(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の液体が、前記式(IIb)のものであって、50〜90体積%の量のビ(シクロヘキサン)を含み、前記式(I)の第2の液体が、少なくとも1つのオキシ置換基(=O)を有する化合物を含み、配合物全体の10〜40体積%の量で存在することを特徴とする請求項1記載の配合物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
「液体キャリア」、「液体キャリア成分」、「液体成分」、「キャリア液体」、「キャリア」などの用語は、本開示の配合物における使用のために選択することができる、1つまたはそれ以上の開示される有機流体のことを指し、例えば、特定の強溶剤、中程度の強度の溶剤、弱溶剤、非溶剤、およびそれらの混合物、またはそれらの等価物が挙げられ、例えば、
図1、2、および3ならびに実施例の化合物構造を参照されたい。
【0008】
「FTx」などの略語は、縮合チオフェン(fused thiophene)化合物、それらの重合可能なモノマー、およびそれらのポリマーのことを指し、ここで、xは、単一のコア単位に縮合される縮合チオフェンのリングまたは環単位の数を示す整数であり、例えば、FT2はコア単位に2つの縮合環を有し、FT3はコア単位に3つの縮合環を有し、FT4はコア単位に4つの縮合環を有し、FT5はコア単位に5つの縮合環を有し、それより高次の指定表示についても同様である。
【0009】
「炭化水素」、「ヒドロカルビル」、「ヒドロカルビレン」、「ヒドロカルビルオキシ」などの用語は、一般に、一価の例えば−Rなど、または二価の−R−部分のことをいい、例えば、アルキル炭化水素、芳香族またはアリール炭化水素、アルキル置換されたアリール炭化水素、アルコキシ置換されたアリール炭化水素、ヘテロアルキル炭化水素、複素環式芳香族またはヘテロアリール炭化水素、アルキル置換されたヘテロアリール炭化水素、アルコキシ置換されたヘテロアリール炭化水素、および同様の炭化水素部分、ならびに本明細書に図示されるものが挙げられる。
【0010】
「リング」、「環」、「環状の」などの用語は、一般に、原子の、少なくとも1つの連続的な閉じたループまたは鎖のことを指し、例えば、飽和脂環式化合物、不飽和脂環式化合物、芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物(ヘテロアリール)、および同様の環状に分類されるもの、またはそれらの組合せが挙げられ、単環式、二環式、三環式、および同様の通常の指定表示が含まれる。
【0011】
「アルキル」には、直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、およびシクロアルキルが含まれる。「置換アルキル」または「随意的に置換したアルキル」とは、例えば、ヒドロキシル(-OH)、ハロゲン、アミノ(−NH
2または−NR
2)、ニトロ(−NO
2)、アシル(−C(=O)R)、アルキルスルホニル(−S(=O)
2R)、アルコキシ(−OR)、(C
3-10)シクロアルキル、および同様の置換基から選択される、1〜4の随意的な置換基を有する、例えば、直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、またはシクロアルキルを含めたアルキル置換基のことを指し、ここで、Rは、ヒドロカルビル、アリール、Het、または同様の部分であり、例えば、1〜約10個の炭素原子を有する一価のアルキルまたは二価のアルキレンである。例えば、ヒドロキシ置換アルキルは式−CH
2−CH(OH)−CH
2−の2−ヒドロキシ置換プロピレンであって差し支えなく、アルコキシ置換されたアルキルは式−CH
2−CH
2−O−CH
3の2−メトキシ置換エチルであって差し支えなく、アミノ置換アルキルは式−CH(NR
2)−CH
3の1−ジアルキルアミノ置換エチルであって差し支えなく、オリゴ−(オキシアルキレン)、ポリ−(オキシアルキレン)、またはポリ−(アルキレンオキサイド)置換アルキルは、例えば部分式−(R−O)
x−のものであって差し支えなく、ここで、xは、例えば、1〜約50、および1〜約20などの置換されたオキシアルキレン置換基、例えば式−(CR
5−CHR
5−O)
x−などであってよく、ここで、R
5は、水素または、置換または非置換の(C
1-8)ヒドロカルビル、例えばアルキルなどであり、xは1〜約50の整数である。
【0012】
「アリール」は、一価または二価のフェニルラジカルまたは、約9〜20の環原子を有するオルト−縮合二環式炭素環ラジカルであってそのうち少なくとも1つの環は芳香族であるものを含む。アリール(Ar)は、1〜5の置換基を有する、例えばフェニルラジカルなどの置換アリールを含み、例えば、アルキル、アルコキシ、ハロ、および同様の置換基が挙げられる。
【0013】
「Het」は、オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、セレン、テルル、および窒素からなる群より選択される1、2、3、または4つのヘテロ原子を有する、四(4)員環、五(5)員環、六(6)員環、または七(7)員環の飽和または不飽和の複素環を含み、その環は、随意的にベンゼン環に縮合される。Hetは「ヘテロアリール」も含み、これらには、炭素と各々が非過酸化のオキシ、チオ、およびN(X)(Xは存在しないか、またはH、O、(C
1-4)アルキル、フェニル、またはベンジル)からなる群より選択される、1、2、3、または4つのヘテロ原子からなる5つまたは6つの環原子を含む単環の芳香環の環炭素を介して結合するラジカル、および、それらから誘導される約8〜10個の環原子のオルト−縮合二環式ヘテロ環のラジカルが含まれ、特に、ベンゾ誘導体または、それらにプロピレン、トリメチレン、またはテトラメチレン・ジラジカルが縮合することによって誘導されるものが挙げられる。
【0014】
実施の形態では、ハロまたはハロゲン化物は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを含む。アルキル、アルコキシなどは、直鎖および分岐鎖基の両方を含む;しかしながら、「プロピル」などの個別のラジカルについての言及は直鎖のラジカルのみを含み、「イソプロピル」などの分岐鎖の異性体に関しては明確に言及される。
【0015】
さまざまな炭化水素含有(すなわち、ヒドロカルビル)部分の炭素原子含量は、あるいは、その部分における炭素原子の最大および最小の数を指定する接頭辞によって示すことができる。すなわち、接頭辞C
i-jは、整数「i」から整数「j」までを含む炭素原子の部分を指す。よって、例えば、(C
1−C
8)アルキルまたはC
1-8アルキルとは、1〜8個の炭素原子を含むアルキルのことを指し、(C
1−C
8)アルコキシまたはC
1-8アルコキシなどのヒドロカルビルオキシは、1〜8個の炭素原子のアルキル基を有するアルコキシラジカル(−OR)のことを指す。
【0016】
特に、C
1-8アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、へキシル、ヘプチル、またはオクチルなどであって差し支えなく;(C
3-12)シクロアルキルは、二環式、三環式、または多環式置換基、ならびに同様の置換基を含めた、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルでありうる。
【0017】
具体的な「ヒドロカルビル」は、例えば、中間の鎖長および値をすべて含めた(C
1-10)ヒドロカルビル、および、中間の値および環サイズをすべて含めた(C
3-12)シクロヒドロカルビルでありうる。
【0018】
C
1-8アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、ヘキシルオキシ、1−メチルヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、および同様の置換基でありうる。
【0019】
−C(=O)(C
3-7)アルキルまたは(C
2-7)アルカノイルは、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、4−メチルペンタノイル、ヘキサノイル、またはヘプタノイルでありうる。アリール(Ar)は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、テトラヒドロナフチル、またはインダニルでありうる。Hetは、例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはヘテロアリールでありうる。ヘテロアリールは、例えば、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル、(またはそのN−酸化物)、チエニル、ピリミジニル(またはそのN−酸化物)、インドリル、イソキノリル(またはそのN−酸化物)またはキノリル(またはそのN−酸化物)でありうる。
【0020】
本明細書に開示および図示されている、さまざまな出発材料または中間体から、本開示の化合物、オリゴマー、ポリマー、複合体、または同様の生成物を形成および改質するのに適した他の条件も利用可能である。例えば、Feiser and Feiser, "Reagents for Organic Synthesis", Vol. 1, et seq., 1967; March, J. "Advanced Organic Chemistry," John Wiley & Sons, 4
th ed. 1992; House, H. O., "Modem Synthetic Reactions," 2
nd ed., W. A. Benjamin, New York, 1972;およびLarock, R. C., "Comprehensive Organic Transformations," 2
nd ed., 1999, Wiley-VCH Publishers, New Yorkを参照のこと。本明細書に記載される調製方法に用いられる出発材料は、例えば、市販されているか、科学文献に報告されているか、あるいは、当技術分野で既知の手法を使用して容易に入手可能な出発材料から調製することができる。上記または別の調製法のすべてまたは一部の間に保護基を随意的に使用することは望ましいであろう。このような保護基およびそれらの導入および除去方法は、当技術分野で既知である。Greene, T. W.; Wutz, P. G. M. "Protecting Groups In Organic Synthesis," 2
nd ed., 1991, New York, John Wiley & Sons, Inc.を参照のこと。
【0021】
「モノマー」、「マー」、または同様の用語は、同様または異なる構造の他のモノマーと共有結合的に結合または連結することが可能であり(またはすでに結合または連結しており)、それによって標的ポリマーの均一な鎖(ホモポリマー)または不均一な鎖(例えば、コポリマー、ターポリマー、および同様のヘテロポリマー)を形成する、化合物のことを指す。本明細書に開示および図示した、または参照することによって組み込まれた適切なモノマーには、例えば、約50〜約200ダルトンなどの低分子量の重合可能な化合物、および、約200〜約10,000ダルトンなどの高分子量化合物が含まれ、例えば、不飽和のオリゴマー性化合物または不飽和のポリマー性化合物が挙げられる。
【0022】
「含む」、「含有する」、または同様の用語は、包含するがそれらに限定されない、すなわち、包括的であって排他的ではないことを意味する。
【0023】
実施の形態では、「〜から基本的になる」とは、例えば、本開示の配合物または組成物、および物品、デバイス、またはいずれかの装置のことを指し、特許請求の範囲に記載される成分または工程、ならびに、その組成物、物品、装置、または本開示の製造および使用方法の基本的特性および新しい特性に物質的に影響を及ぼさない他の成分または工程、例えば、特定の反応物質、特定の添加剤または原料、特定の薬剤、特定の表面改質剤または条件、または同様の構造、材料、または選択されるプロセス変数などを含みうる。本開示の成分または工程の基本的特性に物質的に影響を与えうる、または本開示に望ましくない特性を付与しうる項目としては、例えば、第1の液体化合物の溶解性がないか非常に小さく、溶解性が乏しいためという理由から、溶解処理が延長されるか長期化し、出発化合物、ポリマー、または得られたコーティング半導体物品またはデバイスが、過度に高い温度に不必要に曝露されるか、同様の不利な工程に晒されることを含む。
【0024】
当業者に周知の略語が使用されうる(例えば、時間についての「h」または「hr」、グラムについての「g」または「gm」、ミリリットルについての「mL」、および室温についての「rt」、ナノメートルについての「nm」、沸点についての「bp」、および同様の略語)。
【0025】
成分、原料、添加剤、および同様の態様について開示される特定の好ましい値、およびそれらの範囲は、単に例証のためであり、それらは他の規定値または規定された範囲内にある他の値を除外しない。本開示の配合物、組成物、デバイス、装置、および方法は、本明細書に記載されるいずれかの値またはその値のいずれかの組合せ、具体的な値、さらに具体的な値、および好ましい値を含みうる。
【0026】
機能性材料としての有機半導体の使用は、例えば、とりわけ、プリンテッド・エレクトロニクス、有機トランジスタ(OTFT、OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、有機集積回路、および有機太陽電池などを含む、電子産業のための多くのさまざまな用途において現実のものとなっている(例えば、Sirringhaus, H., et al., Nature, 1999, 401, 685; Allard, S., et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2008, 47, 4070; Organic Field-Effect Transistors, 1
st ed., Bao, Z.; et al., CRC Press: Boca Raton, FL, 2007を参照のこと)。有機トランジスタは、例えば、スマートカード、セキュリティタグ、フラットパネル・ディスプレイのバックプレーンにおけるスイッチング素子、および同様の用途に幅広く使用されている。有機半導体は、溶液から沈着させることができる場合には、シリコンなどの無機半導体と比較してコストを大幅に低減することができる。このような溶剤または溶液の堆積処理は、スピンコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、転写、および同様の印刷法など、さまざまな印刷および関連するコーティング法を使用して、迅速な、広面積の調製経路を可能にする(例えば、Katz, H. E., Chem. Mater., 2004, 16, 4748を参照のこと)。
【0027】
OFETデバイスの性能は、幾つかのパラメータ、例えば:電荷キャリア移動度、電流オン/オフ比、閾電圧、およびオン・オフ電流の規模などによって評価することができる(上述のKatzの文献を参照のこと)。最小数の加工工程を有する溶液堆積法から調製されたデバイスの高性能パラメータを達成する能力は、強力な利点とみなされる。このため、安定なインクまたは有機半導体材料の液体配合物を調製することは望ましい。
【0028】
最近、Corning,Inc.社において、高性能半導体の縮合チオフェンポリマーが開発されている(例えば、Fong, H. H.らのJ. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 13202;He, M.らのJ. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 11930;He, M.らの国際出願公開第2009/123695号パンフレット;He, M.の国際出願公開第2008/106019号パンフレット;He, M.の国際出願公開第2006/031893号パンフレットを参照のこと)。ジアルキル化テトラチエノアセン共重合体(FT4)は、ジクロロベンゼン溶液から堆積させて、約3.76オングストロームの短いπ−π距離を有し、0.3cm
2/V・秒を超える電界効果正孔移動度を有する配列フィルムを生じることができる。このポリマーは、比較的低い温度での単純なトランジスタ製造を可能にする。この能力は、広面積の、機械的に柔軟性のある電子機器を達成するためには特に重要である。しかしながら、有機半導体材料、特にポリマー性の半導体のための有機半導体材料は、一般に、2つの主な理由から溶解度の制限を有する(McCulloch, I.らの米国特許第7,510,672号明細書を参照のこと)。第一に、半導体ポリマーは、適当な電子バンドギャップを得るために、共役した成分、一般には骨格を必要としうる。骨格共役体(backbone conjugation)は、通常、高度の芳香族炭化水素、ヘテロ芳香族、または複素環を含む。これらの構造的態様は、典型的なコーティング溶剤の溶解性を制限する傾向がある。第二に、電荷輸送ポリマーは、分子間の電荷ホッピングを促進するように設計され、これは、ポリマー鎖の最密充填および凝集によって強化されうる。これが溶液中で生じる場合には、濾過およびコーティングの問題の原因となりうる。
【0029】
本開示のモノマーまたはポリマー組成物などの高度に共役した有機材料は、さまざまな用途における使用目的で開発されており、例えば、電界効果トランジスタ(FET)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機発光ダイオード(OLED)、電気光学(EO)用途、導電材料としての用途、二光子混合材料としての用途、有機半導体としての用途、および非線形光学(NLO)材料としての用途が挙げられる。高度に共役した有機材料は、例えば、RFIDタグなどの素子、例えばフラットパネル・ディスプレイ、光起電性素子、センサー、および同様の素子などに用いられるエレクトロルミネセント素子、またはそれらの組合せなどに用いることができる。
【0030】
実施の形態では、本開示は、特に、例えば、スピンキャスティングおよび印刷法など、薄膜トランジスタ(TFT)およびOFETのような電子デバイスの調製に適した、コーニングのFT4などの半導体ポリマーおよび同様のポリマーを含む配合物を提供する。半導体ポリマーおよび有機溶剤を含む組成物または配合物は、例えば、米国特許第5,069,823号明細書および同第4,737,557号明細書(Sato, M.ら)に記載されている。米国特許第4,737,557号明細書は、ポリ−(3−アルキルチオフェン)(PAT)およびその調製方法について言及しており、テトラリン中のPAT溶液についても言及している。米国特許出願公開第2003/0116772号明細書(Yamazaki、S.ら)は、コーティング法による、溶剤に溶解した有機発光化合物からの発光素子の製造について開示している。前記参考文献には、可能な有機化合物として、PT、PPV、PPまたはPFなどのポリマーが開示されている。米国特許第5,814,376号明細書(Cabelliら)は、基板上に導電性ポリマーのフィルムを形成するためのグラビアコーティング法について開示している。可能なポリマーとして、一般に、ポリアセチレン、ポリピロール、PT、PAT、ポリフェニレンスルフィド、PPV、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアズレン、ポリフラン、またはポリアニリンが挙げられている。しかしながら、前述の文献は、縮合チオフェン系ポリマーのための半導体インクの調製については触れていない。
【0031】
実施の形態では、本開示は、
有機半導体材料;および
キャリア液体
を含む配合物を提供し、前記キャリア液体は、
式(III)または式(II):
【化1】
【0032】
または式(III)、および(II)(式(IIa)および(IIb)のうちの一方または両方など)の混合物であるの第1の液体と、
式(I):
【化2】
【0033】
の飽和または不飽和の環状ヒドロカルビレン化合物の第2の液体
のうちの少なくとも1つを含み、
ここで、上記式(I)〜(III)における各々のR
1-8置換基および他の構造上の指定は、本明細書に定義されており;
前記配合物は、随意的に、本明細書に定義される3級の液体キャリアも含む。
【0034】
実施の形態では、本開示は、開示される配合物を用いて調製された半導体物品を提供する。
【0035】
実施の形態では、本開示は、
有機半導体材料;および、
キャリア液体
を含む配合物を提供し、前記キャリア液体は、以下のうちの少なくとも1つを含む:
前記有機半導体材料のための溶剤であり、少なくとも180℃の沸点を有し、2つまたはそれ以上の環を有し、かつ、少なくとも1つの環が式(IIa)または(IIb)の飽和または不飽和の環状炭化水素、または式(IIa)および(IIb)の組合せである、50〜約90体積%の量の第1の液体:
【化3】
【0036】
ここで、
各R
1-8は、独立して、水素であるか、飽和または不飽和の、分岐したまたは分岐していない、置換または非置換の(C
1-10)ヒドロカルビレン、(C
3-10)環状ヒドロカルビレン、またはそれらの混合物であり、
nは、−2〜4であり、縮合環サイズを指定し、例えば、−2(4員環)〜4(9員環)であってよく、各環は、化合物中の他のいずれかの環と同一のサイズであっても異なるサイズであってもよく、例えば、6−6環系、6−5環系、6−4環系、6−5−6環系、6−6−6環系、6−4−6環系、6−7−5環系、5−6−5環系、および同様の環系であって差し支えなく、
xは、第1の環に縮合した追加の環の数を指定し、例えば1〜3であってよく、中間の値および範囲を含み、
【化4】
【0037】
ここで、
各R
1-6は、独立して、水素であるか、飽和または不飽和の、分岐したまたは分岐していない、置換または非置換の(C
1-10)ヒドロカルビレン、環状(C
3-10)ヒドロカルビレン、またはそれらの混合物であり、
nおよびn’は、各々の環サイズを指定し、例えば、0(5員環)〜3(8員環)であってよく、各環は、化合物中の他の環と同一のサイズであっても異なるサイズであってもよく、C
6−(C
3-7)またはC
5−(C
3-7)のような二環式の環構造の組合せを提供し、例えば、C
6−C
6、C
6−C
5、C
5−C
5、C
6−C
4、および同様の組合せ、および同様の環系を提供する;
または、
式(III)の芳香族炭化水素:
【化5】
【0038】
ここで、
各R
1-8は、独立して、水素であるか、あるいは飽和または不飽和の、分岐したまたは分岐していない、置換または非置換の一価の(C
1-6)ヒドロカルビレンであり;
nは−1〜6から独立して選択され、縮合脂環式環のサイズの追加の部分を表し、各環は、化合物中の他のいずれかの環と同一のサイズであっても異なるサイズであってもよく、例えば、6−5−6環系、6−6−6環系、6−4−6環系、6−7−5環系、6−6−5環系、および同様の環系であり、
xは、1〜3であり、例えば1〜2などであり、例えば、ここでxは0、1、2、または3であり、第1の環に縮合した追加の環の数を表し、前記縮合環が橋頭置換基を有する場合には、その異性体は、シス−、トランス−、またはそれらの混合物、あるいは式(II)および(III)の混合物を含みうる;
随意的に、例えば、10〜50体積%、20〜50体積%、10〜45体積%、15〜45体積%、15〜40体積%、および20〜40体積%の量(中間の値および範囲を含む)の、式(I)の飽和または不飽和の単環式ヒドロカルビレン化合物の第2の液体:
【化6】
【0039】
ここで、
各R
1-6は、独立して、水素であるか、飽和または不飽和の、分岐したまたは分岐していない、置換または非置換の(C
1-15)ヒドロカルビレン、カルボニル(C=O)、またはそれらの混合物であり、
nは、−1〜6から独立して選択され、5〜約11個の炭素原子を有する環など、飽和または不飽和の環サイズの追加の部分を表し、特に明示されていない水素置換基は、シス体、トランス体、またはそれらの混合物から選択されうる。
【0040】
式(I)の第2の液体は、約155℃、約150℃、約140℃、約130℃、および約120℃など(中間の値および範囲を含む)、約160℃未満の沸点を有しうる。式(I)の第2の液体は、コア環内にゼロ、1つ、または2つの不飽和を有しうる。式(I)の第2の液体は、飽和、単不飽和、または二不飽和のコア環の1つまたはそれ以上の化合物またはそれらの混合物を含みうる。
【0041】
特定の例では、有機半導体材料の配合物は、例えばFT2〜FT5のコアを有する縮合チオフェンのポリマー、またはそれらの混合物を含む。
【0042】
実施の形態では、第1の液体は、例えば、式(II)の飽和縮合二環式ヒドロカルビレン、式(III)の芳香族縮合二環式ヒドロカルビレン、またはそれらの組合せでありうる。第1の液体の具体的な例としては、デカリン、テトラリン、またはそれらの混合物が挙げられる。第1の液体の具体的な例は、50〜99体積%の量で存在する式(IIb)のビ(シクロヘキサン)である。
【0043】
実施の形態では、式(IIb)の化合物を含む配合物は、飽和または不飽和の環状(C
3-10)ヒドロカルビレンでさらに置換されていてもよい、飽和または不飽和の、分岐したまたは分岐していない、置換または非置換の(C
1-10)ヒドロカルビレンを有する、少なくとも1つのR
1-8を含みうる。例えば二価の(C
1-5)ヒドロカルビレン置換基などの直鎖または分岐鎖の脂肪族置換基を有する、例えばシクロヘキサンのコアは、第2のシクロへキシル置換基の間に位置していてもよい。よって、式(IIb)の化合物は、−C
3H
6−(シクロへキシル)、−C
4H
8−(シクロヘキセニル)、−C
6H
12−(シクロペンチル)、および同様の一価のヒドロカルビレン−シクロヒドロカルビル置換基などの環状置換基でさらに置換された脂肪族置換基を有する置換基を含みうる。
【0044】
実施の形態では、式(III)の化合物は、第2の環に縮合した芳香環、および第2の環に縮合した第3の環を含んでもよく、ここで、各環のサイズは、他のいずれかの環と同一のサイズであっても異なるサイズであってもよい。
【0045】
実施の形態では、第2の液体は、例えば、
図1に示す化合物1〜9などの式(I)の飽和または不飽和の単環 環状ヒドロカルビレン化合物でありうる。
【0046】
実施の形態では、式(I)の第2の液体は、例えば、少なくとも1つのオキシ置換基(=O)を有する化合物であってよく、例えば、配合物全体の10〜40体積%の量で配合物中に存在しうる。
【0047】
実施の形態では、式(I)の第2の液体は、例えば、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、シクロオクタン、またはそれらの混合物から選択される飽和脂環式炭化水素でありうる。
【0048】
実施の形態では、本開示の配合物は、例えば、前記配合物全体の1〜40体積%の量の第3の液体をさらに含んでもよく、前記第3の液体は、式ROHのアルコールを含み、ここでRは次の群から選択される:
例えば約5〜約20個の炭素原子を有する脂環式炭化水素;
例えば約6〜約20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素;および
直鎖または分岐鎖のC
10−C
20炭化水素、またはそれらの混合物。
【0049】
実施の形態では、添付の脂環式または芳香族アルコール化合物、および同様の化合物、またはそれらの混合物など、第3の液体のアルコール成分または3級の液体は、主として、粘度改質剤として作用しうる。第3の液体の具体的な例としては、例えば、シクロヘキサノール、および、2,4−キシレノール、デカリン−2−オールなどのジメチルフェノールの異性体、またはそれらの混合物など、図示する化合物のうちの少なくとも1つが挙げられる。
【化7】
【0050】
実施の形態では、本開示はインク配合物を提供し、前記インク配合物は、例えば:
式(III)または式(II)の化合物、または式(III)および式(II)の化合物の混合物のうち少なくとも1つを含む、約50〜約90体積%の第1の液体キャリア;
式(I)の化合物を含む、約10〜約20体積%の第2の液体キャリア;および
有機半導体ポリマー
を含む。
【0051】
スピンコーティング・インク配合物としての上記インク配合物の具体的な例では、第1の液体キャリアは異性体混合物としてのデカリンとビ(シクロヘキサン)の混合物であってよく、第2の液体キャリアはシクロヘキサノンであってよく、有機半導体ポリマーは縮合チオフェンのポリマーでありうる。
【0052】
実施の形態では、本開示はインク配合物を提供し、前記インク配合物は、
約50〜約90体積%の、式(II)のうち1つまたはそれ以上の化合物の第1の液体キャリア;
脂環式アルコールを含む、約10〜約20体積%の第3の液体キャリア;および
有機半導体ポリマー
を含む。
【0053】
実施の形態では、このインク配合物または他のインク配合物は、式(III)の化合物を含まなくてもよい。
【0054】
インクジェット配合物としての上記インク配合物の特定の例では、第1の液体キャリアはビ(シクロヘキサン)であってよく、第3の液体キャリアはデカリン−2−オールであってよく、有機半導体ポリマーは縮合チオフェンのポリマーでありうる。
【0055】
実施の形態では、本開示は、上述の半導体分子などの有機半導体分子、例えば、ジアルキル化テトラチエノアセン(FT4)共重合体などの縮合チオフェンポリマーなどを含むコーティング配合物を提供する。
【0056】
実施の形態では、本開示は、電子機器の処理および製造における開示される配合物の使用を提供する。本開示はまた、特定の溶剤の使用、および縮合チオフェンポリマー半導体材料の溶解および配合用の溶剤の等級も含む。
【0057】
実施の形態では、本開示はまた、半導体インクを配合するため、または半導体インク用の配合物の一部としての前述のポリマー化合物の使用に関する。これらのインクは、半導体素子の製造において半導体層を形成するため、例えば、半導体配合物のドロップキャスティング、スピンキャスティング、スピンコーティング、スロットダイ、および同様の堆積法に使用することができる。これらのインクは、薄膜トランジスタ(TFT)素子などの半導体素子の製造における半導体層のインクジェット印刷、グラビア、または同様の印刷法を含めた、さまざまな方法による印刷に使用されうる。
【0058】
実施の形態では、本開示は、先行技術の半導体材料の欠点を有さず、溶液処理による電子機器および電気光学素子の調製に適している溶液など、改善された特性を有するインクを含めた配合物を提供する。本開示の配合物および方法は安価で効果的であり、環境に優しく、大規模な工業生産に特に適している。
【0059】
本開示の配合物の使用の利点としては、例えば、以下のことが挙げられる:
前述の配合物と比較して、本開示の溶剤へのある特定の縮合チオフェン(FT)系ポリマーの溶解性の増大(溶解性の改善は、処理の簡易化、および、再現性の改善および欠陥の低減を通じた優れたデバイス性能を提供する);
出現の遅延または沈殿形成の抑制によって判断される、インク配合物の保存寿命の改善;および
前述の塩素化溶剤配合物と比較して、ハロゲン化溶剤を含まない等の配合物成分の環境影響が小さいこと、および配合物成分に由来する潜在的な健康への悪影響が小さいこと。
【0060】
さまざまな電子デバイスの製造の間の有機半導体材料の処理に使用される液体キャリア、液体溶媒、または溶剤は、多くの性能基準および評価指標を有することが多い。第一に、有機半導体材料は、所与の体積の特定の溶剤に、少なくともある程度の溶解性を有しなくてはならない。材料は、最初に、高温で溶剤に溶解させることができるが、それらは、一般に、典型的なデバイス製造温度、一般には室温まで低下させるときにも、溶剤に溶解した状態を保たなくてはならない。加えて、例えば、スピンキャスティングまたはインクジェット印刷などの選択される特定のデバイス製造に応じて、選択される溶剤系によって決定されうる有機半導体溶液の他の特性も重要でありうる。例えば、溶液の粘度、表面張力、またはその両方を調整して、処理、または溶剤(又は溶剤の組合せ)が処理溶液から蒸発する速度(溶剤の蒸気圧および沸点に応じて決定されうる)を最小限に抑えてもよい。また、処理中の溶液の取り扱いおよび溶剤の蒸発の両方における、選択された溶剤の環境影響および安全操作の側面は、重要な理由でありうる。
【0061】
液体キャリア
溶解性および処理可能性が改善された配合物を提供する、ある特定のFT4ポリマー半導体材料および液体キャリアの組合せが開示される。開示される液体キャリア化合物はまた、このタイプのポリマーのために以前に選択された溶剤よりも環境影響が少ない。以前に使用した溶剤の例としては、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロ−2−メチルプロパン、およびテトラクロロエタンなどの非芳香族ハロゲン化溶剤;または、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、2−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、2−クロロベンゾトリフルオリドなどのハロゲン化芳香族溶剤が挙げられる。
【0062】
実施の形態では、開示される配合物に有用な液体キャリアは、次の化合物のカテゴリのうち1つまたはそれ以上を含みうる:
A.非芳香族環状炭化水素
非芳香族環状炭化水素は、例えば、飽和および不飽和化合物を含みうる。これらは、例えば、
図1の式(I)に典型的な例とともに一般に示される単環含有化合物、または、例えば、
図2の式(II)、すなわち(IIaおよびIIb)に示される化合物10〜14などの典型的な例とともに一般に示される2つまたはそれ以上の環を含む化合物を含みうる。2つまたはそれ以上の環を有する(多環)化合物は、例えば、縮合環系、または、単結合または二価のヒドロカルビレン・リンカーによって接続した環を有する系を含みうる。
【0063】
B.芳香族炭化水素
例えば、
図3に化合物15〜17などの典型例と共に一般に示される、式(III)の芳香族炭化水素の例としては、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、(o−、m−、p−)キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,3−トリエチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、および同様の化合物、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0064】
C.3級の液体キャリア
このような3級の液体キャリアの例として、例えば、シクロヘキサノール、ジメチルフェノール、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、デカリン−2−オール、および同様の物質、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0065】
単一の液体化合物、または同一のカテゴリ(AまたはB)に由来する2つまたはそれ以上の液体化合物の組合せ、または、カテゴリ内またはカテゴリ間に由来する液体の組合せ(例えば、A、B、およびC、並びに同様の組合せ)を使用することができる。上述のように、処理要件は、液体キャリア成分が選択されうる、実施にに効果的な追加の制限を加える(例えば、室温における液体、粘度、表面張力、および蒸気圧または沸点)。液体キャリア成分の組合せを利用して、有機半導体溶液の粘度、表面張力、および蒸気圧または沸点を調整し、選択される特定のデバイス製造方法を適合させることができる。加えて、溶液組成は、所望の表面張力および粘度が達成できるように、3級の液体キャリアとしての1つまたはそれ以上の有機液体の少量の添加、例えば、約1体積%または約1重量%から最大で約30体積%または約30重量%までなどの添加によって調整することができる。本開示の配合物にとって特に有用な液体キャリアの上記カテゴリA、B、およびCの代表的な容易に利用可能な商業的化合物の具体的な例が、それらの重要な特性の一部についての値と共に、表1に提供されている。表4は、本開示の選択された液体キャリア材料の追加の物理的性質のリストを提示している。
【表1】
【0066】
スピンコート配合物
実施の形態では 本開示は、スピンコート用途のための液体配合物を提供し、前記液体配合物は、下記のものを含む:
有機半導体ポリマーに対して良好な溶剤特性または溶解特性を有する第1のキャリア液体、例えば、60体積%のデカリン、ビ(シクロヘキサン)、メチルデカリン、またはテトラリンなど、約180℃より高い沸点を有し、1つまたはそれ以上の環を有する飽和または部分的に不飽和の炭化水素;および
有機半導体ポリマーに対して乏しい溶解特性または非溶剤特性を有する第2のキャリア液体、例えば、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、および同様の液体化合物など、約160℃未満、例えば120℃などの沸点を有する、約40体積%の飽和環状炭化水素または飽和環状ケトン。第1のキャリア液体としてデカリンを選択する場合には、シス/トランス比は、シス−デカリンの重量%が約15未満になるように調製されうる。
【0067】
インクジェットインク配合物
実施の形態では、本開示は、インクジェットインク用途の液体配合物を提供し、前記液体配合物は、下記のものを含む:
上述のスピンコーティング配合物と同様に、有機半導体ポリマーに対して良好な溶解特性または非溶剤特性を有する第1のキャリア液体、例えば、60体積%のデカリン、ビ(シクロヘキサン)、メチルデカリン、またはテトラリンなど、約180℃より高い沸点を有する、1つまたはそれ以上の環を有する飽和または部分的に不飽和の環状炭化水素または芳香族炭化水素;
有機半導体ポリマーに対して乏しい溶解特性または非溶剤特性を有する随意的な非溶剤成分である第2のキャリア液体、例えば、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、および同様の液体化合物など、約120℃未満の沸点を有する、約40体積%の飽和環状炭化水素または飽和環状ケトン;および
粘度を改質した第3の液体キャリア成分、一般には、例えば、デカリン−2−オール、シクロヘキサノール、2、4−キシレノール、および同様の化合物など、例えば、ヒドロキシル官能性および約180℃より高い沸点を有する、5体積%〜約40体積%の量の脂環式炭化水素または芳香族炭化水素。
【実施例】
【0068】
次の実施例は、上述の開示を使用する方法をさらに十分に説明し、本開示のさまざまな態様を実施することが考慮された最良の形態をさらに説明する役割をする。これらの実施例は、本開示の範囲を制限するのではなく、例証目的で提示されていることが理解されよう。実施例は、さらに、本開示の配合物の調製方法についても説明する。
【0069】
実施例1
溶液調製
溶解を加速するために随意的に撹拌しつつ、特定の比のポリマーと溶媒(約1mg/mL〜5mg/mLまたはそれ以上)を30分間、選択溶剤の沸点近くまで加熱することによって混合溶剤に溶かした、次式:
【化8】
【0070】
のP2TDC17FT4共重合体の溶液を調製した。溶液が室温まで冷却される前に、前記溶剤にポリマーを完全に溶解させた。冷却後、0.45マイクロメートルのPTFE膜を備えたシリンジフィルタでポリマー溶液を濾過した。
【0071】
実施例2
インクの調製
実施例1のポリマー配合物を使用し、Rame−Hart社(米国ニュージャージー州マウンテンレイクス所在)のNRL C.A.ゴニオメーター(モデル#100−00)を用いて表面張力を測定した。自動分配システムを使用して、ピペットチップから液滴が懸濁されるまで(約7μL)、一度に1μLのサンプルを使い捨てのピペットチップで分注した。液滴の画像を保存し、DROPイメージソフトウェアパッケージを使用して分析した。50mmの平行板を使用し、0.3mmのギャップにおいて、1〜1000/秒の掃引した速度を用いて粘度の測定値を得た。所望の表面張力および粘度が達成されるように、1つまたはそれ以上の有機液体(すなわち3級の液体キャリア)を添加することによって配合組成物を調整した。デカリン溶液の3級の液体キャリアの改質の例は、2,4−キシレノールの添加である。
【0072】
図4および5は、それぞれ、デカリンに溶かしたデカリン−2−オールの液体キャリア組合せ、およびデカリンに溶かしたシクロヘキサノールの液体キャリア組合せを有する典型的な配合物の体積分率に対する動粘度のグラフを示している。LCL95%(400)(500)は、動粘度の信頼限界が低いことを表し、UCL95%(410)(510)は、23℃における動粘度の信頼限界が上側95%であることを表している。
図4(デカリンに溶かしたデカリン−2−オール)および
図5(デカリンに溶かしたシクロヘキサノール)のグラフ化したデータの直線フィッティングの詳細が、それぞれ表2および3に提示されている。
【表2】
【表3】
【0073】
図6は、選択された液体キャリアおよび液体キャリア混合物の表面張力の測定値を示している。この測定値は、選択された液体混合物が直線的に希釈またはスケール化されないかもしれないことを実証している。表面張力は、本開示の配合物の配合、および特殊コーティングとしてのそれらの使用において考慮される有用な特性である。スピンコーティング配合物の用途では、基板とコーティング組成物の基板表面エネルギーを適合または接近させて、湿潤化を促進し、液滴の飛散を防ぐことが望ましい。インクジェット配合物印刷用途では、ドロップ表面張力が低すぎると、印刷画像およびデバイスの欠陥を生じかねないサテライト液滴またはテール液滴を生じうる。
【0074】
実施例3
薄膜トランジスタ製造
有機半導体のチャネルとして、例えば、縮合チオフェンコポリマーP2TDC17FT4を使用する、上部接触(Top-contact)下部ゲート(bottom-gate)トランジスタを製造した。高濃度にドープされたSi<100>ウエハをゲート電極として使用し、また、300nmの熱成長した二酸化シリコンをゲート誘電体として使用した。各溶剤において、半導体等級のアセトンおよびイソプロパノール中での10分間の超音波処理によって基板を清浄化し、次に、15分間の空気プラズマ処理を行った。清浄化したSi/SiO
2サンプルを窒素雰囲気下、約200℃で15分間焼いて脱水を達成した。ゲート誘電体層の表面改質にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を使用した。次に、1,500RPMで40秒間のスピンコーティングによってポリマーフィルムを堆積させた。真空チャンバ内で120℃でフィルムを焼き、上部接触電極が熱蒸発する前に溶剤を除去した。供給源用の50nmの金接触およびドレイン電極を、80マイクロメートルのチャンネル長(L)および0.95mmのチャンネル幅を有する一連のトランジスタ素子を規定する金属シャドーマスクを通じて2.5Å/秒の速度で真空蒸着した。カスケード・マイクロテック(Cascade Microtech)モデル12000シリーズのプローブ・ステーションおよびKeithley4200−SCS半導体解析システムを使用してポリマー性のトランジスタを解析した。
【0075】
実施例4
テトラリン素子の製造
コーティング配合物における単一の液体キャリアとしてテトラリンを使用して、実施例3に従って薄膜素子を製造した。テトラリン配合OFETデバイスの伝達曲線は、0.08cm
2/V・秒の電界効果正孔移動度、5×10
5のオン/オフ比、および−7Vの閾電圧を示した。
【0076】
実施例5
キシレン素子の製造
コーティング配合物における単一の液体キャリアとしてo−キシレンを使用して、実施例3に従って薄膜素子を製造した。o−キシレン配合OFETデバイスの伝達曲線は、0.06cm
2/V・秒の電界効果正孔移動度、10
5〜10
6のオン/オフ比、および−5Vの閾電圧を示した。
【0077】
実施例6
スピンコーティング配合物
スピンコーティング用の3mg/mLの配合物は、20mLのデカリン(異性体混合物);30mLのシクロヘキサノン;50mLのビ(シクロヘキサン)(すなわち、1−シクロへキシル−シクロヘキサン);および0.3gの有機半導体ポリマーを含んでいた。
【0078】
デカリン/ビ(シクロヘキサン)の混合溶液、またはビ(シクロヘキサン)のみの溶液にポリマーを溶解させた。溶解が完了したときにシクロヘキサノンまたはシクロヘキサノン/デカリンの液体を加え、溶液をさらに混合した。
【0079】
別のスピンコーティング配合物は、例えば、60mLのビ(シクロヘキサン);40mLのシクロヘキサン;および0.3gの有機半導体ポリマーを含んでいた。
【0080】
ビ(シクロヘキサン)にポリマーを溶解させて、次に、シクロヘキサンを加えた。
【0081】
実施例7
インクジェット印刷配合物
3mg/mLのインクジェット印刷用配合物は、90mLのビ(シクロヘキサン);10mLのデカリン−2−オール;および0.3gの有機半導体ポリマーを含んでいた。ビ(シクロヘキサン)にポリマーを溶解させて、次に、デカリン−2−オールを加えた。
【0082】
別のインクジェット印刷配合物は、例えば:20mLのデカリン;60mLのビ(シクロヘキサン);20mLのデカリン−2−オール;および0.3gの有機半導体ポリマーを含んでいた。デカリンとビ(シクロヘキサン)の混合溶液、またはビ(シクロヘキサン)のみの溶液にポリマーを溶解させて、次に、デカリン−2−オールまたは、デカリン−2−オールおよびデカリン混合物を加えた。
【0083】
他の別のインクジェット印刷配合物は、例えば、20mLのデカリン;20mLのシクロヘキサノール;60mLのビ(シクロヘキサン);および0.3gの有機半導体ポリマーを含んでいた。デカリンとビ(シクロヘキサン)の混合溶液、またはビ(シクロヘキサン)のみの溶液にポリマーを溶解させた。次に、シクロヘキサノールを加えるか、またはシクロヘキサノールとデカリンの混合物を加えた。
【0084】
本開示は、さまざまな特定の実施の形態および技法に関して記載されている。しかしながら、本開示の範囲内にありながら、多くのバリエーションおよび変更が可能であることが理解されるべきである。
【表4-1】
【表4-2】